説明

圧縮成形装置及び圧縮成形方法

【課題】成形型に供給する合成樹脂の偏りを抑制し、さらには圧縮成形する合成樹脂の形状をこれから成形しようとする前成形体の形状に成形しやすくすること。
【解決手段】雌型31は、可動ロッド34と可動ロッド34を囲繞する雌型本体33とを含み、雌型本体33には上方に開放されたキャビティー孔33aが形成されており、可動ロッド34は通常位置と通常位置よりも上方に移動された上昇位置との間を昇降動する。合成樹脂の切断・保持ユニット14は、合成樹脂8の下端を挟持部材15,16から下方へ突出させ、雌型31の直上方に移送されると、挟持部材15,16を下降させて、合成樹脂8を載置する可動ロッド34の載置面34aの所定位置に合成樹脂8の下端を当接させ、さらに合成樹脂8を下端側へ押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂によって成形される蓋、容器、容器のプリフォームなどを圧縮成形する圧縮成形装置と圧縮成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料等のための容器として、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような合成樹脂から形成された合成樹脂製容器が広く実用に供されている。ブロー成形することによって合成樹脂製容器にされる前成形体(プリフォーム)は、圧縮成形装置を用いた圧縮成形によって成形が可能である。このような圧縮成形の遂行に際し、押出機のダイヘッドの吐出口から押し出された溶融状態の合成樹脂は、樹脂供給装置によって圧縮成形装置に供給される。圧縮成形装置では、溶融状態の合成樹脂を圧縮成形して前成形体を成形し、次いでかかる前成形体をブロー成形することによって、容器を形成することができる。
【0003】
下記の特許文献1には、前成形体の圧縮成形方法が開示されている。かかる圧縮成形方法においては、押出機の押出開口から押し出された溶融状態の合成樹脂をカッターで切断し、切断された合成樹脂(ドロップ)を圧縮成形装置の樹脂供給域に搬送している。樹脂供給域では、所定案内位置に位置させている案内手段を通して切断された合成樹脂を、開状態にある成形型の上方に開放された凹部内に、落下するようにしている。そして、成形型を閉状態にし、凹部内に落下された合成樹脂を所定形状に圧縮成形している。
【0004】
上述の合成樹脂の案内手段は、下方に向かって断面積が漸次減少する逆円錐台形状の上部案内路と上部案内路に続く直立筒形状の下部案内路とを有している。下部案内路の断面形状は、上部案内路の下端の断面形状と実質上同一である。案内手段を通して、成形型の凹部内に合成樹脂を落下させる際には、案内手段はその上部案内路及び下部案内路の中心軸線を凹部の中心軸線に合致させた案内位置に位置するようにし、合成樹脂は案内手段の上部案内路及び下部案内路を通る際に、凹部の中心位置に位置合わせされる。
【特許文献1】特開2000−280248号公報(合成樹脂の位置合わせに関する記載がある)
【特許文献2】特表2007−508966号公報(雄型を下型とし雌型を上型とする成形金型の記載がある)
【特許文献3】特公平6−2359号公報(雄型を下型とし雌型を上型とする成形金型の記載がある)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている圧縮成形方法には、次のとおりの解決すべき問題が存在することが判明した。例えば広口容器を成形するための前成形体を圧縮成形する成形型においては、凹部の内径が比較的大きく、切断された合成樹脂の外径に対して凹部の内径が相当大きくなる。特に合成樹脂の外径に対して凹部の内径が相当大きい場合に、案内手段を通ることによって一旦は凹部の中心に位置合わせされた合成樹脂が、凹部内に落下した後に凹部の中心に対して移動し、凹部内に偏って位置されてしまう傾向がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、成形型における凹部内の合成樹脂の偏りを充分に抑制して合成樹脂を凹部内に所要とおりに位置させ、さらには圧縮成形する合成樹脂の形状をこれから成形しようとする成形体又は前成形体の形状に成形しやすくすることができる圧縮成形装置及び圧縮成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の圧縮成形装置は、合成樹脂素材の圧縮成形を行う上金型(雌金型又は雄金型)と下金型(雄金型又は雌金型)、及び合成樹脂素材の搬入手段(切断・保持ユニット)を具備し、搬入手段は合成樹脂素材が下方に突出した状態で降下し、合成樹脂素材を下金型に押し付けて解放するようにした。
上記圧縮成形装置は、前記搬入手段の上下方向長さが、保持する合成樹脂素材の上下方向長さよりも小さくすることができる。
上記圧縮成形装置は、保持している合成樹脂素材を強制的に下方に作用させる手段(噴き出しノズル又は昇降ロッド)をさらに備えることができる。
上記目的を達成するために、本発明の圧縮成形方法は、合成樹脂素材の搬入手段の下端から合成樹脂素材を下方へ突出させて保持し、搬入手段を下金型の直上方まで搬送し、搬入手段を下降させて合成樹脂素材を下金型に押し付けた後、搬入手段が合成樹脂素材を解放し、下金型と上金型とによって合成樹脂素材を圧縮成形するようにした。
上記圧縮成形方法は、前記下金型及び上金型によって合成樹脂素材を圧縮成形する前に、合成樹脂素材を任意の形状に成形することができる。
詳しくは、上記圧縮装置は、上方(又は下方に)に開放された成形凹部を有する雌型部材、該雌型部材の上方(又は下方)に配置され該雌型部材に対して相対的に昇降動されて、該雌型部材と協働して成形空間を規定する閉位置と該雌型部材から上方に離隔して位置する開位置とに選択的に位置される雄型部材、及び合成樹脂素材搬入手段を具備し、該合成樹脂素材搬入手段は合成樹脂素材の貫通孔を規定する搬入部材を含み、該搬入部材は雄型が開位置にあるときに該雄型部材と雌型部材との間に位置せしめられる圧縮成形装置において、該合成樹脂搬入手段は搬入部材を昇降動せしめるための昇降手段を含み、該搬入部材の該貫通孔の上下方向長さは該貫通孔内に保持せしめられる合成樹脂素材の上下方向長さよりも大きく、該搬入部材は該貫通孔に保持せしめられた合成樹脂素材が該貫通孔から下方に突出した状態で該雌型部材に対向してその上方に位置せしめられ、次いで、該搬入部材が下降せしめられて合成樹脂素材の下端が該雌型部材に押し付けられ、しかる後に該搬入部材から解放することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の圧縮成形装置及び圧縮成形方法は、合成樹脂素材の圧縮成形を行う上金型と下金型、及び合成樹脂素材の搬入手段を具備し、搬入手段は合成樹脂素材が下方に突出した状態で降下し、合成樹脂素材を下金型に押し付けて解放するので、合成樹脂を下金型に対して正確な位置に配置することができる。
上記圧縮成形装置及び圧縮成形方法は、合成樹脂素材が該雌型部材の該中央部材の上面上に或いは該雄型部材上に到達した後も、例えば該気体流噴射手段による気体流の噴射或いは該押下部材による合成樹脂素材を強制的に下方に作用させる手段によって、強制が継続されて合成樹脂素材が予備成形されるので、予め合成樹脂素材が圧縮成形されやすい形状に成形され、位置ズレもないことから圧縮成形時の合成樹脂素材の方向性もよく、均一に周囲に拡がることができる。また、樹脂塊の金型への受け渡しを高速・短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態による圧縮成形装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の圧縮成形方法の好適実施形態を実施するための成形システム1の概略平面図、図2は図1の成形システムの一部を示す部分拡大平面図である。
この成形システム1は、押出機2、合成樹脂供給装置3、圧縮成形装置4及び搬出装置5を備えている。
押出機2は、ほぼ筒状の外形を有しており、PP、PET等の合成樹脂素材を加熱溶融及び混練して、合成樹脂を生成する。押出機2の先端側は、実線で示す非作用位置と二点鎖線で示す作用位置との設定角度間を、回動自在に装着されている押出ノズル7を含んでいる。この押出ノズル7にはその先端部下面に形成されている図3のA及びBに示す押出開口20まで延びる樹脂流路が形成されている。すなわち、押出機2は溶融合成樹脂8を押出ノズル7に連続的に送出し、押出機2から送出された合成樹脂8が押出開口20から押し出される。成形システム1の作動時では、押出ノズル7は図1の二点鎖線で示す作用位置に待機されている。
【0010】
図1及び図2を参照して説明すると、合成樹脂供給装置3は矢印aで示す方向に回転駆動する回転円盤11を含んでいる。この回転円盤11の周縁には、周方向に等間隔をおいて複数個の切断・保持ユニット14が配設されている。回転円盤11の回転に応じて、切断・保持ユニット14は、回転円盤11の周縁に沿って延在する円形搬送径路を通して搬送され、上記押出ノズル7の押出開口20に対向してその直ぐ下方に位置する受入域18、及び圧縮成形装置4の所定部位(後に詳述する如く、雌型又は雄型の溶融樹脂の載置部若しくは凹部)に対向してその上方に位置する樹脂供給域21を通して搬送される。
【0011】
図2と共に図3を参照して説明を続けると、切断・保持ユニット14の各々は、カッター17、第1の挟持部材15及び第2の挟持部材16を有する。第1の挟持部材15と第2の挟持部材16とは協働して、移動方向前面と共に上面及び下面が開放された受入空間を規定している。第2の挟持部材16は、図3のAに示す第1の挟持部材15から離隔する開放位置と、図3のBに示す第1の挟持部材15に接近する挟持位置との間を適宜に移動することができる。
挟持部材15,16の上下方向の長さは、押出ノズル7から下方へ吐出されて、カッター17により切断された後の合成樹脂8の一単位(ドロップ)の長さよりも短く形成している。すなわち、挟持部材15,16が合成樹脂8を保持しているときに、挟持部材15,16の下端よりも合成樹脂8の下端が下方へ突出するようにしている(挟持部材15,16の平面図は図15のAを参照)。
合成樹脂8を切断するカッター17は、挟持部材15,16の受入空間の上方を横方向に延びている。切断・保持ユニット14が受入域18を通過する直前には、図3のAに示すように、第2の挟持部材16は開放位置にあり、押出ノズル7の押出開口20から押し出されている溶融状態の合成樹脂8が受入空間内に受け入れられる。
【0012】
カッター17はその上面が押出ノズル7の下面に接触乃至近接して移動され、押出ノズル7の下面と協働して、押出開口20から押し出されている合成樹脂8を切断する。カッター17が合成樹脂8を切断し始めた後の適宜の時点で、図3のBに示すように、第2の挟持部材16が挟持位置に移動され、こうして押出開口20から切断された切断合成樹脂8が、第1の挟持部材15と第2の挟持部材16との間に挟持される。
切断・保持ユニット14が樹脂供給域21を通過する際には、第2の挟持部材16が開放位置に移動され、第1の挟持部材15と第2の挟持部材16との協働による合成樹脂8の挟持が解放される。
図4は、本発明の第1の実施形態における金型22を示し、金型22は雌型23と雄型24とから構成され、雌型23は中央部に上方に開放された凹部23aが形成され、凹部23aの底部に合成樹脂8の載置面23bを形成している。
雄型24は、雄型本体25と雄型本体25の中央部の孔に配設されているコア型26とを備えている。雄型24は図示しない駆動手段によって、上下動することができる。
【0013】
次に、本発明の第1の実施形態における圧縮成形装置の作用について説明する。
上述した構成により、押出機2は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂素材を加熱溶融及び混練して、合成樹脂8を押出ノズル7に搬送する。図3のA及びBに示すように、押出ノズル7の押出開口20から押し出された合成樹脂8は、カッター17によって切断され、押出開口20から切り離される。合成樹脂8が切り離された時には、第1及び第2の挟持部材15,16を閉じることによって合成樹脂8を保持する。挟持部材15,16は、合成樹脂8の下端を挟持部材15,16から下方へ突出するようにして保持する。切断・保持ユニット14に保持された合成樹脂8は、圧縮成形装置4の雌型23まで移動させられる。
【0014】
こうして、切断・保持ユニット14が圧縮成形装置4の雌型23の同一軌道上となる樹脂供給域21(図2参照)に移動したときに、挟持部材15,16は、雌型23の上方に合成樹脂8を位置させる。このとき、図3のCに示すように、切断・保持ユニット14が図示しない昇降手段によって、挟持部材15,16を雌型23側に下降させる。挟持部材15,16は、合成樹脂8を載置する雌型23の載置面23bの所定位置に合成樹脂8の下端を当接させ、当接した後も合成樹脂8の下端を押圧若しくは押し潰すようにして合成樹脂8を載置面23bに位置決めする。したがって、挟持部材15,16が雌型23に接触しないように、合成樹脂8の下端は挟持部材15,16の下端よりも、十分に下方へ突出している必要がある。
そして、合成樹脂8を載置面23bに載置した後、切断・保持ユニット14の第1及び第2の挟持部材15,16を開状態にして、切断・保持ユニット14を上昇させる。その後、切断・保持ユニット14が、金型22の軌道上から離れる。なお、この際、下記の実施形態に示すような、噴き出しノズル37(図6のC参照)から圧縮空気を合成樹脂8の任意の部位に噴出したり、合成樹脂8をプッシャー51a(図8のC参照)の先端面の形状に応じて、予備成形したりして合成樹脂8の形状を整えてもよい。この場合は、第1及び第2の挟持部材15,16の下部には、拡径部38が形成されているので、合成樹脂8の予備成形を妨げることがない。
【0015】
図4に示す、雄型24が下降することによって、雄型24が雌型23の上に重ねられ、雄型24とともにコア型36が下降して合成樹脂8が圧縮されることによって、容器の圧縮成形が行われる。圧縮成形時では、予め合成樹脂8が圧縮成形されやすい形状に成形され、位置ズレもないことから圧縮成形時の合成樹脂8の方向性もよく、均一に周囲に拡がることができる。こうして、圧縮成形された、プリフォーム(容器又は蓋など)は、冷却後に金型22からとりだされる。
【0016】
なお、本実施形態において、合成樹脂8は一層(一種類)の合成樹脂を用いたが、中心のコア層とコア層の周りにシェル層を有する二層以上の合成樹脂を用いて(特許文献1を参照)、本実施形態と同様な方法で圧縮成形をすることができる。特に、そのような二層以上の合成樹脂は、例えば機械的特性及び衛生性に優れた外側層内にガスバリア性に優れた内側層が包み込まれている構造である場合、合成樹脂の雌型内での偏りは、合成樹脂のコア層が均一に拡がらないという重大な問題を発生させる。本実施形態によれば、多層構造の合成樹脂を圧縮成形するにも好適な効果を有する。これについては、以下に述べる他の実施形態も同様である。
【0017】
図5は、本発明の第2の実施形態における金型30を示し、金型30は雌型31と雄型32とから構成され、雌型31は雌型本体33と可動ロッド34とを備えている。
雌型31は中央部材である円柱形状の可動ロッド34と該可動ロッド34を囲繞する雌型本体33とを含み、該雌型本体33には上方に開放された凹部33cが形成されている。可動ロッド34は、その載置面34aが雌型本体33の凹部33cと協働して、図5及び図6のDに示すキャビティー孔33aを形成する。可動ロッド34は、図6のDに示す通常位置(下降位置)と該通常位置よりも上方に移動された図6のAに示す上昇位置との間を昇降動される。可動ロッド34の上端部は、上方へ突出する緩やかな円弧形状に形成された合成樹脂8の載置面34aを形成している。
雄型32は、雄型本体35と雄型本体35の中央部に配設されているコア型36とを備えている。雄型32は図示しない駆動手段によって、上下に移動することができる。
【0018】
図6のB及びCに示すように、上述の切断・保持ユニット14の合成樹脂8を保持する第1の挟持部材15と第2の挟持部材16は、上記第1の実施形態と同じ構成であり、挟持部材15,16の上下方向の長さは、押出ノズル7から吐出されて、カッター17により切断された後の合成樹脂8の一単位(ドロップ)の長さよりも短く形成し、挟持部材15,16が合成樹脂8を保持しているときに、挟持部材15,16の下端よりも合成樹脂8の下端が下方へ突出するようにする。
挟持部材15,16で形成される合成樹脂8を保持する部位の上方には、気体の噴き出しノズル37を配設し、噴き出しノズル37には図示しない気体の供給手段に接続されている。噴き出しノズル37から噴出される気体は不活性ガスやエアなどの圧縮気体が排出される。第1の挟持部材15及び第2の挟持部材16の下部には、下側へ向かって裾拡がりの拡径部38が形成されている。
【0019】
次に、本発明の第2の実施形態における圧縮成形装置の作用について説明する。
上述した構成により、押出機2は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂素材を加熱溶融及び混練して、合成樹脂8を押出ノズル7に搬送する。押出ノズル7の押出開口20から押し出された合成樹脂8は、カッター17によって切断され、押出開口20から切り離される。合成樹脂8が切り離された時には、第1及び第2の挟持部材15,16を閉じることによって合成樹脂8を保持する。この際、挟持部材15,16は、図3のBに示すように、合成樹脂8の下端を挟持部材15,16から下方へ突出するようにして保持する。閉状態の切断・保持ユニット14に保持された合成樹脂8は、圧縮成形装置4の雌型31の上方位置まで移動させられる。
【0020】
雌型31では、予め図6のAに示すように、可動ロッド34が上昇位置に待機した状態に配置する。切断・保持ユニット14が圧縮成形装置4の雌型31が同一軌道上となる樹脂供給域21(図2参照)に移動したときに、図6のBに示すように、切断・保持ユニット14は、雌型31の可動ロッド34の上方に位置する。このとき、合成樹脂8を載置する可動ロッド34の載置面34aが合成樹脂8に近接した位置に配置され、互いの軌道が樹脂供給域21に移動したときに、切断・保持ユニット14の図示しない昇降手段が、挟持部材15,16を下降させて、挟持部材15,16を雌型31側に下降させる。挟持部材15,16は、合成樹脂8を載置する雌型31の可動ロッド34の載置面34aの所定位置に合成樹脂8の下端を当接させ、当接した後も合成樹脂8を下端側へ押圧若しくは押し潰すように合成樹脂8を載置面34aに位置決めする。そして、合成樹脂8を位置決めした後、挟持部材15,16を開状態にして、合成樹脂8を解放した後、挟持部材15,16を上昇させる。その後、切断・保持ユニット14が、金型22の軌道上から離れる。
この際、噴き出しノズル37から圧縮空気を合成樹脂8の任意の部位に噴出し、合成樹脂8の形状を整えるとともに、合成樹脂8の位置決めを行う。この合成樹脂8の予備成形は、例えば、合成樹脂8の圧縮時に拡げられる方向(合成樹脂が拡がりにくい方向があれば、その方向)へ合成樹脂8の形状を予備成形するとよい。この際、第1及び第2の挟持部材15,16の下部には、拡径部38が形成されているので、合成樹脂8の予備成形を妨げることがない。
【0021】
その後、図6のDに示すように、切断・保持ユニット14が、金型30の軌道上から離れた後、可動ロッド34が下降位置まで、合成樹脂8とともに下降する。合成樹脂8は、形状が整えられ、可動ロッド34上の載置面34aに付着するように保持されているので、合成樹脂8の位置ズレを防止できる。
次いで、雄型32が下降することによって、雄型32が雌型31の上に重ねられ、雄型32とともにコア型36が下降して合成樹脂8が圧縮されることによって、プリフォーム(又は容器、蓋など)の圧縮成形が行われる。圧縮成形時では、予め合成樹脂8が圧縮成形されやすい形状に成形され、位置ズレもないことから圧縮成形時の合成樹脂8の方向性もよく、均一に周囲に拡がることができる。
圧縮成形された、プリフォームなどは、冷却後に金型30からとりだされる。
上記第1の実施形態では、例えば、挟持部材15,16が雌型23の凹部23b内に入り込むような機構であれば、底の深い容器を形成することは可能であるが、挟持部材15,16と凹部23bと干渉するようであれば、底の深い容器には不向きである。本第2の実施形態では、可動ロッド34が上昇して合成樹脂8を向かいに行くので、そのような干渉が生じることがなく、底の深い容器に条件なしに適用できる効果がある。
【0022】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、上記第1の実施形態に対して金型40のみが異なる。
図7の金型40は、図7のDに示すように、雄型42を下型に配置し雌型41を上型に配置した例である。雄型42には中心部に上側に突出するパンチ本体43が設けられ、パンチ本体43の上部に下側へ円弧状に窪む合成樹脂8の載置部である凹部43aを形成している。雌型41は、中央に下側に開口するキャビティー孔41aを形成している。
上述の切断・保持ユニット14の合成樹脂8を保持する第1の挟持部材15と第2の挟持部材16は、上記第1の実施形態と同じ構成であり、挟持部材15,16の上下方向の長さは、押出ノズル7から吐出されて、カッター17により切断された後の合成樹脂8の一単位の長さよりも短く形成する。そして、図7のBに示すように、挟持部材15,16が合成樹脂8を保持しているときに、挟持部材15,16の下端よりも合成樹脂8の下端が下方へ突出するようにする。
【0023】
このような構成により、押出ノズル7から吐出された合成樹脂8は、カッター17(図3参照)で切断され、挟持部材15,16は、図8のBに示すように、合成樹脂8の下端を挟持部材15,16から下方へ突出するようにして保持する。待機状態にある雄型42のパンチ本体43の上方へ、図7のBに示すように切断・保持ユニット14が搬送されたときにパンチ本体43の凹部43aに合成樹脂8が近接した位置に配置される。このようにそれらの互いの軌道が樹脂供給域21(図2参照)に移動したときに、切断・保持ユニット14の図示しない昇降手段が、挟持部材15,16を下降させて、挟持部材15,16を雄型側に下降させる。挟持部材15,16は、合成樹脂8を載置するパンチ本体43の載置面である凹部43aの所定位置に合成樹脂8の下端を当接させ、当接した後も合成樹脂8を下端側へ押圧若しくは押し潰すように合成樹脂8を凹部43aに位置決めする。そして、合成樹脂8を位置決めした後、挟持部材15,16を開状態にして、合成樹脂8を解放した後、挟持部材15,16を上昇させる。その後、切断・保持ユニット14が、金型40の軌道上から離れる。
【0024】
この際、噴き出しノズル37から圧縮空気が合成樹脂8の任意の部位に噴出し、合成樹脂8は、形状が整えられ、パンチ本体43の凹部43aに付着するように保持されているので位置ズレを防止できる。成形時では、予め合成樹脂8が圧縮成形されやすい形状に成形され、位置ズレもないことから圧縮成形時の方向性もよく、均一に周囲に拡がることができる。圧縮成形された、容器(又は蓋、プリフォームなど)は、冷却後に金型40からとりだされる。
上記第1の実施形態では、上述したように、底の深い容器を圧縮成形することについて、工夫を要するが、本第3の実施形態では、雄型42のパンチ本体43と挟持部材15,16が干渉することがないので、底の深い容器に条件なしに適用できる効果がある。
【0025】
次に、本発明の第4の実施形態について、図8及び図9を参照にして説明し、上記第2の実施形態と同じ部分については同一符合を付して説明する。
なお、本実施形態では、上記第2の実施形態で説明した金型30(図5参照)と同じ金型を用いており、異なるのは切断・保持ユニット14に備えた噴き出しノズル37を廃止し、昇降ロッド51を金型に備えていることである。
図8に示すように、雌型31は雌型本体33と可動ロッド34とを備えている。雌型本体33は、中央部の上側にキャビティー孔33a(図8のD参照)と該キャビティー孔33aの下部に連通する摺動孔33bが形成され、円柱形状の可動ロッド34は摺動孔33bを駆動手段によって上下動することができ、図8のAに示す上方位置と、図8のDに示す下方位置に位置することができる。可動ロッド34の上端部は、上方へ突出する緩やかな円弧形状に形成された合成樹脂8の載置面34aを形成している。
図8のB及びCに示すように、上述の切断・保持ユニット14の合成樹脂8を保持する第1の挟持部材15と第2の挟持部材16は、上記第1の実施形態と同じ構成であり、挟持部材15,16の上下方向の長さは、押出ノズル7から吐出されて、カッター17により切断された後の合成樹脂8の一単位の長さよりも短く形成し、挟持部材15,16が合成樹脂8を保持しているときに、挟持部材15,16の下端よりも合成樹脂8の下端が下方へ突出するようにする。
【0026】
雌型31の上部には、軸を上下方向に向けた昇降ロッド51が配設され、昇降ロッド51の先(下)端部には、合成樹脂8を雌型側へ押し込むプッシャー51aが取付けられている。昇降ロッド51は、上下動することができ、プッシャー51aと可動ロッド34の載置面34aと対向して配置され、本実施形態では昇降ロッド51と可動ロッド34の軸心を一直線上に一致させている。図8のBに示すように、切断・保持ユニット14と雌型31との軌道を一致させて、昇降ロッド51と雌型31との間に、切断・保持ユニット14を配置する。昇降ロッド51のプッシャー51aは、切断・保持ユニット14の合成樹脂8の保持部を挿通するように構成されている。
図9は、プッシャー51の形態を示しており、図9のAに示すプッシャー51aの先端形状は平面であり、図9のBに示すプッシャー51bの先端形状は凸球面形状であり、図9のCに示すプッシャー51cの先端形状は、凹球面形状に形成されたものなどが使用できるが、成形体の形状によって適宜異なる。なお、昇降ロッド51は、切断・保持ユニット14に取付けることもできる。
【0027】
このような構成により、挟持部材15,16は、図8のBに示すように、合成樹脂8の下端を挟持部材15,16から下方へ突出するようにして保持する。雌型31では、予め図8のAに示すように、可動ロッド34が上昇位置に待機した状態で、昇降ロッド51を上昇位置に配置する。切断・保持ユニット14が圧縮成形装置4の雌型31の上方に位置したとき、図8のBに示すように、合成樹脂8を載置する可動ロッド34の載置面34aが合成樹脂8の直上方に配置される。そして、切断・保持ユニット14の図示しない昇降手段が、挟持部材15,16を下降させて、挟持部材15,16を雌型31側に下降させる。挟持部材15,16は、合成樹脂8を載置する雌型31の可動ロッド34の載置面34aの所定位置に合成樹脂8の下端を当接させ、当接した後も合成樹脂8を下端側へ押圧若しくは押し潰すように合成樹脂8を載置面34aに位置決めする。
【0028】
次いで、昇降ロッド51が下降し、第1及び第2の挟持部材15,16の内部に挿入され、合成樹脂8をプッシャー51aの先端面の形状に応じて、予備成形することができる。例えば、合成樹脂8の圧縮成形時に拡げられる方向(合成樹脂が拡がりにくい方向があればその方向、形状が異形の場合は、肉厚を必要とする方向)へ向かって合成樹脂8の形状を予備成形するとよい。この際、第1及び第2の挟持部材15,16の下部には、拡径部38が形成されているので、合成樹脂8の変形を妨げることがない。
合成樹脂8の予備成形後は、挟持部材15,16を開状態にして、合成樹脂8を解放した後、挟持部材15,16を上昇させる。その後、切断・保持ユニット14が、金型22の軌道上から離れる。
【0029】
こうして、昇降ロッド51が上昇位置に戻り、切断・保持ユニット14が図8のDに示すよう雌型31の上部位置から離れ、可動ロッド34が下降位置まで、合成樹脂8とともに下降する。合成樹脂8は、形状が整えられ、可動ロッド34上の載置面34aに付着するように保持されているので、合成樹脂8の位置ズレを防止でき、載置面34aの正確な位置に合成樹脂8を配置することができる。
次いで、雄型32が下降することによって、雄型32が雌型31の上に重ねられ、コア型36が下降して合成樹脂8が圧縮されることによって、容器の成形が行われる。成形時では、予め合成樹脂8が圧縮成形されやすい形状に成形され、位置ズレもないことから圧縮成形時の方向性もよく、均一に周囲に拡がることができる。
圧縮成形された、容器(又は蓋、プリフォームなど)は、冷却後に金型30からとりだされる。
上記第1の実施形態では、上述したように、底の深い容器を圧縮成形することについて、工夫を要するが、本第4の実施形態では、可動ロッド34が上昇して合成樹脂8を向かいに行くので、底の深い容器に条件なしに適用できる効果がある。
【0030】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、雄型を下型として配置し、上記第3の実施形態で用いた噴き出しノズル37に代えて、上記第4の実施形態の昇降ロッド51を用いた例である。
雄型42は中心部に上側に突出するパンチ本体43が設けられ、パンチ本体43の上部に下側へ窪む凹部43aを形成している。雌型41は、中央にキャビティー孔41aを形成している。
挟持部材15,16の上下方向の長さは、押出ノズル7から吐出されて、カッター17により切断された後の合成樹脂8の一単位の長さよりも短く形成し、挟持部材15,16が合成樹脂8を保持するときに、挟持部材15,16の下端よりも合成樹脂8の下端が下方へ突出するようにする。
【0031】
雄型42の上部には、軸を上下方向に向けた昇降ロッド51が配設され、昇降ロッド51の先(下)端部には、合成樹脂8を雄型側へ押し込むプッシャー51aが取付けられている。昇降ロッド51は、上下動することができ、プッシャー51aとパンチ本体43の凹部43aと対向して配置され、図10のBに示すように、切断・保持ユニット14と雄型42との軌道を一致させたときには、昇降ロッド51と雄型42との間に、切断・保持ユニット14を配置することができる。昇降ロッド51のプッシャー51aは、切断・保持ユニット14の合成樹脂8の保持部を挿通するように構成されている。
【0032】
このような構成により、挟持部材15,16は、図10のBに示すように、合成樹脂8の下端を挟持部材15,16から下方へ突出するようにして保持する。
待機状態にある雄型42のパンチ本体43の上方へ切断・保持ユニット14が搬送されたときにパンチ本体43の凹部43aに合成樹脂8が近接した位置に配置される。そして、互いの軌道が樹脂供給域21(図2参照)に移動したときに、切断・保持ユニット14の図示しない昇降手段が、挟持部材15,16を下降させて、挟持部材15,16を雄型側に下降させる。挟持部材15,16は、合成樹脂8を載置するパンチ本体43の載置面である凹部43aの所定位置に合成樹脂8の下端を当接させ、当接した後も合成樹脂8を下端側へ押圧若しくは押し潰すように合成樹脂8を凹部43aに位置決めする。
【0033】
次いで、図10のCに示すように、昇降ロッド51が下降し、第1及び第2の挟持部材15,16の内部に挿入され、合成樹脂8をパンチ本体43の凹部43aに押圧する。この際、昇降ロッド51のプッシャー51aの先端面の形状に応じて、合成樹脂8を予備成形することができる。この際、第1及び第2の挟持部材15,16の下部には、拡径部38が形成されているので、合成樹脂8の変形を妨げることがない。
その後、プッシャー51aを上昇させて、挟持部材15,16を開状態にして、合成樹脂8を解放した後、挟持部材15,16を上昇させる。その後、切断・保持ユニット14が、金型40の軌道上から離れる。
【0034】
このように、合成樹脂8は形状が整えられ、パンチ本体43の凹部43aに付着するように保持されているので、合成樹脂8の位置ズレを防止でき、また、正確な位置に合成樹脂8を配置することができる。
次いで、雌型31が下降することによって、雄型32の上に雌型31が重ねられ、合成樹脂8が圧縮されることによって、容器の成形が行われる。成形時では、予め合成樹脂8が圧縮成形されやすい形状に成形され、位置ズレもないことから圧縮成形時の方向性もよく、均一に周囲に拡がることができる。
圧縮成形された、容器(又は蓋、プリフォームなど)は、冷却後に金型30からとりだされる。
上記第1の実施形態では、上述したように、底の深い容器を圧縮成形することについて、工夫を要するが、本第5の実施形態では、雄型42のパンチ本体43と挟持部材15,16が干渉することがないので、底の深い容器に条件なしに適用できる効果がある。
【0035】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図11は、本発明の実施形態に係る成形システムの概略を示す平面図、図12は、成形システム70の押出機71の押出ノズル74を中心に配置された複数の切断・保持ユニット75のうち、その一つに着目して要部を示す拡大平面図である。
成形システム70は、合成樹脂を溶融、混練して押出ノズル74から押し出す押出機71と、押出機71の押出ノズル74を中心に配置された複数の切断・保持ユニット75と、各切断・保持ユニット75と対になって設置された複数の圧縮成形型40とを備えている。
【0036】
押出機71は、そのダイヘッド76に開口する押出ノズル74が、溶融状態にある樹脂を鉛直方向に沿ってほぼ下向きに押し出すように設けられている。
図示する例において、溶融樹脂が押し出されてくる押出ノズル74を中心に配置される切断・保持ユニット75のそれぞれは、押出ノズル74を中心にほぼ放射状に設置された複数の駆動機構77のそれぞれに取り付けられて、押出ノズル74の下方位置と、切断・保持ユニット75のそれぞれに設定された供給位置との間を交互に往復移動するようになっている。そして、切断・保持ユニット75ごとに設定された供給は、切断・保持ユニット75のそれぞれと対になる圧縮成形型40が設置されている。
【0037】
図13は、切断・保持ユニット75の概略を示す説明図であり、図13のAは、その平面図、図13のBは、図13のAのY−Y断面図である。
切断・保持ユニット75は、供給位置に設置された圧縮成形型40に向かって押出ノズル74の下方位置を通過する際に、押出ノズル74から押し出されてくる溶融樹脂を切断するカッター81を有している。このカッター81は、挟持部材82の上方に位置する周端縁に沿って形成されており、カッター81によって切断された溶融樹脂8の側面に、挟持部材82の内周面が保持面84となって当接するようにしてある。
【0038】
切断・保持ユニット75の一方の挟持部材82には、その保持面84に対向して開閉可能となるように、他方の挟持部材83が取り付けられている。他方の挟持部材83は、例えば、図示しないロータリーアクチュエータなどによって、回転軸87を中心に、その開閉動作がなされる。このような他方の挟持部材83は、カッター81による溶融樹脂の切断を妨げないように、切断・保持ユニット75が押出ノズル74の下方位置を通過する際には開放位置にあり(図13のAの二点鎖線)、溶融樹脂の切断がなされた後に閉じるようになっている(図13のAの実線)。ここで、押出ノズル74から押し出される溶融樹脂を切断する長さは、保持面84の下端よりも下側へ突出する長さにすることが必要である。
挟持部材83が閉じると、保持面84と挟持部材83との間には円柱状の空間内に、切断された溶融樹脂8が保持される。そして、切断・保持ユニット75が供給位置で停止したときに成形型40への溶融樹脂8の供給がなされるようにすることができる。
【0039】
図12に示す駆動機構77は、切断・保持ユニット75を水平方向に往復移動させる水平駆動用アクチュエーター85と、これらを鉛直方向に昇降させる鉛直駆動用アクチュエーター86を備えている。なお、鉛直駆動用アクチュエーター86は、鉛直方向に延在し、切断・保持ユニット75を支持する図示しないガイド支持部材に沿って、切断・保持ユニット75を昇降させるようにしている。
図14の金型40は、図14のB〜Dに示すように、上記第3及び第5の実施形態で説明した雄型42を下型に配置し、雌型41を上型に配置した例である。雄型42には、中心部に上側に突出するパンチ本体43が設けられ、パンチ本体43の上部に下側へ円弧状に窪む合成樹脂8の載置部である凹部43aを形成している。雌型41は、中央に下側に開口するキャビティー孔41aを形成している。
【0040】
このような構成により、押出ノズル74から吐出された合成樹脂8は、カッター81で切断され、挟持部材82,83は、図8のBに示すように、合成樹脂8の下端を挟持部材82,83から下方へ突出するようにして保持する。待機状態にある雄型42のパンチ本体43の上方へ、図14のBに示すように切断・保持ユニット75が搬送されたときに凹部43aに合成樹脂8が近接した位置に配置される。このようにそれらの互いの軌道が樹脂供給域に移動したときに、切断・保持ユニット75の鉛直駆動用アクチュエーター86を備えた昇降手段が、挟持部材82,83を下降させて、挟持部材82,83を雄型側に下降させる。挟持部材82,83は、合成樹脂8を載置するパンチ本体43の載置面である凹部43aの所定位置に合成樹脂8の下端を当接させ、当接した後も合成樹脂8を下端側へ押圧若しくは押し潰すように合成樹脂8を凹部43aに位置決めする。そして、合成樹脂8を位置決めした後、挟持部材82,83を開状態にして、合成樹脂8を開放した後、挟持部材82,83を上昇させる。その後、切断・保持ユニット75が、金型40から離れる。
このように合成樹脂8は、パンチ本体43の凹部43aに付着するように保持されているので位置ズレを防止できる。成形時では、位置ズレもないことから圧縮成形時の方向性もよく、均一に周囲に拡がることができる。圧縮成形された、容器(又は蓋、プリフォームなど)は、冷却後に金型40からとりだされる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
図15にA及び図13に示すように、上記各実施形態における切断・保持ユニット14、75は、一水平方向に挟持部材15,16(82,83)が進退するいわゆる三ツ割り(3部品)の様式であるが、図15のBに示すように、切断・保持ユニット60は、挟持部材61,62の接続部にヒンジ62を形成して挟持部材61,62の一方が回転しながら開閉する二つ割り(2部品)の様式であってもよい。
噴き出しノズル37については、上記実施形態では、切断・保持ユニット14に備えたが、図2に示す樹脂供給域21に設けてもよく、金型に設けてもよい。同様に昇降ロッド51を金型に備えたが、樹脂供給域21に設けてもよく、切断・保持ユニット14にもうけてもよい。
また、噴き出しノズル37、昇降ロッド51は、上記第6の実施形態に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の圧縮成形方法の好適実施形態を実施するための成形システムの概略平面図である。
【図2】図2は図1の成形システムの一部を示す部分拡大平面図である。
【図3】図2の成形システムにおける合成樹脂供給装置のノズルと切断・保持ユニットを示し、Aは第1及び第2の挟持部材が開いた状態の断面図、Bは第1及び第2の挟持部材が閉じた状態の断面図、Cは挟持部材が下降して下型の底面に合成樹脂が当接している状態の断面図である。
【図4】図2の圧縮成形装置の金型であり、本発明の第1の実施形態における金型の断面図である。
【図5】図2の圧縮成形装置の金型であり、本発明の第2及び第4の実施形態における金型の断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態において、合成樹脂の形状を圧縮空気で予備成形している状態であって、Aは可動ロッドを上昇させた待機状態の断面図、Bは合成樹脂を雌型に搬送させた状態の断面図、Cは合成樹脂を可動ロッドに載置させて予備成形した状態の断面図、Dは可動ロッドを下降させた状態の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の合成樹脂の形状を圧縮空気で予備成形している状態であって(雄型が下型)、Aは雄型の待機状態の断面図、Bは合成樹脂を雄型に搬送させた状態の断面図、Cは合成樹脂を雄型に載置させて圧縮空気で合成樹脂を予備成形した状態の断面図、Dは雄型に合成樹脂を搬送させた状態の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態の合成樹脂の形状をプッシャーで予備成形している状態であって、Aは可動ロッドを上昇させた待機状態の断面図、Bは合成樹脂を雌型に搬送させた状態の断面図、Cは合成樹脂を可動ロッドに載置させて予備成形した状態の断面図、Dは可動ロッドを下降させた状態の断面図である。
【図9】図8のプッシャーの形状を示し、Aは先端形状が平面であるプッシャーの断面図、Bは先端形状が凸球面形状であるプッシャーの断面図、Cは先端形状が凹球面形状のプッシャーの断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態の合成樹脂の形状をプッシャーで予備成形している状態であって(雄型が下型)、Aは雄型の待機状態の断面図、Bは合成樹脂を雄型に搬送させた状態の断面図、Cは合成樹脂を雄型に載置させてプッシャーで合成樹脂を予備成形した状態の断面図、Dは雄型に合成樹脂を搬送させた状態の断面図である。
【図11】本発明の圧縮成形装置の第6の実施形態を実施するための成形システムの概略平面図である。
【図12】図11の成形システムの押出機の押出ノズルを中心に配置された複数の搬送手段のうち、その一つに着目して要部を示す拡大平面図である。
【図13】図11の成形システムにおける合成樹脂供給装置の切断・保持ユニットを示し、Aは挟持部材が閉じた状態(二点鎖線は開状態)の断面図、Bは第1及び第2の挟持部材が閉じた状態で、押出ノズルからの溶融樹脂を保持している状態の断面図(AのY−Y線図)である。
【図14】本発明の第6の実施形態の合成樹脂の圧縮態様を示し、Aは雄型の待機状態の断面図、Bは合成樹脂を雄型に搬送させた状態の断面図、Cは合成樹脂を雄型に載置させた状態の断面図、Dは雄型に合成樹脂を搬送させた状態の断面図である。
【図15】Aは本発明の各実施形態における切断・保持ユニットの挟持部材の平面図、Bはその変形例による平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 成形システム
2,71 押出機
3,72 合成樹脂供給装置
4,73 圧縮成形装置
8 合成樹脂
14,75 切断・保持ユニット
15,81 第1の挟持部材
16,82 第2の挟持部材
22,30 金型
23,31 雌型
23a 凹部
23b 載置面
32,42 雄型
33a,41a キャビティー孔
34 可動ロッド
35 雄型本体
36 コア型
37 噴き出しノズル
51 昇降ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂素材の圧縮成形を行う上金型と下金型、及び合成樹脂素材の搬入手段を具備し、搬入手段は合成樹脂素材が下方に突出した状態で降下し、合成樹脂素材を下金型に押し付けて解放することを特徴とする圧縮成形装置。
【請求項2】
前記搬入手段の上下方向長さが、保持する合成樹脂素材の上下方向長さよりも小さい請求項1に記載の圧縮成形装置。
【請求項3】
保持している合成樹脂素材を強制的に下方に作用させる手段をさらに備えている請求項1又は2に記載の圧縮成形装置。
【請求項4】
合成樹脂素材の搬入手段の下端から合成樹脂素材を下方へ突出させて保持し、搬入手段を下金型の直上方まで搬送し、搬入手段を下降させて合成樹脂素材を下金型に押し付けた後、搬入手段が合成樹脂素材を解放し、下金型と上金型とによって合成樹脂素材を圧縮成形するようにしたことを特徴とする圧縮成形方法。
【請求項5】
前記下金型及び上金型によって合成樹脂素材を圧縮成形する前に、合成樹脂素材を任意の形状に成形するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の圧縮成形方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−5949(P2010−5949A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168678(P2008−168678)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】