説明

地山切削装置

【課題】プーリ支持機構がガイド管内を走行し、プーリ支持機構に巻き掛けられたワイヤソーなどの可撓性切削具によって地山を切削する装置において、ガイドレールの設置を不要として、作業の効率化、切削施工の工期の短縮化を図ることができる地山切削装置を提供する。
【解決手段】地山に水平方向に設置された1対のガイド管5a,5b内に管軸方向に移動自在にそれぞれ収容され、切削用プーリ11a,11bを支持するためのプーリ支持機構6a,6bと、これらプーリ支持機構に支持された切削用プーリにガイド管間の地山を横切るように巻き掛けられるワイヤソー8とを備えた地山切削装置であって、プーリ支持機構は、その前後部に管軸と直角に配置されるホルダ部16を有し、各ホルダ部の外周にガイド管5a,5bの内周面に接して走行する複数の走行部材19が周方向に間隔を置いて設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地山切削装置に関し、さらに詳細には、例えば鉄道線路や道路などの車両走行路の下方の地盤に該走行路を横断するトンネルを構築するに際し、地山を防護するプレートを挿入するために該地山を溝状に切削する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道線路や道路などの車両走行路の下方の地盤に該走行路を横断するトンネル(地下構造物)を構築するに際し、予め防護部材を地山に挿入して防護する工法が採用されている。
【0003】
この防護工法の1つとして、先にこの出願人は、地山をワイヤソーなどの可撓性切削具で水平方向に切削しながら、その切削部に防護プレート(鋼板)を挿入する工法を提案した(特許文献1及び特許文献2参照)。この工法は、地山の変状ひいては鉄道線路の場合は軌道変状を防止することができる極めて有効な工法である。
【0004】
具体的には、特許文献2に記載のように、ワイヤソーは1対のガイド管内にそれぞれ収容されたプーリ支持機構のプーリに、ガイド管間を横切るように巻き掛けられる。そして、プーリ支持機構をガイド管内で走行させることによりガイド管間の地山を切削している。このプーリ支持機構の走行のために、同文献に記載の技術では、ガイド管内にレールを設置し、このガイドレール上をプーリ支持機構が走行するようにしている。
【0005】
しかしながら、ガイド管はトンネル長さに相当するものを必要とすることから延長距離が長く、このためガイドレールの設置作業に多大な手間を要するだけでなく、時間を要していた。また、防護プレートの設置精度を良くするためには、ガイドレールの設置精度とプーリ支持機構の取付け精度との双方を考慮する必要があった。
【特許文献1】特開2004−204624号公報
【特許文献2】特開2005−336865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上記のような技術的背景に基づいてなされたものであって、次の目的を達成するものである。
この発明の目的は、プーリ支持機構がガイド管内を走行し、プーリ支持機構に巻き掛けられたワイヤソーなどの可撓性切削具によって地山を切削する装置において、ガイドレールの設置を不要として、作業の効率化、切削施工の工期の短縮化を図ることができ、また地山に挿入される防護プレートの設置精度も向上させることができる地山切削装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は上記課題を達成するために、次のような手段を採用している。
すなわち、この発明は、地山に水平方向に設置された1対のガイド管内に管軸方向に移動自在にそれぞれ収容され、切削用プーリを支持するためのプーリ支持機構と、これらプーリ支持機構に支持された切削用プーリに前記ガイド管間の地山を横切るように巻き掛けられるワイヤソーなどの可撓性切削具とを備えた地山切削装置であって、
前記プーリ支持機構は、その前後部に管軸と直角に配置されるホルダ部を有し、各ホルダ部の外周に前記ガイド管の内周面に接して走行する複数の走行部材が周方向に間隔を置いて設けられていることを特徴とする地山切削装置にある。
【0008】
上記地山切削装置において、各ガイド管内の前記プーリ支持機構の後方に管軸方向に移動自在にそれぞれ収容され、前記切削具によって切削された地盤の切削部に挿入される防護プレートの先端部両側をクランプするためのクランプ機構を備え、
前記クランプ機構は、その前後部に管軸と直角に配置されるホルダ部を有し、各ホルダ部の外周には前記ガイド管の内周面に接して走行する複数の走行部材が周方向に間隔を置いて設けられている。
【0009】
前記クランプ機構には前記防護プレートを牽引するための引張材が連結されている。前記プーリ支持機構の後部ホルダ部と前記クランプ機構の前部ホルダ部とは、両ホルダ部を前記ガイド管の管軸方向に切り離し自在で、かつ前記プーリ支持機構のガイド管の周方向回転を阻止する連結手段により連結されている構成を採ることもできる。この場合、前記連結手段は、前記プーリ支持機構の後部ホルダ及び前記クランプ機構の前部ホルダの一方に管軸方向に設けられたロッドと、前記プーリ支持機構の後部ホルダ及び前記クランプ機構の前部ホルダの他方に設けられ、前記ロッドが管軸方向に移動自在に嵌合する孔とからなる構成を採ることができる。
【0010】
また、上記地山切削装置において、前記切削具は、前記ガイド管の外部に設置された駆動プーリと前記切削用プーリとの間で各ガイド管の内部を通して無端状に巻き掛けられ、 各ガイド管内の前記プーリ支持機構の前方に管軸方向に移動自在にそれぞれ収容され、前記切削具のたるみを防止するための補助プーリを支持するための補助プーリ支持機構を備え、
前記補助プーリ支持機構は、その前後部に管軸と直角に配置されるホルダ部を有し、各ホルダ部の外周には前記ガイド管の内周面に接して走行する複数の走行部材が周方向に間隔を置いて設けられている。
【0011】
前記走行部材としては、ローラを用いることができる。
【0012】
この発明でいう「ガイド管の内周面に接している複数の走行部材」とは、特にプーリ支持機構の走行部材に関しては、複数の走行部材の全てがガイド管の内周面に接している状態のみならず、一部の走行部材がガイド管の内周面に接し、他の走行部材が非接触となっている状態をも包含する概念である。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、プーリ支持機構、さらにはクランプ機構及び補助プーリ支持機構が、ガイド管の内周面に接する走行部材の走行によって移動する。このため、ガイド管内部にガイドレールを設置する必要がなくなり、作業の効率化、工期の短縮化を図ることができる。
【0014】
また、ガイド管の内周面に接する走行部材によって各機構が精度良く位置決めされるので、地山切削の精度ひいては防護プレートの設置精度を向上させることができる。さらに、走行部材の取付け位置を変えることにより、種々の径のガイド管に対応させたり、ガイド管に対して偏心させたりすることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1はこの発明の実施形態を示す全体概略図であり、(a)は水平方向断面図、(b)は鉛直方向断面図である。図2及び図3は、この発明の実施形態を示す詳細図であり、図2は平面図、図3は側面図である。また、図4(A)〜(D)は図3のそれぞれA−A線〜D−D線矢視断面図、図5(E)〜(H)は図3のそれぞれE−E線〜H−H線矢視断面図である。
【0016】
図1に示されるように、鉄道線路や道路などの走行路1を挟む両側には発進立坑2及び到達立坑3が築造されている。これら発進立坑2及び到達立坑3間の地山内には、防護鋼板(防護プレート)4の幅寸法に対応した間隔を置いて1対のガイド管5a,5bが設置されている。これらのガイド管5a,5bとしては、塩化ビニルなどの合成樹脂管が用いられる。
【0017】
各ガイド管5a,5bの内部には管軸方向に移動自在に切削用プーリの支持機構6a,6bと、防護鋼板4のクランプ機構7a,7bとがそれぞれ収容されている。到達立坑3の内部及び坑外にはワイヤソー8の方向変換や繰り出し長さを調整するための複数の調整用プーリ9と、駆動プーリ10とが設置されている。
【0018】
これらの駆動プーリ10及び調整用プーリ8に巻き掛けられたワイヤソー8は各ガイド管5a,5b内を通り、さらにガイド管5a,5b間の地山を横切るように切削用プーリ11a,11b(図2の詳細図参照)に巻き掛けられている。この無端状のワイヤソー8はワイヤに適宜間隔を置いて多数のダイヤモンドビットを取り付けてなる周知のもので、鉄筋コンクリートを切断する際の切断具として知られている。ワイヤソーに代えてチェーンソーを使用することもできる。
【0019】
到達立坑3には反力壁12から反力を得て作動する牽引ジャッキ13が設置されている。この牽引ジャッキ13に把持されるPC鋼棒(引張材)14は各ガイド管5a,5bの内部を通ってクランプ機構7a,7bに連結されている(詳細は後述する)。
【0020】
図2,図3,図4及び図5の詳細図に示すように、プーリ支持機構6a,6bは支持部15とその前後部に固定されたホルダ部16とを有している。支持部15は1対のプレー17からなり、各支持機構6a,6bにつきそれぞれ2つずつの切削用プーリ11a,11bが、これらのプレート17間に軸支されている。無端状のワイヤソー8は、これらのプーリ11a,11b間で2段になるように巻き掛けられている。2段に巻き掛けるのは、特開2005−336865号公報(特許文献2)にも記載のように、切削溝の幅を大きくするためである。
【0021】
ホルダ部16はガイド管5a,5bの管軸と直角に配置される、全体として円形形状の1対のプレート18からなり、これらのプレート18間に複数の走行ローラ19が周方向に間隔を置いて設けられている。具体的には、図4(D)に示すように、各走行ローラ19はプレート18間に固定された1対のブラケット20間に軸支され、その周面はガイド管5a,5bの内周面に接している。この走行ローラ19によりプーリ支持機構6a,6bがガイド管5a,5b内を走行自在となっている。
【0022】
クランプ機構7a,7bは、プーリ支持機構6a,6bの後方にこれとは切り離されて配置され、クランプ部21とその前後部に固定されたホルダ部22とを有している。クランプ部21は基部プレート23とクランププレート24とを有し、これらのプレート23,24間に防護鋼板4の先端両側部25が挟持され、ボルト26により固定される。このクランプ部21の前後部にはPC鋼棒14の端部を固定するための固定部27が設けられている。
【0023】
ホルダ部22は、プーリ支持機構6a,6bのホルダ部16と同様の構造であり、各構成部材には同一の符合を付してある。このホルダ部22に設けられた走行ローラ19により、クランプ機構7a,7bがガイド管5a,5b内を走行自在となっている。
【0024】
ガイド管5a,5b内には、プーリ支持機構6a,6bの前方に補助プーリ支持機構28a,28bが収容されている。この補助プーリ支持機構28a,28bは、プーリ支持機構6a,6bと同様に支持部29と、その前後部に固定されたホルダ部30とを有している。支持部29は1対のプレート31からなり、これらのプレート31間に管軸直角方向に配列された2つの補助プーリ32が軸支されている。ワイヤソー8はこれらの補助プーリ32間を通ることにより、そのたるみが防止されるようになっている。
【0025】
ホルダ部30は、プーリ支持機構6a,6bのホルダ部16と同様の構造であり、各構成部材には同一の符合を付してある。このホルダ部30に設けられた走行ローラ19により、補助プーリ支持機構28a,28bがガイド管5a,5b内を走行自在となっている。補助プーリ支持機構28a,28bは、プーリ支持機構6a,6bとパイプ33を介して連結され、このパイプ33の内部をワイヤソー8が通されている。図示しないが、ワイヤソー8のたるみ側となるガイド管5aにおいては、補助プーリ支持機構28a,28bは適宜間隔を置いて複数設けられ、これらの補助プーリ支持機構間もパイプ33で連結されている。
【0026】
図4及び図5に示すように、ガイド管5a内には既設の防護鋼板35の端部が突出している。この既設の防護鋼板35との干渉を避けるために、あるいは防護鋼板4,35の端部に継手を取り付けて鋼板どうしを連結する場合には既設の防護鋼板の継手との干渉を避けるために、図4(C),(D)及び図5(G)に示すように、ホルダ部16,22,30のプレート18には切欠き37が形成されている。また、ホルダ部16,22,30のプレート18には、PC鋼棒14を通すための切欠き38が形成されている。また、ワイヤソー8が通過する範囲にあるホルダ部16,30のプレート18には、ワイヤソー8を通すためのスリット39が切欠き37と連通して設けられている。さらに、プーリ支持機構6a,6bの前側ホルダ部16と、補助プーリ支持機構28a,28bの後側ホルダ部30との間のパイプ33には、ワイヤソー8の方向を変えるためのスリット40が設けられている。
【0027】
上述のような地盤切削装置により、次のようにして地山が切削され、また防護鋼板4が地山に挿入される。すなわち、ワイヤソー8は図1に示した駆動プーリ10の駆動により循環走行し、同時に到達立坑3側に牽引される。このワイヤソー8の循環走行と牽引により、ガイド管5a,5bの周壁が管軸方向にスリット状に切断されるとともに、ガイド管5a,5b間の地山がスリット状に切削される。地山の切削に伴って、PC鋼棒14の牽引により防護鋼板4が牽引され、防護鋼板4はワイヤソー8による切削部に挿入される。
【0028】
このような地山切削及びそれに伴う防護鋼板4の地山への挿入時において、プーリ支持機構6a,6b、クランプ機構7a,7b及び補助プーリ支持機構28a,28bは、いずれもガイド管5a,5bの内周面に接する走行ローラ19の走行によって移動する。このため、ガイド管5a,5b内部にガイドレールを設置する必要がなくなり、作業の効率化、工期の短縮化を図ることができる。
【0029】
また、ガイド管5a,5bの内周面に接する走行ローラ19によって各機構が精度良く位置決めされるので、地山切削の精度ひいては防護鋼板の設置精度を向上させることができる。さらに、走行ローラ19の取付け位置を変えることにより、種々の径のガイド管に対応させたり、ガイド管に対して偏心させたりすることも可能となる。
【0030】
さらに、プーリ支持機構6a,6bはクランプ機構7a,7bとは切り離されてガイド管5a,5bに収容されているので、ワイヤソー8に作用する牽引力はプーリ支持機構6a,6bのみに作用する。このため、ワイヤソー8には無理な力がかかることがない。また、万が一ワイヤソー8が切れたとき、プーリ支持機構6a,6bのみを回収すればよいので、復旧作業を容易に行うことができる。
【0031】
図6は、別の実施形態を示す平面図である。上記実施形態では、プーリ支持機構6a,6bはクランプ機構7a,7bとは切り離されてガイド管5a,5bに収容されている。このような構成とすることにより、上記したような利点があるが、その一方で不具合も生じる。すなわち、ワイヤソー8はプーリ支持機構6a,6b間で2段に巻き掛けられているので、その張力によりプーリ支持機構6a,6bには互いに引き寄せようとする力が作用する。この結果、プーリ支持機構6a,6bにはガイド管5a,5b内でその周方向に回転しようとする力が作用し、ワイヤソー8による地山の切削溝と防護鋼板4との間にずれが生じてしまう。
【0032】
そこで、この実施形態では、プーリ支持機構6a,6bの回転を阻止する手段が設けられている。この手段は、プーリ支持機構6a,6bの後部ホルダ部16と、クランプ機構7a,7bの前部ホルダ部22とを、ガイド管5a,5bの管軸方向に切り離し自在で、かつプーリ支持機構6a,6bの回転を阻止するように連結する連結手段である。この連結手段は、この実施形態では次のような構造が採用されている。
【0033】
すなわち、プーリ支持機構6a,6bの後部ホルダ16の後面にはガイド管5a,5bの管軸方向に延びる2本のロッド50が設けられている。他方、クランプ機構7a,7bの前部ホルダ部22には、該ホルダ部22を構成する1対のプレート18,18のそれぞれに各ロッド50に対応した孔51が設けられている。この孔51にロッド50が管軸方向に移動自在に嵌合している。
【0034】
このような構造において、クランプ機構7a,7bは防護鋼板4をクランプしているので、ガイド管5a,5bの周方向には回転はできない。プーリ支持機構6a,6bは、この回転できないクランプ機構7a,7bにロッド50を介して連結されているので、回転することができない(図6(a))。また、ロッド50は孔51に移動自在に嵌合しているので、ワイヤソー8に作用する牽引力はプーリ支持機構6a,6bのみに作用し、上記実施形態と同様に、ワイヤソー8には無理な力がかかることがない。
【0035】
また、ロッド50は孔51から抜け出すことが可能であり、したがってプーリ支持機構6a,6bをクランプ機構7a,7bから切り離すことが可能である(図6(b))。これにより、上記実施形態と同様に、万が一ワイヤソー8が切れたとき、プーリ支持機構6a,6bのみを回収することができる。
【0036】
なお、図6に示した実施形態とは逆に、ロッド50をクランプ機構7a,7bの前部ホルダ部22に設け、孔51をプーリ支持機構6a,6bの後部ホルダ部16に設けるようにしてもよい。また、ロッド50は2本に限らず、1本あるいは3本以上であってもよい。
【0037】
上記実施形態は例示にすぎず、この発明は種々の形態を採りうる。例えば、上記実施形態では走行部材としてローラが示されているが、ソリを用いることもできる。また、走行部材のみによらず、走行部材とレールとを併用した態様も採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態を示す全体概略図であり、(a)は水平方向断面図、(b)は鉛直方向断面図である。
【図2】実施形態の詳細を示す平面図である。
【図3】実施形態の詳細を示す側面図である。
【図4】(A)〜(D)は図3のそれぞれA−A線〜D−D線矢視断面図である。
【図5】(E)〜(H)は図3のそれぞれE−E線〜H−H線矢視断面図である。
【図6】別の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 走行路
2 発進立坑
3 到達立坑
4 防護鋼板
5a,5b ガイド管
6a,6b プーリ支持機構
7a,7b クランプ機構
8 ワイヤソー
11a,11b 切削用プーリ
13 牽引ジャッキ
14 PC鋼棒
15 支持部
16 ホルダ部
19 走行ローラ
21 クランプ部
22 ホルダ部
28a,28b 補助プーリ支持機構
29 支持部
30 ホルダ部
31 プレート
32 補助プーリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地山に水平方向に設置された1対のガイド管内に管軸方向に移動自在にそれぞれ収容され、切削用プーリを支持するためのプーリ支持機構と、これらプーリ支持機構に支持された切削用プーリに前記ガイド管間の地山を横切るように巻き掛けられるワイヤソーなどの可撓性切削具とを備えた地山切削装置であって、
前記プーリ支持機構は、その前後部に管軸と直角に配置されるホルダ部を有し、各ホルダ部の外周に前記ガイド管の内周面に接して走行する複数の走行部材が周方向に間隔を置いて設けられていることを特徴とする地山切削装置。
【請求項2】
各ガイド管内の前記プーリ支持機構の後方に管軸方向に移動自在にそれぞれ収容され、前記切削具によって切削された地盤の切削部に挿入される防護プレートの先端部両側をクランプするためのクランプ機構を備え、
前記クランプ機構は、その前後部に管軸と直角に配置されるホルダ部を有し、各ホルダ部の外周には前記ガイド管の内周面に接して走行する複数の走行部材が周方向に間隔を置いて設けられていることを特徴とする請求項1記載の地山切削装置。
【請求項3】
前記クランプ機構には前記防護プレートを牽引するための引張材が連結されていることを特徴とする請求項2記載の地山切削装置。
【請求項4】
前記プーリ支持機構の後部ホルダ部と前記クランプ機構の前部ホルダ部とは、両ホルダ部を前記ガイド管の管軸方向に切り離し自在で、かつ前記プーリ支持機構のガイド管の周方向回転を阻止する連結手段により連結されていることを特徴とする請求項2又は3記載の地山切削装置。
【請求項5】
前記連結手段は、前記プーリ支持機構の後部ホルダ及び前記クランプ機構の前部ホルダの一方に管軸方向に設けられたロッドと、前記プーリ支持機構の後部ホルダ及び前記クランプ機構の前部ホルダの他方に設けられ、前記ロッドが管軸方向に移動自在に嵌合する孔とからなることを特徴とする請求項4記載の地山切削装置。
【請求項6】
前記切削具は、前記ガイド管の外部に設置された駆動プーリと前記切削用プーリとの間で各ガイド管の内部を通して無端状に巻き掛けられ、
各ガイド管内の前記プーリ支持機構の前方に管軸方向に移動自在にそれぞれ収容され、前記切削具のたるみを防止するための補助プーリを支持するための補助プーリ支持機構を備え、
前記補助プーリ支持機構は、その前後部に管軸と直角に配置されるホルダ部を有し、各ホルダ部の外周には前記ガイド管の内周面に接して走行する複数の走行部材が周方向に間隔を置いて設けられていることを特徴とする1〜5のいずれか1記載の地山切削装置。
【請求項7】
前記走行部材は、ローラからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1記載の地山切削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−332733(P2007−332733A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168992(P2006−168992)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000216025)鉄建建設株式会社 (109)
【出願人】(399101337)株式会社ジェイテック (20)
【Fターム(参考)】