説明

圧力作動式電気ブリスタスイッチおよびこのスイッチを製造するための方法

【課題】 スイッチの組み立ておよびアクチュエータ2の幾何学的形状をより簡単にする。
【解決手段】 本発明は、スイッチングの際に電気的に接続すべき接点(8)(10)を備えた電気回路プレート(16)に取り付けるようになっているスイッチ(40)に関する。このスイッチは、アクチュエータによって伝えられる圧力によって偏向されると、接点の間を電気接続するよう、アクチュエータ(2)に関連するスイッチング要素、例えばドーム(4)を含む。この装置をプレート(16)に取り付ける前に、スイッチング要素(14)を係止するための係止手段(50a)が設けられたベースプレート(46)を更に備え、プレートに本装置を取り付けると、前記係止手段からスイッチング要素が解放される。装置をプレート(16)に取り付けると、スイッチング要素(14)は、プレート(16)によってしか支持できず、ベースプレート(46)は、スイッチング要素に対するガイド機能しか奏しない。装置をプレート(16)に取り付けると、プレート(16)によって前記ドームにかかるスラスト力の作用により、ガイド要素(4)は、係止手段(50a)から自然に解放されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続するべき2つの導体に対する導電性弾性ブリスタドームの、アクチュエータの作用による偏向によってスイッチングを実行する、いわゆるブリスタタイプの圧力作動式電気スイッチに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、一方では、上記に関連して、タッチ応答性を改善した、スイッチを構成する部品の最適な設計および組み立てを提案し、他方では、前記部品および組み立てられたスイッチの双方を製造し、パッケージするための好ましい方法も提案するものである。
【背景技術】
【0003】
本発明の代表的な用途は、電気回路取り付けプレート、例えばプリント回路にスイッチが直接取り付けられている、自動車の乗員コンパートメントにおける補助制御装置(パワーウィンドー、座席位置決め、サンルーフ、カーラジオ、車載コンピュータ、ユニット制御など)において使用される低電圧スイッチにある。
【0004】
人間工学、信頼性、および自動工具を使った容易な設置に関して、特に有利なブリスタスイッチの公知の例は、DAV S.A社の名によって出願されたフランス国特許出願第FR-A-2800904号に記載されている。
【0005】
図1〜図3に示すこのブリスタスイッチ1は、ブリスタ4を形成する弾性金属ドーム状のスイッチ部品をカバーするフレキシブルで変形可能なアクチュエータ2を有し、ブリスタ4は、プリント回路16のトラック12のターミナルポイント8と、トラック14のターミナルポイント10とが位置するスイッチングゾーン6のすぐ上に位置している。従って、アクチュエータ2が伝える圧力の作用により、ブリスタ4が、プリント回路の表面に向かって屈曲されると、ターミナルポイントは、ブリスタ4を介して電気的に接続できる。
【0006】
アクチュエータ2は、ユーザーがアクセスできる作動ニップル18内で終端する上部部分2bが位置するベース2aを備え、このニップルに、ブリスタ4を歪ませるのに必要な力が加えられる。
【0007】
より詳細には、プリント回路16の上部表面とアクチュエータ2のカーブした内側表面22との間に構成されるスペース20内に、ブリスタ4が収容されている(図2)。このブリスタ4は、外側にカーブした周辺支持ポイント24によりプリント表面に当接しており、これらの支持ポイントによって、ブリスタ4は盛り上がった位置に維持されている。
【0008】
ブリスタは、ターミナルポイントの1つのポイント8に垂直な中心進入部分26を有し、この部分とターミナルポイントとによって接点を形成している。他方のターミナルポイント10は、周辺支持ポイント24のうちの1つの近くで、ブリスタに恒久的に接触されている。
【0009】
アクチュエータのベースは、環状であり、その周辺は、シールリップ28を形成している。このリップは、フープ32によって構成されたシール手段に設けられた溝30内に収容されており、フープ32は、係止ラグ34により、プリント回路16に係止されている。この目的のために、ラグ34をオリフィスにクリップ留めできるよう、プリント回路内には、オリフィス36が設けられている。
【0010】
このプリント回路16は、フープ32、従ってスイッチ装置全体1に対する支持体として働く。フープ32は、アクチュエータ2の材料に対して、特にシールリップ28に対して、剛性ある材料で製造されている。
【0011】
図2に示すように、シールリップ28に対する支持ゾーンを構成し、スイッチングゾーン6の外側に対する絶縁性およびシール性を改善するように、水平支承表面30aと垂直支承表面30bとを含む間隙によって、溝30が構成されている。非作動状態では、シールリップは、少なくとも水平支承表面20aに強力に当接し、これによって、物質がスペース20に入り込むことが防止される。
【0012】
上記特許出願第FR-A-2800904号には、このスイッチがより包括的に記載されている。
【0013】
プリント回路16上でスイッチを組み立てる前に、ブリスタ4を、アクチュエータ2に対して正常な位置に保持する必要がある。この目的のために、図3に示すように、アクチュエータのカーブした内側表面22には、4対のセグメントまたはリップ38が設けられており、各対は、ブリスタ4の周辺エッジを挟持している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記保持手段は、ブリスタに恒久的に作用し、プリント回路上でスイッチが最終的に組み立てられたときでも、ブリスタを保持する。プリント回路16によって、ブリスタはその後正しく保持されるので、実際にこの手段は、スイッチの設置前および設置中に取り扱う際に使用されるだけあり、ブリスタのタッチ効果を乱し、かつスイッチの組み立て、およびアクチュエータ2の幾何学的形状をより複雑にするという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上の事情に鑑み、本発明は、アクチュエータにより伝えられる圧力によって偏向されると、接点の間を電気接続できるようにする、アクチュエータに関連するスイッチ部品を備え、スイッチ動作を実行する際に電気的に接続すべき接点を備える電気プリント回路取り付けプレートに組み立てるようになっているスイッチ装置において、
前記取り付けプレートに本装置を組み立てる前に、前記スイッチ部品を保持するための保持手段が設けられたベースプレートを更に含み、本装置を取り付けプレートに組み立てると、スイッチ部品が、これら保持手段から外れるようになっていることを特徴とするスイッチ装置を提供するものである。
【0016】
好ましい実施例では、ベースプレートは、スイッチ部品に対するガイド機能しか奏しないので、本装置を取り付けプレートに組み立てるときに、スイッチ部品は、取り付けプレートによってしか支持されない。
【0017】
前記取り付けプレートに本装置を組み立てる際に、取り付けプレートによってスイッチ部品にかかる押圧力の作用により、スイッチ部品が、保持手段から自然に外れることが好ましい。
【0018】
スイッチ部品が保持手段に対して停止される初期位置と、スイッチ部品が保持手段から外れる第2位置との間で、ベースプレートに対してフローティング状態となるように、スイッチ部品が組み立てられ、取り付けプレートに、本装置を設置することによって、自動的に第2位置がとられる。
【0019】
スイッチ部品は、少なくとも1つの付属品を含み、この付属品の自由端は、フックを形成し、取り付けプレートに向くように曲がったベースプレートの表面を介して、スイッチ部品が引かれるのを防止するフックのためのストッパーを、前記保持手段は備えている。
【0020】
付属品は、スイッチ部品の1つのコーナーから延びる弾性セグメントであり、スイッチ部品の端部は、ベースプレートの内側支承表面に支持されており、スイッチ部品が、ベースプレートに対してガイドされるようになっている。
【0021】
本装置を取り付けプレートに組み立てるときに、フレームの周辺壁が、取り付けプレートに対して支持されるようになっているので、接点エッジを有する前記ベースプレートは、スイッチ部品のまわりにフレームを形成しうる。
【0022】
この接点エッジは、前記内側部品、換言すれば、スイッチゾーンが位置する部品を保護するシールを構成しうる。
【0023】
周辺壁は、アクチュエータのベース部分を受けるようになっている、接点エッジに対向するエッジを有しているのが好ましい。
【0024】
前記アクチュエータは、回転部品であることが好ましい。
【0025】
本装置は、一方で、ベースプレートにアクチュエータを保持し、他方で、取り付けプレート上での本装置の組み立てを保証するようになっている接続部品を更に含んでいることが好ましい。
【0026】
この接続部品は、溶接をすることなく、取り付けプレートに前記装置を係止するグリップ手段を介し、本装置を、取り付けプレートに係止することが好ましい。
【0027】
実施例では、前記グリップ手段は、取り付けプレート内の少なくとも1つの孔を貫通すると共に、本装置を組み立てる表面に対向する表面に対して、係止されるようになっているスナップオン手段を形成している。
【0028】
この接続部品は、前記ベースプレートに対して、サンドイッチ状に前記アクチュエータのベース部分を保持できる。
【0029】
この接続部品は、少なくとも1つのピンを備えることができ、このピンの端部は、取り付けプレートに係止するための手段を形成し、ピンの一部は、ベースプレートに関連した締結手段に係合するようになっている締結手段を内蔵している。
【0030】
ベースプレートは、可撓性プラスチック材料、またはエラストマー製の単一部品として製造できる。
【0031】
スイッチ部品は、導電性部品であることが好ましい。このスイッチ部品は、ドーム状、特にブリスタドームとして設けられており、このドームは、金属で構成するか、または金属メッキして、電気接続が得られるようにすることが好ましい。
【0032】
第2の特徴によれば、本発明は、
部品のうちの少なくとも1つ、好ましくは接続部品と、
スイッチ部品と、
ベースプレートとを含むグループ内の部品の各々を、支承ストリップ上に製造し、本装置の組み立て中に、前記部品を支承ストリップに接続し、この支承ストリップは、本装置の製造から組み立てまでの間で、部品をパッケージするための手段としても働くようになっていることを特徴とする、第1の特徴に係わる装置を製造するための方法に関する。
【0033】
一旦装置を組み立てた後に、装置をパッケージするのに、前記グループの部品のうちの1つを支持するストリップを、更に使用することが好ましい。
【0034】
組み立てられた装置をパッケージするのに使用される支承ストリップを、取り付けプレート上に本装置を組み立てるための工具を供給するのにも使用することが好ましい。この工具は、ストリップ供給タイプのものである。
【0035】
本発明の方法は、
前記接続部品の中心軸線Aに対して、フレア状に前記ピンを配向するステップを備え、前記フレアは、前記軸線から自由端に向かう分離方向にあり、
前記スイッチ部品が取り付けられているか否かに拘わらず、前記ベースプレートに接合するステップと、
前記締結手段をベースプレートのそれぞれのハウジングに移動するように、前記中心軸線と平行に、前記ブランチを配向することによって、全体を接続するステップとを更に含むことがあり、これらのステップは、接続部品にピンを取り付けるときに、接続部品に対して実行される。
【0036】
添付図面を参照しながら、次の好ましい実施例の説明を読めば、本発明およびその利点がより明らかとなると思う。なお実施例は、単なる例としてあげたものであり、発明を制限するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下の説明では、図1〜図3以外の図面において、図1〜図3の部品と機能が類似する部品には、同じ符号を付けてあり、これらの部品については、既に説明したものと見なす。従って、以下説明を簡潔にするために、相違点についてのみ説明する。
【0038】
図4に示すように、本発明の好ましい実施例に係わるブリスタースイッチ40は、下記の4つの部品から構成され、これらの部品は、部品を支持するようになっているプリント回路16の面と直交する組み立て中心軸線Aに沿って重ねられている。
【0039】
全体として環状の金属材料製の接続部品42。この部品は、他の3つの部品をカバーするハウジングを形成しており、この部品には、2つのピン23が取り付けられている。これらのピンは、プリント回路1のそれぞれの孔44に嵌合し、部品を回路に係止できる。
【0040】
回転部品状の可撓性材料、例えばエラストマー製のアクチュエータ2。このアクチュエータは、周辺ベース2aと、中心の盛り上がった部分2bとを備え、盛り上がった部分2bは、接続部品の中心アパーチャー42aを貫通するフランジャーを形成している。
【0041】
ドーム状の導電性金属のブリスタ4。このブリスタは、例えばスイッチが押されたときに、プリント回路16の2つの導電性トラック12と14とを電気的に接続するスイッチ部品を構成している。
【0042】
スペーサ状のベースプレート46。このベースプレートは、プリント回路にシールされた状態に支持され、中心アパーチャー46aが設けられており、ブリスタ4は、このアパーチャーを通してプリント回路に接触できるようになっている。このベースプレート46は、プリント回路にスイッチを組み立てる前に、ブリスタを保持すると共に、アクチュエータ2のベースを支持するようにも使用される。
【0043】
ブリスタ4(ブリスタドームまたはドームとも称す)は、4つの切頭コーナー4aを備えた、下から見て(プリント回路から見て)若干凹状をした主要表面を有し、4つのコーナーは、導電性トラックのうちの1つのトラック14のターミナルゾーン10に恒久的に接触している。他方のトラック12は、ブリスタの凹状部分の頂部に垂直な接点パッド8を有する。この頂部は、ユーザーが頂部18に圧力を加えたときに、アクチュエータ2により伝えられる押圧力に応答し、弾性により偏向され、この接点パッド8に支持され、2つのトラック12と14とを、電気的に接続するようになっている。
【0044】
ブリスタ4に力を伝えるこの機能を満たすために、アクチュエータ2は、その全体の上方部分2bをある材料が満たしている(図5)。この材料は、その下方部分において、ブリスタ4の頂部より上方の断面が小さい突出表面2cを形成しており、この突出表面2cは、スイッチを構成するように、上部がおされるようになっている。
【0045】
ブリスタ4は、斜め方向に対向するコーナー4aのうちの2つから延びている2つのラジアルラグ48を有する。各ラグは、若干傾斜しながら、頂部に向く弾性セグメント状に設けられており、その自由エッジは、フック48aを形成し、このフックは、ベースプレート46の内側エッジ内に設けられた、それぞれのハウジング50に嵌合されるようになっている(図5)。
【0046】
ベースプレート46の上部には、組み立てられた状態のアクチュエータ2が載っており、ベース2aの周辺エッジの下方表面2dは、これら2つの部品の境界におけるシールを構成するように、周辺全体にわたって、ベースプレートの上方エッジ46bに支持されている。
【0047】
接続部品42のピン23は、接続部品の外側エッジの対角線方向に対向するポイントからスタートし、プリント回路16に向かうアセンブリAの軸線と平行に、細長く、実質的に平面状となっている。ピン23の平面状の表面は、接続部品の上部周辺に対して、実質的に接線方向にある。
【0048】
ピン23は、次のような2重の機能を有する。
すなわち、上記のようにプリント回路16に対して、スイッチ1の全体を係止する機能。この機能は、各ピンの自由端によって満たされ、ピンは、その材料を切り欠いて、内側に屈曲されたU字形タブ52を有する。このタブ52は、弾性クリップオン(またはスナップオン)手段を形成しており、この手段の端部は、孔44のうちの1つに挿入すると、プリント回路16の下方表面部分に係止されるようになっている。
【0049】
接続部品42をベースプレート46に係止すると共に、2つの部品44と46との間に、アクチュエータ2を維持する機能。この目的のために、2本のピン23の各々は、1対の爪23aを備えている。これらの爪は、ピンの対向する長手方向のそれぞれのエッジからスタートしており、ベースプレート46の対向する外側表面に設けられた対応するそれぞれのハウジング53に係合するように、内側に向いている。よって、このスイッチの組み立て中、アクチュエータ2は、接続部品42とベースプレート46との間に、サンドイッチ状にグリップされた状態に保持される。
【0050】
スイッチ1の4つの部品42と2と4と46とを組み立てると、これら部品すべてが結合され、プリント回路16に組み立てる前でも、一体的となった全体を形成する。
【0051】
ブリスタ4に関する限り、ベースプレート46のハウジング50は横方向横断面に(プリント回路の平面に平行な)横方向支承表面50aと、垂直支承表面50bとを有する。この横方向支承表面50aは、ブリスタ4を保持するためのストッパーを各フック48aに対して構成し、このストッパーは、ベースプレートからブリスタ4がはずれるのを防止できる。垂直支承表面50bには、セグメント48の弾性移動に対するストッパーを構成し、この表面は、基本的にはブリスタ4を位置決めし、またはガイドするのに使用される。
【0052】
図6aおよび図6bに示すように、これら2つの支承表面50a、50bによって、アセンブリAの軸線の方向に間隙e1が生じるように、ブリスタ4をフローティング状態の組み立てることを可能にしている。
【0053】
このようなフローティング状態の組み立てによって、ブリスタは、プリント回路16にスイッチが組み立てられるときに、横方向支承表面50aによって構成されるアンカーから解放される。
【0054】
より詳細には、ブリスタ4のコーナーにおける各セグメント48のスタートポイントは、曲げ部4aを有し、この曲げ部の外側カーブは、プリント回路16に向いて曲がっている。プリント回路16を組み立てる前に、この曲げ部は、フック48aが横方向支承表面50aに対して停止される時の、スイッチ1の下方表面の最大突出ポイントを構成する(図6a)。
【0055】
プリント回路16にスイッチ1を組み立てると、曲げ部4aによって、このプリント回路との最初の物理的接触が生じる。これら曲げ部は、ベースプレートの下方エッジ46cのその曲げ部がプリント回路の表面に対するストッパーに当接するまで、間隙e1を通ってベースプレートに向かって後退する。この最終組み立て位置では、スナップオンタブ52は、分離し、プリント回路の下に係止される。図6bに示すように、曲げ部4aおよびベースプレートの下方エッジ46cの双方は、プリント回路の表面に当接し、フック48aは、上記間隙e1に等しい距離だけ横方向支承表面50aから外れる。
【0056】
この組み立て位置では、ブリスタ4は、図6bに示すように、ベースプレート46の係止ストッパー50aから解放され、プリント基板に曲げ部4aによって支持された自己支持部品となる。換言すれば、プリント基板にスイッチ1を組み立てると、スイッチのベースプレート46のその他のいずれの部品も軸線Aの力、すなわちスイッチの作動中に作動する力に関してブリスタ4を支持しない。
【0057】
これに関し、フック48の端部と垂直支承表面50bとの間の摩擦力は、考慮すべきでないことは分かると思う。その理由は、この摩擦力は、特にスイッチが作動されるときのプリント回路と曲げ部4aとの間の圧力に対して弱いからである。
【0058】
スイッチゾーン6内のスイッチ内部と外側環境との間のシールは、ベースプレートの下方エッジ46cとプリント回路16の表面との接触によって得られる。この目的のために、下方エッジは、プリント回路16に当接すると歪むようになっている周辺シールリップ46cとして製造されている。このリップ46cは、ちょうどベースプレート46の他の部分と同じように、エラストマーまたは可撓性プラスチック材料から構成されている。
【0059】
リップ46cの厚さは、プリント回路に感応性接点パッドが形成されるまで、ベースプレート46の内側表面46cの内側面取りプロフィルを介して徐々に薄くなっており(図6aおよび図6b)、感応性接点パッドは、プリント回路の表面形状にハーメチック状態で良好に順応できる。従って、この実施例では、スイッチ1のシール手段46cは、ベースプレート46と一体化されており、ベースプレート46は、可撓性プラスチックまたはエラストマーの成形により、容易に一部品として製造できる。
【0060】
変形例として、プリント回路とのインターフェースにおけるスイッチ1の内部のシールは、ベースプレートでなくアクチュエータ2によって得られる。この場合、アクチュエータ2のベース2aは、ベースプレート46を越えて延び、このプリントを完全に囲むような寸法とすることができる。このベースプレートには、図1〜図3を参照して説明したリップ18と同じように、プリント回路16に接触するシールリップが設けられている。
【0061】
スイッチ20を、別個の機械式に直接的な部品(ケーシング42、アクチュエータ2、ブリスタ4およびベースプレート46)として設計したことにより、更に、特に高速の適切な製造、およびパッキング技術を考えつくことが可能となる。
【0062】
このように、接続部品42、ブリスタ4およびベースプレート46は、それぞれの支承ストリップに直接スタンプ加工(またはベースプレートに関しては成形)することによって製造できる。スイッチ組み立て場所において、支承ストリップから部品を除くだけで、部品をパッキングするのに支承ストリップを使用することが可能となるので有利である。
【0063】
別の供給源から得られる部品を、例えば供給者から組み立て場所へ運搬するためのロール内の支承ストリップでパッケージする。この組み立て場所では、ストリップ供給アセンブリのプログラマブル論理コントローラ内に、支承ストリップを設置できる。部品の一部、特にブリスタ4を、保護膜、例えば剥離可能なプラスチックフィルムでコーティングし、取り扱い中に汚れたり、引っ掻き傷がつくことを防止できる。このような支承ストリップのパッケージングをすることにより、製造源において、部品を分離し、次に、これら部品をスイッチ組み立てラインの振動トレイに供給するための場所へルーズな状態で運搬するという従来の技術に比して、合理的な工業化が可能となる。
【0064】
運搬の前後で、部品を個々に、またはバッチ状にパッキングしたり、パッキングを解くこともできる。
【0065】
スイッチ1の組み立て中、構成部品のうちの2つ、例えば接続部品42の、少なくとも一部は、そのストリップに係止された状態のままでよい。このようにすることによって、このストリップを使って組み立てが終了するスイッチユニット1を、パッケージできる。
【0066】
次に、プリント回路上でスイッチを組み立てるのに使用されるストリップ供給プログラマブル論理コントローラ内に設置できるよう、ストリップを、例えばロールの形態で運搬することができる。
【0067】
変形例として、別の組み立て技術を使用する場合、ストリップを、組み立て場所で個々のスイッチに分離してもよい。ストリップの巻かれたコイルの間に、インターリーフ状の材料のストリップを挿入するか、またはブリスタに剥離可能なフィルムを当接することが好ましい。
【0068】
組み立てられたスイッチを、何らかの方法でストリップの1つに維持できることを条件に、上記パッケージングに関して、製造中、スイッチの構成部品のうちの1つを、そのストリップに係止し続けることは、厳密には必要でないことは理解できると思う。
【0069】
スイッチの組み立て40中に、ベース46に接続部品42を係止することに関し、本実施例では、例えば環状部品の平面にある初期位置から、ピン23を最初にあらかじめ折りたたみできるようにするものである。約45度の角度にわたって、ピンを予め折りたたむことにより、自由端に向かう分離方向に、中心軸線Aに対してピンをフレア状することができる。
【0070】
このようにすることによって、金属ドーム4が取り付けられているかどうかにかかわらず、ベースプレート46を、この接続部品42の下に移動させ、折りたたみ部を90度で終端させることにより、換言すれば、ピンを軸線Aに平行に配向させ、爪23aを、ベースプレート46内のそれぞれのハウジング53に移動させることが可能となっている。
【0071】
製品のアーキテクチャレベルでは、ドーム4は、(回路の組み立て前に)ベースプレート46にしか接触しないか、または(組み立て後は)回路の取り付けプレート16にしか接触しないので、(回転軸線を中心としてすべて均一な)回転部品の形態をしたアクチュエータ2を提供することが可能となっていることが理解できると思う。これによって、製造は簡略になると同時に、組み立ての態様も簡略となる。
【0072】
組み立てラインでベースプレートを転送する間、アクチュエータを回転角方向に配置する必要はなく、また、スイッチの他の部品の組み立て中に、アクチュエータを回転角方向に配向することも不要である。
【0073】
本発明にかかわるスイッチは、任意のタイプの電気回路取り付けプレート、例えばプリント回路基板、接続パネルにスイッチを組み立てでき、スイッチは、導電性トラックに直接接触することによって、スイッチ動作を実行できるという点で優れている。
【0074】
更に、使用する用途に応じ、1つの同じ取り付けプレートをもって、いくつかのスイッチを組み立てることができる。従って、従来のマイクロスイッチの場合のように、単一スイッチ専用の取り付けプレートを設ける必要はない。
【0075】
これまでの説明から、本発明にかかわるスイッチ1は、組み立て前でも統一されており、種々の異なる用途に従って、標準化が可能であることが理解できると思う。
【0076】
本発明は、更に次のような利点を有する。
外部の汚染からスイッチゾーン6を効果的に保護できる。
プリント回路16の導電トラック8、10に接触することによって、直接スイッチングを実行できる。
その後の溶着を必要とすることなく、端にクリップ留めするだけで、異なるタイプの回路にスイッチを組み立てることができる。
機能を満たすために、数個の部品だけでよい。
【0077】
本発明によれば、部品の形状、それらの配置、係止手段、相対的寸法、製造に使用される材料、およびプロセスの条件、および回路支持の条件において、多くの代替が可能である。
【0078】
更に、本発明は、ブリスタスイッチを使用する極めて多数の工業的分野に用途がある。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】フランス国特許出願第FR-A-2800904号に一部が略図で示されている、スイッチおよびプリント回路の分解斜視図である。
【図2】プリント回路に組み立てられた後の図1に示されたスイッチの断面図である。
【図3】グリップ手段がブリスタをどのように保持するかを特に示す、図1に示されたスイッチのアクチュエータの内部の図である。
【図4】本発明の好ましい実施例に係わるスイッチおよびプリント回路の分解斜視図である。
【図5】プリント回路に組み立てられた後の図4のスイッチの断面図である。
【図6a】プリント回路での組み立て前の、ベースプレートに対してブリスタを保持するための手段の配置を示す、図4における断面VI−VI’に沿ったスイッチの部分断面略図である。
【図6b】プリント回路に組み立てた後の、ベースプレートに対してブリスタを保持するための手段の配置を示す、図4における断面VI’−VI’に沿ったスイッチの部分断面略図である。
【符号の説明】
【0080】
2 アクチュエータ
2a 周辺ベース
2b 盛り上がった部分
4 ブリスタ
4a コーナー
8 接点パッド
10 ターミナルゾーン
12、14 導電性トラック
16 プリント回路
20 スイッチ
23 ピン
42 接続部品
46 ベースプレート
46a 中心アパーチャ
48 ラグ
48a フック
50 ハウジング
50a、50b 支承表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ(2)により伝えられる圧力によって偏向されると、接点同士を電気接続できるようにする、アクチュエータに関連するスイッチ部品(4)を備え、スイッチ動作を実行する際に、電気的に接続するべき接点(8)(10)を備えた電気プリント回路取り付けプレート(16)に組み立てるようになっているスイッチ装置(40)において、
前記取り付けプレート(16)に本装置を組み立てる前に、前記スイッチ部品(4)を保持するための保持手段(50a)が設けられたベースプレート(46)を有し、本装置を前記取り付けプレートに組み立てると、前記スイッチ部品が、これら保持手段から外れるようになっていることを特徴とするスイッチ装置(40)。
【請求項2】
本装置を取り付けプレート(16)に組み立てるときに、前記スイッチ部品(4)が、取り付けプレート(16)によってしか支持されず、前記ベースプレート(46)が、スイッチ部品に対するガイド機能しか奏しないようになっていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
取り付けプレート(16)に本装置を組み立てる際に、取り付けプレート(16)によってスイッチ部品にかかる押圧力の作用により、スイッチ部品(4)が、前記保持手段(50a)から自然に外れるようになっていることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
スイッチ部品が、保持手段(50a)に対して停止される初期位置と、スイッチ部品が保持手段から外れる第2位置との間で、ベースプレート(46)に対して、フローティング状態となるように前記スイッチ(4)が組み立てられ、かつ前記取り付けプレート(16)に本装置を設置することによって、自動的に前記第2位置がとられるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
スイッチ部品(4)が、少なくとも1つの付属品(48)を含み、この付属品の自由端がフック(48a)を形成し、かつ前記取り付けプレート(16)に向くように曲がっているベースプレート(16)の表面を介して、スイッチ部品が引かれるのを防止するフックのためのストッパー(50a)を、前記保持手段が有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記付属品が、前記スイッチ部品(4)の1つのコーナー(4a)からスタートする弾性セグメント(48)であり、スイッチ部品の端部が、前記ベースプレート(46)の内側支承表面(50b)に支持されており、よって、前記スイッチ部品が、ベースプレートに対してガイドされるようになっていることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
ベースプレート(46)が、スイッチ部品(4)のまわりにフレームを形成し、本装置が前記取り付けプレート(16)上で組み立てられるときに、前記フレームの周辺壁が、前記取り付けプレート(16)に対して支持されるようになっている接点エッジ(46c)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
接点エッジ(46c)が、前記内側部品(6)を保護するシールを構成していることを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
周辺壁が、前記アクチュエータ(2)のベース部分(2a)を受けるようになっている、前記接点エッジ(46c)に対向するエッジ(46b)を有することを特徴とする請求項7または8記載の装置。
【請求項10】
アクチュエータ(2)が、回転部品であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
一方で、ベースプレート(46)にアクチュエータ(2)を保持し、他方で、取り付けプレート(16)上での本装置の組み立てを保証するようになっている接続部品(42)を更に含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
接続部品(42)が、溶接をすることなく、取り付けプレートに前記装置を係止するグリップ手段(52)を介して、本装置を取り付けプレート(16)に係止してあることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
グリップ手段(52)が、取り付けプレート(16)内の少なくとも1つの孔(44)を貫通すると共に、本装置を組み立てる表面と対向する表面に対して係止されるようになっているスナップ手段を形成していることを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】
接続部品(42)が、ベースプレート(46)に対してサンドイッチ状に、アクチュエータ(2)のベース部分(2a)を保持していることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
接続部品(42)が、少なくとも1つのピン(23)を有し、前記ピンの端部が、取り付けプレート(16)に係止するための手段(54)を形成し、かつ前記ピンの一部が、前記ベース(46)に接続された締結手段(53)に係合するようになっている締結手段(32a)を内蔵することを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
ベースプレート(46)が、可撓性プラスチック材料、またはエラストマー製の単一部品として製造されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
スイッチ部品(4)が、ドーム状として設けられており、かつこの該ドームを金属で構成するか、または金属メッキして、電気接続が得られるようにしてあることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
接続部品(42)と、
スイッチ部品(4)と、
ベースプレート(46)とを含むグループ内の部品の少なくとも1つを支承ストリップ上で製造し、本装置の組み立て中に、前記部品を支承ストリップに接続し、前記支承ストリップを、本装置の製造から組み立てまでの間において、部品をパッケージするための手段としても使用することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の装置(40)を製造するための方法。
【請求項19】
前記グループのうちの前記各部品(42)(2)(4)(46)を、それぞれの支承ストリップ上に設けることを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
本装置(40)を一旦組み立てた後に、前記グループのうちの部品の1つの支承ストリップを、本装置(40)のパッケージングに更に使用すること特徴とする請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
組み立てられた装置(40)をパッケージするのに使用される支承ストリップが、取り付けプレート(16)上に本装置を組み立てるための工具を供給するのにも使用され、前記工具が、ストリップ供給タイプのものであることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
請求項15に記載の接続部品(42)を形成するための、請求項18〜21のいずれかに記載の方法において、
前記接続部品の中心軸線Aに対してフレア状に前記ピン(23)を配向するステップを備え、前記フレアが、前記軸線から自由端に向かう分離方向にあり、
前記スイッチ部品(4)に取り付けられているか否かに拘わらず、前記ベースプレート(46)に接合するステップと、
前記締結手段(23a)を、前記ベースプレートのそれぞれのハウジング(53)に移動するように、前記中心軸線(A)と平行に、前記ブランチを配向することによって全体を接続するステップとを有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−503409(P2006−503409A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544359(P2004−544359)
【出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002856
【国際公開番号】WO2004/036609
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(505140568)
【Fターム(参考)】