地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造
【課題】連結具の取付け作業を容易にし、保護ブロックの敷設を効率よく行うことができる、地面保護用の保護ブロックを提供する。
【解決手段】保護ブロック2は、法面等の地面に敷設されてその地面を保護する盤状のブロックである。この保護ブロック2は、ブロック本体3と、そのブロック本体3と隣接する他の保護ブロック2のブロック本体3とを連結具5によって連結するための被連結部4とを備える。被連結部4は、ブロック本体3の側面3aから、左右に並んで突出する二本の横延設部4a、4aと、それら横延設部4a、4aから折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部4b、4bと、それら縦延設部4b、4bの上端を繋ぐ繋ぎ部4cとを有する。そこで、隣接する保護ブロック2、2は、被連結部4、4に通される連結具5によって、被連結部4、4同士が連結され、これによって、保護ブロック2、2が互いに連結される。
【解決手段】保護ブロック2は、法面等の地面に敷設されてその地面を保護する盤状のブロックである。この保護ブロック2は、ブロック本体3と、そのブロック本体3と隣接する他の保護ブロック2のブロック本体3とを連結具5によって連結するための被連結部4とを備える。被連結部4は、ブロック本体3の側面3aから、左右に並んで突出する二本の横延設部4a、4aと、それら横延設部4a、4aから折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部4b、4bと、それら縦延設部4b、4bの上端を繋ぐ繋ぎ部4cとを有する。そこで、隣接する保護ブロック2、2は、被連結部4、4に通される連結具5によって、被連結部4、4同士が連結され、これによって、保護ブロック2、2が互いに連結される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、法面等の保護されるべき地面に敷設されてその地面を保護する盤状の保護ブロックおよび地面保護構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、法面等を保護する盤状の保護ブロックとして、図12に示される保護ブロック11があった(例えば、非特許文献1参照)。この保護ブロック11は、角部12、12が面取りされた正方形形状をしており、その角部12には、側面13から突出するようにして連結のためのリング状の被連結部14が設けられていた。そこで、この保護ブロック11の敷設にあたっては、まず保護ブロック11、11が四方に並べられた。そして、並んだ保護ブロック11、11の、1ヶ所に集まる角部12、12において、四つの被連結部14、14に、連結具(図示せず)を通すようにして取り付け、これにより、保護ブロック11、11を互いに連結した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「特殊緑化工法シリーズ」大和クレス株式会社、p.4−11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の保護ブロック11にあっては、被連結部14、14への連結具の取付け作業を、保護ブロック11、11の角部12、12が集まって形成される孔内で行わなければならず、その作業が困難であった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、連結具の取付け作業を容易にし、保護ブロックの敷設を効率よく行うことができる、地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る地面保護用の保護ブロックは、保護されるべき地面に敷設されてその地面を保護する盤状の保護ブロックである。この保護ブロックは、ブロック本体と、そのブロック本体と隣接する他の保護ブロックのブロック本体とを連結具によって連結するための被連結部とを備える。ここで、前記被連結部は、前記ブロック本体の側面から、左右に並んで突出する二本の横延設部と、それら横延設部から折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部と、それら縦延設部の上端を繋ぐ繋ぎ部とを有し、その被連結部の内側を前記連結具が挿通可能となる。
【0007】
この保護ブロックによると、ブロック本体には被連結部が設けられている。そして、隣接する保護ブロックは、被連結部に通される連結具によって、被連結部同士が連結され、これによって、ブロック本体、ひいては保護ブロックが互いに連結される。ここで、被連結部は、繋ぎ部に至る過程で、二本の横延設部から折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部を備えており、これら縦延設部間に連結具を簡単に通すことができる。したがって、被連結部への連結具の取付け作業が容易となる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る地面保護用の保護ブロックは、請求項1に記載の保護ブロックにおいて、前記縦延設部が、前記側面から離れる側に傾くようにして、前記ブロック本体の底面に対して斜め上方に延設される。このように、縦延設部が、ブロック本体の側面から離れる側に傾くようにして斜め上方に延設されることで、ブロック本体側から連結具を縦延設部間に一層簡単に通すことができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る地面保護用の保護ブロックは、請求項1または2に記載の保護ブロックにおいて、前記ブロック本体は、角部が面取りされた方形形状に形成されて、前記被連結部は、前記横延設部が前記角部の面取りされた側面から突出するようにして、前記角部の各々に設けられる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る地面保護構造は、請求項3に記載の保護ブロックが複数、保護されるべき地面に敷設される、地面保護構造である。この地面保護構造は、複数の前記保護ブロックが、その方形形状を形成する辺が向かい合うようにして四方に並び、1ヶ所に集まった四つの前記角部において、前記被連結部に通されて取り付けられる連結具によって、前記保護ブロックの各々が連結される。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る地面保護構造は、請求項4に記載の地面保護構造において、前記連結具は、一対の互いに対向する対向片が一端側で繋がって形成された連結具本体と、その連結具本体の両先端部に架け渡される渡し部材とからなる。そして、1ヶ所に集まった四つの前記角部において、二対の隣合う被連結部の各々に、前記連結具本体の対向片のそれぞれが通され、前記連結具本体の先端部に前記渡し部材が渡されて、前記連結具が前記被連結部に取り付けられる。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造によれば、被連結部が上向きに延設される二本の縦延設部を備えており、これら縦延設部間に連結具を簡単に通すことができ、このため、連結具の取付け作業が容易となり、保護ブロックの敷設を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施の形態の、平面図である。
【図2】同じく、図1における要部拡大図である。
【図3】同じく、図2におけるA−A線による断面図である。
【図4】同じく、保護ブロックの平面図である。
【図5】同じく、保護ブロックの正面図である。
【図6】同じく、図4におけるB矢視拡大図である。
【図7】同じく、図4におけるC−C線による拡大断面図である。
【図8】同じく、連結具の拡大平面図である。
【図9】同じく、連結具の拡大正面図である。
【図10】この発明の他の実施の形態の、図7相当図である。
【図11】この発明のさらに他の実施の形態の、図7相当図である。
【図12】従来の保護ブロックを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明に係る地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図9は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、保護されるべき地面であって、法面とか平坦面とからなる。2は、前記地面1に敷設されてその地面1を保護する盤状の保護ブロックであって、例えば護岸に用いられる。
【0016】
この保護ブロック2は、ブロック本体3と、そのブロック本体3と隣接する他の保護ブロック2のブロック本体3とを連結具5によって連結するための被連結部4とを備える。そして、被連結部4は、ブロック本体3の側面3aから、左右に並んで突出する二本の横延設部4a、4aと、それら横延設部4a、4aから折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部4b、4bと、それら縦延設部4b、4bの上端を繋ぐ繋ぎ部4cとを有して、折り返されるように形成され、その被連結部4の内側を前記連結具5が挿通可能となる。
【0017】
具体的には、保護ブロック2においては、前記ブロック本体3は、例えばコンクリート製である。このブロック本体3は、角部3bが面取りされた方形形状(図示実施の形態においては、正方形形状)に形成されている(図4参照)。詳細には、ブロック本体3は、基板301と、その基板301の上面から突出して石を模した複数の凸部302、302とからなり、それら基板301と凸部302とが、例えばコンクリートによって一体に形成されている。また、基板301には、貫通孔303、303が明けられており、この貫通孔303を介して、基板301上に載せられる客土がブロック本体3下の土と一体化される。
【0018】
前記被連結部4は、図4〜図7に示すように、一部がブロック本体3に埋設された、例えば鋼棒からなるアンカー401によって形成される。すなわち、アンカー401のうちのブロック本体3からの露出部分が、前記被連結部4となる。この被連結部4は、前記横延設部4a、4aがブロック本体3(詳細には、基板301)における角部3bの面取りされた側面3aから突出するようにして、角部3bの各々に設けられている。そして、前記縦延設部4bは、ブロック本体3(詳細には、基板301)の側面3a(図示実施の形態においては、角部3bの側面)から離れる側に傾くようにして、ブロック本体3の底面3cに対して斜め上方に延設されている。
【0019】
また、前記連結具5は、図8および図9に示すように、一対の互いに対向する対向片6a、6aが一端側で繋がって形成された連結具本体6と、その連結具本体6の両先端部6b、6bに架け渡される渡し部材7とからなる。ここで、連結具本体6は、例えば鋼棒からなる。この連結具本体6は、前記対向片6a、6aが、下に凸となるように湾曲して形成されている。そして、連結具本体6の先端部6bには、リング状に曲げられて形成された通孔6cが設けられている。一方、渡し部材7は、ボルト7aおよびナット7bからなる。そこで、ボルト7aが、連結具本体6の先端部6b、6bに設けられた両通孔6c、6cに挿入され、その通孔6cから突出するボルト7aの先端部分にナット7bが締め込まれることにより、渡し部材7は、連結具本体6の両先端部6b、6bに架け渡されて取り付けられる。
【0020】
ところで、符号8は、前記保護ブロック2が複数、保護されるべき地面1に敷設される、地面保護構造である(図1参照)。ここにおいて、複数の前記保護ブロック2、2は、その方形形状(図示実施の形態においては、正方形形状)を形成する辺が向かい合うようにして四方に並び、1ヶ所に集まった四つの前記角部3b、3bにおいて、被連結部4に通されて取り付けられる連結具5によって、保護ブロック2、2の各々が連結される(図2、図3参照)。詳細には、1ヶ所に集まった四つの角部3b、3bにおいて、二対の隣合う被連結部4、4の各々に、連結具本体6の対向片6a、6aのそれぞれが通され、連結具本体6の先端部6b、6bに渡し部材7が渡されて、連結具本体6と渡し部材7とからなる連結具5が被連結部4、4に取り付けられる。
【0021】
次に、以上の構成からなる保護ブロック2および地面保護構造8の作用効果について説明する。保護ブロック2におけるブロック本体3には連結のための被連結部4が設けられている。そして、隣接する保護ブロック2、2は、被連結部4、4に通される連結具5によって、被連結部4、4同士が連結され、これによって、ブロック本体3、3、ひいては保護ブロック2、2が互いに連結される。ここで、被連結部4は、先端の繋ぎ部4cに至る過程で、二本の横延設部4a、4aから折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部4b、4bを備えており、これら縦延設部4b、4b間に連結具5を簡単に通すことができる。このため、被連結部4、4への連結具5の取付け作業が容易となり、保護ブロック2、2の敷設を効率よく行うことができる。
【0022】
また、特に、被連結部4における縦延設部4b、4bが、ブロック本体3の側面3aから離れる側に傾くようにして斜め上方に延設されている。このため、ブロック本体3側から連結具5を縦延設部4b、4b間に一層簡単に通すことができる。
【0023】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、保護ブロック2は、護岸に用いられる他に、山の法面等を保護するために用いられてもよい。
【0024】
また、保護ブロック2の被連結部4における縦延設部4b、4bは、ブロック本体3の側面3aから離れる側に傾くようにして、ブロック本体3の底面3cに対して斜め上方に延設されるが、図10に示すように、縦延設部4b、4bは、ブロック本体3の底面3cに対して、上方に垂直に延設されてもよい。また、図11に示すように、縦延設部4b、4bは、ブロック本体3の側面3aに近づく側に傾くようにして、ブロック本体3の底面3cに対して斜め上方に延設されてもよい。
【0025】
また、ブロック本体3は、基板301上に、石を模した凸部302を備えるが、この凸部302は無くともよい。また、ブロック本体3は、正方形形状でなくとも、長方形形状等、その他の形状であってもよい。
【0026】
また、被連結部4は、ブロック本体3の角部3b、3bの各々に設けられなくとも、一部の角部3b、3bに設けられてもよい。また、この被連結部4は、角部3bに設けられなくとも、角部3b以外の、ブロック本体3の側面から突出するように設けられてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 地面
2 保護ブロック
3 ブロック本体
3a 側面
3b 角部
3c 底面
4 被連結部
4a 横延設部
4b 縦延設部
4c 繋ぎ部
5 連結具
6 連結具本体
6b 先端部
7 渡し部材
8 地面保護構造
【技術分野】
【0001】
この発明は、法面等の保護されるべき地面に敷設されてその地面を保護する盤状の保護ブロックおよび地面保護構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、法面等を保護する盤状の保護ブロックとして、図12に示される保護ブロック11があった(例えば、非特許文献1参照)。この保護ブロック11は、角部12、12が面取りされた正方形形状をしており、その角部12には、側面13から突出するようにして連結のためのリング状の被連結部14が設けられていた。そこで、この保護ブロック11の敷設にあたっては、まず保護ブロック11、11が四方に並べられた。そして、並んだ保護ブロック11、11の、1ヶ所に集まる角部12、12において、四つの被連結部14、14に、連結具(図示せず)を通すようにして取り付け、これにより、保護ブロック11、11を互いに連結した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「特殊緑化工法シリーズ」大和クレス株式会社、p.4−11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の保護ブロック11にあっては、被連結部14、14への連結具の取付け作業を、保護ブロック11、11の角部12、12が集まって形成される孔内で行わなければならず、その作業が困難であった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、連結具の取付け作業を容易にし、保護ブロックの敷設を効率よく行うことができる、地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る地面保護用の保護ブロックは、保護されるべき地面に敷設されてその地面を保護する盤状の保護ブロックである。この保護ブロックは、ブロック本体と、そのブロック本体と隣接する他の保護ブロックのブロック本体とを連結具によって連結するための被連結部とを備える。ここで、前記被連結部は、前記ブロック本体の側面から、左右に並んで突出する二本の横延設部と、それら横延設部から折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部と、それら縦延設部の上端を繋ぐ繋ぎ部とを有し、その被連結部の内側を前記連結具が挿通可能となる。
【0007】
この保護ブロックによると、ブロック本体には被連結部が設けられている。そして、隣接する保護ブロックは、被連結部に通される連結具によって、被連結部同士が連結され、これによって、ブロック本体、ひいては保護ブロックが互いに連結される。ここで、被連結部は、繋ぎ部に至る過程で、二本の横延設部から折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部を備えており、これら縦延設部間に連結具を簡単に通すことができる。したがって、被連結部への連結具の取付け作業が容易となる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る地面保護用の保護ブロックは、請求項1に記載の保護ブロックにおいて、前記縦延設部が、前記側面から離れる側に傾くようにして、前記ブロック本体の底面に対して斜め上方に延設される。このように、縦延設部が、ブロック本体の側面から離れる側に傾くようにして斜め上方に延設されることで、ブロック本体側から連結具を縦延設部間に一層簡単に通すことができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る地面保護用の保護ブロックは、請求項1または2に記載の保護ブロックにおいて、前記ブロック本体は、角部が面取りされた方形形状に形成されて、前記被連結部は、前記横延設部が前記角部の面取りされた側面から突出するようにして、前記角部の各々に設けられる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る地面保護構造は、請求項3に記載の保護ブロックが複数、保護されるべき地面に敷設される、地面保護構造である。この地面保護構造は、複数の前記保護ブロックが、その方形形状を形成する辺が向かい合うようにして四方に並び、1ヶ所に集まった四つの前記角部において、前記被連結部に通されて取り付けられる連結具によって、前記保護ブロックの各々が連結される。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る地面保護構造は、請求項4に記載の地面保護構造において、前記連結具は、一対の互いに対向する対向片が一端側で繋がって形成された連結具本体と、その連結具本体の両先端部に架け渡される渡し部材とからなる。そして、1ヶ所に集まった四つの前記角部において、二対の隣合う被連結部の各々に、前記連結具本体の対向片のそれぞれが通され、前記連結具本体の先端部に前記渡し部材が渡されて、前記連結具が前記被連結部に取り付けられる。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造によれば、被連結部が上向きに延設される二本の縦延設部を備えており、これら縦延設部間に連結具を簡単に通すことができ、このため、連結具の取付け作業が容易となり、保護ブロックの敷設を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施の形態の、平面図である。
【図2】同じく、図1における要部拡大図である。
【図3】同じく、図2におけるA−A線による断面図である。
【図4】同じく、保護ブロックの平面図である。
【図5】同じく、保護ブロックの正面図である。
【図6】同じく、図4におけるB矢視拡大図である。
【図7】同じく、図4におけるC−C線による拡大断面図である。
【図8】同じく、連結具の拡大平面図である。
【図9】同じく、連結具の拡大正面図である。
【図10】この発明の他の実施の形態の、図7相当図である。
【図11】この発明のさらに他の実施の形態の、図7相当図である。
【図12】従来の保護ブロックを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明に係る地面保護用の保護ブロックおよび地面保護構造を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図9は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、保護されるべき地面であって、法面とか平坦面とからなる。2は、前記地面1に敷設されてその地面1を保護する盤状の保護ブロックであって、例えば護岸に用いられる。
【0016】
この保護ブロック2は、ブロック本体3と、そのブロック本体3と隣接する他の保護ブロック2のブロック本体3とを連結具5によって連結するための被連結部4とを備える。そして、被連結部4は、ブロック本体3の側面3aから、左右に並んで突出する二本の横延設部4a、4aと、それら横延設部4a、4aから折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部4b、4bと、それら縦延設部4b、4bの上端を繋ぐ繋ぎ部4cとを有して、折り返されるように形成され、その被連結部4の内側を前記連結具5が挿通可能となる。
【0017】
具体的には、保護ブロック2においては、前記ブロック本体3は、例えばコンクリート製である。このブロック本体3は、角部3bが面取りされた方形形状(図示実施の形態においては、正方形形状)に形成されている(図4参照)。詳細には、ブロック本体3は、基板301と、その基板301の上面から突出して石を模した複数の凸部302、302とからなり、それら基板301と凸部302とが、例えばコンクリートによって一体に形成されている。また、基板301には、貫通孔303、303が明けられており、この貫通孔303を介して、基板301上に載せられる客土がブロック本体3下の土と一体化される。
【0018】
前記被連結部4は、図4〜図7に示すように、一部がブロック本体3に埋設された、例えば鋼棒からなるアンカー401によって形成される。すなわち、アンカー401のうちのブロック本体3からの露出部分が、前記被連結部4となる。この被連結部4は、前記横延設部4a、4aがブロック本体3(詳細には、基板301)における角部3bの面取りされた側面3aから突出するようにして、角部3bの各々に設けられている。そして、前記縦延設部4bは、ブロック本体3(詳細には、基板301)の側面3a(図示実施の形態においては、角部3bの側面)から離れる側に傾くようにして、ブロック本体3の底面3cに対して斜め上方に延設されている。
【0019】
また、前記連結具5は、図8および図9に示すように、一対の互いに対向する対向片6a、6aが一端側で繋がって形成された連結具本体6と、その連結具本体6の両先端部6b、6bに架け渡される渡し部材7とからなる。ここで、連結具本体6は、例えば鋼棒からなる。この連結具本体6は、前記対向片6a、6aが、下に凸となるように湾曲して形成されている。そして、連結具本体6の先端部6bには、リング状に曲げられて形成された通孔6cが設けられている。一方、渡し部材7は、ボルト7aおよびナット7bからなる。そこで、ボルト7aが、連結具本体6の先端部6b、6bに設けられた両通孔6c、6cに挿入され、その通孔6cから突出するボルト7aの先端部分にナット7bが締め込まれることにより、渡し部材7は、連結具本体6の両先端部6b、6bに架け渡されて取り付けられる。
【0020】
ところで、符号8は、前記保護ブロック2が複数、保護されるべき地面1に敷設される、地面保護構造である(図1参照)。ここにおいて、複数の前記保護ブロック2、2は、その方形形状(図示実施の形態においては、正方形形状)を形成する辺が向かい合うようにして四方に並び、1ヶ所に集まった四つの前記角部3b、3bにおいて、被連結部4に通されて取り付けられる連結具5によって、保護ブロック2、2の各々が連結される(図2、図3参照)。詳細には、1ヶ所に集まった四つの角部3b、3bにおいて、二対の隣合う被連結部4、4の各々に、連結具本体6の対向片6a、6aのそれぞれが通され、連結具本体6の先端部6b、6bに渡し部材7が渡されて、連結具本体6と渡し部材7とからなる連結具5が被連結部4、4に取り付けられる。
【0021】
次に、以上の構成からなる保護ブロック2および地面保護構造8の作用効果について説明する。保護ブロック2におけるブロック本体3には連結のための被連結部4が設けられている。そして、隣接する保護ブロック2、2は、被連結部4、4に通される連結具5によって、被連結部4、4同士が連結され、これによって、ブロック本体3、3、ひいては保護ブロック2、2が互いに連結される。ここで、被連結部4は、先端の繋ぎ部4cに至る過程で、二本の横延設部4a、4aから折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部4b、4bを備えており、これら縦延設部4b、4b間に連結具5を簡単に通すことができる。このため、被連結部4、4への連結具5の取付け作業が容易となり、保護ブロック2、2の敷設を効率よく行うことができる。
【0022】
また、特に、被連結部4における縦延設部4b、4bが、ブロック本体3の側面3aから離れる側に傾くようにして斜め上方に延設されている。このため、ブロック本体3側から連結具5を縦延設部4b、4b間に一層簡単に通すことができる。
【0023】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、保護ブロック2は、護岸に用いられる他に、山の法面等を保護するために用いられてもよい。
【0024】
また、保護ブロック2の被連結部4における縦延設部4b、4bは、ブロック本体3の側面3aから離れる側に傾くようにして、ブロック本体3の底面3cに対して斜め上方に延設されるが、図10に示すように、縦延設部4b、4bは、ブロック本体3の底面3cに対して、上方に垂直に延設されてもよい。また、図11に示すように、縦延設部4b、4bは、ブロック本体3の側面3aに近づく側に傾くようにして、ブロック本体3の底面3cに対して斜め上方に延設されてもよい。
【0025】
また、ブロック本体3は、基板301上に、石を模した凸部302を備えるが、この凸部302は無くともよい。また、ブロック本体3は、正方形形状でなくとも、長方形形状等、その他の形状であってもよい。
【0026】
また、被連結部4は、ブロック本体3の角部3b、3bの各々に設けられなくとも、一部の角部3b、3bに設けられてもよい。また、この被連結部4は、角部3bに設けられなくとも、角部3b以外の、ブロック本体3の側面から突出するように設けられてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 地面
2 保護ブロック
3 ブロック本体
3a 側面
3b 角部
3c 底面
4 被連結部
4a 横延設部
4b 縦延設部
4c 繋ぎ部
5 連結具
6 連結具本体
6b 先端部
7 渡し部材
8 地面保護構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護されるべき地面に敷設されてその地面を保護する盤状の保護ブロックであって、
ブロック本体と、そのブロック本体と隣接する他の保護ブロックのブロック本体とを連結具によって連結するための被連結部とを備え、
前記被連結部は、前記ブロック本体の側面から、左右に並んで突出する二本の横延設部と、それら横延設部から折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部と、それら縦延設部の上端を繋ぐ繋ぎ部とを有し、その被連結部の内側を前記連結具が挿通可能となる、地面保護用の保護ブロック。
【請求項2】
前記縦延設部は、前記側面から離れる側に傾くようにして、前記ブロック本体の底面に対して斜め上方に延設されている、請求項1に記載の地面保護用の保護ブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体は、角部が面取りされた方形形状に形成されて、
前記被連結部は、前記横延設部が前記角部の面取りされた側面から突出するようにして、前記角部の各々に設けられている、請求項1または2に記載の地面保護用の保護ブロック。
【請求項4】
請求項3に記載の保護ブロックが複数、保護されるべき地面に敷設される、地面保護構造であって、
複数の前記保護ブロックは、その方形形状を形成する辺が向かい合うようにして四方に並び、1ヶ所に集まった四つの前記角部において、前記被連結部に通されて取り付けられる連結具によって、前記保護ブロックの各々が連結される、地面保護構造。
【請求項5】
前記連結具は、一対の互いに対向する対向片が一端側で繋がって形成された連結具本体と、その連結具本体の両先端部に架け渡される渡し部材とからなり、
1ヶ所に集まった四つの前記角部において、二対の隣合う被連結部の各々に、前記連結具本体の対向片のそれぞれが通され、前記連結具本体の先端部に前記渡し部材が渡されて、前記連結具が前記被連結部に取り付けられる、請求項4に記載の地面保護構造。
【請求項1】
保護されるべき地面に敷設されてその地面を保護する盤状の保護ブロックであって、
ブロック本体と、そのブロック本体と隣接する他の保護ブロックのブロック本体とを連結具によって連結するための被連結部とを備え、
前記被連結部は、前記ブロック本体の側面から、左右に並んで突出する二本の横延設部と、それら横延設部から折れ曲がって上向きに延設される二本の縦延設部と、それら縦延設部の上端を繋ぐ繋ぎ部とを有し、その被連結部の内側を前記連結具が挿通可能となる、地面保護用の保護ブロック。
【請求項2】
前記縦延設部は、前記側面から離れる側に傾くようにして、前記ブロック本体の底面に対して斜め上方に延設されている、請求項1に記載の地面保護用の保護ブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体は、角部が面取りされた方形形状に形成されて、
前記被連結部は、前記横延設部が前記角部の面取りされた側面から突出するようにして、前記角部の各々に設けられている、請求項1または2に記載の地面保護用の保護ブロック。
【請求項4】
請求項3に記載の保護ブロックが複数、保護されるべき地面に敷設される、地面保護構造であって、
複数の前記保護ブロックは、その方形形状を形成する辺が向かい合うようにして四方に並び、1ヶ所に集まった四つの前記角部において、前記被連結部に通されて取り付けられる連結具によって、前記保護ブロックの各々が連結される、地面保護構造。
【請求項5】
前記連結具は、一対の互いに対向する対向片が一端側で繋がって形成された連結具本体と、その連結具本体の両先端部に架け渡される渡し部材とからなり、
1ヶ所に集まった四つの前記角部において、二対の隣合う被連結部の各々に、前記連結具本体の対向片のそれぞれが通され、前記連結具本体の先端部に前記渡し部材が渡されて、前記連結具が前記被連結部に取り付けられる、請求項4に記載の地面保護構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−174610(P2010−174610A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41434(P2009−41434)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(501002149)有限会社ダラーニ (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(501002149)有限会社ダラーニ (4)
【Fターム(参考)】
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