説明

圧縮装置のためのポータブルコントローラユニット

【課題】圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットを提供すること。
【解決手段】着用者の体の部位に圧縮を加えるタイプの圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットであって、該コントローラユニットは、空気圧縮機と、弁機構と、空気圧縮機と弁機構とがその上に取り付けられた成形された一体型マニフォルドベースであって、マニフォルドベースは、ベースの成形中にベース内に形成されたプレナムと、ベースの成形中に形成され、ベースを圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素とを含み、プレナムは、空気圧縮機を弁機構に流体的に接続し、プレナムは、コネクタ構成要素を通って延び、コネクタを弁機構に流体的に接続し、その結果、ベースが圧縮装置に固定されているとき、空気が空気圧縮機からコネクタ構成要素を通って圧縮装置に送達され得る、マニフォルドベースとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して圧縮装置のためのポータブルコントローラユニットに関し、特に深部静脈血栓症などの医学状態を防ぐかまたは治療するために使用するタイプのポータブルコントローラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
動けない患者およびそのような人に関する重大な懸念は、深部静脈血栓症(DVT)および末梢性浮腫など、血液内において凝塊を形成する医学的状態である。そのような患者および人は、手術、麻痺、長期間のベッドでの療養などを受ける人を含む。このような血液凝固状態は、概して下肢および/または骨盤の深部静脈において起る。腸骨、大腿、膝窩および脛骨の還流などのこれらの静脈は、心臓へ向かう脱酸素化された(deoxygenated)血液である。例えば、これらの静脈における血液循環が、病気、けが、または無活動状態により妨げられたとき、血液がたまるかまたはうっ血する傾向がある。血液の静止したうっ血は、血液凝塊の形成に至らしめ得る。この状態に関係する重大な危険は、心臓血管循環に対する妨害である。最も重大なことであるが、血液凝塊の破片は、壊れて解き放され得、移動し得る。肺動脈塞栓が破片から形成され得、主肺動脈をふさぐ可能性があり、それが命にかかわり得る。本発明はまた、リンパ浮腫などの他の状態の治療にも適用され得る。
【0003】
患者の無活動に関係する状態およびその結果として生じる危険は、例えば脚などの人間の手足に対して断続的な圧力を加え血液循環を助けることによって、コントロールされ得るかまたは軽減され得る。例えば、Hastyへの特許文献1に開示される装置などの連続圧縮装置が用いられた。連続圧縮装置は、典型的には継ぎ目において一緒に固定される2枚のシート材料から組み立てられ、1つ以上の流体不浸透性袋を画定し、該流体不浸透性袋は、心臓への血液還流を改善するために患者の体部位の周りに連続的圧力を加える圧力源に接続される。膨張可能部分は、薄片によって覆われ、耐久性と患者の快適性とを向上させ、パンクから保護する。圧縮装置の一部として、2枚のシートは、繰り返しの使用の下で時間の経過による圧力の変化に構造的に耐えるように設計される。医療用管材料が圧力源を圧縮装置の通常いくつかの袋に接続するために用いられる。空気圧力源は、最も多くの場合、患者から離れて位置を定められる空気圧縮機である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,091,864号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の概要)
本発明の一局面において、着用者の体の部位に圧縮を加えるタイプの圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットは、概して空気圧縮機と、弁機構とを備えている。空気圧縮機と弁機構とがその上に取り付けられた成形された一体型マニフォルドベースは、ベースの成形中にベース内に形成されたプレナムと、ベースの成形中に形成され、ベースを圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素とを含む。空気圧縮機を弁機構に流体的に接続するプレナムは、コネクタ構成要素を通って延び、コネクタを弁機構に流体的に接続し、その結果、ベースが圧縮装置に固定されているとき、空気が空気圧縮機からコネクタ構成要素を通って圧縮装置に送達され得る。
【0006】
本発明の別の局面において、着用者の体の部位に圧縮を加えるタイプの圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットを作製する方法は、概して、ベースを圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素と、コネクタ構成要素を通って延びるベース内のプレナムとを有する一体型マニフォルドベースを成形することを包含する。空気圧縮機は、プレナムと流体連絡するように適合されたマニフォルドベースに取り付けられる。ベースに取り付けられた弁機構は、プレナムと流体連絡するように適合される。
【0007】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
着用者の体の部位に圧縮を加えるタイプの圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットであって、該コントローラユニットは、
空気圧縮機と、
弁機構と、
該空気圧縮機と該弁機構とがその上に取り付けられた成形された一体型マニフォルドベースであって、該マニフォルドベースは、該ベースの成形中に該ベース内に形成されたプレナムと、該ベースの成形中に形成され、該ベースを該圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素とを含み、該プレナムは、該空気圧縮機を該弁機構に流体的に接続し、該プレナムは、該コネクタ構成要素を通って延び、かつ該コネクタを該弁機構に流体的に接続し、その結果、該ベースが該圧縮装置に固定されているとき、空気が該空気圧縮機から該コネクタ構成要素を通って該圧縮装置に送達され得る、マニフォルドベースと
を備えている、ポータブルコントローラユニット。
(項目2)
上記コネクタ構成要素は上記圧縮装置にスナップ接続するように組み立てられる、上記項目に記載のポータブルコントローラユニット。
(項目3)
上記コネクタ構成要素は上記ベースから突き出る、上記項目のいずれか1項に記載のポータブルコントローラユニット。
(項目4)
上記コネクタ構成要素は球状の形状を有する、上記項目のいずれか1項に記載のポータブルコントローラユニット。
(項目5)
上記プレナムは概ね上記コネクタ構成要素の中心を通って延びる、上記項目のいずれか1項に記載のポータブルコントローラユニット。
(項目6)
上記ベースおよび上記コネクタコンポーネントは、弾性のある高分子材料から形成される、上記項目のいずれか1項に記載のポータブルコントローラユニット。
(項目7)
上記圧縮装置と組み合せられる上記項目のいずれか1項に記載のポータブルコントローラユニットであって、該圧縮装置が上記ポータブルコントローラユニットを該圧縮装置に解除可能に固定するマウントを含む、ポータブルコントローラユニット。
(項目8)
着用者の体の部位に圧縮を加えるタイプの圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットを作製する方法であって、該方法は、
ベースを該圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素と、該コネクタ構成要素を通って延びる該ベース内のプレナムとを有する一体型マニフォルドベースを成形することと、
該プレナムと流体連絡するように適合された該マニフォルドベースに空気圧縮機を取り付けることと、
該プレナムと流体連絡するように適合された該ベースに弁機構を取り付けることと
を包含する方法。
(項目9)
上記プレナムは、入口プレナムと出口プレナムとを含み、該出口プレナムは、上記コネクタ構成要素を通って延び、上記空気圧縮機を取り付けることは、該入口プレナムと流体連絡する該空気圧縮機を取り付けることを含み、上記弁機構を取り付けることは、該空気圧縮機の下流にある該入口プレナムと流体連絡をし、該コネクタ構成要素の上流にある該出口プレナムと流体連絡する該弁機構を取り付けることを含む、上記項目に記載の方法。
(項目10)
上記コネクタ構成要素はオス型スナップコネクタ構成要素である、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
上記出口プレナムは、上記マニフォルドベースの長手方向軸に概ね直交して延びる軸に沿って上記オス型コネクタ構成要素を通って延びる、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
上記コネクタ構成要素は、上記マニフォルドベースの第1の面に配置され、上記空気圧縮機を取り付けることは、該第1の面の反対側の該マニフォルドベースの第2の面に該空気圧縮機を取り付けることを包含し、上記弁機構を取り付けることは、該マニフォルドベースの該第2の面に該弁機構を取り付けることを包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
上記プレナムは、入口プレナムと出口プレナムとを含み、該入口プレナムは、第1の位置において上記マニフォルドベースの上記第2の面と、該第1の位置から間隔を空けた第2の位置において該マニフォルドベースの該第2の面とを通って延び、該出口プレナムは、該第1の位置および該第2の位置から間隔を空けた第3の位置において該第2の面を通り、かつ上記コネクタ構成要素を通って延び、上記空気圧縮機を取り付けることは、該マニフォルドベースの該第1の面にある該第1の位置において該入口プレナムと流体連絡する該空気圧縮機を取り付けることを含み、上記弁機構を取り付けることは、該マニフォルドベースの該第1の面にある該第2の位置において該入口プレナムと流体連絡し、該マニフォルドベースの該第2の面にある該第3の位置において該出口プレナムと流体連絡する該弁機構を取り付けることを含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【0008】
(摘要)
圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットは、内部または外部の接続を行うために管材料を使用することを必要としない。コントローラユニットは、空気圧縮機と弁機構とがその上に取り付けられた成形された一体型マニフォルドベースを含む。マニフォルドベースは、ベースの成形中にベース内に形成されたプレナムと、ベースの成形中に形成され、ベースを圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素とを含む。プレナムは、空気圧縮機を弁機構に流体的に接続する。プレナムは、コネクタ構成要素を通って延び、コネクタを弁機構に流体的に接続し、その結果、ベースが圧縮装置に固定されているとき、空気が空気圧縮機からコネクタ構成要素を通って圧縮装置に送達され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
他の目的および特徴は以下から部分的に明らかになり、部分的に指摘される。
【図1】図1は、閉鎖性の巻かれた構成の圧縮装置アセンブリの斜視図である。
【図2】図2は、開放性の巻かれていない構成の圧縮装置アセンブリの圧縮装置の平面図である。
【図3】図3は、圧縮装置アセンブリの拡大された部分断面であり、マウントから取り外されたポータブルコントローラユニットを示す。
【図3A】図3Aは、ポータブルコントローラユニットがマウントに接続されている、図3の拡大された部分図である。
【図4】図4は、圧縮装置の一部分の拡大された部分図である。
【図5】図5は、図4の線5−−5に沿ってとられた圧縮装置の拡大された部分である。
【図6】図6は、圧縮装置の拡大された部分図である。
【0010】
対応する参照文字は、図面全体を通じて対応する部品を指示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(図面の詳細な説明)
ここで図面特に図1を参照すると、着用者の体の部位に圧縮療法を適用する圧縮装置アセンブリが全体的に示される10。圧縮装置アセンブリは、全体的に12で示される圧縮装置と、全体的に14で示され、圧縮装置に取り付けられるポータブルコントローラユニットとを含む。
【0012】
図1〜図3を参照すると、例示される実施形態の圧縮装置12は、着用者の脚の周りに巻かれるようなサイズおよび形状で作られる。圧縮装置12は、3つの間隔を空けて置かれた膨張可能な袋18を有する膨張可能な部材16を含む。袋の数および/または構成は、例示的な実施形態において示されるもの以外であり得る。膨張可能な部材16は向かい合う内側および外側の袋層20、22を備え、袋層はそれぞれ上部、中部、下部の密閉線24に沿って互に固定される。本明細書において用いられるように、用語「内側」および「外側」は、装置12が脚の周りに巻かれたとき、着用者の脚に関する相対的な位置をいう。密閉線の周囲内の袋層20、22の部分と共に密閉線24は、加圧された空気を保持する能力のあるそれぞれの膨張可能な袋18を画定する。一実施形態において、各袋層20、22は、1枚のシート材料として一体化して形成される。例えば、各袋層20、22は、1枚のシートのPVCなどの空気不浸透性材料から形成され得るかまたは薄板にされた材料であり得る。さらに袋層20、22は、袋密閉線24に沿って互いに溶接され得るが、袋線および膨張可能な袋を形成する他の方法も本発明の範囲内である。例示されていないが、圧縮装置12は、着用者の皮膚に接触する内側層または裏地と、装置の外部面を形成する外側層とを含み得る。他の構成は本発明の範囲内にある。
【0013】
図1〜図6を参照すると、以下に詳細に説明されるように、それぞれの膨張可能な袋18と流体連絡する導管28は、膨張可能な袋から、ポータブルコントローラユニット14(または「空気圧縮ユニット」)がそこに取り付けられるマウント32(広い意味で「導管端末」)に延びる。導管28は、使用時にコントローラユニット14から膨張可能な袋18に加圧された空気を送達するために用いられる。各導管28は、袋層20、22を互いに固定する、一対の間隔を空けて置かれた概ね向かい合う導管密閉線30によって形成される。導管線30の各対および一対の線の間の袋層20、22の部分は、導管28のうちの1つを画定する。袋密閉線24の場合のように、袋層20、22は、導管密閉線30に沿って互に溶接される。さらに、例示される実施形態におけるように、各袋18および関連する導管28は、単一の連続線によって形成され得る。例えばそして限定することなく、単一の溶接動作によって、袋密閉線24と、袋18のうちの1つの対の導管密閉線30およびそれに関係する導管28とを含む連続密閉線が形成され得る。
【0014】
図3〜図6を参照すると、導管をその長さ方向に沿って開いた状態に維持するためにスペーサ34が各導管28に受け入れられ、その結果、導管は使用時にコントローラユニット14との流体連絡を維持する。各スペーサ34は、概ね細長く、その長さ方向に沿って概ね柔軟性があり、その結果、スペーサは、導管28の経路に一致することが可能である。図5に最も良く示されるように、各スペーサ34は、概ねU形の断面および導管内の向かい合う袋層20、22の間に延びる高さを有する。各スペーサ34は、その高さ方向に沿って実質的に圧縮不能であるか、または少なくとも通常の条件下においては完全にはつぶれない。この構成によって、コントローラユニットと1つ以上の膨張可能な袋との間の流体の流れを閉じるかさもなければ邪魔をし得る任意の圧縮力(例えば、着用者の脚の重量)が装置12に加えられても、導管28は開いたままであり、袋18はコントローラユニット14との流体連絡をする状態のままである。一例において、各スペーサ34は、PVCまたは押出し成形可能なシリコーンを含むシリコーンから構成され、押出し成形によってまたは原料から形成され得る。
【0015】
図1〜図3Aを参照すると、その上にポータブルコントローラユニット14が取り付けられるマウント32は、外側の袋層20の外部表面に固定される。マウント32は、コントローラユニットを圧縮装置12に解除可能に取り付けるために、ポータブルコントローラユニット14のかみ合い可能なオス型コネクタ構成要素40を受けるための内部メス型コネクタ構成要素38を含む。本発明の範囲内において、マウント32が、ポータブルコントローラユニット14のかみ合い可能なメス型コネクタ構成要素に受けられるためのオス型コネクション構成要素を含み得ることは理解される。例示的実施形態において、オス型コンネクション構成要素40は、スナップフィット係合によってメス型コネクション構成要素38において解除可能に保持される。オス型コネクタ構成要素40はわずかに球状の形状を有し、メス型コネクタ構成要素38(「レセプタクル」)は対応する形状を有する。オス型コネクタ構成要素40の最も広い部分は、メス型コネクタ構成要素38の口より広く、その結果、オス型構成要素がメス型コネクタ構成要素に入ると、オス型構成要素および/またはメス型構成要素は変形される。一旦、オス型コネクタ構成要素40がメス型コネクタ構成要素38の中に十分深く挿入されると、オス型コネクタ構成要素40は、メス型コネクタ構成要素のより広い部分に到達し、その元の形状の方に「パチン」と戻る。コネクタ構成要素38、40がその後切り離しに抵抗することは理解される。しかしながら、十分な力が加えられると、コネクタ構成要素38、40は、分離され得る。かみ合い可能なスナップフィット構成要素を含む、ポータブルコントローラユニット14を圧縮装置12に解除可能に取り付ける他の方法は、本発明の範囲内である。
【0016】
図3および図3Aを参照すると、マウント32の各メス型コネクタ構成要素38は、マウント内の入口通路44を介して導管28のうちの1つに流体的に接続される。一例において、メス型コネクタ構成要素38および入口通路44を含むマウント32は、一体化ユニットとして成形される。マウント32を形成する他の方法は、本発明の範囲内である。マウント32は、熱溶接(例えば、無線周波数(RF)溶接)、接着剤、機械式コネクタまたは他の方法によって、内側の袋層および外側の袋層20、22に固定され、その結果、マウント内の入口通路44は、それぞれの袋導管28と密閉された流体の連絡をする。例えばそして限定することなく、一方法において、マウント32は、内側の袋層20となるシートと共にRF溶接ダイに配置され、シートは、入口通路44の周りのマウント32に溶接される。外側の袋層22およびスペーサ34(各導管28に対して1つが形成される)は次に、溶接ダイに配置される。第2の溶接は、内側の袋層と外側の袋層20、22とを一緒に接続し、入口通路44からマウントの周囲まで両方の層をマウント32に接続して、形成され、それによって、導管28の小さな部分を形成する。U形状のダイ部材(図示されていない)がこの手順に用いられ、その結果、導管28の小さな部分はマウント32の周囲において開いたままである。第3の溶接ステップは、内側の袋層と外側の袋層20、22とを一緒に結合し、各導管28の残りおよび袋18を形成する。第3の溶接ステップにおいて、スペーサ34は、導管28においてカプセル化される。マウントが溶接部の一部でないときに対して、マウント32が溶接線に存在するとき、材料の厚さの相違のために2つの異なる溶接ステップが用いられ、導管28を形成する。しかしながら導管28は、正しく調節された溶接ダイを用いて1つのステップで形成され得ることが考察される。
【0017】
図1を参照すると、ポータブルコントローラユニット14は、空気圧縮機52および弁機構54に電気的に接続されたコントローラ50を含む。構成要素50、52、54の各々は、マニフォルドベース56(広い意味で、ベース)に取り付けられる。以下に説明されるように、オス型コネクション構成要素40は、マニフォルドベース56から外側に延びる。より詳細には、オス型コネクション構成要素40は、ベース56の第1の面58a(図3)から外側に延び、コントローラ50、空気圧縮機52および弁機構54は、ベースの反対の第2の面58b(図3)に取り付けられる。例示された実施形態において、ベース56の長手方向軸A1は、コネクション構成要素40の軸A2(1つのみが例示されている)に概ね直交している。コントローラ50は、動作中、空気圧縮機52および弁機構54と通信するマイクロプロセッサであり得る。弁機構54は、マイクロプロセッサによって制御される複数の弁(例えば、ソレノイド弁)を備え得る。図面に例示されていないが、コントローラユニットは、コントローラ50に電力を供給するバッテリなどの再充電可能なポータブル電源と、空気圧縮機52と、弁機構54とを含み得る。ポータブルコントローラユニット14の動作は、当該分野において教示される方法と概ね同じ方法で動作し得る。
【0018】
図1および図3を参照すると、マニフォルドベース56は、1つの内部入口プレナム(plenum)60と、オス型コネクタ構成要素40を通って延びる複数の内部出口プレナム62とを含む。入口プレナム60は、空気圧縮機52と弁機構54とを流体的に接続する。入口プレナム60は、第1の位置におけるマニフォルドベース56の第2の面58bから第2の面の第2の位置に延びる。空気圧縮機52は、第1の位置において入口プレナム60と流体連絡するベース56の第2の面58bに取り付けられる。出口プレナム62は、弁機構54とオス型コネクタ構成要素40とを流体的に接続する。出口プレナム62は、第3の位置においてベース56の第2の面58bを通って延び、オス型コネクタ構成要素40を通って軸方向に延び、弁機構54をそれぞれの導管28およびそれぞれの袋18に流体的に接続する。弁機構54は、第2の位置における入口プレナム60と第3の位置における出口プレナム62の両方と流体の連絡をするベース56の第2の面58bに取り付けられる。一例において、入口プレナム60を含むマニフォルドベース56、出口プレナム62およびオス型コネクタ構成要素40は、1つの一体化ユニットとして成形される。例えば、ベース56およびオス型構成要素40は、弾性のある高分子材料から形成され得る。ベース56は、本発明の範囲から逸脱することなく他の方法で形成され得ることは理解される。ポータブルコントローラユニット14はまた、マニフォルドベース56に取り外し可能に固定され得、コントローラ50と、空気圧縮機52と、弁機構54とを囲むカバー(図示されていない)を含み得る。
【0019】
例示的な使用法において、圧縮装置アセンブリ10は、患者の、例えば脚などの手足の周りに巻かれる。当該分野において公知のように、圧縮装置12の反対側の縁に隣接した、フックおよびループファスナ(図示されていない)などのかみ合い可能なファスナが、着用者の手足に圧縮装置を解除可能に固定するために用いられ得る。圧縮装置12が着用者の手足に固定される前かまたは後に、ポータブルコントローラユニット14は、オス型コネクション構成要素40をマウント32におけるそれぞれのメス型コネクション構成要素38の中に挿入することによって、装置に取り付けられる。上記に説明されるように、オス型コネクション構成要素38は、スナップフィット係合によってメス型コネクション構成要素において保持される。装置12に取り付けられたコントローラユニット14によって、コントローラユニットは膨張可能な袋18と流体連絡する。コントローラ50は、活動化され、圧縮療法を開始し、それによって空気圧縮機52は、マニフォルドベース56において入口プレナム60を経由して加圧された空気を弁機構54に送達し、弁機構54は、3つの出口プレナム62のうちの1つの中そして導管28のうちの1つを経由して適切な袋18の中に空気を方向転換する。ポータブルコントローラユニット14は、マウント32から離れるように単にベース56を引くことによって、圧縮12から分離され得、その結果、オス型コネクション構成要素40はマウント32においてメス型コネクション構成要素38との係合を外す。例示的な実施形態において、空気を送達するための別個の管材料が除去されることが理解される。圧縮装置12は使い捨てであり得、1回限りの使用のために組み立てられ得ることが考察される。従って、再充電可能な電源を有するポータブルコントローラユニット14は、再使用され得、同じタイプの別の圧縮装置12に取り付けられ得る。
【0020】
本発明の要素および本発明の好ましい実施形態を紹介するときに、冠詞「a」、「an」、「the」および「該、前記(said)」は、1つ以上の要素があることを意味することが意図される。用語「備えている、包含する(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」は、記載された要素以外の追加の要素があり得ることを含みそして意味することが意図される。
【0021】
上記を考慮して、本発明のいくつかの目的および他の利点が達成されることが考えられる。
【0022】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の構造、製品および方法において様々な変更がなされ得るので、上記の説明に含まれそして添付の図面に示されるすべての事項は、例示的であり限定する意味ではないと解釈すべきであることが意図される。
【符号の説明】
【0023】
10 圧縮装置アセンブリ
12 圧縮装置
14 ポータブルコントローラユニット
16 膨張可能な部材
18 膨張可能な袋
20 内側の袋層
22 外側の袋層
24 密閉線
28 導管
30 導管密閉線
32 マウント
34 スペーサ
38 メス型コネクタ構成要素
40 オス型コネクタ構成要素
52 空気圧縮機
54 弁機構
56 マニフォルドベース
60 入口プレナム
62 出口プレナム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の体の部位に圧縮を加えるタイプの圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットであって、該コントローラユニットは、
空気圧縮機と、
弁機構と、
該空気圧縮機と該弁機構とがその上に取り付けられた成形された一体型マニフォルドベースであって、該マニフォルドベースは、該ベースの成形中に該ベース内に形成されたプレナムと、該ベースの成形中に形成され、該ベースを該圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素とを含み、該プレナムは、該空気圧縮機を該弁機構に流体的に接続し、該プレナムは、該コネクタ構成要素を通って延び、かつ該コネクタを該弁機構に流体的に接続し、その結果、該ベースが該圧縮装置に固定されているとき、空気が該空気圧縮機から該コネクタ構成要素を通って該圧縮装置に送達され得る、マニフォルドベースと
を備えている、ポータブルコントローラユニット。
【請求項2】
前記コネクタ構成要素は前記圧縮装置にスナップ接続するように組み立てられる、請求項1に記載のポータブルコントローラユニット。
【請求項3】
前記コネクタ構成要素は前記ベースから突き出る、請求項2に記載のポータブルコントローラユニット。
【請求項4】
前記コネクタ構成要素は球状の形状を有する、請求項3に記載のポータブルコントローラユニット。
【請求項5】
前記プレナムは概ね前記コネクタ構成要素の中心を通って延びる、請求項4に記載のポータブルコントローラユニット。
【請求項6】
前記ベースおよび前記コネクタコンポーネントは、弾性のある高分子材料から形成される、請求項2に記載のポータブルコントローラユニット。
【請求項7】
前記圧縮装置と組み合せられる請求項1に記載のポータブルコントローラユニットであって、該圧縮装置が前記ポータブルコントローラユニットを該圧縮装置に解除可能に固定するマウントを含む、ポータブルコントローラユニット。
【請求項8】
着用者の体の部位に圧縮を加えるタイプの圧縮装置に加圧された空気を送達するポータブルコントローラユニットを作製する方法であって、該方法は、
ベースを該圧縮装置に解除可能に固定するコネクタ構成要素と、該コネクタ構成要素を通って延びる該ベース内のプレナムとを有する一体型マニフォルドベースを成形することと、
該プレナムと流体連絡するように適合された該マニフォルドベースに空気圧縮機を取り付けることと、
該プレナムと流体連絡するように適合された該ベースに弁機構を取り付けることと
を包含する方法。
【請求項9】
前記プレナムは、入口プレナムと出口プレナムとを含み、該出口プレナムは、前記コネクタ構成要素を通って延び、前記空気圧縮機を取り付けることは、該入口プレナムと流体連絡する該空気圧縮機を取り付けることを含み、前記弁機構を取り付けることは、該空気圧縮機の下流にある該入口プレナムと流体連絡をし、該コネクタ構成要素の上流にある該出口プレナムと流体連絡する該弁機構を取り付けることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コネクタ構成要素はオス型スナップコネクタ構成要素である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記出口プレナムは、前記マニフォルドベースの長手方向軸に概ね直交して延びる軸に沿って前記オス型コネクタ構成要素を通って延びる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記コネクタ構成要素は、前記マニフォルドベースの第1の面に配置され、前記空気圧縮機を取り付けることは、該第1の面の反対側の該マニフォルドベースの第2の面に該空気圧縮機を取り付けることを包含し、前記弁機構を取り付けることは、該マニフォルドベースの該第2の面に該弁機構を取り付けることを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記プレナムは、入口プレナムと出口プレナムとを含み、該入口プレナムは、第1の位置において前記マニフォルドベースの前記第2の面と、該第1の位置から間隔を空けた第2の位置において該マニフォルドベースの該第2の面とを通って延び、該出口プレナムは、該第1の位置および該第2の位置から間隔を空けた第3の位置において該第2の面を通り、かつ前記コネクタ構成要素を通って延び、前記空気圧縮機を取り付けることは、該マニフォルドベースの該第1の面にある該第1の位置において該入口プレナムと流体連絡する該空気圧縮機を取り付けることを含み、前記弁機構を取り付けることは、該マニフォルドベースの該第1の面にある該第2の位置において該入口プレナムと流体連絡し、該マニフォルドベースの該第2の面にある該第3の位置において該出口プレナムと流体連絡する該弁機構を取り付けることを含む、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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