圧延製品の製造方法および製造プラント
【課題】薄型スラブの技術により、鋳造鋼の全ての品質の製造を可能とするプラントの配置を提供するとともに、小規模のメンテナンス、ロールの交換および/または事故のための長い中断をしないで管理することが可能な圧延方法及びその設備を提供する。
【解決手段】30〜140mmの厚みの薄型スラブに鋳造される全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの間で変化する厚みの帯状板を得るための圧延ライン10であって、連続鋳造機11と、均質化および必要に応じて加熱を行うトンネル炉15と、荒削りトレイン18a、18b、18cと、急加熱ユニット20と、仕上げトレイン21a〜21eとを備え、荒削りトレインと仕上げトレインを形成するスタンドの数が、前記製品の厚みと薄型スラブの速度との関数として計算され、コイル−トゥ−コイル、準エンドレスまたはエンドレスの3つのモードのうちから1つを選択できる。
【解決手段】30〜140mmの厚みの薄型スラブに鋳造される全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの間で変化する厚みの帯状板を得るための圧延ライン10であって、連続鋳造機11と、均質化および必要に応じて加熱を行うトンネル炉15と、荒削りトレイン18a、18b、18cと、急加熱ユニット20と、仕上げトレイン21a〜21eとを備え、荒削りトレインと仕上げトレインを形成するスタンドの数が、前記製品の厚みと薄型スラブの速度との関数として計算され、コイル−トゥ−コイル、準エンドレスまたはエンドレスの3つのモードのうちから1つを選択できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯状板またはプレートなどの圧延製品の製造方法とその製造プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
薄型スラブまたは“薄型鋳造スラブ”を製造する連続鋳造機を有するラインが配置された圧延プラントが知られている。
【0003】
そのようなプラントは、実質的に連続的な圧延プロセス、すなわち“エンドレス”用として計画され、構成され、そこでは、連続鋳造機の出口の直後に設置され、直接連結されている圧延トレインで鋳造製品が圧延される。
【0004】
前記圧延トレインが直接的に前記エンドレスプロセスの前記連続鋳造機の出口に設置されていることで、温度を下げず、さらに、再結晶がまだ完全に行われていないため、前記鋳造製品の熱と、最初の2〜3個の圧延スタンドにおける低圧力を充分に活用することができ、圧延工程におけるエネルギーの保存をすることができる。
【0005】
前記エンドレスタイプの圧延プロセスは極薄型帯状板(例えば0.7〜0.9mm)の製造の可能性を確保し、そのシーケンスは1.5〜3.0mmの厚みの製造から始められ、徐々に0.7〜0.9mmに低下する。
【0006】
残念ながら、特許EP1868748の実施例や、図1に示されているような配置の計画は、以下に示す理由から、とても柔軟性がない。
【0007】
様々な鋼材の品質(例えば包晶鋼、高炭素含有鋼、シリコン鋼、API鋼)の製造は、冶金や品質の要求のため、連続鋳造の最大速度を低下させることを余議なくされ、仕上げトレインの最終スタンドにおいて少なくとも850℃の温度が得られるために必要な最小の値まで流速が下がり、これにより、前記トレインに置かれた熱の誘導にもかかわらず、0.7〜4.0mmという幅広い厚みの範囲のエンドレス圧延が実行不可能になる。
【0008】
さらに、前記圧延トレインは前記エンドレスプロセスの前記連続鋳造機の出口に直接的に設置されるため、堅く接続された2つの圧延と鋳造のプロセスの間に緩衝となる媒介物を有することはできない。それゆえに、例えばプログラム化された圧延ロールの交換や、事故や、突然の障害または小規模の故障による圧延ミルおよび/または帯状板巻き上げ機のそれぞれの最低限の停止は、制御をするために、連続的な鋳造プロセスと製鉄所の上流の停止が必要となり、生産に損失をともなう。
【0009】
前記エンドレスプロセスのこの特性は、緩衝を持たない結果、後述のとおりとなる。
【0010】
鋳造圧延プラント、および製鉄所の上流での使用因子が5〜6%減る。
【0011】
連続鋳造機の出口におけるタンディッシュに存在する鋼材くずによるマテリアル損失のため、プラントの生産量(最終製品の重さと、生産用のタンディッシュ中の液体の鋼材の重さの割合)が1.2〜1.3%減る。
【0012】
さらに、前記エンドレスプロセスは、プラントの生産性を増加させるための第2鋳造ラインの挿入の余地がない。
【0013】
最後に、前記エンドレスプロセスは前記製品の変化(スラブの幅や厚み)においてほとんど柔軟性がない。
【0014】
一方、準連続タイプの薄型スラブ鋳造機を使ったレイアウトソリューションは、事故またはプログラム化されたロールの変更などによる鋳造プロセスの妨害を克服するために必要なときに、前記スラブの集積や格納としての役割も果たす加熱および/またはメンテナンスを行うトンネル炉によって、鋳造機と圧延ミルがラインに接続され、この方法により、材料およびエネルギーのロスを避け、鋳造の妨害を避ける。
【0015】
前記スラブの長さが望ましい重さのコイルを形成するのに必要とされる素材に正確に対応する準連続プロセスの場合、そのプロセスは“コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)”と呼ばれる。
【0016】
その長さが望ましい重さのコイルを形成するために必要とされる多様な長さに対応する場合、いわゆる極スラブにおいて、その方法は“準エンドレス”と呼ばれる。
【0017】
私たちは、3つのプロセスの特徴を明らかにするための要約を考えられる限り述べる。
【0018】
エンドレス:そのプロセスは、鋳造と圧延ミルの間の連続的な方法を引き起こす。前記鋳造スラブは圧延トレインに直接的かつ連続的に供給される。前記コイルは連続的な圧延において製造される。個々のコイルは巻き取りリールの前の素早いせん断によるカットの方法により形成される。前記圧延トレインには入り口がない。
【0019】
準エンドレス:そのプロセスは、鋳造と圧延ミルの間の不連続な方法を引き起こす。標準スラブ“n”(2〜5)個分に相当する極スラブは振り子せん断によるカットにより鋳造からの出口において形成される。 “N”個の圧延コイルは関連する極スラブから同時に製造される。個々のコイルは巻き取りリールの前に素早いせん断によるカットの方法により形成される。製造される“n”個のコイルの配列毎に、圧延トレインには入口がある。
【0020】
“コイル−トゥ−コイル(Coil−to−coil)”:そのプロセスは鋳造と圧延ミルの間の不連続な方法を引き起こす。個々のスラブは、鋳造からの出口において、振り子せん断のカットにより形成される。一度に一つのコイルが、関連する初期のスラブからの圧延において製造される。製造されるコイル毎に、圧延トレインには入口がある。
【0021】
現在は、技術が様々な解決策を提供しており、主に、参考文献や特許の論文は圧延製品のための様々なタイプのプラントやプロセスを提供しており、それぞれは、上記したモード、すなわち、エンドレス、準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)の一つにより特徴づけられており、それらは一般的にプラントあたり個々にまたはせいぜい2つのみが作動する。
【0022】
存在する解決策は賛否両論であるが、市場競争力を提供するための柔軟性と多様性を有するプラントの大いなるニーズを満足させることはできていない。
【0023】
特に、現在のところ、存在するプロセスは、図5に示す比較表にも要約している後述の特徴を有する。
【0024】
エンドレス:0.7〜0.9mmの極薄の厚みを製造するために最適であり、スタンドにおいてバーの上部が入らないようにする。それゆえに、ロール上の摩耗が低減され、閉塞のリスクも下がり、安定した圧延を可能にする一方、いくつかのタイプの鋼材は製造できず、プラントの使用因子が低く、収率が低く、製品を増やすための第2ラインの挿入の可能性がない。
【0025】
コイル−トゥ−コイル(Coil−to−coil):コイル−トゥ−コイル(Coil−to−Coil)は、薄型スラブ機による鋳造鋼の全ての範囲の製造を可能にし、プラントの高い使用因子と高い収率を有する。一方、コイル−トゥ−コイル(Coil−to−Coil)は、帯状板が最後の圧延スタンドに入るのが困難であるため、1.0mm以下の薄さを製造することができない、帯状板が薄いためであり、このため矛盾がある。
【0026】
準エンドレス:準エンドレスは0.9mm以下の薄い厚みの製造に最適であり、それは、薄型スラブ機による鋳造鋼の全ての範囲の製造を可能にし、プラントの高い使用因子と高い収率を可能にする。一方、それは極薄型帯状板(0.7−0.9mm)の製品において、前記プロセスは必然的にスラブの最初と最終コイルで厚みの増加を伴った製造をもたらすという点で、生産性が低く、(1/4または1/5)減り、圧延トレインのスタンドへのバーの入り込みの問題を取り除いておらず、最終的に、それは、巻き取りリールへの帯状板の入り込みの問題を大きくする、すなわち、帯状板の前進の速度がエンドレスモードに比べてとても高いということである。
【0027】
特に、出願人により、たとえば高性能の晶析装置と動的軽圧下の洗練された技術などとともに、鋳造速度を増加させ、幅広い厚み、たとえば30〜140mmにおいて実質的に鋳造速度を一定に保つ鋳造技術の進歩は、プラントの柔軟性を大幅に増加させ、高い生産性とともに高い最終品質と厚みを極めて低下させることができる仮定の新しいプラントとプロセス解決策とを可能にしつつある。
【0028】
“エンドレス”圧延プロセスにおいては、同じ鋳造速度が与えられる場合、初期の鋳造の厚みは、プラントの生産性と、使用される圧延スタンド全体の数と、連続鋳造の出口から最終仕上げスタンドの出口までの温度プロファイルを決定づけることが知られている。
【0029】
例えば鋳造製品の最初の厚み、圧延製造物の最終厚みおよび、必要とされる生産性に関連して、決定された初期パラメーターから始められ、それゆえに、本発明の目的は、圧延プロファイルおよび、これに関連した薄型スラブの技術により、鋳造鋼の全ての品質の製造を可能とするプラントの配置を提供するとともに、小規模のメンテナンス、ロールの交換および/または事故のための圧延プラントの停止時間を、長い中断をしないで管理することが可能な液体の鋼材の上流の有効なシーケンスを提供することである。
【0030】
本出願人は、後により詳細に記載するこれらのおよび他の目的と有利な効果を得るための本発明を、発明し、開発し、試験した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
発明の思想は独立請求項に記載されており、従属クレームは本発明の思想の改良型を記載している。
【0032】
本発明によるプロセスはエンドレスプロセス(超薄製品の製造と圧延工程のエネルギーの節約の可能性)の全ての優位点を十分に生かし、全ての優位性を保ち、さらに制限が取り除かれており、「エンドレスユニバーサルプロセス」と定義される。本発明における方法は、
薄型スラブ技術による鋳造鋼の全ての品質の製造を可能にし、全ての市場を有効にカバーし、
故障やロールの交換による圧延ミルの動作不能時間を吸収するための鋳造機と圧延ミルの間の緩衝を有し、鋳造を止める必要がなく、生産を損失することなく、製鉄の上流において不利益がなく、
第2鋳造ラインを挿入することにより、生産性を2倍にすることを可能とする。
【0033】
特に、本発明によるプロセスは、薄型スラブ技術により30〜140mmの間の厚みを有する全ての品質の鋳造鋼用であり、最終の厚みが0.7〜20mm帯状板やシートの製造を提供し、独自に後述の3つの操作モードを同じプラントに組み込むことができる。a)エンドレス,最終の帯状板の厚みが0.7〜4.0mm向け、前記性質の鋼材向け。b)準エンドレス,最終の帯状板が0.7〜2.0mm向け、前記性質の鋼材向け。c)コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil),最終の帯状板が1.0〜20mmの向け、前記性質の鋼材向け。
【0034】
前記方法はそれぞれの場合において最も便利な方法を使用するように、他のモードから1つのモードを自動的に通過させることの可能性を提供する。
【0035】
最も適した操作モードの選択は、特定の圧延キャンペーン(2つの圧延ロールの交換の区間)について、全体の調和を考慮して、最小の生産コスト、すなわち、変換コストに最終製品の収率/品質がより小さいものコストを加えたものの視点で、提示される。
【0036】
さらに特に、上記の3つの操作モードのうちの1つの操作の選択が、
製造される鋼材の品質に関連して、
製造方法の最適化をして、帯状板の最終厚みのさまざまな等級を得ること、
速度、圧延温度および関連するエネルギー消費を最適化すること、
および、鋳造の流れを中断しないように有効な液体の鋼材の有効な生産のための鋳造速度に適応させることを目的として行われる。
【0037】
本発明によれば、それぞれの場合において製造コストの最小化のために、およびエネルギーの節約と収率とプラントの使用因子の最適化のために、最も適している操作モードを選択することが可能である。
【0038】
エンドレスモードは高速で鋳造される全ての品質の鋼材に有利に使用され、一般的には5.5m/分以上たとえば6または7m/分である。
【0039】
そのような鋼材を以下に示す。
IF(極低炭素鋼板);
ULC(極低炭素鋼);
Low Carbon;
Low Carbon HSLA,API X 50−80を含む;
Medium Carbon(構造上の)
Medium Carbon HSLA(プレート、パイプ、造船、圧力容器)
High Carbon
耐候性(Corten)
二相(ダブルフェイズ)
30〜140mmの厚みの薄型スラブ技術によるスチールキャスタブルの全体の約70%を占める。
【0040】
準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)は5.5m/分以下、例えば4m/分またはそれ以下でのスピードでの鋳造されるそれらの品質の鋼材を製造するために使用されている。
【0041】
そのような鋼材を以下に示す。
包晶のグレード(0.08<C%<0.15);
APIX70−80;
シリコンスチール;
高炭素(C%>0.45%)
30〜140mmの厚みの薄型スラブ技術によるスチールキャスタブルの全体の約30%を占める。
【0042】
上記を得るために、以下に示されるシーケンスのように処理される本発明によるプラントは、実質的に5つの主要素を備える。
連続鋳造機;
前記連続鋳造機と圧延ミルを接続し、必要に応じて加熱、メンテナンス、均等化を行うトンネル炉;
1〜4個の圧延スタンドを備える荒削りトレイン;
選択的に活性化される要素を有し、前記ラインから取り外される急加熱ユニット;
3〜7個のスタンドを備える仕上げトレイン。
【0043】
一実施形態として、前記急加熱ユニットは1または複数のインダクタを備える。
【0044】
一実施形態として、前記鋳造機は、自動的に、鋳造速度と鋳造される物質のタイプに関係して、液体コアをもつスラブの圧縮位置を動かすための動的軽圧下を備える。
【0045】
本発明によれば、鋳造品の厚みの範囲と得られる個々の生産性は、後述のプラントのレイアウトの内部の方法群を特定する。
【0046】
30〜70mmの鋳造スラブであって、生産性は600,0000〜2,000,000トン/年;
60〜100mmの鋳造スラブであって、生産性は1,000,000〜2,800,000トン/年;
80〜140mmのキャストスラブであって、生産性は1,500,000〜3,500,000トン/年。
【0047】
本発明の特徴によれば、前記連続鋳造機と前記荒削りトレインの間に置かれる必要に応じて前記加熱とメンテナンスを行うトンネル炉は、準エンドレス圧延を行うために、2〜5個のコイルの重量に相当する薄型スラブの量を含むような長さを有している。
【0048】
特に、低鋳造速度のためにエンドレスモードで製造できないスチールの品質を製造する必要があるときに、前記必要に応じて加熱と保持を行うトンネル炉のこれらのサイズのおかげで、本発明によるプラントは簡単にエンドレス機能から準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)機能に切り替えることができる。
【0049】
それゆえに、前記鋳造鋼の品質のため、エンドレスプロセスが実行不可能な程度に鋳造速度を低下されることを余議なくされる場合に、前記トンネル炉は前記鋳造機が圧延ミルから離れることを可能とする。
【0050】
さらに、5個以上のコイルに適応するための前記トンネル炉の能力は、圧延プロセスにおいて停止しした場合の蓄積あるいは格納を、鋳造における特定の反動なしに、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードで管理されることを保証し、一定時間機能し続ける。この方法では、前記連続鋳造機に供給する製鉄所の生産性が最適化される。
【0051】
本発明の一つの解決法によれば、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉は加熱段階が最初の50〜60mで行われるように構成され、一方、残った部分では、到達した温度が単に保持される。特に、製造される鋼材の品質が、低い鋳造速度を要求するときに、加熱段階が提供される。
【0052】
本発明の他の解決策によれば、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉は単に温度を保持するために構成される。特に、保持のみの段階は毎回作動され、鋳造速度は十分高い。
【0053】
本発明によれば、前記トンネル炉から抜け出るスラブの温度は、1050〜1180℃程度であり、それゆえに、実質的にそれは、前記荒削りトレインにおける最初の圧延工程に送られるスラブにおける温度である。
【0054】
本発明の一実施形態としては、特に準エンドレスとエンドレスモードの間に使用される前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の内側において、横方向に、平面のセンタリングとガイドのためシステムが提供される。
【0055】
私たちが前述したように、前記トンネル炉の長さはプログラミングされたロールの交換の間および/または閉塞または小規模の事故による圧延ミルの予期しない停止の間、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードで得られる緩衝時間も決定する。
【0056】
緩衝時間の持続は鋳造速度の低下、例えば半減により、増加する。有利なことに、トンネル炉の緩衝の能力は、圧延ロールの交換の間や小規模の事故の間の鋳造プロセスを妨害せず、それゆえに、製造を中止しない。
【0057】
前記緩衝時間はプラントの使用因子を増加させ、鋳造プロセスを比較的長い間、圧延プロセスから離すことを許す。
【0058】
さらに、緩衝時間により、鋳造の再スタートの回数が除かれ、または少なくとも減るため、その結果、鋳造の開始と終了におけるむだを節約し、また、前記圧延トレインの最初の段階においてタンディッシュに入れられた鋼材やひしゃくに残っている回収できない鋼材を廃棄することを避けることができるため、プラントの収率を向上させる。
【0059】
本発明の一実施形態においては、スラブの断片が、前記ラインの停止の持続の間、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の内側に残っているとき、または、前記ラインの閉塞の継続中に、前記スラブ表面の接触による形跡やへこみを防ぐために、前記トンネル炉のロールは前記スラブを連続的に数メートル後方と前方に動かし、その結果、前記トンネル炉のロールにダメージを与えず、製品の最終品質に優位性を与える。
【0060】
本発明のその他の実施形態としては、前記トンネル炉の末端部分に、第2鋳造ラインに接続するために、移動可能な部分が挿入されており、第2鋳造ラインと第1鋳造ラインは平行である。この場合において、エンドレスモードは鋳造と圧延機械が整列されている第1ラインによってのみ機能されるのに対し、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードと準エンドレスモードは両方のラインを機能的に作動させることができる。
【0061】
本発明の他の改良形態としては、エンドレス圧延の最適管理に到達するための前記トンネルは前記鋳造と前記荒削りトレインの前記第1圧延スタンドの間でのけん引を制御するためのシステムも提供する。
【0062】
本発明のその他の実施形態としては、たとえばモジュラーエレメントを有するインダクタなどの前記急加熱ユニットは、前記圧延ラインからいくつかのエレメントを自動的または手動的に、完全にまたは部分的に動かすことができる。
【0063】
前記ラインから取り外された前記インダクタのエレメントは温度メンテナンストンネル(たとえば、反射パネルを備えた不活性の隔離フード)と取り換えられる。
【0064】
内側のインダクタは前記仕上げトレインに提供されない。
【0065】
本発明によれば、エンドレスまたは準エンドレスモードにおいて、鋳造スラブが、少なくとも830〜850℃の温度で前記仕上げトレインの前記最終圧延スタンドに到着するように、前記急加熱ユニットはその加熱とサイズのパラメーターによって構成される。
【0066】
本発明の一構成によれば、前記インダクタユニットによって運ばれる火力は、計算プログラムが圧延ミルに沿って検出した温度を考慮に入れた制御ユニットによって自動的に制御される。
【0067】
この方法によって、加熱は最適化され、圧延が最初のコイルからすぐに均一な温度を得る。
【0068】
本発明によれば、前記圧延ラインの内側の例えばインダクタなどの急加熱ユニットの位置は、特定の急加熱ユニットの加熱能力の最大値を考慮に入れて、製品を加熱するエネルギーの使用の最適化するように決定される。
【0069】
それゆえに、本発明は、厚みの範囲および帯状板の前進の速度によって、前記圧延トレインの内側の急加熱ユニットの最適な位置を特定する。
【0070】
本発明の好ましい解決法は、20〜80m/分の帯状板の前進速度に対応して、前記急加熱ユニットが5〜25mmの間の製品厚みの範囲で動くように構成される。
【0071】
このため、最適な範囲内で動かされる前記急加熱ユニットのよりよい管理ができ、適切に位置決めされ、サイズ決めされた、単に1つの内側の急加熱ユニットがあるラインの単純化が使用される。
【0072】
本発明は前記圧延トレインの内側にある前記急加熱ユニットの最適な位置を決定する方法を提供する。
【0073】
工程a)
最大の可能な鋳造速度とスラブの厚みは、生産される鋼材の品質に応じて、鋳造とプラント全体の時間あたりの生産性にしたがって選択される。この方法ではいわゆる流量=厚み×速度が定義される。
【0074】
工程b)
前記圧延トレインの全体のスタンドの最小の数(Ntot)は、得られる帯状板の最終厚みと、鋳造からの出口のスラブの厚みとにより決定される。
【0075】
工程c)
前記仕上げトレインが有するスタンドの最大の数(Nf_max)は工程a)において定義された流量によって決定される。それゆえに、この相違によって、前記荒削りトレインが有するスタンドの最小の数(Nf_min)もNs_min=Ntot−Nf_maxと定義される。
【0076】
工程d)
この点において、スタンドの合計数と仕上げトレインが有するスタンドの最大の数がわかる。
【0077】
後の手順において、同じ全体の数における、前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドの最適な区分け、そして、これにより、前記急加熱ユニットの位置の最適ポイントが決定される。
【0078】
たとえば、仮に定義されたスタンドの全体の数が7であれば、われわれは、前記荒削りトレインと前記仕上げトレインについて、後述の区分けを考える:1+6、2+5または3+4。
【0079】
最適な区分けを決めるために、われわれは、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の出口から、前記仕上げトレインの出口までの温度変化のプロファイルを考慮する。
【0080】
工程e)
最後に、望ましい帯状板の最終厚みと工程a)で決定される鋳造速度にしたがって、圧延プロセスにおいて使用されるモードが、上記したコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)、エンドレス、準エンドレスの3つのモードから選択される。
【0081】
もし、ダイアグラムにおける入力データが3つのエリアと重なったら、最も適切なモードを選択するための基準は得られる最大の操作条件を達成するために必要な最短の時間を考慮する。
【0082】
本発明の可能な改良としては、前記荒削りトレインとして定義されるスタンドの一つが、前記鋳造機の下流であり、なおかつ、前記トンネル炉の上流に配置される。
【0083】
他の可能な改良としては、トンネルを短くするために、前記トンネル炉の最初または最後の部分がインダクタに置き換えられる。
【0084】
他の改良としては、前記トレインの圧延ロールがエアミストシステム、すなわち噴霧された水を含む空気によって冷却される。
【0085】
この場合、前記圧延ロールの温度を制御するためのシステムは、様々な操作モードの冷却システムを適応するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
本発明のこれらと他の特徴は、作動のいくつかの特定のフォームを参照しながら、詳細に記載し、添付の図面の助けによる実施例に限定されない。:
【図1】図1は、技術水準のエンドレスプロセスのレイアウトを示す。
【図2】図2は、本発明による方法を実施するレイアウトの3つの異なる実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明による方法を実施するレイアウトの3つの異なる実施形態を示す。
【図4】図4は、本発明による方法を実施するレイアウトの3つの異なる実施形態を示す。
【図5】図5は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図6】図6は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図7】図7は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図8】図8は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図9】図9は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図10】図10は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図11】図11は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図2〜4を参照すると、3つの可能なレイアウトが、本発明の原理を実行する平板製品用の鋳造/圧延ライン10を示している。
【0088】
特に、図2のレイアウトは30〜70mmの鋳造スラブの厚み、および600,000〜2,000,000トン/年の生産性の範囲にのみ有利に適用されるわけではない。
【0089】
図3のレイアウトは、60〜100mmの鋳造スラブの厚み、および1,000,000〜2,800,000トン/年の生産性の範囲にのみ有利に適用されるわけではない。
【0090】
図4のレイアウトは、80〜140mmの鋳造平板の厚み、および1,500,000〜3,500,000トン/年の生産性の範囲にのみ有利に適用されるわけではない。
【0091】
概して、前記ライン10は、
インゴット鋳型12を有する;鋳造機11の構成と、
水を用いた第1スケール除去機13と、
振り子せん断14と、
側面に沿って動く最後から2番目のモジュール115aと、
酸素アセチレンカット装置16と、
水を用いた第2スケール除去機113と、
垂直または縁のトリマースタンド17(任意の)と、
水を用いた第3スケール除去機213と、
2つの荒削り圧延スタンド18a、18bと、
前記仕上げトレインのスタンドの入り口と出口を容易にするために、バーの上端と下端を刈り込むためのものであり、緊急時のせん断としても用いられる刈り込みせん断19と、
インダクタを用いた急加熱装置20と、
水を用いた第4スケール除去機313と、
5つのスタンド21a、21b、21c、21dおよび21eを備える仕上げ圧延トレインと、
層流の冷却シャワー22と、
エンドレスまたは準エンドレス圧延に用いられ、巻き取りリールにつかまれている帯状板を、望ましい重さのコイルに分割するために、帯状板をサイズにせん断する高速フライングせん断23と、
第1巻き取りリール24aと第2巻き取りリール24bの2つの巻き取りリールと、を有する。
【0092】
前記インゴット鋳型12は30〜100または110mmの厚みの凹面タイプまたは、110〜140mmの厚みの平らで平行に向かい合って面するタイプである。
【0093】
それらが前記第1スケール除去機13によってスケール除去された直後、鋳造の下流には、スラブを長さ(コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)や準エンドレスモード)に切るための前記振り子せん断14がある。
【0094】
特に、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)の機能のモードにおいて、前記振り子せん断14は、望ましい重さ、例えば25トンのコイルを得るための長さのスラブの断片に切断する。
【0095】
一方、準エンドレスの機能のモードにおいて、前記振り子せん断14は、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードの2〜5倍の長さのスラブの断片に切断する。
【0096】
準エンドレスの機能のモードにおいて、通常の作業条件では、前記振り子せん断14は鋳造から到着したスラブを切断しない。
【0097】
準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)の機能のモードにおいて、スラブの断片は、温度の回復またはメンテナンスを行う前記トンネル炉15の内側に導入される。
【0098】
前記トンネル炉15の前記最後から2番目のモジュール115aは、前記第1鋳造ラインに平行な、第2鋳造ラインに使えるシャトルの機能を有する側面に沿って移動可能なタイプの場合であり、それらは同じ圧延トレインを共有する。たとえば、閉塞、ロールの取り換えやメンテナンスなどの場合において、前記モジュール115aは、前記ラインの外側の位置におけるスラブの複数の断片に一時的に適応するために、提供される。
【0099】
一方、前記トンネル炉15の前記最終モジュール115bは上記と同じ理由で、中断している状態において、パーキングの機能を有する。
【0100】
前記第2スケール除去機113の下流であり、前記荒削りトレイン18a、18bの上流である前記トンネル炉15からの出口には、前記インゴット鋳型の方法で幅が変化する間に生じたスラブの円錐の長さを横方向に線形化する機能を有する縁トリマースタンド17がある。
【0101】
前記縁トリマー操作は最終製品の縁の品質を向上させ、収率を増加させる。
【0102】
図1の前記ライン10において、前記圧延トレインは、18aと18bに示される2つの荒削りスタンドと、21a、21b、21cと21eに示される5つの仕上げスタンドとを備える。
【0103】
最も適切な圧延の値になるように、その開始厚みと、最終厚みと、製品に関係する様々なパラメーターとにしたがって、前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドの間に、スラブに温度をもたらす機能を有する急加熱機、この場合はインダクタ炉20が入る。
【0104】
前記インダクタ20は、特定の製品にとって、その機能が必要でないときは、前記ラインから取り外しも可能である。
【0105】
前記インダクタ炉20の下流には、前記荒削りスタンド21a、21bからの出口から前記インダクタ炉20からの出口まで、スラブが高温の空気にさらされている間に形成されたスケールの表面を掃除するための前記第4スケール除去機313がある。
【0106】
コイルやリールになる前に、帯状板を冷却するために、前記仕上げトレインの後に、前記シャワー22が提供される。
【0107】
前記シャワーからの出口にはフライングせん断23があり、準エンドレスまたはエンドレスの機能のモードにおいて、前記圧延トレインと前記巻き取りリールの一つで帯状板が同時につかまれ、前記フライングせん断はコイルの最終の望ましい重さを得るための重さに帯状板を切る。
【0108】
準エンドレスモードでのプラントの標準作業条件において、製品を長さに切断するために、少なくとも2つの工程が提供される。
【0109】
第1切断は前記振り子せん断14によって鋳造スラブになされる。
第2切断は前記リール24aと24bの前の前記フライングせん断23によって圧延された帯状板になされる。
【0110】
生産性は減るが、エンドレスモードのように、準エンドレスモードは0.9mm程度の厚み、または、極薄の0.7mmまでに圧延される。準エンドレスモードは全ての品質の鋼材のためにこれらの厚みを得て、必然的結果として、鋳造速度を5.5m/分に下げる。
【0111】
本発明によれば、前記トンネル炉15から出たスラブの温度は1050〜1180℃の範囲に入る。
【0112】
前記インダクタ炉20は、前記仕上げトレインの前記最終スタンド21eから出てくる帯状板の温度が少なくとも830〜850℃になることを保証するように調整される。
【0113】
この目的のために、荒削りスタンドであろうと仕上げスタンドであろうと、前記ライン10を制御するシステムは、鋳造製品の前記ライン10に沿った、前記圧延スタンドの入り口と出口での温度プロファイルを処理するために、少なくとも鋳造される製品と最終の製品に関する主なパラメーター、例えば厚みや速度のインプットを受け取る。
【0114】
本発明によれば、前記荒削りスタンドの低下割合は、前記インダクタ炉20の入り口の厚みが5〜25mmになるように、20〜80m/分の間のバーの前進の速度に対応するように、スラブの最初の厚みにかかわりなくセットされ、我々は30〜140に変化させることができる。
【0115】
厚みのこの範囲で、消費と熱効率の間の最も良い妥協点になるように、前記インダクタ炉20の機能性が最適化される。
【0116】
この結果から始まって、サイジングの様々な工程と前記ラインのデザインが結果として起きる。
【0117】
決定された鋼材の品質のための可能な最大の鋳造速度(この場合は上限が9m/分で下限が3m/分)により、スラブの幅が1350mmである図6のダイヤグラムは、鋳造が有する時間あたりの生産性から、スラブが有する厚みを決定する。
【0118】
たとえば、もし、時間あたりの生産性が500トン/時間ならば、9m/分の達成可能な鋳造速度のためには90mmのスラブの厚みが使われ、7m/分の達成可能な鋳造速度のために115mmの厚みのスラブを要し、6m/分の達成可能な鋳造速度のために130mmを要し、だが、この生産性は3m/分の鋳造速度が得られない。
【0119】
得られる鋳造速度に対する厚みを決定することは、いわゆる流量の値を決定し、いわゆる流量の値は、鋳造速度と鋳造厚みの製品により正確に得られる。
【0120】
決定された鋳造製品の厚みにより、前記ライン10のサイジングの次の工程が、使用する圧延スタンドの数を計算するための図6のダイアグラムの使用を提供し、前記数は、前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドの両方を備える数であり、得られる最終製品の厚みに関連する。
【0121】
図6に見られるように、x軸は、スラブの厚みと最終製品の厚みの間の合計の減少値を示し、100%の低下と仮定すると(例えば、スラブの80mmの厚みから最終製品の0.8mmの厚みまで);スタンドの合計の数は7であり、すなわち、図2〜4に見られるライン10のスタンドの数である。
【0122】
スタンドの合計数が特定された後、次の工程は、前記インダクタ炉20の上流の前記荒削りスタンドと、前記インダクタ炉20の下流の前記仕上げスタンドの区分けの決定を提供する。
【0123】
図5のダイアグラムから得られる流量の値により、図8のダイアグラムを使用することにより、前記荒削りスタンドの数との差により、使用する前記仕上げスタンドの数が決定される。
【0124】
80mmのスラブの厚みの8m/分の鋳造速度の例では、流量は640mmxm/分であり、図8のダイアグラムによれば、前記ライン10の仕上げスタンドの最大の数を有する。
【0125】
荒削りスタンドの最小の数は、この最大数による。
【0126】
仕上げスタンドと荒削りスタンドの最適な区分けおよびインダクタ炉20の位置を決定するために、トンネル炉15からの出口から仕上げトレインの最終スタンド(この場合は21e)からの出口まで、温度の進行を示す図9のダイアグラムが使われる。
【0127】
1+6の組み合わせ(全部で7個のスタンドの場合、1個の荒削りスタンドと6個の仕上げスタンド)を参照すると、進行Aは、少なくとも850℃の温度で、仕上げトレインの最終スタンドが、インダクタ炉20により実行されるインダクタ加熱が製品を少なくとも1200℃の温度に到着する方法を示している。
【0128】
しかしながら、これは、前記インダクタ炉20の技術的な加熱の可能性の域を越えており、それゆえ、この方向は除外される。
【0129】
3+4の組み合わせを参照すると、進行Bは、実行可能なようにみえるが、この場合、上流に3つの荒削りスタンドを有するインダクタ炉20は、細く、素早い帯状板の管理をするべきであり、このことが供給口をとても臨界的にする。
【0130】
それゆえに、最適な位置は2つの間の一つであり、これは、荒削りスタンドと仕上げスタンドの2+5との構成の最適な区分けの決定を導く。
【0131】
図10のダイアグラムは異なる形態で図9と同じ概念を示す。
【0132】
図10のダイアグラムにおいて、示されたカーブが入口の温度と様々なブロックからの出口を示す点の集合となるように、トンネル炉15からの出口から仕上げトレインの最終スタンドからの出口までの温度プロファイルが考慮されるが、単一のブロックは同じグループとして考慮する。
【0133】
最後に、望ましい生産性を得るための前記ライン10のパラメーターを決定した後、最初の厚み、スタンドの数、それぞれのスタンドに対するインダクタ炉20の位置を定義した後、仕上げの部分から荒削り部分を分け、最後の工程は圧延プロセスが実行するようなエンドレス、準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)のモードを選択するために提供する。
【0134】
得られる最終の帯状板の厚みと鋳造速度によって、図11のダイアグラムは、プロセスを遂行するための可能な操作モードを特定することを可能にする方法を示す。
【0135】
ダイアグラムは、7つの象限を備え、x軸は、得られるストリップの最小の厚みの下限値を示し、ダッシュの垂直ラインは、エンドレスモードにおける圧延を実行することが可能な最低速度を示す。.それぞれの象限は、得られるモードを示す。最も適した操作モードの選択は、製品コスト、すなわち、変換コストには、より劣る最終製品の収率/品質に由来するコストを最小にする目的において、特定の圧延キャンペーン(2つのロールの交換の区間)において製造される全体の混合を考慮してなされる。
【0136】
今まで記載してきた例は、2つの荒削りスタンドと5つの仕上げスタンドを供給するレイアウトにより、図3に示されており、このレイアウトは、60〜100mmの間のスラブの厚みの変化をともない、1,000,000〜2,800,000トン/年の間の生産性の範囲を得るのに適している。
【0137】
他の可能な構成は図2と図4に示されている。
【0138】
特に、図2は2つの荒削りスタンドと4つの仕上げスタンドを提供し、このレイアウトは、35〜70mmに変化するスラブの厚みの変化をともない、600,000〜2,000,000トン/年の間の生産性の範囲を得るのに適している。
【0139】
最後に、図4は3つの荒削りスタンド(18a、18b、18c)と5つの仕上げスタンドを提供し、このレイアウトは80〜140mmに変化するスラブの厚みの変化をともない、1,500,000〜3,500,000トン/年の間の生産性の範囲を得るのに適している。
【0140】
それゆえに、ユニバーサルエンドレスと呼ばれる本発明によるインライン圧延方法は、1つのプラントで、実際にそれぞれ適用される3つのプロセスの限定を取り除き、3つのプロセス(エンドレス、準エンドレス、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil))をともに持ってくるという点で、独特である。
【0141】
最も低い生産コストで、30〜140mmの厚みの薄型スラブの形態である全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの厚みの帯状板を製造することを可能にする。
【0142】
本発明の分野および目的から外れない限り、ここに記載されているプラントおよび方法の部分の修正および/または追加はしてもよいことは明らかである。
【技術分野】
【0001】
本発明は帯状板またはプレートなどの圧延製品の製造方法とその製造プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
薄型スラブまたは“薄型鋳造スラブ”を製造する連続鋳造機を有するラインが配置された圧延プラントが知られている。
【0003】
そのようなプラントは、実質的に連続的な圧延プロセス、すなわち“エンドレス”用として計画され、構成され、そこでは、連続鋳造機の出口の直後に設置され、直接連結されている圧延トレインで鋳造製品が圧延される。
【0004】
前記圧延トレインが直接的に前記エンドレスプロセスの前記連続鋳造機の出口に設置されていることで、温度を下げず、さらに、再結晶がまだ完全に行われていないため、前記鋳造製品の熱と、最初の2〜3個の圧延スタンドにおける低圧力を充分に活用することができ、圧延工程におけるエネルギーの保存をすることができる。
【0005】
前記エンドレスタイプの圧延プロセスは極薄型帯状板(例えば0.7〜0.9mm)の製造の可能性を確保し、そのシーケンスは1.5〜3.0mmの厚みの製造から始められ、徐々に0.7〜0.9mmに低下する。
【0006】
残念ながら、特許EP1868748の実施例や、図1に示されているような配置の計画は、以下に示す理由から、とても柔軟性がない。
【0007】
様々な鋼材の品質(例えば包晶鋼、高炭素含有鋼、シリコン鋼、API鋼)の製造は、冶金や品質の要求のため、連続鋳造の最大速度を低下させることを余議なくされ、仕上げトレインの最終スタンドにおいて少なくとも850℃の温度が得られるために必要な最小の値まで流速が下がり、これにより、前記トレインに置かれた熱の誘導にもかかわらず、0.7〜4.0mmという幅広い厚みの範囲のエンドレス圧延が実行不可能になる。
【0008】
さらに、前記圧延トレインは前記エンドレスプロセスの前記連続鋳造機の出口に直接的に設置されるため、堅く接続された2つの圧延と鋳造のプロセスの間に緩衝となる媒介物を有することはできない。それゆえに、例えばプログラム化された圧延ロールの交換や、事故や、突然の障害または小規模の故障による圧延ミルおよび/または帯状板巻き上げ機のそれぞれの最低限の停止は、制御をするために、連続的な鋳造プロセスと製鉄所の上流の停止が必要となり、生産に損失をともなう。
【0009】
前記エンドレスプロセスのこの特性は、緩衝を持たない結果、後述のとおりとなる。
【0010】
鋳造圧延プラント、および製鉄所の上流での使用因子が5〜6%減る。
【0011】
連続鋳造機の出口におけるタンディッシュに存在する鋼材くずによるマテリアル損失のため、プラントの生産量(最終製品の重さと、生産用のタンディッシュ中の液体の鋼材の重さの割合)が1.2〜1.3%減る。
【0012】
さらに、前記エンドレスプロセスは、プラントの生産性を増加させるための第2鋳造ラインの挿入の余地がない。
【0013】
最後に、前記エンドレスプロセスは前記製品の変化(スラブの幅や厚み)においてほとんど柔軟性がない。
【0014】
一方、準連続タイプの薄型スラブ鋳造機を使ったレイアウトソリューションは、事故またはプログラム化されたロールの変更などによる鋳造プロセスの妨害を克服するために必要なときに、前記スラブの集積や格納としての役割も果たす加熱および/またはメンテナンスを行うトンネル炉によって、鋳造機と圧延ミルがラインに接続され、この方法により、材料およびエネルギーのロスを避け、鋳造の妨害を避ける。
【0015】
前記スラブの長さが望ましい重さのコイルを形成するのに必要とされる素材に正確に対応する準連続プロセスの場合、そのプロセスは“コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)”と呼ばれる。
【0016】
その長さが望ましい重さのコイルを形成するために必要とされる多様な長さに対応する場合、いわゆる極スラブにおいて、その方法は“準エンドレス”と呼ばれる。
【0017】
私たちは、3つのプロセスの特徴を明らかにするための要約を考えられる限り述べる。
【0018】
エンドレス:そのプロセスは、鋳造と圧延ミルの間の連続的な方法を引き起こす。前記鋳造スラブは圧延トレインに直接的かつ連続的に供給される。前記コイルは連続的な圧延において製造される。個々のコイルは巻き取りリールの前の素早いせん断によるカットの方法により形成される。前記圧延トレインには入り口がない。
【0019】
準エンドレス:そのプロセスは、鋳造と圧延ミルの間の不連続な方法を引き起こす。標準スラブ“n”(2〜5)個分に相当する極スラブは振り子せん断によるカットにより鋳造からの出口において形成される。 “N”個の圧延コイルは関連する極スラブから同時に製造される。個々のコイルは巻き取りリールの前に素早いせん断によるカットの方法により形成される。製造される“n”個のコイルの配列毎に、圧延トレインには入口がある。
【0020】
“コイル−トゥ−コイル(Coil−to−coil)”:そのプロセスは鋳造と圧延ミルの間の不連続な方法を引き起こす。個々のスラブは、鋳造からの出口において、振り子せん断のカットにより形成される。一度に一つのコイルが、関連する初期のスラブからの圧延において製造される。製造されるコイル毎に、圧延トレインには入口がある。
【0021】
現在は、技術が様々な解決策を提供しており、主に、参考文献や特許の論文は圧延製品のための様々なタイプのプラントやプロセスを提供しており、それぞれは、上記したモード、すなわち、エンドレス、準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)の一つにより特徴づけられており、それらは一般的にプラントあたり個々にまたはせいぜい2つのみが作動する。
【0022】
存在する解決策は賛否両論であるが、市場競争力を提供するための柔軟性と多様性を有するプラントの大いなるニーズを満足させることはできていない。
【0023】
特に、現在のところ、存在するプロセスは、図5に示す比較表にも要約している後述の特徴を有する。
【0024】
エンドレス:0.7〜0.9mmの極薄の厚みを製造するために最適であり、スタンドにおいてバーの上部が入らないようにする。それゆえに、ロール上の摩耗が低減され、閉塞のリスクも下がり、安定した圧延を可能にする一方、いくつかのタイプの鋼材は製造できず、プラントの使用因子が低く、収率が低く、製品を増やすための第2ラインの挿入の可能性がない。
【0025】
コイル−トゥ−コイル(Coil−to−coil):コイル−トゥ−コイル(Coil−to−Coil)は、薄型スラブ機による鋳造鋼の全ての範囲の製造を可能にし、プラントの高い使用因子と高い収率を有する。一方、コイル−トゥ−コイル(Coil−to−Coil)は、帯状板が最後の圧延スタンドに入るのが困難であるため、1.0mm以下の薄さを製造することができない、帯状板が薄いためであり、このため矛盾がある。
【0026】
準エンドレス:準エンドレスは0.9mm以下の薄い厚みの製造に最適であり、それは、薄型スラブ機による鋳造鋼の全ての範囲の製造を可能にし、プラントの高い使用因子と高い収率を可能にする。一方、それは極薄型帯状板(0.7−0.9mm)の製品において、前記プロセスは必然的にスラブの最初と最終コイルで厚みの増加を伴った製造をもたらすという点で、生産性が低く、(1/4または1/5)減り、圧延トレインのスタンドへのバーの入り込みの問題を取り除いておらず、最終的に、それは、巻き取りリールへの帯状板の入り込みの問題を大きくする、すなわち、帯状板の前進の速度がエンドレスモードに比べてとても高いということである。
【0027】
特に、出願人により、たとえば高性能の晶析装置と動的軽圧下の洗練された技術などとともに、鋳造速度を増加させ、幅広い厚み、たとえば30〜140mmにおいて実質的に鋳造速度を一定に保つ鋳造技術の進歩は、プラントの柔軟性を大幅に増加させ、高い生産性とともに高い最終品質と厚みを極めて低下させることができる仮定の新しいプラントとプロセス解決策とを可能にしつつある。
【0028】
“エンドレス”圧延プロセスにおいては、同じ鋳造速度が与えられる場合、初期の鋳造の厚みは、プラントの生産性と、使用される圧延スタンド全体の数と、連続鋳造の出口から最終仕上げスタンドの出口までの温度プロファイルを決定づけることが知られている。
【0029】
例えば鋳造製品の最初の厚み、圧延製造物の最終厚みおよび、必要とされる生産性に関連して、決定された初期パラメーターから始められ、それゆえに、本発明の目的は、圧延プロファイルおよび、これに関連した薄型スラブの技術により、鋳造鋼の全ての品質の製造を可能とするプラントの配置を提供するとともに、小規模のメンテナンス、ロールの交換および/または事故のための圧延プラントの停止時間を、長い中断をしないで管理することが可能な液体の鋼材の上流の有効なシーケンスを提供することである。
【0030】
本出願人は、後により詳細に記載するこれらのおよび他の目的と有利な効果を得るための本発明を、発明し、開発し、試験した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
発明の思想は独立請求項に記載されており、従属クレームは本発明の思想の改良型を記載している。
【0032】
本発明によるプロセスはエンドレスプロセス(超薄製品の製造と圧延工程のエネルギーの節約の可能性)の全ての優位点を十分に生かし、全ての優位性を保ち、さらに制限が取り除かれており、「エンドレスユニバーサルプロセス」と定義される。本発明における方法は、
薄型スラブ技術による鋳造鋼の全ての品質の製造を可能にし、全ての市場を有効にカバーし、
故障やロールの交換による圧延ミルの動作不能時間を吸収するための鋳造機と圧延ミルの間の緩衝を有し、鋳造を止める必要がなく、生産を損失することなく、製鉄の上流において不利益がなく、
第2鋳造ラインを挿入することにより、生産性を2倍にすることを可能とする。
【0033】
特に、本発明によるプロセスは、薄型スラブ技術により30〜140mmの間の厚みを有する全ての品質の鋳造鋼用であり、最終の厚みが0.7〜20mm帯状板やシートの製造を提供し、独自に後述の3つの操作モードを同じプラントに組み込むことができる。a)エンドレス,最終の帯状板の厚みが0.7〜4.0mm向け、前記性質の鋼材向け。b)準エンドレス,最終の帯状板が0.7〜2.0mm向け、前記性質の鋼材向け。c)コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil),最終の帯状板が1.0〜20mmの向け、前記性質の鋼材向け。
【0034】
前記方法はそれぞれの場合において最も便利な方法を使用するように、他のモードから1つのモードを自動的に通過させることの可能性を提供する。
【0035】
最も適した操作モードの選択は、特定の圧延キャンペーン(2つの圧延ロールの交換の区間)について、全体の調和を考慮して、最小の生産コスト、すなわち、変換コストに最終製品の収率/品質がより小さいものコストを加えたものの視点で、提示される。
【0036】
さらに特に、上記の3つの操作モードのうちの1つの操作の選択が、
製造される鋼材の品質に関連して、
製造方法の最適化をして、帯状板の最終厚みのさまざまな等級を得ること、
速度、圧延温度および関連するエネルギー消費を最適化すること、
および、鋳造の流れを中断しないように有効な液体の鋼材の有効な生産のための鋳造速度に適応させることを目的として行われる。
【0037】
本発明によれば、それぞれの場合において製造コストの最小化のために、およびエネルギーの節約と収率とプラントの使用因子の最適化のために、最も適している操作モードを選択することが可能である。
【0038】
エンドレスモードは高速で鋳造される全ての品質の鋼材に有利に使用され、一般的には5.5m/分以上たとえば6または7m/分である。
【0039】
そのような鋼材を以下に示す。
IF(極低炭素鋼板);
ULC(極低炭素鋼);
Low Carbon;
Low Carbon HSLA,API X 50−80を含む;
Medium Carbon(構造上の)
Medium Carbon HSLA(プレート、パイプ、造船、圧力容器)
High Carbon
耐候性(Corten)
二相(ダブルフェイズ)
30〜140mmの厚みの薄型スラブ技術によるスチールキャスタブルの全体の約70%を占める。
【0040】
準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)は5.5m/分以下、例えば4m/分またはそれ以下でのスピードでの鋳造されるそれらの品質の鋼材を製造するために使用されている。
【0041】
そのような鋼材を以下に示す。
包晶のグレード(0.08<C%<0.15);
APIX70−80;
シリコンスチール;
高炭素(C%>0.45%)
30〜140mmの厚みの薄型スラブ技術によるスチールキャスタブルの全体の約30%を占める。
【0042】
上記を得るために、以下に示されるシーケンスのように処理される本発明によるプラントは、実質的に5つの主要素を備える。
連続鋳造機;
前記連続鋳造機と圧延ミルを接続し、必要に応じて加熱、メンテナンス、均等化を行うトンネル炉;
1〜4個の圧延スタンドを備える荒削りトレイン;
選択的に活性化される要素を有し、前記ラインから取り外される急加熱ユニット;
3〜7個のスタンドを備える仕上げトレイン。
【0043】
一実施形態として、前記急加熱ユニットは1または複数のインダクタを備える。
【0044】
一実施形態として、前記鋳造機は、自動的に、鋳造速度と鋳造される物質のタイプに関係して、液体コアをもつスラブの圧縮位置を動かすための動的軽圧下を備える。
【0045】
本発明によれば、鋳造品の厚みの範囲と得られる個々の生産性は、後述のプラントのレイアウトの内部の方法群を特定する。
【0046】
30〜70mmの鋳造スラブであって、生産性は600,0000〜2,000,000トン/年;
60〜100mmの鋳造スラブであって、生産性は1,000,000〜2,800,000トン/年;
80〜140mmのキャストスラブであって、生産性は1,500,000〜3,500,000トン/年。
【0047】
本発明の特徴によれば、前記連続鋳造機と前記荒削りトレインの間に置かれる必要に応じて前記加熱とメンテナンスを行うトンネル炉は、準エンドレス圧延を行うために、2〜5個のコイルの重量に相当する薄型スラブの量を含むような長さを有している。
【0048】
特に、低鋳造速度のためにエンドレスモードで製造できないスチールの品質を製造する必要があるときに、前記必要に応じて加熱と保持を行うトンネル炉のこれらのサイズのおかげで、本発明によるプラントは簡単にエンドレス機能から準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)機能に切り替えることができる。
【0049】
それゆえに、前記鋳造鋼の品質のため、エンドレスプロセスが実行不可能な程度に鋳造速度を低下されることを余議なくされる場合に、前記トンネル炉は前記鋳造機が圧延ミルから離れることを可能とする。
【0050】
さらに、5個以上のコイルに適応するための前記トンネル炉の能力は、圧延プロセスにおいて停止しした場合の蓄積あるいは格納を、鋳造における特定の反動なしに、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードで管理されることを保証し、一定時間機能し続ける。この方法では、前記連続鋳造機に供給する製鉄所の生産性が最適化される。
【0051】
本発明の一つの解決法によれば、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉は加熱段階が最初の50〜60mで行われるように構成され、一方、残った部分では、到達した温度が単に保持される。特に、製造される鋼材の品質が、低い鋳造速度を要求するときに、加熱段階が提供される。
【0052】
本発明の他の解決策によれば、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉は単に温度を保持するために構成される。特に、保持のみの段階は毎回作動され、鋳造速度は十分高い。
【0053】
本発明によれば、前記トンネル炉から抜け出るスラブの温度は、1050〜1180℃程度であり、それゆえに、実質的にそれは、前記荒削りトレインにおける最初の圧延工程に送られるスラブにおける温度である。
【0054】
本発明の一実施形態としては、特に準エンドレスとエンドレスモードの間に使用される前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の内側において、横方向に、平面のセンタリングとガイドのためシステムが提供される。
【0055】
私たちが前述したように、前記トンネル炉の長さはプログラミングされたロールの交換の間および/または閉塞または小規模の事故による圧延ミルの予期しない停止の間、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードで得られる緩衝時間も決定する。
【0056】
緩衝時間の持続は鋳造速度の低下、例えば半減により、増加する。有利なことに、トンネル炉の緩衝の能力は、圧延ロールの交換の間や小規模の事故の間の鋳造プロセスを妨害せず、それゆえに、製造を中止しない。
【0057】
前記緩衝時間はプラントの使用因子を増加させ、鋳造プロセスを比較的長い間、圧延プロセスから離すことを許す。
【0058】
さらに、緩衝時間により、鋳造の再スタートの回数が除かれ、または少なくとも減るため、その結果、鋳造の開始と終了におけるむだを節約し、また、前記圧延トレインの最初の段階においてタンディッシュに入れられた鋼材やひしゃくに残っている回収できない鋼材を廃棄することを避けることができるため、プラントの収率を向上させる。
【0059】
本発明の一実施形態においては、スラブの断片が、前記ラインの停止の持続の間、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の内側に残っているとき、または、前記ラインの閉塞の継続中に、前記スラブ表面の接触による形跡やへこみを防ぐために、前記トンネル炉のロールは前記スラブを連続的に数メートル後方と前方に動かし、その結果、前記トンネル炉のロールにダメージを与えず、製品の最終品質に優位性を与える。
【0060】
本発明のその他の実施形態としては、前記トンネル炉の末端部分に、第2鋳造ラインに接続するために、移動可能な部分が挿入されており、第2鋳造ラインと第1鋳造ラインは平行である。この場合において、エンドレスモードは鋳造と圧延機械が整列されている第1ラインによってのみ機能されるのに対し、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードと準エンドレスモードは両方のラインを機能的に作動させることができる。
【0061】
本発明の他の改良形態としては、エンドレス圧延の最適管理に到達するための前記トンネルは前記鋳造と前記荒削りトレインの前記第1圧延スタンドの間でのけん引を制御するためのシステムも提供する。
【0062】
本発明のその他の実施形態としては、たとえばモジュラーエレメントを有するインダクタなどの前記急加熱ユニットは、前記圧延ラインからいくつかのエレメントを自動的または手動的に、完全にまたは部分的に動かすことができる。
【0063】
前記ラインから取り外された前記インダクタのエレメントは温度メンテナンストンネル(たとえば、反射パネルを備えた不活性の隔離フード)と取り換えられる。
【0064】
内側のインダクタは前記仕上げトレインに提供されない。
【0065】
本発明によれば、エンドレスまたは準エンドレスモードにおいて、鋳造スラブが、少なくとも830〜850℃の温度で前記仕上げトレインの前記最終圧延スタンドに到着するように、前記急加熱ユニットはその加熱とサイズのパラメーターによって構成される。
【0066】
本発明の一構成によれば、前記インダクタユニットによって運ばれる火力は、計算プログラムが圧延ミルに沿って検出した温度を考慮に入れた制御ユニットによって自動的に制御される。
【0067】
この方法によって、加熱は最適化され、圧延が最初のコイルからすぐに均一な温度を得る。
【0068】
本発明によれば、前記圧延ラインの内側の例えばインダクタなどの急加熱ユニットの位置は、特定の急加熱ユニットの加熱能力の最大値を考慮に入れて、製品を加熱するエネルギーの使用の最適化するように決定される。
【0069】
それゆえに、本発明は、厚みの範囲および帯状板の前進の速度によって、前記圧延トレインの内側の急加熱ユニットの最適な位置を特定する。
【0070】
本発明の好ましい解決法は、20〜80m/分の帯状板の前進速度に対応して、前記急加熱ユニットが5〜25mmの間の製品厚みの範囲で動くように構成される。
【0071】
このため、最適な範囲内で動かされる前記急加熱ユニットのよりよい管理ができ、適切に位置決めされ、サイズ決めされた、単に1つの内側の急加熱ユニットがあるラインの単純化が使用される。
【0072】
本発明は前記圧延トレインの内側にある前記急加熱ユニットの最適な位置を決定する方法を提供する。
【0073】
工程a)
最大の可能な鋳造速度とスラブの厚みは、生産される鋼材の品質に応じて、鋳造とプラント全体の時間あたりの生産性にしたがって選択される。この方法ではいわゆる流量=厚み×速度が定義される。
【0074】
工程b)
前記圧延トレインの全体のスタンドの最小の数(Ntot)は、得られる帯状板の最終厚みと、鋳造からの出口のスラブの厚みとにより決定される。
【0075】
工程c)
前記仕上げトレインが有するスタンドの最大の数(Nf_max)は工程a)において定義された流量によって決定される。それゆえに、この相違によって、前記荒削りトレインが有するスタンドの最小の数(Nf_min)もNs_min=Ntot−Nf_maxと定義される。
【0076】
工程d)
この点において、スタンドの合計数と仕上げトレインが有するスタンドの最大の数がわかる。
【0077】
後の手順において、同じ全体の数における、前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドの最適な区分け、そして、これにより、前記急加熱ユニットの位置の最適ポイントが決定される。
【0078】
たとえば、仮に定義されたスタンドの全体の数が7であれば、われわれは、前記荒削りトレインと前記仕上げトレインについて、後述の区分けを考える:1+6、2+5または3+4。
【0079】
最適な区分けを決めるために、われわれは、前記必要に応じて加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の出口から、前記仕上げトレインの出口までの温度変化のプロファイルを考慮する。
【0080】
工程e)
最後に、望ましい帯状板の最終厚みと工程a)で決定される鋳造速度にしたがって、圧延プロセスにおいて使用されるモードが、上記したコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)、エンドレス、準エンドレスの3つのモードから選択される。
【0081】
もし、ダイアグラムにおける入力データが3つのエリアと重なったら、最も適切なモードを選択するための基準は得られる最大の操作条件を達成するために必要な最短の時間を考慮する。
【0082】
本発明の可能な改良としては、前記荒削りトレインとして定義されるスタンドの一つが、前記鋳造機の下流であり、なおかつ、前記トンネル炉の上流に配置される。
【0083】
他の可能な改良としては、トンネルを短くするために、前記トンネル炉の最初または最後の部分がインダクタに置き換えられる。
【0084】
他の改良としては、前記トレインの圧延ロールがエアミストシステム、すなわち噴霧された水を含む空気によって冷却される。
【0085】
この場合、前記圧延ロールの温度を制御するためのシステムは、様々な操作モードの冷却システムを適応するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
本発明のこれらと他の特徴は、作動のいくつかの特定のフォームを参照しながら、詳細に記載し、添付の図面の助けによる実施例に限定されない。:
【図1】図1は、技術水準のエンドレスプロセスのレイアウトを示す。
【図2】図2は、本発明による方法を実施するレイアウトの3つの異なる実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明による方法を実施するレイアウトの3つの異なる実施形態を示す。
【図4】図4は、本発明による方法を実施するレイアウトの3つの異なる実施形態を示す。
【図5】図5は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図6】図6は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図7】図7は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図8】図8は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図9】図9は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図10】図10は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【図11】図11は、圧延ラインのパラメーター間の関数の関係を示すとともに、ラインのレイアウトを計画するための方法に使用されるダイアグラムと表である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図2〜4を参照すると、3つの可能なレイアウトが、本発明の原理を実行する平板製品用の鋳造/圧延ライン10を示している。
【0088】
特に、図2のレイアウトは30〜70mmの鋳造スラブの厚み、および600,000〜2,000,000トン/年の生産性の範囲にのみ有利に適用されるわけではない。
【0089】
図3のレイアウトは、60〜100mmの鋳造スラブの厚み、および1,000,000〜2,800,000トン/年の生産性の範囲にのみ有利に適用されるわけではない。
【0090】
図4のレイアウトは、80〜140mmの鋳造平板の厚み、および1,500,000〜3,500,000トン/年の生産性の範囲にのみ有利に適用されるわけではない。
【0091】
概して、前記ライン10は、
インゴット鋳型12を有する;鋳造機11の構成と、
水を用いた第1スケール除去機13と、
振り子せん断14と、
側面に沿って動く最後から2番目のモジュール115aと、
酸素アセチレンカット装置16と、
水を用いた第2スケール除去機113と、
垂直または縁のトリマースタンド17(任意の)と、
水を用いた第3スケール除去機213と、
2つの荒削り圧延スタンド18a、18bと、
前記仕上げトレインのスタンドの入り口と出口を容易にするために、バーの上端と下端を刈り込むためのものであり、緊急時のせん断としても用いられる刈り込みせん断19と、
インダクタを用いた急加熱装置20と、
水を用いた第4スケール除去機313と、
5つのスタンド21a、21b、21c、21dおよび21eを備える仕上げ圧延トレインと、
層流の冷却シャワー22と、
エンドレスまたは準エンドレス圧延に用いられ、巻き取りリールにつかまれている帯状板を、望ましい重さのコイルに分割するために、帯状板をサイズにせん断する高速フライングせん断23と、
第1巻き取りリール24aと第2巻き取りリール24bの2つの巻き取りリールと、を有する。
【0092】
前記インゴット鋳型12は30〜100または110mmの厚みの凹面タイプまたは、110〜140mmの厚みの平らで平行に向かい合って面するタイプである。
【0093】
それらが前記第1スケール除去機13によってスケール除去された直後、鋳造の下流には、スラブを長さ(コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)や準エンドレスモード)に切るための前記振り子せん断14がある。
【0094】
特に、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)の機能のモードにおいて、前記振り子せん断14は、望ましい重さ、例えば25トンのコイルを得るための長さのスラブの断片に切断する。
【0095】
一方、準エンドレスの機能のモードにおいて、前記振り子せん断14は、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モードの2〜5倍の長さのスラブの断片に切断する。
【0096】
準エンドレスの機能のモードにおいて、通常の作業条件では、前記振り子せん断14は鋳造から到着したスラブを切断しない。
【0097】
準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)の機能のモードにおいて、スラブの断片は、温度の回復またはメンテナンスを行う前記トンネル炉15の内側に導入される。
【0098】
前記トンネル炉15の前記最後から2番目のモジュール115aは、前記第1鋳造ラインに平行な、第2鋳造ラインに使えるシャトルの機能を有する側面に沿って移動可能なタイプの場合であり、それらは同じ圧延トレインを共有する。たとえば、閉塞、ロールの取り換えやメンテナンスなどの場合において、前記モジュール115aは、前記ラインの外側の位置におけるスラブの複数の断片に一時的に適応するために、提供される。
【0099】
一方、前記トンネル炉15の前記最終モジュール115bは上記と同じ理由で、中断している状態において、パーキングの機能を有する。
【0100】
前記第2スケール除去機113の下流であり、前記荒削りトレイン18a、18bの上流である前記トンネル炉15からの出口には、前記インゴット鋳型の方法で幅が変化する間に生じたスラブの円錐の長さを横方向に線形化する機能を有する縁トリマースタンド17がある。
【0101】
前記縁トリマー操作は最終製品の縁の品質を向上させ、収率を増加させる。
【0102】
図1の前記ライン10において、前記圧延トレインは、18aと18bに示される2つの荒削りスタンドと、21a、21b、21cと21eに示される5つの仕上げスタンドとを備える。
【0103】
最も適切な圧延の値になるように、その開始厚みと、最終厚みと、製品に関係する様々なパラメーターとにしたがって、前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドの間に、スラブに温度をもたらす機能を有する急加熱機、この場合はインダクタ炉20が入る。
【0104】
前記インダクタ20は、特定の製品にとって、その機能が必要でないときは、前記ラインから取り外しも可能である。
【0105】
前記インダクタ炉20の下流には、前記荒削りスタンド21a、21bからの出口から前記インダクタ炉20からの出口まで、スラブが高温の空気にさらされている間に形成されたスケールの表面を掃除するための前記第4スケール除去機313がある。
【0106】
コイルやリールになる前に、帯状板を冷却するために、前記仕上げトレインの後に、前記シャワー22が提供される。
【0107】
前記シャワーからの出口にはフライングせん断23があり、準エンドレスまたはエンドレスの機能のモードにおいて、前記圧延トレインと前記巻き取りリールの一つで帯状板が同時につかまれ、前記フライングせん断はコイルの最終の望ましい重さを得るための重さに帯状板を切る。
【0108】
準エンドレスモードでのプラントの標準作業条件において、製品を長さに切断するために、少なくとも2つの工程が提供される。
【0109】
第1切断は前記振り子せん断14によって鋳造スラブになされる。
第2切断は前記リール24aと24bの前の前記フライングせん断23によって圧延された帯状板になされる。
【0110】
生産性は減るが、エンドレスモードのように、準エンドレスモードは0.9mm程度の厚み、または、極薄の0.7mmまでに圧延される。準エンドレスモードは全ての品質の鋼材のためにこれらの厚みを得て、必然的結果として、鋳造速度を5.5m/分に下げる。
【0111】
本発明によれば、前記トンネル炉15から出たスラブの温度は1050〜1180℃の範囲に入る。
【0112】
前記インダクタ炉20は、前記仕上げトレインの前記最終スタンド21eから出てくる帯状板の温度が少なくとも830〜850℃になることを保証するように調整される。
【0113】
この目的のために、荒削りスタンドであろうと仕上げスタンドであろうと、前記ライン10を制御するシステムは、鋳造製品の前記ライン10に沿った、前記圧延スタンドの入り口と出口での温度プロファイルを処理するために、少なくとも鋳造される製品と最終の製品に関する主なパラメーター、例えば厚みや速度のインプットを受け取る。
【0114】
本発明によれば、前記荒削りスタンドの低下割合は、前記インダクタ炉20の入り口の厚みが5〜25mmになるように、20〜80m/分の間のバーの前進の速度に対応するように、スラブの最初の厚みにかかわりなくセットされ、我々は30〜140に変化させることができる。
【0115】
厚みのこの範囲で、消費と熱効率の間の最も良い妥協点になるように、前記インダクタ炉20の機能性が最適化される。
【0116】
この結果から始まって、サイジングの様々な工程と前記ラインのデザインが結果として起きる。
【0117】
決定された鋼材の品質のための可能な最大の鋳造速度(この場合は上限が9m/分で下限が3m/分)により、スラブの幅が1350mmである図6のダイヤグラムは、鋳造が有する時間あたりの生産性から、スラブが有する厚みを決定する。
【0118】
たとえば、もし、時間あたりの生産性が500トン/時間ならば、9m/分の達成可能な鋳造速度のためには90mmのスラブの厚みが使われ、7m/分の達成可能な鋳造速度のために115mmの厚みのスラブを要し、6m/分の達成可能な鋳造速度のために130mmを要し、だが、この生産性は3m/分の鋳造速度が得られない。
【0119】
得られる鋳造速度に対する厚みを決定することは、いわゆる流量の値を決定し、いわゆる流量の値は、鋳造速度と鋳造厚みの製品により正確に得られる。
【0120】
決定された鋳造製品の厚みにより、前記ライン10のサイジングの次の工程が、使用する圧延スタンドの数を計算するための図6のダイアグラムの使用を提供し、前記数は、前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドの両方を備える数であり、得られる最終製品の厚みに関連する。
【0121】
図6に見られるように、x軸は、スラブの厚みと最終製品の厚みの間の合計の減少値を示し、100%の低下と仮定すると(例えば、スラブの80mmの厚みから最終製品の0.8mmの厚みまで);スタンドの合計の数は7であり、すなわち、図2〜4に見られるライン10のスタンドの数である。
【0122】
スタンドの合計数が特定された後、次の工程は、前記インダクタ炉20の上流の前記荒削りスタンドと、前記インダクタ炉20の下流の前記仕上げスタンドの区分けの決定を提供する。
【0123】
図5のダイアグラムから得られる流量の値により、図8のダイアグラムを使用することにより、前記荒削りスタンドの数との差により、使用する前記仕上げスタンドの数が決定される。
【0124】
80mmのスラブの厚みの8m/分の鋳造速度の例では、流量は640mmxm/分であり、図8のダイアグラムによれば、前記ライン10の仕上げスタンドの最大の数を有する。
【0125】
荒削りスタンドの最小の数は、この最大数による。
【0126】
仕上げスタンドと荒削りスタンドの最適な区分けおよびインダクタ炉20の位置を決定するために、トンネル炉15からの出口から仕上げトレインの最終スタンド(この場合は21e)からの出口まで、温度の進行を示す図9のダイアグラムが使われる。
【0127】
1+6の組み合わせ(全部で7個のスタンドの場合、1個の荒削りスタンドと6個の仕上げスタンド)を参照すると、進行Aは、少なくとも850℃の温度で、仕上げトレインの最終スタンドが、インダクタ炉20により実行されるインダクタ加熱が製品を少なくとも1200℃の温度に到着する方法を示している。
【0128】
しかしながら、これは、前記インダクタ炉20の技術的な加熱の可能性の域を越えており、それゆえ、この方向は除外される。
【0129】
3+4の組み合わせを参照すると、進行Bは、実行可能なようにみえるが、この場合、上流に3つの荒削りスタンドを有するインダクタ炉20は、細く、素早い帯状板の管理をするべきであり、このことが供給口をとても臨界的にする。
【0130】
それゆえに、最適な位置は2つの間の一つであり、これは、荒削りスタンドと仕上げスタンドの2+5との構成の最適な区分けの決定を導く。
【0131】
図10のダイアグラムは異なる形態で図9と同じ概念を示す。
【0132】
図10のダイアグラムにおいて、示されたカーブが入口の温度と様々なブロックからの出口を示す点の集合となるように、トンネル炉15からの出口から仕上げトレインの最終スタンドからの出口までの温度プロファイルが考慮されるが、単一のブロックは同じグループとして考慮する。
【0133】
最後に、望ましい生産性を得るための前記ライン10のパラメーターを決定した後、最初の厚み、スタンドの数、それぞれのスタンドに対するインダクタ炉20の位置を定義した後、仕上げの部分から荒削り部分を分け、最後の工程は圧延プロセスが実行するようなエンドレス、準エンドレスまたはコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)のモードを選択するために提供する。
【0134】
得られる最終の帯状板の厚みと鋳造速度によって、図11のダイアグラムは、プロセスを遂行するための可能な操作モードを特定することを可能にする方法を示す。
【0135】
ダイアグラムは、7つの象限を備え、x軸は、得られるストリップの最小の厚みの下限値を示し、ダッシュの垂直ラインは、エンドレスモードにおける圧延を実行することが可能な最低速度を示す。.それぞれの象限は、得られるモードを示す。最も適した操作モードの選択は、製品コスト、すなわち、変換コストには、より劣る最終製品の収率/品質に由来するコストを最小にする目的において、特定の圧延キャンペーン(2つのロールの交換の区間)において製造される全体の混合を考慮してなされる。
【0136】
今まで記載してきた例は、2つの荒削りスタンドと5つの仕上げスタンドを供給するレイアウトにより、図3に示されており、このレイアウトは、60〜100mmの間のスラブの厚みの変化をともない、1,000,000〜2,800,000トン/年の間の生産性の範囲を得るのに適している。
【0137】
他の可能な構成は図2と図4に示されている。
【0138】
特に、図2は2つの荒削りスタンドと4つの仕上げスタンドを提供し、このレイアウトは、35〜70mmに変化するスラブの厚みの変化をともない、600,000〜2,000,000トン/年の間の生産性の範囲を得るのに適している。
【0139】
最後に、図4は3つの荒削りスタンド(18a、18b、18c)と5つの仕上げスタンドを提供し、このレイアウトは80〜140mmに変化するスラブの厚みの変化をともない、1,500,000〜3,500,000トン/年の間の生産性の範囲を得るのに適している。
【0140】
それゆえに、ユニバーサルエンドレスと呼ばれる本発明によるインライン圧延方法は、1つのプラントで、実際にそれぞれ適用される3つのプロセスの限定を取り除き、3つのプロセス(エンドレス、準エンドレス、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil))をともに持ってくるという点で、独特である。
【0141】
最も低い生産コストで、30〜140mmの厚みの薄型スラブの形態である全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの厚みの帯状板を製造することを可能にする。
【0142】
本発明の分野および目的から外れない限り、ここに記載されているプラントおよび方法の部分の修正および/または追加はしてもよいことは明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
30〜140mmの厚みの薄型スラブの形態に鋳造される全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの間で変化する厚みの帯状板を得るための圧延ライン(10)における圧延方法であって、前記ライン(10)は少なくとも、
連続鋳造機(11)と、
メンテナンス、均質化および必要に応じて加熱を行うトンネル炉(15)と、
1〜4個の圧延スタンド(18a、18b、18c)を備える荒削りトレインと、3〜7個のスタンド(21a〜21e)を備える仕上げトレインと、を有する圧延トレインと、
選択的に活性されることが可能な要素を有し、前記荒削りトレインと前記仕上げトレインの間に入れられる急加熱ユニット(20)と、を備え、
前記圧延ライン(10)のそれぞれのレイアウトのために、
前記ユニット(20)の上流に配置される荒削りトレインを形成するスタンド(18a、18b、18c)の数と、
前記ユニット(20)の下流に配置される仕上げトレインを形成するスタンド(21a〜21e)の数と、
を決める急加熱ユニット(20)の位置が、
前記製品の厚みと、薄型スラブの速度と、の関数として計算され、
前記製品は、トン/時間で表わされる望ましい時間あたりの生産性の関数により得られ、
前記方法は、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モード、準エンドレスモードまたはエンドレスモードとして機能し、
前記製造される鋼材の前記品質と、鋼材の前記品質のために可能な最大の鋳造速度と、前記帯状板の前記最終厚みと、前記製造コストと、にしたがって、前記圧延プロセスの前記3つのモードのうちから1つを選択することを特徴とする圧延方法。
【請求項2】
前記急加熱ユニット(20)の位置が、
流量=厚み×速度を決めるために、前記要求される時間あたりの生産性および前記製造される鋼材の品質の関数として、可能な最大鋳造速度と、前記スラブの厚みと、を選択する工程a)と、
得られる望ましい最終の帯状板の厚みと、鋳造機からの出口の前記スラブの前記厚みと、の関数として前記圧延トレインの全てのスタンドの最小の数を決める工程b)と、
前記工程a)で特定された前記流量の関数の関数にしたがって、仕上げトレインが有するスタンドの最大の数を決定し、この差から、前記荒削りトレインが有するスタンドの最大の数を決定する工程c)と、
加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の出口から仕上げトレインの出口までの温度変化プロファイルを考慮して、全体として同じ数が与えられた場合の前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドとの間の区分けと、急加熱ユニットを置く最適位置と、を決定する工程d)と、
より決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
20〜80m/分の間の帯状板の供給速度に対応するように、前記急加熱ユニットは5〜25mmの製品厚みの範囲で働くように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
30〜140mmの厚みの薄型スラブの形態に鋳造される全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの間で変化する厚みの帯状板を得るための圧延プラントであって、少なくとも、
連続鋳造装置(11)と、
加熱、メンテナンスまたは均質化を行うトンネル炉(15)と、
1〜4個の圧延スタンド(18a、18b、18c)を備える荒削りトレインと、3〜7個のスタンド(21a〜21e)を備える仕上げトレインと、を有する圧延トレインと、
選択的に活性されることが可能な要素を有し、前記荒削りトレインと前記仕上げトレインの間に入れられる急加熱ユニット(20)と、を有し、
前記圧延ライン(10)のレイアウトごとに、
前記製品の厚みと薄型スラブの速度の関数である複数の前記急加熱ユニット(20)の上流に配置される荒削りスタンド(18a、18b、18c)と前記急加熱ユニット(20)の下流に配置される複数の仕上げスタンド(21a〜21e)を備え、
トン/時間で表わされる望ましい時間あたりの生産性の関数として前記製品が得られ、
前記方法はコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モード、準エンドレスモードまたはエンドレスモードとして機能し、
前記製造される鋼材の前記品質と、鋼材の前記品質のために可能な最大の鋳造速度と、前記帯状板の前記最終厚みと、前記製造コストと、にしたがって、前記圧延プロセスの前記3つのモードのうちから1つを選択することを特徴とする圧延プラント。
【請求項5】
前記急加熱ユニット(20)は、
前記圧延スタンドの間の位置に関するパラメーターにしたがって構成され、
エンドレスまたは準エンドレスモードによって前記鋳造されたスラブに対して仕上げトレインの最後の圧延スタンド(21e)に少なくとも830〜850℃の温度で到達するような方法により加熱とサイジングを行うことを特徴とする請求項4に記載のプラント。
【請求項6】
前記急加熱ユニットは1以上のインダクタ(20)を有することを特徴とする請求項4または5に記載のプラント。
【請求項7】
600,000〜2,000,000トン/年の生産性を得るためには、30〜70mmのスラブの厚みで操作できるように構成され、
1,000,000〜2,800,000トン/年の生産性を得るためには、60〜100mmのスラブの厚みで操作できるように構成され、
1,500,000〜3,500,000トン/年の生産性を得るためには、80〜140mmのスラブの厚みで操作できるように構成されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のプラント。
【請求項8】
前記加熱とメンテナンスを行うトンネル炉(15)が、連続鋳造機(11)と第1荒削りスタンド(18a)の間に位置し、
2〜5個のコイルの重量に相当する薄型スラブの量を含むような長さを有する請求項4〜7のいずれかに記載のプラント。
【請求項9】
前記トンネル炉が、第1鋳造ラインと平行な第2鋳造ラインと接続するための移動可能部分(115a)を有する請求項4〜8のいずれかに記載のプラント。
【請求項10】
前記加熱とメンテナンスのトンネル炉(15)は、前記スラブの断片が前記加熱とメンテナンスを行うトンネル炉(15)の内側に残っているとき、または、前記ラインの閉塞の継続中に、前記スラブ表面の接触による形跡やへこみを避けるために、前記スラブを後方と前方に動かすロールを有する請求項4〜9のいずれかに記載のプラント。
【請求項11】
前記インダクタ炉(20)は、20〜80m/分の間の帯状板の供給速度に対応して、5〜25mmの間の製品厚みの範囲で働くように構成されていることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載のプラント。
【請求項1】
30〜140mmの厚みの薄型スラブの形態に鋳造される全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの間で変化する厚みの帯状板を得るための圧延ライン(10)における圧延方法であって、前記ライン(10)は少なくとも、
連続鋳造機(11)と、
メンテナンス、均質化および必要に応じて加熱を行うトンネル炉(15)と、
1〜4個の圧延スタンド(18a、18b、18c)を備える荒削りトレインと、3〜7個のスタンド(21a〜21e)を備える仕上げトレインと、を有する圧延トレインと、
選択的に活性されることが可能な要素を有し、前記荒削りトレインと前記仕上げトレインの間に入れられる急加熱ユニット(20)と、を備え、
前記圧延ライン(10)のそれぞれのレイアウトのために、
前記ユニット(20)の上流に配置される荒削りトレインを形成するスタンド(18a、18b、18c)の数と、
前記ユニット(20)の下流に配置される仕上げトレインを形成するスタンド(21a〜21e)の数と、
を決める急加熱ユニット(20)の位置が、
前記製品の厚みと、薄型スラブの速度と、の関数として計算され、
前記製品は、トン/時間で表わされる望ましい時間あたりの生産性の関数により得られ、
前記方法は、コイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モード、準エンドレスモードまたはエンドレスモードとして機能し、
前記製造される鋼材の前記品質と、鋼材の前記品質のために可能な最大の鋳造速度と、前記帯状板の前記最終厚みと、前記製造コストと、にしたがって、前記圧延プロセスの前記3つのモードのうちから1つを選択することを特徴とする圧延方法。
【請求項2】
前記急加熱ユニット(20)の位置が、
流量=厚み×速度を決めるために、前記要求される時間あたりの生産性および前記製造される鋼材の品質の関数として、可能な最大鋳造速度と、前記スラブの厚みと、を選択する工程a)と、
得られる望ましい最終の帯状板の厚みと、鋳造機からの出口の前記スラブの前記厚みと、の関数として前記圧延トレインの全てのスタンドの最小の数を決める工程b)と、
前記工程a)で特定された前記流量の関数の関数にしたがって、仕上げトレインが有するスタンドの最大の数を決定し、この差から、前記荒削りトレインが有するスタンドの最大の数を決定する工程c)と、
加熱とメンテナンスを行うトンネル炉の出口から仕上げトレインの出口までの温度変化プロファイルを考慮して、全体として同じ数が与えられた場合の前記荒削りスタンドと前記仕上げスタンドとの間の区分けと、急加熱ユニットを置く最適位置と、を決定する工程d)と、
より決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
20〜80m/分の間の帯状板の供給速度に対応するように、前記急加熱ユニットは5〜25mmの製品厚みの範囲で働くように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
30〜140mmの厚みの薄型スラブの形態に鋳造される全ての品質の鋼材が用いられ、0.7〜20mmの間で変化する厚みの帯状板を得るための圧延プラントであって、少なくとも、
連続鋳造装置(11)と、
加熱、メンテナンスまたは均質化を行うトンネル炉(15)と、
1〜4個の圧延スタンド(18a、18b、18c)を備える荒削りトレインと、3〜7個のスタンド(21a〜21e)を備える仕上げトレインと、を有する圧延トレインと、
選択的に活性されることが可能な要素を有し、前記荒削りトレインと前記仕上げトレインの間に入れられる急加熱ユニット(20)と、を有し、
前記圧延ライン(10)のレイアウトごとに、
前記製品の厚みと薄型スラブの速度の関数である複数の前記急加熱ユニット(20)の上流に配置される荒削りスタンド(18a、18b、18c)と前記急加熱ユニット(20)の下流に配置される複数の仕上げスタンド(21a〜21e)を備え、
トン/時間で表わされる望ましい時間あたりの生産性の関数として前記製品が得られ、
前記方法はコイル−トゥ−コイル(coil−to−coil)モード、準エンドレスモードまたはエンドレスモードとして機能し、
前記製造される鋼材の前記品質と、鋼材の前記品質のために可能な最大の鋳造速度と、前記帯状板の前記最終厚みと、前記製造コストと、にしたがって、前記圧延プロセスの前記3つのモードのうちから1つを選択することを特徴とする圧延プラント。
【請求項5】
前記急加熱ユニット(20)は、
前記圧延スタンドの間の位置に関するパラメーターにしたがって構成され、
エンドレスまたは準エンドレスモードによって前記鋳造されたスラブに対して仕上げトレインの最後の圧延スタンド(21e)に少なくとも830〜850℃の温度で到達するような方法により加熱とサイジングを行うことを特徴とする請求項4に記載のプラント。
【請求項6】
前記急加熱ユニットは1以上のインダクタ(20)を有することを特徴とする請求項4または5に記載のプラント。
【請求項7】
600,000〜2,000,000トン/年の生産性を得るためには、30〜70mmのスラブの厚みで操作できるように構成され、
1,000,000〜2,800,000トン/年の生産性を得るためには、60〜100mmのスラブの厚みで操作できるように構成され、
1,500,000〜3,500,000トン/年の生産性を得るためには、80〜140mmのスラブの厚みで操作できるように構成されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のプラント。
【請求項8】
前記加熱とメンテナンスを行うトンネル炉(15)が、連続鋳造機(11)と第1荒削りスタンド(18a)の間に位置し、
2〜5個のコイルの重量に相当する薄型スラブの量を含むような長さを有する請求項4〜7のいずれかに記載のプラント。
【請求項9】
前記トンネル炉が、第1鋳造ラインと平行な第2鋳造ラインと接続するための移動可能部分(115a)を有する請求項4〜8のいずれかに記載のプラント。
【請求項10】
前記加熱とメンテナンスのトンネル炉(15)は、前記スラブの断片が前記加熱とメンテナンスを行うトンネル炉(15)の内側に残っているとき、または、前記ラインの閉塞の継続中に、前記スラブ表面の接触による形跡やへこみを避けるために、前記スラブを後方と前方に動かすロールを有する請求項4〜9のいずれかに記載のプラント。
【請求項11】
前記インダクタ炉(20)は、20〜80m/分の間の帯状板の供給速度に対応して、5〜25mmの間の製品厚みの範囲で働くように構成されていることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載のプラント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−235353(P2011−235353A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−125853(P2010−125853)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(510152666)
【氏名又は名称原語表記】DANIELI&C.OFFICINE MECCANICHE SPA
【住所又は居所原語表記】Via Nazionale,41−33042 Buttrio(UD),Italy
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125853(P2010−125853)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(510152666)
【氏名又は名称原語表記】DANIELI&C.OFFICINE MECCANICHE SPA
【住所又は居所原語表記】Via Nazionale,41−33042 Buttrio(UD),Italy
【Fターム(参考)】
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