説明

地図配信サーバ及び地図情報端末

【課題】道路や施設といった対象物に関する所望の地図データでのナビゲーションを実現する地図配信システムを提供する。
【解決手段】地図配信サーバ1aがユーザの編集要求情報への応答として差分地図データである配信データを生成し、通信ネットワーク2を介して、地図情報端末3が当該配信データを受信してナビゲーションを実行するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザが所望の地図情報を取得可能な地図配信サーバ及び地図情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地図配信システムにおいては、地図情報端末であるモバイル端末側から道路形状データを地図配信サーバであるセンターサーバに送り、センターサーバ側の地図データベースの地図情報を、送られてきた道路形状データを用いて更新する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、別の従来の地図配信システムでは、地図情報端末のユーザの車両が地図情報端末が保有する地図データに存在しない道路を走行した場合に、当該車両の走行軌跡をセンターサーバに送信し、センターサーバではその走行軌跡に従って、保有する地図データベースの地図情報を更新する。その上で、状況に応じて地図情報端末に、更新された地図データベースの地図情報に基づいて作成された差分データが配信される(例えば特許文献2参照)。
【0004】
上記の地図配信システムによれば、いずれであっても、車両の走行軌跡のデータを元に地図配信サーバの地図情報が正確に更新された場合や、一度誰かが実際に道路を走行したことによって得られた走行軌跡のデータが有る場合は、ユーザの所望する地図データが差分データとして配信され、配信された差分データをユーザの所有する地図情報端末が取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−007440号公報(第8頁、第4図)
【特許文献2】特開2008−014681号公報(第11〜12頁、第7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の地図配信サーバ及び地図情報端末とからなる地図配信システムにおいては、地図情報端末から受け取った道路に関する情報をその情報の信頼性の有無に関わらず、地図配信サーバ側の地図データベースの地図情報を更新することとなるので、当該地図情報に基づいて作成された配信データが信頼できるものであるか否かを配信データを受け取った地図情報端末のユーザが知ることができないという問題があった。
【0007】
また、ユーザが個人的に必要な特定道路を含む地図端末情報用のオリジナル地図データを欲しいと要望しても、地図情報端末から地図配信サーバに送られてきた地図データが示す特定道路が地図配信サーバの保有する地図データベースの地図情報に含まれていない場合には、特定道路を含んだ地図端末情報用のオリジナル地図データを配信することができなかった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するために為されたもので、道路や施設といった対象物に関する情報の信頼性の度合いが考慮された情報端末用の所望の地図データを生成可能な地図配信サーバ及び当該地図データを使用可能な地図情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る地図配信サーバは、ユーザが要求する地図情報の編集内容を示す編集要求情報と地図情報端末が保有する端末地図情報のバージョンとを含む配信要求を受信する受信手段と、既にリリースした複数の第1の地図情報を保有する第1の地図情報記憶手段と、リリース前を含む最新の第2の地図情報を保有する第2の地図情報記憶手段と、前記複数の第1の地図情報から前記端末地図情報のバージョンと同一バージョンの第1の地図情報を抽出し、前記抽出された第1の地図情報と前記第2の地図情報との差分情報に前記編集要求情報が含まれるかを照合し、前記差分情報と前記編集要求情報との一致度を示す第1の照合結果を出力する第1の照合手段と、前記第1の照合結果と前記同一バージョンの第1の地図情報とに基づいて、前記配信要求に応じた差分地図データを生成する生成手段と、前記差分地図データである配信データを前記地図情報端末に送信する送信手段とから構成されるものである。
【0010】
また、この発明に係る地図情報端末は、端末地図情報を記憶する端末地図情報記憶手段と、前記端末地図情報の編集内容を示す編集要求情報を入力する端末操作手段と、入力された編集要求情報を配信サーバに送信する送信手段と、前記送信された編集要求情報への応答として、前記端末地図情報に対応した差分データである差分地図データを地図配信サーバから受信する受信手段と、前記配信データに含まれる差分地図データに基づいて、前記端末地図情報を差分更新する更新手段と、地図表示を行うナビゲーション機能を実行するナビゲーション手段とから構成されるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る地図配信サーバは、地図情報端末から受信したユーザの編集要求情報である配信要求に応じた差分地図データである配信データを地図情報端末に送信するように構成されているので、情報端末からの配信要求に応じた配信データを生成して地図情報端末に配信することができる。
【0012】
また、この発明に係る地図情報端末は、地図配信サーバに送信したユーザの編集要求情報への応答として差分地図データである配信データを地図配信サーバから受信し、当該配信データを使用するように構成されているので、道路や施設といった対象物に関する所望の地図データをナビゲーションに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明に係る実施の形態1の地図配信システムの全体を示した構成図である。
【図2】地図配信サーバ1aの構成をさらに詳細に説明するための構成図である。
【図3】地図情報端末3の構成をさらに詳細に説明するための構成図である。
【図4】配信要求のデータ構造と配信データのデータ構造を説明するためのデータ構造図である。
【図5】この発明に係る実施の形態1での地図情報端末3と地図配信サーバ1aとがそれぞれ保有している地図情報に基づく地図の例である。
【図6】この発明に係る地図配信システムの実施の形態1について、地図情報端末3の動作を説明するための動作フロー図である。
【図7】この発明に係る地図配信システムの実施の形態1について、地図配信サーバ1aの動作を説明するための動作フロー図である。
【図8】追加しようとしている道路R5との一致度の計算についての判断ロジックの一例を説明するための説明図である。
【図9】この発明に係る地図配信システムの実施の形態1での地図情報端末3と地図配信サーバ1aとの動作を説明するための地図の別の例である。
【図10】この発明に係る地図配信システムの実施の形態2のうちの地図配信サーバ1bの構成を示す構成図である。
【図11】地図情報端末3と地図配信サーバ1bとがそれぞれ保有している地図情報に基づく地図の例及び地図情報と関係する拡張地図DBの航空写真や衛星写真等の写真画像の例である。
【図12】この発明に係る地図配信システムの実施の形態2について、地図配信サーバ1bの動作を説明するための動作フロー図である。
【図13】この発明に係る地図配信システムの実施の形態3のうちの地図配信サーバ1cの構成を示す構成図である。
【図14】地図配信サーバ1cの要求編集画面生成部27が生成し、地図情報端末3の端末表示部22にブラウザを用いて表示された要求編集画面の例である。
【図15】この発明に係る実施の形態4の地図配信システムの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1の地図配信システムの全体を示した構成図である。地図配信システムは、ユーザの編集要求情報である配信要求を受信し、当該配信要求に応じた差分地図データを作成して配信する地図配信サーバ1aと、配信された差分地図データを通信伝送する通信ネットワーク2と、通信ネットワーク2を介して通信伝送されてきた差分地図データを受信して、保有する地図情報(端末地図情報)を当該差分地図データで更新する地図情報端末3とから構成されている。
【0015】
地図情報端末3は、例えばユーザが乗車する車両に搭載して使用するカーナビゲーション端末装置である。ユーザはこの地図情報端末3を使用することで、自車の現在地やこれから行こうとする目的地を地図上で確認できるとともに、現在地から目的地へ向かうための経路である道路や周辺の施設に関する情報を得ることができる。
【0016】
なお、図1では、地図情報端末3は1台しか示されていないが、特定の地図情報端末3以外にも、複数のユーザが乗車する車両毎にそれぞれの地図情報端末(図示せず)が搭載されており、それぞれの地図情報端末(図示せず)は、通信ネットワーク2を介して地図配信サーバ1aと交信可能となっている。
【0017】
また、図1に示すように、地図配信サーバ1aは、地図情報端末3と通信ネットワーク2を介して通信を行うことでデータの送受を可能とする通信部4と、通信部4を用いた地図情報端末3からの配信要求の受信や地図情報端末3への差分地図データの配信を制御する制御部5aと、配信される差分地図データの作成に必要な地図情報を保有する各種の地図データベース(以下では、地図DBと表記する。)や地図情報端末3に関する端末情報等を保有する記憶部6aとから構成されている。
【0018】
図2は、図1の地図配信サーバ1aの構成をさらに詳細に説明するための構成図である。また、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0019】
図2において、制御部5aは、地図配信サーバ1aの全体を統括して制御する全体制御部7と、通信ネットワーク2と通信部4とを介して伝送されて来る地図情報端末3からの例えば道路を追加する配信要求を受け付ける要求入力部8aと、配信要求のあった地図情報端末3がユーザとの契約済の対象となる端末であるか否かを判断する認証部9と、地図情報端末3から配信要求された道路を、記憶部6aが保有する地図DBの地図情報である端末地図情報と照合する地図照合部10と、配信要求された道路を適切な道路に変形するために推定処理を行い、当該推定処理により推定された結果に基づいて配信要求された道路を必要に応じて変形する道路推定部11と、地図情報端末3が保有する地図情報と道路推定部11で得られた道路を例えば追加した地図情報との差分データを生成する生成手段である差分データ生成部12と、通信部4と通信ネットワーク2を介して地図情報端末3からの配信要求に対応する地図データである配信データを配信する配信部13とから構成されている。
【0020】
また、図2において、記憶部6aは、地図配信サーバ1aが過去に地図情報端末3にリリースした地図情報を保有する地図DBを記憶する第1の地図情報記憶手段であるリリースDB(データベース)記憶部15と、把握可能な範囲での最新の道路情報を反映した地図情報を保有する地図DBを記憶する第2の地図情報記憶手段である最新DB(データベース)記憶部14と、地図情報端末3に関する端末情報とこの地図情報端末3のユーザに関する登録情報等を記憶する端末情報記憶部16とから構成されている。なお、リリースDB記憶部15は、過去に地図情報端末3にリリースした地図情報を有しているが、それに対し、地図情報のリリースのタイミングによっては、最新DB記憶部14は、現時点ではまだ地図情報端末3にリリースしていない地図情報をも有している場合がある。
【0021】
また、図3は、図1の地図情報端末3の構成をさらに詳細に説明するための構成図である。
【0022】
図3において、地図情報端末3は、ユーザが操作入力を行うための例えばタッチパネルやリモコンからなる端末操作手段である端末操作部17と、ユーザが所有する地図情報端末3の固有の端末ID情報を記憶する端末ID記憶部18と、ユーザが乗車する車両の現在位置を測位するための例えばGPS(Global Positioning System)受信機や車両の進行方位を検出するジャイロセンサや車両から送られてくる車速パルス等の外部信号に基づいて車両の移動速度を検出する速度センサからなるセンサ部19と、地図配信サーバ1aから配信された配信データを用いて地図情報端末3が搭載された車両のナビゲーションを行うために必要な情報を記憶する端末記憶部20と、地図配信サーバ1aとの間で配信要求を送信し配信データを受信するための端末通信部21と、ユーザが端末操作部17を操作して地図配信サーバ1aへの配信要求を行うための操作画面を表示するとともに地図DB記憶部24に記憶された地図DBに含まれる地図情報を用いて作成されたナビゲーション画面を表示する端末表示部22とから構成されている。
【0023】
なお、図3の端末記憶部20は、自車のナビゲーションを行うために使用する地図情報である端末地図情報を含んでデータベース化された地図DBを記憶する地図DB記憶部24と、地図情報端末3からの配信要求に応じて地図配信サーバ1aから配信された配信データを記憶する配信データ記憶部25と、自車のナビゲーションを行うためのナビゲーションプログラムや配信データを用いて地図DBを更新するための更新プログラム等を記憶している。地図DB記憶部24は、端末地図情報を記憶する端末地図情報記憶手段である。
【0024】
次に、地図情報端末3から通信ネットワーク2を介して地図配信サーバ1aに送信される配信要求のデータ構造と、地図配信サーバ1aから通信ネットワーク2を介して地図情報端末3に送信される配信データのデータ構造とについて、図4を用いて説明する。
【0025】
図4(a)は、地図情報端末3から通信ネットワーク2を介して地図配信サーバ1aに送信される配信要求のデータ構造を示している。配信要求は、端末ID情報、地図バージョン、対象物種別、編集情報、及び対象データからなる。
【0026】
ここで、対象ID情報は、地図情報端末3に固有の端末ID番号や暗号鍵等の情報を有している。また、地図バージョンは、地図情報端末3が地図DB記憶部24に記憶された地図DBのバージョン番号であり、地図がリリースされた年月日を特定することができる。
【0027】
さらに、対象物種別は、地図DB記憶部24が記憶する地図DBの端末地図情報において、編集を要求する例えば道路や施設といった対象物の種別を表すものである。例えば、地図DB記憶部24が記憶する地図DBの地図情報を道路に関して変更する場合は、対象物種別を道路とし、施設に関して変更する場合は対象物種別を施設に指定する。
【0028】
また、編集情報は、地図DB記憶部24に記憶された地図DBが保有する地図情報を編集するにおいて、具体的にはどのような編集を行うのかを示す情報である。例えば、道路や施設を追加するのか、削除するのか、別のものに変更するのかを指定する。
【0029】
対象データは、対照物種別が道路の場合は、編集の対象となる道路の道路位置座標点列や既存道路との接続情報や道路のリンク番号等のデータであり、対照物種別が施設の場合は、編集の対象となる既存施設の名称や位置のデータやアイコンデータ等である。
【0030】
また、図4(b)は、地図情報端末3からの配信要求に対応して、地図配信サーバ1aから通信ネットワーク2を介して地図情報端末3に送信されて配信される配信データのデータ構造を示している。配信データは、端末ID情報、地図バージョン、対象物種別、編集情報、差分地図データ、及び信頼ステータスからなる。
【0031】
ここで、端末ID情報は、配信要求を送信した地図情報端末3を特定するための固有の端末IDや暗号鍵で、図4(a)の配信要求に含まれるものと同じである。もしくは、暗号の方式によっては、地図配信サーバ1aが正当なものかどうかを地図情報端末3が判断するための暗号鍵が含まれる。
【0032】
また、地図バージョンについても、配信要求を送信した地図情報端末3が地図DB記憶部24に記憶された地図DBが保有している地図情報のバージョン情報と同じ情報である。
【0033】
なお、地図配信サーバ1aは、地図情報端末3から送信される配信要求の中に示された地図バージョンを参照して、記憶部6aを構成するリリースDB記憶部15の中から配信要求の中に示された地図バージョンに対応する地図情報を選択し、当該地図情報に対して配信要求に基づいて編集を行った上で、当該配信要求を送信してきた地図情報端末3に編集後の配信データを送信する。
【0034】
すなわち、地図配信サーバ1aは、配信要求を送信する特定の地図情報端末3だけでなく、それ以外の地図情報端末(図示せず)に対しても配信要求を受け付けて編集後の配信データを送信する必要がある。
【0035】
従って、地図配信サーバ1aが複数の地図情報端末に対応して地図情報を管理する上では、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報と地図バージョンによってどの地図情報であるか対応を取れることが必要である。そこで、地図情報端末3では、地図配信サーバ1aからの配信データを用いて地図DB記憶部24の地図DBの地図情報を更新して得られた地図情報は、管理上の目的で編集前の地図情報と同じ地図バージョンを有するようにしている。
【0036】
なお、地図情報端末3において、編集前の地図情報と編集後の地図情報とを区別するために、区別化のための付加情報を地図バージョンに追加しても良いのは言うまでも無い。
【0037】
対象物種別及び編集情報についても、それぞれ地図情報端末3が送信した配信要求に含まれる対象物種別及び編集情報と同じ情報である。
【0038】
差分地図データは、地図情報端末3からの配信要求に基づいて、地図情報端末3の地図DB記憶部24に記憶されている地図DBの地図情報と同一の地図バージョンであって地図配信サーバ1aのリリースDB記憶部15に記憶されている地図DBの地図情報を編集して得られた地図データと同じく同一の地図バージョンであって編集前の地図情報に基づく地図データとの差分データである。
【0039】
信頼ステータスは、地図配信サーバ1aが制御部5aの中の地図照合部10の照合処理の結果に基づいて設定したもので、地図配信サーバ1aが地図情報端末3からの配信要求に基づいて編集して得られた地図データの情報としての信頼度を示す情報である。
【0040】
次に、この発明に係る地図配信システムの実施の形態1について、地図配信サーバ1a及び地図情報端末3の動作を詳細に説明する。
【0041】
地図情報端末3は、端末記憶部20の地図DB記憶部24の地図DBが保有している地図情報に従って、地図表示、ロケーション、経路探索、経路誘導、及び施設検索等を行う。ユーザは、端末表示部22の表示を見ながら種々の操作を行うことで、地図情報端末3を使うことができる。ここでは、地図情報端末3の地図DB記憶部24は、例えば地図バージョンがVer1.0(2006年5月リリース)の地図情報を含む地図DBを記憶しているものとする。
【0042】
図5は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態1での地図情報端末3と地図配信サーバ1aとの動作を説明するためのそれぞれ保有している地図情報に基づく地図の例である。地図情報端末3の端末記憶部20の地図DB記憶部24の地図DBには、例えば図5(a)に示す地図に対応する地図情報が保有されているものとする。図5(a)の地図において、Lは道路を表し、その後ろの数字は道路の番号を示している。すなわち、L1は、道路番号が1の道路という意味である。
【0043】
一方、地図配信サーバ1aの記憶部6aの最新DB記憶部14には、例えば地図バージョンがVer2.0(2008年10月リリース)であって、例えば図5(b)に示す最新の地図情報を含む地図DBが記憶されているものとする。地図配信サーバ1の最新地図情報に基づく地図は、地図情報端末3が保有するバージョンがVer1.0の地図情報に基づく地図と比べると、道路L4が無くなり、道路L5,L6,及びL7が追加されている。
【0044】
さらに、図5(c)は、ユーザが地図情報端末3の端末操作部17を操作して、例えばカーソルを用いた作図操作を行うことにより、地図情報端末3の図5(a)に示す地図情報に基づく地図に新たな道路R5を追加する内容の配信要求を作成する手順を説明するための地図を示している。
【0045】
また、図5(d)は、地図情報端末3からの配信要求に基づいて編集された地図情報に基づく地図と地図配信サーバ1aの図5(b)に示す最新の地図情報に基づく地図とを比較して、変化した道路のみを抽出した上で、抽出された道路に対して、追加しようとする道路R5を照合するために追加記載したものである。
【0046】
さらに、図5(e)は、地図情報端末3からの配信要求に対応して、地図配信サーバ3から送信されてきた図4(b)に示す配信データを用いて地図DB記憶部24が記憶する地図DBの地図情報を更新し、更新された地図情報に基づいて端末表示部22に表示された地図である。図5(e)において、道路H5は、追加しようとする道路R5が最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に含まれる道路L5に該当すると判断された道路を示している。
【0047】
図6は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態1について、地図情報端末3の動作を説明するための動作フロー図である。図3、図4、図5、及び図6を用いて、地図配信システムのうちの地図情報端末3の動作をまず説明する。
【0048】
図6の地図情報端末3の動作フロー図を説明するにおいて、地図情報端末3には、地図DB記憶部24の地図DBが保有する地図バージョンがVer1.0の地図情報に基づいて作成された地図が、図5(a)に示すように、端末表示部22に表示されているものとする(ステップS10)。
【0049】
ユーザが、例えば所望の道路の追加や削除や変更等の地図の編集を行うために、端末操作部17を操作すると、端末表示部22の地図の画面が地図編集メニューに遷移して表示される(ステップS11)。
【0050】
地図編集メニューを見ながら、ユーザは端末操作部17を操作して、編集操作と編集対象を指定する。編集対象としては、例えば道路や施設等を指定する(ステップS12)。編集操作としては、編集対象の追加、削除、及び変更等を指定する。具体的には、ユーザが例えば道路R5を図5(a)に示す地図に追加しようとする場合、ユーザは端末操作部17のポインティングデバイス等を用いたカーソルによる作図操作で図5(a)の地図上で道路R5を追加する操作を行うと、図5(c)に示されるように道路R5が追加される。このユーザの作図操作によって、地図情報端末3が保有する端末地図情報である地図情報に道路R5に関する情報を追加するというユーザの要求が入力されることとなる。
【0051】
ステップS12で入力されたユーザの要求に基づいて、地図情報端末3の端末制御部23は、図4(a)に示す配信要求を作成する(ステップS13)。すなわち、図4(a)において、端末ID情報には、地図情報端末3の端末ID番号や暗号鍵が設定される。地図バージョンは、地図情報端末3の地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報のバージョンで、Ver1.0となる。また、道路R5を追加するので、対象物種別は道路、編集情報は追加、対象データは道路の道路位置座標点列、既存道路との接続情報、及び道路のリンク番号等となる。
【0052】
次に、地図情報端末3は地図配信サーバ1aに所望の地図の配信を要求するために、地図情報端末3の端末通信部21から、端末制御部23が作成した配信要求が、通信ネットワーク2を介して、地図配信サーバ1aに送信される(ステップS14)。
【0053】
以上までが、地図情報端末3が地図配信サーバ1aに図4(a)に示された配信要求を送信するまでの動作である。
【0054】
図7は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態1について、地図配信サーバ1aの動作を説明するための動作フロー図である。図2、図4、図5、及び図7を用いて、地図情報端末3からの配信要求を受信した地図配信サーバ1aの動作を以下に説明する。
【0055】
図7の地図配信サーバ1aの動作フロー図を説明するにおいて、地図配信サーバ1aでは、最新DB記憶部14には地図バージョンがVer2.0の図5(b)に示す最新の地図情報を含む地図DBが記憶されているものとする。
【0056】
図7において、まず地図配信サーバ1aは地図情報端末3からの配信要求を通信部4で受信する(ステップS20)。受信された配信要求は、制御部5aの要求入力部8aで受け付けられる。そして、地図情報端末3に対して、要求入力部8aは配信要求を受けた旨を返信する。
【0057】
次に、要求入力部8aで受け付けられた配信要求は、認証部9に送られ、認証部9では、図4(a)に示された配信要求の中の端末ID情報の端末ID番号と暗号鍵とが参照されて、配信要求を送ってきた地図情報端末3がユーザとの契約済の対象となる端末であるか否かを登録確認を行うことで当該地図情報端末3は登録端末であると認証する(ステップS21)。
【0058】
なお、ステップS21で、地図情報端末3が登録端末で無かった場合は、地図配信サーバ1aは、配信不可の理由を記述して地図情報端末3に返信を行う(ステップS28)。この際、例えば図4(b)の配信データの中の編集情報に配信不可を示すコード番号を設定し、差分地図データの中に配信不可の理由を記述する。この返信を行うことで、地図配信サーバ1aの動作フローは終了する(ステップS29)。
【0059】
一方、ステップS21で、地図情報端末3が登録端末であった場合は、地図照合部10は、地図情報端末3から配信要求された道路を、記憶部6aが保有するデータベースの地図情報と照合する。ここで、地図照合部10は、第1の照合手段として動作する。
【0060】
具体的には、地図照合部10は、まず、リリースDB記憶部15に記憶されている過去にリリースされた地図情報の中から、地図バージョンが配信要求と同じ地図情報を選択し、当該地図情報と最新DB記憶部15に記憶された最新の地図DBの地図情報とを比較する(ステップS22)。
【0061】
すなわち、配信要求には地図バージョンはVer1.0と設定されているので、地図照合部10は、リリースDB記憶部15が記憶する地図情報の中から地図バージョンがVer1.0の地図情報を選び出す。次に、地図照合部10は、このVer1.0の図5(a)に示す地図に対応する地図情報と最新DB記憶部15に記憶された地図DBが含むVer2.0の図5(b)に示す地図に対応する最新の地図情報とを比較する。その結果、地図情報端末3が保有している地図情報に基づく地図を基準にして、地図配信サーバ1aが保有している最新の地図情報に基づく地図における変化した道路のみを抽出することができる。
【0062】
以上のようにして抽出された変化した道路のうちでバージョンがVer1.0から最新のVer2.0に更新されるに際して追加された道路と、ユーザの要望で配信要求に基づいてこれから追加しようとする道路R5とを照合する。
【0063】
図5(d)には、変化した道路であるL4、L5、L6、及びL7と、これから追加しようとする道路R5とが示されている。このうち、L5、L6、及びL7がVer2.0に更新される際に追加された道路である。従って、これらの追加された道路は、最新DB記憶部の地図DBの最新のVer2.0の地図情報に基づく地図には存在するが、地図情報端末3が保有するVer1.0の地図情報に基づく地図には存在しない。
【0064】
次に、地図照合部10では、最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図に、配信要求に基づいて追加しようとする道路R5に該当する道路が存在するか否かが調べられる(ステップS23)。これは、図5(d)に示された道路のうちの最新のVer2.0の地図情報に更新される際に追加された道路L5、L6、及びL7のいずれかに、道路R5が該当するか否かを各道路と道路R5との一致度を計算して判断する。
【0065】
図8は、最新のVer2.0の地図情報に更新される際に追加された各道路と配信要求に基づいて追加しようとしている道路R5との一致度の計算についての判断ロジックの一例を説明するための説明図である。ただし、図8においては、更新される際に追加された道路のうちで、明らかに一致していないことから道路R5から大幅に離れている道路L7の記載を省略している。しかし、道路L7の道路R5との一致度の計算についても、道路L5やL6の場合と同様の計算を用いることができるのは言うまでも無い。また、一致度の計算では一例として説明した図8に示す手法以外であっても良いのは言うまでも無い。
【0066】
さて、道路L5及び道路R5間の一致度をS(R5−L5)と表記して、図8に示すように、道路L5と道路R5との間に形成される領域の面積でもって判断する。道路L6及び道路R5間の一致度についても同様にS(R5−L6)と表記して、図8に示すように、道路L6と道路R5との間に形成される領域の面積でもって判断する。
【0067】
これらの一致度S(R5−L5)及びS(R5−L6)は、それぞれ次のような式(1)及び式(2)で表される。
【0068】
【数1】

【0069】
【数2】

【0070】
ここで、f(R5)は、道路R5に対して移動と回転(xyΘ)を施す関数で、Wは施した分だけ重みを加える関数である。また、s(R,L)とは、道路を意味する線分Rと線分Lで囲まれた面積である。図8においては、説明の都合上、x=y=Θ=0とした場合を示している。
【0071】
S(R5−L5)とS(R5−L6)とを比べると、明らかにS(R5−L5)が小さく、かつ、S(R5−L5)が所定の閾値Sthよりも小さい場合は、道路R5を道路L5と特定する。一方、S(R5−L5)が、S(R5−L6)と比べて明らかに小さくても所定の閾値Sth以上である場合は、道路R5に該当する道路は最新DB記憶部14が記憶する地図DBの地図情報に基づく地図に無いと判断する。
【0072】
ステップS23において、道路R5を道路L5と特定した場合は、最新DB記憶部14が記憶する地図DBの地図情報に基づく地図に配信要求に基づいて追加しようとする道路R5に該当する道路L5が存在すると判断されて、ステップS30へ行く。
【0073】
次に、差分データ生成部12は、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報であって地図バージョンが配信要求の地図バージョンに一致する地図情報との比較に基づいて、追加しようとする道路R5に該当する道路L5に対応する差分地図データを作成する(ステップS30)。すなわち、図5(e)に示された地図の地図情報に該当する地図情報と図5(a)に示された地図の地図情報との差分を行うこととなる。
【0074】
最新DB記憶部14が記憶する地図DBの地図情報に基づく地図に配信要求に基づいて追加しようとする道路R5に該当する道路L5が存在するので、当該道路の情報としての信頼度は高いと考えることができる。そこで、全体制御部7は、差分データ生成部12で作成された差分地図データの、正確に言えば当該差分地図データによって更新された地図情報端末3の保有する地図情報の情報としての信頼度を示す信頼ステータスを、例えば最も信頼度の高い5に設定する(ステップS31)。このように、全体制御部7は、信頼ステータス設定手段として動作する。
【0075】
次に、配信部13で、図4(b)に示された配信データが作成され、当該配信データは、通信部4から通信ネットワーク2を介して地図情報端末3に、地図情報端末3から受信した配信要求への応答として送信される(ステップS32)。
【0076】
なお、配信部13で作成される図4(b)の配信データにおいて、端末ID情報は、配信要求を送信した地図情報端末3を特定するための固有の端末IDや暗号鍵で、図4(a)の配信要求に含まれるものと同じである。地図バージョンについても、配信要求を送信した地図情報端末3が地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報のバージョン情報と同じVer1.0である。さらに、対象物種別及び編集情報についても、それぞれ地図情報端末3が送信した配信要求に含まれる対象物種別及び編集情報と同じで、対象物種別が道路で、編集情報が追加となっている。差分地図データは、ステップS30で差分データ生成部12が作成したもので、追加しようとする道路R5に該当する道路L5に対応する差分地図データである。さらに、信頼ステータスは、ステップS31で全体制御部7が設定した5となっている。
【0077】
以上のようにして、地図情報端末3からの道路R5を追加するという配信要求に応じて、ステップS23において道路R5を道路L5と特定した場合の地図配信サーバ1aの動作フローは終了する(ステップS33)。
【0078】
次に、地図配信サーバ1aの動作に続けて、地図配信サーバ1aから配信された配信データを受信した地図情報端末3の動作について、図6に戻って以下に説明する。
【0079】
図6に示された地図情報端末3の動作フローにおいて、地図情報端末3は、地図配信サーバ1aに送信した配信要求に対して、地図配信サーバ1aが応答を受けたかどうかをチェックし、地図配信サーバ1aから配信要求を受けた旨の返信が来ない場合は、応答を受けていない(NO)として、待機待ちとなる(ステップS15)。それに対して、地図配信サーバ1aから配信要求を受けた旨の返信が送信され、地図情報端末3が当該返信を受信すると、地図情報端末3は、地図配信サーバ1aが応答を受けた(YES)として、ステップS16へ行く。
【0080】
次に、地図情報端末3は、地図配信サーバ1aから図4(b)に示す配信データを、通信ネットワーク2を介して、端末通信部21で受信する(ステップS16)。端末制御部23は、端末通信部21で受信された配信データを端末記憶部20の配信データ記憶部25に記憶させる。
【0081】
次に、端末制御部23は、配信データ記憶部25に記憶された配信データに基づいて、地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報である端末地図情報を更新する。すなわち、端末制御部23は、端末地図情報の更新手段として動作する。具体的には、配信データに含まれる地図バージョンが地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報と同じVer1.0であることを確認した上で、配信データに含まれる差分地図データを用いて地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報を差分更新する(ステップS17)。
【0082】
地図情報端末3の端末制御部23は、配信データ記憶部25に記憶された配信データに含まれる信頼ステータスを参照し、信頼ステータスに従い、地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報を用いてナビゲーション機能を実行する(ステップS18)。なお、信頼ステータスは地図配信サーバ1aによって最も信頼度の高い5に設定されているので、地図情報端末3のナビゲーション手段である端末制御部23は、例えば、探索、誘導、表示、ロケーション等、当該地図情報端末3が実行可能なすべてのナビゲーション機能を実行できる。
【0083】
以上のようにして、地図情報端末3からの道路R5を追加するという配信要求に応じて、地図配信サーバ1aは最新DB記憶部14が記憶する地図DBの地図情報の地図に道路R5に該当する道路L5が存在すると判断した上で配信データを作成して配信し、地図情報端末3は配信された配信データを受信して地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報を受信された配信データに基づいて更新するという一連の地図情報端末3と地図配信サーバ1aの動作が終了する(ステップS19)。
【0084】
一方、ステップS23において、追加しようとする道路に該当する道路は最新DB記憶部14が保有する地図情報に基づく地図に無いと判断された場合は、ステップS23からステップS24へ行くこととなる。
【0085】
図9は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態1での地図情報端末3と地図配信サーバ1aとの動作を説明するための地図の例であるが、地図情報端末3の配信要求が図5(c)に示す道路R5を追加するという内容とは異なる別の例を示すものである。すなわち、地図情報端末3からの配信要求は道路R8を追加する内容であり、かつ、追加しようとする道路R8は、最新DB記憶部14が記憶する地図DBの地図情報の地図に該当する道路が存在しないと地図配信サーバ1が判断するような信頼度の低い道路であるものとする。
【0086】
なお、地図情報端末3の端末記憶部20の地図DB記憶部24には、上記の説明と同様に図5(a)に示す地図に対応する地図情報を含む地図DBが記憶されているものとする。
【0087】
また、地図配信サーバ1aの最新DB記憶部14には、上記の説明と同様に図5(b)に示す地図に対応する地図情報を含む地図DBが記憶されているものとする。さらに、図9において、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0088】
図9(a)は、ユーザが地図情報端末3の端末操作部17を操作して、例えばカーソルを用いた作図操作を行うことにより、地図情報端末3の図5(a)に示す地図情報に基づく地図に上記にて説明した新たな道路R8を追加する内容の配信要求を作成する場合を説明するための地図情報に基づく地図を示している。なお、追加しようとする道路R8は、交差する道路L1との関係において、突き出た部分R8aを有しているものとする。ここで、突き出てすぐ行き止まりとなる道路の形状は地図情報としてさらに信頼度が低いものであると想定する。
【0089】
また、図9(b)は、地図情報端末3からの配信要求に基づいて編集された地図情報に基づく地図と地図配信サーバ1aの最新DB記憶部14に記憶された地図DBの最新の地図情報に基づく図5(b)に示された地図とを比較して、変化した道路のみを抽出したものに対して、追加しようとする道路R8を照合するという地図照合部10の動作を説明するための図である。
【0090】
さらに、図9(c)は、追加しようとする道路の形状から、当該道路の地図情報として信頼度が低い要素を推定して修正する推定処理を説明するための地図の例である。図9(c)においては、道路R8について、突き出た部分R8aを有しているという道路の形状から、地図情報として信頼度が低いとして、突き出た部分R8aが誤った情報であると推定し、道路R8から突き出た部分R8aを除く処理を行うという推定処理が施される。道路S8は、道路R8にこのような推定処理が施されて得られた道路を示している。
【0091】
さらに、図9(d)は、地図情報端末3からの道路R8を追加するという配信要求に対応して、地図配信サーバ1aから送信されてきた配信データを用いて地図DB記憶部24が記憶する地図DBの地図情報を更新し、更新された地図情報に基づいて端末表示部22に表示された地図である。図9(d)において、道路H8は、追加しようとする道路R8が最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に存在しないと判断された上で、道路R8から信頼度の低い突き出た部分R8aを除く推定処理が施されて得られた道路である。
【0092】
地図情報端末3からの配信要求において追加しようとする道路R8は、最新DB記憶部14が記憶する地図DBの地図情報の地図に該当する道路が存在しないと地図配信サーバ1aが判断するような信頼度の低い道路であるので、図7に示す地図配信サーバ1aの動作フローの中でステップS23において追加しようとする道路が最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に存在しないと判断されてステップS24に行った以降の地図配信サーバ1a及び地図情報端末3の動作について、以下に説明する。なお、ステップS23よりも前の地図配信サーバ1a及び地図情報端末3の動作は、既に説明した動作内容と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
図7において、ステップS24では、地図情報端末3からの配信要求に基づいて追加しようとする道路R8に推定処理を施す。配信要求には、図4(a)に示されるように、対象物種別が道路R8で、編集情報が追加であり、対象データとして道路R8の各種データ等が含まれている。
【0094】
さて、追加しようとする道路R8は、地図情報として信頼度が低い要素である突き出た部分R8aを有している。そこで、道路推定部11は、道路R8から信頼度の低い付き出た部分R8aを除いて信頼度を向上した道路S8を得るための推定処理を行う。推定処理によって得られた道路S8は、図9(c)に示されるように、交差する道路L1との関係において、図9(a)に示されている突き出た部分R8aに相当する部分が無くなっている。
【0095】
さらに、ステップS24では、差分データ生成部12は、推定処理によって得られた道路S8に対応する差分地図データを生成する。当該差分地図データは、図9(c)に示す地図の地図情報と、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報であって地図バージョンが配信要求の地図バージョンに一致する地図情報との比較によって、生成される。すなわち、図9(c)に示された地図の地図情報と図5(a)に示された地図の地図情報との差分を行うこととなる。
【0096】
次に、ステップS25では、信頼度の程度が判断される。ここでの信頼度の程度は、信頼性有無の判断内容に関わらず、ステップS23でYESと判断された場合よりは低いものとなる。これは、追加しようとする道路R8が最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図に存在しなかったためである。
【0097】
例えば、最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づいて、追加しようとする道路R8に推定処理を施し得られた道路S8に対し、道路S8が海の上とか湖の中とかいったような有り得ないような地図上の位置を示す場合は、ステップS25の信頼性有りがNOとなって、道路S8に係る地図情報の信頼度を表す信頼ステータスを最も低い例えば0に設定する(ステップS27)。それに対し、有り得ないような地図上の位置を示すといったような矛盾が無い場合は、ステップS25の信頼性有りがYESとなって、道路S8に係る地図情報の信頼度を表す信頼ステータスを中程度の例えば2に設定する(ステップS26)。
【0098】
以上のようにして、信頼ステータスが設定された後は、既に説明した動作フローと同様であり、ステップS32において、配信部13で、図4(b)に示された配信データが作成され、当該配信データは、通信部4から通信ネットワーク2を介して地図情報端末3に、地図情報端末3から受信した配信要求への応答として送信される。
【0099】
以上のようにして、地図情報端末3からの道路R8を追加するという配信要求に応じて、ステップS23において道路R8は最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図には存在しない場合の地図配信サーバ1aの動作フローは終了する(ステップS33)。
【0100】
次に、地図配信サーバ1aの動作に続く、地図配信サーバ1aから配信された配信データを受信した地図情報端末3の動作については、道路R5を追加する配信要求の場合と実質的に略同様であるので、図6に戻って、異なる部分を中心に以下では説明する。
【0101】
地図情報端末3では、地図配信サーバ1aから配信された配信データを受信し(ステップS16)、当該配信データに基づいて地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報を更新する(ステップS17)。
【0102】
次に、地図情報端末3の端末制御部23は、信頼ステータスの値に応じて、制限を加えてナビゲーション機能を実行する。道路R5を追加する配信要求の場合は、信頼ステータスが最も高い5に設定されていたので、地図情報端末3が実行可能な探索、誘導、表示、ロケーション等、すべてのナビゲーション機能を実行することができた。
【0103】
それに対して、上記で説明したように、例えば道路S8が有り得ない地図上の位置を示すことから、信頼ステータスが最も低い0に設定されている場合は、地図情報端末3は、例えば、ナビゲーション機能が表示のみに制限される。また、信頼ステータスが中程度の例えば2に設定されている場合は、地図情報端末3は、例えば、ナビゲーション機能が表示及びロケーションに制限される。
【0104】
以上のように、この発明に係る実施の形態1の地図配信システムにおいては、地図情報端末3からの配信要求を受けて、地図配信サーバ1aは信頼性の度合いが考慮されたユーザが所望の地図データを含む配信データを受信し、当該配信データに基づいて地図情報端末3の地図情報が更新されるように構成されているので、地図情報端末は地図情報の信頼度に応じたナビゲーション機能を実行できるという効果がある。
【0105】
以上では、編集情報が追加の場合を例に説明したが、削除や変更であってもその編集情報に適応した同様な処理が行われる。例えば、編集情報が道路R5の追加ではなくて道路R5の削除となっていた場合は、削除しようとする道路R5が、Ver1.0の地図情報に基づく地図には存在してVer2.0の地図情報に基づく地図には存在しないL4の道路に該当するか否かが照合されることとなる。
【0106】
また、配信要求において、編集の対象物種別が道路の場合を例に説明したが、施設の場合でも同様の処理が行われるのは言うまでもない。
【0107】
また、地図情報端末3は、配信データに含まれる信頼ステータスの値に応じて、ナビゲーション機能として更新された地図情報に基づく地図の表示を実行する場合に、信頼ステータスに応じて道路の色の表現方法を変えるようにすれば、ユーザは更新された地図がどのぐらいの信頼性の度合いを持っているのかを一目で把握できるという効果がある。その場合、特に信頼ステータスが最も高い地図情報に対しては、通常の地図表示と全く同じにするのがユーザの理解を容易に得られるという点で効果がある。ユーザは、通常の地図表示と異なると感じるだけで、容易に表示された地図が信頼性の度合いが低いことを知ることができる。
【0108】
また、ユーザが地図情報端末3の端末操作部17を操作することで、信頼ステータスの値と実行可能なナビゲーション機能との関係を設定するようにしても良い。ユーザが設定できれば、ユーザの嗜好に合ったさらに好適な地図情報端末3を得ることができる。
【0109】
また、地図情報端末3から送信される配信要求において、対象物種別が施設の場合は、ユーザは、端末操作部17を操作して、施設名や表示のためのマークを所定のデータから選択して配信要求を作成するようにすれば、ユーザは容易に配信要求を作成できる。
【0110】
さらに、地図配信システムは、地図配信サーバ1aの端末情報記憶部16ないしは地図情報端末3の端末記憶部20かのいずれかには、ユーザが所望の地図を得るための配信要求を何回実施できるかを規制する配信可能ポイントが記憶されており、予め配信の種類に応じて必要なポイントが定められていて、ユーザが配信要求を行う度に、配信の種類に応じたポイントが配信可能ポイントから減算されるように構成されていても良い。このように構成されることにより、ユーザの配信要求を簡便に管理できる。例えば、配信可能ポイントが負になった場合は、これ以上はユーザは配信サービスを利用できないようにしても良い。また、ユーザの配信可能ポイントは、通信ネットワーク2を介して、ユーザによる入金情報を取得可能となっており、入金に応じて配信可能ポイントを増加させるようにしても良い。
【0111】
さらに、以上では、配信データは配信要求で追加を要求された道路R5に対応する道路L5、すなわち一致度Sが最も小さい道路のみの地図差分データを含む場合について説明したが、道路R5に対する一致度SがL5よりも高くても閾値Sth以上で無ければ、道路L5及び道路L6の両方の地図差分データを信頼ステータス付きで配信データに含めるようにしても良い。なお、複数の道路に対応する地図差分データが配信データに含まれていた場合、地図情報端末3は、ユーザが端末操作部17を操作することにより、複数の道路のうちから取捨選択できるようにしても良い。
【0112】
また、信頼ステータスにおいては、以上では、0、2、及び5といった整数の場合を例に説明したが、信頼性の度合いを表現できるものであれば、少数や分数等、特に限定されないのは言うまでも無い。
【0113】
実施の形態2.
この発明に係る実施の形態1の地図配信システムにおいては、地図配信サーバ1aの記憶部6aは最新DB記憶部14とリリースDB記憶部15と端末情報記憶部16とから構成されているが、この発明に係る実施の形態2の地図配信システムにおいては、地図配信サーバ1b(図示はしないが実施の形態1の地図配信サーバ1aと区別するために以下では実施の形態2に係る地図配信サーバを地図配信サーバ1bと称するものとする。)の記憶部6bは、航空写真や衛星写真等の写真画像からなる拡張地図DBを記憶する拡張地図DB部26をさらに備えている点が実施の形態1とは異なる。
【0114】
最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報を新しい内容に更新していくために、遂次測量等の情報収集が行われている。しかし、情報収集や得られた情報を位置座標点列や既存道路との接続情報やリンク番号等からなる道路の情報や名称や位置等からなる施設の情報に変換してデータベース化していくためにはある程度の時間が必要であり、新たな道路や施設が建設されたり、取り壊されたりしたからといって、即時に地図DBに反映できるわけでは無い。
【0115】
それに対して、航空写真や衛星写真をデータベース化した拡張地図DBであれば、写真撮影を行ってその写真画像をデータベース化するだけで済むので、最新DB記憶部14に記憶された地図DBよりもより最新の道路や施設の情報を反映している可能性が高い。ただし、写真画像だけでは、画像の濃淡や色だけから道路や施設を判断する必要があり、実地での測量や情報収集に基づいて得られた最新DB記憶部14が保有する地図情報に比べると信頼性の点では十分とは言えない。
【0116】
従って、航空写真や衛星写真等の写真画像からなる拡張地図DB(データベース)を最新DB記憶部14に記憶された地図DBと併せて使用し、その使用状況に応じて地図情報端末3に配信する配信データに含まれる信頼ステータスを設定すれば、地図情報端末3は信頼ステータスに応じたナビゲーション機能を実行できるので、地図情報端末3のユーザは、より最新の道路や施設の状況が反映されていると同時に、配信データの情報の信頼性の度合いが考慮されたナビゲーションを利用することができる。
【0117】
具体的には、地図情報端末3からの配信要求で例えば追加しようとする道路について最新DB記憶部14の地図DBで該当する道路が存在した第1の場合には、地図情報端末3に返信する配信データに含まれる信頼ステータスを高く設定し、最新DB記憶部14の地図DBでは該当する道路が存在しなかったが、拡張地図DB部26の拡張地図DBでは該当する道路が存在した第2の場合には、返信する配信データに含まれる信頼ステータスを第1の場合に比べて低く設定するようにすれば良い。
【0118】
図10は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態2のうちの地図配信サーバ1bの構成を示す構成図である。実施の形態2においては、図1に示す地図配信システムの全体構成のうちで、地図情報端末3及び通信ネットワーク2は実施の形態1と同様であり、地図配信サーバ1bの構成が実施の形態1の地図配信サーバ1aとは異なる。なお、図10において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0119】
図10において、地図配信サーバ1bの記憶部6bは、最新DB記憶部14、リリースDB記憶部15、及び端末情報記憶部16に加えて、さらに写真画像からなる拡張地図DBを記憶する拡張地図記憶手段である拡張地図DB部26を備えている。
【0120】
図11は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態2での地図情報端末3と地図配信サーバ1bとの動作を説明するためのそれぞれ保有している地図情報に基づく地図の例及び地図情報と関係する拡張地図DBの航空写真や衛星写真等の写真画像の例である。なお、図5及び図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0121】
地図配信サーバ1bの記憶部6bを構成する拡張地図DB部26には、例えば図11(a)に示す航空写真の写真画像を含む拡張地図DBが記憶されている。なお、最新DB記憶部14には、実施の形態1の場合と同様に図5(b)の地図の地図情報を含む地図DBが記憶されているものとする。また、地図情報端末3の地図DB記憶部24には、実施の形態1の場合と同様に図5(a)の地図の地図情報を含む地図DBが記憶されているものとする。
【0122】
図11(a)の写真画像は、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図と対応した位置関係について、上空から撮影した例えば航空写真である。このような航空写真や衛星写真の写真画像が、データベース化されて拡張地図DBとして拡張地図DB部26に記憶されている。
【0123】
また、図11(b)は、地図情報端末3からの道路R9を追加する内容の配信要求において、道路R9の位置を拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像である図11(a)の航空写真に重ね合わせたものである。そして、図11(b)は、地図照合部10が道路R9を拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像である図11(a)の航空写真と照合する動作を説明するための図である。なお、道路R9については、実施の形態1で説明した道路R8の例とは異なり、信頼度の低い突き出た部分は有さないものの例として以下では説明する。
【0124】
図11(b)において、道路画像L1p、L3p、L5p、L6p、及びL7pは、それぞれに図5(b)に示した道路L1、L3、L5、L6、及びL7に対応している。さらに、道路画像L1p、L2p、L3pは、それぞれに図5(a)に示した道路L1、L2,及びL3に対応している。また、配信要求に基づいて追加しようとする道路が航空写真に重ねて示されている。
【0125】
また、図11(c)は、追加しようとする道路R9について、地図照合部10が拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像である航空写真と照合した後に、ステップS55において、拡張地図DBの写真画像である航空写真に道路R9に該当する道路S9が存在するとして、図5(a)に示された情報端末3の地図DB記憶部24の地図DBの地図情報に基づく地図と同じ地図バージョンVer1.0を有しており、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図に、道路R9に該当する道路S9を追加して示した地図である。
【0126】
さらに、図11(d)は、地図情報端末3からの道路R9を追加するという配信要求に対応して地図配信サーバ1bから送信されてきた配信データを用いて、地図情報端末3の端末制御部23が地図DB記憶部24が記憶する地図DBの地図情報を更新し、更新された地図情報に基づいて端末表示部22に表示された地図である。図11(d)において、道路H9は、追加しようとする道路R9が最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に存在しないと判断された上で、次に、追加しようとする道路R9が拡張地図DB部が記憶する拡張地図DBの航空写真と照合され、写真の明暗等から道路R9に該当する道路S9が存在するとして判断されて、地図情報端末3の地図DB記憶部24が記憶する地図DBの地図情報に基づく地図に追加された道路である。
【0127】
図12は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態2について、地図配信サーバ1bの動作を説明するための動作フロー図である。なお、図7と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0128】
以下では、図10、図11、及び図12を用いて、地図情報端末3からの道路R8を追加する内容の配信要求を受信した地図配信サーバ1bの動作を特に実施の形態2に特徴的な動作を中心に説明する。
【0129】
図12において、実施の形態2に係る地図配信サーバ1bの動作は、ステップS23で最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図には配信要求に基づいて追加しようとする道路R8が存在しないのでNOと判断した場合以降のステップが、実施の形態1の場合とは異なる。
【0130】
ステップS23にて第1の照合手段として動作する地図照合部10がNOと判断すると、ステップS54に行く。ステップS54では、地図照合部10は、リリースDB記憶部15に記憶されている過去にリリースされた地図情報の中から、地図バージョンが配信要求と同じ地図情報を選択し、当該地図情報と拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像の地図情報とを比較する。
【0131】
すなわち、配信要求には地図バージョンはVer1.0と設定されているので、地図照合部10は、リリースDB記憶部15が記憶する地図情報の中から地図バージョンがVer1.0の地図情報を選び出す。次に、地図照合部10は、このVer1.0の図5(a)に示す地図に対応する地図情報と拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBが含む図11(a)に示す航空写真の写真画像である地図情報とを比較する。その結果、地図情報端末3が保有している地図情報に基づく地図を基準にして、地図配信サーバ1bが保有している写真画像の地図情報に基づく地図における変化した道路のみを抽出することができる。なお、航空写真や衛星写真の写真画像は、最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報よりも、より最新の道路や施設の状況を反映している。従って、ステップS23で追加しようとする道路R9が最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報では該当する道路が見つからなかったとしても、拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像であれば、見つかる可能性が高くなるという利点がある。
【0132】
以上のようにして抽出された変化した道路、すなわち、地図情報端末3が保有している地図情報に基づく地図を基準にして地図配信サーバ1bが保有している写真画像の地図情報に基づく地図における変化した道路に対して、地図照合部10は、ユーザの配信要求に基づいてこれから追加しようとする道路R9を照合する。ここで、地図照合部10は、第2の照合手段として動作する。
【0133】
その結果、ステップS55において、拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像に係る地図に配信要求に基づいて追加しようとする道路R9に該当する道路S9が存在すると地図照合部10が判断した場合は、次はステップS56へ行く。
【0134】
ステップS56では、差分データ生成部12は、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報であって地図バージョンが配信要求の地図バージョンに一致する地図情報との比較に基づいて、追加しようとする道路R9に該当する道路S9に対応する差分地図データを生成する。当該差分地図データは、図11(c)に示された地図の地図情報と図5(a)に示された地図の地図情報との差分を行うこととなる。
【0135】
次に、ステップS57では、信頼ステータスが設定される。追加しようとする道路R6は、最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図には該当する道路が存在しなかったが、拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像からなる地図情報に基づく地図には存在していた。従って、このような第2の場合の信頼ステータスは、最新DB記憶部14の地図DBに存在する第1の場合(信頼ステータス=5)よりも低く、しかし、拡張地図DBにも存在しない第3の場合よりも高く設定するものとし、例えば、信頼ステータス=3と設定する。
【0136】
以上のようにして、信頼ステータスが設定された後は、既に説明した動作フローと同様であり、ステップS32において、配信部13で、図4(b)に示された配信データが作成され、当該配信データは、通信部4から通信ネットワーク2を介して地図情報端末3に、地図情報端末3から受信した配信要求への応答として送信される。
【0137】
以上のようにして、地図情報端末3からの道路R9を追加するという配信要求に応じて、ステップS23において道路R9は最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図には該当する道路が存在しないが、ステップS55において道路R9は拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像からなる地図情報に基づく地図には該当する道路S9が存在する第2の場合の地図配信サーバ1bの動作フローは終了する(ステップS33)。
【0138】
次に、地図情報端末3からの道路R9を追加するという配信要求に応じて、ステップS23においても道路R9は最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報に基づく地図には該当する道路が存在せず、かつ、ステップS55においても道路R9は拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像からなる地図情報に基づく地図には該当する道路S9が存在しない第3の場合の地図配信サーバ1bの動作フローについて、第2の場合とは異なるステップS55以降について、以下に説明する。
【0139】
さて、ステップS55において、地図配信サーバ1bの地図照合部10は、道路R9は拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像からなる地図情報に基づく地図には該当する道路S9が存在しないと判断し、次にステップS58へ行くこととなる。
【0140】
ステップS58では、地図情報端末3からの配信要求に基づいて追加しようとする道路R9に推定処理を施す。配信要求には、図4(a)に示されるように、対象物種別が道路R9で、編集情報が追加であり、対象データとして道路R9の各種データ等が含まれている。
【0141】
さて、追加しようとする道路R9は、実施の形態1において説明した道路R8の場合とは異なり、突き出た部分を有さないので、大幅な推定処理は行わないが、拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像の濃淡や色等の情報に基づいて、必要に応じた推定処理が施される。
【0142】
さらに、ステップS58では、差分データ生成部12は、推定処理によって得られた道路に対応する差分地図データを生成する。差分地図データの生成については、これまでに説明した内容と同様であるので、説明を省略する。
【0143】
次に、ステップS59では、信頼度の程度が判断される。ここでの信頼度の程度は、信頼性有無の判断内容に関わらず、ステップS23でYESと判断された第1の場合よりも低いのは当然として、さらに、ステップS55でYESと判断された第2の場合よりも低いものとなる。これは、追加しようとする道路R9が拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像からなる地図情報に基づく地図に存在しなかったためである。
【0144】
例えば、拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像からなる地図情報に基づいて、推定処理を施し得られた道路に対し、当該道路が海の上とか湖の中とかいったような有り得ないような地図上の位置を示す場合は、ステップS59の信頼性有りがNOとなって、信頼ステータスを最も低い例えば0に設定する(ステップS61)。それに対し、有り得ないような地図上の位置を示すといったような矛盾が無い場合は、ステップS59の信頼性有りがYESとなって、当該道路に係る地図情報の信頼度を表す信頼ステータスを少し高い例えば2に設定する(ステップS60)。
【0145】
以上のようにして、信頼ステータスが設定された後は、既に説明した動作フローと同様であり、ステップS32において、配信部13で、図4(b)に示された配信データが作成され、当該配信データは、通信部4から通信ネットワーク2を介して地図情報端末3に、地図情報端末3から受信した配信要求への応答として送信される。
【0146】
以上のようにして、地図情報端末3からの道路R9を追加するという配信要求に応じて、ステップS55において道路R9は拡張地図DB部26に記憶された拡張地図DBの写真画像からなる地図情報に基づく地図には存在しない場合の地図配信サーバ1bの動作フローは終了する(ステップS33)。
【0147】
以上に説明してきたように、この発明に係る実施の形態2の地図配信システムにおいては、地図配信サーバ1bが航空写真や衛星写真等の写真画像からなる拡張地図DBを記憶する拡張地図DB部26をさらに備え、地図情報端末3からの配信要求の要求内容が最新DB記憶部14に記憶された地図DBと照合して該当する内容が存在しない場合は、拡張地図DB26に記憶された写真画像からなる拡張地図DBと照合するようにしたので、より最新の道路や施設の状況が反映されていると同時に、配信データの情報の信頼性の度合いが考慮されたナビゲーションが可能となる。
【0148】
なお、地図情報端末3は、配信データに含まれる信頼ステータスに応じたナビゲーション機能を実行することとなるが、実施の形態1と同様に、例えば信頼ステータスが最も高い5に設定されていれば、地図情報端末3は探索、誘導、表示、ロケーション等、すべてのナビゲーション機能を実行でき、信頼ステータスが2の場合は、地図情報端末3は例えばナビゲーション機能が表示及びロケーションに限定される。さらに、信頼ステータスが最も低い0の場合は、地図情報端末3はナビゲーション機能が表示のみに制限される。さらに、信頼ステータスが3の場合は、配信要求の内容が写真画像からなる拡張地図DBに該当する内容が存在したのであるから、信頼ステータスが5の場合と区別をせずに、地図情報端末3がすべてのナビゲーション機能を実行できるとしても良いし、信頼ステータスが5の場合と区別をして、地図情報端末3に何らかの機能制限を追加しても良いし、機能制限は無いが信頼ステータスは最高では無いことを示す旨を、端末表示部22に表示させて、ユーザに知らせるようにしても良い。
【0149】
また、信頼ステータスの値に関わらず、地図情報端末3は、配信地図サーバ1bから送信された配信データに基づいて地図更新を行った場合は、配信データに含まれる信頼ステータスに基づいて、更新内容の信頼性の度合いを示す表示を、端末表示部22に表示させるようにすれば、地図情報端末3のユーザは、配信要求した内容の信頼性の度合いを知ることができるという利点がある。
【0150】
実施の形態3.
この発明に係る実施の形態1及び実施の形態2の地図配信システムにおいては、地図情報端末3のユーザが所望の配信要求を作成する際には、地図情報端末3が保有する地図情報に基づく地図が端末表示部22に表示され、次に、ユーザによる端末操作部17の操作により、地図編集メニューが表示される。ユーザは、地図編集メニューを見ながら、配信要求を作成するために、地図情報端末3が保有する地図情報に基づく地図に対して編集操作を行うようになっている。すなわち、配信要求の編集及び作成に必要な要求編集画面は、地図情報端末3自身が作成する必要がある。
【0151】
それに対して、この発明に係る実施の形態3の地図配信システムでは、地図情報端末3は地図配信サーバ1aないしは1bにアクセスし、ブラウザを用いて地図配信サーバ1aないしは1bが保有する地図情報に基づいて作成された要求編集画面をWEB画面として地図情報端末3の端末表示部22に表示させる。実施の形態3においては、地図情報端末3は、配信要求を作成するために必要な地図表示データや地図編集メニュー画面等の要求編集画面の作成処理や編集処理自体も自分自身で直接には行わない。
【0152】
地図情報端末23は、このような処理に必要な情報を地図配信サーバ1aないしは1bにアクセスして送ることで、地図配信サーバ1aないしは1b側で処理を行うようにしたので、地図情報端末3自体の負荷を低減することが可能である。地図情報端末3は、自分自身の負荷を低減できるので、小型化及び低消費電力化が可能となる。
【0153】
また、地図配信サーバ1cが地図編集画面を作成するので、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBだけでなく、最新DB記憶部14に記憶された地図DBも容易に使用可能である。もし、地図情報端末3が最新DB記憶部14に記憶された地図DBを使用することになると、当該地図DBの地図情報を通信ネットワーク2を介してわざわざ地図情報端末3に送る必要が生じる。
【0154】
図13は、この発明に係る地図配信システムの実施の形態3のうちの地図配信サーバ1cの構成を示す構成図である。実施の形態3においては、図1に示す地図配信システムの全体構成のうちで、地図情報端末3及び通信ネットワーク2は実施の形態1及び実施の形態2と同様であり、地図配信サーバ1cの構成が要求編集画面生成部27を備える点で、実施の形態1の地図配信サーバ1aや実施の形態2の地図配信サーバ1bとは異なる。それ以外は、同様である。なお、図13において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0155】
図13において、地図配信サーバ1cは、地図情報端末3がブラウザを用いて配信要求を作成するために必要な配信要求編集画面のデータを生成する要求編集画面生成部27を備えている。要求編集画面生成部27は、地図情報端末3のブラウザからの表示画面データの送信要求に対して、記憶部6aが保有する地図情報等を用いてブラウザ用の表示画面データを作成する。ブラウザ用の表示画面データは、要求入力部8bに入力され、全体制御部7の制御の元で、通信部4から通信ネットワーク2を介して地図情報端末3に送信される。
【0156】
ブラウザ用の表示画面データを受信した地図情報端末3は、端末表示部22にブラウザを用いて配信要求を編集して作成するために必要な配信要求編集画面を表示させる。
【0157】
図14は、地図配信サーバ1cの要求編集画面生成部27が生成し、地図情報端末3の端末表示部22にブラウザを用いて表示された要求編集画面の例である。要求編集画面には、地図情報端末3の地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報の地図バージョンの例である「ナビ(06年5月)」という日付付きの表示や地図配信サーバ1cの最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報の地図バージョンの例である「最新(08年10月)」という日付付きの表示等が示されている。
【0158】
図14の要求編集画面の右側には、ブラウザ操作による編集命令ボタンが表示されている。ユーザは、地図情報端末3の端末操作部17を操作して、これらの編集命令ボタンを用いることで、配信要求を編集して作成することができるようになっている。
【0159】
要求編集画面の中央には、地図情報端末3の地図DB記憶部24に記憶された地図DBの地図情報と同じ地図バージョンであって地図配信サーバ1cのリリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報と最新DB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報とに基づいて、地図配信サーバ1cの要求編集画面生成部27が生成した地図が表示されている。図13の中央の地図において、太線で表示された道路L5、道路L6、及び道路L7は、地図情報端末3が保有するVer1.0の地図情報に基づく地図では無かったが、地図配信サーバ1cの最新DB記憶部15が保有するVer2.0の地図情報に基づく地図で追加された新たに開通した道路を示している。一方、逆に、破線で表示された道路L4は、Ver1.0の地図情報に基づく地図では存在したが、最新のVer2.0の地図情報に基づく地図では存在しない閉鎖となった道路を示している。以上のように、地図バージョンの違いが区別できるように、表示されている。
【0160】
なお、新たに開通した道路の表示は、図14では太線で示しているが、見易くすることを目的に、他の表示方法、例えば2重線で示すようにしても良いのは言うまでも無い。
【0161】
なお、図14の要求編集画面を見て、ユーザは、地図情報端末3が保有する地図情報に基づく地図に道路L5を追加したいと考えたとする。ユーザは、編集命令ボタンのうちの例えば追加ボタンを押した後、カーソル等で例えば道路L5を指定することができる。指定された道路L5は色が変わるので、ユーザは確認ボタンを押し、さらに要求ボタンを押すことで、道路L5を地図情報端末3が保有する地図情報に追加する配信要求が作成される。当該配信要求は、地図情報端末3から地図配信サーバ1cに送信され、地図配信サーバ1cは当該配信要求に応答して道路L5を追加するための差分地図データを作成し、信頼ステータス等と共に配信データとして地図情報端末3に配信する。図中の中止ボタンは、配信要求作成のための編集操作を中止するボタンである。
【0162】
また、実施の形態1で説明した道路R8のように、リリースDB記憶部15に記憶された地図DBの地図情報にも最新DB記憶部14に記憶された地図DBの地図情報にも該当する道路が無いような道路をユーザが追加したい場合には、図14に示された線引きボタンを押し、カーソル等を用いて画面上をなぞり、線を引く。図9(a)のような道路R8が示された地図画面が要求編集画面の中央に表示されるので、確認ボタン及び要求ボタンを押して、配信要求を作成する。当該配信要求は、地図情報端末3から地図配信サーバ1cに送信され、地図配信サーバ1cは当該配信要求に応答して道路R8を追加するための差分地図データを作成し、信頼ステータス等と共に配信データとして地図情報端末3に配信する。
【0163】
以上の実施の形態3に係る説明では、実施の形態1の配信要求の例を元に説明したが、実施の形態2のような拡張地図DB部26を備える地図配信サーバ1bから構成された地図配信システムに対しても、同様の効果が得られるのは言うまでも無い。この場合は、要求編集画面生成部27は、ユーザからの要求により、図11(a)の航空写真からなる写真画像と図14の要求編集画面とを重畳した画面を生成して、ユーザが線引きをし易い画面を作成するようにしても良い。このようにすれば、ユーザの使い勝手が向上する。
【0164】
実施の形態4.
この発明に係る実施の形態3の地図配信システムにおいては、地図配信サーバ1cに要求編集画面生成部27を設け、地図情報端末3がブラウザを用いて地図配信サーバ1cにアクセスしたが、例えば家庭に置かれたPC(パーソナルコンピュータ)端末28から、インターネット経由で地図配信サーバ1a、1b、もしくは1cにアクセスして配信要求を作成するようにしても良い。地図情報端末3がポータブル仕様では無くて車両に固定される仕様の場合には、ユーザは配信要求を編集作成するために、わざわざ車両に乗車することが必要となるが、この実施の形態4によれば、家庭に居ながらにして配信要求を作成でき、利便性が向上する。
【0165】
図15は、この発明に係る実施の形態4の地図配信システムの構成を示す構成図である。なお、図15において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0166】
図15において、地図配信サーバ1aにアクセスするための例えば家庭等のユーザによって利便性の良い場所に設置されたPC端末28が通信ネットワーク2に接続されている。PC端末28は、通信ネットワーク2を介して、地図配信サーバ1aや地図情報端末3と互いにアクセスすることが可能である。
【0167】
なお、PC端末28で地図配信サーバ1aにアクセスして、配信要求の編集及び作成を行う操作については、実施の形態3での地図情報端末3での操作と同様である。
【0168】
また、PC端末28から送信された配信要求に応じて、地図配信サーバ1aから配信される配信データは、PC端末28でダウンロードしてから、記憶メディアを用いて、地図情報端末3に渡すようにしても良い。また、地図情報端末3がPC端末28にアクセスして、PC端末28が地図配信サーバ1aからダウンロードした配信データを取り込むようにしても良い。
【0169】
実施の形態5.
この発明に係る実施の形態1乃至4の地図配信システムにおいては、通信ネットワーク2を介して、デジタルデータの通信により、配信データを送受するようにしたが、実施の形態5においては、ユーザが、紙に記載された地図を元に手書きで配信要求を記入して、メールやファックス等で送付することを特徴とするものである。
【0170】
この場合は、地図配信サーバ1d側では、人であるオペレータが必要になるが、オペレータは手書きやプリンタで記載された端末番号やユーザ名により認証を行った後、地図配信サーバ1dが備える要求編集画面と操作入力手段とをオペレータが用いて、手操作で地図配信サーバ1dに配信要求を入力する。この時の要求編集画面は図14と同様である。
【0171】
ユーザは、紙に記載された地図に手書きで配信要求を記入するだけなので、種々の細かな要求を記述することが可能という利便性がある。作成された配信データは、実施の形態4と同様にPC端末28から地図配信サーバ1dにアクセスして入手しても良いし、実施の形態1と同様に地図情報端末3が地図配信サーバ1dにアクセスして入手しても良い。
【0172】
実施の形態6.
この発明に係る実施の形態6の地図配信システムにおいては、ユーザが地図情報端末3ないしはPC端末28を用いて、地図配信サーバ1a、1b、1c、もしくは1dに配信要求をした場合の使用料を配信のためのポイントという形の電子マネーで支払うようにする。その際、地図情報端末3は、使用可能な配信可能ポイントを記憶するポイント記憶部を備えるものとする。なお、配信のためのポイントの購入方法として、所定のポイントを記憶した記憶媒体をユーザが購入し、当該記憶媒体を地図情報端末3の接続端子に挿入し、記憶媒体に記憶されたポイントを地図情報端末3のポイント記憶部に記憶された配信可能ポイントに加算するようにする。加算後には、記憶媒体のポイントは消去される。
【0173】
以上のように、電子マネーとしての価値がある所定の配信のためのポイントを記憶した記憶媒体をユーザが購入し、当該ポイントを用いてユーザの配信要求の使用料を支払うようにしたので、ユーザの利便性が高いという効果がある。
【符号の説明】
【0174】
1a 地図配信サーバ、2 通信ネットワーク、3 地図情報端末、4 通信部、6a 記憶部、6b 記憶部、7 全体制御部、10 地図照合部、12 差分データ生成部、13 配信部、14 最新DB記憶部、15 リリースDB記憶部、17 端末操作部、21 端末通信部、23 端末制御部、24 地図DB記憶部、25 配信データ記憶部、26 拡張地図DB部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが要求する地図情報の編集内容を示す編集要求情報と地図情報端末が保有する端末地図情報のバージョンとを含む配信要求を受信する受信手段と、
既にリリースした複数の第1の地図情報を保有する第1の地図情報記憶手段と、
リリース前を含む最新の第2の地図情報を保有する第2の地図情報記憶手段と、
前記複数の第1の地図情報から前記端末地図情報のバージョンと同一バージョンの第1の地図情報を抽出し、前記抽出された第1の地図情報と前記第2の地図情報との差分情報に前記編集要求情報が含まれるかを照合し、前記差分情報と前記編集要求情報との一致度を示す第1の照合結果を出力する第1の照合手段と、
前記第1の照合結果と前記同一バージョンの第1の地図情報とに基づいて、前記配信要求に応じた差分地図データを生成する生成手段と、
前記差分地図データである配信データを前記地図情報端末に送信する送信手段と、
から構成された地図配信サーバ。
【請求項2】
第1の照合手段は、差分情報と編集要求情報との一致の程度を示す一致度を道路形状の違いに基づいて算出して照合すること
を特徴とする請求項1記載の地図配信サーバ。
【請求項3】
ユーザが要求する地図情報の編集内容を示す編集要求情報と地図情報端末が保有する端末地図情報のバージョンとを含む配信要求を受信する受信手段と、
既にリリースした複数の第1の地図情報を保有する第1の地図情報記憶手段と、
リリース前を含む最新の第2の地図情報を保有する第2の地図情報記憶手段と、
前記複数の第1の地図情報から前記端末地図情報のバージョンと同一バージョンの第1の地図情報を抽出し、前記抽出された第1の地図情報と前記第2の地図情報の差分情報に前記編集要求情報が含まれるかを照合し、前記差分情報と前記編集要求情報との一致度を示す第1の照合結果を出力する第1の照合手段と、
前記同一バージョンの第1の地図情報に対応する写真画像からなる拡張地図情報を保有する拡張地図記憶手段と、
前記第1の照合結果が、前記編集要求情報が前記差分情報に含まれないという結果である場合は、前記抽出された第1の地図情報と前記拡張地図情報とを用いて前記配信要求に含まれる編集要求情報と照合し、第2の照合結果を出力する第2の照合手段と、
前記第2の照合結果と前記同一バージョンの第1の地図情報とに基づいて、前記配信要求に応じた差分地図データを生成する生成手段と、
前記差分地図データである配信データを前記地図情報端末に送信する送信手段と、
から構成された地図配信サーバ。
【請求項4】
第1の照合手段は、差分情報と編集要求情報との一致の程度を示す一致度を道路形状の違いに基づいて算出して照合すること
を特徴とする請求項3記載の地図配信サーバ。
【請求項5】
地図情報端末は車両に搭載されると共に、受信手段は、前記車両外に置かれた他端末から配信要求を受信すること
を特徴とする請求項1または請求項3記載の地図配信サーバ。
【請求項6】
車両外に置かれた他端末は、PC端末であること
を特徴とする請求項5記載の地図配信サーバ。
【請求項7】
地図情報端末に設定された固有の端末ID情報に基づいて前記地図情報端末の登録確認を行う認証手段をさらに備え、
前記地図情報端末が登録端末であると確認された場合は、配信データを配信し、
前記地図情報端末が登録端末で無いと確認された場合は、前記地図情報端末に配信不可の返信を行うこと
を特徴とする請求項1または請求項3記載の地図配信サーバ。
【請求項8】
地図情報端末の配信要求の使用回数を規制する配信可能ポイントを記憶するポイント記憶手段をさらに備え、
前記地図情報端末からの配信要求の回数に応じて前記配信可能ポイントが減算され、前記配信可能ポイントが無くなった際に配信不可とすること
を特徴とする請求項1または請求項3記載の地図配信サーバ。
【請求項9】
端末地図情報を記憶する端末地図情報記憶手段と、
前記端末地図情報の編集内容を示す編集要求情報を入力する端末操作手段と、
入力された編集要求情報を配信サーバに送信する送信手段と、
前記送信された編集要求情報への応答として、前記端末地図情報に対応した差分データである差分地図データを地図配信サーバから受信する受信手段と、
前記配信データに含まれる差分地図データに基づいて、前記端末地図情報を差分更新する更新手段と、
地図表示を行うナビゲーション機能を実行するナビゲーション手段と、
から構成された地図情報端末。
【請求項10】
送信手段によって送信される配信要求の使用回数を規制する配信可能ポイントを記憶するポイント記憶手段を備え、
前記配信要求の使用回数に応じて前記配信可能ポイントが減算され、前記配信可能ポイントが無くなった際に配信要求の送信が不可となること
を特徴とする請求項9記載の地図情報端末。
【請求項11】
所定のポイントを記憶する記憶媒体を接続する接続端子をさらに備え、
前記記憶媒体が接続されると前記所定のポイントがポイント記憶手段が記憶する配信可能ポイントに加算されること
を特徴とする請求項10記載の地図情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−215651(P2011−215651A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169343(P2011−169343)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【分割の表示】特願2011−502511(P2011−502511)の分割
【原出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】