土質改良材供給装置
【課題】土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し供給精度を向上させる土質改良材供給装置を提供する。
【解決手段】土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置14において、土質改良材の貯留タンク15と、貯留タンク15内の土質改良材を土砂に供給するフィーダ16と、貯留タンク15内の土質改良材を撹拌するアーチブレーカ51と、フィーダ16の駆動負荷を検出する負荷検出器と、フィーダ16の駆動負荷及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、負荷検出器からの信号及び記憶部の記憶情報を基にアーチブレーカ51の駆動速度を制御する演算部とを備え、フィーダ16の駆動負荷の低下に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を増大させ、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を減少させることを特徴とする。
【解決手段】土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置14において、土質改良材の貯留タンク15と、貯留タンク15内の土質改良材を土砂に供給するフィーダ16と、貯留タンク15内の土質改良材を撹拌するアーチブレーカ51と、フィーダ16の駆動負荷を検出する負荷検出器と、フィーダ16の駆動負荷及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、負荷検出器からの信号及び記憶部の記憶情報を基にアーチブレーカ51の駆動速度を制御する演算部とを備え、フィーダ16の駆動負荷の低下に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を増大させ、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を減少させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体供給装置としては、貯留タンク内に貯留した粉体を下部のフィーダによって貯留タンク外部に排出するものが一般的である(特許文献1等参照)。フィーダとしては、スクリュフィーダの他にも、ロータリフィーダ(ロータリバルブ)やベルトコンベヤ、テーブルフィーダ等、様々なものが用いられ得る。
【0003】
【特許文献1】実開昭61−51945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
土質改良機は、一般に粉体供給装置である土質改良材供給装置によって粉粒状の石灰等の土質改良材を改質対象土砂に供給し、土砂を土質改良材と混合処理して改良土を生成する。貯留タンクへの土質改良材の充填は、代表的にはサイロを用いて行う場合とフレキシブルコンテナを用いて行う場合があるが、いずれにしても貯留タンクの上部から土質改良材を充填するので土質改良材には落下時に空気が混入する。したがって、このときの空気の混入度合いによって貯留タンク内の土質改良材の嵩密度は変動し、空気混入量が多いほど嵩密度が小さくなる。
【0005】
ここで、土質改良作業では改質対象土砂に対して目標重量の土質改良材を添加し、土砂に対する土質改良材の混合比(改良土品質)を安定に確保することが重要である。土質改良材の供給量制御には、フィーダに取り込まれる土質改良材の量を制御する方法、及びフィーダの駆動速度を制御する方法があるが、後者の方が精度面で優位であり一般的である。また、土質改良材供給装置によって改質対象土砂に土質改良材を直接供給する場合、土質改良材の供給重量自体を計測することは容易ではない。そこで、一般にはフィーダの駆動速度から土質改良材の供給体積を推定し、それに土質改良材の嵩密度を乗じることで供給重量を管理することが行われる。
【0006】
したがって、空気の混入によって嵩密度が変動すると実際にはフィーダの駆動速度に対する土質改良材の供給重量が変動するが、上記の計算方法では一般に嵩密度を一定値と想定して土質改良材の供給重量を算出するので嵩密度が変動しても演算結果に反映されない。嵩密度によっては土質改良材の供給量の演算結果と実際の値との誤差が大きくなり、土質改良材の供給精度、改良土品質の信頼性にも影響し得る。
【0007】
そこで本発明は、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し供給精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、前記フィーダの駆動負荷及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、前記負荷検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動負荷の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダの駆動負荷の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置と、前記フィーダの駆動速度を操作する操作装置とを備え、前記制御装置は、前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の指令値の対応関係を記憶した記憶部と、前記操作装置からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダへの速度指令値の増大に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダへの速度指令値の減少に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記フィーダ及び前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器をさらに備え、前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷の複数の範囲毎に前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶しており、前記指令部は、前記負荷検出器からの信号に応じた前記対応関係を参照し前記撹拌装置への速度指令値を生成することを特徴とする。
【0011】
(4)上記(1)又は(3)において、好ましくは、前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶しており、前記指令部は、前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値に達したら前記撹拌装置への速度指令値をゼロにすることを特徴とする。
【0012】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダの駆動速度を検出する速度検出器と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記速度検出器からの信号を入力する入力部と、前記フィーダの駆動速度及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、前記速度検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動速度の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を上昇させ、前記フィーダの駆動速度の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を低下させる指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶した記憶部と、前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値より低い場合、前記撹拌装置への一定の大きさの速度指令値を生成し、前記フィーダの駆動負荷が前記閾値以上の場合、前記撹拌装置への速度指令値をゼロにする指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
(7)上記(1)−(6)のいずれかにおいて、好ましくは、前記フィーダは、前記貯留タンクの下部に連設された筒状のケーシング、及び前記ケーシング内に通された回転軸及び前記回転軸の外周部に設けられたスクリュを有するスクリュフィーダであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アーチブレーカによって適正な駆動速度で撹拌することによって貯留タンク内の土質改良材の嵩密度を安定化させるので、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し供給精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置を備えた自走式土質改良機の全体構造を表す側面図、図2はその平面図である。以下の説明において特に断りのない場合、図1及び図2中の左側を一方側、右側を他方側とする。
【0018】
これら図1及び図2に示した自走式土質改良機は、自力走行するための走行体1、改質対象土砂を受け入れるためのホッパ12、ホッパ12に受け入れられた土砂を搬送する搬送コンベヤ13、土砂に土質改良材を供給する土質改良材供給装置14、土砂と土質改良材を混合処理する混合装置19、混合装置19から排出された改良土を搬送し機外に排出する排出コンベヤ26、及び各搭載機器の動力源等を内蔵した動力装置21を備えている。
【0019】
走行体1は、左右一対の走行装置2、及び走行装置2の上部にほぼ平行に延設した一対の本体フレーム3で構成されている。走行装置2は、本体フレーム3の下部に連設したトラックフレーム4、トラックフレーム4の両端にそれぞれ設けた従動輪(アイドラ)5及び駆動輪6、従動輪5及び駆動輪6に掛け回した履帯(無限軌道履帯)7、及び駆動輪6に直結した走行用の駆動装置8を備えている。本体フレーム3上には支持ポスト9a,9bが立設されており、これら支持ポスト9a,9bによって、本体フレーム3の長手方向の一方側の上方に配置した支持フレーム10及び本体フレーム3の長手方向のほぼ中央部の上方に配置した支持フレーム11が支持されている。
【0020】
ホッパ12は、上下が開口した枠型の部材であって上方に向かって拡開するように形成されている。このホッパ12は、支持フレーム10を介して本体フレーム3の長手方向一方側に支持されている。搬送コンベヤ13は、ホッパ12の下方から後述する混合装置19の入口(図示せず)の上方にかけてほぼ水平に延在するように上記支持ポスト9a等によって支持されている。
【0021】
土質改良材供給装置14は、土質改良材を貯留する貯留タンク15、及び貯留タンク15内の土質改良材を土砂に供給するスクリュフィーダ16を備えており、上記支持フレーム11を介し本体フレーム3のほぼ中央部上に配設されている。機体幅方向の片側(図2中上側)には、この土質改良材供給装置14の側方に位置するようにクレーン18(図2参照)が配設されている。このクレーン18は、土質改良材を充填した例えばフレキシブルコンテナ(トンパック)等を貯留タンク15の上方に吊るし、フレキシブルコンテナ内の土質改良材の貯留タンク15への充填を補助するのに用いられる。
【0022】
混合装置19は、搬送コンベヤ13から導入された土砂及び土質改良材をパドルミキサ(図示せず)によって混合し改良土を生成するものであって、スクリュフィーダ16の下方に位置するように本体フレーム3の長手方向ほぼ中央上に設けられている。搬送コンベヤ13の放出端(図1中右側端部)からこの混合装置19の土砂及び土質改良材の入口(図示せず)にかけての空間はカバー20で包囲されている。このカバー20で包囲された空間には上記スクリュフィーダ16の土質改良材の排出口64も臨んでおり、混合装置18の入口に投入される際の土砂及び土質改良材の飛散抑制に配慮されている。
【0023】
動力装置21は、本体フレーム3の長手方向他方側の端部に支持部材22を介して支持されている。この動力装置21の前方側(図1及び図2中左側)の区画には運転席23が設けられている。この運転席23には、走行装置2を操作する操作レバー24等が備えられている。また、機体側面の運転席23の下方位置には、走行装置2を除く混合装置19等の各機器を操作する操作盤25が設けられている。
【0024】
排出コンベヤ26は、混合装置19の下方から本体フレーム3の長手方向他方側に向かって所定距離ほぼ水平に延在した後、動力装置21の下方付近から上り傾斜に延在しており、図示しない駆動プーリに連結した駆動装置27(図2参照)によって搬送ベルトを循環駆動させて搬送ベルト上の改良土を搬出する。排出コンベヤ26の上流部分(図1中の左側部分)は図示しない支持部材を介して本体フレーム3に、中間部及び下流側部分(図1中の右側部分)は支持部材29,30を介して動力装置21後方(図1中右側)に設けたアーム28に、それぞれ吊り下げ支持されている。
【0025】
図3は前述した土質改良材供給装置14を抽出して表す側断面図で、本体フレーム3の長手方向に沿った鉛直断面を表している。
【0026】
図3において、貯留タンク15は、上記支持フレーム11上に固定したフレーム41と、フレーム41上に固定され中央が開口した底板42と、この底板42上に連設した水平断面が方形状(円形状でも良い)の蛇腹部43と、この蛇腹部43の上部開口を塞ぐ天板44と、蛇腹部43の下部に連設し下方に向かって縮径するシュート17とを備えている。蛇腹部43は、伸縮自在なフレキシブルな材料、例えばポリエチレン系ゴム材料で構成されており、内部に貯留した土質改良材からの内圧が下方ほど高くなるため、図3に示すように補強リング45のピッチを下方ほど狭くしてある。天板44の中央には土質改良材の受入口47が設けられており、天板44の上面には受入口47を開閉する開閉蓋46が蝶番(図示せず)を介して取付けられている。
【0027】
天板44の受入口47の下方位置にはカッタ48が装着されている。このカッタ48は開閉蓋46の下面に支持アーム49を介して垂設された枠体50上に尖頭部を上方に向けた状態で取り付けられている。枠体50の配置は天板44から所定深さだけ低く、カッタ48の頂部は開閉蓋46よりも下側に位置しており、開閉蓋46を閉じるとカッタ48が完全に貯留タンク15内に収容される。貯留タンク15にフレキシブルコンテナ(トンパック)を用いて土質改良材を充填するときには、天板44に設けた開閉蓋46を開き、フレキシブルコンテナをクレーン18で受入口47に挿入し、フレキシブルコンテナを自重でカッタ48に押し付ける。これによって、フレキシブルコンテナの下端部が切り裂かれ、フレキシブルコンテナ内部の土質改良材が貯留タンク15内に流入する。また、フレキシブルコンテナを用いず、自走式土質改良機とは別に設けたサイロからホースを介して貯留タンク15に土質改良材を充填する場合もある。この場合も貯留タンク15へは天板44側から土質改良材が充填される。
【0028】
上記シュート17は、下方に向かって縮径する四角錐状(円錐状としても良い)の部材であり、上下が開口している。シュート17の上部開口54は、蛇腹部43の下端部に連結され、蛇腹部43とシュート17の内部空間が通じている。一方、シュート17の下部開口55はスクリュフィーダ16に連結され、シュート17とスクリュフィーダ16の内部空間が通じている。これにより、貯留タンク15に充填された土質改良材は、上部開口54を介してシュート17に流入し、シュート17にガイドされて下部開口55からスクリュフィーダ16に導入される。このとき、シュート17の下部開口55は、スクリュフィーダ16の軸線に直交する方向にとった幅寸法(図3中の紙面に直交する方向)に対して上記スクリュフィーダ16の軸線方向(図2中の左右方向)にとった長さ寸法が長く形成されている。また、この四角錐状のシュート17の上部開口54から下部開口55に向かって延びる内壁面のコーナー部分(各側壁の境界部分)は、いわゆるR材を張ったり溶接ビードを形成したりしてR状に形成されており、シュート17の内面のコーナー部分に土質改良材が滞留し難いように配慮されている。シュート17の内壁面には、スクリュフィーダ16のケーシング61の内周面と併せてゴムライニング等を施すこともできる。
【0029】
シュート17の内部には、貯留タンク15内の土質改良材を撹拌するアーチブレーカ(撹拌装置)51が設けられている。このアーチブレーカ51は、シュート17に対して回転自在に支持された回転軸52と、この回転軸52に対して所定のピッチで設けられた複数の攪拌棒53と、回転軸52の端部(図3中右端)に直結した駆動装置56とで構成されている。
【0030】
本実施の形態では、回転軸52は本体フレーム3の長手方向に沿って水平に配置されている。各撹拌棒53は下方のスクリュフィーダ16の傾斜に合わせて図3中の左側のものほど短くなっており、下部開口55を介して臨むスクリュ62に各撹拌棒53の先端の回転軌跡を近接させてある。撹拌棒53はまた、回転軸52の軸方向から見て回転軸52の外周部に180度ピッチで設けられており、図3に示した状態から90度回転すると撹拌棒53は全て水平方向を向く。詳細には図示していないが、アーチブレーカ51には、撹拌棒53が水平姿勢となる回転軸52の角度位置を検出するセンサが設けられており、駆動停止時には撹拌棒53が水平を向いた姿勢で停止するように制御される。駆動装置56は油圧モータ(電動でも良い)であってシュート17の外壁部に設けられている。
【0031】
この駆動装置56によってアーチブレーカ51が回転駆動されると、シュート17内の土質改良材が攪拌棒53によって攪拌され、シュート17内の架橋の発生が抑制され、また土質改良材の塊がある場合にはその解砕も促進される。さらには、下部開口55近傍の土質改良材をスクリュフィーダ16に送り込む機能も果たし得る。
【0032】
また、図3では図示省略しているが、天板44の外周部には複数(この例では4つ)の取り付け部が設けられている。これら取り付け部の下部には、図1に示したように支柱が固定的に垂設されている。各支柱は、上記シュート17の底板42に取り付けたガイド筒に上下にスライド可能に通されている。このとき、各支柱にはそれぞれ上下のピン穴が穿設されており、ガイド筒に穿設されたピン穴に上下いずれかのピン穴の位置を合わせてストッパピンを差し込むことによって支柱がガイド筒に固定される。例えば稼動時等には支柱を引き上げて下側のピン穴をストッパピンでガイド筒に固定することによって貯留タンクの内部容積が確保される。一方、例えば自走式土質改良機をトレーラ等で輸送する時には蛇腹部43を縮めて上側のピン穴をストッパピンでガイド筒に固定することにより、貯留タンク15の高さを低くすることができる。先述したアーチブレーカ51は停止時には撹拌棒53が水平を向くように設定してあるので、蛇腹部43を縮めたときにカッタ48を支持する枠体50をアーチブレーカ51の回転軸52の近くまで下げることができ、貯留タンク15の格納姿勢のコンパクト化にも貢献する。
【0033】
スクリュフィーダ16は、シュート17の下部に連設した円筒状のケーシング61、ケーシング61内に通され回転自在に支持された回転軸66、回転軸66の外周部に設けられたスクリュ62、及びスクリュ62を回転駆動する油圧モータ(電動モータでも良い)である駆動装置63(図3参照)を備えている。
【0034】
ケーシング61の周胴部の上半側には、図5に示したようにシュート17の下部開口55に連接する土質改良材受入口が開口している。この土質改良材受入口は下部開口55と実質同形に形成されており、その周縁部がシュート17の下部開口55の周縁部に対して溶接等によって接合されている。これによってケーシング61はシュート17の下部に固定されている。また、ケーシング61は支持部材68(図3参照)を介してケーシング61の土質改良材の移送方向下流側(図5中の左側)をシュート17の外壁面に固定することにより、より安定に支持されている。また、ケーシング61の土質改良材の移送方向下流側の端部下側には、土質改良材を排出する土質改良材排出口64が形成されている。
【0035】
ケーシング61は、図1に示したように、その土質改良材の移送方向の上流側(図1中の右側)が搬送コンベヤ13と同程度の高さに配置され、そこから土質改良材の移送方向下流側(図1中の左側)に向かって上る方向に傾斜し、下流側端部が搬送コンベヤ13の搬送方向下流側端部(図1中の右端)の上方に位置している。このようにケーシング61を傾斜させ、混合装置19の上方のスペースを利用してその上流側部分を下げることにより、ケーシング61の重心を下げ土質改良材供給装置14の全高が低くなるように配慮されている。さらに、ケーシング61が土質改良材移送方向の下流側に向かって上向きに傾斜しているので、スクリュ62の回転と無関係に土質改良材が流動することに対する抵抗にもなっている。
【0036】
ケーシング61の軸方向の両端は、図3に示したように、スクリュ62の回転軸66を貫通させたエンドプレート65によって塞がれている。エンドプレート65を貫通した回転軸66は、エンドプレート65の外面に取り付けられた軸受67により回転自在に支持されている。スクリュ62の回転軸66は、中空のパイプで形成することによって軽量化することができるが、中実の丸棒材又は角棒材を用いることもできる。
【0037】
スクリュ62は、図5に示した通り、回転軸66の外周につる巻き状に設けた螺旋状の羽根であり、シュート17の下部開口55の全体からケーシング61内に土質改良材が取り込まれるように、シュート17の下部開口55に臨む範囲で土質改良材の移送方向の下流側部分を所定の大きさのピッチとし上流側部分のピッチはこれよりも小さくしてある。スクリュ62のピッチは、下流側に行くにつれて連続的に大きくすることもできるが、本実施の形態では下流側に向けて段階的に大きくなるようにしてある。
【0038】
スクリュフィーダ16の駆動装置63は、シュート17の本体フレーム3の長手方向の他方側に、駆動伝達機構(図示せず)を収容した駆動伝達部70(図3参照)を介して取り付けられている。駆動伝達部70は、特に図示していないが、駆動装置63の出力軸、この出力軸に設けたスプロケット(又はプーリ)、スクリュ62の回転軸66の他端(図3中右端)に設けたスプロケット(又はプーリ)、及びこれらスプロケット(又はプーリ)に掛け回したチェーン(又はベルト)を収容している。つまり、スクリュフィーダ16は、駆動伝達部70によりチェーン(又はベルト)を介して駆動装置63の駆動力を回転軸66に伝達しスクリュ62を回転させるようになっている。なお、駆動装置63には、回転速度が可変で制御可能なものを用いることが好ましい。例えば駆動装置63を油圧モータとした場合には、回転数検出器で駆動装置63の回転数を検出し、その検出値と目標回転数との差を基に、制御弁装置によって駆動装置63への圧油の供給流量を調整する構成とすれば、駆動装置63の回転速度すなわち土質改良材の時間当たりの供給量を目標値に近付けることができる。
【0039】
上記構成により、スクリュフィーダ16は、シュート17を介して貯留タンク15から導入された土質改良材を図1中左方向(搬送コンベヤ13の搬送方向と反対方向)に移送し、搬送コンベヤ13の土砂搬送方向の下流側端部(図1中右端部)付近を搬送される土砂に添加する機能を果たす。
【0040】
図4はフィーダ16及びアーチブレーカ51の油圧駆動回路図である。図4において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0041】
図4に示すように、図示しないエンジンにより駆動される油圧ポンプ80と、油圧ポンプ80からフィーダ用の駆動装置63への圧油の流れを制御する制御弁81と、油圧ポンプ80からアーチブレーカ用の駆動装置56への圧油の流れを制御する制御弁82とを備えている。制御弁81,82はパイロット作動形の比例電磁式の3位置切り換え弁であり、それぞれ中立位置81a,82aのとき油圧ポンプ80から駆動装置63,56への圧油の流れを遮断し、油圧ポンプ80の吐出する圧油をタンク83に戻す。そして、ソレノイド駆動部81d,82d(又はソレノイド駆動部81e,82e、以下の対応関係同様)に指令信号が入力されて切換位置81b,82b(又は切換位置81c,82c)に切り換わると、油圧ポンプ80からの圧油が供給管路84a,85a(又は供給管路84b,85b)に導かれ、駆動装置63,56が正転(又は逆転)方向に駆動する。
【0042】
また、駆動装置63,56にはフィーダ16及びアーチブレーカ51の駆動速度として駆動装置63,56の回転数をそれぞれ検出する回転数検出器86,87が、フィーダ用駆動装置63への正転駆動用の供給管路84aにはフィーダ16の負荷として供給管路84aの圧油の圧力を検出する負荷検出器88が設けられている。これら検出器86−88の検出信号は、フィーダ16及びアーチブレーカ51を含めた各作動機器の動作を制御する制御装置90(図5参照)に出力される。
【0043】
図5は制御装置90の要部を抽出して表す機能ブロック図である。図5において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0044】
図5に示すように、制御装置90は、操作レバー24や図示しない操作盤を含む操作装置89、また速度検出器86,87及び負荷検出器88からの信号を入力しデジタル信号化する入力部91と、制御手順のプログラムや制御に必要な定数、また演算結果等を格納する記憶部92と、各種演算処理を実行する演算部93と、演算部93で演算・生成された信号をアナログ信号化して上記制御弁81,82を含む各作動機器や表示装置に出力する出力部94とを備えている。
【0045】
記憶部92は、フィーダ16の駆動負荷及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係(制御線)を記憶したフィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aを備えている。フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aに記憶された制御線の幾つかの例を図6−図9に示す。
【0046】
図6に示した制御線は、負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が0(ゼロ)から増大するのに伴って連続的かつ線形にアーチブレーカ51の駆動速度を減じるもので、フィーダ圧力が最大値Pmaxに到達したところでアーチブレーカ51が停止する。最大値Pmaxは例えば図示しないリリーフ弁により規制された供給管路88の圧力の最大値である。
【0047】
図7に示した制御線は、図6と同じように負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が0(ゼロ)から増大するのに伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を減じるものであるが、フィーダ圧力が最大値Pmaxに到達する前に閾値P1(<Pmax)に達した時点でアーチブレーカ51を停止させる。この場合、閾値P1に到達するまではフィーダ16の駆動負荷の増大に伴って連続的かつ線形にアーチブレーカ51を減速してフィーダ16の駆動負荷が閾値P1に達したところで停止させる。フィーダ16の駆動負荷が閾値P1を超えた状態ではアーチブレーカ51は常時停止状態である。
【0048】
図8に示した制御線では、負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が閾値P2(>0)から閾値P3(P2<P3<Pmax)まで増大する間はフィーダ16の駆動負荷の増大に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を線形にかつ連続的に減じている。この制御線では、フィーダ16の駆動負荷が閾値P3に到達した時点ではアーチブレーカ51の駆動速度はまだ0(ゼロ)ではなく一定の大きさを持っているが、フィーダ16の駆動負荷が閾値P3より大きい場合にはアーチブレーカ51は常時停止状態となる。すなわち、フィーダ16の駆動負荷が閾値P3を跨いで変化する場合にはアーチブレーカ51の速度が不連続に変化する。フィーダ16の駆動負荷が閾値P2以下の値で推移している間は所定の速度で駆動する。
【0049】
図9に示した制御線では、負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が閾値P4(>0)以下の値で推移している間はアーチブレーカ51が設定の速度で駆動し、P4を超えたら停止する。このように、アーチブレーカ51の駆動速度は必ずしも線形に制御する必要はなく、フィーダ16の駆動負荷がある値よりも低いときにアーチブレーカ51を駆動し高いときに停止するといった、ON/OFF制御とすることもできる。また、この例ではアーチブレーカ51の駆動速度が単一の値である単純なON/OFF制御を例示しているが、例えば閾値を複数用意しておき、フィーダ16の駆動負荷の増大に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を段階的(ステップ状)に減少させることもできる。
【0050】
なお、図6−図9の制御線では、アーチブレーカ51の駆動速度が連続的かつ線形に減少する場合を例に挙げて説明したが、次数が二次以上の曲線、また多項式により表される曲線で制御線を定義することもできるし、数式的に定義された制御線に限らず経験的に制御線を定めても良い。
【0051】
演算部93は、操作装置89からの操作信号を基にフィーダ16に対する指令値を生成するフィーダ指令部93aと、フィーダ指令部93aによる速度指令値と速度検出器86の信号から演算される実際のフィーダ16の駆動速度の偏差が小さくなるようにフィーダ指令部93aの信号を補正するフィーダ補正部93bと、負荷検出器88からの信号を基にアーチブレーカ51の駆動速度の指令値を生成するブレーカ指令部93cとを備えている。特に図示していないが、ブレーカ指令部93cによる速度指令値と速度検出器87の信号から演算される実際のアーチブレーカ51の駆動速度の偏差が小さくなるようにブレーカ指令部93cの信号を補正する場合には、その役割を果たすブレーカ指令部を設ける。
【0052】
ブレーカ指令部93cは、記憶部92(フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92a)の記憶情報、すなわち図6−図9に示したような制御線を基に、検出されたフィーダ16の駆動負荷に対応するアーチブレーカ51の駆動速度を算出する。これにより、フィーダ16の駆動負荷の低下に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値が増大し、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値が減少する。
【0053】
前述した通り、フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aに図6に示したような制御線を記憶させておけば、フィーダ16の駆動負荷の全域(0(ゼロ)−最大値Pmaxの範囲)で連続的に、フィーダ16の駆動負荷の低下に伴ってブレーカ速度が増大し、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってブレーカ速度が減少する。フィーダ16の駆動負荷に対して図7−図9に示したように予め閾値P1,P3,P4が適宜設定された制御線がフィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aに記憶されていれば、負荷検出器88からの信号を基に演算したフィーダ16の駆動負荷が閾値に達したらアーチブレーカ51への速度指令値がブレーカ指令部93cによってゼロにされ、アーチブレーカ51が停止する。特に図9に示したような制御線の場合、負荷検出器88からの信号を基に演算したフィーダ16の駆動負荷が閾値P4より小さいか閾値P4以上かでアーチブレーカ51への駆動指令をON/OFFするのみであるので、制御が簡単である。
【0054】
次に上記構成の土質改良機の動作及び作用を説明する。
図1において、油圧ショベル等によりホッパ12に改質対象となる土砂が投入されると、ホッパ12に受け入れられた土砂が搬送コンベヤ13により混合装置19に向かって搬送される。搬送中、搬送コンベヤ13上の土砂に対し土質改良材供給装置14によって土質改良材が供給され、土砂は土質改良材とともに混合装置19に供給される。これら土砂及び土質改良材は、混合装置19内でパドルミキサ(図示せず)によって均一に混合処理される。混合装置19で混合処理された改良土は、排出コンベヤ26上に排出され、この排出コンベヤ26によって機外に搬出される。
【0055】
このとき、貯留タンク15への土質改良材の充填は、サイロやフレキシブルコンテナを用いて行われるが、いずれにしても貯留タンク15の上部から土質改良材が充填されるので落下時に土質改良材に空気が混入する。したがって、このときの空気の混入度合いによって貯留タンク内の土質改良材の嵩密度は変動し、空気混入量が多いほど嵩密度が小さくなる。空気の混入によって嵩密度が変動すると実際にはフィーダ16の駆動速度に対する土質改良材の体積値が変動するが、土質改良材の嵩密度を一定と想定しフィーダ16の駆動速度から土質改良材の土砂への供給重量を算出する場合、嵩密度によっては土質改良材の供給量の演算結果と実際の値との誤差が大きくなり、土質改良材の供給精度、改良土品質の信頼性にも影響し得る。
【0056】
そこで、本実施の形態では、貯留タンク15にアーチブレーカ51を設けて貯留タンク15内の土質改良材を撹拌することで、フィーダ16への土質改良材の流入を阻害する架橋の発生を抑制するのみならず、貯留タンク15内に堆積する土質改良材を脱気して土質改良材の嵩密度を上げる役割を果たす。さらには、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を遅くして場合によっては停止させ、フィーダ16の駆動負荷の減少に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を上げる制御を実行することで、土質改良材の嵩密度の安定化を図るのみならず、必要以上の脱気によって土質改良材の嵩密度が上昇し過ぎてフィーダ16が過負荷に陥ることを抑制することもできる。よって、本実施の形態によれば、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し、土砂に対する土質改良材の供給精度を向上させることができる。
【0057】
図10は本発明の第2の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。図10は第1の実施の形態の図5に対応する図であり、図10において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0058】
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、アーチブレーカ51の駆動速度をフィーダ16の駆動負荷に応じて制御するのではなく、予め定められたフィーダ16の駆動速度の指令値との対応関係にしたがって増減させる点である。
【0059】
本実施の形態における制御装置90Bの記憶部92Bには、フィーダ16及びアーチブレーカ51の駆動速度の指令値の対応関係を記憶したフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92bが備えられている。本実施の形態の場合、フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92bには、フィーダ16の駆動負荷に割り当てられた複数の範囲毎にフィーダ15及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係が記憶されている(フィーダ速度−ブレーカ速度の指令値の対応関係が複数用意されている)。
【0060】
図11はフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92bに記憶されたフィーダ16とアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係(制御線)を表す図である。
【0061】
図11に示した制御線α,β,γによれば、フィーダ16の実際の負荷や速度には関係なく、フィーダ16に対する速度指令値に対応してアーチブレーカ51に対する速度指令値が決定される。図11に示した制御線α,β,γは、フィーダ16の駆動速度の指令値の増加に伴って線形かつ連続的にアーチブレーカ51の駆動速度が上昇する場合を例示しているが、必ずしも線形でなくとも良いし連続的でなくとも良い。例えばフィーダ16の駆動速度の指令値が0(ゼロ)付近で、ある閾値以下の範囲ではアーチブレーカ51への指令値を0としても良いし、アーチブレーカ51への指令値が段階的又は曲線的に変化する制御線であっても良い。アーチブレーカ51への指令値がある一定の値か0かの制御線(ON/OFF制御)であっても良い。
【0062】
また、本実施の形態の場合、負荷検出器88からの信号を基に算出したフィーダ16の駆動負荷が上昇した場合、フィーダ16に対する同じ指令値でもアーチブレーカ51に対する指令値が小さくなる制御線に移行する。例えばフィーダ16の駆動負荷に対して負荷範囲A,B,C(A<B<C)を定めておき、通常、制御線βを用いてアーチブレーカ51への指令値を生成するところ、フィーダ16の駆動負荷が上昇して負荷範囲Bを超えて負荷範囲Cに到達した場合、制御線γを用いたアーチブレーカ51の制御に移行する。制御線γを用いてアーチブレーカ51を制御するうちにフィーダ16の駆動負荷が負荷範囲Cを下回って負荷範囲Bに戻ったら再び制御線をγからβに戻す。反対に、制御線βを用いた制御中にフィーダ16の駆動負荷が下降して負荷範囲Bを下回った場合は制御線αを用いたアーチブレーカ51の制御に移行し、制御線αを用いてアーチブレーカ51を制御するうちにフィーダ16の駆動負荷が負荷範囲Aを超えて負荷範囲Bに戻ったら再び制御線をαからβに戻す。
【0063】
すなわち本実施の形態において、ブレーカ指令部93cは、操作装置89からの信号及び記憶部92B(フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92b)の記憶情報(制御線)を基に、フィーダ16への速度指令値の増大に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を増大させ、フィーダ16への速度指令値の減少に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を減少させる。また、ブレーカ指令部93cは、負荷検出器88からの信号に応じた対応関係(制御線α,β,γのいずれか)を参照しアーチブレーカ51への速度指令値を生成する。
【0064】
その他の構成及び動作については第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0065】
フィーダ16の駆動速度の指令値を上げることは、それだけ土砂に対する土質改良材の供給速度を上げることを意図するため、フィーダ16が要求する土質改良材の供給量が減少し、なおかつフィーダ16からの土質改良材の排出量の増加に伴う土質改良材の嵩密度の低下を抑制する必要がある。反対に、フィーダ16の駆動速度の指令値を下げることは、それだけ土砂に対する土質改良材の供給速度を下げることを意図するため、フィーダ16が要求する土質改良材の供給量が減少し、アーチブレーカ51で積極搬送することによる土質改良材の嵩密度の上昇を抑制する必要がある。したがって、本実施の形態ではフィーダ16に対する速度指令値の増減に伴ってアーチブレーカ51に対する速度指令値を増減させることで、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し、土砂に対する土質改良材の供給精度を向上させることができる。この効果はフィーダ15とアーチブレーカ51の駆動速度の指令値を呼応させるだけでも効果的に得られるが、フィーダ16の駆動負荷の増減に伴って制御線を変更する制御を組み合わせることで更に高められ得る。
【0066】
図12は本発明の第3の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。図12は第1の実施の形態の図5に対応する図であり、図12において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、アーチブレーカ51の駆動速度をフィーダ16の駆動負荷に応じて制御するのではなく、フィーダ16の駆動速度の検出値に応じて制御する点である。
【0068】
本実施の形態における制御装置90Cの記憶部92Cには、フィーダ16の駆動速度及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係を記憶したフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92cが備えられている。
【0069】
図13はフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92cに記憶されたフィーダ16とアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係(制御線)を表す図である。
【0070】
図13に示した制御線によれば、フィーダ16の実際の駆動速度(検出値)に対応してアーチブレーカ51に対する速度指令値が決定される。図13に示した制御線は、速度検出器86により検出されたフィーダ16の駆動速度の増加に伴って線形かつ連続的にアーチブレーカ51への駆動速度の指令値が上昇する場合を例示しているが、必ずしも線形でなくとも良いし連続的でなくとも良い。例えばフィーダ16の駆動速度が0(ゼロ)付近で、ある閾値以下の範囲ではアーチブレーカ51への指令値を0としても良いし、アーチブレーカ51への指令値が段階的又は曲線的に変化する制御線であっても良い。アーチブレーカ51への指令値がある一定の値か0かの制御線(ON/OFF制御)であっても良い。
【0071】
すなわち本実施の形態において、ブレーカ指令部93cは、速度検出器86からの信号及び記憶部92C(フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92c)の記憶情報(制御線)を基に、フィーダ16の駆動速度の検出値の上昇に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を上昇させ、フィーダ16の駆動速度の検出値の低下に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を低下させる。
【0072】
その他の構成及び動作については第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0073】
フィーダ16の負荷は自己の駆動速度とある程度相関する関係にある。すなわち、フィーダ16に対する速度指令が一定にあるにもかかわらずフィーダ16の駆動速度が下降したらフィーダ16の駆動負荷の上昇が推測される。逆にフィーダ16に対する速度指令が一定にあるにもかかわらずフィーダ16の駆動速度が上昇したらフィーダ16の駆動負荷の下降が推測される。したがって、フィーダ16の駆動速度が下降してフィーダ16の駆動負荷の上昇が推測される場合には第1の実施の形態と同様にアーチブレーカ51の駆動指令値を減少させ、フィーダ16の駆動速度が上昇してフィーダ16の駆動負荷の下降が推測される場合にはアーチブレーカ51の駆動指令値を増加させることで、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
なお、以上の各実施の形態において、土質改良材供給装置のスクリュフィーダ16を1軸式のものとしたが、スクリュ62を複数本有するものであっても、本発明は適用可能である。また、スクリュ62は1条であったが、複数条のスクリュであっても本発明は適用可能である。また、本発明の土質改良材供給装置を備えた土質改良機として、ホッパ12に直接土砂が投入される自走式土質改良機を例に挙げたが、ホッパ上部に土砂中の異物を除去する振動式(又は固定式)の篩を設けた自走式土質改良機やさらに篩の上方にいわゆる煽りを設けた自走式土質改良機等に代えても良い。また、履帯7を有するクローラ式の走行装置を備えた自走式土質改良機を例に挙げたが、いわゆるホイール式の走行装置を備えた自走式土質改良機であっても良い。また自走機能を有さない固定式の土質改良機に備えられた土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。これらの場合も同様の効果を得る。
【0075】
また、自走式土質改良機の本体フレーム3上に搭載された土質改良材供給装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、別置きの土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。また、本体フレーム3に対して着脱可能な土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。また、定置式のサイロ、自走式のサイロ(例えば特開2003−321850号公報)等にも本発明は適用可能である。さらには、フィーダ16としてスクリュフィーダを備えた土質改良材供給装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、スクリュフィーダの他、ロータリフィーダ(ロータリバルブ)やベルトコンベヤ、テーブルフィーダ等をフィーダとして備えた土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。また貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置としてアーチブレーカ51を例示したが、図3に示した態様のアーチブレーカに限らず、貯留タンク内の土質改良材を撹拌する機能を有する撹拌装置であれば本発明は適用可能である。これらの場合も同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置を備えた自走式土質改良機の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置を備えた自走式土質改良機の全体構造を表す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置の側断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置に備えられたフィーダ及びアーチブレーカの油圧駆動回路図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0077】
14 土質改良材供給装置
15 貯留タンク
16 フィーダ
51 アーチブレーカ
61 ケーシング
62 スクリュ
66 回転軸
86,87 速度検出器
88 負荷検出器
89 操作装置
90,90B,C 制御装置
91 入力部
92,92B,C 記憶部
92a フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部
92b,c フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部
93 演算部
93c ブレーカ指令部
94 出力部
α,β,γ 制御線
【技術分野】
【0001】
本発明は土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体供給装置としては、貯留タンク内に貯留した粉体を下部のフィーダによって貯留タンク外部に排出するものが一般的である(特許文献1等参照)。フィーダとしては、スクリュフィーダの他にも、ロータリフィーダ(ロータリバルブ)やベルトコンベヤ、テーブルフィーダ等、様々なものが用いられ得る。
【0003】
【特許文献1】実開昭61−51945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
土質改良機は、一般に粉体供給装置である土質改良材供給装置によって粉粒状の石灰等の土質改良材を改質対象土砂に供給し、土砂を土質改良材と混合処理して改良土を生成する。貯留タンクへの土質改良材の充填は、代表的にはサイロを用いて行う場合とフレキシブルコンテナを用いて行う場合があるが、いずれにしても貯留タンクの上部から土質改良材を充填するので土質改良材には落下時に空気が混入する。したがって、このときの空気の混入度合いによって貯留タンク内の土質改良材の嵩密度は変動し、空気混入量が多いほど嵩密度が小さくなる。
【0005】
ここで、土質改良作業では改質対象土砂に対して目標重量の土質改良材を添加し、土砂に対する土質改良材の混合比(改良土品質)を安定に確保することが重要である。土質改良材の供給量制御には、フィーダに取り込まれる土質改良材の量を制御する方法、及びフィーダの駆動速度を制御する方法があるが、後者の方が精度面で優位であり一般的である。また、土質改良材供給装置によって改質対象土砂に土質改良材を直接供給する場合、土質改良材の供給重量自体を計測することは容易ではない。そこで、一般にはフィーダの駆動速度から土質改良材の供給体積を推定し、それに土質改良材の嵩密度を乗じることで供給重量を管理することが行われる。
【0006】
したがって、空気の混入によって嵩密度が変動すると実際にはフィーダの駆動速度に対する土質改良材の供給重量が変動するが、上記の計算方法では一般に嵩密度を一定値と想定して土質改良材の供給重量を算出するので嵩密度が変動しても演算結果に反映されない。嵩密度によっては土質改良材の供給量の演算結果と実際の値との誤差が大きくなり、土質改良材の供給精度、改良土品質の信頼性にも影響し得る。
【0007】
そこで本発明は、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し供給精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、前記フィーダの駆動負荷及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、前記負荷検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動負荷の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダの駆動負荷の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置と、前記フィーダの駆動速度を操作する操作装置とを備え、前記制御装置は、前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の指令値の対応関係を記憶した記憶部と、前記操作装置からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダへの速度指令値の増大に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダへの速度指令値の減少に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記フィーダ及び前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器をさらに備え、前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷の複数の範囲毎に前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶しており、前記指令部は、前記負荷検出器からの信号に応じた前記対応関係を参照し前記撹拌装置への速度指令値を生成することを特徴とする。
【0011】
(4)上記(1)又は(3)において、好ましくは、前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶しており、前記指令部は、前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値に達したら前記撹拌装置への速度指令値をゼロにすることを特徴とする。
【0012】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダの駆動速度を検出する速度検出器と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記速度検出器からの信号を入力する入力部と、前記フィーダの駆動速度及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、前記速度検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動速度の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を上昇させ、前記フィーダの駆動速度の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を低下させる指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶した記憶部と、前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値より低い場合、前記撹拌装置への一定の大きさの速度指令値を生成し、前記フィーダの駆動負荷が前記閾値以上の場合、前記撹拌装置への速度指令値をゼロにする指令部と、前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
(7)上記(1)−(6)のいずれかにおいて、好ましくは、前記フィーダは、前記貯留タンクの下部に連設された筒状のケーシング、及び前記ケーシング内に通された回転軸及び前記回転軸の外周部に設けられたスクリュを有するスクリュフィーダであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アーチブレーカによって適正な駆動速度で撹拌することによって貯留タンク内の土質改良材の嵩密度を安定化させるので、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し供給精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置を備えた自走式土質改良機の全体構造を表す側面図、図2はその平面図である。以下の説明において特に断りのない場合、図1及び図2中の左側を一方側、右側を他方側とする。
【0018】
これら図1及び図2に示した自走式土質改良機は、自力走行するための走行体1、改質対象土砂を受け入れるためのホッパ12、ホッパ12に受け入れられた土砂を搬送する搬送コンベヤ13、土砂に土質改良材を供給する土質改良材供給装置14、土砂と土質改良材を混合処理する混合装置19、混合装置19から排出された改良土を搬送し機外に排出する排出コンベヤ26、及び各搭載機器の動力源等を内蔵した動力装置21を備えている。
【0019】
走行体1は、左右一対の走行装置2、及び走行装置2の上部にほぼ平行に延設した一対の本体フレーム3で構成されている。走行装置2は、本体フレーム3の下部に連設したトラックフレーム4、トラックフレーム4の両端にそれぞれ設けた従動輪(アイドラ)5及び駆動輪6、従動輪5及び駆動輪6に掛け回した履帯(無限軌道履帯)7、及び駆動輪6に直結した走行用の駆動装置8を備えている。本体フレーム3上には支持ポスト9a,9bが立設されており、これら支持ポスト9a,9bによって、本体フレーム3の長手方向の一方側の上方に配置した支持フレーム10及び本体フレーム3の長手方向のほぼ中央部の上方に配置した支持フレーム11が支持されている。
【0020】
ホッパ12は、上下が開口した枠型の部材であって上方に向かって拡開するように形成されている。このホッパ12は、支持フレーム10を介して本体フレーム3の長手方向一方側に支持されている。搬送コンベヤ13は、ホッパ12の下方から後述する混合装置19の入口(図示せず)の上方にかけてほぼ水平に延在するように上記支持ポスト9a等によって支持されている。
【0021】
土質改良材供給装置14は、土質改良材を貯留する貯留タンク15、及び貯留タンク15内の土質改良材を土砂に供給するスクリュフィーダ16を備えており、上記支持フレーム11を介し本体フレーム3のほぼ中央部上に配設されている。機体幅方向の片側(図2中上側)には、この土質改良材供給装置14の側方に位置するようにクレーン18(図2参照)が配設されている。このクレーン18は、土質改良材を充填した例えばフレキシブルコンテナ(トンパック)等を貯留タンク15の上方に吊るし、フレキシブルコンテナ内の土質改良材の貯留タンク15への充填を補助するのに用いられる。
【0022】
混合装置19は、搬送コンベヤ13から導入された土砂及び土質改良材をパドルミキサ(図示せず)によって混合し改良土を生成するものであって、スクリュフィーダ16の下方に位置するように本体フレーム3の長手方向ほぼ中央上に設けられている。搬送コンベヤ13の放出端(図1中右側端部)からこの混合装置19の土砂及び土質改良材の入口(図示せず)にかけての空間はカバー20で包囲されている。このカバー20で包囲された空間には上記スクリュフィーダ16の土質改良材の排出口64も臨んでおり、混合装置18の入口に投入される際の土砂及び土質改良材の飛散抑制に配慮されている。
【0023】
動力装置21は、本体フレーム3の長手方向他方側の端部に支持部材22を介して支持されている。この動力装置21の前方側(図1及び図2中左側)の区画には運転席23が設けられている。この運転席23には、走行装置2を操作する操作レバー24等が備えられている。また、機体側面の運転席23の下方位置には、走行装置2を除く混合装置19等の各機器を操作する操作盤25が設けられている。
【0024】
排出コンベヤ26は、混合装置19の下方から本体フレーム3の長手方向他方側に向かって所定距離ほぼ水平に延在した後、動力装置21の下方付近から上り傾斜に延在しており、図示しない駆動プーリに連結した駆動装置27(図2参照)によって搬送ベルトを循環駆動させて搬送ベルト上の改良土を搬出する。排出コンベヤ26の上流部分(図1中の左側部分)は図示しない支持部材を介して本体フレーム3に、中間部及び下流側部分(図1中の右側部分)は支持部材29,30を介して動力装置21後方(図1中右側)に設けたアーム28に、それぞれ吊り下げ支持されている。
【0025】
図3は前述した土質改良材供給装置14を抽出して表す側断面図で、本体フレーム3の長手方向に沿った鉛直断面を表している。
【0026】
図3において、貯留タンク15は、上記支持フレーム11上に固定したフレーム41と、フレーム41上に固定され中央が開口した底板42と、この底板42上に連設した水平断面が方形状(円形状でも良い)の蛇腹部43と、この蛇腹部43の上部開口を塞ぐ天板44と、蛇腹部43の下部に連設し下方に向かって縮径するシュート17とを備えている。蛇腹部43は、伸縮自在なフレキシブルな材料、例えばポリエチレン系ゴム材料で構成されており、内部に貯留した土質改良材からの内圧が下方ほど高くなるため、図3に示すように補強リング45のピッチを下方ほど狭くしてある。天板44の中央には土質改良材の受入口47が設けられており、天板44の上面には受入口47を開閉する開閉蓋46が蝶番(図示せず)を介して取付けられている。
【0027】
天板44の受入口47の下方位置にはカッタ48が装着されている。このカッタ48は開閉蓋46の下面に支持アーム49を介して垂設された枠体50上に尖頭部を上方に向けた状態で取り付けられている。枠体50の配置は天板44から所定深さだけ低く、カッタ48の頂部は開閉蓋46よりも下側に位置しており、開閉蓋46を閉じるとカッタ48が完全に貯留タンク15内に収容される。貯留タンク15にフレキシブルコンテナ(トンパック)を用いて土質改良材を充填するときには、天板44に設けた開閉蓋46を開き、フレキシブルコンテナをクレーン18で受入口47に挿入し、フレキシブルコンテナを自重でカッタ48に押し付ける。これによって、フレキシブルコンテナの下端部が切り裂かれ、フレキシブルコンテナ内部の土質改良材が貯留タンク15内に流入する。また、フレキシブルコンテナを用いず、自走式土質改良機とは別に設けたサイロからホースを介して貯留タンク15に土質改良材を充填する場合もある。この場合も貯留タンク15へは天板44側から土質改良材が充填される。
【0028】
上記シュート17は、下方に向かって縮径する四角錐状(円錐状としても良い)の部材であり、上下が開口している。シュート17の上部開口54は、蛇腹部43の下端部に連結され、蛇腹部43とシュート17の内部空間が通じている。一方、シュート17の下部開口55はスクリュフィーダ16に連結され、シュート17とスクリュフィーダ16の内部空間が通じている。これにより、貯留タンク15に充填された土質改良材は、上部開口54を介してシュート17に流入し、シュート17にガイドされて下部開口55からスクリュフィーダ16に導入される。このとき、シュート17の下部開口55は、スクリュフィーダ16の軸線に直交する方向にとった幅寸法(図3中の紙面に直交する方向)に対して上記スクリュフィーダ16の軸線方向(図2中の左右方向)にとった長さ寸法が長く形成されている。また、この四角錐状のシュート17の上部開口54から下部開口55に向かって延びる内壁面のコーナー部分(各側壁の境界部分)は、いわゆるR材を張ったり溶接ビードを形成したりしてR状に形成されており、シュート17の内面のコーナー部分に土質改良材が滞留し難いように配慮されている。シュート17の内壁面には、スクリュフィーダ16のケーシング61の内周面と併せてゴムライニング等を施すこともできる。
【0029】
シュート17の内部には、貯留タンク15内の土質改良材を撹拌するアーチブレーカ(撹拌装置)51が設けられている。このアーチブレーカ51は、シュート17に対して回転自在に支持された回転軸52と、この回転軸52に対して所定のピッチで設けられた複数の攪拌棒53と、回転軸52の端部(図3中右端)に直結した駆動装置56とで構成されている。
【0030】
本実施の形態では、回転軸52は本体フレーム3の長手方向に沿って水平に配置されている。各撹拌棒53は下方のスクリュフィーダ16の傾斜に合わせて図3中の左側のものほど短くなっており、下部開口55を介して臨むスクリュ62に各撹拌棒53の先端の回転軌跡を近接させてある。撹拌棒53はまた、回転軸52の軸方向から見て回転軸52の外周部に180度ピッチで設けられており、図3に示した状態から90度回転すると撹拌棒53は全て水平方向を向く。詳細には図示していないが、アーチブレーカ51には、撹拌棒53が水平姿勢となる回転軸52の角度位置を検出するセンサが設けられており、駆動停止時には撹拌棒53が水平を向いた姿勢で停止するように制御される。駆動装置56は油圧モータ(電動でも良い)であってシュート17の外壁部に設けられている。
【0031】
この駆動装置56によってアーチブレーカ51が回転駆動されると、シュート17内の土質改良材が攪拌棒53によって攪拌され、シュート17内の架橋の発生が抑制され、また土質改良材の塊がある場合にはその解砕も促進される。さらには、下部開口55近傍の土質改良材をスクリュフィーダ16に送り込む機能も果たし得る。
【0032】
また、図3では図示省略しているが、天板44の外周部には複数(この例では4つ)の取り付け部が設けられている。これら取り付け部の下部には、図1に示したように支柱が固定的に垂設されている。各支柱は、上記シュート17の底板42に取り付けたガイド筒に上下にスライド可能に通されている。このとき、各支柱にはそれぞれ上下のピン穴が穿設されており、ガイド筒に穿設されたピン穴に上下いずれかのピン穴の位置を合わせてストッパピンを差し込むことによって支柱がガイド筒に固定される。例えば稼動時等には支柱を引き上げて下側のピン穴をストッパピンでガイド筒に固定することによって貯留タンクの内部容積が確保される。一方、例えば自走式土質改良機をトレーラ等で輸送する時には蛇腹部43を縮めて上側のピン穴をストッパピンでガイド筒に固定することにより、貯留タンク15の高さを低くすることができる。先述したアーチブレーカ51は停止時には撹拌棒53が水平を向くように設定してあるので、蛇腹部43を縮めたときにカッタ48を支持する枠体50をアーチブレーカ51の回転軸52の近くまで下げることができ、貯留タンク15の格納姿勢のコンパクト化にも貢献する。
【0033】
スクリュフィーダ16は、シュート17の下部に連設した円筒状のケーシング61、ケーシング61内に通され回転自在に支持された回転軸66、回転軸66の外周部に設けられたスクリュ62、及びスクリュ62を回転駆動する油圧モータ(電動モータでも良い)である駆動装置63(図3参照)を備えている。
【0034】
ケーシング61の周胴部の上半側には、図5に示したようにシュート17の下部開口55に連接する土質改良材受入口が開口している。この土質改良材受入口は下部開口55と実質同形に形成されており、その周縁部がシュート17の下部開口55の周縁部に対して溶接等によって接合されている。これによってケーシング61はシュート17の下部に固定されている。また、ケーシング61は支持部材68(図3参照)を介してケーシング61の土質改良材の移送方向下流側(図5中の左側)をシュート17の外壁面に固定することにより、より安定に支持されている。また、ケーシング61の土質改良材の移送方向下流側の端部下側には、土質改良材を排出する土質改良材排出口64が形成されている。
【0035】
ケーシング61は、図1に示したように、その土質改良材の移送方向の上流側(図1中の右側)が搬送コンベヤ13と同程度の高さに配置され、そこから土質改良材の移送方向下流側(図1中の左側)に向かって上る方向に傾斜し、下流側端部が搬送コンベヤ13の搬送方向下流側端部(図1中の右端)の上方に位置している。このようにケーシング61を傾斜させ、混合装置19の上方のスペースを利用してその上流側部分を下げることにより、ケーシング61の重心を下げ土質改良材供給装置14の全高が低くなるように配慮されている。さらに、ケーシング61が土質改良材移送方向の下流側に向かって上向きに傾斜しているので、スクリュ62の回転と無関係に土質改良材が流動することに対する抵抗にもなっている。
【0036】
ケーシング61の軸方向の両端は、図3に示したように、スクリュ62の回転軸66を貫通させたエンドプレート65によって塞がれている。エンドプレート65を貫通した回転軸66は、エンドプレート65の外面に取り付けられた軸受67により回転自在に支持されている。スクリュ62の回転軸66は、中空のパイプで形成することによって軽量化することができるが、中実の丸棒材又は角棒材を用いることもできる。
【0037】
スクリュ62は、図5に示した通り、回転軸66の外周につる巻き状に設けた螺旋状の羽根であり、シュート17の下部開口55の全体からケーシング61内に土質改良材が取り込まれるように、シュート17の下部開口55に臨む範囲で土質改良材の移送方向の下流側部分を所定の大きさのピッチとし上流側部分のピッチはこれよりも小さくしてある。スクリュ62のピッチは、下流側に行くにつれて連続的に大きくすることもできるが、本実施の形態では下流側に向けて段階的に大きくなるようにしてある。
【0038】
スクリュフィーダ16の駆動装置63は、シュート17の本体フレーム3の長手方向の他方側に、駆動伝達機構(図示せず)を収容した駆動伝達部70(図3参照)を介して取り付けられている。駆動伝達部70は、特に図示していないが、駆動装置63の出力軸、この出力軸に設けたスプロケット(又はプーリ)、スクリュ62の回転軸66の他端(図3中右端)に設けたスプロケット(又はプーリ)、及びこれらスプロケット(又はプーリ)に掛け回したチェーン(又はベルト)を収容している。つまり、スクリュフィーダ16は、駆動伝達部70によりチェーン(又はベルト)を介して駆動装置63の駆動力を回転軸66に伝達しスクリュ62を回転させるようになっている。なお、駆動装置63には、回転速度が可変で制御可能なものを用いることが好ましい。例えば駆動装置63を油圧モータとした場合には、回転数検出器で駆動装置63の回転数を検出し、その検出値と目標回転数との差を基に、制御弁装置によって駆動装置63への圧油の供給流量を調整する構成とすれば、駆動装置63の回転速度すなわち土質改良材の時間当たりの供給量を目標値に近付けることができる。
【0039】
上記構成により、スクリュフィーダ16は、シュート17を介して貯留タンク15から導入された土質改良材を図1中左方向(搬送コンベヤ13の搬送方向と反対方向)に移送し、搬送コンベヤ13の土砂搬送方向の下流側端部(図1中右端部)付近を搬送される土砂に添加する機能を果たす。
【0040】
図4はフィーダ16及びアーチブレーカ51の油圧駆動回路図である。図4において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0041】
図4に示すように、図示しないエンジンにより駆動される油圧ポンプ80と、油圧ポンプ80からフィーダ用の駆動装置63への圧油の流れを制御する制御弁81と、油圧ポンプ80からアーチブレーカ用の駆動装置56への圧油の流れを制御する制御弁82とを備えている。制御弁81,82はパイロット作動形の比例電磁式の3位置切り換え弁であり、それぞれ中立位置81a,82aのとき油圧ポンプ80から駆動装置63,56への圧油の流れを遮断し、油圧ポンプ80の吐出する圧油をタンク83に戻す。そして、ソレノイド駆動部81d,82d(又はソレノイド駆動部81e,82e、以下の対応関係同様)に指令信号が入力されて切換位置81b,82b(又は切換位置81c,82c)に切り換わると、油圧ポンプ80からの圧油が供給管路84a,85a(又は供給管路84b,85b)に導かれ、駆動装置63,56が正転(又は逆転)方向に駆動する。
【0042】
また、駆動装置63,56にはフィーダ16及びアーチブレーカ51の駆動速度として駆動装置63,56の回転数をそれぞれ検出する回転数検出器86,87が、フィーダ用駆動装置63への正転駆動用の供給管路84aにはフィーダ16の負荷として供給管路84aの圧油の圧力を検出する負荷検出器88が設けられている。これら検出器86−88の検出信号は、フィーダ16及びアーチブレーカ51を含めた各作動機器の動作を制御する制御装置90(図5参照)に出力される。
【0043】
図5は制御装置90の要部を抽出して表す機能ブロック図である。図5において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0044】
図5に示すように、制御装置90は、操作レバー24や図示しない操作盤を含む操作装置89、また速度検出器86,87及び負荷検出器88からの信号を入力しデジタル信号化する入力部91と、制御手順のプログラムや制御に必要な定数、また演算結果等を格納する記憶部92と、各種演算処理を実行する演算部93と、演算部93で演算・生成された信号をアナログ信号化して上記制御弁81,82を含む各作動機器や表示装置に出力する出力部94とを備えている。
【0045】
記憶部92は、フィーダ16の駆動負荷及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係(制御線)を記憶したフィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aを備えている。フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aに記憶された制御線の幾つかの例を図6−図9に示す。
【0046】
図6に示した制御線は、負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が0(ゼロ)から増大するのに伴って連続的かつ線形にアーチブレーカ51の駆動速度を減じるもので、フィーダ圧力が最大値Pmaxに到達したところでアーチブレーカ51が停止する。最大値Pmaxは例えば図示しないリリーフ弁により規制された供給管路88の圧力の最大値である。
【0047】
図7に示した制御線は、図6と同じように負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が0(ゼロ)から増大するのに伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を減じるものであるが、フィーダ圧力が最大値Pmaxに到達する前に閾値P1(<Pmax)に達した時点でアーチブレーカ51を停止させる。この場合、閾値P1に到達するまではフィーダ16の駆動負荷の増大に伴って連続的かつ線形にアーチブレーカ51を減速してフィーダ16の駆動負荷が閾値P1に達したところで停止させる。フィーダ16の駆動負荷が閾値P1を超えた状態ではアーチブレーカ51は常時停止状態である。
【0048】
図8に示した制御線では、負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が閾値P2(>0)から閾値P3(P2<P3<Pmax)まで増大する間はフィーダ16の駆動負荷の増大に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を線形にかつ連続的に減じている。この制御線では、フィーダ16の駆動負荷が閾値P3に到達した時点ではアーチブレーカ51の駆動速度はまだ0(ゼロ)ではなく一定の大きさを持っているが、フィーダ16の駆動負荷が閾値P3より大きい場合にはアーチブレーカ51は常時停止状態となる。すなわち、フィーダ16の駆動負荷が閾値P3を跨いで変化する場合にはアーチブレーカ51の速度が不連続に変化する。フィーダ16の駆動負荷が閾値P2以下の値で推移している間は所定の速度で駆動する。
【0049】
図9に示した制御線では、負荷検出器88により検出されたフィーダ16の駆動負荷が閾値P4(>0)以下の値で推移している間はアーチブレーカ51が設定の速度で駆動し、P4を超えたら停止する。このように、アーチブレーカ51の駆動速度は必ずしも線形に制御する必要はなく、フィーダ16の駆動負荷がある値よりも低いときにアーチブレーカ51を駆動し高いときに停止するといった、ON/OFF制御とすることもできる。また、この例ではアーチブレーカ51の駆動速度が単一の値である単純なON/OFF制御を例示しているが、例えば閾値を複数用意しておき、フィーダ16の駆動負荷の増大に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を段階的(ステップ状)に減少させることもできる。
【0050】
なお、図6−図9の制御線では、アーチブレーカ51の駆動速度が連続的かつ線形に減少する場合を例に挙げて説明したが、次数が二次以上の曲線、また多項式により表される曲線で制御線を定義することもできるし、数式的に定義された制御線に限らず経験的に制御線を定めても良い。
【0051】
演算部93は、操作装置89からの操作信号を基にフィーダ16に対する指令値を生成するフィーダ指令部93aと、フィーダ指令部93aによる速度指令値と速度検出器86の信号から演算される実際のフィーダ16の駆動速度の偏差が小さくなるようにフィーダ指令部93aの信号を補正するフィーダ補正部93bと、負荷検出器88からの信号を基にアーチブレーカ51の駆動速度の指令値を生成するブレーカ指令部93cとを備えている。特に図示していないが、ブレーカ指令部93cによる速度指令値と速度検出器87の信号から演算される実際のアーチブレーカ51の駆動速度の偏差が小さくなるようにブレーカ指令部93cの信号を補正する場合には、その役割を果たすブレーカ指令部を設ける。
【0052】
ブレーカ指令部93cは、記憶部92(フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92a)の記憶情報、すなわち図6−図9に示したような制御線を基に、検出されたフィーダ16の駆動負荷に対応するアーチブレーカ51の駆動速度を算出する。これにより、フィーダ16の駆動負荷の低下に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値が増大し、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値が減少する。
【0053】
前述した通り、フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aに図6に示したような制御線を記憶させておけば、フィーダ16の駆動負荷の全域(0(ゼロ)−最大値Pmaxの範囲)で連続的に、フィーダ16の駆動負荷の低下に伴ってブレーカ速度が増大し、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってブレーカ速度が減少する。フィーダ16の駆動負荷に対して図7−図9に示したように予め閾値P1,P3,P4が適宜設定された制御線がフィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部92aに記憶されていれば、負荷検出器88からの信号を基に演算したフィーダ16の駆動負荷が閾値に達したらアーチブレーカ51への速度指令値がブレーカ指令部93cによってゼロにされ、アーチブレーカ51が停止する。特に図9に示したような制御線の場合、負荷検出器88からの信号を基に演算したフィーダ16の駆動負荷が閾値P4より小さいか閾値P4以上かでアーチブレーカ51への駆動指令をON/OFFするのみであるので、制御が簡単である。
【0054】
次に上記構成の土質改良機の動作及び作用を説明する。
図1において、油圧ショベル等によりホッパ12に改質対象となる土砂が投入されると、ホッパ12に受け入れられた土砂が搬送コンベヤ13により混合装置19に向かって搬送される。搬送中、搬送コンベヤ13上の土砂に対し土質改良材供給装置14によって土質改良材が供給され、土砂は土質改良材とともに混合装置19に供給される。これら土砂及び土質改良材は、混合装置19内でパドルミキサ(図示せず)によって均一に混合処理される。混合装置19で混合処理された改良土は、排出コンベヤ26上に排出され、この排出コンベヤ26によって機外に搬出される。
【0055】
このとき、貯留タンク15への土質改良材の充填は、サイロやフレキシブルコンテナを用いて行われるが、いずれにしても貯留タンク15の上部から土質改良材が充填されるので落下時に土質改良材に空気が混入する。したがって、このときの空気の混入度合いによって貯留タンク内の土質改良材の嵩密度は変動し、空気混入量が多いほど嵩密度が小さくなる。空気の混入によって嵩密度が変動すると実際にはフィーダ16の駆動速度に対する土質改良材の体積値が変動するが、土質改良材の嵩密度を一定と想定しフィーダ16の駆動速度から土質改良材の土砂への供給重量を算出する場合、嵩密度によっては土質改良材の供給量の演算結果と実際の値との誤差が大きくなり、土質改良材の供給精度、改良土品質の信頼性にも影響し得る。
【0056】
そこで、本実施の形態では、貯留タンク15にアーチブレーカ51を設けて貯留タンク15内の土質改良材を撹拌することで、フィーダ16への土質改良材の流入を阻害する架橋の発生を抑制するのみならず、貯留タンク15内に堆積する土質改良材を脱気して土質改良材の嵩密度を上げる役割を果たす。さらには、フィーダ16の駆動負荷の上昇に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を遅くして場合によっては停止させ、フィーダ16の駆動負荷の減少に伴ってアーチブレーカ51の駆動速度を上げる制御を実行することで、土質改良材の嵩密度の安定化を図るのみならず、必要以上の脱気によって土質改良材の嵩密度が上昇し過ぎてフィーダ16が過負荷に陥ることを抑制することもできる。よって、本実施の形態によれば、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し、土砂に対する土質改良材の供給精度を向上させることができる。
【0057】
図10は本発明の第2の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。図10は第1の実施の形態の図5に対応する図であり、図10において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0058】
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、アーチブレーカ51の駆動速度をフィーダ16の駆動負荷に応じて制御するのではなく、予め定められたフィーダ16の駆動速度の指令値との対応関係にしたがって増減させる点である。
【0059】
本実施の形態における制御装置90Bの記憶部92Bには、フィーダ16及びアーチブレーカ51の駆動速度の指令値の対応関係を記憶したフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92bが備えられている。本実施の形態の場合、フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92bには、フィーダ16の駆動負荷に割り当てられた複数の範囲毎にフィーダ15及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係が記憶されている(フィーダ速度−ブレーカ速度の指令値の対応関係が複数用意されている)。
【0060】
図11はフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92bに記憶されたフィーダ16とアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係(制御線)を表す図である。
【0061】
図11に示した制御線α,β,γによれば、フィーダ16の実際の負荷や速度には関係なく、フィーダ16に対する速度指令値に対応してアーチブレーカ51に対する速度指令値が決定される。図11に示した制御線α,β,γは、フィーダ16の駆動速度の指令値の増加に伴って線形かつ連続的にアーチブレーカ51の駆動速度が上昇する場合を例示しているが、必ずしも線形でなくとも良いし連続的でなくとも良い。例えばフィーダ16の駆動速度の指令値が0(ゼロ)付近で、ある閾値以下の範囲ではアーチブレーカ51への指令値を0としても良いし、アーチブレーカ51への指令値が段階的又は曲線的に変化する制御線であっても良い。アーチブレーカ51への指令値がある一定の値か0かの制御線(ON/OFF制御)であっても良い。
【0062】
また、本実施の形態の場合、負荷検出器88からの信号を基に算出したフィーダ16の駆動負荷が上昇した場合、フィーダ16に対する同じ指令値でもアーチブレーカ51に対する指令値が小さくなる制御線に移行する。例えばフィーダ16の駆動負荷に対して負荷範囲A,B,C(A<B<C)を定めておき、通常、制御線βを用いてアーチブレーカ51への指令値を生成するところ、フィーダ16の駆動負荷が上昇して負荷範囲Bを超えて負荷範囲Cに到達した場合、制御線γを用いたアーチブレーカ51の制御に移行する。制御線γを用いてアーチブレーカ51を制御するうちにフィーダ16の駆動負荷が負荷範囲Cを下回って負荷範囲Bに戻ったら再び制御線をγからβに戻す。反対に、制御線βを用いた制御中にフィーダ16の駆動負荷が下降して負荷範囲Bを下回った場合は制御線αを用いたアーチブレーカ51の制御に移行し、制御線αを用いてアーチブレーカ51を制御するうちにフィーダ16の駆動負荷が負荷範囲Aを超えて負荷範囲Bに戻ったら再び制御線をαからβに戻す。
【0063】
すなわち本実施の形態において、ブレーカ指令部93cは、操作装置89からの信号及び記憶部92B(フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92b)の記憶情報(制御線)を基に、フィーダ16への速度指令値の増大に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を増大させ、フィーダ16への速度指令値の減少に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を減少させる。また、ブレーカ指令部93cは、負荷検出器88からの信号に応じた対応関係(制御線α,β,γのいずれか)を参照しアーチブレーカ51への速度指令値を生成する。
【0064】
その他の構成及び動作については第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0065】
フィーダ16の駆動速度の指令値を上げることは、それだけ土砂に対する土質改良材の供給速度を上げることを意図するため、フィーダ16が要求する土質改良材の供給量が減少し、なおかつフィーダ16からの土質改良材の排出量の増加に伴う土質改良材の嵩密度の低下を抑制する必要がある。反対に、フィーダ16の駆動速度の指令値を下げることは、それだけ土砂に対する土質改良材の供給速度を下げることを意図するため、フィーダ16が要求する土質改良材の供給量が減少し、アーチブレーカ51で積極搬送することによる土質改良材の嵩密度の上昇を抑制する必要がある。したがって、本実施の形態ではフィーダ16に対する速度指令値の増減に伴ってアーチブレーカ51に対する速度指令値を増減させることで、土質改良材の嵩密度の変動による影響を抑制し、土砂に対する土質改良材の供給精度を向上させることができる。この効果はフィーダ15とアーチブレーカ51の駆動速度の指令値を呼応させるだけでも効果的に得られるが、フィーダ16の駆動負荷の増減に伴って制御線を変更する制御を組み合わせることで更に高められ得る。
【0066】
図12は本発明の第3の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。図12は第1の実施の形態の図5に対応する図であり、図12において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、アーチブレーカ51の駆動速度をフィーダ16の駆動負荷に応じて制御するのではなく、フィーダ16の駆動速度の検出値に応じて制御する点である。
【0068】
本実施の形態における制御装置90Cの記憶部92Cには、フィーダ16の駆動速度及びアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係を記憶したフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92cが備えられている。
【0069】
図13はフィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92cに記憶されたフィーダ16とアーチブレーカ51の駆動速度の対応関係(制御線)を表す図である。
【0070】
図13に示した制御線によれば、フィーダ16の実際の駆動速度(検出値)に対応してアーチブレーカ51に対する速度指令値が決定される。図13に示した制御線は、速度検出器86により検出されたフィーダ16の駆動速度の増加に伴って線形かつ連続的にアーチブレーカ51への駆動速度の指令値が上昇する場合を例示しているが、必ずしも線形でなくとも良いし連続的でなくとも良い。例えばフィーダ16の駆動速度が0(ゼロ)付近で、ある閾値以下の範囲ではアーチブレーカ51への指令値を0としても良いし、アーチブレーカ51への指令値が段階的又は曲線的に変化する制御線であっても良い。アーチブレーカ51への指令値がある一定の値か0かの制御線(ON/OFF制御)であっても良い。
【0071】
すなわち本実施の形態において、ブレーカ指令部93cは、速度検出器86からの信号及び記憶部92C(フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部92c)の記憶情報(制御線)を基に、フィーダ16の駆動速度の検出値の上昇に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を上昇させ、フィーダ16の駆動速度の検出値の低下に伴ってアーチブレーカ51への速度指令値を低下させる。
【0072】
その他の構成及び動作については第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0073】
フィーダ16の負荷は自己の駆動速度とある程度相関する関係にある。すなわち、フィーダ16に対する速度指令が一定にあるにもかかわらずフィーダ16の駆動速度が下降したらフィーダ16の駆動負荷の上昇が推測される。逆にフィーダ16に対する速度指令が一定にあるにもかかわらずフィーダ16の駆動速度が上昇したらフィーダ16の駆動負荷の下降が推測される。したがって、フィーダ16の駆動速度が下降してフィーダ16の駆動負荷の上昇が推測される場合には第1の実施の形態と同様にアーチブレーカ51の駆動指令値を減少させ、フィーダ16の駆動速度が上昇してフィーダ16の駆動負荷の下降が推測される場合にはアーチブレーカ51の駆動指令値を増加させることで、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
なお、以上の各実施の形態において、土質改良材供給装置のスクリュフィーダ16を1軸式のものとしたが、スクリュ62を複数本有するものであっても、本発明は適用可能である。また、スクリュ62は1条であったが、複数条のスクリュであっても本発明は適用可能である。また、本発明の土質改良材供給装置を備えた土質改良機として、ホッパ12に直接土砂が投入される自走式土質改良機を例に挙げたが、ホッパ上部に土砂中の異物を除去する振動式(又は固定式)の篩を設けた自走式土質改良機やさらに篩の上方にいわゆる煽りを設けた自走式土質改良機等に代えても良い。また、履帯7を有するクローラ式の走行装置を備えた自走式土質改良機を例に挙げたが、いわゆるホイール式の走行装置を備えた自走式土質改良機であっても良い。また自走機能を有さない固定式の土質改良機に備えられた土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。これらの場合も同様の効果を得る。
【0075】
また、自走式土質改良機の本体フレーム3上に搭載された土質改良材供給装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、別置きの土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。また、本体フレーム3に対して着脱可能な土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。また、定置式のサイロ、自走式のサイロ(例えば特開2003−321850号公報)等にも本発明は適用可能である。さらには、フィーダ16としてスクリュフィーダを備えた土質改良材供給装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、スクリュフィーダの他、ロータリフィーダ(ロータリバルブ)やベルトコンベヤ、テーブルフィーダ等をフィーダとして備えた土質改良材供給装置にも本発明は適用可能である。また貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置としてアーチブレーカ51を例示したが、図3に示した態様のアーチブレーカに限らず、貯留タンク内の土質改良材を撹拌する機能を有する撹拌装置であれば本発明は適用可能である。これらの場合も同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置を備えた自走式土質改良機の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置を備えた自走式土質改良機の全体構造を表す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置の側断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る土質改良材供給装置に備えられたフィーダ及びアーチブレーカの油圧駆動回路図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に備えられた制御装置の要部を抽出して表す機能ブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に備えられた記憶部に記憶された制御線の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0077】
14 土質改良材供給装置
15 貯留タンク
16 フィーダ
51 アーチブレーカ
61 ケーシング
62 スクリュ
66 回転軸
86,87 速度検出器
88 負荷検出器
89 操作装置
90,90B,C 制御装置
91 入力部
92,92B,C 記憶部
92a フィーダ負荷−ブレーカ速度記憶部
92b,c フィーダ速度−ブレーカ速度記憶部
93 演算部
93c ブレーカ指令部
94 出力部
α,β,γ 制御線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、
前記フィーダの駆動負荷及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、
前記負荷検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動負荷の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダの駆動負荷の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項2】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置と、
前記フィーダの駆動速度を操作する操作装置とを備え、
前記制御装置は、
前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の指令値の対応関係を記憶した記憶部と、
前記操作装置からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダへの速度指令値の増大に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダへの速度指令値の減少に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記フィーダ及び前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項3】
請求項2の土質改良材供給装置において、
前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器をさらに備え、
前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷の複数の範囲毎に前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶しており、
前記指令部は、前記負荷検出器からの信号に応じた前記対応関係を参照し前記撹拌装置への速度指令値を生成する
ことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項4】
請求項1又は3の土質改良材供給装置において、
前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶しており、
前記指令部は、前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値に達したら前記撹拌装置への速度指令値をゼロにする
ことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項5】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダの駆動速度を検出する速度検出器と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記速度検出器からの信号を入力する入力部と、
前記フィーダの駆動速度及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、
前記速度検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動速度の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を上昇させ、前記フィーダの駆動速度の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を低下させる指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項6】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、
フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶した記憶部と、
前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値より低い場合、前記撹拌装置への一定の大きさの速度指令値を生成し、前記フィーダの駆動負荷が前記閾値以上の場合、前記撹拌装置への速度指令値をゼロにする指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項7】
請求項1−6のいずれかの土質改良材供給装置において、前記フィーダは、前記貯留タンクの下部に連設された筒状のケーシング、及び前記ケーシング内に通された回転軸及び前記回転軸の外周部に設けられたスクリュを有するスクリュフィーダであることを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項1】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、
前記フィーダの駆動負荷及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、
前記負荷検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動負荷の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダの駆動負荷の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項2】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置と、
前記フィーダの駆動速度を操作する操作装置とを備え、
前記制御装置は、
前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の指令値の対応関係を記憶した記憶部と、
前記操作装置からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダへの速度指令値の増大に伴って前記撹拌装置への速度指令値を増大させ、前記フィーダへの速度指令値の減少に伴って前記撹拌装置への速度指令値を減少させる指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記フィーダ及び前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項3】
請求項2の土質改良材供給装置において、
前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器をさらに備え、
前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷の複数の範囲毎に前記フィーダ及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶しており、
前記指令部は、前記負荷検出器からの信号に応じた前記対応関係を参照し前記撹拌装置への速度指令値を生成する
ことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項4】
請求項1又は3の土質改良材供給装置において、
前記記憶部は、前記フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶しており、
前記指令部は、前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値に達したら前記撹拌装置への速度指令値をゼロにする
ことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項5】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダの駆動速度を検出する速度検出器と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記速度検出器からの信号を入力する入力部と、
前記フィーダの駆動速度及び前記撹拌装置の駆動速度の対応関係を記憶した記憶部と、
前記速度検出器からの信号及び前記記憶部の記憶情報を基に、前記フィーダの駆動速度の上昇に伴って前記撹拌装置への速度指令値を上昇させ、前記フィーダの駆動速度の低下に伴って前記撹拌装置への速度指令値を低下させる指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項6】
土質改良材を土砂に供給する土質改良材供給装置において、
土質改良材を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの下部に設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を土砂に供給するフィーダと、
前記貯留タンクに設けられ前記貯留タンク内の土質改良材を撹拌する撹拌装置と、
前記フィーダの駆動負荷を検出する負荷検出器と、
前記フィーダ及び前記撹拌装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記負荷検出器からの信号を入力する入力部と、
フィーダの駆動負荷に対して予め設定した閾値を記憶した記憶部と、
前記負荷検出器からの信号を基に演算した前記フィーダの駆動負荷が前記閾値より低い場合、前記撹拌装置への一定の大きさの速度指令値を生成し、前記フィーダの駆動負荷が前記閾値以上の場合、前記撹拌装置への速度指令値をゼロにする指令部と、
前記指令部で生成された指令値を前記撹拌装置に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする土質改良材供給装置。
【請求項7】
請求項1−6のいずれかの土質改良材供給装置において、前記フィーダは、前記貯留タンクの下部に連設された筒状のケーシング、及び前記ケーシング内に通された回転軸及び前記回転軸の外周部に設けられたスクリュを有するスクリュフィーダであることを特徴とする土質改良材供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−77670(P2010−77670A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246694(P2008−246694)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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