説明

圧電トランスを用いた高電圧電源回路

【課題】昇圧比が大きく、また、安定した高電圧を供給することができる圧電トランスを用いた高電圧電源回路を得る。
【解決手段】圧電トランス9と、前記圧電トランス9へ供給する駆動電圧の周波数を制御する周波数制御部と、前記周波数制御部の出力信号に応じて前記駆動電圧を発生するインダクタL1およびコンデンサC1と、前記駆動電圧が供給された圧電トランス9の出力電圧を直流電圧へ整流する整流部10と、前記整流部10に接続して該整流部10の出力電圧を高めるコンデンサC0とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真式プリンタ、複写機、除電器、空気洗浄機などの機器に使用されている高電圧を、圧電トランスを用いて発生する高電圧電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧を出力する電源回路には、変圧動作が安定している巻線式のトランスが用いられているが、比較的発熱が小さく、効率よく変圧を行うことができる圧電トランスが多く用いられるようになった。
圧電トランスを使用して直流の高電圧を発生させる場合には、圧電トランスの出力端子に、ダイオ−ド、コンデンサ、抵抗等によって構成された整流回路が接続される。このような整流回路に負荷を接続した場合、電源回路の最大出力電圧は、圧電トランスの昇圧比によって定められる。従って、電源回路の出力を高電圧にするためには、圧電トランスへ入力する駆動電圧を高くする、または当該駆動電圧の周波数を高くする必要がある。
【0003】
例えば、レ−ザビ−ムプリンタのように数十ボルトから数キロボルトまでの可変電圧を使用する機器では、電源回路の出力電圧が広範囲になる。圧電トランスへ供給する駆動電圧を制御して広範囲の電圧を出力させるときには、圧電トランスが有している共振周波数を避けて前述の駆動電圧周波数を制御することが必要になる。
【0004】
圧電トランスを用いた電源回路には、特許文献1に記載されているように複数の圧電トランスを動作させるとき、各圧電トランスの出力側にコンデンサなどを接続し、各圧電トランスの共振周波数をシフトさせて静電容量性結合による相互干渉を防ぐものがある。また、特許文献1には、上記のコンデンサの容量が大きくなると電源回路の昇圧比が小さくなることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−311787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の圧電トランスを用いた高電圧電源回路、もしくは当該回路を有する電源装置では、圧電トランスの共振周波数を回避しながら広範囲の電圧を出力させると、圧電トランスの駆動電圧の周波数を相当広い範囲で変化させる必要がある。このように、駆動電圧の周波数を変化させる場合には、回路構成ならびに動作制御が複雑になるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するために鑑みてなされたものであり、その目的は、昇圧比が大きく、また、安定した高電圧を供給することができる圧電トランスを用いた高電圧電源回路を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の圧電トランスを用いた高電圧電源回路は、圧電トランスと、前記圧電トランスへ供給する駆動電圧の周波数を制御する周波数制御部と、前記周波数制御部の出力信号に応じて前記駆動電圧を発生する駆動部と、前記駆動電圧が供給された圧電トランスの出力電圧を直流電圧へ整流する整流部と、前記整流部に接続して該整流部の出力電圧を高める出力特性調整用コンデンサとを有する。
【0009】
好適には、前記出力特性調整用コンデンサは、前記圧電トランスの出力効率を低下させない容量を有する。
【0010】
好適には、前記出力特性調整用コンデンサは、前記周波数制御部が前記圧電トランスの出力短絡電流に基づいて設定された周波数を用いて前記駆動電圧の周波数制御を行うことが可能なように、前記圧電トランスの共振周波数をシフトする容量を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な構成によって昇圧比を向上させ、安定した出力動作によって広範囲の高電圧を負荷へ供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
<第1の実施形態>
[高電圧電源回路の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態による圧電トランスを用いた高電圧電源回路の構成を示すブロック図である。
図1の高電圧電源回路1は、出力端子T5,T6に負荷2を外部接続している。高電圧電源回路1は、信号変換部3、基準電圧生成部4、比較部5、周波数制御部6、駆動部7、共振部8、圧電トランス9、整流部10、電圧検出部11、および、電流検出部12を有している。
【0013】
信号変換部3は、高電圧電源回路1の入力端子T2を介して外部からPWM制御信号を入力し、レベル変換を行った制御信号を比較部5へ出力するように構成されている。
基準電圧生成部4は、高電圧電源回路1の入力端子T1を介して外部から入力電圧VINを入力し、生成した基準電圧Vrefを比較部5および周波数制御部6へ出力するように構成されている。
【0014】
比較部5は、前述の制御信号および基準電圧Vrefを入力し、さらに電圧検出部11からの出力電圧検出値、および電流検出部12からの出力電流検出値を入力するように構成されている。
周波数制御部6は、所定の周波数で発振する発振部6aを有する。また、周波数制御部6は、基準電圧Vrefと比較部5の出力信号とを入力し、駆動部7の動作を制御するように構成されている。
駆動部7は、周波数制御部6の制御に応じて共振部8を動作させるように構成されている。
【0015】
共振部8は、駆動部7の出力信号に応じてLC共振を起こし、入力電圧VINを振動させて圧電トランス9の駆動電圧を発生するように構成されている。
圧電トランス9は、1次側端子に共振部8からの駆動電圧を入力し、2次側端子に発生した出力電圧を整流部10へ出力するように構成されている。
【0016】
整流部10は、圧電トランス9の出力電圧を直流電圧に整流し、この直流電圧を出力端子T5,T6へ出力するように構成されている。出力端子T5,T6には、負荷2が接続されている。また、整流部10と出力端子T5との間には抵抗R100が接続されている。
電圧検出部11は、整流部10において生成された直流電圧、即ち高電圧電源回路1もしくは圧電トランス9の出力電圧を検出し、この出力電圧検出値を比較部5へ入力するように構成されている。
電流検出部12は、整流部10において生成された直流電流、即ち高電圧電源回路1もしくは圧電トランス9の出力電流を検出し、この出力電流検出値を、比較部5および高電圧電源回路1の出力端子T4へ入力するように構成されている。
【0017】
高電圧電源回路1は、前述の信号変換部3、基準電圧生成部4、比較部5、周波数制御部6、電圧検出部11および電流検出部12によって構成される圧電トランス9の制御回路を有している。当該制御回路を、例えばソフトウエアプログラムに則して制御動作を行うプロセッサなどによって構成し、上記の制御回路と同様な制御を駆動部7ならびに共振部8に行って、圧電トランス9の動作を制御するようにしてもよい。
【0018】
[高電圧電源回路の出力部の構成]
図2は、第1の実施形態による圧電トランスを用いた高電圧電源回路の構成を示す説明図である。図1に示したものと同一部分に同じ符号を使用し、図2に用いた各符号の説明を省略する。この図は、図1に示した高電圧電源回路1の出力部の構成を示しており、整流部10、圧電トランス9、共振部8を構成するインダクタL1およびコンデンサC1、駆動部7の一部分をなすスイッチングトランジスタTr1、および抵抗R100の電気接続を示している。また図2には、高電圧電源回路1の出力端子T5,T6に接続される負荷2の電気接続を示している。なお、図2の整流部10は、図1に示した電圧検出部11および電流検出部12の回路接続部分について図示を省略している。
【0019】
図2に示したように整流部10は、ダイオ−ドD1、コンデンサC2、抵抗R1、ダイオ−ドD2によって構成されている。ダイオ−ドD1は、圧電トランス9の出力電流を整流する整流素子であり、アノ−ドを圧電トランス9の出力端子に接続し、カソ−ドをコンデンサC2および抵抗R1の一端に接続させている。また、ダイオ−ドD1のカソ−ド、コンデンサC2、抵抗R1の接続点は回路保護用の抵抗R100を介して高電位側の出力端子T5へ接続されている。ダイオ−ドD1のアノ−ドにはダイオ−ドD2のカソ−ドが接続されている。ダイオ−ドD2のアノ−ド、コンデンサC2の他端、抵抗R1の他端は、低電位側の出力端子T6に接続され、また、高電圧電源回路1のグランド(以下、GNDと記載する)、即ち、図1の端子T3に接続されている。
ダイオ−ドD1のアノ−ドとダイオ−ドD2とのカソ−ドの接続点、即ち圧電トランス9の出力端子には、コンデンサC0(出力特性調整用コンデンサ)の一端が接続されている。コンデンサC0の他端は、GNDに接続されている。
【0020】
[高電圧電源回路の動作]
次に動作について説明する。
[通常の高電圧出力動作]
初めに、出力端子T5,T6間に負荷2を接続して電圧を供給する、通常の高電圧電源回路1の動作を説明する。
高電圧電源回路1は、入力端子T1を介して外部から直流の入力電圧VINを入力する。基準電圧生成部4は、入力電圧VINを用いて所定の直流電圧値を有する基準電圧Vrefを生成する。
また高電圧電源回路1は、入力端子T2を介して外部からPWM制御信号を入力する。PWM制御信号は、圧電トランス9へ供給する駆動電圧の周波数を設定する、即ち圧電トランス9の出力電圧を設定する制御信号である。
【0021】
信号変換部3は、入力端子T2から入力されたPWM制御信号を、当該高電圧電源回路1を構成する回路において、処理することが可能な信号レベルへ変換する。具体的には、信号変換部3は、例えば、入力したデジタル信号のPWM制御信号を、アナログ回路において用いることができるように、電圧値によって制御内容を示すPWM制御信号へ変換する。
比較部5は、PWM制御信号が示す出力電圧値、基準電圧Vref、および電圧検出部11からの出力電圧検出値を用いた比較処理、ならびに前述の比較結果に電流検出部12からの出力電流検出値を加味して、圧電トランス9が発生すべき電圧を表す信号を生成する。
【0022】
周波数制御部6は、自ら備える発振部6aが発生した発振信号に同期させて、駆動部7のスイッチング動作を制御する周波数制御信号を生成する。このとき周波数制御部6は、比較部5の比較結果に応じて、具体的には、圧電トランス9が発生すべき電圧に対応した周波数でスイッチング動作が行われるように、上記の周波数制御信号を生成する。
駆動部7は、周波数制御部6からの周波数制御信号に応じて図2のスイッチングトランジスタTr1をON/OFFさせる。駆動部7は、前述のスイッチング動作によって共振部8を共振させ、詳しくは、コンデンサC1に圧電トランス9の入力容量を加味した容量と、インダクタL1とを共振させて駆動電圧を発生させる。
なお、本実施形態で圧電トランス9へ入力される駆動電圧は、周波数によらず、デュ−ティ比が一定である。
【0023】
共振部8が発生させた周波数の駆動電圧は、圧電トランス9の1次側電極間へ供給される。圧電トランス9は、供給された駆動電圧に応じた電圧を2次側電極に発生させて整流部10へ出力する。
整流部10は、圧電トランス9から出力された電力を整流し、抵抗R100を介して直流電力を高電圧電源回路1の出力端子T5,T6へ出力する。
電圧検出部11は、整流部10において生成された直流の電圧値を検出し、前述のように比較部5へ出力する。比較部5は、前述のように比較処理を行うとき、この出力電圧値を加味して、圧電トランス9が発生する電圧値にフィ−ドバック制御を行っている。
【0024】
電流検出部12は、整流部10から負荷2へ直流電圧が供給され、このとき負荷2に流れた出力電流値を検出する。電流検出部12は、検出した出力電流値を前述のように比較部5へ出力する。比較部5は、前述のように比較処理を行うとき、電流検出部12から入力した出力電流値を用いて圧電トランス9の昇圧動作にフィ−ドバック制御を行い、圧電トランス9の出力電圧値を調整している。
上述のように、負荷2を外部接続した高電圧電源回路1は、通常の電圧出力動作を行う。
【0025】
[短絡電流に基づく設定動作]
高電圧電源回路1は、前述の通常の出力動作を行う前に、次に説明する設定動作を行う。
圧電トランス9は、製造工程の焼成や成型において若干の個体差が生じ、完成品の出力特性に若干の差異を有する場合がある。具体的には、圧電トランス9は、製造ロット等が異なると、共振周波数に若干のばらつきを有する場合がある。
そのため、完成品の圧電トランス9を動作させて、出力電圧を広範囲にわたって変化させるとき、画一の制御を行うと圧電トランス9の共振周波数を越える場合があり、いわゆる山越えを起こして出力電圧を制御することが困難になる場合がある。圧電トランス9の個体差による共振周波数のばらつきによって生じる上記のような障害を避けるため、次のように駆動電圧の周波数を設定する。
【0026】
複数の圧電トランス9に様々な値の負荷2を接続し、各値の負荷2における共振周波数を測定する。各値の負荷2における共振周波数は、圧電トランス9へ供給する駆動電圧を高周波数から低周波数へ変化させて当該共振周波数を探す。この測定結果から共振周波数が最も低い圧電トランス9と、共振周波数が最も高い圧電トランス9とを選択する。
【0027】
前述の二つの圧電トランス9を用いて、次のように出力短絡電流を計測する。出力端子T5,T6間を短絡し、前述のように予め計測しておいた各値の負荷2における共振周波数を有する駆動電圧を生成する。この駆動電圧を例えば前述の共振周波数が最も低い圧電トランス9へ供給して出力短絡電流値を計測する。この出力短絡電流値を、上記の負荷2の値に対応させていずれかの記憶手段に記憶/蓄積させておく。共振周波数が最も高い圧電トランス9についても、同様に、各値の負荷2における共振周波数の駆動電圧を供給したときの出力短絡電流値を計測し、負荷2の値に対応させて各出力短絡電流値を記憶/蓄積させておく。
なお、上記の駆動電圧の周波数制御は、入力端子T2へ入力するPWM制御信号を用いて行う。また、上記の様々な値の負荷2は、高電圧電源回路1が電力供給を行うことができる範囲内の値を有するものである。
【0028】
圧電トランス9は、前述のように個体差により共振周波数がばらついても他の基本特性に大きな差異はない。圧電トランス9の出力短絡電流値は、負荷2の値が影響するものではない。また、圧電トランス9の共振周波数と上記の出力短絡電流値との関係は、前述の共振周波数のばらつきが影響するものではない。即ち、圧電トランス9に共振周波数の駆動電圧を供給したときの出力短絡電流値は、圧電トランス9の共振周波数がばらついている場合でも概ね一定の値になる。
そこで、予め計測しておいた出力短絡電流値を用いて駆動電圧の周波数を設定することにより、圧電トランス9の山越えを確実に防ぐことが可能になる。
【0029】
例えば、高電圧電源回路1が、出力電圧を変化させるときに圧電トランス9の駆動電圧を高い周波数から低い周波数へ変化させて当該出力電圧を制御するものである場合には、次のように駆動電圧の周波数を設定する。
前述の記憶手段に蓄積されているデ−タの中から、高電圧電源回路1へ接続可能な負荷2の範囲内において、最も高い周波数の共振周波数を圧電トランス9へ供給したときの出力短絡電流値を抽出する。出力端子T5,T6間を短絡した状態において、高電圧電源回路1を動作させる。このとき出力端子T4へ出力される電流値を監視し、この監視している電流値が上記の記憶手段から抽出した出力短絡電流値以下となるように、駆動電圧の周波数を調整する。
この駆動電圧の周波数調整は、例えば、操作者が、記憶手段から前述の出力短絡電流値を抽出し、また、出力端子T4に電流計等のモニタ機器を接続して前述の電流値を監視し、入力端子T2へ入力するPWM制御信号の内容を変更して行う。
また、CPU等の制御手段が、記憶手段から前述の出力短絡電流値を抽出し、出力端子T4へ出力される電流値を監視して当該電流値が上記の抽出した出力短絡電流値以下となるようにPWM制御信号を変化させ、駆動電圧の周波数を調整するようにしてもよい。
【0030】
前述の操作者あるいはCPU等が、前述の調整された駆動電圧の周波数値をリミット値として周波数制御部6に設定する。周波数制御部6は、当該リミット値までの周波数の駆動電圧を生成するように各部を制御して圧電トランス9を稼働させる。
【0031】
[コンデンサC0を備えた場合の動作]
図3〜5は、第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。これらの図は、高電圧電源回路1の出力特性を示すグラフであり、コンデンサC0の容量をパラメ−タとしたときの出力電圧値と駆動電圧の周波数との関係を示している。これらの図において、縦軸は高電圧電源回路1の出力直流電圧値、横軸は圧電トランス9の駆動電圧の周波数を表している。なお、横軸に示した駆動電圧の周波数は、図中左側において周波数が高くなり、右側において周波数が低くなる。また、ここで例示した各特性曲線は、175[kHz]から145[kHz]の範囲の駆動電圧を任意の圧電トランス9へ供給したときに高電圧電源回路1から出力される直流電圧を表している。
【0032】
図3〜図5には、高電圧電源回路1の出力端子T5,T6を短絡した状態において、各周波数の駆動電圧を圧電トランス9に供給したとき、上記の出力端子間に流れる電流、もしくは電流検出部12が検出した出力短絡電流値を示す特性曲線(S)を示している。
【0033】
図3(A)には、コンデンサC0が0[PF]、即ちコンデンサC0を回路接続していない場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図3(A)の特性曲線(1)は、負荷2が1[MΩ]の場合であり、特性曲線(2)は、負荷2が5[MΩ]の場合であり、特性曲線(3)は、負荷2が10[MΩ]の場合であり、特性曲線(4)は、負荷2が20[MΩ]の場合である。
図3(A)に例示した特性曲線(S)の最大値は3.5[mA]である。
また、図3(A)に例示した特性曲線(1)の最大値は0.608[kV]、特性曲線(2)の最大値は1.47[kV]、特性曲線(3)の最大値は2.47[kV]、特性曲線(4)の最大値は3.94[kV]である。
【0034】
図3(B)には、容量が1[PF]のコンデンサC0を回路接続した場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図3(B)の特性曲線(1)は負荷2が1[MΩ]の場合であり、以下、図3(A)と同様に、特性曲線(2)は負荷2が5[MΩ]の場合であり、特性曲線(3)は負荷2が10[MΩ]の場合であり、特性曲線(4)は負荷2が20[MΩ]の場合である。
図3(B)に例示した特性曲線(S)の最大値は3.7[mA]である。
また、図3(B)に例示した特性曲線(1)の最大値は0.736[kV]、特性曲線(2)の最大値は1.97[kV]、特性曲線(3)の最大値は3.23[kV]、特性曲線(4)の最大値は4.38[kV]である。
【0035】
図4(A)には、容量が3.3[PF]のコンデンサC0を回路接続した場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図4(A)の特性曲線(1)〜(4)は、図3に示したものと同様な各値を有する負荷2を接続した場合の特性曲線である。
図4(A)に例示した特性曲線(S)の最大値は3.9[mA]である。
また、図4(A)に例示した特性曲線(1)の最大値は0.832[kV]、特性曲線(2)の最大値は2.35[kV]、特性曲線(3)の最大値は3.70[kV]、特性曲線(4)の最大値は5.06[kV]である。
【0036】
図4(B)には、容量が5[PF]のコンデンサC0を回路接続した場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図4(B)の特性曲線(1)〜(4)は、図3および図4(A)に示したものと同様な各値を有する負荷2を接続した場合の特性曲線である。
図4(B)に例示した特性曲線(S)の最大値は3.9[mA]である。
また、図4(B)に例示した特性曲線(1)の最大値は0.912[kV]、特性曲線(2)の最大値は2.62[kV]、特性曲線(3)の最大値は3.87[kV]、特性曲線(4)の最大値は4.94[kV]である。
【0037】
図5(A)には、容量が10[PF]のコンデンサC0を回路接続した場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図5(A)の特性曲線(1)〜(4)は、図3および図4に示したものと同様な各値を有する負荷2を接続した場合の特性曲線である。
図5(A)に例示した特性曲線(S)の最大値は3.5[mA]である。
また、図5(A)に例示した特性曲線(1)の最大値は1.14[kV]、特性曲線(2)の最大値は2.82[kV]、特性曲線(3)の最大値は3.54[kV]、特性曲線(4)の最大値は3.97[kV]である。
【0038】
図5(B)には、容量が3.3[PF]のコンデンサC0を回路接続した場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図5(B)の特性曲線(4)は負荷2が20[MΩ]の場合であり、特性曲線(5)は負荷2が100[MΩ]の場合であり、特性曲線(6)は負荷2が500[MΩ]の場合である。
図5(B)に例示した特性曲線(S)の最大値は3.26[mA]である。
また、図5(B)に例示した特性曲線(4)の最大値は3.70[kV]、特性曲線(5)の最大値は6.64[kV]、特性曲線(6)の最大値は7.04[kV]である。
【0039】
図3〜図5に示したように、所定の容量を有するコンデンサC0を整流部10に接続して各負荷2に電圧供給を行うと、コンデンサC0を整流部10に接続していない場合に比べて高電圧電源回路1から出力される直流電圧が大きくなる。換言すると、圧電トランス9の昇圧比が向上する。なお、コンデンサC0の容量によって、圧電トランス9の周波数特性が変化し、コンデンサC0の容量が大きくなると各特性曲線のピ−ク値、即ち最大の出力電圧が得られる駆動電圧周波数が、低い周波数側にシフトする。換言すると、コンデンサC0の容量に応じて圧電トランス9の共振周波数がシフトし、高電圧電源回路1の駆動電圧周波数−出力電圧特性が変化する
例えば、図3〜図5に示した各特性が得られる容量のコンデンサC0を高電圧電源回路1に備えたときには、当該高電圧電源回路1が安定した電圧出力を行うことが可能な程度において、圧電トランス9の共振周波数もしくは周波数特性がシフトする。
換言すると、コンデンサC0は、前述のように出力短絡電流を用いて駆動電圧の周波数を設定することが可能な範囲内において圧電トランス9の共振周波数もしくは周波数特性がシフトする程度の容量を有している。
【0040】
図6〜図8は、第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。これらの図は、高電圧電源回路1の出力特性を示すグラフであり、負荷2の大きさをパラメ−タとしたときの出力直流電圧と駆動電圧の周波数との関係を示している。これらの図において、縦軸は高電圧電源回路1の出力電圧値、横軸は圧電トランス9の駆動電圧の周波数を表している。なお、横軸に示した駆動電圧の周波数は、図中左側において周波数が高くなり、右側において周波数が低くなる。また、ここで例示した各特性曲線は、175[kHz]から150[kHz]の範囲の駆動電圧を圧電トランス9に供給したときの高電圧電源回路1から出力される直流電圧を表している。
【0041】
図6(A)は、負荷2が1[MΩ]の場合に、各容量のコンデンサC0を備えることによって得られる駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図6(A)の特性曲線(10)は、コンデンサC0が0[PF]即ちコンデンサC0を接続させていない場合に高電圧電源回路1から出力される直流電圧を示している。特性曲線(11)はコンデンサC0が1[PF]の場合であり、特性曲線(12)はコンデンサC0が3.3[PF]の場合であり、特性曲線(13)はコンデンサC0が5[PF]の場合であり、特性曲線(14)はコンデンサC0が10[PF]の場合である。
図6(A)に例示した、特性曲線(10)の最大値は0.588[kV]、特性曲線(11)の最大値は0.696[kV]、特性曲線(12)の最大値は0.804[kV]、特性曲線(13)の最大値は0.888[kV]、特性曲線(14)の最大値は1.500[kV]である。
【0042】
図6(B)は、負荷2が5[MΩ]の場合に、各容量のコンデンサC0を備えることによって得られる駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図6(B)の特性曲線(10)〜(14)は、図6(A)に示した各特性曲線と同様な容量のコンデンサC0を接続した場合の出力特性である。
図6(B)に例示した、特性曲線(10)の最大値は1.46[kV]、特性曲線(11)の最大値は1.97[kV]、特性曲線(12)の最大値は2.34[kV]、特性曲線(13)の最大値は2.61[kV]、特性曲線(14)の最大値は2.80[kV]である。
【0043】
図7(A)は、負荷2が10[MΩ]の場合に、各容量のコンデンサC0を備えることによって得られる駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図7(A)の特性曲線(10)〜(14)は、図6(A)に示した各特性曲線と同様な容量のコンデンサC0を接続した場合の出力特性である。
図7(A)に例示した、特性曲線(10)の最大値は2.41[kV]、特性曲線(11)の最大値は3.20[kV]、特性曲線(12)の最大値は3.68[kV]、特性曲線(13)の最大値は3.83[kV]、特性曲線(14)の最大値は3.48[kV]である。
【0044】
図7(B)は、負荷2が20[MΩ]の場合に、各容量のコンデンサC0を備えることによって得られる駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図7(A)の特性曲線(10)〜(14)は、図6(A)に示した各特性曲線と同様な容量のコンデンサC0を接続した場合の出力特性である。
図7(B)に例示した、特性曲線(10)の最大値は3.94[kV]、特性曲線(11)の最大値は4.32[kV]、特性曲線(12)の最大値は5.00[kV]、特性曲線(13)の最大値は4.86[kV]、特性曲線(14)の最大値は3.85[kV]である。
【0045】
図8(A)は、負荷2が1[MΩ]の場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図8(A)の特性曲線(20)はコンデンサC0が10[PF]の場合であり、特性曲線(21)はコンデンサC0が15[PF]の場合であり、特性曲線(22)はコンデンサC0が27[PF]の場合である。また、特性曲線(23)はコンデンサC0が37[PF]の場合であり、特性曲線(24)はコンデンサC0が42[PF]の場合である。
図8(A)に例示した、特性曲線(20)の最大値は1.12[kV]、特性曲線(21)の最大値は1.25[kV]、特性曲線(22)の最大値は1.24[kV]、特性曲線(23)の最大値は1.05[kV]、特性曲線(24)の最大値は0.972[kV]である。
【0046】
図8(B)は、負荷2が5[MΩ]の場合の駆動電圧周波数−出力電圧特性を示している。図8(B)の特性曲線(30)はコンデンサC0が3.3[PF]の場合であり、特性曲線(31)はコンデンサC0が5[PF]の場合であり、特性曲線(32)はコンデンサC0が10[PF]の場合である。また、特性曲線(33)はコンデンサC0が12[PF]の場合であり、特性曲線(34)はコンデンサC0が15[PF]の場合である。
図8(B)に例示した、特性曲線(30)の最大値は1.92[kV]、特性曲線(31)の最大値は2.58[kV]、特性曲線(32)の最大値は2.68[kV]、特性曲線(33)の最大値は2.58[kV]、特性曲線(34)の最大値は2.70[kV]である。
【0047】
図6〜図8に示したように、コンデンサC0の容量が一定の値よりも大きくなると、コンデンサC0の無い場合に比べて高電圧電源回路1の出力電圧が増大する比率が小さくなる。なお、上記のコンデンサC0の一定の値は、高電圧電源回路1に接続する負荷2の大きさによって異なる。
また、コンデンサC0を備えることにより、各特性曲線のピ−ク値が大きくなり、ピ−ク値の近傍において特性曲線の立ち上がりが急峻になる。
前述のように、周波数制御部6は、山越えを生じないように駆動電圧の周波数を制御する。このような周波数制御を行うとき、適当な容量のコンデンサC0を備えると、駆動電圧の周波数をわずかに変化させる、具体的には低い周波数へシフトさせることにより、大きく出力電圧を増大させることが可能になる。
【0048】
図9は、第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。この図は、コンデンサC0を整流部10に接続した高電圧電源回路1の昇圧動作を表すグラフである。
図9(A)の縦軸は、コンデンサC0が接続されていないときの高電圧電源回路1の出力電圧を1倍とし、この出力電圧に対して、各容量のコンデンサC0を接続したときの出力電圧を倍率で表している。また、図9(A)の横軸は、コンデンサC0の容量を表している。
図9(A)の特性曲線(a)は、負荷2が10[MΩ]の場合の出力倍率を示している。また、特性曲線(b)は、負荷2が20[MΩ]の場合の出力倍率を示している。
【0049】
図9(A)に例示した特性曲線(a)は、10[MΩ]の負荷2を高電圧電源回路1に接続したときの出力特性である。特性曲線(a)が示す一例では、コンデンサC0が0[PF]、即ちコンデンサC0を整流部10に接続していない場合に当該高電圧電源回路1から2.34[kV]の直流電圧が出力される。このときの共振周波数は164.5[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]のときの出力電圧を基準として、例えばこの電圧を“1倍”としたとき、各容量のコンデンサC0を接続した場合には、高電圧電源回路1の出力電圧は次のような大きさになる。
【0050】
(i)コンデンサC0の容量が1[PF]のとき、出力電圧は3.00[kV]となる。このときの共振周波数は160.5[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は1.28倍になる。
【0051】
(ii) コンデンサC0の容量が3.3[PF]のとき、出力電圧は3.18[kV]となる。このときの共振周波数は157.5[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は1.36倍になる。
【0052】
(iii) コンデンサC0の容量が5[PF]のとき、出力電圧は3.07[kV]となる。このときの共振周波数は155[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は1.31倍になる。
【0053】
(iv) コンデンサC0の容量が10[PF]のとき、出力電圧は2.88[kV]となる。このときの共振周波数は152.75[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は1.23倍になる。
【0054】
図9(A)に例示した特性曲線(b)は、20[MΩ]の負荷2を高電圧電源回路1に接続したときの出力特性である。特性曲線(b)が示す一例では、コンデンサC0が0[PF]、即ちコンデンサC0を整流部10に接続していない場合に当該高電圧電源回路1から3.82[kV]の直流電圧が出力される。このときの共振周波数は164.7[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]のときの出力電圧を基準として、例えばこの電圧を“1倍”としたとき、各容量のコンデンサC0を接続した場合には、高電圧電源回路1の出力電圧は次のような大きさになる。
【0055】
(i)コンデンサC0の容量が1[PF]のとき、出力電圧は4.62[kV]となる。このときの共振周波数は159.7[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は1.21倍になる。
【0056】
(ii) コンデンサC0の容量が3.3[PF]のとき、出力電圧は4.38[kV]となる。このときの共振周波数は156.7[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は1.15倍になる。
【0057】
(iii) コンデンサC0の容量が5[PF]のとき、出力電圧は3.20[kV]となる。このときの共振周波数は154.7[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は0.84倍になる。
【0058】
(iv) コンデンサC0の容量が10[PF]のとき、出力電圧は3.38[kV]となる。このときの共振周波数は151.2[kHz]である。コンデンサC0が0[PF]の場合に比べて出力電圧は0.88倍になる。
【0059】
ここで例示した高電圧電源回路1の出力特性は、10[MΩ]の負荷2へ電圧を供給するときには、3.3[PF]のコンデンサC0を用いると最も大きな出力電圧が得られ、コンデンサC0が無い場合に比べて1.36倍の高電圧を出力することができる。
また、20[MΩ]の負荷2へ電圧を供給するときには、1[PF]のコンデンサC0を用いると最も大きな出力電圧が得られ、コンデンサC0が無い場合に比べて1.21倍の高電圧を出力することができる。
このように、負荷2の大きさに応じて一定の容量を有するコンデンサC0を備えることにより、整流部10から出力される直流電圧を増大させることができる。
【0060】
高電圧電源回路1は、図7および図8の各特性曲線が示すように、コンデンサC0が一定の値よりも大きくなると、出力電圧が前述の最大値に比べて小さくなる。このようにコンデンサC0は、容量が所定の値よりも大きくなると、圧電トランス9の出力効率を低下させる。具体的には、圧電トランス9の入力電流が増加し、また整流部10の出力電圧が低減する。
【0061】
図9(B)の縦軸は圧電トランス9の1次側に流れる入力電流を示しており、横軸はコンデンサC0の容量を示している。
図9(B)に例示した特性曲線(c)は、10[MΩ]の負荷2を高電圧電源回路1に接続し、当該高電圧電源回路1から1.5[kV]の直流電圧を出力させた場合の、圧電トランス9の入力電流とコンデンサC0の容量との関係を示している。特性曲線(c)として示した一例は、次のような値を有している。
【0062】
(i)コンデンサC0の容量が0[PF]のとき、即ちコンデンサC0を整流部10に接続していない場合には、圧電トランス9の入力電流は18.1[mA]になる。
【0063】
(ii)コンデンサC0の容量が1[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は19.2[mA]になる。
【0064】
(iii) コンデンサC0の容量が3.3[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は20.2[mA]になる。
【0065】
(iv) コンデンサC0の容量が5[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は22.4[mA]になる。
【0066】
(v) コンデンサC0の容量が10[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は28.4[mA]になる。
【0067】
図9(B)に例示した特性曲線(d)は、20[MΩ]の負荷2を高電圧電源回路1に接続し、当該高電圧電源回路1から3.0[kV]の直流電圧を出力させた場合の、圧電トランス9の入力電流とコンデンサC0の容量との関係を示している。特性曲線(d)として示した一例は、次のような値を有している。
【0068】
(i)コンデンサC0の容量が0[PF]のとき、即ちコンデンサC0を整流部10に接続していない場合には、圧電トランス9の入力電流は32.1[mA]になる。
【0069】
(ii)コンデンサC0の容量が1[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は35.6[mA]になる。
【0070】
(iii) コンデンサC0の容量が3.3[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は42.4[mA]になる。
【0071】
(iv) コンデンサC0の容量が5[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は70.4[mA]になる。
【0072】
(v) コンデンサC0の容量が10[PF]のときには、圧電トランス9の入力電流は111.0[mA]になる。
【0073】
ここで例示した高電圧電源回路1は、図9に示したようにコンデンサC0の容量が概ね3[PF]よりも大きくなると、圧電トランス9へ入力される電流が増大する。また、この圧電トランス9の入力電流は、負荷2が大きな値を有するほど急峻に増大する。図9に示した各特性曲線は、コンデンサC0が概ね5[PF]よりも大きな容量を有すると、当該コンデンサC0は圧電トランス9の負荷として重くなりすぎて圧電トランス9の出力効率を低下させることを示している。また、上記の各特性曲線は、コンデンサC0の容量が上述のように大きくなると、圧電トランス9の出力能力が飽和することを示している。
このように、コンデンサC0は、5[PF]以下の小さい容量を有する場合、好ましくは例えば1〜3.3[PF]の場合に、圧電トランス9の出力効率を低下させず、高電圧電源回路1から出力される直流電圧を有効に増大させる。
なお、図3〜図9に示した各特性曲線は、標準的な圧電トランスの特性を例示したものであるが、製造ロット等の差異により圧電トランスが共振周波数のばらつきを有する場合でも、上記の各図に示した特性と同様な傾向を示す。
【0074】
以上のように第1の実施形態によれば、圧電トランス9の出力電流を整流する整流部10に、圧電トランス9の出力効率を低下させない容量のコンデンサC0を接続し、昇圧比を向上させるようにした。
このようにすることによって、簡素な構成により、昇圧比を向上させて安定した直流電圧を出力することができる。
また、コンデンサC0を整流部10へ接続することにより、圧電トランス9の共振周波数がシフトし、圧電トランス9の駆動電圧周波数をわずかに変化させることにより出力電圧を大きく調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施形態による圧電トランスを用いた高電圧電源回路の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による圧電トランスを用いた高電圧電源回路の構成を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。
【図9】第1の実施形態による高電圧電源回路の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1…高電圧電源回路、2…負荷、3…信号変換部、4…基準電圧生成部、5…比較部、6…周波数制御部、6a…発振部、7…駆動部、8…共振部、9…圧電トランス、10…整流部、11…電圧検出部、12…電流検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電トランスと、
前記圧電トランスへ供給する駆動電圧の周波数を制御する周波数制御部と、
前記周波数制御部の出力信号に応じて前記駆動電圧を発生する駆動部と、
前記駆動電圧が供給された圧電トランスの出力電圧を直流電圧へ整流する整流部と、
前記整流部に接続して該整流部の出力電圧を高める出力特性調整用コンデンサと、
を有する、
圧電トランスを用いた高電圧電源回路。
【請求項2】
前記出力特性調整用コンデンサは、前記圧電トランスの出力効率を低下させない容量を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスを用いた高電圧電源回路。
【請求項3】
前記出力特性調整用コンデンサは、
前記周波数制御部が前記圧電トランスの出力短絡電流に基づいて設定された周波数を用いて前記駆動電圧の周波数制御を行うことが可能なように、
前記圧電トランスの共振周波数をシフトする容量を有する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電トランスを用いた高電圧電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−81745(P2010−81745A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248283(P2008−248283)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】