説明

圧力調整弁の弁体および圧力調整弁

【課題】弁体本体と弁ホルダとの間に異物が咬み込んでも、弁体本体と弁ホルダとの間を確実にシールすることができる圧力調整弁の弁体および圧力調整弁を提供する。
【解決手段】弾性材で構成され、弁座に対し離接して連通流路15を開閉するリング状の弁体本体82と、弁体本体82が着座する着座部142および着座した弁体本体82を抜止め状態とする弁座側の抜止め部143を有し、弁体本体82が抜止め状態で装着される弁ホルダ83と、を備え、抜止め部143および着座部142のうち少なくとも着座部142における弁体本体82との対面部分は、弁体本体82と相補的形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1次室と2次室とを連通する連通流路を大気圧基準で開閉して、液体を一定圧で減圧供給する圧力調整弁の弁体および圧力調整弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧力調整弁として、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに特殊な機能液を減圧供給するものが知られている(特許文献1参照)。この圧力調整弁は、機能液タンクに連通する1次室と、1の壁面が受圧板を有するフィルム状のダイヤフラムで構成され、機能液滴吐出ヘッドに連通する2次室と、1次室および2次室を連通する連通流路と、連通流路を開閉する弁体と、を有している。この弁体は、円板状の弁受部および弁受部の中心から一方向に延びる軸部とからなる弁体本体(弁ホルダ)と、弁受部の軸部側に添設され、耐薬品性の部材で平形環状に形成されたバルブシール(弁体本体)と、から構成されている。
機能液滴吐出ヘッドの吐出駆動に伴って、機能液が2次室から機能液滴が供給されると、2次室が減圧して、ダイヤフラムが凹型に変形する。この変形により、受圧板が弁体本体(軸部)を押し、バルブシールが弁座となる連通流路の縁部から離れることで、弁体が開弁する。これにより、1次室の機能液が2次室に流入する。一方、2次室への機能液の流入が進むと2次室が加圧され、ダイヤフラムが凸型に変形する。この変形により、受圧板が弁体本体から離れ、同時に弁体本体がばねにより前進して連結流路を閉弁する。この動作により、機能液が2次室側から一定圧に供給される。
【特許文献1】特開2006−142215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、平形環状に形成された従来技術のバルブシールは、特注品となりコストが嵩むため、市販の耐薬品性のОリングや角リング等のシール部材を用いることが好ましい。一方、この種のシール部材は、部材間に挟持され弾性変形することで機能する。しかし、大気圧基準で開閉されるバルブシールとしてこの種のシール部材を用いると、閉弁時であっても加わる圧力が小さく大きく変形することがない。このため、弁ホルダの装着溝が一般的な「コ」字状に形成されていると、シール部材は、閉弁時であっても弁ホルダに対し線接触状態を維持する。この場合、弁ホルダに装着したシール部材に異物が付着し、この異物が線接触部分に咬み込むと、シール部材と弁ホルダとの間でシール切れが発生し、弁体の機能が損なわれることが想定される。
【0004】
本発明は、弁体本体と弁ホルダとの間に異物が咬み込んでも、弁体本体と弁ホルダとの間を確実にシールすることができる圧力調整弁の弁体および圧力調整弁を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の圧力調整弁の弁体は、1次室と2次室とを連通する連通流路を大気圧基準で開閉して、1次室に導入した液体を2次室から一定圧で減圧供給する圧力調整弁の弁体であって、弾性材で構成され、弁座に対し離接して連通流路を開閉するリング状の弁体本体と、弁体本体が着座する着座部および着座した弁体本体を抜止め状態とする弁座側の抜止め部を有し、弁体本体が抜止め状態で装着される弁ホルダと、を備え、抜止め部および着座部のうち少なくとも着座部における弁体本体との対面部分は、弁体本体と相補的形状に形成されていることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、弁ホルダの着座部における弁体本体との対面部分が、弁体本体と相補的な形状に形成されているため、弁体本体と弁ホルダとは、広い接触面積で面接触することになる。このため、この面接触部分に異物が咬み込んでも、異物が包み込まれ、弁体本体と弁ホルダとの間が確実にシールされる。すなわち、弁体本体と弁ホルダの着座部を面接触させておくことができるため、この部分に異物が咬み込んでも、弁体本体と弁ホルダとの間を確実にシールすることができる。
【0007】
この場合、着座部は、弁体本体を挟むように弁座と対峙する受け座部と、受け座部と抜止め部とを連結する連結座部とから成り、受け座部における弁体本体との対面部分は、窪入形成されていることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、弁体本体と着座部との接触面積をさらに拡大することができるため、弁体本体と弁ホルダとの間をより一層確実にシールすることができる。
【0009】
この場合、弁体本体は、断面円形のリング状に形成されていることが、好ましい。
【0010】
また、この場合、弁体本体は、断面略矩形のリング状に形成されていることが、好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、弁体本体を一般的な形状とすることにより、弁体本体のコストダウンを図ることができる。また、弁ホルダが単純な形状となるため、この点でもコストダウンを図ることができる。
【0012】
本発明の圧力調整弁は、上記に記載の圧力調整弁の弁体を備えた圧力調整弁であって、1次室は、機能液を貯留した機能液タンクに連通し、2次室は、機能液滴を吐出するインクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに連通していることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、弁体本体と弁ホルダとの間を確実にシールすることができるため、機能液を機能液滴吐出ヘッドに安定して減圧供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付した図面を参照して、第1実施形態に係る圧力調整弁およびこれに組み込んだ弁体について説明する。この圧力調整弁は、カラーフィルタなどを製造する液滴吐出装置の機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給するチューブに介設されており、機能液滴吐出ヘッドに機能液を大気圧基準(一定圧)で減圧供給するものである。
【0015】
図1に示すように、圧力調整弁1は、主要部を成す調整弁本体2と、調整弁本体2の流入側に差込み接合した流入コネクタ3と、調整弁本体2の流出側に差込み接合した流出コネクタ4と、を備えている。そして、流入コネクタ3には、押えナット107を介して、図外の機能液タンクに連なるチューブ5が接続され、同様に流出コネクタ4には、押えナット107を介して、図外の機能液滴吐出ヘッドに連なるチューブ5が接続される。
【0016】
図2および図3に示すように、調整弁本体2は、略円板状で、かつ前面および後面の中央部が凹型形成されたバルブケーシング11と、バルブケーシング11と共に1次室12を画成する蓋体14と、バルブケーシング11に受圧膜体61を固定することでバルブケーシング11と共に2次室13を画成する膜体押え部材71と、で構成されており、バルブケーシング11、蓋体14および膜体押え部材71は、ステンレス等の耐食性材料で形成されている。また、バルブケーシング11の中心部には、1次室12および2次室13を連通する連通流路15が形成されている。
【0017】
膜体押え部材71および蓋体14は、バルブケーシング11に対し、前後方向から挟み込むようにねじ止めして組み込まれており(図示省略)、いずれも円形の受圧膜体61の中心を通る軸線と同心円となる円形の外形を有している。バルブケーシング11および膜体押え部材71は、受圧膜体61の周縁部およびシールリング53を挟込み込んで相互に液密に突合せ接合されている。同様に、蓋体14は、シールリング18を介してバルブケーシング11に対し相互に液密に突合せ接合されている。これにより、1次室12および2次室13は、液密に保持されている。
【0018】
1次室12は、バルブケーシング11の後面と、バルブケーシング11の開放端を閉蓋する蓋体14とにより、受圧膜体61と同心となる略円柱形状に形成されている。また、1次室12の上部には、1次室12から径方向斜めに延びる流入ポート16が形成され、中心部には、連通流路15に連なる1次室側開口部17が開口している。そして、この1次室側開口部17には、1次室12側から連通流路15を開閉する弁体81が臨む一方、これに対応して、1次室側開口部17の周縁部により、弁体81が離接する弁座が構成されている。また、弁体81は、これと蓋体14との間に介設した弁体付勢ばね19によって、閉弁方向(2次室13側)に弱い力で付勢されている。
【0019】
流入ポート16は、流入コネクタ3が差込み接合される接合受け部21と、接合受け部21に連なり、フィルタ24を収容するフィルタ収容部22と、フィルタ収容部22と1次室12とを連通する流入流路部23と、から構成されている。接合受け部21には、流入コネクタ3の接続口部104が差し込み接合される。フィルタ収容部22には、フィルタ24が、流入コネクタ3との間に介設した押えばね25に付勢された状態で収容されている。また、流入流路部23は、流入ポート16に対し1次室12側に偏って形成されている。
【0020】
フィルタ24は、円形ステンレス製のフィルタエレメント31と、フィルタエレメント31をセットする受けホルダ32と、フィルタエレメント31を押える押えホルダ33とで構成され、フィルタ収容部22の当接段部26に着座するように設けられている。そして、上記の押えばね25およびフィルタ24は、流入コネクタ3を引抜くことで、取り出し得るようになっている。
【0021】
2次室13は、バルブケーシング11の前面と、バルブケーシング11の開放端を閉蓋する受圧膜体61と、で円錐台形状に形成されており、受圧膜体61は、膜体押え部材71によりバルブケーシング11に取り付けられている。具体的には、2次室13は、バルブケーシング11に凹型形成した内面壁41と受圧膜体61とによって、全体として受圧膜体61を底面とする円錐台形状に形成されている。また、2次室13の下部には、2次室13から真下に延びる流出ポート42が形成され、中心部には、連通流路15に連なる2次室側開口部43が開口している。そして、この2次室側開口部43の周縁部と後述する受圧膜体61との間には、受圧膜体61を前方向に向かって付勢する膜体付勢ばね44が介設されている。
【0022】
図3に示すように、バルブケーシング11の前面周縁部であるリング状端面51には、断面矩形の環状溝52が形成され、環状溝52には、リング状端面51と受圧膜体61との間をシールする上記のシールリング53が装着されている。また、リング状端面51における環状溝52の外側には、膜体押え部材71を取り付けるための複数の取付けネジ73が螺合するねじ孔54が複数(6個)形成されている。
【0023】
受圧膜体61は、樹脂フィルムで構成した膜体本体62と、膜体本体62の中央部に接着した樹脂製の受圧板63とで構成されている。膜体本体62(受圧膜体61)の周縁部には、バルブケーシング11のねじ孔54に対応する部位に複数(6個)の切抜き孔64が形成されている。受圧板63は、膜体本体62と同心の円板状に、且つ膜体本体62に対し十分に小さい径に形成されており、その中央に上記の弁体81が離接するようになっている(図2参照)。
【0024】
膜体押え部材71は、バルブケーシング11のリング状端面51と同じ大きさのドーナツ状に形成されており、その周縁部には、ねじ孔54および切抜き孔64に対応する部位に複数(6個)のバカ孔72が形成されている。これにより、環状溝52にシールリング53を装着したバルブケーシング11のリング状端面51に受圧膜体61をセットし、これに膜体押え部材71を複数本の取付けネジ73でねじ止めすることで、2次室13が構成される。
【0025】
弁体81は、弾性材で構成され、弁の機能を奏するリング状の弁体本体82と、弁体本体82保持する弁ホルダ83と、を備えている(詳細は、後述する。)。弁体本体82は、弁座となる1次室側開口部17の周縁部に離接することで連通流路15を開閉する。また、弁ホルダ83の先端部は、連通流路15を挿通して延在しており、この先端部が上記の受圧板63に当接し開閉動作するようになっている(図2参照)。
【0026】
図4に示すように、流出ポート42は、流入ポート16と同様の形態を有しており、流出コネクタ4が差込み接合される接合受け部21と、接合受け部21と2次室13とを連通する流出流路部91と、から構成されている。接合受け部21には、流出コネクタ4の接続口部104が差し込み接合される。なお、流入ポート16および流出ポート42は、機能液の流れ方向とフィルタ24の有無とにおいて異なるが、接合部分の基本形態は同一である。
【0027】
このように構成された圧力調整弁1では、例えば機能液滴吐出ヘッドの液滴吐出により2次室13の圧力が下がってゆくと、大気圧により受圧膜体61が凹変形してゆき、受圧板63が弁体81を押す。これにより、弁体81が開弁し、連通流路15を介して1次室12から2次室13に機能液が流入する。機能液の流入がすすむと、やがて2次室13の圧力が高まってゆき、受圧膜体61が外部に向かって凸変形してゆく。これにより、受圧板63が弁体81から離れるように前進し、同時に弁体81が前進して閉弁する。
【0028】
すなわち、圧力調整弁1は、大気圧と機能液滴吐出ヘッドに連なる2次室13との内部圧力のバランスにより受圧膜体61が変形することで連通流路15を開閉する。その際、弁体付勢ばね19および膜体付勢ばね44に力が分散して作用し、且つ弁体本体82の弾性力により、弁体81は極めてゆっくり開閉動作する。このため、弁体81の開閉による圧力変動(キャビテーション)が抑制され、機能液滴吐出ヘッドの吐出駆動に影響を与えないようになっている。もちろん、1次室12側で発生する脈動等も、弁体81で縁切りされるため、これを吸収(ダンパー機能)することができる。
【0029】
ここで、図5を参照して、弁体81について詳細に説明する。上記したように、弁体81は、弁体本体82および弁体本体82を保持する弁ホルダ83から構成されており、弁体本体82が、弁座となる1次室側開口部17の周縁部に離接することで弁体81が開閉し、1次室12から2次室13に間欠的に機能液が流入する。
【0030】
弁体本体82は、断面円形のリング形状を有しており、いわゆるOリングで構成されている。この場合の弁体本体82は、耐薬品性のOリング(パーフロゴム)で構成されており、通常に用いられるシリコンゴム製のOリングに比して硬質なものとなっている。そして、弁ホルダ83に装着した弁体本体82の前端部分が、弁座に離接して弁の機能を奏するようになっている。
【0031】
弁ホルダ83は、断面略「T」字状に形成されており、軸線方向の後方から、弁体付勢ばね19が当接する厚肉円板状のホルダベース141と、ホルダベース141に連なり、弁体本体82が着座する着座部142と、着座部142に連なり、弁体本体82を抜止め状態に保持する抜止め部143と、抜止め部143の中心部から前方に延設された軸部84と、で一体に形成されている。また、着座部142は、弁体本体82を挟んで弁座と対峙する受け座部144と、受け座部144の一端に連なり弁体本体82の内側面側に位置する連結座部145と、から構成されている。そして、弁体本体82は、軸部84側から抜止め部143を乗り越えて着座部142から抜止め部143に至る部分に装着されている。また、軸部84は、上記の連通流路15に挿通して、その先端が受圧板63の位置まで達している。
【0032】
ホルダベース141は、1次室12側の受圧部を構成すると共に、その背面には、弁体付勢ばね19が当接する環状ばね受け部146が形成されている。ホルダベース141は、その背面で1次室12の圧力を受けると共に、弁体付勢ばね19により閉弁方向に弱い力で付勢されている。ホルダベース141の前面、着座部142の周面および抜止め部143の周面は、断面「J」字状に連なっており、このうち弁体本体82が装着される着座部142から抜止め部143にかけての部分が、弁体本体82と相補的形状に形成されている。すなわち、着座部142から抜止め部143にかけての周面は、これに接触(装着)する弁体本体82の周面と相補的形状に形成されている。
【0033】
抜止め部143は、連結座部145の他端に連なり、弁体本体82が弁座に当接する部位を僅かに残して、弁体本体82を弁座側から抜止め状態に保持する。すなわち、抜止め部143の前端は、弁体本体82の前端部分より後退した位置にあり、弁体本体82の内径より僅かに太径に形成されている。この場合、着座部142から抜止め部143にかけての周面と弁体本体82の周面との間には、嵌合いゼロで設計されており、装着した弁体本体82は自由状態で弁ホルダ83に装着されている。
【0034】
すなわち、受け座部144、連結座部145および抜止め部143は、全体として、連続して形成されており、くびれた円柱の側面のように形成されている。弁ホルダ83に装着された弁体本体82は、弁座に当接する部位が抜止め部143より弁座側に僅かにはみ出すと共に、その表面積の約半分が弁ホルダ83と面接触することになる。これにより、弁体本体82の装着時に、この面接触部分に異物が咬み込んでも、他の面接触部分によって異物が包み込まれるため、弁体本体82と弁ホルダ83との間を有効にシールすることができる。
【0035】
軸部84は、断面円形で連通流路15より僅かに短径に形成されている。また、軸部84は、弁体付勢ばね19によって2次室13側に付勢されたときに、上記した受圧板63に当接する長さに形成されている。
【0036】
図6は、上記第1実施形態の変形例に係る弁体81である。この変形例では、弁ホルダ83における弁体本体(Oリング)82との対面部分が、弁体本体82の断面形状と相補的な形状を為すだけでなく、弁ホルダ83の受け座部144が、後方に窪入形成されていている。この場合、上記第1実施形態のものに比して、弁体本体82と弁ホルダ83とは、より大きい接触面積を確保することができ、弁体本体82および弁ホルダ83をより一層確実にシールすることができる。また、この場合も、弁体本体82は、断面略矩形の環状(角リング)に形成されていてもよい(図示省略)。
【0037】
次に、図7を参照して、第2実施形態に係る弁体81について説明する。ここでは、重複記載を避けるべく異なる部分のみ記載する。第2実施形態の弁体本体82は、断面略矩形の環状に形成されている。すなわち、第2実施形態の弁体本体82は、耐薬品性の角リング(パーフロゴム)で構成されている。また、弁体本体82には、前端が抜止め部143より突出するように、前端部内側に抜止め部143に係合する係合段部147が形成されている。一方、受け座部144、連結座部145および抜止め部143は、全体として断面略「L」字状に形成されている。具体的には、抜止め部143は連結座部145の前端にフランジ状に形成され、連結座部145は円柱状に形成され、さらに受け座部144は、ホルダベース141の背面と連続して円板状に形成されている。
【0038】
そして、第1実施形態と同様に、受け座部144、連結座部145および抜止め部143は、それぞれ弁体本体82と面接触するように相補的形状に形成されている。具体的には、受け座部144、連結座部145および抜止め部143にかけての部分が、これに接触する弁体本体82の略半部と相補的形状に形成されている。したがって、断面円形の弁体本体82および弁ホルダ83の接触面と比して、大きい接触面積を確保することができる。よって、弁体本体82および弁ホルダ83をより一層確実にシールすることができる。
【0039】
以上の構成によれば、弁ホルダ83における弁体本体82との対面部分が、弁体本体82と相補的な形状に形成されている。これにより、弁体本体82と弁ホルダ83とは、常時広く面接触することになるため、弁体本体82と弁ホルダ83との間隙を確実にシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】圧力調整弁の外観平面図である。
【図2】圧力調整弁を流入ポートの軸線方向に切断した縦断面図である。
【図3】圧力調整弁における2次室側の外環斜視図である。
【図4】圧力調整弁を流出ポートの軸線方向に切断した縦断面図である。
【図5】第1実施形態における弁体の平面図および断面図である。
【図6】第1実施形態の変形例における弁体の平面図および断面図である。
【図7】第2実施形態における弁体の平面図および断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…圧力調整弁 12…1次室 13…2次室 15…連通流路 81…弁体 82…弁体本体 83…弁ホルダ 142…着座部 143…抜止め部 144…受け座部 145…連結座部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次室と2次室とを連通する連通流路を大気圧基準で開閉して、前記1次室に導入した液体を前記2次室から一定圧で減圧供給する圧力調整弁の弁体であって、
弾性材で構成され、弁座に対し離接して前記連通流路を開閉するリング状の弁体本体と、
前記弁体本体が着座する着座部および着座した前記弁体本体を抜止め状態とする前記弁座側の抜止め部を有し、前記弁体本体が抜止め状態で装着される弁ホルダと、を備え、
前記抜止め部および前記着座部のうち少なくとも前記着座部における前記弁体本体との対面部分は、前記弁体本体と相補的形状に形成されていることを特徴とする圧力調整弁の弁体。
【請求項2】
前記着座部は、前記弁体本体を挟むように前記弁座と対峙する受け座部と、前記受け座部と前記抜止め部とを連結する連結座部とから成り、
前記受け座部における前記弁体本体との対面部分は、窪入形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整弁の弁体。
【請求項3】
弁体本体は、断面円形のリング状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力調整弁の弁体。
【請求項4】
弁体本体は、断面略矩形のリング状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力調整弁の弁体。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の圧力調整弁の弁体を備えた圧力調整弁であって、
前記1次室は、機能液を貯留した機能液タンクに連通し、前記2次室は、機能液滴を吐出するインクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに連通していることを特徴とする圧力調整弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−208030(P2009−208030A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55831(P2008−55831)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】