説明

圧着端子及びボルト締め端子

【課題】ワイヤバレルについて曲げ等に抗した強度は確保しつつ芯線に対する十分な抜け止め力を得る。
【解決手段】金属板をプレス加工することで形成され、ボルト孔13が開口された平板状の接続部12と、この接続部12の周縁の一部から延出された首部14と、電線30における芯線31の端末が圧着されるべく首部14からさらに後方に延出して形成されたワイヤバレル15とを有するとともに、接続部12、首部14及びワイヤバレル15の底部に亘って重ねられる補強板20が連結部25を介して折り重ね可能に一体形成されている。補強板20におけるワイヤバレル15の底部に重ねられる舌片部23では、両側縁に、複数の食込用溝40が同側縁の長さ方向に沿って間隔を開けて列設され、舌片部23ともどもワイヤバレル15が電線30の芯線31にかしめ圧着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バレルを圧着することで電線の端末に接続される圧着端子並びにボルト締め端子に関する。
【背景技術】
【0002】
ボルト締め端子の一例であるアース端子は、金属板をプレス加工することによって、ボルト孔が開口された環形板状の接続部の後縁に、首部を介してワイヤバレルとインシュレーションバレルとを連設した形状に形成され、被覆電線における芯線と絶縁被覆との端末がそれぞれワイヤバレルとインシュレーションバレルとにかしめ圧着されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。そして例えば、同アース端子の接続部を自動車のボディ等に当て、ボルト孔に通したボルトをねじ込んで固定することでアースを取るようになっている。
【0003】
このようにアース端子がボディ等に固定された場合、メンテナンス等において、アース端子から引き出された電線に誤って工具等を引っ掛けて電線を後方に引っ張るような事態が生じ兼ねず、芯線や被覆の端末が圧着されたワイヤバレルとインシュレーションバレルから抜けて外れるおそれがある。ここで単にバレルの圧着力を増大したのでは、ワイヤバレルの場合は芯線切れが、またインシュレーションバレルの場合は被覆の破断が心配される。
そこで特にワイヤバレルにおける保持力を高めるために、ワイヤバレルの内面に対して、芯線の軸線方向と直交する方向に延びたセレーションを複数本形成し、ワイヤバレルを芯線に圧着した場合に、セレーションを芯線の外周に食い込ませ、芯線の抜けに抗する力、すなわち保持力を増大させる対策が講じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−305741号公報(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来のようにワイヤバレルに対してセレーションを形成したものでは、例えばアース端子がボディに固定されたのち、電線が同アース端子の軸線とは直角な方向に曲げられて引っ張られたような場合には、ワイヤバレルが薄肉となったセレーションを境にして屈曲するおそれがあり、端的にはワイヤバレルの曲げに対する強度低下が懸念され、さらなる改良が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、ワイヤバレルに対して曲げ等に抗した強度は確保しつつ芯線に対する十分な抜け止め力が得られるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の圧着端子は、金属板をプレス加工することで形成され、導電部材との接続部の後方に電線における芯線の端末に圧着されるワイヤバレルが設けられた圧着端子において、前記ワイヤバレルの底部に重ねられる重畳板が折り重ね可能に一体形成され、この重畳板における前記芯線の軸線方向に沿った両側縁のうち少なくともいずれか一方の側縁には、複数の食込用溝が同側縁の長さ方向に沿って間隔を開けて列設されており、前記重畳板ともども前記ワイヤバレルが前記電線の芯線にかしめ圧着される構成としたところに特徴を有する。
【0007】
電線の圧着前には、ワイヤバレルが上方に開いた形状に曲げ形成されていることに伴い、重畳板もワイヤバレルの底部の形状に倣って上方に開いた形状となり、上方を向いた重畳板の両側縁のうちの少なくとも一方に、複数の食込用溝が長さ方向に沿って列設された形態となる。係る状態からワイヤバレル内に電線の芯線が挿通されてかしめ圧着されると、それに伴い重畳板の側縁の食込用溝が芯線における側面側の外周に食い込み、芯線が軸線方向に移動しようとする際の引っ掛かりとなり、すなわち芯線の抜け止め力が強化される。しかも従来のセレーションを形成した場合とは違って、ワイヤバレルの底部が逆に重畳板で補強される形態となって、軸線方向と交差する方向の曲げ強度にも優れる。
食込用溝を形成するに当たっては、金属板から展開形状の圧着端子を打ち抜くことと併せて形成でき、格別のプレス加工を設ける必要がない。
【0008】
また、前記ワイヤバレルは首部を介して前記接続部の後方に設けられているとともに、前記重畳板が前記首部から前記ワイヤバレルの底部に亘って重ねられるようになっており、この重畳板における前記ワイヤバレルに重ねられる部分の前記側縁に前記食込用溝が形成されている構成としてもよい。曲げ強度に劣りがちな首部について、その増強を併せて図ることができる。
【0009】
本発明のボルト締め端子は、金属板をプレス加工することで形成され、ボルト孔が開口された平板状の接続部と、この接続部の周縁の一部から延出された首部と、電線における芯線の端末が圧着されるべく前記首部からさらに後方に延出して形成されたワイヤバレルとを有するとともに、前記接続部、前記首部及び前記ワイヤバレルの底部に亘って重ねられる補強板が連結部を介して折り重ね可能に一体形成され、前記補強板における前記ワイヤバレルの底部に重ねられる部分では、前記芯線の軸線方向に沿った両側縁のうち少なくともいずれか一方の側縁に、複数の食込用溝が同側縁の長さ方向に沿って間隔を開けて列設されており、前記補強板ともども前記ワイヤバレルが前記電線の芯線にかしめ圧着される構成としたところに特徴を有する。
【0010】
補強板が折り重ねられたのちワイヤバレルが上方に開いた形状に曲げ形成されると、同補強板のワイヤバレルの底部に重ねられた部分も上方に開いた形状となり、上方を向いた両側縁のうちの少なくとも一方に、複数の食込用溝が長さ方向に沿って列設された形態となる。ワイヤバレル内に電線の芯線が挿通されてかしめ圧着されると、補強板の側縁の食込用溝が芯線における側面側の外周に食い込むことで芯線の抜け止め力が強化される。同じく食込用溝を形成するに当たっては、金属板から展開形状のボルト締め端子を打ち抜くことと併せて形成でき、格別のプレス加工を設ける必要がない。
接続部、首部及びワイヤバレルの底部に亘って厚肉とされることで曲げ等の強度が確保される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ワイヤバレルについて曲げ等に抗した強度は確保しつつ芯線に対する十分な抜け止め力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るアース端子の製造工程を示す平面図
【図2】図1の部分Aの拡大図
【図3】被覆電線の端末にアース端子を圧着する動作を示す斜視図
【図4】アース端子の圧着前の状態の背面図
【図5】ワイヤバレルの圧着前の状態の平面図
【図6】図5のVI−VI線断面図
【図7】ワイヤバレルが芯線に圧着された状態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図7によって説明する。本実施形態では、ボルト締め端子の一例であるアース端子10を例示している。
本実施形態のアース端子10は、図3に示すように、ボルト孔13が開口された接続部12の後方に、首部14を介して共にオープンバレル形式のワイヤバレル15とインシュレーションバレル16とが連設された端子本体11と、同端子本体11における接続部12、首部14及びワイヤバレル15の底部に亘って重ねられる補強板20とから構成されている。
【0014】
端子本体11と補強板20とは繋がって一体的に形成されており、フープ材がプレス加工ラインを送られる間に、切断、曲げ加工等が順次に施されて所定形状のアース端子10が形成されるようになっている。
フープ材は、導電性に優れた銅合金等の金属板製であって、板厚が0.4mmと比較的薄いものである。
【0015】
切断加工においては、図1の下側に示すように、キャリア28の一側縁に端子本体11が同キャリア28と直角をなす姿勢で形成され、端子本体11の先に補強板20が一列に繋がるようにして形成されている。
端子本体11の接続部12は、一部既述したように、中心に円形のボルト孔13が開口された円環形状に形成されている。この接続部12の後縁における幅方向(端子本体11の軸線方向と直交する方向)の一側(図1の下側)には、バレル15,16との連結部分となる首部14が延出形成されている。
【0016】
首部14の後方には、ワイヤバレル15とインシュレーションバレル16とが間隔を開けて形成されている。ワイヤバレル15は、被覆電線30における芯線31の端末にかしめられるものであって、曲げ加工前は、底板15Bの両側縁から背が低く幅広の一対のバレル片15Aが張り出し形成されている。インシュレーションバレル16は、被覆電線30における絶縁被覆32の端末にかしめられるものであって、曲げ加工前は、上記したワイヤバレル15側から延出された底板16Bの両側縁から背が高く幅狭の一対のバレル片16Aが張り出し形成されている。このインシュレーションバレル16における底板16Bの後縁が、キャリア28と繋がれている。
【0017】
端子本体11における接続部12の前縁側には、折り曲げ可能な連結部25を介して補強板20が繋がって形成されている。この補強板20は、上記した接続部12から首部14に亘って重なる本体部21から、ワイヤバレル15の底板15Bに重なる舌片部23が延出形成された形状であって、上記した連結部25を中心に線対称をなすようにして形成され、同補強板20は、連結部25を中心として180度回動されて、端子本体11の展開形状における接続部12から首部14、ワイヤバレル15の底板15Bに亘って折り重ねられるようになっている。
【0018】
より詳細には、補強板20の本体部21における接続部12と重なる部分では、同接続部12と整合した外形を有するとともに、ボルト孔13と整合した中心孔22を有している。本体部21における首部14と重なる部分は、同首部14とともに曲げ加工されて上縁が揃った側壁が形成されるように、展開形状における首部14よりも少し幅狭に形成されている。
舌片部23は、展開形状におけるワイヤバレル15の底板15Bよりも少し幅狭に形成されていて、底板15Bに重ねられたのちワイヤバレル15が曲げ加工されることに伴い、図6に示すように、円弧形に曲げられた底板15Bの上面のほぼ全面に密着して重なるようにして、上開きの円弧形(略1/3円)をなすように曲げ形成されるようになっている。
【0019】
さて、上記した舌片部23の左右両側縁にはそれぞれ、複数(図示12個)の食込用溝40が同側縁の長さ方向に沿って間隔を開けて列設されている。より詳細には、食込用溝40は、図2に示すように、断面逆三角形をなし、側縁の全長に亘って切られている。
また、食込用溝40は、図1の下側に示すように、母材であるフープ材から展開形状のアース端子10を打ち抜く工程において、併せて打ち抜かれて形成されるようになっている。
【0020】
アース端子10は、以下のようにして形成される。図1の下側に示すように、フープ材に切断加工が施されて、展開形状になる端子本体11と補強板20とが横一列に繋がった形態で形成され、このとき併せて、補強板20の舌片部23における左右両側縁に、それぞれ食込用溝40が形成される。
次にワイヤバレル15とインシュレーションバレル16のそれぞれの両バレル片15A,16Aの先端が叩かれて先細り形状とされる。
【0021】
そののち同フープ材が図1の矢線に示す方向に搬送される間に順次に曲げ加工が施され、まず補強板20が、連結部25を中心として180度回動されて、端子本体11の接続部12、首部14及びワイヤバレル15の底板15Bに亘って折り重ねられ、そののち首部14から両バレル15,16に亘って、斜め上開きの断面略U字状に曲げ形成される(図1の上側参照)。最後に、端子本体11におけるインシュレーションバレル16の後縁がキャリア28から切り離されることで、図3及び図4に示すようなアース端子10が完成される。
【0022】
このときのアース端子10は、端子本体11の接続部12から、首部14における側壁の内面を含む上面に亘って、補強板20の本体部21が密着して重なった二重板構造となる。また、ワイヤバレル15では、図4及び図6に示すように、円弧形に曲げられた底板15Bの上面に、舌片部23が上開きの円弧形(略1/3円)をなして密着して重なった状態にある。
なお、ワイヤバレル15については、曲げ形成された底板15Bの部分が二重板構造で、両バレル片15Aのみが一枚板構造である。インシュレーションバレル16については、曲げ形成された底板16Bから両バレル片16Aに亘る全てが一枚板構造である。その結果、インシュレーションバレル16の底部は、ワイヤバレル15の底部と比べて一段落ち込んだ形態となる。
【0023】
このような形状になるアース端子10が、被覆電線30にかしめ圧着される。それにはまず、図3に示すように、被覆電線30の絶縁被覆32の端末が皮剥きされ、芯線31の端末が所定長さに亘って露出状態とされる。
この状態から圧着装置を用いて圧着作業が行われる。圧着装置にはアンビルとクリンパとが設けられ、アンビル上に載置されたアース端子10のバレル15,16に対して、上記のように処理された被覆電線30の端末がセットされる。被覆電線30における芯線31の端末が、ほぼ全長に亘って二重板構造となったワイヤバレル15の底部に載せられ、一方、絶縁被覆32の端末が、一枚板のインシュレーションバレル16の底部に載せられる。
【0024】
続いて、クリンパが下降することで、両バレル15,16がアンビルとの間で挟圧され、ワイヤバレル15は芯線31の端末に、インシュレーションバレル16は絶縁被覆32の端末にそれぞれかしめられる。詳細には、ワイヤバレル15は、ハート型と称して、図7に示すように、両バレル片15Aの突出端を突き合わせつつ芯線31に食い込ませる形態でかしめられる。ここで、バレル片15Aは、板厚が0.4mmと比較的薄肉であるから、細線についても、芯線31内によく食い込ませることができる。
【0025】
ワイヤバレル15がかしめられることに伴い、補強板20における舌片部23もかしめられて、同舌片部23の左右の側縁に形成された食込用溝40が、芯線31における底部側の両側部の外周に食い込んだ状態となる。
なお、インシュレーションバレル16は、両バレル片16Aがオーバラップ形式で巻き付けられるようにして絶縁被覆32の端末にかしめられる。
【0026】
このように被覆電線30の端末に圧着されたアース端子10は、自動車のボディの所定箇所に当てられ、整合したボルト孔13と中心孔22とにボルトを通してボディ側に設けられたナットに螺合して締め付けることで補強板20ともども接続部12が固定され、または、ボディから立てられたスタッドボルトに整合したボルト孔13と中心孔22とを通したのち、スタッドボルトにナットを螺合して締め付けることで、同じく補強板20ともども接続部12がボディに固定され、これにより被覆電線30のアースが取られることになる。
【0027】
以上のように本実施形態のアース端子10によれば、端子本体11における接続部12、首部14及びワイヤバレル15の底部に亘って厚肉とされることで、係る部分における曲げ等に抗した強度が確保される一方、ワイヤバレル15のバレル片15Aは相対的に薄肉に留められるから、かしめられた場合に被覆電線30の芯線31内に食い込みやすく、芯線31に対する圧着力が高められる。
【0028】
それに加え、図7に示すように、補強板20における舌片部23の両側縁の食込用溝40が、芯線31における底部側の外周に食い込み、芯線31が軸線方向に移動しようとする際の引っ掛かりとなることから、例えば被覆電線30が後方に引っ張られて芯線31が抜けようとすることが防止される。すなわち芯線31の抜け止め力が強化される。
【0029】
従来のようにワイヤバレルに対してセレーションが形成されたものでは、アース端子がボディに固定されたのち、被覆電線30が同アース端子の軸線とは直角な方向に曲げられて引っ張られたような場合には、ワイヤバレルが薄肉となったセレーションを境にして屈曲するおそれがあり、すなわち曲げ強度に劣る嫌いがある。
しかしながら本実施形態では、ワイヤバレル15の底部が逆に舌片部23で補強される形態となって、軸線方向と交差する方向の曲げ強度にも優れたものとなる。
【0030】
また、舌片部23の食込用溝40を形成するに当たっては、フープ材から展開形状のアース端子10を打ち抜くことと併せて形成でき、食込用溝40を成形するべく格別のプレス加工工程を設ける必要がない。
なお、両バレル15,16をかしめた後は、径の大きい絶縁被覆32がかしめられたインシュレーションバレル16の底部が一段落ち込んだ形態であるから、両バレル15,16間で被覆電線30が上下に芯ずれすることが回避され、例えば芯線31が屈曲されて芯線切れを起こし難くなる。
【0031】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)食込用溝の大きさ並びに数は、ワイヤバレルの大きさ等の条件に応じて任意に選定できる。
(2)食込用溝の断面形状は、上記実施形態に例示したものに限らず、台形やあり溝形等、他の形状であってもよい。
(3)食込用溝は舌片部の一側縁だけに形成されていてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(4)補強板は、端子本体と一体形成される際の配置を工夫することにより、端子本体の首部とワイヤバレルにのみ重なるものであってもよい。
【0032】
(5)本発明は、バッテリ端子等の他の用途のボルト締め端子にも適用可能である。
(6)さらに本発明は、相手の導電部材と接続される接続部の後方に、電線に圧着されるバレルを備えた圧着端子全般に適用可能である。この場合は、少なくとも食込用溝を設けた舌片部(重畳板)がワイヤバレルの底部に折り重ね可能に一体形成されていればよい。
(7)バレルとしてはワイヤバレルのみを備え、インシュレーションバレルを備えていない形式のボルト締め端子、さらには圧着端子にも適用可能である。
【符号の説明】
【0033】
10…アース端子
11…端子本体
12…接続部
13…ボルト孔
14…首部
15…ワイヤバレル
15A…バレル片
15B…底板
20…補強板
21…本体部
22…中心孔
23…舌片部(重畳板)
25…連結部
30…被覆電線
31…芯線
32…絶縁被覆
40…食込用溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板をプレス加工することで形成され、導電部材との接続部の後方に電線における芯線の端末に圧着されるワイヤバレルが設けられた圧着端子において、
前記ワイヤバレルの底部に重ねられる重畳板が折り重ね可能に一体形成され、この重畳板における前記芯線の軸線方向に沿った両側縁のうち少なくともいずれか一方の側縁には、複数の食込用溝が同側縁の長さ方向に沿って間隔を開けて列設されており、前記重畳板ともども前記ワイヤバレルが前記電線の芯線にかしめ圧着される構成としたことを特徴とする圧着端子。
【請求項2】
前記ワイヤバレルは首部を介して前記接続部の後方に設けられているとともに、前記重畳板が前記首部から前記ワイヤバレルの底部に亘って重ねられるようになっており、この重畳板における前記ワイヤバレルに重ねられる部分の前記側縁に前記食込用溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧着端子。
【請求項3】
金属板をプレス加工することで形成され、
ボルト孔が開口された平板状の接続部と、この接続部の周縁の一部から延出された首部と、電線における芯線の端末が圧着されるべく前記首部からさらに後方に延出して形成されたワイヤバレルとを有するとともに、
前記接続部、前記首部及び前記ワイヤバレルの底部に亘って重ねられる補強板が連結部を介して折り重ね可能に一体形成され、
前記補強板における前記ワイヤバレルの底部に重ねられる部分では、前記芯線の軸線方向に沿った両側縁のうち少なくともいずれか一方の側縁に、複数の食込用溝が同側縁の長さ方向に沿って間隔を開けて列設されており、
前記補強板ともども前記ワイヤバレルが前記電線の芯線にかしめ圧着される構成としたことを特徴とするボルト締め端子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−9384(P2012−9384A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146339(P2010−146339)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】