説明

圧縮空気生成装置

【課題】電気的エネルギーの消費を抑制し、省エネルギー化を図ると共に、装置全体が大型化するのを抑制した、圧縮空気生成装置を提供する。
【解決手段】液体を弁室3に送出する入力管4と、前記弁室3の上方に配置された圧力タンク5と、所定圧力以上の圧力を受けると開放される揚水弁6と、大気を圧力タンク5内に導入する吸気弁7と、圧力タンク5で生成した圧縮空気を導出する吐出弁8と、圧力タンク5内に供給された液体を外部に排出する圧力タンク排水弁9と、前記弁室3の下流に設けられた、入力管4から流入した液体を外部に排出する弁室排水弁10とを備え、前記弁室排水弁10が所定の流速の液体の流れによって閉じられ、この弁室排水弁10の閉塞による弁室3内の圧力上昇によって、揚水弁6が開き、入力管4から流入した液体の一部が圧力タンク5内に流入することにより、圧力タンク内5の空気を圧縮し、圧縮空気を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧縮空気生成装置に関し、特に水撃作用を利用した圧縮空気生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮空気生成装置としては、一般的にコンプレッサが用いられている。この圧縮空気生成装置はコンプレッサを電気的に駆動し、コンプレッサで生成した圧縮空気を空気貯槽に貯蔵し、生成した圧縮空気を空気貯槽から必要に応じて取り出すように構成されている。
この圧縮空気生成装置は、前記したようにコンプレッサを電気的に駆動するため、省エネの対策が考えられている。例えば、特許文献1には、余剰エネルギーを利用した圧縮空気生成装置が提案されている。この特許文献1に示された圧縮空気生成装置について、図17に基づいて説明する。
【0003】
この圧縮空気生成装置200にあっては、地上に空気貯槽201が設置され、この位置より上方に、貯蔵する空気の圧力に相当する水頭高Hの位置に水槽202が設けられている。そして、前記空気貯槽201及び水槽202の間を水圧導管203で連結している。
前記空気貯槽201は圧力容器であり、圧縮空気取入口、取出口には弁204,205が設けられている。
また、前記水槽202の上方は大気に開放しており、水面には大気圧が作用する。したがって、空気貯槽201内の液面には空気貯槽201から水槽202迄の高さHの水頭圧が作用する。このように空気貯槽201内の液面に、水頭圧が作用するため、圧縮空気は一定圧になされる。
【0004】
また、この空気貯槽201に貯蔵する圧縮空気を作るため、余剰電力で回転するモータ206により駆動されるコンプレッサ207が設けられており、コンプレッサ207の吐出口には空気貯槽201に至る給気管208が接続されている。
更に、この給気管208には空気が圧縮されることにより上昇した温度を下げるための冷却器209が設けられている。一方、空気貯槽201より圧縮空気を取出すための取出し管210はガスタービン211の燃焼室212に接続され、圧縮空気は燃料と混合されて燃焼し、ガスタービン211を回転し、これにより発電機213を駆動する。
【0005】
この圧縮空気生成装置200は、夜間など電力が余剰状態にある場合には、その余剰電力で圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を空気貯槽201に貯蔵する。そして、必要に応じて、空気貯槽201より圧縮空気を取出し、圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させ、ガスタービン211を回転させることにより、発電機213を駆動し発電する。
このように、この圧縮空気生成装置200にあっては、余剰電力を有効に活用した省エネの対策が講じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−71053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特許文献1に記載の圧縮空気生成装置にあっては、余剰電力でコンプレッサを駆動するものであり、エネルギーの有効利用の観点からは好ましいものである。しかしながら、電力を消費することにより圧縮空気を生成することに変わりなく、電気的エネルギーの消費の観点から見れば、あまり好ましいものではなかった。
【0008】
ところで、特許文献1に記載の圧縮空気生成装置において、コンプレッサを用いることなく、水槽の高さHによって生じる水頭圧を利用して空気貯槽内の空気を圧縮することも考えられる。しかしながら、圧力の高い圧縮空気を得るには、水槽を高い位置に配置しなければならず、装置として大型化するという技術的課題があった。
【0009】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであり、電気的エネルギーの消費を抑制し、省エネルギー化を図ると共に、装置全体が大型化するのを抑制した、圧縮空気生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる圧縮空気生成装置は、液体を弁室に送出する入力管と、前記弁室の上方に配置された圧力タンクと、前記弁室と圧力タンクとの間に設けられ、所定圧力以上の圧力を受けると開放される揚水弁と、前記圧力タンクに設けられた、圧力タンク内が負圧になると開放され、大気を圧力タンク内に導入する吸気弁と、前記圧力タンクに設けられた、圧力タンク内が所定圧になると開放され、圧力タンクで生成した圧縮空気を導出する吐出弁と、前記圧力タンクに設けられた、圧力タンク内に供給された液体を外部に排出する圧力タンク排水弁と、前記弁室の下流に設けられた、入力管から流入した液体を外部に排出する弁室排水弁と、を備え、前記弁室排水弁が所定の流速の液体の流れによって閉じられ、この弁室排水弁の閉塞による弁室内の圧力上昇によって、揚水弁が開き、入力管から流入した液体の一部が圧力タンク内に流入することにより、圧力タンク内の空気を圧縮し、圧縮空気を生成することを特徴としている。
【0011】
このように構成されているため、本発明にかかる圧縮空気生成装置にあっては、電気的エネルギーを極力用いることなく、圧縮空気を生成することができる。
また、いわゆる水撃作用を利用しているため、槽の高さによって生じる水頭圧を利用して空気貯槽内の空気を圧縮する場合に比べて、高圧の圧縮空気を生成することができ、また装置が大型化するのを抑制することができる。
【0012】
ここで、前記入力管の一端が、液体が貯蔵された貯蔵タンクに接続され、貯蔵された液体が前記入力管に供給されることが望ましい。
また、前記弁室排水弁は、所定の流速の液体の流れによって閉じられ、この弁室排水弁の閉塞による弁室内の圧力上昇によって、揚水弁が開き、入力管から流入した液体の一部が圧力タンク内に流入することにより、圧力タンク内の空気を圧縮し、圧縮空気を生成し、揚水弁が閉じた後に開放され、再び入力管から流入した液体を外部に排出し、所定の流速の前記液体の流れによって閉塞される、動作が繰り返し行われるのが望ましい。
【0013】
また、前記弁室排水弁は、軸を中心に回動可能に構成された弁体を有し、前記弁室からの液体の流れが所定の流速以下の場合には弁体は開放されており、前記弁室からの液体の流れが所定の流速を超えた場合には前記液体の流れによって、弁体は軸を中心に回動して閉塞し、圧力タンク内の空気を圧縮した後には、前記揚水弁が閉じられることで生じる弁室内部の負圧と前記弁室排水弁の自重によって、前記弁室排水弁が開放され、再び前記弁室からの前記液体が流れ込むことが望ましい。
【0014】
更に、弁室排水弁が電磁弁で構成されていることが望ましい。
このように弁室排水弁が電磁弁で構成されている場合には、所定の時間間隔をもって弁室排水弁を開閉でき、開閉サイクル(周期)を短くすることにより、製造する圧縮空気の流量を増加させることができ、またより急激に閉塞することで、圧縮空気の圧力を上昇させることができる。尚、弁室排水弁の弁体近傍の流速をセンサーによって測定し、測定した流速値によって、弁室排水弁の開閉を行っても良い。
また圧力タンク内の液位を検出し、所定の液位に達した際、圧力タンク排水弁を開放する圧力タンク排水弁開放機構を備えることが望ましい。
【0015】
この圧力タンク排水弁の開閉機構としては、圧力タンク内部に設けられた、圧力タンクの天井部から垂下した支持棒と、前記支持棒の上部の所定位置に固定されたベース板と、前記ベース板の上方において上下動可能に設けられた上部フロートと、前記ベース板の下方において上下動可能に設けられた下部フロートと、前記上部フロートを所定の位置に支持する、前記ベース板に設けられたロック板と、前記ロック板の下延設部の下端部に一端部が連結され、他端部が下部フロートに連結されたワイヤーと、前記上部フロートの側面に一端が取り付けられ、他端が圧力タンク排水弁に取り付けられた、排水弁開閉レバーと、を備え、前記上部フロートが浮力により上昇することにより、前記排水弁開閉レバーを介して圧力タンク排水弁を開くと共に、前記圧力タンク排水弁からの排液に伴い、浮力を失い下降する上部フロートを前記ロック板によって所定の位置に支持し、更に、前記下部フロートが浮力を失い下降することによって、前記ワイヤーが前記ロック板を回動させ、これに伴い上部フロートが下降し、前記圧力タンク排水弁が閉じられるように構成されていることが望ましい。
【0016】
特に、前記ロック板の上延設部の上端部に形成され、前記上部フロートの下端部と係合する段部と、前記ロック板の上部に設けられたローラと、前記ロック板に回動力を与えるコイルばねと、を備え、前記上部フロートが浮力を受けない状態にあっては、上部フロートの下端部と前記段部が係合した状態におかれ、上部フロートが浮力により上昇し、上部フロートとロック板の段部との係合が解かれると、ロック板がコイルばねの反発力により回動し、ローラが上部フロートの下面を支持し、更に、前記下部フロートが浮力を失い下降することによって、前記ワイヤーがコイルばねの反発力に抗しながら、前記ロック板を前記回動方向と反対方向に回動させ、これに伴い上部フロートが下降し、前記圧力タンク排水弁が閉じられるように構成されていることが望ましい。
【0017】
また、圧力タンク排水弁の開閉機構としては、圧力タンクの上面に、軸を中心に揺動可能に設けられた梃子部と、前記梃子部の一端部に取り付けられ、他端が圧力タンク排水弁に取り付けられた、排水弁開閉レバーと、前記梃子部の他端部の下面に取り付けられた第1の磁石と、前記上部フロートの上面に、前記第1の磁石と吸着可能に設けられた第2の磁石と、前記上部フロートと下部フロートとを連結するワイヤーとを備え、上部フロートが上昇することにより第2の磁石が第1の磁石を吸着し、前記梃子部を介して前記圧力タンク排水弁を開き、前記上部フロート及び下部フロートが浮力を失うことにより、上部フロート及び下部フロートが下降し、第2の磁石と第1の磁石の吸着状態を解除し、前記圧力タンク排水弁が閉じるように構成されていることが望ましい。
【0018】
更に、圧力タンク排水弁の開閉機構としては、圧力タンク内に、液面に応じて上下動可能に設けられたフロートと、前記フロートの位置を検出することにより、圧力タンク内の液位を検出する液位検出手段と、前記液位検出手段からの信号を受けて圧力タンク排水弁の開閉を行う電磁弁と、を備えていることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電気的エネルギーの消費を抑制し、省エネルギー化を図ると共に、装置全体が大型化するのを抑制した、圧縮空気生成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明にかかる圧縮空気生成装置の一実施形態を説明するための概略構成図である。
【図2】図1に示した圧縮空気生成装置の動作を説明するための概略構成図である。
【図3】図1に示した圧縮空気生成装置の動作を説明するための概略構成図であって、図2に示す動作に続く動作を説明するための図である。
【図4】図1に示した圧縮空気生成装置の動作を説明するための概略構成図であって、図3に示す動作に続く動作を説明するための図である。
【図5】図1に示した圧縮空気生成装置の動作を説明するための概略構成図であって、図4に示す動作に続く動作を説明するための図である。
【図6】図1に示した圧縮空気生成装置の動作を説明するための概略構成図であって、図5に示す動作に続く動作を説明するための図である。
【図7】図1に示した圧縮空気生成装置の動作を説明するための概略構成図であって、図6に示す動作に続く動作を説明するための図である。
【図8】図1に示した一実施形態の具体的構成を示す側面図である。
【図9】図8に示した圧縮空気生成装置の圧力タンク及び弁室の要部拡大図である。
【図10】図9に示された圧力タンク排水弁の開閉機構を示す斜視図である。
【図11】図9に示された圧力タンク排水弁の開閉機構の要部拡大図である。
【図12】図9に示された圧力タンク排水弁の開閉機構の開状態を示す断面図である。
【図13】圧力タンク排水弁の開閉機構の第1の変形例を示す断面図である。
【図14】図13に示された圧力タンク排水弁の開閉機構を示す斜視図である。
【図15】図13に示された圧力タンク排水弁の開閉機構の開状態を示す断面図である。
【図16】圧力タンク排水弁の開閉機構の第2の変形例を示す断面図である。
【図17】従来の圧縮空気生成装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の圧縮空気生成装置の一実施形態について、図1乃至図12に基づいて説明する。まず、本発明の圧縮空気生成装置の基本的構成及び動作を図1乃至図7に基づいて説明する。尚、図1における各種弁6,7,8,9,10は配置された位置を明確にするため、全て開いた状態で図示しており、特定の動作状態を示すものではない。
【0022】
図1に示すように、本発明の圧縮空気生成装置1は、所定の高さに配置された貯水タンク2と、貯水タンク2からの水(入力水)を弁室3に送出する入力管4と、前記弁室3の上方に配置された圧力タンク5とを備えている。
前記弁室3と圧力タンク5との間には、常時閉じられ、所定圧力以上の水圧を受けると開放される揚水弁6が設けられている。この揚水弁6が開放されることにより、弁室の水Wが圧力タンク内に供給され、圧力タンク5内の空気を圧縮する。
【0023】
前記圧力タンク5の上部には、外気(大気)を圧力タンク5内に導入する吸気弁7が設けられている。また前記圧力タンク5の上部には、圧力タンク5で生成した圧縮空気を、圧縮空気貯蔵タンク(図示せず)に導出する吐出弁8が設けられている。
更に、前記圧力タンク5の下部には、圧力タンク5内に供給された水Wを外部に排水するための圧力タンク排水弁9が設けられている。
【0024】
また、前記弁室3の下流には、入力管4から流入した水Wを外部に排水する弁室排水弁10が設けられている。この弁室排水弁10は、常時開放されており、所定の流速の水の流れに引き込まれることによって、急激に閉じられるように構成されている。
具体的には、弁室排水弁10の通過直後の流速が、弁室排水弁10の手前の流速よりも速いため、弁室排水弁10の前後において圧力差が生じ、この圧力差により弁室排水弁10が閉まる方向に力は生じる。そして、弁室排水弁10は徐々に閉まっていき、圧力差も大きくなって、ある瞬間に完全に閉じる。
【0025】
次に、この圧縮空気生成装置1の動作について説明する。
図2に示すように、この圧縮空気生成装置1の初期状態にあっては、弁室排水弁10が開放され、これ以外の揚水弁6、吸気弁7、吐出弁8、圧力タンク排水弁9は閉じている。
このような状態において、貯水タンク2から水Wが流出し、入力管4内を流れ落ち、弁室3内に流れ込む。そして更に、この弁室3の下流に位置している弁室排水弁10を介して排水される。
【0026】
このとき、弁室排水弁10を通過する水によって弁室排水弁10には閉じる方向に力が作用し、弁室3からの水の勢いが増すに伴い、弁室排水弁10は急激に閉じられる。
そして、弁室排水弁10が急激に閉じられると、弁室3に流入した水は弁室3から排水されず、弁室3内の圧力が瞬間的に高くなる。
この急激な圧力上昇は、弁室3内で行き場を失った水Wの運動エネルギーが圧力エネルギーに変化することによって起こるものである。この弁室3内の急激な圧力上昇によって、図3に示すように、揚水弁6が開き、入力水の一部が圧力タンク5に流入する。
【0027】
この圧力タンク5内に流れ込んだ水Wによって、圧力タンク5内の空気Aを圧縮し、圧力タンク5内の圧力を上昇させる。その後、図4に示すように、揚水弁6に加わる圧力タンク5内の水Wの重さと、弁室3内の圧力の減少によって、前記揚水弁6は閉じられる。
【0028】
前記揚水弁6が閉じられたことによって、弁室3内で行き場を失った水Wは貯水タンク2の方向に逆流し、弁室排水弁10の弁室側面は負圧となる。
その結果、図5に示すように前記負圧及び弁室排水弁10の自重によって、弁室排水弁10が開放される。そして、図2に示す状態に戻り、再び水Wが流れ落ち、図2から図5に示す動作が繰り返される。例えば、図2から図5に示す動作が数回繰り返される。この動作が繰り返されることで、圧力タンク5内の水位が上昇し、圧力タンク5内の空気Aを圧縮する。
【0029】
そして、図6に示すように、圧力タンク5内が所定の圧力以上になると吐出弁8が開かれ、圧力タンク5で生成した圧縮空気は、圧縮空気貯蔵タンク(図示せず)に吐出され、圧縮空気貯蔵タンク内に貯蔵され、その後必要に応じて圧縮空気が使用される。
【0030】
また、図7に示すように、圧力タンク5内の水が所定量を超えると、圧力タンク排水弁9が開かれ、圧力タンク5の水が排水され、外気(大気)Aが圧力タンク5内に導入される。前記圧力タンク排水弁9が開放されることにより、圧力タンク5内が負圧になることによって、吸気弁7は開放される。
そして、圧縮空気生成装置1の初期状態(図2に示す状態)に復帰し、再び、図2〜図7に示す動作が繰り返され、圧縮空気が生成される。
【0031】
このように、この圧縮空気生成装置1にあっては、従来のように電力を使用することなく、圧縮空気を生成することができる。即ち、電力を使用しないため、省エネルギー化を図ることができる。
また、この圧縮空気生成装置1は、いわゆる水撃作用を利用したものであり、水頭圧を利用したもの比べて、高い圧力を有する圧縮空気を得ることができる。
また、同じ圧力の圧縮空気を生成する場合に、この圧縮空気生成装置1は水頭圧を利用した装置と比べて、装置の高さを低く抑えることができ、全体として小型化を図ることができる。
【0032】
更に、前記一実施形態の具体的構成を、図8乃至図12に基づいて説明する。尚、図1乃至図7に示した部材と同一あるいは相当する部材は同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この圧縮空気生成装置1の貯水タンク2は、図8に示すように、フレーム11の最上部に配置され、例えば、貯水タンク2内の水面と、弁室3との高低差hが1m〜2mとなるように配置されている。
一般的な工場等で使用される圧縮空気の圧力0.5〜0.7MPaを想定すると、この高低差hが1m未満の場合には、所定の圧縮空気を得ることができないため、好ましくない。一方、この高低差hが2mを超える場合には、装置が大型化し好ましくない。
【0033】
因みに、この高低差のみの水頭圧を利用したものの場合、圧縮空気の圧力0.5〜0.7MPaを得ようとすると、50m〜70m以上の高さを必要とする。
【0034】
また、前記貯水タンク2にはホースまたは配管(高圧を得るためにステンレス等の硬い管の方が好ましい)からなる入力管4の一端部が接続され、前記入力管4の他端部は弁室3に接続され、貯水タンク2の水(入力水)が弁室3に送出されるように構成されている。
尚、前記入力管4は、貯水タンク2からの水が旋回しながら落下するようになすため、前記フレームに螺旋状に設けられている。高圧力発生時間を長くするためには、入力管は長い方が好ましく、装置を大型化しないために螺旋状に設けられている。
【0035】
また、前記弁室3の上方には、圧力タンク5が設けられている。圧力タンク排水弁9、弁室排水弁10から排水された水を回収する回収タンク12がフレーム11の最下部に設けられている。
【0036】
また、図9に示すように、前記弁室3と圧力タンク5との間には、常時閉じられ、所定圧力以上の水圧を受けると開放される揚水弁6が設けられている。
この揚水弁6の弁体6aは、スプリング6bによって弁座6cに押圧され、貫通孔6dを閉塞する。尚、この弁体6aの表面にはゴム部材6a1が設けられ、より完全に前記貫通孔6dを閉塞するように構成されている。また前記ゴム部材6a1により、開閉時の打撃音を抑制することができる。
【0037】
また、前記スプリング6bの一端部は、前記したように弁体6aの背面に当接し、他端部はスプリング係止部材6eに当接している。
このスプリング係止部材6eは、管体6fの内周面に螺合し、前記管体6fの軸線方向に移動可能に構成されている。即ち、スプリング係止部材6eを管体6fの軸線方向に移動させることにより、前記弁体6aに対するスプリング6bの押圧力を調整でき、揚水弁6が開放する圧力を調整することができる。
【0038】
前記圧力タンク5の上部には、外気(大気)を圧力タンク5内に導入するための吸気弁7が設けられている。この吸気弁7の弁体7aは、スプリング7bによって管7dの内壁に設けられた弁座7cに押圧されている。
そして、圧力タンク5内の圧力が大気圧よりも高い場合には閉じられ、大気圧よりも低くなったときに、前記スプリング7bの反発力に抗しながら、開放されるように構成されている。
【0039】
また、前記圧力タンク5の上部には、圧力タンク5で生成した圧縮空気を、圧縮空気貯蔵タンク(図示せず)に導出するための吐出弁8が設けられている。この吐出弁8の弁体8aは、スプリング8bによって管8dの内壁に設けられた弁座8cに押圧されている。
そして、圧力タンク5内の圧力が所定の圧力以下の場合には、前記スプリング8bによって吐出弁8は閉じられている。一方、圧力タンク5内の圧力が所定の圧力を超えると、前記スプリング8bの反発力に抗しながら、吐出弁8は開放されるように構成されている。
【0040】
また、前記圧力タンク排水弁9の弁体9aは、軸9bを中心に回動可能に構成されている。そして、圧力タンク5内の水が所定量以下の場合には、弁体9aは弁座9cに接し、貫通孔9dを閉塞している。一方、圧力タンク5内の水が所定量を超えた場合には、排水弁の開閉機構20によって、弁体9aは軸9bを中心に回動し、貫通孔9dを開放し、圧力タンク5内の水を排水する。
尚、この弁体9aの表面にはゴム部材9a1が設けられ、より完全に前記貫通孔9dを閉塞するように構成されている。また前記ゴム部材9a1により、開閉時の打撃音を抑制することができる。
【0041】
また、弁室排水弁10の弁体10aは、軸10bを中心に回動可能に構成されている。そして、弁室3からの水の流れが所定の流速以下の場合には、弁体10aは、開放されている。一方、弁室3からの水の流れが所定の流速を超えた場合には、前記水の流れによって、弁体10aは軸10bを中心に回動し、弁体10aは弁座10cに接し、貫通孔10dを閉塞するように構成されている。
尚、この弁体10aの表面にはゴム部材10a1が設けられ、より完全に前記貫通孔10dを閉塞するように構成されている。また前記ゴム部材10a1により、開閉時の打撃音を抑制することができる。
【0042】
また弁室排水弁10には、前記弁体10aの開度を調整する調整螺子13が設けられている。この調整螺子13が弁体10aの背面に接することにより、弁体10aの開度を調整するものであり、この調整螺子13の管内への突出寸法を大きくするにつれて、弁体10a開度は小さくなる。
【0043】
次に、圧力タンク排水弁9の開閉機構20について説明する。
圧力タンク5内部には、圧力タンク5の天井部から垂下した支持棒21が設けられている。またこの支持棒21の上部の所定位置には、ベース板22が固定されている。
また、この支持棒21の上部には上下動可能に上部フロート23が設けられ、また下部にも上下動可能に下部フロート24が設けられている。即ち、前記上部フロート23及び下部フロート24は、圧力タンク5内の水から浮力を受けることにより、前記支持棒21に沿って上昇し、水からの浮力がなくなった場合には、下降し、所定の位置に戻されるように構成されている。
【0044】
前記ベース板22の上面の左右両側には、図10、図11に示すように、ロック板25が軸26を中心に回動可能に設けられている。尚、左右両側に設けられたロック板25の構成は同一であるため、一方のロック板25に基づいて説明する。
このロック板25は水平部25aと、前記水平部25aの一端部に形成された上延設部25bと、前記水平部25aの他端部に形成された下延設部25cとを備えている。
また前記水平部25aの他端部側にはロック板25を貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。この貫通孔に軸26が挿通することによって、前記ロック板25は前記軸26を中心にベース板22に回転可能に取り付けられる。
【0045】
前記ロック板25の下延設部25cの下端部には、一端部が下部フロート24に連結されたワイヤー27が連結されている。また、ロック板25にはピン25eが形成され、捩じりコイルばね28の一端が係止されている。前記捩じりコイルばね28の他端は、ベース板の22の上面に係止されている。
尚、前記捩じりコイルばね28の中心部は前記軸26に遊嵌されている。したがって、前記ロック板25が前記捩じりコイルばね28によって、図11の矢印で示す方向に回動力が与えられている。
【0046】
また、ロック板25の上延設部25b上端部には、L字状の段部25fが形成され、前記上部フロート23の下端部と係合するように構成されている。
図11に示す状態にあっては、ロック板25が前記捩じりコイルばね28によって、図11の矢印方向に回動力が与えられているが、前記ロック板25の上端部のL字状の段部25fが、上部フロート23の下端部と係合しているため、ロック板25は回動することなく、上部フロート23に係止されている。
【0047】
また、ロック板25の上部にはローラ29が設けられている。このローラ29は、図12に示すように、上部フロート23が浮力により上昇し、上部フロート23とロック板25との係合が解かれると、ロック板25が回動し、ローラ29が上部フロート23の下面と接する。
そして、このローラ29が上部フロート23と接していることにより、上部フロート23の浮力がなくなり、上部フロート23が下降する際、即ち、図9に示す状態に戻す際、円滑に戻すことができる。
【0048】
また、前記上部フロート23の側面には、排水弁開閉レバー30の一端が取り付けられている。この排水弁開閉レバー30の他端は、圧力タンク排水弁9に取り付けられており、前記上部フロート23が上昇することにより、前記圧力タンク排水弁9が開き、前記上部フロート23が下降することにより、前記圧力タンク排水弁9が閉じるように構成されている。
【0049】
次に、圧力タンク排水弁9の開閉機構20の動作について説明する。
まず、排水弁開閉レバー30の自重、またロック板25の段部25fと上部フロート23の下端部との係合から、図9、図10、図11に示した状態が維持される。
そして、図2から図5に示す動作が繰り返され、圧力タンク5内に水が供給され、圧力タンク5内の水位が上昇する。そして、水位が上昇し、上部フロート23が前記水の浮力を受けると、上部フロート23は上昇する。この上部フロート23の上昇に伴い、排水弁開閉レバー30を介して、圧力タンク排水弁9が開放される。
【0050】
一方、上部フロート23の上昇によって、ロック板25の段部25fとの係合が解かれる。係合が解かれたロック板25は、軸26を中心に回動し、前記ローラ29は上部フロート23の下面に接した状態になされる。
したがって、圧力タンク排水弁9が開放され、圧力タンク5内の水位が下がり(水が減少し)、上部フロート23が浮力を失っても、図12に示す状態が維持される。
【0051】
そして、圧力タンク5内の排水が進み、下部フロート24よりも水位が下がると下部フロート24に作用していた浮力がなくなり、下部フロート24は支持棒21に沿って下降する。そのため、図12に示すように、前記ワイヤー27からロック板25に対して下向きの力が作用し、軸26を中心にロック板25を回動される力が作用する。
このロック板25の回動と、上部フロート23の自重による下降によって、上部フロート23の下端部がロック板25の段部25fに係合し、図9、図10、図11に示す初期状態になされる。
【0052】
このような圧力タンク排水弁9の開閉機構20によれば、電力を用いることなく、圧力タンク5の水位を検出し、自動的に排水することができる。
【0053】
更に、圧力タンク排水弁の開閉機構の変形例(第1の変形例)を図13乃至図15に基づいて説明する。尚、図1乃至図12に示した部材と同一あるいは相当する部材は同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この圧力タンク排水弁9の開閉機構40は、梃子の作用を利用して圧力タンク排水弁9の開閉を行うものであり、圧力タンク5の上面に、軸41cを中心に回動可能に設けられた梃子部41と、前記梃子部41の一端部41aに取り付けられた排水弁開閉レバー30と、前記梃子部41の他端部41bの下面に取り付けられた磁石42とを備えている。
また、上部フロート23の上面に磁石43が設けられ、前記磁石42と磁石43とが吸着可能に設けられている。また上部フロート23と下部フロート24はワイヤー44によって連結されている。
【0054】
前記梃子部41は、図13に示したように、圧力タンク排水弁9が閉じられた状態にあっては、略水平状態におかれている。
そして、図13に示す状態から圧力タンク5内の水位が上昇し、上部フロート23が上昇すると、前記磁石43が磁石42を吸着する。前記磁石42の吸着により、梃子部41の一端部41bは下方向に移動し、他端部41aは上方向に移動する。この梃子部41の揺動により、圧力タンク排水弁9は開放される。
【0055】
そして、上部フロート23の自重より、前記磁石42,43の吸着力の方が大きいため、圧力タンク5内の水位が下がり(水が減少し)、上部フロート23が浮力を失っても、図15に示す状態が維持される。即ち、圧力タンク排水弁9の開放状態が維持される。
【0056】
更に、圧力タンク5内の排水が進み、下部フロート24よりも水位が下がると下部フロート24に作用していた浮力がなくなる。このとき、前記磁石42と磁石43との吸着力より、上部フロート23の自重及び下部フロート24の自重の総和の方が大きいため、磁石42と磁石43は吸着状態が解かれ、分離される。
その結果、梃子部41は、軸41cを中心に揺動し、略水平状態に戻ると共に、圧力タンク排水弁9は閉じられる。一方、上部フロート23及び下部フロート24は、磁石42と磁石43は分離によって、急激に下方向に落下するが、ストッパー45,46に衝突し、停止し、所定の位置に配置される。このようにして、圧力タンク排水弁9の開閉機構40は初期状態に戻される。
【0057】
この圧力タンク排水弁9の開閉機構40によっても、電力を用いることなく、圧力タンク5の水位を検出し、自動的に排水することができる。
【0058】
更に、圧力タンク排水弁の開閉機構の変形例(第2の変形例)を図16に基づいて説明する。尚、図1乃至図15に示した部材と同一あるいは相当する部材は同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この圧力タンク排水弁9の開閉機構50は、圧力タンク5内に、水面に応じて上下動可能に設けられたフロート51と、前記フロート51の位置を検出することにより、圧力タンク5内の水位を検出する水位検出手段と、前記水位検出手段からの信号を受けて圧力タンク排水弁9の開閉を行う電磁弁52とを備えている。
この水位検出手段としては、種々の水位検出装置を用いることができる。例えば、フロート内部に位置検出用の永久磁石を設置し、支持棒21をウェーブガイド(導波管)で構成した水位検出装置を用いてもよい。この水位検出装置にあっては、支持棒21にパルス電流を流すと、このパルス電流による磁界と前記永久磁石による磁界が交差して、磁歪が生じる。この磁歪によりウェーブガイド(導波管)がねじられ、そのねじれが超音波となって、ウェーブガイド(導波管)上を伝播し、検出コイルでピックアップされる。即ち、パルス電流を流してから超音波を検出するまでの時間は、磁石(フロート)位置と検出コイルとの距離に比例するため、これにより距離(水位)を検出することができる。
【0059】
そして、検出された水位に基づいて、圧力タンク排水弁(電磁弁)52の開閉を正確に、精度良く行うことができるが、電力を使用する点からすると、前記した圧力タンク排水弁の開閉機構及び第1の変形例の方が好ましい。
【0060】
また、上記実施形態にあっては、弁室排水弁10の弁体10aは、軸10bを中心に回動可能に構成され、弁室3からの所定の流速の水の流れによって閉塞し、弁室3内の負圧と弁体10aの自重によって開放するように構成した場合を説明した。
しかしながら、本発明にあっては、弁室排水弁10の弁体10aの開閉を電磁弁で行うように構成しても良い。電磁弁を用いた場合には、弁室排水弁10の開閉を、予め決められた所定の周期(所定の時間間隔)をもって高精度に行うことができる。しかも、弁室排水弁10の開閉の周期を早くすることで、製造する圧縮空気の流量を増やすことができる。また、弁室排水弁10をより急激に閉塞することで、製造される圧縮空気の最大圧力を大きくすることができる。
尚、弁室排水弁10の弁体10a近傍にセンサーを設け、前記センサーによって流速(弁体10aを通過する際の流速)を測定し、測定した流速値によって、弁室排水弁10の弁体10aの開閉を行うように構成しても良い。
【0061】
尚、上記実施形態にあっては、水を例にとって説明したが、油等の他の液体を使用しても良い。但し、取り扱いの利便性を考慮すると、水が好適である。
【符号の説明】
【0062】
1 圧縮空気生成装置
2 貯水タンク
3 弁室
4 入力管
5 圧力タンク
6 揚水弁
7 吸気弁
8 吐出弁
9 圧力タンク排水弁
10 弁室排水弁
20 圧力タンク排水弁開閉機構
21 支持棒
22 ベース板
23 上部フロート
24 下部フロート
25 ロック板
26 軸
27 ワイヤー
28 捩じりコイルばね
29 ローラ
30 排気弁開閉レバー
40 圧力タンク排水弁開閉機構
41 梃子部
42 磁石
43 磁石
50 圧力タンク排水弁開閉機構
51 フロート(水位検出手段を備えた)
52 圧力タンク排水弁(電磁弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を弁室に送出する入力管と、
前記弁室の上方に配置された圧力タンクと、
前記弁室と圧力タンクとの間に設けられ、所定圧力以上の圧力を受けると開放される揚水弁と、
前記圧力タンクに設けられた、圧力タンク内が負圧になると開放され、大気を圧力タンク内に導入する吸気弁と、
前記圧力タンクに設けられた、圧力タンク内が所定圧になると開放され、圧力タンクで生成した圧縮空気を導出する吐出弁と、
前記圧力タンクに設けられた、圧力タンク内に供給された液体を外部に排出する圧力タンク排水弁と、
前記弁室の下流に設けられた、入力管から流入した液体を外部に排出する弁室排水弁と、を備え、
前記弁室排水弁が所定の流速の液体の流れによって閉じられ、この弁室排水弁の閉塞による弁室内の圧力上昇によって、揚水弁が開き、入力管から流入した液体の一部が圧力タンク内に流入することにより、圧力タンク内の空気を圧縮し、圧縮空気を生成することを特徴とする圧縮空気生成装置。
【請求項2】
前記入力管の一端が、液体が貯蔵された貯蔵タンクに接続され、貯蔵された液体が前記入力管に供給されることを特徴とする請求項1記載の圧縮空気生成装置。
【請求項3】
前記弁室排水弁は、
所定の流速の液体の流れによって閉じられ、この弁室排水弁の閉塞による弁室内の圧力上昇によって、揚水弁が開き、入力管から流入した液体の一部が圧力タンク内に流入することにより、圧力タンク内の空気を圧縮し、圧縮空気を生成し、揚水弁が閉じた後に開放され、再び入力管から流入した液体を外部に排出し、所定の流速の前記液体の流れによって閉塞される、
動作が繰り返し行われることを特徴とする請求項1記載の圧縮空気生成装置。
【請求項4】
前記弁室排水弁は、
軸を中心に回動可能に構成された弁体を有し、前記弁室からの液体の流れが所定の流速以下の場合には弁体は開放されており、前記弁室からの液体の流れが所定の流速を超えた場合には前記液体の流れによって、弁体は軸を中心に回動して閉塞し、
圧力タンク内の空気を圧縮した後には、前記揚水弁が閉じられることで生じる弁室内部の負圧と前記弁室排水弁の自重によって、前記弁室排水弁が開放され、再び前記弁室からの前記液体が流れ込むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧縮空気生成装置。
【請求項5】
弁室排水弁が電磁弁で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧縮空気生成装置。
【請求項6】
圧力タンク内の液位を検出し、所定の液位に達した際、圧力タンク排水弁を開放する圧力タンク排水弁開放機構を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の圧縮空気生成装置
【請求項7】
圧力タンク排水弁の開閉機構が、
圧力タンク内部に設けられた、圧力タンクの天井部から垂下した支持棒と、
前記支持棒の上部の所定位置に固定されたベース板と、
前記ベース板の上方において上下動可能に設けられた上部フロートと、
前記ベース板の下方において上下動可能に設けられた下部フロートと、
前記上部フロートを所定の位置に支持する、前記ベース板に設けられたロック板と、
前記ロック板の下延設部の下端部に一端部が連結され、他端部が下部フロートに連結されたワイヤーと、
前記上部フロートの側面に一端が取り付けられ、他端が圧力タンク排水弁に取り付けられた、排水弁開閉レバーと、を備え、
前記上部フロートが浮力により上昇することにより、前記排水弁開閉レバーを介して圧力タンク排水弁を開くと共に、
前記圧力タンク排水弁からの排液に伴い、浮力を失い下降する上部フロートを前記ロック板によって所定の位置に支持し、
更に、前記下部フロートが浮力を失い下降することによって、前記ワイヤーが前記ロック板を回動させ、これに伴い上部フロートが下降し、前記圧力タンク排水弁が閉じられるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の圧縮空気生成装置。
【請求項8】
前記ロック板の上延設部の上端部に形成され、前記上部フロートの下端部と係合する段部と、
前記ロック板の上部に設けられたローラと、
前記ロック板に回動力を与えるコイルばねと、を備え、
前記上部フロートが浮力を受けない状態にあっては、上部フロートの下端部と前記段部が係合した状態におかれ、
上部フロートが浮力により上昇し、上部フロートとロック板の段部との係合が解かれると、ロック板がコイルばねの反発力により回動し、ローラが上部フロートの下面を支持し、
更に、前記下部フロートが浮力を失い下降することによって、前記ワイヤーがコイルばねの反発力に抗しながら、前記ロック板を前記回動方向と反対方向に回動させ、これに伴い上部フロートが下降し、前記圧力タンク排水弁が閉じられるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の圧縮空気生成装置。
【請求項9】
圧力タンク排水弁の開閉機構が、
圧力タンクの上面に、軸を中心に揺動可能に設けられた梃子部と
前記梃子部の一端部に取り付けられ、他端が圧力タンク排水弁に取り付けられた、排水弁開閉レバーと、
前記梃子部の他端部の下面に取り付けられた第1の磁石と、
前記上部フロートの上面に、前記第1の磁石と吸着可能に設けられた第2の磁石と、
前記上部フロートと下部フロートとを連結するワイヤーとを備え、
上部フロートが上昇することにより第2の磁石が第1の磁石を吸着し、前記梃子部を介して前記圧力タンク排水弁を開き、
前記上部フロート及び下部フロートが浮力を失うことにより、上部フロート及び下部フロートが下降し、第2の磁石と第1の磁石の吸着状態を解除し、前記圧力タンク排水弁が閉じるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の圧縮空気生成装置。
【請求項10】
この圧力タンク排水弁の開閉機構が、
圧力タンク内に、液面に応じて上下動可能に設けられたフロートと、
前記フロートの位置を検出することにより、圧力タンク内の液位を検出する液位検出手段と、
前記液位検出手段からの信号を受けて圧力タンク排水弁の開閉を行う電磁弁と、
を備えていることを特徴とする請求項6記載の圧縮空気生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−2402(P2013−2402A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135926(P2011−135926)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(303042084)TMCシステム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】