説明

圧電素子の電極への細胞の固定化方法、細胞容積の測定方法及び細胞容積の測定装置

【課題】 本発明は、細胞を傷めることなく圧電素子の電極上に固定化することができる方法と、細胞本来の特性に基づいた細胞の形状変化を電極上に固定化された細胞の重量変化を測定することによりリアルタイムに測定することが可能な方法とを提供する。
【解決手段】 本発明の圧電素子への細胞の固定化方法は、圧電素子の検出部表面において、細胞を培養することにより、前記細胞を前記検出部表面に固定化することを特徴とするものである。また、本発明の細胞容積の測定方法は、細胞が固定化された圧電素子を発振させ、前記圧電素子の物理的特性の変化に基づいて、前記細胞の容積の変化を測定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子の電極への細胞の固定化方法、並びに、細胞の物性、詳細には、形状変化(容積変化、リガンド−レセプター間の相互作用、細胞間相互作用)をリアルタイムで測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リガンドとレセプター間の相互作用を測定する方法としては、蛍光物質などのリガンド標識体を用いた細胞染色、細胞膜分画を用いた固定アッセイ、生体内標識(C14等)を用いた免疫沈降法などの方法がある。
リガンドとレセプター間の相互作用を解析する手段のほとんどは、精製した分子同士を用いた測定系であり、生体内で引き起こされている相互作用を完全に再現されているか否かが不明であるという問題があった。また、蛍光標識を用いた従来の方法では、標識物質を用いるために、本来の特性とは異なる特性を示してしまうという問題があった。また、細胞膜画分からレセプター等の機能分子の機能を維持したまま精製することは難しいし、得られた分子が本来の機能を維持することは難しいという問題があった。
この問題を解決するために、特許文献1には、水晶発振子を使用し、電極上に生細胞を、チオアルキルカルボン酸又はジチオジアルキルカルボン酸と、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとを使用すること等して固定化することが提案されている。
しかしながら、特許文献1に提案されるような方法では、細胞を固定化する際に細胞にダメージを与えるおそれがあった。
【0003】
このような状況下において、細胞の環境変化やアポトーシス等に伴う形状変化を測定するために、顕微鏡観察や細胞膜の電位差を測定することが行われている。
しかしながら、従来の方法では、先にも述べたように、固定化の際に細胞にダメージを与えるおそれがあり、また、測定中に細胞の特性が変化することがあり、本来の細胞の特性について測定することができないという問題があった。更に、顕微鏡観察の方法では、細胞の形状変化は顕微鏡の画像から算出しているため、微少な変化量や形状変化が開始した直後に生じる変化を測定することが困難であった。また、膜電位を測定する方法では、複数の細胞にバラツキがあるため、正確な形状測定ができないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2003−83973号公報(請求項1、段落0017、段落0019)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、細胞を傷めることなく圧電素子の電極上に固定化することができる方法と、細胞本来の特性に基づいた細胞の形状変化を電極上に固定化された細胞の重量変化を測定することによりリアルタイムに測定することが可能な方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討の結果、下記の通り解決手段を見いだした。
即ち、本発明は、請求項1に記載の通り、圧電素子の検出部表面において、細胞を培養することにより、前記細胞を前記検出部表面に固定化することを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の圧電素子への細胞の固定化方法において、前記細胞は、培養細胞であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の圧電素子への細胞の固定化方法において、前記圧電素子は、水晶振動子であり、前記検出部を電極により構成し、前記電極を、金又は白金としたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の圧電素子への細胞の固定化方法において、前記細胞は、浮遊細胞であり、前記検出部表面に細胞粘着剤層を設け、前記細胞粘着剤層上において前記浮遊細胞を培養することにより、前記浮遊細胞を前記細胞粘着剤層に固定化することを特徴とする。
本発明の細胞容積の測定方法は、請求項5に記載の通り、細胞が固定化された圧電素子を発振させ、前記圧電素子の物理的特性の変化に基づいて、前記細胞の容積の変化を測定することを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法により前記細胞が固定化された前記圧電素子を発振させ、前記圧電素子の物理的特性の変化に基づいて、前記細胞容積の変化を測定することを特徴とする。
本発明の細胞容積の測定装置は、請求項7に記載の通り、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法により前記細胞が固定化された圧電素子を備えることができるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、圧電素子を構成する電極上で細胞を培養して固定化することにより、細胞にダメージを与えることなく、その特性を損なわない状態で固定化することができる。
また、本発明によれば、細胞の重量変化を振動数等の物理的特性の変化に基づいて測定することができるので、微少な細胞の形状変化であっても数値化して測定することができる。また、細胞の形状変化が開始した直後であってもリアルタイムに測定することができる。更に、圧電素子の電極上に固定化した細胞全ての形状の変化量が振動数等の物理的特性の変化に基づいて測定できるので、固体差間の相違の影響はなく、平均的な変化量として測定することができる。
また、上記電極上で細胞を培養して固定化するようにした場合には、細胞に標識物質等を導入する必要がなく、より自然な状態で測定を行えるため、細胞本来の特性に基づいた細胞の形状変化が測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上記の通り、本発明の細胞の固定化方法は、圧電素子の電極上において、細胞を培養することにより固定化するものである。
本発明に使用することができる圧電素子としては、水晶振動子や表面弾性波素子等を使用することができる。
前記弾性波素子としては、圧電基板内又は圧電基板表面に弾性波を励起することができるものであれば特に制限はないが、ラブ波デバイス、SH−SAWデバイス、STWデバイス、FPWデバイス又はAPMデバイスを使用することが好ましい。
前記ラブ波デバイスは、圧電材料であるSTカット水晶、LiTaO3等からなる基板にAu、Al、Cr等の金属膜から構成されるIDTを設け、これらの上から、前記基板の横波の伝達速度より遅い速度を有する材質(SiO2、ポリマー等)を層状に設け、波の伝播方向に垂直で、基板表面に平行な横波成分の表面波(ラブ波)を励起することができる構造をしたものである。
前記SH−SAWデバイスは、圧電材料であるATカット水晶基板等にIDTのグレーティング(溝)を設けたものであり、基板を伝播するSSBW(Surface Skimming Bulk Waves)をグレーティングにより基板表面にトラップし、表面横波(Surface Transverse Waves)を励起することができる構造をしたものである。
前記FPWデバイスは、圧電材料基板やZnO膜等の圧電材料薄膜上にIDTを設けたものであり、波の変位が波の伝播方向と基板に垂直方向の成分からなるラム波と呼ばれる板波を励起する構造をしたものである。
前記APMデバイスは、圧電材料であるSTカット水晶基板上にIDTを設けたものであり、基板表面に沿って基板に平行伝播するSHタイプの板波を励起する構造をしたものである。
尚、上記水晶振動子における検出部は、水晶板の表面に設けられた電極であり、表面弾性波素子における検出部は、弾性波が伝播する部位をいうものとする。また、前記水晶振動子の電極は、金又は白金から構成することが好ましい。細胞の固定化が、他の金属に比べて確実に行えることが確認できているためである。
【0009】
上記した圧電素子の検出部における細胞の培養方法としては、特に制限はなく、通常の培養方法をにより行うことができる。例えば、電極上を滅菌してから、培養液として、DMEM(Dulbecco's modified eagle's medium)やOpti-MEM I等を滴下し、培養する物質を添加してインキュベータにより培養する方法がある。
また、検出部において培養できる細胞についても、特に制限するものでなく、HEK 293(ヒト胎児腎臓由来株)、HeLa (ヒト上皮細胞)やBHK21 (シリアンハムスター繊維芽細胞)等の培養細胞や赤血球等の浮遊細胞のいずれも培養することができる。但し、浮遊細胞の場合には、細胞粘着剤層上において培養する必要がある。尚、前記細胞粘着剤層としては、細胞を培養した際に、浮遊細胞が離れることなく固定化できるものであれば特に制限はなく、例えば、フィプロネクチン、コラーゲン等を使用することができる。
尚、本発明により培養して細胞を圧電素子に固定化する場合には、細胞は、自らが形成したタンパク質(接着剤)に覆われているため、表面は滑らかではないのに対して、培養器で培養して細胞を圧電素子に固定化した場合には、培養器で培養した細胞を回収する際に細胞表面をトリプシン(タンパク質分解剤)等により処理するために表面の接着剤がとれ、細胞表面が滑らかな形状となる。この相違は、顕微鏡等の表面を観察することにより認識することができる。
【0010】
次に、本発明の細胞容積の測定方法について説明する。
本発明の測定方法は、細胞が固定化された圧電素子を発振させ、前記圧電素子の物理的特性の変化に基づいて、前記細胞の容積の変化を測定するものである。
圧電素子の水晶振動子や表面弾性波素子を発振又は表面弾性波を励起して、検出部における周波数や弾性波の伝播速度等の物理的特性の変化を測定する方法としては、公知の方法を利用することができる。
また、本発明の測定方法に、上記本発明により培養することにより圧電素子に固定化された細胞を使用することが好ましい。本来の特性を損なわない細胞の容積を測定することができるからである。
【0011】
次に、本発明の細胞容積の測定装置について説明する。
本発明の細胞容積の測定装置は、上記本発明により培養することにより圧電素子に細胞が固定化されたものを備えることができるようにしたものである。
以下、図面を参照し、一実施の形態の細胞容積の測定装置について説明するが、本発明は、この実施の形態により制限されるものではない。
図5に示されるものは、本発明の一実施の形態である細胞容積の測定装置1を示すものである。
この細胞容積の測定装置1は、センサー部2と、ネットワークアナライザ3と、コンピュータ4とを備えている。センサー部2とネットワークアナライザ3及びネットワークアナライザ3とコンピュータ4とは、それぞれケーブル5と6を介して接続されている。また、センサー部2は、図5では図示しないが水晶振動子を備えている。
【0012】
測定装置1のセンサー部2に設けられる水晶振動子は、図6(a)、(b)にその平面図と断面図とをそれぞれ示すように、円形状に形成された石英製の結晶板8の表面側と裏面側とにそれぞれ第一の金電極9と第二の金電極10と備えている。尚、図示される金電極9a、10aは、円形状に構成され、それぞれの金電極9a、10aからリード線9b、10bが結晶板8の端部にまで延びている。裏面側の第二の金電極10は、図6(b)に示すように樹脂カバー11により被覆されており、水晶振動子7を溶液中に浸漬した状態で、裏面側の第二の金電極10が溶液に曝されず、発振できるように構成されている。他方、表面側の第一の金電極9の表面には、上記説明したように、第一の金電極9上に、培養することにより細胞12が固定化されている。
【0013】
また、装置1を構成するネットワークアナライザ3は、図7に示すように、信号供給回路13と測定回路14とを備えており、信号供給回路13は、周波数を変化させながら交流の入力信号を出力することができるように構成されている。また、測定回路14は、水晶振動子7の出力信号や、信号供給回路13から出力される入力信号に基づいて、水晶振動子7の共振周波数や位相等の物理的特性を測定して、コンピュータ4に出力することができるように構成されている。
また、装置1を構成するコンピュータ4は、測定された水晶振動子7の周波数特性等の測定結果を表示することができるように構成されている。
【0014】
次に、上述した構成の細胞容積の測定装置1により、細胞容積を測定する手順について以下に説明する。
まず、図8に示すように、細胞等張液16で満たされた円筒形状のセル15底部に第一の電極9上に細胞12が固定化された水晶振動子7を配置する。この状態で、コンピュータ4から制御信号を出力すると、ネットワークアナライザ3の信号供給回路13からケーブル5を介してセンサー部2に所定の周波数で交流信号が供給され、水晶振動子7が共振周波数で発振する。
この状態で、セル15内に低張液を添加すると、第1の金電極9上に固定化された細胞12が膨らみ、水晶振動子7の共振周波数が低下し、ケーブル5、ネットワークアナライザ3、ケーブル6を介してコンピュータ4に出力される。
【0015】
尚、本実施の形態では、電気的特性を求める一例として、共振周波数を検出しているが、測定される周波数は、共振周波数に限られるものではなく、例えば、出力信号の位相と入力信号の位相との位相差を測定してもよい。特に、位相差が180°になる点(位相点)では、水晶振動子7は共振しているので、共振周波数を求める本実施の形態と同じことになる。また、上記以外にも、本出願人が先に提案した周波数(特願2003-120335又は特願2003-120370)を用いてもよい。粘性の影響がある場合は、この方がより正確な測定が可能となる。
また、周波数変化の測定に関しては、インピーダンスアナライザを使用する場合には、必ずしも、インピーダンスが最小となる点を測定することに限られない。例えば、本出願人が先に提案(特願2003−120335)した、振動子が直列共振状態にあるときのコンダクタンスの半分の大きさの半値コンダクタンスを与える半値周波数であって、前記直列共振状態を与える共振周波数に近く、且つ、共振周波数よりも大きな周波数である半値周波数を利用することもできる。また、同様に先に提案(特願2003−120370)した、振動子を直列状態に置く共振周波数と、前記振動子が共振状態にあるときのコンダクタンスの半分の大きさの半値コンダクタンスを与える第一、第二の半値周波数とで構成される三種類の周波数のうち、少なくとも二種類の周波数を利用することもできる。これにより、圧力波以外にも、バッファー液と粘性が異なる試料を使用した場合の粘性効果や温度変化による粘性効果の影響を受けることがないので正確な測定をすることが可能となる。
【実施例】
【0016】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0017】
実施例1:犬上皮ガン細胞(以下、CSCC(Canine Squamous Cell Carcinoma)とする)の圧電素子の電極上への固定化と容積変化の測定
バイオセンサ用セルの底面に配置された板状の水晶振動子の電極にピランハ溶液(30%過酸化水素水:濃硫酸=1:3)を適量塗布し、5〜10分間放置し、更に、同じ作業を行って電極部を洗浄した。前記セルに70重量%のエタノールを噴霧した後、紫外線を数分間照射し、滅菌操作を行った。更に、前記滅菌処理されたセルに、培養液320μLを入れ、この中に、CSCC1.3×104個を入れ、37℃のCO2インキュベータ内で3日間培養した。
培養後、アクリジンオレンジにて細胞を染色し、蛍光顕微鏡で観察した。その結果、圧電素子の電極部に細胞が固定化されたことが確認された。この細胞の蛍光顕微鏡写真による平面図を図1に示す。
次に、圧電素子の電極部に細胞を固定化したセルに、細胞等張液(295mOsM)を500μLを加え、水晶振動子装置(Affinix Q4:株式会社イニシアム製)にセットし、27MHzで発振させた。前記水晶振動子の振動数が安定したところで、高張液10μLを添加し、浸透圧を変化させたときの振動数変化を維持測定した。その結果、細胞が収縮し、容積が小さくなったため、振動数は増加し、その後細胞の働きにより容積が通常に戻るに従って振動数が暫時低下した。この測定結果を図2に示す。
また、振動数が減少したところで、細胞等張液(295mOsM)を400μL排水し、低張液を400μL添加し、浸透圧を変化させたときの振動数変化を維持測定した。その結果、細胞は膨潤し、容積が大きくなったため、振動数は低下し、その後細胞の働きにより容積が通常に戻るに従って振動数が漸次増加した。この測定結果を図3に示す。
尚、図2及び図3中点線で示すグラフは、細胞が固定化されていないコントロールを示すグラフである。
【0018】
実施例2:CSCCのコラーゲン粘着材層を使用した圧電素子電極上への固定化と容積変化の測定
バイオセンサ用セルの圧電素子の電極にピランハ溶液(30% 過酸化水素水:濃硫酸=1:3)を適量塗布し、5〜10分間放置し、更に、同じ作業を行い電極部を洗浄した。次に、コラーゲン溶液(新田ゼラチン社製 Cellmatrix TypeI−C)を10倍に希釈し、圧電素子の電極上に薄く塗布し、乾燥させた後、紫外線を約10分間照射し滅菌した。
前記セルを培養液で洗浄し、測定バッファー(Tris/MOPS:10mM、NaCl:135mM、KCl:5mM、glucose:5mM)を500μL添加した。そして、前記セルを、水晶振動子装置(Affinix Q4:株式会社イニシアム製)にセットし、27MHzで発振させ、振動数を測定し、その結果を図4に示す。
前記セルから、測定バッファーを除去し、70%エタノールを噴霧した後、紫外線を約10分間照射し、滅菌した。滅菌したセルに培養液320μLとCSCC1.3×104個入れ、37℃のCO2インキュベータにて3日間細胞培養を行った。
培養後のセルの培養液を除去し、測定バッファー500μLを加え、水晶振動子装置にセットし、27MHzで発振させて振動数を測定した。その測定結果を図4に示す。
図4から、コラーゲンを固定化した状態の周波数(同図中のA)は一定であり、細胞を培養した後の振動数は、低下していることがわかる(同図中のB)。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】圧電素子電極部周辺に固定化された細胞の蛍光顕微鏡写真
【図2】等張液に高張液を添加し、浸透圧を高くしたときの振動数変化の測定結果を示す図
【図3】等張液の一部を排水し、等量の低張液を添加し、浸透圧を低くしたときの振動数変化の測定結果を示す図
【図4】コラーゲンを固定化した圧電素子電極部に細胞を固定化したことによる振動数変化の結果を示す図
【図5】本発明の一実施の形態である細胞容積の測定装置の説明図
【図6】同装置に備えることができる水晶振動子の平面図(a)、同断面図(b)
【図7】同装置構成の説明図
【図8】細胞容積の測定装置のセルの説明図
【符号の説明】
【0020】
1 細胞容積の測定装置
2 発振装置
3 ネットワークアナライザ
4 コンピュータ
5 ケーブル
6 ケーブル
7 水晶振動子
8 円形状の結晶板
9 第一の金電極(表面)
10 第二の金電極(裏面)
11 樹脂カバー
12 電極上に培養された細胞
13 信号供給回路
14 測定回路
15 セル
16 細胞等張液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子の検出部表面において、細胞を培養することにより、前記細胞を前記検出部表面に固定化することを特徴とする圧電素子への細胞の固定化方法。
【請求項2】
前記細胞は、培養細胞であることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子への細胞の固定化方法。
【請求項3】
前記圧電素子は、水晶振動子であり、前記検出部を電極により構成し、前記電極を、金又は白金としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子への細胞の固定化方法。
【請求項4】
前記細胞は、浮遊細胞であり、前記検出部表面に細胞粘着剤層を設け、前記細胞粘着剤層上において前記浮遊細胞を培養することにより、前記浮遊細胞を前記細胞粘着剤層に固定化することを特徴とする請求項1に記載の圧電素子への細胞の固定化方法。
【請求項5】
細胞が固定化された圧電素子を発振させ、前記圧電素子の物理的特性の変化に基づいて、前記細胞の容積の変化を測定することを特徴とする細胞容積の測定方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の方法により前記細胞が固定化された前記圧電素子を発振させ、前記圧電素子の物理的特性の変化に基づいて、前記細胞容積の変化を測定することを特徴とする細胞容積の測定方法。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載の方法により前記細胞が固定化された圧電素子を備えることができるようにしたことを特徴とする細胞容積の測定装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−275798(P2006−275798A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95904(P2005−95904)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年2月23日 社団法人日本獣医学会がインターネットアドレス(http://square.umin.ac.jp/jsvs139/)にて発表
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】