説明

地上デジタル放送受信サンバイザーアンテナ

【課題】 地上デジタル放送を自動車で受信する場合、単一のアンテナでは安定な受信は困難である。ダイバーシティ方式では高価で設置が簡単ではない。
【解決手段】 車体自体を開口アンテナと考え、ルーフ鉄板に生ずる渦電流を容量結合素子により受けチューナーのアンテナ入力とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
移動体で用いる地上デジタル放送受信のアンテナ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
地上デジタル放送を自動車で受信する場合、1入力のチューナーのアンテナは前方窓に取り付けられるが、後方から電波が到来する場合は受信不能となる。安定な受信を望む場合は空間ダイバーシティを組み、4入力のチューナーを使うが、高価で設置は簡単ではない。1入力のチューナーでも簡単に受信できないかと考えたのがこのアンテナである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
自動車は4方に窓を持ち、4方に開放面を持つ開口アンテナに等価と考えられる。ルーフと床面の間には磁力線が通り、ルーフ鉄板には渦電流が流れている。この電流の分布は電波の到来方向には影響を受ける事なく、車体の形状により決まり、ルーフ下には電流密度の高いポイントがある。このポイントに円盤電極を置きルーフ鉄板に容量結合すれば電波を受信できる。
【発明の効果】
【0004】
鉄は磁力線を集めることから、車体自体でゲインがあり、近くに大型の自動車がある場合は更に受信レベルは上がる。また、複数の方向から電波が到来する場合の方が単一方向の場合いより平均的に受信レベルは高くなる傾向が有る。円盤をサンバイザーに挟むだけで設置でき、高レベルで走行方向に関係なく安定した受信が可能である。
ビル街のように多方向から反射波が到来し多重ゴーストになる場合でもデジタル放送の特性で受信不能となることはない。2方向からの電波が同レベル逆位相で加わる場合は打ち消され受信不能となるが移動体では短時間である。
アンテナを外に出す必要がなく簡単な構造であるため標準装備としてもコストを高くすることはない。取り付け位置は邪魔にならない後部座席上とすることも可能である。GPSカーナビゲイションには1セグ放送を受信できるものが多く、手軽で安定に受信できるアンテナとなる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】結合素子の形状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタル放送を自動車等の移動体で受信する方法で、自動車自体を開口面アンテナと見なし、そのルーフ鉄板に生ずる渦電流を容量結合した素子によりアンテナ入力とする。
【請求項2】
自動車のルーフ鉄板に容量結合させるための円盤電極と、同軸ケーブルのシールド側を終端するための4分の1波長の線路からなるアンテナで、同軸ケーブルの芯線は円盤電極の中心に接続される。円盤電極はサンバイザー手前中央に挟んで固定され、終端線路は垂直に下げる。

【図1】
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【公開番号】特開2011−229103(P2011−229103A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107676(P2010−107676)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(508212163)
【Fターム(参考)】