説明

地盤補強構造、地盤補強構造の施工方法

【課題】 簡易な構成で、地盤に形成された孔に充填する充填材を、周辺地盤へ逸散させることなく固化させて構築することを可能とする。
【解決手段】 地盤補強構造40は、補強対象地盤の一方側の地表面から、他方側の地表面へ貫通するように、補強対象地盤を横切る屈曲貫通孔30をボーリングロッド23を用いて形成し、時間の経過とともに固化する充填材が通過できない素材で構成される袋体である地盤補強部材10の開口した側の端部を、ボーリングロッド23の先端に取り付けて、ボーリングロッド23を屈曲貫通孔30から引き抜くことにより地盤補強部材10を屈曲貫通孔30に引き込んで屈曲貫通孔30内に設置し、地盤補強部材10の内部に、充填材を流動状態で充填し、この充填材を固化させてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤補強構造、及び、その地盤補強構造の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軟弱な地盤の沈下や斜面の崩壊を防止するために、地盤を硬質安定化させて改良する地盤補強工法が行われており、例えば、特許文献1又は2に開示されるような工法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、ボーリングにより削孔した孔内に鋼棒等の補強材を挿入し、孔内面と補強材との間隙にモルタルやグラウトセメント等を注入して補強材と地盤を一体化させて地盤補強構造を構築する、いわゆるネイリングと呼ばれる工法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、特殊な形状の混練オーガ機によって攪拌した地盤に、攪拌機の中空軸を通してセメントミルクを注入しながら攪拌混合を続けて地中にソイルセメント柱体を造設し、更に掘削攪拌した土砂範囲の先端の地盤に、前記中空軸の中空部に芯材を挿入して設置することにより、地盤補強構造を構築するソイルセメント工法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−27813号公報
【特許文献2】特開平5−222733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1又は2に開示される地盤補強工法では、地盤補強構造を構築する地盤の透水性が高い場合に、当該地盤に流動状態のモルタルやコンクリートセメント等のグラウト材を注入すると、注入したグラウト材が固化する前に周辺地盤に逸散してしまう。そのため、充分な強度を有する地盤補強構造を構築するために大量のグラウト材を充填しなければならず、施工コスト及び施工時間を要する。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、地盤に形成された孔に充填する充填材を、周辺地盤へ逸散させることなく固化させて構築することが可能な地盤補強構造、及び、その地盤補強構造の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、地盤の補強構造であって、補強対象地盤の一方側の地表面から、他方側の地表面へ貫通するように、補強対象地盤を横切る屈曲貫通孔をボーリングロッドを用いて形成し、時間の経過とともに固化する充填材が通過できない素材で構成される袋体の開口した側の端部を、前記ボーリングロッドの先端に取り付けて、前記ボーリングロッドを前記屈曲貫通孔から引き抜くことにより前記袋体を前記屈曲貫通孔に引き込んで前記屈曲貫通孔内に設置し、前記袋体の内部に、前記充填材を流動状態で充填し、この充填材を固化させてなることを特徴とする。
【0009】
本発明の地盤補強構造によれば、袋体が、その内部に充填される充填材を地盤に逸散させることなく固化させて、補強構造を構築することができるので、特許文献1又は2に開示される地盤補強工法で構築される地盤補強構造と比べて、少量の充填材で地盤補強構造を構築でき、施工コストの低減及び施工時間の短縮化が図れる。
【0010】
本発明において、前記袋体の素材は、前記充填材に含まれる水分のみを前記袋体外部の地盤に浸出させるような目の粗さを有する織布又は不織布、又は前記充填材に含まれる水分のみを前記袋体外部の地盤に浸出させるような微細な孔が設けられた不透水性材料で構成されてもよい。
【0011】
また、本発明は、地盤補強構造の施工方法であって、補強対象地盤の一方側の地表面から、他方側の地表面へ貫通するように、補強対象地盤を横切る屈曲貫通孔をボーリングロッドを用いて形成し、時間の経過とともに固化する充填材が通過できない素材で構成される袋体の開口した側の端部を、前記ボーリングロッドの先端に取り付けて、前記ボーリングロッドを前記屈曲貫通孔から引き抜くことにより前記袋体を前記屈曲貫通孔に引き込んで前記屈曲貫通孔内に設置し、前記袋体の内部に、前記充填材を流動状態で充填し、この充填材を固化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易な構成で、地盤に形成された孔に充填する充填材を、周辺地盤へ逸散させることなく固化させて構築することが可能な地盤補強構造、及び、その地盤補強構造の施工方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る地盤補強部材を示し、同図(a)は側面図、同図(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】地盤補強部材を用いて地盤補強構造を構築する第一の工法の手順を説明するための説明図である。
【図3】地盤補強部材の空気圧入による設置方法を説明するための説明図である。
【図4】地盤補強部材を用いて地盤補強構造を構築する第二の工法の手順を説明するための説明図である。
【図5】鉄道線路と直交して横切るトンネル又はシールドの上部地盤への地盤補強構造の設置例を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は横断面図、同図(c)は縦断面図である。
【図6】鉄道線路と斜交して横切るトンネル又はシールドの上部地盤への地盤補強構造の設置例を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る地盤補強部材を示し、同図(a)は側面図、同図(b)は(a)のA−A断面図である。
【0015】
図1に示すように、地盤補強部材10は、例えば、柔軟性を有する筒状部材の先端部10aが閉塞されてなる細長い袋体であり、その基端部10bには注入口16が形成されている。地盤補強部材10は、後述するような地盤に屈曲形状に削孔された孔内に、その袋体内部が空の状態で設置され、その後注入口16からその袋体内部にコンクリートミルク等の充填材を充填して固化させることにより地盤補強構造が構築される。
【0016】
袋体の構成材料としては、例えば、柔軟性及び耐摩耗性を有する麻や合成繊維等からなる織布又は不織布に、例えば、アラミド糸や炭素繊維等の引張り強度の大きい補強索体14を混入したものや、地盤補強部材10の周囲に複数の補強索体14を長手方向に沿って設けたもの等を用いることができる。なお、後者の場合、地盤補強部材10を用いて構築された地盤補強構造に対して、いずれの方向から曲げ荷重が作用しても、均一に曲げ荷重に抵抗させるべく、図1(b)に示すように補強索体14は袋体の周囲に等間隔で設けられることが好ましい。
【0017】
地盤補強部材10には、例えば、地盤補強部材10に注入させる充填材の圧力(例えば、0.1〜1Mpa)に耐え得る強度が要求される。これは、例えば、消防ホースと同等の強度である。
【0018】
また、地盤補強部材10は、その内部に充填される充填材に含まれる水分のみを袋体外部の地盤に浸出させるような目の粗さを有する織布又は不織布からなることが好ましい。なお、上記織布又は不織布に限らず、微細な孔が設けられた不透水性の膜を用いてもよい。
【0019】
さらに、地盤補強部材10は、孔内に設置後その内部に充填材が充填された時に、孔壁と密着するように、袋体が、ある程度膨張するように伸縮可能であることが好ましい。
【0020】
また、地盤補強部材10には、地盤補強構造の一部となった際に、曲げ荷重等によって地盤補強構造に生じる引張力に、充分に抵抗できる程度の引張強度を有するものを使用する。また、充填材には、地盤補強構造の一部となった際に、曲げ荷重等によって地盤補強構造に生じる圧縮力に、充分に抵抗できる程度の圧縮強度を有するもの使用する。
【0021】
次に、このような地盤補強部材10を用いて、例えば、軟弱地盤上に構築される盛土20下の基礎を補強するべく、地盤補強構造を構築する手順について説明する。
図2は、地盤補強部材10を用いて地盤補強構造を構築する、本発明の参考例である第一の工法の手順を説明するための説明図である。
【0022】
図2に示すように、第一の工法は、屈曲孔の削孔工程S110と、地盤補強部材の設置工程S120と、充填材の充填工程S130からなる。
【0023】
屈曲孔の削孔工程S110では、地表に構築される盛土20に隣接する地表位置から、補強する盛土20の下方の基礎地盤に向けて斜め方向に削孔を開始し、その孔の先端が盛土20の縁部の下方位置に到達した時点で削孔方向を水平方向に変更し(工程S111)、その後、所定長の水平部を有するような屈曲形状の孔(屈曲孔22)を削孔する(工程S112)。
【0024】
屈曲孔の削孔工程S110には、地盤中でその削孔方向を自由に変更することが可能な公知の誘導式自在ボーリング機械(例えば、テラ・ジェット工法やアーバンノーディック工法による削孔機)を用いておこなうことができる。なお、屈曲孔22の削孔後には、削孔に使用されたボーリング機械のドリルビット21やボーリングロッド23を引き抜いて回収する。
【0025】
地盤補強部材の設置工程S120では、屈曲可能であるともに弾性を有する、例えば金属ワイヤー等の誘導棒24を、地盤補強部材10の袋体の基端部の注入口からその内部に挿入(工程S121)して、閉塞されている側の先端部10aを、工程S110で削孔された屈曲孔22の先端まで押し込むことにより、袋体を屈曲孔22内に挿入する(工程S122)。ここで、誘導棒24を用いて地盤補強部材10を屈曲孔22に挿入する際には、誘導棒24の先端が地盤補強部材10を破損させないように、例えば、クッション等の保護部材を誘導棒24の先端に設ける等の対策を講じておく。なお、地盤補強部材10の設置後には、誘導棒24を孔内から引き抜いて回収する。
【0026】
充填材の充填工程S130では、工程S120で屈曲孔22内に設置された地盤補強部材10の内部に充填材26を充填し、固化させることによって、地盤補強構造40を構築する。充填材26は上述した注入口16を通じて充填される。なお、充填材26には、固化後のコンクリートの引張り強度を向上させるために、例えば、鋼繊維やガラス繊維等の補強繊維材を混入したものを用いることが好ましい。
【0027】
充填材26を注入する際には、その注入圧が0.1〜1Mpa程度になるまで加圧する。そして、注入が終了後にその内圧が保持されるように注入口16を密封する。これにより、この後地盤補強部材10に充填された充填材26中の水分が圧搾されて地盤中に浸出し、ある程度の地盤補強部材10内の充填材26の固化成分が濃集されて固化することによって、地盤補強構造40が構築される。
【0028】
なお、誘導棒24に、例えば注入ホースを沿わせておき、工程S120を実施する際に、地盤補強部材10の基端部10bから誘導棒24とともに注入ホースを挿入して、地盤補強部材10を屈曲孔22の先端まで押し込んで設置し、その後誘導棒24を孔内から引き抜きながら、注入ホースを介して充填材を袋体内に充填してもよい。
【0029】
これにより、地盤補強部材の設置工程S120と充填材の充填工程S130とを同時に実施できる。加えて、屈曲孔22の先端部10aから充填材を袋体内に充填していくため、未充填時に袋体内にある空気を先端部10aから基端部10bまで円滑に送り出すことができるので、袋体内に空気が残存することを回避し、信頼性の高い剛性を有する地盤補強構造40を構築できる。
【0030】
上記説明した地盤補強部材の設置工程S120については、図3に示すような空気圧入による設置方法を用いてもよい。
【0031】
図3に示すように、空気圧入による設置方法では、例えば、屈曲孔22の孔口付近に蛇腹状に折りたたまれ、その先端部10aが孔口から孔内に向かって設置された地盤補強部材10の内部に、注入口16から空気を圧入(工程S123)することにより、袋体に推進力を与え又は袋体を膨張させることによって地盤補強部材10を孔底へ挿入させる(工程S124)。
【0032】
なお、空気圧入による設置方法の実施にあたっては、地盤補強部材10を孔内に挿入させる際に、地盤補強部材10より前方の孔内空気を大気中へ逃がすための空気抜きホース28を、その先端が孔先端付近まで達するように予め設置しておくことが好ましい。これにより、地盤補強部材10を円滑に孔底へ挿入させることができる。
【0033】
また、空気圧入による設置方法では、地盤補強部材10内に空気を圧入する代わりに充填材26を圧入してもよい。これにより、地盤補強部材の設置工程S120と充填材の充填工程S130(図2参照)とを同時に実施することができる。
【0034】
図4は、地盤補強部材10を用いて地盤補強構造を構築する、本発明の実施例である第二の工法の手順を説明するための説明図である。なお、図4において、図2と同様の部位を示すものについては、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図4に示すように、第二の工法は、屈曲貫通孔の削孔工程S210と、地盤補強部材の設置工程S220と、充填材の充填工程S230からなる。
【0036】
屈曲貫通孔の削孔工程S210では、図2で説明した屈曲孔の削孔工程S110と同様にして、所定長の水平部を有する屈曲孔を削孔(工程S211)した後、さらに地表へ向けて削孔方向を変更して地表まで貫通させた屈曲貫通孔30を削孔する(工程S212)。
【0037】
なお、屈曲貫通孔30も、第一の工法と同様の誘導式自在ボーリング機械を用いて削孔する。
【0038】
地盤補強部材の設置工程S220では、前工程S210で盛土20の両側間の地盤を貫通する際に用いた誘導式自在ボーリング機械のボーリングロッド23の先端部付近に、地盤補強部材10の基端部10bを取り付け、当該ボーリングロッド23を引き抜くことにより、地盤補強部材10を屈曲貫通孔30内に引き込む。
【0039】
また、同図中では地盤補強部材10が屈曲貫通孔30の領域の一部(第一の工法と同様に中央の水平部と図中右側の傾斜部)に配置されているが、これに限らず、削孔された屈曲貫通孔30の全領域に設置してもよい。ここで前者のような屈曲貫通孔30の領域の一部に配置する場合には、地盤補強部材10が設置されない孔の部分30cについては、コンクリートや土砂等で埋め戻しておくことが好ましい。
【0040】
第二の工法で実施される充填材の充填工程S230は、第一の工法の充填材の充填工程S130と同様である。
【0041】
以上説明した本実施形態の地盤補強構造40によれば、袋体である地盤補強部材10が、その内部に充填される充填材26の固化成分を地盤に逸散させることなく固化させて、補強構造を構築することができるので、少量の充填材26で地盤補強構造40を構築でき、施工コストの低減及び施工時間の短縮化が図れる。
【0042】
また、本実施形態の地盤補強構造40によれば、地盤補強部材10は、その内部に充填される充填材に含まれる水分のみを袋体外部の地盤に浸出させるような目の粗さを有する織布又は不織布からなることにより、地盤補強部材10に充填された充填材26中の水分が圧搾されて地盤中に浸出し、地盤補強部材10内の充填材26の固化成分が濃集されるので、充填材26の固化が促進される。
【0043】
なお、本実施形態の地盤補強部材10は、内部に充填される充填材26のうち、水分のみが袋体外部の地盤に浸出するような目の粗さを有する織布や不織布、又は微細な孔が設けられた不透水性の膜を用いることとしたが、これに限らず、水分が浸出しない袋体を用いてもよい。この場合、充填材26として、水分を含有したままで固化可能な水硬性のコンクリート等を用いる。
【0044】
また、本実施形態では、地盤補強部材10を用いて盛土20下の軟弱地盤の補強する例を示したが、その他にも鉄道線路や道路等の直下を通過する土被りの浅いトンネルやシールドの補強に適用できる。
【0045】
図5は、鉄道線路と直交して横切るトンネル又はシールドの上部地盤への地盤補強構造の設置例を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は横断面図、同図(c)は縦断面図である。
【0046】
図5に示すように、地盤補強構造40は、上述した地盤補強工法によって、盛土20とトンネル又はシールド50との間の地盤に、トンネル又はシールド50の伸延方向と同じ方向、かつ水平に配置され(同図(c)参照)、トンネル又はシールド50の周囲に複数に亘って構築される(同図(a)及び同図(b)参照)。
【0047】
また、図6は、鉄道線路と斜交して横切るトンネル又はシールドの上部地盤への地盤補強構造の設置例を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は横断面図である。
【0048】
図6に示すように、地盤補強構造40は、上述した図5の場合と異なり、トンネル又はシールド50の伸延方向と直交する方向に配置され(同図(a)及び同図(b)参照)、トンネル又はシールド50の伸延方向に複数に亘って構築される(同図(a)参照)。
【0049】
これは、図5のトンネル又はシールド50が鉄道線路と直交する場合と比べ、図6ではトンネル又はシールド50が鉄道線路と斜交するので、鉄道線路を横切る部分の距離が長くなるため、図5と同様の配置で地盤補強構造40を構築しようとすると、長距離の屈曲孔の削孔と、その屈曲孔への地盤補強部材10の設置が必要となり、施工コスト及び施工時間を要することになることを考慮したためである。
【0050】
また、本実施形態の地盤補強部材10は、屈曲形状の地盤補強構造40を補強することに用いたが、これに限らず、直線形状の地盤補強構造を補強することに用いてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0051】
10 地盤補強部材 14 補強索体
16 注入口 20 盛土
22 屈曲孔 23 ボーリングロッド
24 誘導棒 26 充填材
28 空気抜きホース 30 屈曲貫通孔
40 地盤補強構造 50 トンネル又はシールド
10a 先端部 10b 基端部
S110 屈曲孔の削孔工程 S120 地盤補強部材の設置工程
S130 充填材の充填工程 S210 屈曲貫通孔の削孔工程
S220 地盤補強部材の設置工程 S230 充填材の充填工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤の補強構造であって、
補強対象地盤の一方側の地表面から、他方側の地表面へ貫通するように、補強対象地盤を横切る屈曲貫通孔をボーリングロッドを用いて形成し、
時間の経過とともに固化する充填材が通過できない素材で構成される袋体の開口した側の端部を、前記ボーリングロッドの先端に取り付けて、前記ボーリングロッドを前記屈曲貫通孔から引き抜くことにより前記袋体を前記屈曲貫通孔に引き込んで前記屈曲貫通孔内に設置し、
前記袋体の内部に、前記充填材を流動状態で充填し、この充填材を固化させてなることを特徴とする地盤補強構造。
【請求項2】
前記袋体の素材は、前記充填材に含まれる水分のみを前記袋体外部の地盤に浸出させるような目の粗さを有する織布又は不織布、又は前記充填材に含まれる水分のみを前記袋体外部の地盤に浸出させるような微細な孔が設けられた不透水性材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載の地盤補強構造。
【請求項3】
地盤補強構造の施工方法であって、
補強対象地盤の一方側の地表面から、他方側の地表面へ貫通するように、補強対象地盤を横切る屈曲貫通孔をボーリングロッドを用いて形成し、
時間の経過とともに固化する充填材が通過できない素材で構成される袋体の開口した側の端部を、前記ボーリングロッドの先端に取り付けて、前記ボーリングロッドを前記屈曲貫通孔から引き抜くことにより前記袋体を前記屈曲貫通孔に引き込んで前記屈曲貫通孔内に設置し、
前記袋体の内部に、前記充填材を流動状態で充填し、この充填材を固化させることを特徴とする地盤補強構造の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−158984(P2012−158984A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−123572(P2012−123572)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2007−112207(P2007−112207)の分割
【原出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】