圧力計測器可脱型スプレイガン
本発明に係るスプレイガンは、ガン本体(1)と、ガン本体(1)に設けられたノズル機構(9)と、ノズル機構(9)への圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構(17)を伴いガン本体(1)の内部に設けられた圧縮空気供給ダクト(22)と、その圧縮空気供給を調節する圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)と、圧縮空気供給ダクト(22)内の圧力を検出及び指示する圧力計測器(35)と、を備える。その特徴は、圧力計測器(35)が、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に対し可脱固定されることにある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載されたスプレイガンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスプレイガンとしては特許文献1に記載のものがある。これは、ガン本体、ガン本体に設けられたノズル機構、ノズル機構への圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構を伴いガン本体の内部に設けられた圧縮空気供給ダクト、並びにその圧縮空気供給を調節する圧縮空気供給調節器を備えるスプレイガンであり、圧縮空気供給ダクト内の圧力を検出及び指示する圧力計測器がその圧縮空気供給調節器に一体化されている。圧力計測器が収まるハウジングはロータリノブとして構成されており、調節要素機能を有しているので、これを用いてノズル機構に供給される圧縮空気を調節することができる。
【0003】
この構成の短所は、圧縮空気供給を調節する際、圧力計測器と共に圧力指示器が回動し、その向きがロータリノブの向きに従い変化すること、場合によっては上下逆になることである。そうしたおかしな向きでは、圧力指示器による指示をユーザが容易に読み取ることができない。また、従来の構成では、その圧力計測器として、ディジタル指示器付のディジタル圧力計がよく使用されている。この構成では、スプレイガンから圧縮空気供給調節器を外し、更にその圧縮空気供給調節器から圧力計測器を外してからでないと、バッテリを交換することができないため、バッテリの随時交換が面倒な作業になっている。従来の構成には、更に、ロータリノブの誤回動ひいては圧縮空気供給の想定外変化が生じる恐れもある。加えて、スプレイガン清掃時に洗剤がディジタル圧力計にかかり、その圧力計に汚濁や損傷が生じることもありうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1294490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主たる目的は、こうした状況に鑑み上掲のスプレイガンを改良し、そのスプレイガンに備わる圧力計測器を可能な限り好適に且つ状況を問わず稼働させうるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明に係るスプレイガンは請求項1、3又は27記載の特徴を、本発明に係り空気作動式のスプレイガンに実装可能な圧縮空気供給調節器は請求項28記載の特徴を、また本発明に係る圧力計測器は請求項29記載の特徴を備える。請求項2乃至26に記載したのは、本発明に係るスプレイガンの好適な実施形態である。その他の請求項に記載したのは、本発明の好適な実施形態及び具体例である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るスプレイガン、特に請求項1記載のものによれば、清掃作業時の圧力計測器汚濁・損傷を避けることができ、またディジタル圧力計使用時の随時バッテリ交換をより簡略に実行することができる。本発明に係るスプレイガン、特に請求項27記載のものによれば、圧力計測器に備わる圧力指示器の向きが圧縮空気供給調節器の向きによらず固定されるため、それによる指示を常に容易に読み取ることができ、また圧縮空気供給調節器の不本意な調節を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るスプレイガン、そのスプレイガンに差し込まれた圧縮空気供給調節器、並びにその圧縮空気供給調節器に固定された圧力計測器の一部切欠側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスプレイガン、そのスプレイガンから外された圧縮空気供給調節器、並びにその圧縮空気供給調節器に固定された圧力計測器の斜視図である。
【図3】図2に示したスプレイガン、そのスプレイガンに差し込まれた圧縮空気供給調節器、並びにその圧縮空気供給調節器から外された圧力計測器の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にてスプレイガンに組み込まれる圧縮空気供給調節器、並びにそれに固定された圧力計測器の側面図である。
【図5】図4に示した圧縮空気供給調節器、並びにそこから外された圧力計測器の斜視図である。
【図6】図4に示した圧縮空気供給調節器、並びにそれに固定された圧力計測器の分解図である。
【図7】(a)は図4に示した圧縮空気供給調節器の詳細断面図、(b)はその圧縮空気供給調節器及びそれに固定された圧力計測器の詳細断面図である。
【図8】ディジタル圧力計測器の斜視図である。
【図9】別のディジタル圧力計測器の斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るスプレイガン、並びにそれに差し込まれた圧縮空気供給調節器の斜視図である。
【図11】図10に示したスプレイガン、並びにそこから外された圧縮空気供給調節器の斜視図である。
【図12】検査用エアキャップ、並びに本発明の一実施形態に係る圧力計測器の斜視図である。
【図13】図12に示した検査用エアキャップ、並びにそこから外された圧力計測器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、別紙図面を参照しつつ本発明の例示的な諸実施形態についてより詳細に説明する。まず、図1〜図3に示す実施形態では、スプレイガンの本体1がハンドル2及び上部構造3で構成され、後者の表面に吊りフック4が一体形成されている。その上部構造3内には、前部から後部にかけ途切れなく延び且つ複数個の段差を呈するよう貫通孔5が縦貫形成されており、その内部には当該貫通孔5による案内を受け軸方向に運動するノズルニードル6が配置されている。前部では貫通孔5の一部が大容積受入空間7となっており、その空間7の内部に向かっては、図示しない塗料容器を装着するための傾斜付注入孔8が開口している。貫通孔5の先端にはノズル機構9が実装されており、その機構9には、ガン本体1の上部構造3にネジ止め可能な塗料吐出ノズル10が備わっている。そのノズル10の先端に備わるノズル孔11は、作動レバー12の操作で軸方向運動させうるニードル6の尖った先端部との協働で、塗料、被覆材等の可調節入口を形成している。レバー12は、圧縮バネ13の力に抗し後方に引きニードル6を移動させること、ひいてはノズル孔11を開いて塗料を吐出させることができるよう、そのニードル6に連結されている。レバー12が引かれたときにニードル6が辿る行程長やバネ13に対する予荷重は、ロックナット15に対応し貫通孔5の後端に配置されている調節ネジ14を用い、調節することができる。更に、レバー12を用いロッド16を操作することで、バルブ機構17を作動させノズル機構9への圧縮空気供給を制御することができる。
【0010】
そのバルブ機構17は、ロッド16に連結された閉止錐18、ガン本体1内部の孔19内にあるバルブ座20、並びにそのバルブ座20の方向に閉止錘18を押圧するバネ21を備えている。作動レバー12を後方に引き、バネ21の力に抗しロッド16によって閉止錘18をバルブ座20から離床させると、バルブ機構17より上流側にある下部22が下流側にある上部23に連通する結果、ノズル機構9に至る圧縮空気供給ダクトが開通する。圧縮空気供給ライン連結用のコネクタ24は、そのダクトの下部22に連通するようハンドル2の下側に設けられている。
【0011】
圧縮空気供給ダクトの上部23に達した圧縮空気は、空気誘導系25へと搬送された後、ノズル孔11と塗料吐出ノズル10の先端とで形成される環状間隙26へと搬送されていく。ノズル孔11の縁では、その圧縮空気によって真空が生じ、その真空により孔11内の塗料が引き出されて圧縮空気により連れ去られる、という流れで環状断面ジェットが発生する。いわゆる突起内通気孔27を有する突起28がノズル10周囲のエアキャップ29上にあるため、この環状断面ジェットの生成に使用された圧縮空気は、その通気口27を介しフラットジェットとして再吐出されていく。そのキャップ29は、ユニオンナット30でガン本体1の上部構造3に固定することができる。キャップ29の内側にある制御孔27aはジェットの整形に役立つ。
【0012】
ガン本体1内部の孔19内には圧縮空気供給調節器も設けられている。この調節器は可回動なスリーブ31を備えており、そのスリーブ31のうち、圧縮空気供給ダクトの下部22から孔19への入口に面する部位には、横孔32が設けられている。スリーブ31は後部の受入部材33に非可回動連結されており、その受入部材33は孔19の後端に可回動配置されている。従って、受入部材33を回動させるとスリーブ31が回動し、横孔32付近の空気流通量が調節されることとなる。
【0013】
この圧縮空気供給調節器は、更に、固定板40及びそれと一体形成されたハウジングスタブ42を備えている。そのスタブ42は中空円筒状であり、その内部には受入部材33が可回動収容されている。スタブ42は、そのスタブ42に備わる孔50(図4参照)に締結ネジ51(図2及び図3)参照を係合させることで、ガン本体1に締結されている。従って、スタブ42及びそれと一体な固定板40をガン本体1に対し回動させることはできない。圧力計測器35はその固定板40の表面に可脱固定されている。
【0014】
これら、圧縮空気供給調節器及びそれに固定されている圧力計測器35は、図4に示す側方外観及び図6に詳示する展開構成を有している。展開図たる図6には、圧縮空気供給調節器及びそれに固定された計測器35の構成が詳示されている。図4及び図6に示す通り、圧縮空気供給調節器は中空円筒状のスタブ42を備えており、その表面には固定板40が一体形成されている。固定板40及びスタブ42は金属で形成するのが望ましい。固定板40、スタブ42又はその双方を、プラスチック、金属とプラスチックの併用等、その他の好適な素材で形成することもできる。そのスタブ42の外周面には、約90°の角度範囲に亘り長孔45が形成されている。この角度範囲はおおよその範囲である。この範囲にしたのは、約60°の角度にすると回動量が過少になる一方、約180°の角度にすると回動量が過多になるからである。固定板40の中央には貫通孔43が設けられている。スタブ42には受入部材33の前部、即ち図6中の細径部分が可回動挿入されている。スリーブ31は、外形の正方形化乃至六角形化といった積極固締法を用いその受入部材33に非可回動連結され、締結ネジ52を用い受入部材33の表面に固定され、また封止要素例えば封止リング46によって封止されている。この封止要素をモールドで形成することや、他の何らかの手法で取り付けることも可能である。調節レバー37は、スタブ42の外周面に沿い押されて動く部材であり、そのスタブ42に対し可回動に配置されている。このレバー37は環状ベース37a上に2個のウィング37b及び37cを一体形成した構成であり、連結スタッド47を長孔45に通すことで受入部材33に連結されている。レバー37は、スタブ42に対し、長孔45によって予め画定されている角度範囲に亘り回動させることができる。レバー37を回動させると、スタッド47によりそのレバー37に連結されている受入部材33、ひいてはその受入部材33に非可回動連結されているスリーブ31が回動する。従って、レバー37を回動させることで、圧縮空気供給ダクトの下部22から上部23への圧縮空気供給を調節することができる。レバー37に備わるウィング37b及び37cの端部が固定板40の外縁上に張り出しているので、固定板40の外縁上にマーキングを設ければ、レバー37の位置読取が容易になる。
【0015】
圧力計測器35は、圧縮空気供給ダクトの上部23に供給される圧縮空気の圧力を検出すべく、圧縮空気供給調節器の表面に可脱固定される。計測器35の構成や、圧縮空気供給調節器に対する計測器35の固定形態も、展開図たる図6から読み取ることができる。計測器35は、ハウジング下部35a、圧力センサ38を有する圧力計測ユニット35b、並びにハウジングカバー35dを備えている。図示した実施形態では、この計測器35が、ディジタル指示器39付のディジタル圧力計として構成されている。こうしたディジタル圧力計に代え、指示針を有するタイプのアナログ圧力指示器を備えた圧力計を用いてもよい。図示したディジタル圧力計では、着脱可能なバッテリ35cが電源供給に使用されている。このバッテリ35cを交換できるよう、ハウジングカバー35dはハウジング下部35aから外せるように構成されている。
【0016】
図8及び図9に示す他の二種類の実施形態では、圧力計測器35のハウジング内にスライドトレイ100が組み込まれ、その内部にバッテリ35cが収容されるので、トレイ100を内外へ摺動させることで、ディジタル圧力計を分解することなく簡便に、バッテリ35cを交換することができる。このトレイ100は、円筒状に窪んだ盲孔101を有する概ね直方体状の構成とし、バッテリ35c例えばボタン電池の端面位置がトレイ100の表面102に揃うよう、その盲孔101の寸法をバッテリ35cのそれに整合させるのが望ましい。トレイ100は、計測器35のハウジングに設けられた開口103内に可摺動装着され、また図示しない封止要素を用いそのハウジングに対し気密封止されている。トレイ100をプラスチックで形成するのであれば、そのトレイ100の表面にモールドで封止リップを形成することで、そうした気密封止を実現することができる。これに代え、Oリング等でも気密封止を実現することができる。トレイ100は、図8に示した実施形態ではディジタル指示器39の直下、ハウジングカバー35dひいては計測器35の前部に配置されているのに対し、図9に示した実施形態ではハウジング下部35aの側部に配置されている。後者では、丸みのあるハウジング下部35aと同じくトレイ100の前部104にも丸みを付けてある。トレイ100の長さは、いずれの実施形態でも、バッテリ交換時にトレイ100を容易に引き出せるようにするため、トレイ100の前部104がハウジングカバー35d又はハウジング下部35aの表面から僅かに突出する長さに設定されている。これに代え、ハンドルとなるフック型又はボタン型の突起をトレイ100の前部104に設けてもよい。トレイ100を他の形態にすること、例えばフレーム状の形態にすることも考慮に値する。
【0017】
図示しないが、他の実施形態としては、スライドトレイ100の後部即ち前部104とは逆の側にバネを1個又は複数個配し、そのバネを用いトレイ100を圧力計測器35のハウジング上で支持する形態がある。トレイ100の位置を固定する手段、例えば係止要素は、トレイ100上かハウジングの開口103上、或いはその双方に設ける。こうした構成では、トレイ100の前部104に対する軽い手動加圧に応じトレイ100を自動開放させること、更にはそのトレイ100を自動閉止させることができる。
【0018】
ハウジング下部35aの背面には固定要素49が設けられている。これらの要素49は、固定板40側の相補的な固定要素41と噛み合い、圧力計測器35を圧縮空気供給調節器の表面に固定するよう構成されている。図示した実施形態においては、この要素49及び41が蟻継ぎジョイントの相補的構成要素となっている。計測器35を圧縮空気供給調節器の表面に固定する際には、ハウジング下部35aの背面上にある固定要素49を、図3に両矢印付線分で示す如く、相補的な固定要素41内に押し込んで蟻継ぎジョイントを発現させる。更に、この蟻継ぎジョイントが不意に外れないようにするため、図4、図5及び図7に示す如く、固定板40に形成された係止溝53と、ハウジング下部35aの背面上にありその溝53に対し相補的な係止タブ54とにより、付加的な係止ジョイントが形成されている。また、計測器35を固定板40上の正しい位置に固定可能とするため、図5に示す如くハウジング下部35aの背面上にある突起55が、固定板50に形成された相補的な形状の凹部56と噛み合うようにしている。計測器35が外されているときには、その凹部56を介し調節ネジ14を完全に緩めることで、固定板40を外すことなくノズルニードル6を外すことができる。更に、この凹部56を用い、指示器を簡略に位置決めすることができる。このように、本発明に係る解決策は、非常に実効的で扱いが単純なものである。
【0019】
なお、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器35を固定するのに、挟持式、螺入式、バヨネット式、係止式又は磁気式のジョイント等といった他手段を使用してもよい。
【0020】
図示しないが、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に対し圧力計測器35を非可回動且つ分離不能に固定する実施形態もある。これを実現するには、例えば、計測器35を圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に接着又は熔接すればよい。
【0021】
やはり図示しないが、固定板40とハウジング下部35aを一体に形成する実施形態もある。
【0022】
圧縮空気供給ダクトの上部23における圧縮空気の圧力を圧力計測器35に伝えられるよう、圧縮空気供給ダクトから計測器35に至る流路となるエアダクト(36,43)が圧縮空気供給調節器内に設けられている。このエアダクトは、固定板40内を通る貫通孔43や、受入部材33の長手方向に沿い受入部材33内を通り貫通孔43内に向かい開口する毛管36で構成されている。その受入部材33は、中空円筒状のスタブ42に対しOリング33aによって封止されている。他方、計測器35の背面には、図7に示す如く空気導入孔57が設けられている。計測器35が圧縮空気供給調節器の表面に固定されているときには、この導入孔57が貫通孔43及び毛管36を介し圧縮空気供給ダクト(22,23)と連通し、圧縮空気供給ダクト内の圧力が計測器35に伝達されることとなる。
【0023】
図7(a)及び(b)には、圧力計測器35・圧縮空気供給調節器間の圧力伝達性連通が詳示されている。図7(a)に示すように、圧縮空気供給調節器の背面上にはスタブ42及びそれと一体な固定板40、更には毛管36が貫通している受入部材33がある。図7(a)に示した状態では、圧縮空気供給調節器から計測器35が外されている。この状態では、固定板40側の貫通孔43がバルブ44によって閉止される。計測器35を外すとバルブ44で毛管36が塞がれるので、洗剤又は被覆材が毛管36に入ってしまうことがない。このバルブ44によって、圧縮空気の漏出や液体の進入も妨げられる。
【0024】
この実施形態では、図6に示す如く閉止球44a及びバネ44bを有するボールバルブによってこのバルブ44が実現されており、圧力計測器35が固定板40に固定されていないときには閉止球44aがバネ44bによって貫通孔43内に押し込まれる。このポジションでは、図7(a)に示すように、閉止球44aの一部が固定板40の表面から突出する。計測器35が固定板40に固定されているときには、その計測器35のハウジング下部35aの背面により押されるため、閉止球44aがバネ44bの力に逆らい毛管36の方向に戻っていく。すると、エアダクト(36,43)が自動的に開放される。そのエアダクト(36,43)を空気導入孔57に連通させるため、計測器35における導入孔57の位置は、径方向に沿い毛管36から僅かにずらされている。こうして径方向にずらされているので、計測器35に形成されている導入孔57が閉止球44aによって閉止されず、圧縮空気供給ダクトの上部23内で優勢な圧力が計測器35へと伝達されることになる。こうした効果は、コニカルバルブ、プレートバルブ等、他の種類のバルブでも実現することができる。計測器35内にはその導入孔57と連通する圧力検出室34がある。計測器35内には、その検出室34内で優勢な圧力を検出しディジタル又はアナログの指示器39に指示させる圧力センサ38、例えばピエゾ抵抗式の圧力センサも配置されている。その計測器35に設けられている空気導入孔57と、固定板40に設けられている貫通孔43とを空気漏れなく連通させるため、ハウジング下部35aの背面上には、導入孔57を囲むようにOリング状乃至一体プラスチック成形型のシール48が配置されている。このシール48は、固定要素41及び49で形成される蟻継ぎジョイントの許、ハウジング下部35aの背面と固定板40の前面との間で圧縮されることで、固定板40側の貫通孔43に対する空気導入孔57のつなぎ目部分から圧力が逃げることを防止している。
【0025】
図10及び図11に示す実施形態では、圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構17が、ガン本体1のうち、図示しない圧縮空気供給ラインが連結されるコネクタ24の付近に設けられている。例えば、圧縮空気ホースが連結される中空円筒状の連結片200の付近である。通例に倣い、このバルブ機構17は、バルブ本体201及び調節ノブ202を備えている。圧力計測器35は、図4〜図7に示したそれと同様、ディジタル示器39、ハウジング下部35a、圧力計測ユニット35b、図示しないバッテリ、並びにハウジングカバー35dを備えており、バルブ機構17の本体201上に可脱実装されている。これに対応し、バルブ本体201には、計測用開口となる孔が形成されている。固定板40は前掲の諸実施形態、例えば図4に示した構成と同じくその中央に貫通孔43があるスタブと一体であり、その貫通孔43がバルブ本体201の孔に連なるよう非可回動固定されている。この固定にはネジ止め、接着、熔接等を使用することができる。バルブの細部は図6に示したバルブ44、例えばボールバルブのそれと同一又は類似の構成であるので、先に述べた要領で圧力計測を実行することができる。固定板40上では、固定要素41及び49で形成される蟻継ぎジョイントに助けられ、ハウジング下部35aの背面と固定板40の前面との間で計測器35が圧縮される。
【0026】
本発明は、上述の諸実施形態に限定されるものではない。その他にも有益な実施形態がありうる。
【0027】
本発明の好適な諸実施形態に係るスプレイガンは、従来技術に係る既知の構成と大きく異なる点は、圧縮空気供給調節器の表面に圧力計測器35が可脱固定される点である。しかも、その圧縮空気供給調節器側の固定板40が、その表面に連なるスタブ42を用い、ガン本体に強固且つ非可回動に連結されている。そのため、圧縮空気供給調節器側の調節レバーを手動操作することで、ガン本体に対し計測器35を回動させることなく、圧縮空気供給ダクトに対する圧縮空気供給を調節することができる。これは、ガン本体に対し常に同じ位置関係を占めるよう、計測器35が圧縮空気供給調節器の表面に固定される、ということである。従って、圧縮空気供給調節器がどのような向きであっても、計測器35上の圧力指示器39による指示を容易に読み取ることができる。また、その計測器35は、固定要素41及び49を用い、容易に外せる形態にて圧縮空気供給調節器上に固定される。従って、道具に頼ることなく計測器35を手で迅速且つ簡便に外すことができるため、塗装作業を行っている場所から道具へのアクセスが難しくても煩わしくはならない。計測器35を簡便に外せるということは、それをガン本体から外し他のスプレイガンのガン本体に実装する作業が簡略になり、その計測器35を様々なスプレイガンで使用することができる、ということでもある。圧縮空気供給調節器から計測器35を簡便に外せるということは、更に、その計測器35例えばディジタル圧力計のバッテリを簡便に交換できる、ということでもある。
【0028】
また、清掃作業時にスプレイガンから容易に外せるため、圧力計測器が圧力計測器が汚濁することや損傷することがない。これは、特に、自動ガン清掃マシンを使用する際に有益なことである。
【0029】
例えばネジ付のベースプレートをスタブ42の一部に設ければ、市販の圧力計に代え上掲の長所を有する圧力計測器35を固定することができ、清掃、転用等に都合がよい。
【0030】
本発明の諸実施形態には、更に、圧力計測器35を外した状態でもスプレイガンを作動させうる、という長所がある。
【0031】
図12及び図13に、本発明の実施形態に係る圧力計測器35をスプレイガン以外で使用する方法を示す。この例では、その中央及び突起からの空気吐出をチェックするため、従来型の検査用エアキャップ300に2個の計測器35がはめ込まれている。それら2個の計測器35は、固定錘400を用い螺入等されることで、回動不能な形態にてキャップ300内に気密固定されている。バルブの細部は図6に示したバルブ44、例えばボールバルブのそれと同一又は類似の構成であるので、この例でも先に述べた要領で圧力計測を実行することができる。また、この例でも、各固定板40の中央に貫通孔43が設けられている。計測器35もまた、ディジタル指示器39、ハウジング下部35a、圧力計測ユニット35b、図示しないバッテリ、並びにハウジングカバー35dを備えており、固定要素41及び49で形成される蟻継ぎジョイントに助けられハウジング下部35aの背面と固定板40の前面との間が可脱固定されている。
【0032】
そして、本発明の実施形態に係る圧力計測器35をスプレイガン以外でも使用すること、例えば塗料キャビンエリアのフィルタユニット内で従来型圧力計に代え使用することや、自動車用又は自転車用のタイヤの圧力を計測する際に使用することができる。ボイラ設備等の他産業分野や非産業分野で、従来型圧力計測器の代替として使用することも考慮に値する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載されたスプレイガンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスプレイガンとしては特許文献1に記載のものがある。これは、ガン本体、ガン本体に設けられたノズル機構、ノズル機構への圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構を伴いガン本体の内部に設けられた圧縮空気供給ダクト、並びにその圧縮空気供給を調節する圧縮空気供給調節器を備えるスプレイガンであり、圧縮空気供給ダクト内の圧力を検出及び指示する圧力計測器がその圧縮空気供給調節器に一体化されている。圧力計測器が収まるハウジングはロータリノブとして構成されており、調節要素機能を有しているので、これを用いてノズル機構に供給される圧縮空気を調節することができる。
【0003】
この構成の短所は、圧縮空気供給を調節する際、圧力計測器と共に圧力指示器が回動し、その向きがロータリノブの向きに従い変化すること、場合によっては上下逆になることである。そうしたおかしな向きでは、圧力指示器による指示をユーザが容易に読み取ることができない。また、従来の構成では、その圧力計測器として、ディジタル指示器付のディジタル圧力計がよく使用されている。この構成では、スプレイガンから圧縮空気供給調節器を外し、更にその圧縮空気供給調節器から圧力計測器を外してからでないと、バッテリを交換することができないため、バッテリの随時交換が面倒な作業になっている。従来の構成には、更に、ロータリノブの誤回動ひいては圧縮空気供給の想定外変化が生じる恐れもある。加えて、スプレイガン清掃時に洗剤がディジタル圧力計にかかり、その圧力計に汚濁や損傷が生じることもありうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1294490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主たる目的は、こうした状況に鑑み上掲のスプレイガンを改良し、そのスプレイガンに備わる圧力計測器を可能な限り好適に且つ状況を問わず稼働させうるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明に係るスプレイガンは請求項1、3又は27記載の特徴を、本発明に係り空気作動式のスプレイガンに実装可能な圧縮空気供給調節器は請求項28記載の特徴を、また本発明に係る圧力計測器は請求項29記載の特徴を備える。請求項2乃至26に記載したのは、本発明に係るスプレイガンの好適な実施形態である。その他の請求項に記載したのは、本発明の好適な実施形態及び具体例である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るスプレイガン、特に請求項1記載のものによれば、清掃作業時の圧力計測器汚濁・損傷を避けることができ、またディジタル圧力計使用時の随時バッテリ交換をより簡略に実行することができる。本発明に係るスプレイガン、特に請求項27記載のものによれば、圧力計測器に備わる圧力指示器の向きが圧縮空気供給調節器の向きによらず固定されるため、それによる指示を常に容易に読み取ることができ、また圧縮空気供給調節器の不本意な調節を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るスプレイガン、そのスプレイガンに差し込まれた圧縮空気供給調節器、並びにその圧縮空気供給調節器に固定された圧力計測器の一部切欠側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスプレイガン、そのスプレイガンから外された圧縮空気供給調節器、並びにその圧縮空気供給調節器に固定された圧力計測器の斜視図である。
【図3】図2に示したスプレイガン、そのスプレイガンに差し込まれた圧縮空気供給調節器、並びにその圧縮空気供給調節器から外された圧力計測器の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にてスプレイガンに組み込まれる圧縮空気供給調節器、並びにそれに固定された圧力計測器の側面図である。
【図5】図4に示した圧縮空気供給調節器、並びにそこから外された圧力計測器の斜視図である。
【図6】図4に示した圧縮空気供給調節器、並びにそれに固定された圧力計測器の分解図である。
【図7】(a)は図4に示した圧縮空気供給調節器の詳細断面図、(b)はその圧縮空気供給調節器及びそれに固定された圧力計測器の詳細断面図である。
【図8】ディジタル圧力計測器の斜視図である。
【図9】別のディジタル圧力計測器の斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るスプレイガン、並びにそれに差し込まれた圧縮空気供給調節器の斜視図である。
【図11】図10に示したスプレイガン、並びにそこから外された圧縮空気供給調節器の斜視図である。
【図12】検査用エアキャップ、並びに本発明の一実施形態に係る圧力計測器の斜視図である。
【図13】図12に示した検査用エアキャップ、並びにそこから外された圧力計測器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、別紙図面を参照しつつ本発明の例示的な諸実施形態についてより詳細に説明する。まず、図1〜図3に示す実施形態では、スプレイガンの本体1がハンドル2及び上部構造3で構成され、後者の表面に吊りフック4が一体形成されている。その上部構造3内には、前部から後部にかけ途切れなく延び且つ複数個の段差を呈するよう貫通孔5が縦貫形成されており、その内部には当該貫通孔5による案内を受け軸方向に運動するノズルニードル6が配置されている。前部では貫通孔5の一部が大容積受入空間7となっており、その空間7の内部に向かっては、図示しない塗料容器を装着するための傾斜付注入孔8が開口している。貫通孔5の先端にはノズル機構9が実装されており、その機構9には、ガン本体1の上部構造3にネジ止め可能な塗料吐出ノズル10が備わっている。そのノズル10の先端に備わるノズル孔11は、作動レバー12の操作で軸方向運動させうるニードル6の尖った先端部との協働で、塗料、被覆材等の可調節入口を形成している。レバー12は、圧縮バネ13の力に抗し後方に引きニードル6を移動させること、ひいてはノズル孔11を開いて塗料を吐出させることができるよう、そのニードル6に連結されている。レバー12が引かれたときにニードル6が辿る行程長やバネ13に対する予荷重は、ロックナット15に対応し貫通孔5の後端に配置されている調節ネジ14を用い、調節することができる。更に、レバー12を用いロッド16を操作することで、バルブ機構17を作動させノズル機構9への圧縮空気供給を制御することができる。
【0010】
そのバルブ機構17は、ロッド16に連結された閉止錐18、ガン本体1内部の孔19内にあるバルブ座20、並びにそのバルブ座20の方向に閉止錘18を押圧するバネ21を備えている。作動レバー12を後方に引き、バネ21の力に抗しロッド16によって閉止錘18をバルブ座20から離床させると、バルブ機構17より上流側にある下部22が下流側にある上部23に連通する結果、ノズル機構9に至る圧縮空気供給ダクトが開通する。圧縮空気供給ライン連結用のコネクタ24は、そのダクトの下部22に連通するようハンドル2の下側に設けられている。
【0011】
圧縮空気供給ダクトの上部23に達した圧縮空気は、空気誘導系25へと搬送された後、ノズル孔11と塗料吐出ノズル10の先端とで形成される環状間隙26へと搬送されていく。ノズル孔11の縁では、その圧縮空気によって真空が生じ、その真空により孔11内の塗料が引き出されて圧縮空気により連れ去られる、という流れで環状断面ジェットが発生する。いわゆる突起内通気孔27を有する突起28がノズル10周囲のエアキャップ29上にあるため、この環状断面ジェットの生成に使用された圧縮空気は、その通気口27を介しフラットジェットとして再吐出されていく。そのキャップ29は、ユニオンナット30でガン本体1の上部構造3に固定することができる。キャップ29の内側にある制御孔27aはジェットの整形に役立つ。
【0012】
ガン本体1内部の孔19内には圧縮空気供給調節器も設けられている。この調節器は可回動なスリーブ31を備えており、そのスリーブ31のうち、圧縮空気供給ダクトの下部22から孔19への入口に面する部位には、横孔32が設けられている。スリーブ31は後部の受入部材33に非可回動連結されており、その受入部材33は孔19の後端に可回動配置されている。従って、受入部材33を回動させるとスリーブ31が回動し、横孔32付近の空気流通量が調節されることとなる。
【0013】
この圧縮空気供給調節器は、更に、固定板40及びそれと一体形成されたハウジングスタブ42を備えている。そのスタブ42は中空円筒状であり、その内部には受入部材33が可回動収容されている。スタブ42は、そのスタブ42に備わる孔50(図4参照)に締結ネジ51(図2及び図3)参照を係合させることで、ガン本体1に締結されている。従って、スタブ42及びそれと一体な固定板40をガン本体1に対し回動させることはできない。圧力計測器35はその固定板40の表面に可脱固定されている。
【0014】
これら、圧縮空気供給調節器及びそれに固定されている圧力計測器35は、図4に示す側方外観及び図6に詳示する展開構成を有している。展開図たる図6には、圧縮空気供給調節器及びそれに固定された計測器35の構成が詳示されている。図4及び図6に示す通り、圧縮空気供給調節器は中空円筒状のスタブ42を備えており、その表面には固定板40が一体形成されている。固定板40及びスタブ42は金属で形成するのが望ましい。固定板40、スタブ42又はその双方を、プラスチック、金属とプラスチックの併用等、その他の好適な素材で形成することもできる。そのスタブ42の外周面には、約90°の角度範囲に亘り長孔45が形成されている。この角度範囲はおおよその範囲である。この範囲にしたのは、約60°の角度にすると回動量が過少になる一方、約180°の角度にすると回動量が過多になるからである。固定板40の中央には貫通孔43が設けられている。スタブ42には受入部材33の前部、即ち図6中の細径部分が可回動挿入されている。スリーブ31は、外形の正方形化乃至六角形化といった積極固締法を用いその受入部材33に非可回動連結され、締結ネジ52を用い受入部材33の表面に固定され、また封止要素例えば封止リング46によって封止されている。この封止要素をモールドで形成することや、他の何らかの手法で取り付けることも可能である。調節レバー37は、スタブ42の外周面に沿い押されて動く部材であり、そのスタブ42に対し可回動に配置されている。このレバー37は環状ベース37a上に2個のウィング37b及び37cを一体形成した構成であり、連結スタッド47を長孔45に通すことで受入部材33に連結されている。レバー37は、スタブ42に対し、長孔45によって予め画定されている角度範囲に亘り回動させることができる。レバー37を回動させると、スタッド47によりそのレバー37に連結されている受入部材33、ひいてはその受入部材33に非可回動連結されているスリーブ31が回動する。従って、レバー37を回動させることで、圧縮空気供給ダクトの下部22から上部23への圧縮空気供給を調節することができる。レバー37に備わるウィング37b及び37cの端部が固定板40の外縁上に張り出しているので、固定板40の外縁上にマーキングを設ければ、レバー37の位置読取が容易になる。
【0015】
圧力計測器35は、圧縮空気供給ダクトの上部23に供給される圧縮空気の圧力を検出すべく、圧縮空気供給調節器の表面に可脱固定される。計測器35の構成や、圧縮空気供給調節器に対する計測器35の固定形態も、展開図たる図6から読み取ることができる。計測器35は、ハウジング下部35a、圧力センサ38を有する圧力計測ユニット35b、並びにハウジングカバー35dを備えている。図示した実施形態では、この計測器35が、ディジタル指示器39付のディジタル圧力計として構成されている。こうしたディジタル圧力計に代え、指示針を有するタイプのアナログ圧力指示器を備えた圧力計を用いてもよい。図示したディジタル圧力計では、着脱可能なバッテリ35cが電源供給に使用されている。このバッテリ35cを交換できるよう、ハウジングカバー35dはハウジング下部35aから外せるように構成されている。
【0016】
図8及び図9に示す他の二種類の実施形態では、圧力計測器35のハウジング内にスライドトレイ100が組み込まれ、その内部にバッテリ35cが収容されるので、トレイ100を内外へ摺動させることで、ディジタル圧力計を分解することなく簡便に、バッテリ35cを交換することができる。このトレイ100は、円筒状に窪んだ盲孔101を有する概ね直方体状の構成とし、バッテリ35c例えばボタン電池の端面位置がトレイ100の表面102に揃うよう、その盲孔101の寸法をバッテリ35cのそれに整合させるのが望ましい。トレイ100は、計測器35のハウジングに設けられた開口103内に可摺動装着され、また図示しない封止要素を用いそのハウジングに対し気密封止されている。トレイ100をプラスチックで形成するのであれば、そのトレイ100の表面にモールドで封止リップを形成することで、そうした気密封止を実現することができる。これに代え、Oリング等でも気密封止を実現することができる。トレイ100は、図8に示した実施形態ではディジタル指示器39の直下、ハウジングカバー35dひいては計測器35の前部に配置されているのに対し、図9に示した実施形態ではハウジング下部35aの側部に配置されている。後者では、丸みのあるハウジング下部35aと同じくトレイ100の前部104にも丸みを付けてある。トレイ100の長さは、いずれの実施形態でも、バッテリ交換時にトレイ100を容易に引き出せるようにするため、トレイ100の前部104がハウジングカバー35d又はハウジング下部35aの表面から僅かに突出する長さに設定されている。これに代え、ハンドルとなるフック型又はボタン型の突起をトレイ100の前部104に設けてもよい。トレイ100を他の形態にすること、例えばフレーム状の形態にすることも考慮に値する。
【0017】
図示しないが、他の実施形態としては、スライドトレイ100の後部即ち前部104とは逆の側にバネを1個又は複数個配し、そのバネを用いトレイ100を圧力計測器35のハウジング上で支持する形態がある。トレイ100の位置を固定する手段、例えば係止要素は、トレイ100上かハウジングの開口103上、或いはその双方に設ける。こうした構成では、トレイ100の前部104に対する軽い手動加圧に応じトレイ100を自動開放させること、更にはそのトレイ100を自動閉止させることができる。
【0018】
ハウジング下部35aの背面には固定要素49が設けられている。これらの要素49は、固定板40側の相補的な固定要素41と噛み合い、圧力計測器35を圧縮空気供給調節器の表面に固定するよう構成されている。図示した実施形態においては、この要素49及び41が蟻継ぎジョイントの相補的構成要素となっている。計測器35を圧縮空気供給調節器の表面に固定する際には、ハウジング下部35aの背面上にある固定要素49を、図3に両矢印付線分で示す如く、相補的な固定要素41内に押し込んで蟻継ぎジョイントを発現させる。更に、この蟻継ぎジョイントが不意に外れないようにするため、図4、図5及び図7に示す如く、固定板40に形成された係止溝53と、ハウジング下部35aの背面上にありその溝53に対し相補的な係止タブ54とにより、付加的な係止ジョイントが形成されている。また、計測器35を固定板40上の正しい位置に固定可能とするため、図5に示す如くハウジング下部35aの背面上にある突起55が、固定板50に形成された相補的な形状の凹部56と噛み合うようにしている。計測器35が外されているときには、その凹部56を介し調節ネジ14を完全に緩めることで、固定板40を外すことなくノズルニードル6を外すことができる。更に、この凹部56を用い、指示器を簡略に位置決めすることができる。このように、本発明に係る解決策は、非常に実効的で扱いが単純なものである。
【0019】
なお、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器35を固定するのに、挟持式、螺入式、バヨネット式、係止式又は磁気式のジョイント等といった他手段を使用してもよい。
【0020】
図示しないが、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に対し圧力計測器35を非可回動且つ分離不能に固定する実施形態もある。これを実現するには、例えば、計測器35を圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に接着又は熔接すればよい。
【0021】
やはり図示しないが、固定板40とハウジング下部35aを一体に形成する実施形態もある。
【0022】
圧縮空気供給ダクトの上部23における圧縮空気の圧力を圧力計測器35に伝えられるよう、圧縮空気供給ダクトから計測器35に至る流路となるエアダクト(36,43)が圧縮空気供給調節器内に設けられている。このエアダクトは、固定板40内を通る貫通孔43や、受入部材33の長手方向に沿い受入部材33内を通り貫通孔43内に向かい開口する毛管36で構成されている。その受入部材33は、中空円筒状のスタブ42に対しOリング33aによって封止されている。他方、計測器35の背面には、図7に示す如く空気導入孔57が設けられている。計測器35が圧縮空気供給調節器の表面に固定されているときには、この導入孔57が貫通孔43及び毛管36を介し圧縮空気供給ダクト(22,23)と連通し、圧縮空気供給ダクト内の圧力が計測器35に伝達されることとなる。
【0023】
図7(a)及び(b)には、圧力計測器35・圧縮空気供給調節器間の圧力伝達性連通が詳示されている。図7(a)に示すように、圧縮空気供給調節器の背面上にはスタブ42及びそれと一体な固定板40、更には毛管36が貫通している受入部材33がある。図7(a)に示した状態では、圧縮空気供給調節器から計測器35が外されている。この状態では、固定板40側の貫通孔43がバルブ44によって閉止される。計測器35を外すとバルブ44で毛管36が塞がれるので、洗剤又は被覆材が毛管36に入ってしまうことがない。このバルブ44によって、圧縮空気の漏出や液体の進入も妨げられる。
【0024】
この実施形態では、図6に示す如く閉止球44a及びバネ44bを有するボールバルブによってこのバルブ44が実現されており、圧力計測器35が固定板40に固定されていないときには閉止球44aがバネ44bによって貫通孔43内に押し込まれる。このポジションでは、図7(a)に示すように、閉止球44aの一部が固定板40の表面から突出する。計測器35が固定板40に固定されているときには、その計測器35のハウジング下部35aの背面により押されるため、閉止球44aがバネ44bの力に逆らい毛管36の方向に戻っていく。すると、エアダクト(36,43)が自動的に開放される。そのエアダクト(36,43)を空気導入孔57に連通させるため、計測器35における導入孔57の位置は、径方向に沿い毛管36から僅かにずらされている。こうして径方向にずらされているので、計測器35に形成されている導入孔57が閉止球44aによって閉止されず、圧縮空気供給ダクトの上部23内で優勢な圧力が計測器35へと伝達されることになる。こうした効果は、コニカルバルブ、プレートバルブ等、他の種類のバルブでも実現することができる。計測器35内にはその導入孔57と連通する圧力検出室34がある。計測器35内には、その検出室34内で優勢な圧力を検出しディジタル又はアナログの指示器39に指示させる圧力センサ38、例えばピエゾ抵抗式の圧力センサも配置されている。その計測器35に設けられている空気導入孔57と、固定板40に設けられている貫通孔43とを空気漏れなく連通させるため、ハウジング下部35aの背面上には、導入孔57を囲むようにOリング状乃至一体プラスチック成形型のシール48が配置されている。このシール48は、固定要素41及び49で形成される蟻継ぎジョイントの許、ハウジング下部35aの背面と固定板40の前面との間で圧縮されることで、固定板40側の貫通孔43に対する空気導入孔57のつなぎ目部分から圧力が逃げることを防止している。
【0025】
図10及び図11に示す実施形態では、圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構17が、ガン本体1のうち、図示しない圧縮空気供給ラインが連結されるコネクタ24の付近に設けられている。例えば、圧縮空気ホースが連結される中空円筒状の連結片200の付近である。通例に倣い、このバルブ機構17は、バルブ本体201及び調節ノブ202を備えている。圧力計測器35は、図4〜図7に示したそれと同様、ディジタル示器39、ハウジング下部35a、圧力計測ユニット35b、図示しないバッテリ、並びにハウジングカバー35dを備えており、バルブ機構17の本体201上に可脱実装されている。これに対応し、バルブ本体201には、計測用開口となる孔が形成されている。固定板40は前掲の諸実施形態、例えば図4に示した構成と同じくその中央に貫通孔43があるスタブと一体であり、その貫通孔43がバルブ本体201の孔に連なるよう非可回動固定されている。この固定にはネジ止め、接着、熔接等を使用することができる。バルブの細部は図6に示したバルブ44、例えばボールバルブのそれと同一又は類似の構成であるので、先に述べた要領で圧力計測を実行することができる。固定板40上では、固定要素41及び49で形成される蟻継ぎジョイントに助けられ、ハウジング下部35aの背面と固定板40の前面との間で計測器35が圧縮される。
【0026】
本発明は、上述の諸実施形態に限定されるものではない。その他にも有益な実施形態がありうる。
【0027】
本発明の好適な諸実施形態に係るスプレイガンは、従来技術に係る既知の構成と大きく異なる点は、圧縮空気供給調節器の表面に圧力計測器35が可脱固定される点である。しかも、その圧縮空気供給調節器側の固定板40が、その表面に連なるスタブ42を用い、ガン本体に強固且つ非可回動に連結されている。そのため、圧縮空気供給調節器側の調節レバーを手動操作することで、ガン本体に対し計測器35を回動させることなく、圧縮空気供給ダクトに対する圧縮空気供給を調節することができる。これは、ガン本体に対し常に同じ位置関係を占めるよう、計測器35が圧縮空気供給調節器の表面に固定される、ということである。従って、圧縮空気供給調節器がどのような向きであっても、計測器35上の圧力指示器39による指示を容易に読み取ることができる。また、その計測器35は、固定要素41及び49を用い、容易に外せる形態にて圧縮空気供給調節器上に固定される。従って、道具に頼ることなく計測器35を手で迅速且つ簡便に外すことができるため、塗装作業を行っている場所から道具へのアクセスが難しくても煩わしくはならない。計測器35を簡便に外せるということは、それをガン本体から外し他のスプレイガンのガン本体に実装する作業が簡略になり、その計測器35を様々なスプレイガンで使用することができる、ということでもある。圧縮空気供給調節器から計測器35を簡便に外せるということは、更に、その計測器35例えばディジタル圧力計のバッテリを簡便に交換できる、ということでもある。
【0028】
また、清掃作業時にスプレイガンから容易に外せるため、圧力計測器が圧力計測器が汚濁することや損傷することがない。これは、特に、自動ガン清掃マシンを使用する際に有益なことである。
【0029】
例えばネジ付のベースプレートをスタブ42の一部に設ければ、市販の圧力計に代え上掲の長所を有する圧力計測器35を固定することができ、清掃、転用等に都合がよい。
【0030】
本発明の諸実施形態には、更に、圧力計測器35を外した状態でもスプレイガンを作動させうる、という長所がある。
【0031】
図12及び図13に、本発明の実施形態に係る圧力計測器35をスプレイガン以外で使用する方法を示す。この例では、その中央及び突起からの空気吐出をチェックするため、従来型の検査用エアキャップ300に2個の計測器35がはめ込まれている。それら2個の計測器35は、固定錘400を用い螺入等されることで、回動不能な形態にてキャップ300内に気密固定されている。バルブの細部は図6に示したバルブ44、例えばボールバルブのそれと同一又は類似の構成であるので、この例でも先に述べた要領で圧力計測を実行することができる。また、この例でも、各固定板40の中央に貫通孔43が設けられている。計測器35もまた、ディジタル指示器39、ハウジング下部35a、圧力計測ユニット35b、図示しないバッテリ、並びにハウジングカバー35dを備えており、固定要素41及び49で形成される蟻継ぎジョイントに助けられハウジング下部35aの背面と固定板40の前面との間が可脱固定されている。
【0032】
そして、本発明の実施形態に係る圧力計測器35をスプレイガン以外でも使用すること、例えば塗料キャビンエリアのフィルタユニット内で従来型圧力計に代え使用することや、自動車用又は自転車用のタイヤの圧力を計測する際に使用することができる。ボイラ設備等の他産業分野や非産業分野で、従来型圧力計測器の代替として使用することも考慮に値する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガン本体(1)と、
ガン本体(1)に設けられたノズル機構(9)と、
ノズル機構(9)への圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構(17)を伴いガン本体(1)の内部に設けられた圧縮空気供給ダクト(22)と、
その圧縮空気供給を調節する圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)と、
圧縮空気供給ダクト(22)内の圧力を検出及び指示する圧力計測器(35)と、
を備えるスプレイガンであって、
その圧力計測器(35)が、着脱できるよう圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に可脱固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項2】
請求項1記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)を圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定するための差込式、挟持式、螺入式、バヨネット式、係止式又は磁気式ジョイントを備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスプレイガンであって、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定された圧力計測器(35)を備えるスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が、ディジタル又はアナログの圧力指示器(39)を有する電子式又は機械式の圧力計であるスプレイガン。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)が、圧力計測器(35)を固定するための固定部材たる固定板(40)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項5】
請求項4記載のスプレイガンであって、その固定板(40)が固定要素(41,53,56)を、また圧力計測器(35)がそれに対し相補的な固定要素(49,54,55)を有し、両固定要素間の相互作用で圧力計測器(35)が圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)が、調節要素(33,37)で調節可能な部材として、圧縮空気供給ダクト(22,23)の通流断面積を調節するための横孔(32)を伴うスリーブ(31)であることを特徴とするスプレイガン。
【請求項7】
請求項6記載のスプレイガンであって、その調節要素(33,37)が、手動操作型の調節レバー(37)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項8】
請求項7記載のスプレイガンであって、その調節レバー(37)が固定板(40)に対し可回動なことを特徴とするスプレイガン。
【請求項9】
請求項6乃至8のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その調節要素(33,37)が、スリーブ(31)に非可回動連結された受入部材(33)と、その受入部材(33)に非可回動連結された調節レバー(37)と、を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項10】
請求項4乃至9のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、固定板(40)上に位置する中空部材たる中空円筒状のスタブ(42)を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項11】
請求項10記載のスプレイガンであって、その端のうちスリーブ(31)から遠い方の端が固定板(40)に対向する中空円筒状のスタブ(42)に嵌められた受入部材(33)を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項12】
請求項9乃至11のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、受入部材(33)内を通り圧縮空気供給ダクト(22,23)に連通する毛管(36)と、固定板(40)内を通り毛管(36)に連通する貫通孔(43)と、を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)内にありその一端にて圧縮空気供給ダクト(22,23)に連通するエアダクト(36,43)と、そのエアダクト(36,43)の他端にあり圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)を固定すると開放するエアダクト閉止用のバルブ(44)と、を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項14】
請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)内にありその一端にて圧縮空気供給ダクト(22,23)に連通するエアダクト(36,43)と、そのエアダクト(36,43)の他端にあり圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)から圧力計測器(35)を外すと自動閉止するエアダクト閉止用のバルブ(44)と、を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項15】
請求項13又は14記載のスプレイガンであって、そのバルブ(44)がボールバルブであり、そのボールバルブが収まる貫通孔(43)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項16】
請求項13又は14記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が空気導入孔(57)を有し、その空気導入孔(57)が、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)が固定されているとき圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)内のエアダクト(36,43)に連通することを特徴とするスプレイガン。
【請求項17】
請求項16記載のスプレイガンであって、空気導入孔(57)の周囲に配されたシール(48)を備え、そのシール(48)が、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)が固定されているとき空気導入孔(57)・エアダクト(36,43)間連通を対外閉止することを特徴とするスプレイガン。
【請求項18】
請求項4乃至17のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)を外すとガン本体(1)の内部からノズルニードル(6)を引き出せる状態になるよう固定板(40)に設けられた固定板(40)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が、ハウジング(35a,35d)と、そのハウジング(35a,35d)上に設けられた固定要素(49,54,55)と、を有し、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)が、それに対し相補的な固定要素(41,53,56)を有し、固定要素(49,54,55)・固定要素(41,53,56)間の相互作用で圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)が固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項20】
請求項19記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)側の固定要素(49,54,55)が、ハウジング(35a,35d)上に可換固定された挟持、差込乃至係止要素(54)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項21】
請求項19記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)のハウジング(35a,35d)にその固定要素(49,54,55)が一体形成されたことを特徴とするスプレイガン。
【請求項22】
請求項1乃至21のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が、バッテリ(35c)が収まる引き出し式のスライドトレイ(100)が実装されたハウジング(35a,35d)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項23】
請求項22記載のスプレイガンであって、そのスライドトレイ(100)が、バッテリ(35c)が収まる盲孔(101)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項24】
請求項22記載のスプレイガンであって、スライドトレイ(100)をハウジング(35a,35d)上で弾性的に支持する手段と、そのスライドトレイ(100)の位置を固定する手段と、を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項25】
請求項1乃至24のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)がハウジング(35a,35d)を有し、そのハウジング(35a,35d)が、ハウジング下部(35a)と、そのハウジング下部(35a)に対し着脱可能なハウジングカバー(35d)と、を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項26】
請求項23記載のスプレイガンであって、そのハウジング(35a,35d)の表面又は内部に可脱搭載又は挿入された圧力計測ユニット(35b)を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項27】
ガン本体(1)と、
ガン本体(1)に設けられたノズル機構(9)と、
ノズル機構(9)への圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構(17)を伴いガン本体(1)の内部に設けられた圧縮空気供給ダクト(22)と、
その圧縮空気供給を調節する圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)と、
圧縮空気供給ダクト(22)内の圧力を検出及び指示する圧力計測器(35)と、
を備えるスプレイガンであって、
その圧力計測器(35)が、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に対し非可回動固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項28】
空気作動式のスプレイガンに実装可能な圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)であって、
スプレイガンへの実装に当たりそのスプレイガンの本体に非可回動連結されるハウジングスタブ(42)と、
スプレイガンに備わる圧縮空気供給ダクト(22,23)の通流断面積を調節するための横孔(42)が設けられており、調節レバー(37)による調整及びハウジングスタブ(42)に対する回動が可能なスリーブ(31)と、
可脱型の圧力計測器(35)を受け止める固定要素(41,53,56)を有しハウジングスタブ(42)上に存する固定板(40)と、
を備える圧縮空気供給調節器。
【請求項29】
請求項1又は27にて言及された圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定される圧力計測器(35)であって、その上に固定要素(49,54,55)が設けられたハウジング(35a,35d)を備え、その固定要素(49,54,55)と固定板(40)側の固定要素(41,43,56)との相互作用で、固定板(40)上に固定されることを特徴とする圧力計測器。
【請求項30】
請求項29記載の圧力計測器(35)であって、複数枚併置された固定板(40)それぞれに1個ずつ固定されることを特徴とする圧力計測器。
【請求項31】
請求項30記載の圧力計測器(35)を検査用エアキャップ(300)内で使用する方法。
【請求項32】
請求項1乃至31のうちいずれか一項に記載され又はそこで言及された圧力計測器(35)をスプレイガンから外して使用する方法。
【請求項1】
ガン本体(1)と、
ガン本体(1)に設けられたノズル機構(9)と、
ノズル機構(9)への圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構(17)を伴いガン本体(1)の内部に設けられた圧縮空気供給ダクト(22)と、
その圧縮空気供給を調節する圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)と、
圧縮空気供給ダクト(22)内の圧力を検出及び指示する圧力計測器(35)と、
を備えるスプレイガンであって、
その圧力計測器(35)が、着脱できるよう圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に可脱固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項2】
請求項1記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)を圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定するための差込式、挟持式、螺入式、バヨネット式、係止式又は磁気式ジョイントを備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスプレイガンであって、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定された圧力計測器(35)を備えるスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が、ディジタル又はアナログの圧力指示器(39)を有する電子式又は機械式の圧力計であるスプレイガン。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)が、圧力計測器(35)を固定するための固定部材たる固定板(40)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項5】
請求項4記載のスプレイガンであって、その固定板(40)が固定要素(41,53,56)を、また圧力計測器(35)がそれに対し相補的な固定要素(49,54,55)を有し、両固定要素間の相互作用で圧力計測器(35)が圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)が、調節要素(33,37)で調節可能な部材として、圧縮空気供給ダクト(22,23)の通流断面積を調節するための横孔(32)を伴うスリーブ(31)であることを特徴とするスプレイガン。
【請求項7】
請求項6記載のスプレイガンであって、その調節要素(33,37)が、手動操作型の調節レバー(37)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項8】
請求項7記載のスプレイガンであって、その調節レバー(37)が固定板(40)に対し可回動なことを特徴とするスプレイガン。
【請求項9】
請求項6乃至8のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その調節要素(33,37)が、スリーブ(31)に非可回動連結された受入部材(33)と、その受入部材(33)に非可回動連結された調節レバー(37)と、を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項10】
請求項4乃至9のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、固定板(40)上に位置する中空部材たる中空円筒状のスタブ(42)を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項11】
請求項10記載のスプレイガンであって、その端のうちスリーブ(31)から遠い方の端が固定板(40)に対向する中空円筒状のスタブ(42)に嵌められた受入部材(33)を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項12】
請求項9乃至11のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、受入部材(33)内を通り圧縮空気供給ダクト(22,23)に連通する毛管(36)と、固定板(40)内を通り毛管(36)に連通する貫通孔(43)と、を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)内にありその一端にて圧縮空気供給ダクト(22,23)に連通するエアダクト(36,43)と、そのエアダクト(36,43)の他端にあり圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)を固定すると開放するエアダクト閉止用のバルブ(44)と、を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項14】
請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)内にありその一端にて圧縮空気供給ダクト(22,23)に連通するエアダクト(36,43)と、そのエアダクト(36,43)の他端にあり圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)から圧力計測器(35)を外すと自動閉止するエアダクト閉止用のバルブ(44)と、を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項15】
請求項13又は14記載のスプレイガンであって、そのバルブ(44)がボールバルブであり、そのボールバルブが収まる貫通孔(43)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項16】
請求項13又は14記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が空気導入孔(57)を有し、その空気導入孔(57)が、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)が固定されているとき圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)内のエアダクト(36,43)に連通することを特徴とするスプレイガン。
【請求項17】
請求項16記載のスプレイガンであって、空気導入孔(57)の周囲に配されたシール(48)を備え、そのシール(48)が、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)が固定されているとき空気導入孔(57)・エアダクト(36,43)間連通を対外閉止することを特徴とするスプレイガン。
【請求項18】
請求項4乃至17のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)を外すとガン本体(1)の内部からノズルニードル(6)を引き出せる状態になるよう固定板(40)に設けられた固定板(40)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が、ハウジング(35a,35d)と、そのハウジング(35a,35d)上に設けられた固定要素(49,54,55)と、を有し、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)が、それに対し相補的な固定要素(41,53,56)を有し、固定要素(49,54,55)・固定要素(41,53,56)間の相互作用で圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に圧力計測器(35)が固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項20】
請求項19記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)側の固定要素(49,54,55)が、ハウジング(35a,35d)上に可換固定された挟持、差込乃至係止要素(54)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項21】
請求項19記載のスプレイガンであって、圧力計測器(35)のハウジング(35a,35d)にその固定要素(49,54,55)が一体形成されたことを特徴とするスプレイガン。
【請求項22】
請求項1乃至21のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)が、バッテリ(35c)が収まる引き出し式のスライドトレイ(100)が実装されたハウジング(35a,35d)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項23】
請求項22記載のスプレイガンであって、そのスライドトレイ(100)が、バッテリ(35c)が収まる盲孔(101)を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項24】
請求項22記載のスプレイガンであって、スライドトレイ(100)をハウジング(35a,35d)上で弾性的に支持する手段と、そのスライドトレイ(100)の位置を固定する手段と、を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項25】
請求項1乃至24のうちいずれか一項に記載のスプレイガンであって、その圧力計測器(35)がハウジング(35a,35d)を有し、そのハウジング(35a,35d)が、ハウジング下部(35a)と、そのハウジング下部(35a)に対し着脱可能なハウジングカバー(35d)と、を有することを特徴とするスプレイガン。
【請求項26】
請求項23記載のスプレイガンであって、そのハウジング(35a,35d)の表面又は内部に可脱搭載又は挿入された圧力計測ユニット(35b)を備えることを特徴とするスプレイガン。
【請求項27】
ガン本体(1)と、
ガン本体(1)に設けられたノズル機構(9)と、
ノズル機構(9)への圧縮空気供給を制御するためのバルブ機構(17)を伴いガン本体(1)の内部に設けられた圧縮空気供給ダクト(22)と、
その圧縮空気供給を調節する圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)と、
圧縮空気供給ダクト(22)内の圧力を検出及び指示する圧力計測器(35)と、
を備えるスプレイガンであって、
その圧力計測器(35)が、圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に対し非可回動固定されることを特徴とするスプレイガン。
【請求項28】
空気作動式のスプレイガンに実装可能な圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)であって、
スプレイガンへの実装に当たりそのスプレイガンの本体に非可回動連結されるハウジングスタブ(42)と、
スプレイガンに備わる圧縮空気供給ダクト(22,23)の通流断面積を調節するための横孔(42)が設けられており、調節レバー(37)による調整及びハウジングスタブ(42)に対する回動が可能なスリーブ(31)と、
可脱型の圧力計測器(35)を受け止める固定要素(41,53,56)を有しハウジングスタブ(42)上に存する固定板(40)と、
を備える圧縮空気供給調節器。
【請求項29】
請求項1又は27にて言及された圧縮空気供給調節器(31,33,37,42,40)に固定される圧力計測器(35)であって、その上に固定要素(49,54,55)が設けられたハウジング(35a,35d)を備え、その固定要素(49,54,55)と固定板(40)側の固定要素(41,43,56)との相互作用で、固定板(40)上に固定されることを特徴とする圧力計測器。
【請求項30】
請求項29記載の圧力計測器(35)であって、複数枚併置された固定板(40)それぞれに1個ずつ固定されることを特徴とする圧力計測器。
【請求項31】
請求項30記載の圧力計測器(35)を検査用エアキャップ(300)内で使用する方法。
【請求項32】
請求項1乃至31のうちいずれか一項に記載され又はそこで言及された圧力計測器(35)をスプレイガンから外して使用する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−525957(P2012−525957A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508926(P2012−508926)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002392
【国際公開番号】WO2010/127766
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(303033406)サタ ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002392
【国際公開番号】WO2010/127766
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(303033406)サタ ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー (8)
【Fターム(参考)】
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