説明

地盤に埋設された本管に孔を穿つための穿孔方法に用いる案内装置

【課題】地盤に埋設された本管に孔を穿つためのコアカッタの回転中心を本管の軸線に向けることができるようにすること。
【解決手段】地盤に埋設された、円形の断面形状を有する本管10に枝管を接続するために本管に孔14を穿つための穿孔方法に用いる案内装置16であって、案内装置16は、中央部に貫通孔を有し、内面の曲率が本管の外面の曲率とほぼ等しい円弧状の断面形状を有するガイド部材18と、ガイド部材の内面の本管の外面への密着時に本管の軸線に平行な平面で見て該軸線と交差する直線状を呈するように一端部及び他端部がそれぞれガイド部材の相対する2つの領域24,26の一方及び他方に固定され、非密着時に非直線状を呈する表示体28とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に埋設された本管に枝管を接続するために前記本管に孔を穿つための穿孔方法に用いる案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤に埋設された、上水道、下水道等の本管に枝管を接続するため、前記本管に孔が穿たれる。従来、前記本管に前記孔を穿つとき、まず、前記地盤に地表から前記本管に向けて枝管用孔を掘削し、次に、該枝管用孔内に該枝管用孔と同軸的に鞘管を配置し、その後、前記本管に前記孔を穿つためのコアカッタを該コアカッタが前記本管の外面に到達するまで前記鞘管に挿入し、前記コアカッタにより前記本管に前記孔を穿つ(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−275983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記本管の実際の位置と設計上の位置との間に誤差があることにより、又は前記枝管用孔の掘削時に施工上の誤差が生じたことにより、前記枝管用孔内に配置された前記鞘管の軸線が前記本管の軸線に向いていないことがある。このため、前記本管に前記孔を穿つとき、前記コアカッタの回転中心を前記本管の軸線に向けることができない。前記コアカッタの回転中心が前記本管の軸線に向いている場合、前記孔の形状が円形になるのに対して、前記コアカッタの回転中心が前記本管の軸線に向いていない場合、前記孔の形状が非円形になる。前記孔の形状が非円形になると、前記孔の形状が円形である場合に比べて、前記孔に固定される前記枝管の端部を前記孔の形状に適合する形状に加工するのが難しくなる。このため、前記枝管の端部の加工に多大な手間と時間とを要し、前記枝管の前記本管への接続を効率的に行うことができない。また、前記枝管の端部を精度良く加工できなかったことにより、前記枝管と前記本管との間に隙間ができ、該隙間を経て地下水が前記本管へ流入するという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、地盤に埋設された本管に孔を穿つためのコアカッタの回転中心を前記本管の軸線に向けることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、中央部に貫通孔を有し、円弧状の断面形状を有するガイド部材の内面を前記本管の外面に密着させ、その密着を確認した後、前記本管に前記孔を穿つためのコアカッタを前記貫通孔を経て前記本管に到達させることにより、前記コアカッタの回転中心を前記本管の軸線に向けることができるようにする。
【0007】
本発明に係る案内装置を用いることができる穿孔方法は、地盤に埋設された、円形の断面形状を有する本管に枝管を接続するために前記本管に孔を穿つための穿孔方法で、この穿孔方法の一つは、中央部に貫通孔を有し、内面の曲率が前記本管の外面の曲率とほぼ等しい円弧状の断面形状を有するガイド部材を含む案内装置を用意する第1ステップと、前記地盤に地表から前記本管に向けて枝管用孔を掘削する第2ステップと、前記枝管用孔内に該枝管用孔と同軸的に鞘管を配置する第3ステップと、前記案内装置を前記ガイド部材の内面が前記本管の外面に密着するまで前記鞘管に挿入する第4ステップと、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を確認する第5ステップと、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を確認したとき、前記本管に前記孔を穿つためのコアカッタを該コアカッタが前記貫通孔を経て前記本管の外面に到達するまで前記鞘管に挿入する第6ステップと、前記コアカッタにより前記本管に前記孔を穿つ第7ステップとを含む。
【0008】
中央部に前記貫通孔を有し、円弧状の断面形状を有する前記ガイド部材の内面を前記本管の外面に密着させるため、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着時に前記貫通孔の軸線は前記本管の軸線に向いている。このため、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を確認した後に前記コアカッタを前記貫通孔を経て前記本管の外面に到達させることにより、前記コアカッタの回転中心を前記本管の軸線に向けることができる。
【0009】
前記案内装置は、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着時に前記本管の軸線に平行な平面で見て該軸線と交差する直線状を呈するように一端部及び他端部がそれぞれ前記ガイド部材の相対する2つの領域の一方及び他方に固定された、非密着時に非直線状を呈する表示体を有し、前記第5ステップは、前記表示体が直線状であることを確認する。前記表示体が直線状であることを確認することにより、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を容易に確認することができる。
【0010】
前記第5ステップに先立ち、前記表示体を撮影するためのCCDカメラと、該CCDカメラに接続された、前記表示体の映像を表示するためのモニターとを用意すること、前記CCDカメラを前記鞘管に挿入することを含み、前記第5ステップは、前記CCDカメラにより前記表示体を撮影すること、前記表示体の映像を前記モニターに表示することを含む。
【0011】
前記案内装置は、前記貫通孔と整列して前記ガイド部材に取り付けられた筒状部材を有し、前記第6ステップは、前記コアカッタを該コアカッタが前記筒状部材及び前記貫通孔を経て前記本管の外面に到達するまで前記鞘管に挿入することを含む。前記筒状部材は前記コアカッタを前記貫通孔へ案内する。このため、前記コアカッタの前記鞘管への挿入を容易に行うことができる。
【0012】
前記第5ステップにおいて前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を確認しなかったとき、前記第6ステップに先立ち、前記ガイド部材の内面を前記本管の外面から引き離すこと、前記ガイド部材の内面を前記本管の外面に密着させること、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を確認することを、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を確認するまで繰り返すことを含む。
【0013】
本発明に係る案内装置は、地盤に埋設された、円形の断面形状を有する本管に枝管を接続するために前記本管に孔を穿つための穿孔方法に用いる。前記案内装置は、中央部に貫通孔を有し、内面の曲率が前記本管の外面の曲率とほぼ等しい円弧状の断面形状を有するガイド部材と、該ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着時に前記本管の軸線に平行な平面で見て該軸線と交差する直線状を呈するように一端部及び他端部がそれぞれ前記ガイド部材の相対する2つの領域の一方及び他方に固定され、非密着時に非直線状を呈する表示体とを含む。
【0014】
前記案内装置は、前記貫通孔と整列して前記ガイド部材に取り付けられた筒状部材を有する。
【0015】
前記表示体は線状又は帯状である。前記表示体は、非伸縮性材料からなるものとすることができ、また伸縮性材料からなるものとすることができる。前記非伸縮性材料は合成樹脂又は布である。前記伸縮性材料はゴムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中央部に貫通孔を有し、円弧状の断面形状を有するガイド部材の内面を本管の外面に密着させるため、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着時に前記貫通孔の軸線は前記本管の軸線に向いている。このため、前記ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着を確認した後に、前記本管に孔を穿つためのコアカッタを前記貫通孔を経て前記本管の外面に到達させることにより、前記コアカッタの回転中心を前記本管の軸線に向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】枝管用孔内に鞘管を配置した後の本管の断面図。
【図2】枝管用孔内に鞘管を配置した後の本管の斜視図。
【図3】案内装置を鞘管に挿入しているときの本管の断面図。
【図4】案内装置を鞘管に挿入しているときの本管の斜視図。
【図5】案内装置を鞘管に挿入した後の本管の断面図。
【図6】案内装置を鞘管に挿入した後の本管の斜視図。
【図7】ガイド部材の内面の本管の外面への密着を確認しているときの本管の断面図。
【図8】ガイド部材の内面の本管の外面への密着を確認しているときの本管の斜視図。
【図9】鞘管にコアカッタを挿入しているときの本管の断面図。
【図10】鞘管にコアカッタを挿入しているときの本管の斜視図。
【図11】コアカッタにより本管に孔を穿つときの本管の断面図。
【図12】コアカッタにより本管に孔を穿つときの本管の斜視図。
【図13】本管に孔を穿った後の本管の断面図。
【図14】本管に孔を穿った後の本管の斜視図。
【図15】ガイド部材の内面が本管の外面に密着していない状態の本管の断面図。
【図16】ガイド部材の内面が本管の外面に密着していない状態の本管の斜視図。
【図17】表示体のガイド部材への取付け方法に関する説明図。
【図18】表示体の長さの設定方法に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、上水道、下水道等の本管10が地盤12に埋設されている。本管10は、コンクリート、プラスチック等からなり、円形の断面形状を有する。本管10に、塩化ビニルのようなプラスチックからなる枝管(図示せず)を接続するため、本管10に孔14が穿たれる(図13)。
【0019】
図3、4に示すように、本管10に孔14を穿つために案内装置16を用いる。案内装置16は、円弧状の断面形状を有するガイド部材18と、一端部20及び他端部22がそれぞれガイド部材18の相対する2つの領域24、26の一方及び他方に固定された線状又は帯状の表示体28とを含む。
【0020】
ガイド部材18は、金属、プラスチック等からなり、内面30の曲率が本管10の外面32の曲率とほぼ等しく、中央部に貫通孔34を有する。貫通孔34は円形の平面形状を有する。ガイド部材18の内面30の曲率が本管10の外面32の曲率とほぼ等しいため、ガイド部材18の内面30は本管10の外面32に密着可能である。ガイド部材18が中央部に貫通孔34を有するため、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着時に本管10の軸線に平行な平面で見て貫通孔34の中心は本管10の軸線上に位置する。このため、本管10に孔14を穿つためのコアカッタ60(図11)を貫通孔34を経て本管10の外面32に到達させることにより、コアカッタ60を本管10の軸線上へ案内することができ、孔14の中心が本管10の軸線からずれることはない。
【0021】
ガイド部材18は、図示の例では、八角形の平面形状を有し、ガイド部材18の前記領域はガイド部材18の相対する2つの部分24、26である。ガイド部材18の平面形状は、八角形である図示の例に代え、円形、正方形、長方形等とすることができる。ガイド部材18の平面形状が円形である場合、ガイド部材18の前記領域はガイド部材18の周縁部における相対する2つの部分である。ガイド部材18の平面形状が正方形である場合、ガイド部材18の前記領域はガイド部材18の相対する2つの側部である。ガイド部材18の平面形状が本管10の軸線と直行する方向に細長い長方形である場合、ガイド部材18の前記領域はガイド部材18の相対する2つの端部である。
【0022】
表示体28の一端部20及び他端部22は、図6に示すように、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着時に表示体28が本管10の軸線に平行な平面で見て該軸線と交差する直線状を呈するようにそれぞれガイド部材18の一方の領域24及び他方の領域26に固定されている。この固定は、図示の例では、表示体28が本管10の軸線に垂直な直線状を呈するようになされているが、これに代え、表示体28が本管10の軸線に対して傾斜した直線状を呈するようになされていてもよい。
【0023】
図17に示すように、表示体28は、一端部20及び他端部22がそれぞれガイド部材18の一方の領域24及び他方の領域26に密着して配置され、各端部20、22が固定手段36により固定されている。固定手段36は、ガイド部材18と反対側で表示体28に密着して配置された板部材38と、それぞれが該板部材を貫通し、ガイド部材18と螺合された2つのねじ40とからなる。
【0024】
ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着時に表示体28が本管10の軸線と交差する直線状を呈するようにするため、表示体28の長さは、ガイド部材18の周方向に沿った長さとほぼ等しく、式L=(π×D×θ)/360+2Xにより設定する。ここに、Lは表示体28の長さであり、Dは本管10の外径であり、θは、ガイド部材18の断面においてガイド部材18の内面30が規定する円弧の中心角であり(図18)、Xは、表示体28の一端部20及び他端部22をそれぞれガイド部材18の一方の領域24又は他方の領域26に固定するために表示体28の一端部20及び他端部22のそれぞれに必要とされる長さである。
【0025】
表示体28は、ガイド部材18の内面30が本管10の外面32に密着していないときに非直線状を呈している。表示体28がガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着時に本管10の軸線と交差する直線状を呈し、非密着時に非直線状を呈することから、ガイド部材18の内面30を本管10の外面32に密着させたとき、表示体28が直線状であることを確認することにより、ガイド部材18の内面30が本管10の外面32に密着していることを確認することができる。
【0026】
表示体28は、合成樹脂又は布のような非伸縮性材料からなるものとすることができ、例えば合成樹脂製の荷造り用バンドからなるものとすることができる。また、表示体28は、ゴムのような伸縮性材料からなるものとすることができる。表示体28が伸縮性材料からなる場合、表示体28の長さは、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着時に表示体28が僅かに伸長して前記した式を満たす長さとなる程度に前記した式で求めた長さより短い長さであってもよい。
【0027】
案内装置16は、図17に示したように、貫通孔34と整列してガイド部材18に取り付けられた筒状部材42を有する。筒状部材42は、金属、プラスチック等からなる。筒状部材42は、内径がコアカッタ60の外径とほぼ等しく、コアカッタ60をガイド部材18の貫通孔34へ案内する(図11、12)。筒状部材42は、該筒状部材の径方向に間隔を置かれた2つのフランジ44を下端部に有する。各フランジ44は、ガイド部材18に接触しており、フランジ44及びガイド部材18を貫くボルト及びこれに螺合されたナット(図示せず)により、ガイド部材18に固定されている。
【0028】
案内装置16は、さらに、筒状部材42の上端部に該筒状部材の軸線に関して対称的に取り付けられた複数の導入壁46と、該導入壁46間に配置され、筒状部材42に該筒状部材の径方向に間隔を置いて取り付けられた2つの棒状部材48とを有する。各導入壁46は筒状部材42の内面に対して傾斜した壁面50を有し、筒状部材42の軸線を含む断面で見て1つの導入壁46の壁面50と他の導入壁46の壁面50との間の間隔は筒状部材42から上方に向けて漸増している。導入壁46はコアカッタ60を筒状部材42内へ導入する。各棒状部材48は筒状部材42から上方へ伸びる。棒状部材48は案内装置16を鞘管56に挿入するのに用いる。
【0029】
本管10に孔14を穿つとき、まず、案内装置16を用意する。次に、図1に示したように、地盤12に地表52から本管10に向けて枝管用孔54を掘削する。枝管用孔54の掘削は、オーガーのような、回転式ビットを有する掘削装置を用いて行う。枝管用孔54は、図示の例では、地表52に対して垂直であるが、これに代え、地表52に対して傾斜していてもよい。
【0030】
次に、枝管用孔54内に該枝管用孔と同軸的に鞘管56を配置する(図1、2)。鞘管56は、例えば金属からなる。鞘管56の配置は、枝管用孔54の掘削後に枝管用孔54に鞘管56を挿入することによるものでもよいし、枝管用孔54を掘削しつつ枝管用孔54に鞘管56を挿入することによるものでもよい。
【0031】
その後、図3ないし6に示すように、案内装置16をガイド部材18の内面30が本管10の外面32に密着するまで鞘管56に挿入する。ガイド部材18は中央部に貫通孔34を有するため、ガイド部材18の内面30を本管10の外面32に密着させたとき、本管10の軸線に平行な平面で見て貫通孔34の中心は本管10の軸線上に位置する。すなわち貫通孔34の軸線は本管10の軸線に向いている。
【0032】
案内装置16を鞘管56に挿入するとき、ガイド部材18の内面30を本管10の外面32に密着させるために棒状部材48を用いてガイド部材18を本管10に押し付ける。ガイド部材18の貫通孔34の中心が本管10の軸線から僅かにずれている場合、すなわちガイド部材18の内面30と本管10の外面32との間に隙間がある場合、ガイド部材18を本管10に押し付けることにより、ガイド部材18の内面30を本管10の外面32に強制的に密着させることができる。これにより、案内装置16を、ガイド部材18の内面30が本管10の外面32に密着する位置へ案内することができる。
【0033】
図3、4に示したように、ガイド部材18の内面30が本管10の外面32に密着するまでの間、表示体28は、弛んでおり、非直線状を呈している。図6に示したように、ガイド部材18の内面30が本管10の外面32に密着したとき、表示体28は、本管10の外面32に密着し、本管10の軸線に平行な平面で見て該軸線と交差する直線状を呈する。
【0034】
その後、表示体28が直線状であることを確認することにより、ガイド部材18の内面30が本管10の外面32に密着していることを確認する。表示体28が直線状であった場合、ガイド部材18の内面30は本管10の外面32に密着しており、表示体28が直線状でなかった場合、ガイド部材18の内面30は本管10の外面32に密着していない。ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を表示体28が直線状であるか否かにより確認するため、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着の確認が容易である。表示体28が直線状であることの確認は、目視によるものでもよいし、図7、8に示すように、CCDカメラ58を用いるものでもよい。
【0035】
ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を確認するためにCCDカメラ58を用いる場合、予め、表示体28を撮影するためのCCDカメラ58と、該CCDカメラに接続された、表示体28の映像を表示するためのモニター(図示せず)とを用意する。次に、図7、8に示したように、CCDカメラ58を鞘管56に挿入する。その後、CCDカメラ58により表示体28を撮影し、該表示体の映像を前記モニターに表示することにより、表示体28が直線状であることを確認する。
【0036】
ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を確認したとき、図9ないし14に示すように、本管10に孔14を穿つためのコアカッタ60を該コアカッタが筒状部材42及び貫通孔34を経て本管10の外面32に到達するまで鞘管56に挿入し、コアカッタ60により本管10に孔14を穿つ。このとき、コアカッタ60は、導入壁46により筒状部材42内へ導入され、該筒状部材により貫通孔34へ案内される。
【0037】
図15、16に示すように、表示体28が直線状でなかった場合、ガイド部材18の内面30は本管10の外面32に密着していない。この場合、すなわちガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を確認しなかったとき、ガイド部材18の内面30を本管10の外面32から引き離し、ガイド部材18の内面30を本管10の外面32に密着させ、再度、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を確認する。ガイド部材18の内面30の本管10の外面32からの引き離し、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着、及びガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着の確認は、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を確認するまで繰り返す。ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を確認した後、前記したように、コアカッタ60を該コアカッタが筒状部材42及び貫通孔34を経て本管10の外面32に到達するまで鞘管56に挿入し、コアカッタ60により本管10に孔14を穿つ。
【0038】
ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着時に貫通孔34の軸線が本管10の軸線に向いているため、ガイド部材18の内面30の本管10の外面32への密着を確認した後にコアカッタ60を貫通孔34を経て本管10の外面32に到達させることにより、コアカッタ60の回転中心を前記本管の軸線に向けることができ、本管10にその外面32から中心へ向けて孔14を穿つことができる。
【符号の説明】
【0039】
10 本管
12 地盤
14 孔
16 案内装置
18 ガイド部材
20 一端部
22 他端部
24、26 領域
28 表示体
30 内面
32 外面
34 貫通孔
42 筒状部材
54 枝管用孔
56 鞘管
58 CCDカメラ
60 コアカッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に埋設された、円形の断面形状を有する本管に枝管を接続するために前記本管に孔を穿つための穿孔方法に用いる案内装置であって、中央部に貫通孔を有し、内面の曲率が前記本管の外面の曲率とほぼ等しい円弧状の断面形状を有するガイド部材と、該ガイド部材の内面の前記本管の外面への密着時に前記本管の軸線に平行な平面で見て該軸線と交差する直線状を呈するように一端部及び他端部がそれぞれ前記ガイド部材の相対する2つの領域の一方及び他方に固定され、非密着時に非直線状を呈する表示体とを含む、案内装置。
【請求項2】
前記貫通孔と整列して前記ガイド部材に取り付けられた筒状部材を有する、請求項1に記載の案内装置。
【請求項3】
前記表示体は線状又は帯状である、請求項1に記載の案内装置。
【請求項4】
前記表示体は非伸縮性材料からなる、請求項1に記載の案内装置。
【請求項5】
前記非伸縮性材料は合成樹脂又は布である、請求項3に記載の案内装置。
【請求項6】
前記表示体は伸縮性材料からなる、請求項1に記載の案内装置。
【請求項7】
前記伸縮性材料はゴムである、請求項6に記載の案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−161915(P2012−161915A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−117701(P2012−117701)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【分割の表示】特願2007−210663(P2007−210663)の分割
【原出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(000214847)長野油機株式会社 (10)
【出願人】(507045764)
【Fターム(参考)】