説明

圧力変動型酸素濃縮器及び筒体の規制部材

【課題】筒体を所望のように搭載しているにもかかわらず容易に取り外すことのできる酸素濃縮器、及び、筒体の揺動又は変位を実質的に防止できるにもかかわらず筒体を容易に着脱できる筒体の規制部材を提供すること。
【解決手段】基板3aの基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体4をその一端部4cから他端部4dに向かって押止する押止部10で規制する筒体4の規制部材5であって、基板3aに装着される第1規制部材6とこの第1規制部材6に着脱自在に連結する第2規制部材7とを有する筒体4の規制部材5、並びに、基板3aと、この基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体4と、筒体4をその一端部4cから他端部4dに向かって押止する押止部10を有する前記規制部材5とを備えた圧力変動型酸素濃縮器1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧力変動型酸素濃縮器及び筒体の規制部材に関し、さらに詳しくは、筒体を所望のように搭載しているにもかかわらず容易に取り外すことのできる酸素濃縮器及び筒体の揺動又は変位を実質的に防止できるにもかかわらず筒体を容易に着脱できる筒体の規制部材に関する。
【背景技術】
【0002】
高濃度の酸素を供給する装置として酸素濃縮器がある。この酸素濃縮器は、例えば、慢性気管支炎等の呼吸器系器官の疾患に対する治療法として有効な酸素吸入療法に使用され、前記疾患を持つ患者に高濃度酸素含有ガス(酸素濃縮ガスとも称される。)を供給する装置として用いられる。
【0003】
このような酸素濃縮器としては、酸素よりも窒素を優先的又は選択的に吸着する窒素吸着剤を使用した、所謂圧力変動吸着方法による圧力変動型酸素濃縮器が広く使用されている。この圧力変動型酸素濃縮器においては、コンプレッサ等の空気圧縮手段で空気(大気)を圧縮し、例えばゼオライト系の窒素吸着剤(粒体)を充填してなる少なくとも1個の窒素吸着容器(以下、窒素吸着筒又は単に吸着筒とも称する。)内にその圧縮空気を供給して吸着筒内を加圧状態にすることによって空気中の窒素を窒素吸着剤に吸着させて酸素を取り出す吸着工程(加圧工程)と、この吸着筒を大気開放又は負圧状態にして吸着筒内を減圧状態にすることによって吸着した窒素を排気し窒素吸着剤に吸着された窒素を脱着させて窒素吸着剤を再生する再生工程(減圧工程)とを、交互に又は順次繰り返し行い、連続的に高濃度酸素含有ガスを生成して患者に供給するように構成されている。
【0004】
酸素濃縮器には、各種の筒体、例えば、前記吸着筒、吸着筒で生成した高濃度酸素含有ガスを貯留する貯留筒等が搭載されている。これらの筒体は、酸素濃縮器の輸送時若しくは使用時の振動又は経時的要因等によって揺動又は変動しないように、酸素濃縮器に搭載されていることが重要である。筒体を酸素濃縮器に搭載する方法として、例えば、酸素濃縮器の筐体に設けられた基板等又は筐体若しくは基板に装着された部材にネジ等の締結具で筒体を締結する方法、ベルト等を筒体に巻回してバックル等で筐体又は基板等に固定する方法等が挙げられる。
【0005】
例えば、特許文献1には、ベース体40の載置された吸着筒を複数のワンタッチ固定ベルト49とこのワンタッチ固定ベルト49を通過させて固定する樹脂製のブロック49kとで防音室35の側面に固定する技術が記載されている(特に、0092欄、0093欄、図10及び図11参照。)。
【0006】
特許文献2には、「二段式防音室34の左側の側壁面には筒状の吸着筒体108a、108bが、吸気用バッファタンク102と並べて配置されており側壁面に固定された固定具49kにバンド49を通過後にバンド49を締め上げること」で、固定される技術が記載されている(特に、0097欄、図9及び図11参照。)。
【0007】
また、特許文献3には、「仕切板17における吸着筒2を支持させる部分の近傍には、図5に示すように、吸着筒保持具差込部20を設けている。この吸着筒保持具差込部20には、図3に示すように、吸着筒2の周部を押えるためのアーム部を有する吸着筒保持具19を差し込むことができるようになっている。このため、ネジなどを使用しなくても吸着筒2を支持体9に支持させることができるようになっている」と記載されている(特に、0033欄、図3及び図5参照。)。
【0008】
ところが、特許文献1〜3に記載された技術又は方法では、吸着筒を酸素濃縮器に揺動又は変動しないように搭載できないことがあり、酸素濃縮器の輸送時若しくは使用時又は経時的要因等によって吸着筒が揺動又は変動して、その信頼性を損なうことがある。
【0009】
前記のように、各種筒体特に吸着筒は揺動又は変動しないように酸素濃縮器に搭載されていることが要求される一方で、酸素濃縮器のオーバーホール等のメインテナンス時又は劣化等により性能が低下した時等に酸素濃縮器から取り外されることがある。酸素濃縮器は多数の機械的要素が小さなスペースに収容されているから、これらの筒体が揺動しないように堅固に又は複数の固定部材で搭載されていると、筒体を取り外す際の作業性が著しく低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−304863号公報
【特許文献2】特開2008−136662号公報
【特許文献3】特開2008−206573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、筒体を所望のように搭載しているにもかかわらず容易に取り外すことのできる酸素濃縮器を提供することを、目的とする。
【0012】
また、この発明は、筒体の揺動又は変位を実質的に防止できるにもかかわらず筒体を容易に着脱できる筒体の規制部材を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための第1の手段としてのこの発明は、基板と、この基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体と、前記筒体をその一端部から他端部に向かって押止する押止部を有する規制部材とを備え、前記規制部材は、前記基板に装着される第1規制部材と、この第1規制部材に着脱自在に連結する第2規制部材とを有することを特徴とする。
【0014】
この発明の好ましい態様としては、
(1)前記規制部材は、前記基板に装着される装着部及び前記装着部から突出する第1押止部を有する前記第1規制部材と、前記第1押止部に当接する第2押止部を有する基体及び前記基体の側方から延出する延出部を有する前記第2規制部材と、前記第1規制部材及び前記第2規制部材を連結する連結部とを備えて成る。
(2)前記第2規制部材は、前記基体における前記第2押止部と反対側に前記筒体に接する第3押止部を有している。
(3)前記連結部は、前記装着部にその幅方向に延設され、その延設方向に貫通する軸孔を有する第1連結部と、前記基体に前記第1連結部に適合するように設けられ、前記軸孔と同軸となる貫通孔を有する第2連結部と、前記軸孔及び前記貫通孔に挿通され、前記第1連結部及び前記第2連結部を着脱自在に連結する連結体とを有して成る。
(4)前記規制部材は、前記筒体、並びに、その軸線方向の一端部に接続された管及び管継手の少なくとも1つの外周面を周方向から保持する保持部を有している。
(5)前記保持部は、その内部に向かって張り出す第4押止部を有している。
(6)前記規制部材は樹脂製である。
【0015】
また、前記課題を解決するための第2の手段としてのこの発明は、基板の基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体をその前記一端部から他端部に向かって押止する押止部で規制する筒体の規制部材であって、前記基板に装着される第1規制部材と、この第1規制部材に着脱自在に連結する第2規制部材とを有することを特徴とする。
【0016】
この発明の好ましい態様としては、前記筒体は圧力変動型酸素濃縮器の吸着筒である。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器は、基板と、少なくとも1本の筒体と、前記押止部を有する規制部材とを備え、この規制部材が着脱自在に連結する第1規制部材及び第2規制部材を有しているので、筒体がその軸線方向及びこの軸線の垂直方向にほとんど揺動又は変位しないようにその軸線方向に押止されているうえ、必要時に第1規制部材と第2規制部材との連結を解除すれば筒体を酸素濃縮器から容易かつ速やかに取り外すことができる。したがって、この発明によれば、筒体を所望のように搭載しているにもかかわらず容易に取り外すことのできる酸素濃縮器を提供できる。
【0018】
この発明の好ましい態様(1)〜(6)によれば、
(1)筒体がより一層効果的に揺動又は変位しないように筒体を搭載することができる。
(2)筒体の揺動又は変位をより一層効果的に防止できると共に、パーティクルの発生及び/又は異音の発生を防止できる。
(3)第1規制部材と第2規制部材との連結状態をより一層容易かつ速やかに解除できるから搭載された筒体をより一層容易かつ速やかに取り外すことができる。
(4)筒体の前記垂直方向への揺動又は変位をより一層効果的に防止できる。
(5)筒体の前記軸線方向への揺動又は変位をさらに効果的に防止できる。
(6)規制部材の効果を損なうことなく、比較的質量のある吸着筒を規制するのに要求される強度を十分に発揮できる。
【0019】
また、この発明に係る筒体の規制部材は、着脱自在に連結する第1規制部材及び第2規制部材を有し、筒体をその一端部から他端部に向かって押止する押止部で規制するので、筒体をその軸線方向及びこの軸線の垂直方向にほとんど揺動又は変位しないように規制できるうえ、必要時に第1規制部材と第2規制部材との連結を解除すれば筒体の規制を解除できる。したがって、この発明によれば、筒体の揺動又は変位を実質的に防止できるにもかかわらず筒体を容易に着脱できる筒体の規制部材を提供できる。
【0020】
この発明の好ましい態様によれば、圧力変動型酸素濃縮器の吸着筒等の比較的質量のある筒体であっても所望のように規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、この発明に係る筒体の規制部材を構成する第1規制部材の一例を示す概略図であり、図1(a)はこの第1規制部材の一例を示す概略上面図であり、図1(b)はこの第1規制部材の一例を示す概略側面図であり、図1(c)はこの第1規制部材の一例を示す概略背面図である。
【図2】図2は、この発明に係る筒体の規制部材を構成する第2規制部材の一例を示す概略図であり、図2(a)はこの第2規制部材の一例を示す概略上面図であり、図2(b)はこの第2規制部材の一例を示す概略正面図であり、図2(c)はこの第2規制部材の一例を示す概略側面図である。
【図3】図3は、この発明に係る筒体の規制部材の一例を基板に装着した装着状態を示す概略図であり、図3(a)はこの装着状態を示す概略上面図であり、図3(b)はこの装着状態を示す概略側面図である。
【図4】図4は、この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器の一例において2本の吸着筒をこの発明に係る筒体の規制部材で取り付けた状態を説明する概略説明図であり、図4(a)はこの発明に係る圧力変動型酸素濃縮器の一例において2本の吸着筒をこの発明に係る筒体の規制部材で取り付けた状態を説明する概略正面図であり、図4(b)はこの発明に係る圧力変動型酸素濃縮器の一例において2本の吸着筒をこの発明に係る筒体の規制部材で取り付けた状態を説明する概略上面図である。
【図5】図5は、この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器の一例の概略を示すブロック図である。
【図6】図6は、この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器の一例の内部を側面方向から示す概略断面図である。
【図7】図7は、この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器の一例の内部を背面から示す概略断面図である。
【図8】図8は、この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器における吸着筒に接続された管継手の一例を示す一部破断面図である。
【図9】図9は、図8に示した管継手において、有端リングを取り外して開放リングを押込んだときの状態を説明する一部破断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明に係る筒体の規制部材は、後述する押止部で筒体がその軸線方向及びこの軸線の垂直方向に実質的に揺動、振動又は変位しないように筒体を規制する規制部材である。したがって、この発明において規制される筒体は、押止部で押止される部位、例えば、軸線方向の端面、外径が縮径して形成される段差部(肩部とも称する。)を有する筒体であればよく、例えば、自身の一端部に管又は管継手が接続された筒体等が挙げられる。このような筒体として、より具体的には、圧力変動型酸素濃縮器に搭載される吸着筒又は酸素濃縮ガスを貯留する貯留筒としての製品タンク等が挙げられ、場合によっては圧力変動型酸素濃縮器の内部に配設された管等であってもよい。前記吸着筒及び貯留筒はその軸線方向の端部に管又は管継手が接続される端面を有しており、また、前記管、特に管継手は段差部を有している。前記筒体の垂直断面は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。筒体は、筒体が取り付けられる基板の表面に対向するように、好ましくは基板の表面(基板面とも称する。)に平行な軸線となるように、配置されている。この発明において規制される筒体は、1本でも複数本でもよく、複数本の筒体はそれぞれ独立に1本ずつ規制されてもよく複数本が一体的に規制されてもよい。
【0023】
この発明において、基板は、筒体が対向するように配置される板体、隔壁又は筐体の側壁等であればよく、例えば、筐体自体、筐体に設けられた隔壁若しくは仕切板、筐体に装着された他の部材の表面等を含む。
【0024】
この筒体に接続される管又は管継手は、特に限定されず、例えば、直線状の直管又は管継手、略90°に屈曲する屈曲管(エルボとも称する。)又は管継手(エルボ管継手とも称する。)等が挙げられ、また、筒体への接続は螺合による接続でも後述するワンタッチ式接続でもよい。この管又は管継手は、筒体よりも小径であっても大径であっても、また同径であってもよい。
【0025】
このような筒体を規制する、この発明に係る筒体の規制部材は、例えば図1〜図3に示されるように、筒体をその一端部から他端部に向かって押止する押止部を有しており、基板に装着される第1規制部材及びこの第1規制部材に着脱自在に連結する第2規制部材を備えている。
【0026】
この発明に係る筒体の規制部材を、圧力変動型酸素濃縮器に搭載された一対の吸着筒を規制する場合を例に挙げて、この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器と共に説明する。
【0027】
この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器は、基板と、この基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体と、この発明に係る筒体の規制部材の一例である規制部材とを備えている。
【0028】
この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器の一例としての圧力変動型酸素濃縮器(以下、酸素濃縮器とも称する。)1は、図6に示されるように、基板としての垂直隔壁3bと、この基板面に対向して配置された、管継手9を軸線方向の一端部4cに有する2本の吸着筒4a及び4b(以下、併せて吸着筒4と称することがある。)と、この発明に係る筒体の規制部材の一例である規制部材5とを備えている。前記吸着筒4がこの発明における筒体に相当する。この酸素濃縮器1において、2本の吸着筒4a及び4bが並列された方向(図6において紙面を貫通する方向)を「横方向又は幅方向」、吸着筒4の軸線C方向(図6において紙面の上下方向)を「垂直方向又は上下方向」、この軸線C方向において吸着筒4の一端部4c方向を「上方向」、他端部4d方向を「下方向」、吸着筒4の軸線C方向及び前記「横方向又は幅方向」に垂直な方向(図6において紙面の左右方向)を「縦方向」と便宜的に称することがある。
【0029】
酸素濃縮器1は、図5に示されるように、空気を外部から導入する酸素取入口61から空気の流路に沿って上流側より、防塵フィルタ62と、防塵フィルタ62より目の細かい吸気フィルタ63と、吸気フィルタ63に連通する吸気室64と、空気の圧縮を行うコンプレッサ65(空気供給手段)と、このコンプレッサ65の近傍に配設され、コンプレッサ65を冷却する一対の冷却ファン66a及び66bとを備えている。
【0030】
コンプレッサ65の下流には、例えば窒素を吸着するゼオライト系の吸着剤を充填した一対の吸着筒4a及び4b(以下、第1吸着筒、第2吸着筒とも称する。)が第1供給弁67aと第2供給弁67bを介して接続されている。また、各供給弁67a及び67bと各吸着筒4との間の流路68a及び68bそれぞれから分岐する流路68c及び68d(以下、分岐流路とも称する。)には、第1排気弁69a又は第2排気弁69bがそれぞれ設けられ、窒素を排気する排気路71に接続されている。また、排気路71の端にはサイレンサ72が設けられている。なお、前記第1供給弁67a、第2供給弁67b、第1排気弁69a及び第2排気弁69bは加減圧切換手段を構成する。
【0031】
前記一対の吸着筒4の下流側には、両吸着筒4間をつなぐ連通路73と、連通路73に設けられて両吸着筒4間の圧力を調節する二方弁(パージ弁)74と、該二方弁74の両端に設けられた同径のオリフィス75a及び75bと、酸素濃縮ガスの逆流を防止する一対の逆止弁76a及び76bとが設けられている。また、それらの流路が合流するさらに下流側には、酸素濃縮ガスを溜める、例えば筒状の製品タンク77と、酸素濃縮ガスの圧力を調節する圧力調整器(レギュレータ)78と、酸素濃縮ガスの流量を設定する流量設定器79と、乾燥した酸素濃縮ガスを適湿にする加湿器81と、酸素濃縮ガスを外部に供給する酸素出口82とが設けられている。
【0032】
酸素濃縮器1の筐体2の内部について具体的に説明する。酸素濃縮器1にはその筐体2の内部空間を仕切る基板が設けられている。具体的には、図6に示されるように、筐体2の内部は、吸音性に優れた木製の隔壁3a及び3bにより、大別して前方の区画K1と後方の区画K2と下方の区画K3とに仕切られている。前記隔壁3aは筐体2の下方の区画K3と上方の区画K1及びK2とを仕切る隔壁であって水平隔壁とも称され、前記隔壁3bは前記水平隔壁3a上に立設され、筐体2の前方の区画K1と後方の区画K2とを仕切る隔壁であって垂直隔壁とも称される。
【0033】
区画K1には、主として前記吸着筒4等が配置されている。これらの吸着筒4はそれぞれ、図6に示されるように、前記水平隔壁3a上に載置され、前記垂直隔壁3bの表面に対向して並列に配置されており、より具体的には、前記表面に平行な軸線となるように、搭載されている。この酸素濃縮器1において前記垂直隔壁3bはこの発明における「基板」に相当する。吸着筒4については後述する。
【0034】
区画K2は、図7に示されるように、金属製の内ケース84でカバーされ、この内ケース84によって板金室83が形成されている。そしてさらにこの板金室83は、水平な隔壁3cにより上部室85と下部室86とに区分されている。この上部室85には、吸気フィルタ63と、吸気フィルタ63に連通する吸気室64と、吸気室64の空気をコンプレッサ65に供給する第1空気配管87aと、コンプレッサ65からの圧縮空気を吸着筒4に供給する第2空気配管87bと、前記したコンプレッサ65の冷却用の冷却ファン66a及び66b等が設けられている。一方、下部室86には、コンプレッサ65が配置されている。このコンプレッサ65の左右のヘッド88a及び88bには、前記第1空気配管87aから左右に分岐した(コンプレッサ65に空気を供給するための)分岐空気配管89a及び89bが接続されると共に、第2空気配管87bから左右に分岐した(吸着筒4に圧縮空気を供給するための)分岐空気配管89c及び89dが接続されている。
【0035】
このような構成を有する酸素濃縮器1は、基本的に、吸着筒4における加圧・減圧を交互に繰り返すことにより、酸素の濃縮及び吸着剤の再生を行う。例えば第1吸着筒4aに関しては、第1供給弁67aを開くと共に第1排気弁69aを閉じ、コンプレッサ65により第1吸着筒4aに圧縮空気を送りこみ、吸着剤に窒素を吸着させて酸素を濃縮する(加圧・吸着工程)。一方、第2吸着筒4bに関しては、第2供給弁67bを閉じると共に第2排気弁69bを開き、第2吸着筒4bを大気側に接続して減圧し(減圧・再生工程)、吸着剤に吸着されている窒素を放出して外部に排出する。そして、この加圧・吸着工程と減圧・再生工程とを、各吸着筒4において、所定時間毎に交互に切り換えるようにする。このようにして、第1吸着筒4a及び第2吸着筒4bにより、加圧時には酸素だけを抽出し、その酸素濃縮ガスを、下流の製品タンク77、圧力調整器78、流量設定器79、加湿器81、酸素出口82を介して、外部(従って患者)に供給する。
【0036】
この酸素濃縮器1において、吸着筒4それぞれは、内部に酸素よりも窒素を優先的又は選択的に吸着する吸着剤が充填されている。これらの吸着筒4それぞれは、図6に示されるように、前記水平隔壁3a側の端部(以下、他端部と称することがある。)4dと、その反対側の端部(以下、一端部と称することがある。)4cとに管継手9が接続されている。この発明においては管継手9として後述するワンタッチ式管継手を採用できる。
【0037】
この管継手9は、管継手本体の管接続口に管を挿入することによってその管の外周面を締付けて接続する一方、管接続口から外方に突出して外周面にフランジを有する開放リングを管接続口の奥に押込むことで前記接続が開放される管継手であって、前記開放リングは、管を接続している状態においては前記管接続口より外方に押出されるように付勢され、しかも前記フランジと該管接続口との間に環状の空間が形成されるものにおいて、管を接続している状態において前記管接続口から外方に突出している前記開放リングのフランジと該管接続口との間に形成された環状の空間に前記開放リングが該管接続口の奥に押込まれるのを防止する押込まれ防止材を装填してなる管継手である。
【0038】
この管継手について図8及び図9に基づいて具体的に説明する。なお、図8に図示された管継手9において、図中の上方の管接続口42aと図中横の管接続口42bは同一の構成を有するため、その一方(図中の上方)の管接続口42aについて説明する。すなわち、この管継手9をなす90度エルボ本体(以下、単に継手本体とも称する。)9aは合成樹脂からなり、各管接続口42a及び42bは円筒状に形成され、継手本体9a内の管流路41よりも拡径された大径の大径円筒状部43とされている。この大径円筒状部43の内側には、軟質の合成樹脂管、例えばナイロン製チューブ又はポリウレタン製チューブPが同軸状に挿入されて接続されている。ただし、接続されている管Pは、大径円筒状部43内の奥所における環状当り面43aの内周縁を管Pの肉厚分大径としてなる管差込用円筒部44の内側に差し込まれている。
【0039】
継手本体9aの大径円筒状部43の内側と管Pの外周面との間であって、大径円筒状部43の奥所の環状当り面43aには、これに当接するようにリング状をなすゴム製のパッキング45が配置されており、圧縮変形させられることで気密を確保するようにされている。そして、大径円筒状部43の内側であって管Pの外周面には、断面が「へ」の字形をなして、リング状(円筒状)に形成された管固定用の金属製(例えばSUS304製)のチャック46がその断面「へ」の字形における奥側(先端側)の曲り片部46aにてそのパッキング45を本体9aの奥側に押すと同時に、パッキング45にてその曲り片部46aが管接続口42aの外方に押されるように配置されている。そして、このチャック46は、奥側(先端側)の曲り片部46aの先端のなす爪が管Pの外周面に食い付き、この曲り片部46aより管接続口42aの外方に延びる曲り片部46bが管Pの軸線Gと略平行となるようにリング状をなしている。また、このチャック46の内側と管Pの外側との間には、円筒スリーブ状の開放リング(リリースブッシュ)48が配置されている。この開放リング48は、常時すなわち管Pを内挿して接続しているときは、その奥側に位置するパッキング45と、チャック46の曲り片部46aさらには後述するチャック46の外側に配置されてなるコレット47の弾性により、管接続口42aの外方に押出されるように付勢されて配置されている。一方、この開放リング48が、管接続口42aの奥に押込まれることで、チャック46の奥側の曲り片部46aを外側へ広げるようして、管Pの外周面に食い付いている爪を引き剥がして、管Pの接続を開放し、管Pが管継手9から引き抜き可能となるようにされている。
【0040】
この開放リング48の外周面のうち、その奥寄り部位の円筒部49aは、それより管接続口42aの外方に位置する円筒部49bよりも若干大径とされており、その異径部境界から奥側にチャック46が配置されている。また、開放リング48の管接続口42aの外方に向かう端部49cは、管接続口42aより軸線方向の外方に突出しており、その外周面には、開放リング48の押込み部をなすように、外側に突出する例えば軸線G方向から見て円形をなすフランジ51を備えている。そして、このフランジ51と本体9aの管接続口42aの端面42cとの間には、前記したように開放リング48を管接続口42aの奥に押込んで管Pの接続を開放するため、空間Kが形成されている。ただし、図8においては、この空間Kに管Pを接続した状態において、合成樹脂製で十分に弾性変形できるように形成された、断面形状C字形状を呈する有端リング53が側方から嵌合されている。詳しくは後述する。
【0041】
本体9aの大径円筒状部43の内周面とコレット47の外周面との間には、コレット47が管Pの軸線G方向に若干スライドするのを許容すると共にそのスライドにおけるコレット47外周面のガイドをなすように形成された金属製(例えばSUS304製)のガイドリング(筒)52が、大径円筒状部43の内周面に分離不能となるように固定されている。このガイドリング52は、その外方端の内周面には内向きのフランジ52aが取り付けられており、コレット47の抜け出ないし分離の防止をなすと共に、開放リング48の軸線G方向へのスライドにおけるガイドをなすようにされている。なお、ガイドリング52の本体9aの大径円筒状部43の内周面に対する固定は、ガイドリング52の外周面に設けられた凸部52bを大径円筒状部43の内周面に設けられた凹部に嵌合させて嵌めころしとされている。また、チャック46とコレット47は、それぞれ継手本体9aの奥所側が拡径又は縮径できるように、図示はしないが、ともに奥所端側から管接続口42aの外方に向かって、軸線Gに沿いスリットが複数設けられている。
【0042】
しかして、この管継手9においては、開放リング48を奥に押込んで、その先端にてチャック46の奥側の曲り片部46aを外方に広げる形としておき、この状態の下で、管Pを開放リング48内を通して押込むことにより、管Pはチャック46及びパッキング45の内周面を超えてその端部が管差込用円筒部44の内側に差し込まれる形で、管継手9内に挿入され、その挿入後において開放リング48の押込みを解除することで、チャック46の爪が管Pの外周面に食い付くと共に締め付け、管Pを接続する。なお、このとき開放リング48の奥の円筒部49aはチャック46の内側に位置して、その爪が管Pの表面に必要以上に食い付くのを防止している。一方、このように管Pを接続している状態において、開放リング48を奥に押込むと、その先端にてチャック46の奥の曲り片部46aを外方に広げる形とし、爪の管Pの外周面に対する食い付きを解除すると共に、その曲り片部46aがパッキング45を圧縮してその内周面を広げる形となる。かくして、その状態において管Pを引っ張ると管Pは容易に引き抜かれる(図9参照)。
【0043】
そして、管Pが引き抜かれた状態で、開放リング48の押込みを解除すれば、パッキング45、チャック46及びコレット47がそれぞれ自身の弾性によって元形に戻り、それによって開放リング48は外方に押出される。すなわち、この管継手9は、開放リング48を押込んだ状態で管継手本体9aの管接続口42aに管Pを挿入し、押込みを解除することによって開放リング48が元の位置に戻ることで、その管Pの管継手9内に挿入されている部位の外周面を締付けて接続するように構成されている。一方、この接続状態において、管接続口42aから外方に突出して外周面にフランジ51を有する開放リング48を管接続口42aの奥に押込むことで、その接続が開放され、管Pが引き可能となるようにように構成されている。このような構成は、従来公知のいわゆるワンタッチ式の管継手が備える管接続機構及び接続開放機構の一例ある。
【0044】
しかし、この管継手9では、管Pを接続している状態において、図8に示したように、管接続口42aから外方に突出している開放リング48のフランジ51と、管接続口42aとの間に形成された環状の空間Kに、開放リング48が管接続口42aの奥に押込まれるのを防止する押込まれ防止材として、その空間Kの幅Wと略同じ厚みを有する例えば、合成樹脂製で十分に弾性変形できる有端リング53が側方から嵌合される形で装填されている。この有端リング53の前記空間Kに対する装填は、管継手9において管Pを接続した後、この有端リング53をその端部間を広げるように弾性変形させて拡径し、側方から押込むようにして嵌め込むことで行われ、装填状態において略元形に戻って管継手から分離又は脱落しないようになっている。
【0045】
したがって、この管継手9においては、開放リング48が管接続口42aの奥に押込まれるような外力が作用したとしても、有端リング53によって押込まれることがないので、接続している管Pの接続不良(緩み)や抜け出しが発生することが防止される。すなわち、このような管継手9においては、管Pの接続はワンタッチでできるために、その接続の簡易迅速性が妨げられることはないし、開放リング48が押込まれることが防止されているため、意図せずして管Pの接続の開放又は解除がなされてしまうといったことがない。一方、管Pの接続を開放するには、図9に示したように、押込まれ防止材である有端リング53を前記空間から取り外しさえすれば、従来と同様に開放リング48を管接続口42aの奥に押込むことができる。したがって、本形態の管継手9によれば、管Pの接続における簡易迅速性にはなんらの妨げもないし、押込まれ防止材である有端リング53を前記空間Kから取り外さない限り、管Pの接続が開放されたり管Pが抜け出てったりといったことを確実に防止できる。
【0046】
したがって、管継手9は、特に酸素濃縮器のように、配管の接続に高度の信頼性が要求される一方で、装置内の配管接続に簡易、迅速性が要求される場合には極めて適した管継手であるといえる。すなわち、この管継手9は、圧力変動型酸素濃縮器において、その圧縮空気の窒素吸着容器への供給配管又はこの窒素吸着容器で窒素を吸着して生成された高濃度酸素含有ガスの供給出口に至る供給配管に使用されるのに極めて好適なものである。
【0047】
管継手9において、押込まれ防止材は合成樹脂製又は金属製で十分に弾性できる有端リング53を用いているため、これを開放リング48のフランジ51と管接続口42aとの間に形成された環状の空間Kに装填するには、管Pを接続した後つまり配管後において、この有端リング53を適宜に広げるように弾性変形させることで、管Pの側方から簡易に行うことができるので便利である。このような有端リング53は、弾性変形可能でその脱着ができればよく、したがって、適度の弾性或いはバネ性の得られる素材から形成すれば、合成樹脂製に限られず、金属製又はゴム製としてもよい。
【0048】
このように管継手9は、開放リング48が押込まれるような外力が作用したとしても有端リング53によって押込まれることがないから、管Pの接続不良や抜け出し等のない高い信頼性を確保しつつ、この発明に係る規制部材で開放リング48の端面49cを奥に向かって押止して吸着筒4をその軸線C方向に規制できる。
【0049】
この酸素濃縮器1は、前記吸着筒4を一体的に規制する規制部材5を備えている。この規制部材5は、図3、図4及び図6に示されるように、垂直隔壁3bにおける吸着筒4の軸線C方向の延長線上に着脱自在に装着されている。この酸素濃縮器1において、規制部材5は、図3(a)及び図4に示されるように、一対の吸着筒4の両軸線Cのほぼ中央であって吸着筒4を規制するときに吸着筒4の一端部4c又は管継手9に規制部材5の押止部10が接する又は圧接するように前記軸線C方向の延長線上の前記垂直隔壁3bに装着されている。
【0050】
この規制部材5は、図3、図4及び図6等に示されるように、吸着筒4それぞれを一端部4cから他端部4dに向かって軸線C方向に押止する押止部10と、管継手9の外周面を周方向から保持する保持部11とを有している。この押止部10は、吸着筒4の軸線C方向に沿って軸線C方向の一端部4cから他端部4dに向かって前記水平隔壁3aに押圧して吸着筒4を軸線C方向に規制する。したがって、押止部10は、吸着筒4の軸線C方向及びこの軸線Cの垂直方向への吸着筒4の揺動又は変位を規制でき、規制部とも称することができる。前記保持部11は、管継手9の外周面の一部をその周方向から囲繞して軸線C方向の垂直方向に管継手9を規制することで、前記押止部10による吸着筒4の規制に加えて、前記垂直方向への管継手9及び吸着筒4の揺動又は変位をより一層効果的に規制する。したがって、保持部11は管継手9及び吸着筒4の垂直方向規制部とも称することができる。
【0051】
この規制部材5は、具体的には、図1〜図4等に示されるように、第1規制部材6と第2規制部材7と連結部8とを有している。
【0052】
前記第1規制部材6は、図1に示されるように、基板としての垂直隔壁3bに装着される装着部12と、この装着部12から突出する第1押止部13とを有している。装着部12は、吸着筒4の背後に立設された垂直隔壁3bに装着可能に形成されていればよく、この例においては、図1に示されるように、ボルトが螺合される孔21が2つ穿孔された矩形の板状体になっている。第1押止部13は、図1(b)によく示されるように、装着部12に対して略垂直に突出するように装着部12の端縁から延設されている。したがって、第1規制部材6が垂直隔壁3bに装着されると、第1押止部13は、図3(a)及び図6に示されるように、垂直隔壁3bの吸着筒4が配置された側の表面すなわち基板面から吸着筒4側に向かって略垂直に突出するように装着部12に形成されている。この第1押止部13は、図3及び図4に示されるように、その底面が後述する第2押止部16に当接又は圧接するようになっており、したがって、第1押止部13の底面は第1押止面と称することができる。
【0053】
この第1規制部材6は、第1押止部13の装着部12と反対側の面に第1連結部15を有している。この第1連結部15は、第1押止部13の基端部すなわち装着部12に接続する端部に、第1押止部13の突出方向に垂直な方向すなわち第1押止部13の幅方向にわたって延在する柱状体として、形成されている。そして、第1連結部15は、図1(c)によく示されるように、その延設方向に貫通する軸孔23を有している。この軸孔23は後述する連結体25が挿通される第1挿通孔として機能する。
【0054】
この第1規制部材6は、図1に示されるように、第1押止部13の突出方向に沿う両端縁それぞれから軸線C方向に沿って延設すなわち立設又は斜設され、それらの前記基端側の一端縁が装着部12の軸線C方向に延在する端縁に接続する一対の補強部14を有している。すなわち、この補強部14は第1規制部材6を側面視すると、図1(b)に示されるように、略三角形となっている。この補強部14は第1規制部材6の軸線C方向の強度を向上させることができ、補強リブとも称される。特に、第1規制部材6が一対の補強部14を有していると、比較的質量のある吸着筒4を規制するのに要求される強度を十分に発揮できる。
【0055】
この第1規制部材6は、図3(a)及び図4に示されるように、垂直隔壁3bの吸着筒4が配置された側、又は、その反対側から装着部12の孔21にボルト22を螺合して、垂直隔壁3bにおける軸線C方向の延長線上に装着されている。
【0056】
第2規制部材7は、図2に示されるように、第1規制部材6に連結する基体17と、基体17の自由端側に基体17に並列するように、基体17の側方に向かって延出形成された一対の延出部18とを有しており、全体形状が略「T」字状の板状になっている。
【0057】
この基体17は、第1押止部13の突出方向すなわち延在方向と同方向に延在する略長方形をなしており、厚さが均一な第2押止部16と、第2押止部16から延在方向に連設され、延在方向に向かって徐々にその厚さが薄くなる先端部30とを有している。第2押止部16は、第2規制部材7が第1規制部材6に連結されたときに、第1規制部材6の第1押止部13に当接又は圧接する部分であり、第2規制部材7においてはその上面が第1押止部13に当接又は圧接するようになっている。したがって、第2押止部16の上面は第2押止面と称することができる。
【0058】
基体17は、先端部30と反対側の端部すなわち基端31に第1連結部15に適合する一対の第2連結部19を有している。一対の第2連結部19は、基体17の延在方向に垂直な方向すなわち基体17の幅方向の両端部それぞれに基体17の一端縁からその延在方向の逆方向に突出するように、形成されている。一対の第2連結部19における幅方向の間隔は第1連結部15の延在長さと同一とされており、一対の第2連結部19は図3(a)に示されるように第1連結部15を両側から挟むようにして第1連結部15に適合する。このように一対の第2連結部19は第1連結部15に外嵌するようになっている。第2連結部19それぞれには、第1連結部15に適合したときに軸孔23と同軸となる貫通孔32が穿孔されている。この貫通孔32は後述する連結棒が挿通される第2挿通孔として機能する。
【0059】
一対の延出部18は、基体17の先端部30近傍の幅方向両端縁から幅方向に互いに逆方向に向かって張出し、基体17の両側に並設されている。延出部18それぞれは、管継手9の外周面を周方向から保持する保持部11を有している。この保持部11は、図2(a)によく示されるように、厚さ方向に貫通すると共に、基体17の延出方向に沿って延出部18の一端縁から他端縁に向かう切欠された切欠部とされている。この保持部11は、一対の第1規制内面33と第2規制内面34とを有している。前記第1規制内面33は、軸線Cに垂直で垂直隔壁3bの表面に平行な方向すなわち前記横方向から管継手9を挟持して、管継手9が横方向に揺動するのを規制している。前記第2規制内面34は、軸線C及び垂直隔壁3bの表面に垂直な方向すなわち前記縦方向から被保持部分に当接して管継手9が縦方向に揺動するのを規制している。一対の第1規制内面33はその間隔が被保持部分の直径と同一又はわずかに小さく、第2規制内面34は管継手9の外周面に当接するように形成されている。
【0060】
この例において、保持部11は、具体的には、前記一端縁から前記間隔で切欠された導入案内部35と、導入案内部35に連設された、管継手9の断面形状に適合する寸法及び形状に切欠された先端保持部36とを有している。この保持部11において、一対の第1規制内面33は導入案内部35の相対向して延在する一対の内面であり、第2規制内面34は先端保持部36の内面である。先端保持部36の寸法及び断面形状は、管継手9の寸法及び断面形状に応じて適宜に決定され、例えば、管継手9の外径と略同一の内径を有する形状であるのが好ましく、その中心角が180°となる形状であるのが保持性の点でより好ましい。このような断面形状として、例えば、半円形、半楕円形又は馬蹄形等が挙げられる。なお、先端保持部36の断面形状は中心角が180°よりも小さな扇形であってもよく、延出部18が弾性を有しているのであれば中心角が180°よりも大きな扇形であってもよい。この例において、先端保持部36は、管継手9の被保持部分の外径と略同一の内径を有し、その内周面が平坦な略半円形に形成されている。
【0061】
保持部11は、導入案内部35及び先端保持部36における軸線C方向端部に導入案内部35及び先端保持部36の内部に向かって張り出す第4押止部38を有している。この第4押止部38は導入案内部35及び先端保持部36における基体17の上面側すなわち第1規制部材6側の端縁に導入案内部35及び先端保持部36の全体にわたって形成されている。第4押止部38の張り出し量は管継手9における異径部の段差部分例えば開放リング48の端面49cに第4押止部38が当接又は圧接して管継手9を軸線C方向から規制できる程度であればよい。この例においては先端保持部36に形成された第4押止部38の間隔が管継手9の管Pの外径と略同一となるように張し出し量が設定されている。
【0062】
一対の延出部18それぞれは、第2押止部16と反対側の面すなわち吸着筒4に臨む下面側が、第2規制部材7が第1規制部材6に連結されたときに吸着筒4(特にその端面)に当接又は圧接する押止面となっている。この例においては、この押止面と吸着筒4との摩擦等によるパーティクルの発生及び/又は異音の発生を防止する観点から、押止面に吸着筒4に当接又は圧接する第3押止部37を有している。この第3押止部37は延出部18と吸着筒4との間隙に配置されて吸着筒4を軸線C方向に弾力的に押止する。この第3押止部37は、吸着筒4を軸線C方向に弾力的に押止して吸着筒4を軸線C方向に効果的に規制できる点で、弾性体であるのが好ましく、このような弾性体として例えば、ゴム、バネ等が挙げられる。この例において、第3押止部37はゴムでブロック状に形成されている。
【0063】
一方の延出部18は、後述する連結体25を固定する固定部39を、その上面に有している。この固定部39は、図2(b)によく示されるように、連結体25の被固定部26をその両側から挟持する相対向する一対の壁状体とされている。したがって、壁状体の間隔は連結体25の被固定部26の外径と同一又は僅かに小さく設定されている。
【0064】
この第2規制部材7は、図3及び図4に示されるように、第1規制部材6に連結されて、第1規制部材6と吸着筒4との間に介装される。
【0065】
連結部8は、図3及び図4に示されるように、第1規制部材6と第2規制部材7とを連結する。具体的には、連結部8は、第1規制部材6の装着部12に延設された第1連結部15と、第2規制部材7の基体17に設けられた第2連結部19と、第1連結部15の軸孔23及び第2連結部19の貫通孔32に挿通される連結体25と、この連結体25を固定する固定部39とを有している。このように連結部8のうち連結体25以外は第1規制部材6又は第2規制部材7に付設されている。第1連結部15、第2連結部19及び固定部39は前記した通りである。連結体25は、図3(a)及び図4(b)によく示されるように、軸孔23及び貫通孔32に挿通される挿通部27とこの挿通部27の端縁から屈曲して延在し固定部39に固定される被固定部26とを有する、略L字型の棒体である。この連結体25を軸孔23及び貫通孔32に挿抜することによって、第1連結部15と第2連結部19とを着脱自在に連結でき、その結果、第1規制部材6と第2規制部材7と容易かつ速やかに着脱自在に連結できる。
【0066】
規制部材5はある程度の強度が要求されるので、特に酸素濃縮器1の比較的質量のある吸着筒4を規制するには十分な強度が要求されるので、第1規制部材6、第2規制部材7及び連結体25は樹脂、金属等で形成されているのが好ましい。特に、第1規制部材6及び第2規制部材7は樹脂で形成されているのが好ましく、連結体25は金属で形成されているのが好ましい。前記樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエレン、アクリル樹脂等の熱可塑性、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、汎用エンプラ、スーパーエンプラ等の合成樹脂が挙げられる。
【0067】
規制部材5の組み立て方法及び分解方法を、酸素濃縮器1の吸着筒4を垂直隔壁3bに取り付ける方法及びこの垂直隔壁3bから取り外す方法を例にして、説明する。
【0068】
吸着筒4を規制するには、図6に示されるように、吸着筒4が搭載される区画K1が露出するように酸素濃縮器1の筐体又はカバー等を取り外す。この酸素濃縮器1においては側方カバーを取り外して区画K1を露出させる。次いで、水平隔壁3a上に所望により振動を吸収可能な弾性体を介して2本の吸着筒4を起立状態に載置する。そうすると、この酸素濃縮器1において、吸着筒4それぞれは、図6に示されるように、垂直隔壁3bの表面に対向し、かつ、垂直隔壁3bの表面に平行な軸線となるように、配置される。このとき、図6に示されるように、吸着筒4それぞれの両端部4c及び4dに接続された管継手9は所定の状態に配置される。
【0069】
吸着筒4の水平隔壁3a上への載置の前若しくは後又は途中で、第1規制部材6を垂直隔壁3bの所定の位置にボルト22で装着する。第1規制部材6すなわち装着部12が装着される所定の位置は、図4(a)に示されるように、第3押止部37が吸着筒4と延出部18との間で僅かに圧縮される位置であり、好ましくは、さらに、第1規制部材6と第2規制部材7とを連結したときに第4押止部38が管継手9例えば前記端面49cに当接する位置である。
【0070】
次いで、第2規制部材7を吸着筒4の側方から、第2規制部材7の基体17が2つの吸着筒4の間に位置するまで筐体内に進入させた後に、吸着筒4に接続されている管継手9が保持部11に進入すると共に一対の第2連結部19が第1連結部15を挟むように垂直隔壁3b側に移動させる。このようにして第1連結部15と第2連結部19とを適合させる。
【0071】
次いで、図4(a)に示されるように、第2連結部19の手前側の貫通孔32から第1連結部15を通過して他方の貫通孔32から突出するまで連結体25の挿通部27を挿通する。その後、連結体25をその挿通部27の軸線周りに回転させて被固定部26を固定部39に差し込んで挟持固定する。
【0072】
このようにして、図3、図4及び図6に示されるように、第2規制部材7を第1規制部材6と吸着筒4との間に介装した状態に組み立てると、第1押止部13と第2押止部16とが当接した状態で第1規制部材6と第2規制部材7とが一体化し、規制部材5の装着が完了する。そうすると、2本の吸着筒4を、垂直隔壁3bに装着した規制部材5で軸線C方向に押止した状態で、酸素濃縮器1に搭載できる。
【0073】
このようにして酸素濃縮器1に搭載された吸着筒4において、図4(a)によく示されるように、その一端部4cの端面は、垂直隔壁3bに装着された第1規制部材6の第1押止部13とこの第1押止部13に当接する第2押止部16と基体17に設けられた第3押止部37とを有して成る押止部における第3押止部37が圧接している。その結果、吸着筒4それぞれは、第3押止部37の弾性力によって、その一端部4cから他端部4dに向かって軸線C方向に押止されている。このように、規制部材5は、吸着筒4それぞれを、第1押止部13と第2押止部16と第3押止部37とによって軸線C方向に押止して水平隔壁3aと規制部材5とでその軸線C方向に、押圧挟持している。したがって、吸着筒4それぞれは、規制部材5によって、自身の軸線C方向はいうまでもなく軸線C方向に垂直な方向にもほとんど揺動又は変位しないように、規制されている。
【0074】
また、吸着筒4において、吸着筒4に接続された管継手9の例えば端面49cは、図4(a)によく示されるように、前記第1押止部13と前記第2押止部16と保持部11内に向かって張り出す前記第4押止部38とを有して成る押止部における第4押止部38が当接又は圧接している。その結果、吸着筒4それぞれは、管継手9を介して、その一端部4cから他端部4dに向かって軸線C方向に押止されている。このように、規制部材5は、吸着筒4それぞれを、第1押止部13と第2押止部16と第4押止部38とによって軸線C方向に押止して水平隔壁3aと規制部材5とでその軸線C方向に、押圧挟持している。したがって、吸着筒4それぞれは、規制部材5によって、自身の軸線C方向も軸線C方向に垂直な方向にもほとんど揺動又は変位しないように、規制されている。酸素濃縮器1において、吸着筒4の一端縁4cに接続されたワンタッチ型の管継手9は、例えば、その端面49cが軸線C方向に第4押止部38で押止されても、有端リング53の介装によって開放リング48が押込まれることはないから、この管継手9に接続している管Pの接続不良や抜け出しが発生せず、吸着筒4を所望のように取り付けることができると共に極めて高い信頼性を確保できる。
【0075】
特に、規制部材5は、図4(a)によく示されるように、押止部10が第1押止部13と第2押止部16と第3押止部37と第4押止部38とを有しているから、吸着筒4それぞれを、実質的に揺動又は変位しないように、さらに効果的に押止することができる。したがって、規制部材5を備えた酸素濃縮器1は、吸着筒4それぞれがほとんど揺動又は変位しないように搭載されている。
【0076】
さらに、吸着筒4それぞれは、図4(b)によく示されるように、保持部11すなわち第1規制内面33及び第2規制内面34によって、軸線Cに垂直な方向に保持されている。したがって、吸着筒4それぞれは、前記押止部による規制に加えて保持部11によっても保持されているから、自身の軸線Cの垂直方向に高度に揺動又は変位しないように、酸素濃縮器1に搭載されている。
【0077】
一方、酸素濃縮器1に搭載された吸着筒4を取り外すには前記手順を逆に行えばよい。すなわち、被固定部26を固定部39から取り外して挿通部27を貫通孔32及び軸孔23から抜脱する。そうすると、第1規制部材6と第2規制部材7との連結が解除されるから、この第2規制部材7を区画K1から取り出して、吸着筒4それぞれを順に区画K1から取り出すことができる。このとき、吸着筒4は水平隔壁3aに載置されているので規制部材5を分解すれば酸素濃縮器1から吸着筒4を取り外すことができる。
【0078】
このように、挿通部27を貫通孔32及び軸孔23から抜脱する際に工具等を必要とせずワンタッチで抜脱することができる。そして、連結体25の挿通部27を貫通孔32及び軸孔23から抜脱すれば、容易かつ速やかに第1規制部材6と第2規制部材7との連結が解除され、その結果、酸素濃縮器1から吸着筒4を作業性よく取り外すことができる。
【0079】
したがって、規制部材5によれば吸着筒4の固定と着脱容易性とを両立させることができ、規制部材5を用いると、吸着筒4を実質的に揺動させることのない所望の状態に取り付けることができるにもかかわらず容易かつ速やかに取り外すことができる。すなわち、酸素濃縮器1は吸着筒4を所望のように搭載しているにもかかわらず容易に取り外すことができる。
【0080】
この酸素濃縮器1においては、前記の各流路を形成するナイロンチューブ又はポリウレタンチューブの分岐用のT継手、方向転換用のエルボ、これらのチューブと各弁、吸着筒4又は製品タンク77との接続のため、各弁等にねじ込まれたブッシュの管接続口にこの管継手9が使用されている。このため、酸素濃縮器1によれば、その製造、組み立て時の確認検査又はメインテナンスにおいて、例えば図8における管継手9の管接続口42aの開放リング48のフランジ51に、これを管接続口42aの奥に押込む力が作用したとしても開放リング48が押込まれることはないから、圧縮空気や生成された高濃度酸素含有ガスの供給配管において接続している管の接続不良又は緩みや抜け出しの発生が確実に防止される。このため、極めて信頼性の高い酸素濃縮器とすることができる。しかも、装置内の配管の接続、組み立てにおいては、いわゆるワンタッチ式の管継手による配管接続において、押込まれ防止材を取り付ける工程の増加のみに止まるため、配管の簡易、迅速性が妨げられることもない。なお、使用しているワンタッチ式の管継手のすべてにおいて、開放リングの押込まれ防止材を装填するのが好ましいといえるが、配管部位によっては、又は使用している管材とその支持、固定状況等の配管周囲の状態によっては、すべての管継手に押込まれ防止材を装填する必要はない。その一例を挙げると、管材が金属管を使用してあり、管継手及びこれに接続されている配管又は管材が動かないように強固に支持又は固定されているような場合のように、管を抜こうとしても物理的に抜くことができない配管レイアウト下に設定されている場合である。
【0081】
この発明に係る筒体の規制部材及びこの発明に係る圧力変動型酸素濃縮器は、前記一例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、2本の吸着筒4は圧力変動型酸素濃縮器にその軸線Cが略垂直となる起立状態に搭載されているが、この発明において、吸着筒はその軸線Cが水平となるように圧力変動型酸素濃縮器に搭載されていてもよい。
【0082】
前記規制部材5は、2本の吸着筒4を一挙に規制するように構成されているが、この発明において、規制部材は吸着筒それぞれを別々に規制するように構成されてもよい。この場合には、例えば、第1規制部材と押止部及び1つの保持部を有する第2規制部材との1組を複数、前記酸素濃縮器1においては2組有する規制部材とすることができる。
【0083】
第1規制部材6は壁状の補強部14を有する断面鉤形形状すなわち錐体状をなしているが、この発明において、第1規制部材は、装着部と第1押止部とを有する形状であればよく、例えば、多角柱、円柱及び楕円柱等の中空の柱体であってもよく、また、前記補強部を形成する代わりに多角柱、円柱及び楕円柱等の中実の柱体であってもよい。
【0084】
前記補強部14は、第1押止部13の両端縁それぞれから立設されているが、この発明において、補強部は、第1規制部材6の強度を補強できるように形成されていればよく、第1押止部13の中央部から立設されてもよく、また、両端部又は中央部から斜設されてもよい。
【0085】
前記第2規制部材7は、平坦な板状に形成されているが、この発明において、第2規制部材は基体及び/又は延出部の端縁から軸線C方向に沿って張り出すフランジ状の補強リブをその全周に有していてもよい。
【0086】
前記保持部11は、吸着筒4に接続された管継手9を保持しているが、この発明において、保持部は、吸着筒又は吸着筒に接続された管を周方向から保持していてもよい。また、前記保持部11は、その先端保持部36が平坦な内周面を有する略半円形に形成されているが、この発明において、保持孔の先端保持部は管継手の外周面に当接又は圧接する突状体が形成されていてもよい。
【0087】
前記押止部10は、第1押止部13と第2押止部16と第3押止部37と第4押止部38とからなっているが、この発明において、押止部は第1押止部13と第2押止部16と延出部の前記押止面とからなっていてもよい。
【0088】
前記第1押止部13及び前記第2押止部16はいずれも平坦な表面になっているが、この発明において、第1押止部及び/又は第2押止部は互いに当接又は圧接できるように形成されていればよく、例えば、凸状体が形成されていてもよい。また、前記第1押止部13及び前記第2押止部16はいずれも垂直隔壁3bに対して直角となるように形成されているが、この発明において、第1押止部及び/又は第2押止部は第2規制部材をその軸線方向に押止できればよく、例えば、第1押止部及び第2押止部が基板に対して傾斜していてもよい。
【0089】
前記第4押止部38は、管継手9に当接する面が平坦になっているが、この発明において、第4押止部は管継手に当接する面に凸状体が形成されていてもよい。
【0090】
固定部39は、一方の延出部18に設けられているが、この発明において、固定部は酸素濃縮器の筐体、その各種隔壁、第1規制部材及び第2規制部材のいずれかに設けられていればよく、取り外し容易性を考慮すると、隔壁又は第2規制部材に設けられているのが好ましい。
【0091】
前記連結部8は、第1連結部15と第2連結部19と連結体25と固定部39とを有しているが、この発明においては、連結体及び固定部を備えず、第1連結部とこの第1連結部に係合する第2連結部とを有していてもよい。第1連結部と第2連結部とを係合させるには、例えば、互いに係合する櫛状の係合溝、係合溝及びこの係合溝に係合する係合片等を採用することができる。
【0092】
前記第1連結部15は第1押止部13の幅方向全体にわたって延在する柱状体として形成されているが、この発明において、第1連結部は第1押止部の幅方向の少なくとも一部に延在して形成されていればよく、例えば、幅方向に所定の間隔で配列形成された複数の連結部から形成されていてもよい。また、前記第1連結部15は第1押止部13の装着部12と反対側の面における垂直隔壁3b側の端部に形成されているが、この発明において、第1連結部が形成される位置は特に限定されず、第1連結部は第1押止部13の装着部側に形成されもよく、また第1押止部13の自由端側に形成されてもよい。
【0093】
この発明に係る圧力変動型酸素濃縮器は前記一例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
【0094】
この発明に係る筒体の規制部材の一例である前記規制部材5は、第1規制部材6、第2規制部材7及び連結体25で構成され、第1規制部材6と第2規制部材7とが着脱自在に連結可能になっている。ところで、この発明の前記目的を達成する手段として、第1規制部材と第2規制部材とを着脱自在に連結するのではなく、例えば、第1規制部材を基板等に着脱自在に装着できるように構成すれば、第1規制部材と第2規制部材とが一体的に構成されていてもよい。具体的には、前記第2連結部19を前記第1連結部15に回転自在に接続して第1規制部材6及び第2規制部材7を一体物とすることができる。したがって、このような筒体の規制部材として、例えば、基板の基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体をその前記一端部から他端部に向かって押止する押止部で規制する筒体の規制部材であって、前記基板に着脱自在に装着される第1規制部材と、この第1規制部材に一体的に連結する第2規制部材とを有する筒体の規制部材が挙げられる。また、この筒体の規制部材を備えた圧力変動型酸素濃縮器として、例えば、基板と、この基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体と、前記筒体をその一端部から他端部に向かって押止する押止部を有する規制部材とを備え、前記規制部材は、前記基板に着脱自在に装着される第1規制部材と、この第1規制部材に一体的に連結する第2規制部材とを有する圧力変動型酸素濃縮器が挙げられる。
【符号の説明】
【0095】
1 圧力変動型酸素濃縮器(酸素濃縮器)
3b 隔壁(垂直隔壁)
4 吸着筒
4c 一端部
4d 他端部
5 規制部材
6 第1規制部材
7 第2規制部材
8 連結部
9 管継手
10 押止部
11 保持部
12 装着部
13 第1押止部
15 第1連結部
16 第2押止部
17 基体
18 延出部
19 第2連結部
23 軸孔(第1挿通孔)
25 連結体
32 貫通孔(第2挿通孔)
37 第3押止部
38 第4押止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、この基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体と、前記筒体をその一端部から他端部に向かって押止する押止部を有する規制部材とを備え、
前記規制部材は、前記基板に装着される第1規制部材と、この第1規制部材に着脱自在に連結する第2規制部材とを有する圧力変動型酸素濃縮器。
【請求項2】
前記規制部材は、前記基板に装着される装着部、及び、前記装着部から突出する第1押止部を有する前記第1規制部材と、前記第1押止部に当接する第2押止部を有する基体、及び、前記基体の側方から延出する延出部を有する前記第2規制部材と、前記第1規制部材及び前記第2規制部材を連結する連結部とを備えて成る請求項1に記載の圧力変動型酸素濃縮器。
【請求項3】
前記第2規制部材は、前記基体における前記第2押止部と反対側に前記筒体に接する第3押止部を有する請求項1又は2に記載の圧力変動型酸素濃縮器。
【請求項4】
前記連結部は、前記装着部にその幅方向に延設され、その延設方向に貫通する軸孔を有する第1連結部と、前記基体に前記第1連結部に適合するように設けられ、前記軸孔と同軸となる貫通孔を有する第2連結部と、前記軸孔及び前記貫通孔に挿通され、前記第1連結部及び前記第2連結部を着脱自在に連結する連結体とを有して成る請求項2又は3に記載の圧力変動型酸素濃縮器。
【請求項5】
前記規制部材は、前記筒体、並びに、その軸線方向の一端部に接続された管及び管継手の少なくとも1つの外周面を周方向から保持する保持部を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧力変動型酸素濃縮器。
【請求項6】
前記保持部は、その内部に向かって張り出す第4押止部を有する請求項5に記載の圧力変動型酸素濃縮器。
【請求項7】
前記規制部材は、樹脂製である請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧力変動型酸素濃縮器。
【請求項8】
基板の基板面に対向して配置された少なくとも1本の筒体をその前記一端部から他端部に向かって押止する押止部で規制する筒体の規制部材であって、前記基板に装着される第1規制部材と、この第1規制部材に着脱自在に連結する第2規制部材とを有する筒体の規制部材。
【請求項9】
前記筒体は、圧力変動型酸素濃縮器の吸着筒である請求項8に記載の筒体の規制部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−229617(P2011−229617A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101194(P2010−101194)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】