地盤サンプリング装置
【課題】この発明は、地盤の土質調査を正確に判断可能な地盤調査用土壌を容易に十分な量だけ採取することができる地盤サンプリング装置に関する。
【解決手段】本発明の地盤サンプリング装置1は、前記ロッド3の最下端部分と着脱自在にその上端部に形成された連結部41と、前記土壌保持部材5の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部42と、前記連結部41と前記蓋部42との間においてその表面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部43と、を具備し、前記土壌保持部材5が、該土壌保持部材5の下端開口部51から挿入される前記サンプリングロッド4の前記雄ネジ部43と螺合可能となるように該土壌保持部材5の上端開口部52に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部53を具備するものである。
【解決手段】本発明の地盤サンプリング装置1は、前記ロッド3の最下端部分と着脱自在にその上端部に形成された連結部41と、前記土壌保持部材5の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部42と、前記連結部41と前記蓋部42との間においてその表面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部43と、を具備し、前記土壌保持部材5が、該土壌保持部材5の下端開口部51から挿入される前記サンプリングロッド4の前記雄ネジ部43と螺合可能となるように該土壌保持部材5の上端開口部52に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部53を具備するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地盤に貫入されたロッドの最下端部分に取付けられる地盤調査用土壌を採取するための地盤サンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅等の建設予定地の地盤の調査をする方法としては、スウェーデン式サウンディング試験が汎用されている。このスウェーデン式サウンディング試験は、先端にスクリューポイントを具備するロッドを使用し、当該ロッドに錘を載せた状態で地面に貫入し、一定の深さまで貫入するのに費やした回転数を記録するものである。そして、柔らかい地盤ほど簡単に貫入できるので、回転数が少なくなり、固い地盤ほど回転数が多くなり、この回転数から地盤の評価指標であるN値を算出している(例えば、非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】http://www.jiban.co.jp/gyoumu/chousa/tyosa02.htm
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記スウェーデン式サウンディング試験では地盤の調査を行うことができるものの、当該地盤における土質のサンプリングを行うことができなかった。そのため、地盤の土質の判断は、前記ロッドを地盤に貫入する際の音や、手応え等でしか判断することができず、この判断には熟練を要すると共に、個人差があり、また、正確性に欠けるという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような種々の課題を解決することを目的としてなされたものであって、地盤の土質調査を正確に判断可能な地盤調査用土壌を容易に十分な量だけ採取することができる地盤サンプリング装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の地盤サンプリング装置は、地盤に貫入されたロッドの最下端部分に取付けられる棒状のサンプリングロッドに筒状の土壌保持部材が外装されて成る地盤調査用土壌を採取するための地盤サンプリング装置において、前記サンプリングロッドが、前記ロッドの最下端部分と着脱自在となるようにその上端部に形成された連結部と、前記土壌保持部材の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部と、前記連結部と前記蓋部との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部と、を具備し、前記土壌保持部材が、該土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記雄ネジ部と螺合可能となるように該土壌保持部材の上端開口部に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部を具備することを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材が、その外部から内部に貫通するように形成された空気孔を具備することを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの当該土壌保持部材の上端開口部から露出している前記雄ネジ部に打撃受け部材が着脱自在に螺着されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材が、その外周面の高さ方向に板状の回転防止プレートを具備することを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材が、高さ方向に2つに分割自在であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の地盤サンプリング装置によれば、前記サンプリングロッドの上端部には前記ロッドの最下端部分と着脱自在な連結部を具備しているので、当該ロッドとの着脱が容易である。また、前記サンプリングロッドの下端部には前記土壌保持部材の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部が形成されている。これにより、蓋部が土壌保持部材の下端開口部付近にあるときには、当該蓋部が土壌保持部材内への土壌の侵入を防止することができる。
【0012】
また、サンプリングロッドの前記連結部と前記蓋部との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部を具備している。そして、土壌保持部材は、該土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記雄ネジ部と螺合可能となるように該土壌保持部材の上端開口部に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部を具備している。これにより、土壌保持部材内の蓋部の位置をサンプルロッドを回転させることにより上昇させることで、当該土壌保持部材の内側面と蓋部材の下面とで採取した土壌を保持するための空間を形成することができ、十分な量の土壌サンプルを採取することができる。
【0013】
そして、雌ネジ部は土壌保持部の内径よりも若干小さく形成され、また、蓋部は土壌保持部の内径と略同寸法に形成されているので、土壌保持部材内の蓋部が上端開口部にまで到達した際には、蓋部が上端開口部に係止され、サンプリングロッドが土壌保持部材から引抜けることがないと共に、採取した土壌が土壌保持部材の上端開口部から出て行くことがない。さらに、蓋部は円柱状に形成されているので、その下面は平面である。そのため、土壌保持部材内に採取された土壌を取出す際には、サンプルロッドを回転させることにより当該サンプルロッドの蓋部を土壌保持部材の下端開口部方向に移動させて、該土壌を該土壌保持部材内から押出すようにして取出すことができ、この際に当該土壌の形状を乱すことがなく、地盤の土質調査を正確に判断することができる。
【0014】
請求項2記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材が、その外部から内部に貫通するように形成された空気孔を具備している。これにより、土壌保持部材内に土壌を採取する際に、内部の圧力が上昇することなく空気孔から空気が抜けながら当該土壌保持部材内に土壌が侵入するので、土壌の採取を確実に行うことができる。また、サンプリングロッドを回転させ、蓋部で土壌保持部材内に採取された土壌を取出す際にも、当該土壌保持部材の圧力が減少することなく空気孔から空気が抜けながら当該土壌保持部材内から採取された土壌が該土壌保持部材内から押出されるので、当該採取された土壌の形状を乱すことなくこれを取出すことができる。
【0015】
請求項3記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材の前記下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記連結部と当該土壌保持部材の前記上端開口部との間の前記雄ネジ部に打撃受け部材が着脱自在に設けられている。これにより、地上からサンプリングロッドに作用する衝撃を、当該サンプリングロッドの雄ネジ部と土壌保持部材の雌ネジ部との螺合する箇所のみで受けることがないので、当該箇所の損傷を防止することができるという利点がある。
【0016】
請求項4記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材が、その外周面の高さ方向に板状の回転防止プレートを具備している。これにより、土壌を採取するために土壌保持部材を地盤に貫入する際に、当該土壌保持部材が無回転で該地盤に貫入されるので採取される土壌の形状が乱れることがない。
【0017】
請求項5記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材が、2つに分割自在である。これにより、土壌保持部材内に採取した土壌の形状を乱すことなく当該土壌を該土壌保持部材から取出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明における地盤サンプリング装置の最良の実施形態について、以下に説明する。本発明の地盤サンプリング装置1は、図8、図9に示すように、地盤2に貫入されたロッド3の最下端部分に取付けられる棒状のサンプリングロッド4に筒状の土壌保持部材5が外装されて成る地盤調査用土壌を採取するものである。
【0019】
そして、前記サンプリングロッド4が、図1、図6、図9に示すように、前記ロッド3の最下端部分と着脱自在にその上端部に形成された連結部41と、前記土壌保持部材5の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部42と、前記連結部41と前記蓋部42との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部43と、を具備し、前記土壌保持部材5が、該土壌保持部材5の下端開口部51から挿入される前記サンプリングロッド4の前記雄ネジ部43と螺合可能となるように該土壌保持部材5の上端開口部52に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部53を具備するものである。
【0020】
前記サンプリングロッド4は、図1に示すように、棒状に形成された鋼製の部材である。このサンプリングロッド4の下端部にはこれに外装される土壌保持部材5の内径と略同径となるように形成された略円柱状の蓋部42が形成されている。そして、サンプリングロッド4の上端部には、その円柱状の部分に所定間隔でその高さ方向に2つのネジ孔41aを具備する連結部41が設けられており、図9に示すように、連結部材6を介して地盤2に貫入されたロッド3の最下端部分と連結される。
【0021】
この連結部材6は、図8に示すように、円柱形状の部材であり、その下方側には前記サンプリングロッド4の連結部41に外嵌可能な円柱状の挿入部61が形成されている。そして、連結部41に外嵌された連結部材6の外側からネジ止め可能となるように、連結部41のネジ孔41aと対応する位置に連結部材6の外側から挿入部61に貫通するネジ孔62が形成されている。これにより、図8に示すように、連結部41のネジ孔41aと連結部材6のネジ孔62との位置を合わせてネジSをネジ孔41a、62にねじ込むことにより、連結部41に連結部材6を取付けることができる。さらに、連結部材6の上方側には雌ネジ部63が形成されており、図9に示すように、ロッド3の最下端部分に形成された雄ネジ部31と螺合して連結可能となっている。
【0022】
前記ロッド3は、約1m程度の鋼性の棒状部材であり、これを複数連結することにより、地上から所定深さまで当該ロッド3を貫入させている。そして、図9、図10に示すロッド3は連結された複数のロッド3のうち最下端のものである。
【0023】
そして、図1に示すように、サンプリングロッド4における連結部41と蓋部42との間にはその高さ方向の外周面全体に亘って雄ネジが逆ネジとなるように形成された雄ネジ部43を具備している。
【0024】
前記土壌保持部材5は、図2に示すように、筒状に形成された鋼製の部材である。この土壌保持部材5の下端部は、先端にかけて径が徐々に小さくなるようにテーパー状に形成されており、地盤2への貫入を容易にしている。また、土壌保持部材5の上端開口部52には、図6に示すように、該土壌保持部材5の下端開口部51から挿入されるサンプリングロッド4の逆ネジとなるように形成された雄ネジ部43と螺合可能となるように該土壌保持部材5の内径よりも若干小さい径で形成され、該雄ネジ部43と同様に逆ネジとなるように形成された雌ネジ部53が形成されている。そして、土壌保持部材5の上方部分には、その外側から内側に貫通する空気孔54が形成されており、該土壌保持部材5内部に土壌サンプル10を採取する際に内部の圧力が上昇することがなく土壌がスムーズに侵入し、また、土壌サンプル10を取出す際にも内部の圧力が減少することがないので該土壌サンプル10を乱すことなく容易に取出すことができる。尚、空気孔54のが設けられる位置や数等は本実施形態のものに限定されず必要に応じて適宜変更することができる。
【0025】
サンプリングロッド4に土壌保持部材5を外装する際には、図6に示すように、該土壌保持部材5の下端開口部51に該サンプリングロッド4の連結部41を挿入し、該土壌保持部材5の雌ネジ部53と該サンプリングロッド4の雄ネジ部43とを螺合させる。そして、既述のように連結部41とロッド3の最下端部分との間に連結部材6を介在させて、当該連結部41と当該ロッド3の最下端部分とを連結する。この際には、図7に示すように、土壌保持部材5の上端開口部52から突出したサンプリングロッド4の雄ネジ部43には、打撃受け部材7が着脱自在に取付けられる。
【0026】
打撃受け部材7は、ナット等を好適に使用することができ、図10に示すように、地盤サンプリング装置1を貫入するために地上から打撃を加えた際にその衝撃が、サンプリングロッド4の雄ネジ部43と土壌保持部材5の雌ネジ部53とが螺合された箇所に集中して作用しないようにすることができる。
【0027】
以上のように形成され、ロッド3の最下端部分に取付けられた地盤サンプリング装置1の使用方法について以下に説明する。
【0028】
まず、スウェーデン式サウンディング試験を行い、住宅等の建築予定地の地盤2における所定深度のN値を測定する。このスウェーデン式サウンディング試験は、図10(a)に示すように、鋼製のロッド3の最下端部分に円錐形をねじったようなスクリューポイント8を取り付け、それを地面に垂直に突き立て、100Kgの錘の力で該スクリューポイント8を回転させながら押し込み、その際の半回転数を測定して地盤2の硬さを評価する方法である。尚、前記スウェーデン式サウンディング試験は、日本工業規格に定められた試験方法に準ずるものとし、手動、自動の何れであってもよい。
【0029】
この際には、図10(a)に示すように、先端に取付けられたスクリューポイント8によって直径が33mm程度の削孔Hが形成される。その後一旦、スクリューポイント8を地上に引上げ当該スクリューポイント8を本発明に係る地盤サンプリング装置1に取替える。この際には、既述のように、ロッド3の最下端部分と地盤サンプリング装置1のサンプリングロッド4とを連結部材6を介して連結する。さらにこの際には、図10(b)に示すように、サンプリングロッド4の蓋部42が、該サンプリングロッド4を外装する土壌保持部材5の下端開口部51を塞ぐ状態となるように、該サンプリングロッド4を回転させる等して調節する。
【0030】
そして、図10(b)に示す状態のまま、地上からロッド3の最上端をハンマー等で打撃し地盤サンプリング装置1を無回転の状態で貫入させる。これは、採取する土壌を不撹乱資料とするためである。この際には、図5に示すように、土壌保持部材5の外周面の高さ方向に板状の回転防止プレート9を具備した土壌保持部材5をを使用すれば、より無回転の状態で地盤サンプリング装置1を貫入することができる。尚、地盤サンプリング装置1を貫入する方法は、ロッド3の最上端部分をハンマー等で叩いてもよいが、他にも電動機器等を使用してもよいのは勿論である。
【0031】
この打撃貫入により地盤サンプリング装置1を所定震度まで到達させ、ロッド3の最上端をパイプレンチ等で正回転させる。これにより、雄ネジ部43、及び雌ネジ部53は逆ネジとなるように形成されているので、図10(c)に示すように、ロッド3を、サンプリングロッド4の蓋部42が土壌保持部材5の上端開口部52と当接するまで上昇させることができ、この際には、ロッド3は、およそ土壌保持部材5内の空間部11の高さ方向の長さだけ上昇する。前述のようにロッド3を上昇させる際にはその距離を測定しておき、その距離が空間部11の高さ方向の長さ以上にならないように留意する。この場合には、雄ネジ部43、及び雌ネジ部53が逆ネジとなるように形成されているので、ロッド3の最下端部分と連結部材6とが螺合された箇所等が同時に緩むことがない。
【0032】
これにより、土壌保持部材5の内側面と蓋部42材の下面とで採取した土壌を保持するための空間部11を形成することができる。尚、ロッド3を正回転させる方法はパイプレンチ等を使用してもよいが、他にも電動機器等を使用してもよいのは勿論である。そして、前述のようにして形成された土壌保持部材5内の空間部11に土壌を採取するために、再びロッド3の最上端部分を地上から打撃し、地盤サンプリング装置1を前述と同様に無回転で貫入させる。この際には、図10(c)に示すように、空間部11の上部に土壌保持部材5から該空間部11に連通する空気孔54が設けられているので、該空気孔54から空気が抜け内部圧力が上昇することなく、図10(d)に示すように、土壌保持部材5内に土壌が侵入しこれを採取することができる。
【0033】
その後、地盤サンプリング装置1を地上まで引上げ、該地盤サンプリング装置1をロッド3の最下端部分から取外す。そして、当該地盤サンプリング装置1から土壌を取出す際には、サンプリングロッド4を逆回転させ、図11に示すように、該サンプリングロッド4の蓋部42を土壌保持部材5の下端開口部51方向に移動させて、該蓋部の平面に形成された下面で該土壌サンプル10を押出すようにして取出す。これにより、採取された土壌サンプル10を不撹乱試料とすることができる。そして、この採取された土壌サンプル10を、含水率を測定するための電子レンジ法や、地盤2の細粒分の割合を測定するための細粒分含有率の測定に使用することができる。
【0034】
ここで、土壌保持部材5として、図3に示すような、分割式土壌保持部材12を使用することもできる。この分割式土壌保持部材12は、その高さ方向に2つに分割された分割土壌保持部材121と、一体化させた該分割土壌保持部材121の上端部、及び下端部に形成された雄ネジ部122に螺合しこれらを連結固定するための連結固定部材13とから形成されている。尚、分割式土壌保持部材12の内径や雌ネジ部43の径等は、既述の土壌保持部材5と同様に形成されており、図4に示すように、2つの分割土壌保持部材121を一体化させ連結固定部材13によって連結固定した際には、その内部構造は図2に示す土壌保持部材5と同じ構造となる。
【0035】
そして、この分割式土壌保持部材12を使用する場合には、土壌サンプル10を採取してロッド3の最下端部分から当該分割式土壌保持部材12を取外すまでは、土壌保持部材5を使用した場合と同様である。その後、分割式土壌保持部材12から土壌サンプル10を取出す際には、その上端部、及び下端部の連結固定部材13を取外すことにより、該分割式土壌保持部材12を2つに分割することができ、内部の土壌サンプル10を不撹乱試料として取出すことができる。
【0036】
また、上述の土壌サンプル10を採取する作業は、複数回、所定深度で行われることが好ましく、土壌サンプル10を採取した後に、再びスウェーデン式サウンディング試験を行い、その後、さらに所定深度で土壌サンプル10を採取することができる。尚、本実施形態においては、スウェーデン式サウンディング試験の際に形成される削孔Hを利用して土壌サンプル10を採取したが、これに限定されず、該土壌サンプル10を採取するために別途削孔Hを設けてもよい。
【0037】
以上のような、地盤サンプリング装置1を構成するサンプリングロッド4、及び土壌保持部材5等の構成や形状、さらには、これを用いた土壌サンプル10の採取方法は、本実施形態のものに限定されるものではなく変更することができるのは勿論である。本実施形態に係る地盤サンプリング装置1を使用すれば、地盤調査用土壌を容易に十分な量だけ採取することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る地盤サンプリング装置11は、スウェーデンサウンディング試験の後でなくとも、別途調査用の削孔Hを設けて該地盤サンプリング装置11を使用してもよいのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係るサンプリングロッドの全体斜視図
【図2】本実施形態に係る土壌保持部材の全体斜視図
【図3】本実施解体に係る分割式土壌保持部材の分解図
【図4】本実施形態に係る分割式土壌保持部材の全体斜視図
【図5】他の実施形態に係る土壌保持部材の全体斜視図
【図6】サンプリングロッドに土壌保持部材が外装された状態を示す斜視図
【図7】打撃受け部材が取付けられる状態を斜視図
【図8】サンプリングロッドの連結部に連結部材が取付けられる状態を示す斜視図
【図9】地盤サンプリング装置がロッドと連結される状態を示す斜視図
【図10】地盤サンプリング装置の使用手順を示す図
【図11】地盤サンプリング装置から土壌サンプルを取出す状態を示す図
【符号の説明】
【0040】
1 地盤サンプリング装置
2 地盤
3 ロッド
31 雄ネジ部
4 サンプリングロッド
41 連結部
42 蓋部
43 雌ネジ部
5 土壌保持部材
51 下端開口部
52 上端開口部
53 雌ネジ部
54 空気孔
7 打撃受け部材
9 回転防止プレート
【技術分野】
【0001】
この発明は、地盤に貫入されたロッドの最下端部分に取付けられる地盤調査用土壌を採取するための地盤サンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅等の建設予定地の地盤の調査をする方法としては、スウェーデン式サウンディング試験が汎用されている。このスウェーデン式サウンディング試験は、先端にスクリューポイントを具備するロッドを使用し、当該ロッドに錘を載せた状態で地面に貫入し、一定の深さまで貫入するのに費やした回転数を記録するものである。そして、柔らかい地盤ほど簡単に貫入できるので、回転数が少なくなり、固い地盤ほど回転数が多くなり、この回転数から地盤の評価指標であるN値を算出している(例えば、非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】http://www.jiban.co.jp/gyoumu/chousa/tyosa02.htm
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記スウェーデン式サウンディング試験では地盤の調査を行うことができるものの、当該地盤における土質のサンプリングを行うことができなかった。そのため、地盤の土質の判断は、前記ロッドを地盤に貫入する際の音や、手応え等でしか判断することができず、この判断には熟練を要すると共に、個人差があり、また、正確性に欠けるという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような種々の課題を解決することを目的としてなされたものであって、地盤の土質調査を正確に判断可能な地盤調査用土壌を容易に十分な量だけ採取することができる地盤サンプリング装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の地盤サンプリング装置は、地盤に貫入されたロッドの最下端部分に取付けられる棒状のサンプリングロッドに筒状の土壌保持部材が外装されて成る地盤調査用土壌を採取するための地盤サンプリング装置において、前記サンプリングロッドが、前記ロッドの最下端部分と着脱自在となるようにその上端部に形成された連結部と、前記土壌保持部材の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部と、前記連結部と前記蓋部との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部と、を具備し、前記土壌保持部材が、該土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記雄ネジ部と螺合可能となるように該土壌保持部材の上端開口部に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部を具備することを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材が、その外部から内部に貫通するように形成された空気孔を具備することを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの当該土壌保持部材の上端開口部から露出している前記雄ネジ部に打撃受け部材が着脱自在に螺着されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材が、その外周面の高さ方向に板状の回転防止プレートを具備することを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の地盤サンプリング装置は、前記土壌保持部材が、高さ方向に2つに分割自在であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の地盤サンプリング装置によれば、前記サンプリングロッドの上端部には前記ロッドの最下端部分と着脱自在な連結部を具備しているので、当該ロッドとの着脱が容易である。また、前記サンプリングロッドの下端部には前記土壌保持部材の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部が形成されている。これにより、蓋部が土壌保持部材の下端開口部付近にあるときには、当該蓋部が土壌保持部材内への土壌の侵入を防止することができる。
【0012】
また、サンプリングロッドの前記連結部と前記蓋部との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部を具備している。そして、土壌保持部材は、該土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記雄ネジ部と螺合可能となるように該土壌保持部材の上端開口部に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部を具備している。これにより、土壌保持部材内の蓋部の位置をサンプルロッドを回転させることにより上昇させることで、当該土壌保持部材の内側面と蓋部材の下面とで採取した土壌を保持するための空間を形成することができ、十分な量の土壌サンプルを採取することができる。
【0013】
そして、雌ネジ部は土壌保持部の内径よりも若干小さく形成され、また、蓋部は土壌保持部の内径と略同寸法に形成されているので、土壌保持部材内の蓋部が上端開口部にまで到達した際には、蓋部が上端開口部に係止され、サンプリングロッドが土壌保持部材から引抜けることがないと共に、採取した土壌が土壌保持部材の上端開口部から出て行くことがない。さらに、蓋部は円柱状に形成されているので、その下面は平面である。そのため、土壌保持部材内に採取された土壌を取出す際には、サンプルロッドを回転させることにより当該サンプルロッドの蓋部を土壌保持部材の下端開口部方向に移動させて、該土壌を該土壌保持部材内から押出すようにして取出すことができ、この際に当該土壌の形状を乱すことがなく、地盤の土質調査を正確に判断することができる。
【0014】
請求項2記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材が、その外部から内部に貫通するように形成された空気孔を具備している。これにより、土壌保持部材内に土壌を採取する際に、内部の圧力が上昇することなく空気孔から空気が抜けながら当該土壌保持部材内に土壌が侵入するので、土壌の採取を確実に行うことができる。また、サンプリングロッドを回転させ、蓋部で土壌保持部材内に採取された土壌を取出す際にも、当該土壌保持部材の圧力が減少することなく空気孔から空気が抜けながら当該土壌保持部材内から採取された土壌が該土壌保持部材内から押出されるので、当該採取された土壌の形状を乱すことなくこれを取出すことができる。
【0015】
請求項3記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材の前記下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記連結部と当該土壌保持部材の前記上端開口部との間の前記雄ネジ部に打撃受け部材が着脱自在に設けられている。これにより、地上からサンプリングロッドに作用する衝撃を、当該サンプリングロッドの雄ネジ部と土壌保持部材の雌ネジ部との螺合する箇所のみで受けることがないので、当該箇所の損傷を防止することができるという利点がある。
【0016】
請求項4記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材が、その外周面の高さ方向に板状の回転防止プレートを具備している。これにより、土壌を採取するために土壌保持部材を地盤に貫入する際に、当該土壌保持部材が無回転で該地盤に貫入されるので採取される土壌の形状が乱れることがない。
【0017】
請求項5記載の地盤サンプリング装置によれば、前記土壌保持部材が、2つに分割自在である。これにより、土壌保持部材内に採取した土壌の形状を乱すことなく当該土壌を該土壌保持部材から取出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明における地盤サンプリング装置の最良の実施形態について、以下に説明する。本発明の地盤サンプリング装置1は、図8、図9に示すように、地盤2に貫入されたロッド3の最下端部分に取付けられる棒状のサンプリングロッド4に筒状の土壌保持部材5が外装されて成る地盤調査用土壌を採取するものである。
【0019】
そして、前記サンプリングロッド4が、図1、図6、図9に示すように、前記ロッド3の最下端部分と着脱自在にその上端部に形成された連結部41と、前記土壌保持部材5の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部42と、前記連結部41と前記蓋部42との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部43と、を具備し、前記土壌保持部材5が、該土壌保持部材5の下端開口部51から挿入される前記サンプリングロッド4の前記雄ネジ部43と螺合可能となるように該土壌保持部材5の上端開口部52に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部53を具備するものである。
【0020】
前記サンプリングロッド4は、図1に示すように、棒状に形成された鋼製の部材である。このサンプリングロッド4の下端部にはこれに外装される土壌保持部材5の内径と略同径となるように形成された略円柱状の蓋部42が形成されている。そして、サンプリングロッド4の上端部には、その円柱状の部分に所定間隔でその高さ方向に2つのネジ孔41aを具備する連結部41が設けられており、図9に示すように、連結部材6を介して地盤2に貫入されたロッド3の最下端部分と連結される。
【0021】
この連結部材6は、図8に示すように、円柱形状の部材であり、その下方側には前記サンプリングロッド4の連結部41に外嵌可能な円柱状の挿入部61が形成されている。そして、連結部41に外嵌された連結部材6の外側からネジ止め可能となるように、連結部41のネジ孔41aと対応する位置に連結部材6の外側から挿入部61に貫通するネジ孔62が形成されている。これにより、図8に示すように、連結部41のネジ孔41aと連結部材6のネジ孔62との位置を合わせてネジSをネジ孔41a、62にねじ込むことにより、連結部41に連結部材6を取付けることができる。さらに、連結部材6の上方側には雌ネジ部63が形成されており、図9に示すように、ロッド3の最下端部分に形成された雄ネジ部31と螺合して連結可能となっている。
【0022】
前記ロッド3は、約1m程度の鋼性の棒状部材であり、これを複数連結することにより、地上から所定深さまで当該ロッド3を貫入させている。そして、図9、図10に示すロッド3は連結された複数のロッド3のうち最下端のものである。
【0023】
そして、図1に示すように、サンプリングロッド4における連結部41と蓋部42との間にはその高さ方向の外周面全体に亘って雄ネジが逆ネジとなるように形成された雄ネジ部43を具備している。
【0024】
前記土壌保持部材5は、図2に示すように、筒状に形成された鋼製の部材である。この土壌保持部材5の下端部は、先端にかけて径が徐々に小さくなるようにテーパー状に形成されており、地盤2への貫入を容易にしている。また、土壌保持部材5の上端開口部52には、図6に示すように、該土壌保持部材5の下端開口部51から挿入されるサンプリングロッド4の逆ネジとなるように形成された雄ネジ部43と螺合可能となるように該土壌保持部材5の内径よりも若干小さい径で形成され、該雄ネジ部43と同様に逆ネジとなるように形成された雌ネジ部53が形成されている。そして、土壌保持部材5の上方部分には、その外側から内側に貫通する空気孔54が形成されており、該土壌保持部材5内部に土壌サンプル10を採取する際に内部の圧力が上昇することがなく土壌がスムーズに侵入し、また、土壌サンプル10を取出す際にも内部の圧力が減少することがないので該土壌サンプル10を乱すことなく容易に取出すことができる。尚、空気孔54のが設けられる位置や数等は本実施形態のものに限定されず必要に応じて適宜変更することができる。
【0025】
サンプリングロッド4に土壌保持部材5を外装する際には、図6に示すように、該土壌保持部材5の下端開口部51に該サンプリングロッド4の連結部41を挿入し、該土壌保持部材5の雌ネジ部53と該サンプリングロッド4の雄ネジ部43とを螺合させる。そして、既述のように連結部41とロッド3の最下端部分との間に連結部材6を介在させて、当該連結部41と当該ロッド3の最下端部分とを連結する。この際には、図7に示すように、土壌保持部材5の上端開口部52から突出したサンプリングロッド4の雄ネジ部43には、打撃受け部材7が着脱自在に取付けられる。
【0026】
打撃受け部材7は、ナット等を好適に使用することができ、図10に示すように、地盤サンプリング装置1を貫入するために地上から打撃を加えた際にその衝撃が、サンプリングロッド4の雄ネジ部43と土壌保持部材5の雌ネジ部53とが螺合された箇所に集中して作用しないようにすることができる。
【0027】
以上のように形成され、ロッド3の最下端部分に取付けられた地盤サンプリング装置1の使用方法について以下に説明する。
【0028】
まず、スウェーデン式サウンディング試験を行い、住宅等の建築予定地の地盤2における所定深度のN値を測定する。このスウェーデン式サウンディング試験は、図10(a)に示すように、鋼製のロッド3の最下端部分に円錐形をねじったようなスクリューポイント8を取り付け、それを地面に垂直に突き立て、100Kgの錘の力で該スクリューポイント8を回転させながら押し込み、その際の半回転数を測定して地盤2の硬さを評価する方法である。尚、前記スウェーデン式サウンディング試験は、日本工業規格に定められた試験方法に準ずるものとし、手動、自動の何れであってもよい。
【0029】
この際には、図10(a)に示すように、先端に取付けられたスクリューポイント8によって直径が33mm程度の削孔Hが形成される。その後一旦、スクリューポイント8を地上に引上げ当該スクリューポイント8を本発明に係る地盤サンプリング装置1に取替える。この際には、既述のように、ロッド3の最下端部分と地盤サンプリング装置1のサンプリングロッド4とを連結部材6を介して連結する。さらにこの際には、図10(b)に示すように、サンプリングロッド4の蓋部42が、該サンプリングロッド4を外装する土壌保持部材5の下端開口部51を塞ぐ状態となるように、該サンプリングロッド4を回転させる等して調節する。
【0030】
そして、図10(b)に示す状態のまま、地上からロッド3の最上端をハンマー等で打撃し地盤サンプリング装置1を無回転の状態で貫入させる。これは、採取する土壌を不撹乱資料とするためである。この際には、図5に示すように、土壌保持部材5の外周面の高さ方向に板状の回転防止プレート9を具備した土壌保持部材5をを使用すれば、より無回転の状態で地盤サンプリング装置1を貫入することができる。尚、地盤サンプリング装置1を貫入する方法は、ロッド3の最上端部分をハンマー等で叩いてもよいが、他にも電動機器等を使用してもよいのは勿論である。
【0031】
この打撃貫入により地盤サンプリング装置1を所定震度まで到達させ、ロッド3の最上端をパイプレンチ等で正回転させる。これにより、雄ネジ部43、及び雌ネジ部53は逆ネジとなるように形成されているので、図10(c)に示すように、ロッド3を、サンプリングロッド4の蓋部42が土壌保持部材5の上端開口部52と当接するまで上昇させることができ、この際には、ロッド3は、およそ土壌保持部材5内の空間部11の高さ方向の長さだけ上昇する。前述のようにロッド3を上昇させる際にはその距離を測定しておき、その距離が空間部11の高さ方向の長さ以上にならないように留意する。この場合には、雄ネジ部43、及び雌ネジ部53が逆ネジとなるように形成されているので、ロッド3の最下端部分と連結部材6とが螺合された箇所等が同時に緩むことがない。
【0032】
これにより、土壌保持部材5の内側面と蓋部42材の下面とで採取した土壌を保持するための空間部11を形成することができる。尚、ロッド3を正回転させる方法はパイプレンチ等を使用してもよいが、他にも電動機器等を使用してもよいのは勿論である。そして、前述のようにして形成された土壌保持部材5内の空間部11に土壌を採取するために、再びロッド3の最上端部分を地上から打撃し、地盤サンプリング装置1を前述と同様に無回転で貫入させる。この際には、図10(c)に示すように、空間部11の上部に土壌保持部材5から該空間部11に連通する空気孔54が設けられているので、該空気孔54から空気が抜け内部圧力が上昇することなく、図10(d)に示すように、土壌保持部材5内に土壌が侵入しこれを採取することができる。
【0033】
その後、地盤サンプリング装置1を地上まで引上げ、該地盤サンプリング装置1をロッド3の最下端部分から取外す。そして、当該地盤サンプリング装置1から土壌を取出す際には、サンプリングロッド4を逆回転させ、図11に示すように、該サンプリングロッド4の蓋部42を土壌保持部材5の下端開口部51方向に移動させて、該蓋部の平面に形成された下面で該土壌サンプル10を押出すようにして取出す。これにより、採取された土壌サンプル10を不撹乱試料とすることができる。そして、この採取された土壌サンプル10を、含水率を測定するための電子レンジ法や、地盤2の細粒分の割合を測定するための細粒分含有率の測定に使用することができる。
【0034】
ここで、土壌保持部材5として、図3に示すような、分割式土壌保持部材12を使用することもできる。この分割式土壌保持部材12は、その高さ方向に2つに分割された分割土壌保持部材121と、一体化させた該分割土壌保持部材121の上端部、及び下端部に形成された雄ネジ部122に螺合しこれらを連結固定するための連結固定部材13とから形成されている。尚、分割式土壌保持部材12の内径や雌ネジ部43の径等は、既述の土壌保持部材5と同様に形成されており、図4に示すように、2つの分割土壌保持部材121を一体化させ連結固定部材13によって連結固定した際には、その内部構造は図2に示す土壌保持部材5と同じ構造となる。
【0035】
そして、この分割式土壌保持部材12を使用する場合には、土壌サンプル10を採取してロッド3の最下端部分から当該分割式土壌保持部材12を取外すまでは、土壌保持部材5を使用した場合と同様である。その後、分割式土壌保持部材12から土壌サンプル10を取出す際には、その上端部、及び下端部の連結固定部材13を取外すことにより、該分割式土壌保持部材12を2つに分割することができ、内部の土壌サンプル10を不撹乱試料として取出すことができる。
【0036】
また、上述の土壌サンプル10を採取する作業は、複数回、所定深度で行われることが好ましく、土壌サンプル10を採取した後に、再びスウェーデン式サウンディング試験を行い、その後、さらに所定深度で土壌サンプル10を採取することができる。尚、本実施形態においては、スウェーデン式サウンディング試験の際に形成される削孔Hを利用して土壌サンプル10を採取したが、これに限定されず、該土壌サンプル10を採取するために別途削孔Hを設けてもよい。
【0037】
以上のような、地盤サンプリング装置1を構成するサンプリングロッド4、及び土壌保持部材5等の構成や形状、さらには、これを用いた土壌サンプル10の採取方法は、本実施形態のものに限定されるものではなく変更することができるのは勿論である。本実施形態に係る地盤サンプリング装置1を使用すれば、地盤調査用土壌を容易に十分な量だけ採取することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る地盤サンプリング装置11は、スウェーデンサウンディング試験の後でなくとも、別途調査用の削孔Hを設けて該地盤サンプリング装置11を使用してもよいのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係るサンプリングロッドの全体斜視図
【図2】本実施形態に係る土壌保持部材の全体斜視図
【図3】本実施解体に係る分割式土壌保持部材の分解図
【図4】本実施形態に係る分割式土壌保持部材の全体斜視図
【図5】他の実施形態に係る土壌保持部材の全体斜視図
【図6】サンプリングロッドに土壌保持部材が外装された状態を示す斜視図
【図7】打撃受け部材が取付けられる状態を斜視図
【図8】サンプリングロッドの連結部に連結部材が取付けられる状態を示す斜視図
【図9】地盤サンプリング装置がロッドと連結される状態を示す斜視図
【図10】地盤サンプリング装置の使用手順を示す図
【図11】地盤サンプリング装置から土壌サンプルを取出す状態を示す図
【符号の説明】
【0040】
1 地盤サンプリング装置
2 地盤
3 ロッド
31 雄ネジ部
4 サンプリングロッド
41 連結部
42 蓋部
43 雌ネジ部
5 土壌保持部材
51 下端開口部
52 上端開口部
53 雌ネジ部
54 空気孔
7 打撃受け部材
9 回転防止プレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に貫入されるロッドの最下端部分に取付けられる棒状のサンプリングロッドに筒状の土壌保持部材が外装されて成る地盤調査用土壌を採取するための地盤サンプリング装置において、
前記サンプリングロッドが、前記ロッドの最下端部分と着脱自在となるようにその上端部に形成された連結部と、前記土壌保持部材の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部と、前記連結部と前記蓋部との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部と、を具備し、
前記土壌保持部材が、該土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記雄ネジ部と螺合可能となるように該土壌保持部材の上端開口部に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部を具備することを特徴とする地盤サンプリング装置。
【請求項2】
前記土壌保持部材が、その外部から内部に貫通するように形成された空気孔を具備することを特徴とする請求項1記載の地盤サンプリング装置。
【請求項3】
前記土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの当該土壌保持部材の上端開口部から露出している前記雄ネジ部に打撃受け部材が着脱自在に螺着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の地盤サンプリング装置。
【請求項4】
前記土壌保持部材が、その外周面の高さ方向に板状の回転防止プレートを具備することを特徴とする請求項1乃至3記載の地盤サンプリング装置。
【請求項5】
前記土壌保持部材が、高さ方向に2つに分割自在であることを特徴とする請求項1乃至4記載の地盤サンプリング装置
【請求項1】
地盤に貫入されるロッドの最下端部分に取付けられる棒状のサンプリングロッドに筒状の土壌保持部材が外装されて成る地盤調査用土壌を採取するための地盤サンプリング装置において、
前記サンプリングロッドが、前記ロッドの最下端部分と着脱自在となるようにその上端部に形成された連結部と、前記土壌保持部材の内径と略同寸法にその下端部に形成された円柱状の蓋部と、前記連結部と前記蓋部との間においてその外周面全体にネジ溝が形成された雄ネジ部と、を具備し、
前記土壌保持部材が、該土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの前記雄ネジ部と螺合可能となるように該土壌保持部材の上端開口部に前記内径よりも若干小さく形成された雌ネジ部を具備することを特徴とする地盤サンプリング装置。
【請求項2】
前記土壌保持部材が、その外部から内部に貫通するように形成された空気孔を具備することを特徴とする請求項1記載の地盤サンプリング装置。
【請求項3】
前記土壌保持部材の下端開口部から挿入される前記サンプリングロッドの当該土壌保持部材の上端開口部から露出している前記雄ネジ部に打撃受け部材が着脱自在に螺着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の地盤サンプリング装置。
【請求項4】
前記土壌保持部材が、その外周面の高さ方向に板状の回転防止プレートを具備することを特徴とする請求項1乃至3記載の地盤サンプリング装置。
【請求項5】
前記土壌保持部材が、高さ方向に2つに分割自在であることを特徴とする請求項1乃至4記載の地盤サンプリング装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−7270(P2010−7270A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165229(P2008−165229)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
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