均圧装置を有する容器の蓋
本発明は容器、特に飲料缶の蓋(100)に関し、蓋は、密閉位置から開放位置まで作動要素(110)を介して動かすことができる密閉要素(120)によって密閉可能な注入開口部を含み、均圧開口部(123)を有する均圧開口装置が設けられ、均圧開口装置は作動要素(110)と相互に作用する。作動要素(110)が密閉位置にある際、均圧開口部(123)を密閉するための密閉要素は、密閉位置から開放位置に作動要素(110)を移動させる際に、均圧開口部(123)を外す。密閉要素は可撓性材料から作られたチューブ要素(124)として設計され、均圧開口部(123)に連結される。チューブ要素(124)は、作動要素(110)が密閉位置にある際に、可逆的な断面収縮によって気体密封および/または流体密封するように密閉される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器、特に飲料缶の蓋に関し、蓋は、ほぼ平らな蓋表面と蓋表面に配された少なくとも1つの注入開口部を含み、注入開口部は、少なくとも1つの密閉要素によって気体密封および/または流体密封するように密閉可能であり、密閉要素は密閉位置から開放位置まで作動要素を介して動かすことができ、蓋はさらに、作動要素と連動する少なくとも1つの均圧開口部を備えた少なくとも1つの均圧装置を含み、少なくとも1つの密閉要素は、密閉位置の作動要素の位置にある間、均圧開口部を密閉するために設けられ、少なくとも1つの均圧開口部は密閉位置から開放位置まで作動要素の動きにさらされる。
【背景技術】
【0002】
容器、特に飲料缶は、炭酸飲料で満たされることがほとんどであり、飲料缶内の圧力は6バールにまでなることがある。そのような圧力容器が例えば、プルタブによって開けられる際、缶内の圧力は急激に低下し、流体は往々にして缶から吹き出る。この急激な均圧化は汚してしまう可能性があるため好ましくないので、これを防ぐ装置が開発された。
【0003】
特許文献1は、開口部の上に設けられた通気孔を備えた補助蓋を含む飲料缶用の蓋について記載しており、補助蓋は、開口蓋を缶に押し込むことによって飲料缶を開ける際に、缶の中身が補助蓋を介して吹き出るのを防ぐ。飲料缶を空にするために、補助蓋をその後取り除く必要がある。
【0004】
飲料缶の急激なガス抜きを減らすさらなる可能性は、徐々に缶の開口部を露出させることである。缶の密閉にかかるそのような手順が特許文献2に記載されている。この場合、基板は、缶の開口部を露出させるために、缶を開ける間に徐々に少しずつカムプロフィールの上に下げられる。
【0005】
さらに、食料品容器のための回転式の密閉部が特許文献3に記載され、密閉部は、缶を開ける際に露出される缶の密閉部内の均圧開口部として実現される均圧装置を含む。
【0006】
特許文献4は、飲料缶開口部を露出させて再密封するために、固定および滑動要素を含む、作動要素が設けられた、上記のタイプの飲料缶容器の密閉装置について記載している。この装置の不利な態様は、最初に開けた後、特に長い時間がたった後の、実際問題としてのその複雑な構造と不十分な気体密閉である。
【0007】
当該技術分野の現状で記載された解決策は、缶の中身が外側に噴き出ることに対する限られた対策のみを提供するか、または、非常に複雑であり、したがって、非常に高価なやりかたで配置されるかのいずれかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,370,262A号
【特許文献2】WO2007/128810A1号
【特許文献3】欧州特許第1708930B1号
【特許文献4】欧州特許第1796974B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、当該技術分野の現状の前述した障害を取り除き、かつ、容器を開ける間の安全なガス抜きを可能にする容器の蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、少なくとも1つの密閉要素が、可撓性材料で作られたチューブ要素として配置され、かつ、少なくとも1つの均圧開口部に接続され、チューブ要素は、少なくとも1つの作動要素が密閉位置にある際に、可逆的な断面収縮(reversible cross−sectional constriction)によって気体密封および/または流体密封するように密閉されるような方法で、上記のようなタイプの蓋によって、本発明に従って達成される。チューブ要素の長手軸は、この場合、通常は蓋の表面にまで伸長可能であるか、または、蓋の表面に対してほとんど平行である。飲料缶、および、これに関して、その密閉装置は、缶の内側の高圧力に耐えなければならない。その結果、6バール以上の圧力が、飲料缶を充填して密閉した後に続く低温殺菌中で生じ、圧力は特に均圧装置によって維持されなければならない。同様の状況が、50°C以上の高温環境下(例えば、太陽に晒された車内)での飲料缶の保存時に起こる。
【0011】
本発明に従った蓋では、チューブ要素は作動要素の密閉位置への移動の間に上方に曲げられ、それによって、密閉装置の密閉と開放を容易にするのが特に好ましい。チューブ要素の曲げは、均圧開口部に高い密閉圧をかけ、その開口部は、とりわけ一時的または永久的に発生する飲料缶の内部の高圧に持ちこたえる。同時に、密閉装置の全体的な高さは低いままである。なぜなら、本発明に従った密閉装置の要素が、それらの寸法に対して非常に小さなまま維持されるからである。特に、それは飲料缶のビーズの付いた先端を超えて突出せず、このことは、生産目的から見て飲料産業では非常に望ましくないことである。
【0012】
チューブ要素は、作動要素と連動する操作要素を介して密封されるのが特に好ましい。前記操作要素は、特に飲料缶を開けて再密封するためにユーザーによって使用される作動要素と、気体密封および/または流体密封するように密閉位置で注入開口部を密封する密閉要素との間の、連結部材を表すのが一般的である。この場合、操作要素はチューブ要素に直接的または間接的に働きかけるようなやり方で形成されるのが好ましい。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態では、操作要素は、作動要素の密閉位置でチューブ要素を密閉する少なくとも1つの偏向要素を含む。特に少なくともわずかな弾性材料で作られる偏向要素は、チューブ要素に弾性的にまたは剛性的に働きかけ、チューブ要素が曲がるまでずっと断面収縮によってチューブ要素を密閉する。
【0014】
密閉装置の特に単純な構造は、作動要素と操作要素が一体的に配置され、好ましくはプラスチックで作られる際に得られる。
【0015】
この代わりとして、操作要素が作動要素に取り外し可能なように連結され、それは、密閉装置の取り付けを著しく簡略化する。
【0016】
少なくとも1つの作動要素が蓋に対してほぼ直線的かつ平行になるようなやりかたで動かすことができる際に、特に開けやすく、かつ、とりわけ飲料缶向けに高さの低い再密封可能な密閉装置が得られる。この代わりとして、少なくとも1つの作動要素を蓋表面に対してねじることができる。
【0017】
密閉要素は、特に好ましくは、蓋に対してほぼ垂直に枢動可能な注入開口部を密閉するために設けられる。この場合、均圧開口部はとりわけ作動要素内に配され、好ましくは、均圧開口部は密閉要素の周辺密封部と連結した密封部を有する。密閉要素の周辺密封部は、密閉要素の密閉装置での流体および/または気体、特に炭酸の漏れを防ぐために設けられる。
【0018】
均圧開口部の密封部が、とりわけ、適切な二要素の射出成型法(two−component injection molding method)によって、密閉要素の周辺密封部と一体的に配される際に、密閉要素の単純生産が可能となる。
【0019】
本発明による蓋は、その注入開口部が再密封可能な容器に特に適している。
【0020】
本発明は、図で示された非限定的な実施形態を引用することによって以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1a】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1b】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1c】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1d】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1e】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1f】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1g】本発明の第1の実施形態を示す。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1乃至1gは、本発明の第1の実施形態を示す。例えば、飲料缶に設けられるような、蓋表面(101)とビーズが付いた先端(102)を備える蓋(100)は、蓋表面(101)の真下に配された密閉要素(120)によって密封可能かつ露出可能な注入開口部(103)を有する蓋(100)とともに設けられる。密閉要素(120)は、密閉要素(120)と連結した作動要素(103)が図1a乃至図1eに示すような密閉位置にある際に、気体密封および/または流体密封するように注入開口部(103)を密封する。
【0023】
密閉要素(120)は、作動要素(110)と連動する操作要素(111)のためのレシーバ(121)を含み、作動要素において、操作要素(111)は上昇する傾斜(run−up slope)(122)に沿って移動させることができる。
【0024】
チューブ要素(124)はレシーバ(121)内に設けられ、チューブ要素(124)は、密閉要素(120)の均圧開口部(123)と連結している。作動要素(110)が密閉位置にある場合(図1a、図1e)にある場合、可撓性材料で作られるチューブ要素(124)は、チューブ要素(124)の断面が変わり、容器の周辺環境との均圧開口部(123)の連結がそれによって遮られるような方法で(図1e)、操作要素(111)に配された偏向要素(112)によって上方へ曲げられる(図1b、図1e)。この一重または多重の折り畳みによって、均圧開口部(123)の気体密封および/または流体密封がもたらされる。
【0025】
チューブ要素(124)は、この実施形態では密閉要素(120)の上昇傾斜(122)上に配され、折りたたまれたチューブ要素(124)は、図1eの矢印の方向に作動要素(110)を移動させることによって操作要素(111)の偏向要素(112)により最初に取り外され、そうして、チューブ要素(124)は自らの弾性特性の結果として、その上に上がるようになり、均圧開口部(123)は注入開口部(103)を開けることなくそれによって外される(図1f)。圧力をかけられた飲料缶の均圧は、缶の中身を噴き出させることなく周辺環境とともにこのようにして起こる。なぜなら、作動要素(110)が任意に噴き出し保護として再度働きかけるためである。
【0026】
作動要素(110)のさらなる移動後にのみ、注入開口部(103)は、密閉要素(120)の枢動によって最終的に外され(図1g)、その前の均圧開口の結果として、容器が依然として加圧されていた場合よりも低い力が飲料開口部の露出のために必要となる。
【0027】
図2乃至5は、本発明の第2の変更形態を示す。図2は、作動要素(110)の好ましい実施形態を示し、作動要素(110)は二面摺動部(a two−part slide)として配され、注入開口部(103)と均圧開口部(123)はこの例示において密封される。
【0028】
飲料缶を開けるためには、摺動要素(110c)を動かすこと(結果的に、操作要素(111)を動かすこと)によって缶を実質的にガス抜きさせるべく、および、同時にあるいはその後の工程で注入開口部(103)を露出させるべく(図5および6)、固定要素(110a)を持ち上げるか、または、枢動させる必要がある(図3および4)。
【0029】
均圧開口部(123)は密閉要素(120)内に配され、均圧開口部(123)は、均圧開口部(123)を密封するとともに、密閉要素(120)の周辺密封部(131)と一体的なるように弾性材料で作られた弾性密封部(130)を含む。同様に弾性材料で作られたチューブ要素は、作動要素(110)が密閉位置にある際に、操作要素(111)の偏向要素(112)によって密封される(図2)。例えば、この場合、偏向要素(112)は、密閉要素(120)の表面上の隆起物などのガイド要素を介してチューブ要素(124)に対して押圧される。チューブ要素(124)は圧迫されるか上方に折り重ねられ、こうして、均圧開口部の気体密封部および流体密封部を突出させる。
【0030】
容器の密閉装置を開ける間に、操作要素(111)は偏向要素(112)がチューブ要素(124)から離れるように置かれ、そうすることで、チューブ要素(124)は自らの弾性特性の結果として再度拡張するか、または、上に上がり、均圧開口部(123)が周辺環境と接触するようになり、均圧が生じる。
【0031】
本発明の特に好ましい実施形態で、飲料缶のガス抜きは作動要素(110)の配置前に既に生じ、その結果、密閉要素(120)はガス抜き工程の間は、依然として密閉位置にとどまるようになる。固定要素(110a)のピン(110b)は、作動要素(110)の密閉位置において、均圧開口部(123)のすぐ近くにある密閉要素(120)のレシーバ(125)に留められ、その結果として、偏向要素(112)はわずかに曲げられてチューブ要素(124)に対して押圧され、偏向要素(112)は、同時に、先に説明したようなやり方で、特に、折り畳まれて(図示されず)密封される。
【0032】
固定要素(110a)が図3の矢印にしたがって持ち上げられると、ピン(110b)はレシーバ(125)から引かれて、偏向要素(112)が外される。
【0033】
図3aは、平面図における本発明と一致する密閉装置を示し、蓋表面(101)と作動要素(110)の図は、構造の明瞭さを改善する目的のために図では省いている。この図は、固定要素(110a)が既にもち上げられたことで、特定の弾性を有する偏向要素(112)が直線状に並べられ、均圧開口部(123)が再度外された状態を示す。
【0034】
図4と5は、密閉要素(120)が同時に缶の内側に枢動し、それによって容器が空になる間に、作動要素(110)の摺動要素(110c)の配置の結果として、注入開口部(103)がどのようにして外されるのかを示している。
【0035】
図6は、図3aに類似した本発明の第3の変更形態を示し、作動要素(110)は、作動要素(110)の密閉位置でチューブ要素(124)に働きかける2つの偏向要素(112と112’)を有する。この点に関して、2つの偏向要素(112と112’)は、固定要素(110a)の2つのピン(110c)をレシーバ(125および125’)に留めることによって、チューブ要素(124)に対して動かされ、その方法によりチューブ要素(124)の断面の圧縮が行われ、その結果、均圧開口部(123)の密封が行われる。
【0036】
本発明は上記の実施形態には限定されないことが理解される。均圧開口部は弾性材料で作られたチューブ要素と連結しており、作動要素の密閉位置にあるチューブ要素は、気体密封および流体密封するようなやり方で、たとえ高気圧下でも、作動要素の密閉位置にある均圧開口部を密封するということが本発明に適切である。上記のような操作要素の偏向要素をこの目的のために使用する必要はない。作動要素がチューブ要素に直接働きかけるか、または、作動要素と操作要素が一体的に配置されることも同様に提供される。
【技術分野】
【0001】
本発明は容器、特に飲料缶の蓋に関し、蓋は、ほぼ平らな蓋表面と蓋表面に配された少なくとも1つの注入開口部を含み、注入開口部は、少なくとも1つの密閉要素によって気体密封および/または流体密封するように密閉可能であり、密閉要素は密閉位置から開放位置まで作動要素を介して動かすことができ、蓋はさらに、作動要素と連動する少なくとも1つの均圧開口部を備えた少なくとも1つの均圧装置を含み、少なくとも1つの密閉要素は、密閉位置の作動要素の位置にある間、均圧開口部を密閉するために設けられ、少なくとも1つの均圧開口部は密閉位置から開放位置まで作動要素の動きにさらされる。
【背景技術】
【0002】
容器、特に飲料缶は、炭酸飲料で満たされることがほとんどであり、飲料缶内の圧力は6バールにまでなることがある。そのような圧力容器が例えば、プルタブによって開けられる際、缶内の圧力は急激に低下し、流体は往々にして缶から吹き出る。この急激な均圧化は汚してしまう可能性があるため好ましくないので、これを防ぐ装置が開発された。
【0003】
特許文献1は、開口部の上に設けられた通気孔を備えた補助蓋を含む飲料缶用の蓋について記載しており、補助蓋は、開口蓋を缶に押し込むことによって飲料缶を開ける際に、缶の中身が補助蓋を介して吹き出るのを防ぐ。飲料缶を空にするために、補助蓋をその後取り除く必要がある。
【0004】
飲料缶の急激なガス抜きを減らすさらなる可能性は、徐々に缶の開口部を露出させることである。缶の密閉にかかるそのような手順が特許文献2に記載されている。この場合、基板は、缶の開口部を露出させるために、缶を開ける間に徐々に少しずつカムプロフィールの上に下げられる。
【0005】
さらに、食料品容器のための回転式の密閉部が特許文献3に記載され、密閉部は、缶を開ける際に露出される缶の密閉部内の均圧開口部として実現される均圧装置を含む。
【0006】
特許文献4は、飲料缶開口部を露出させて再密封するために、固定および滑動要素を含む、作動要素が設けられた、上記のタイプの飲料缶容器の密閉装置について記載している。この装置の不利な態様は、最初に開けた後、特に長い時間がたった後の、実際問題としてのその複雑な構造と不十分な気体密閉である。
【0007】
当該技術分野の現状で記載された解決策は、缶の中身が外側に噴き出ることに対する限られた対策のみを提供するか、または、非常に複雑であり、したがって、非常に高価なやりかたで配置されるかのいずれかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,370,262A号
【特許文献2】WO2007/128810A1号
【特許文献3】欧州特許第1708930B1号
【特許文献4】欧州特許第1796974B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、当該技術分野の現状の前述した障害を取り除き、かつ、容器を開ける間の安全なガス抜きを可能にする容器の蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、少なくとも1つの密閉要素が、可撓性材料で作られたチューブ要素として配置され、かつ、少なくとも1つの均圧開口部に接続され、チューブ要素は、少なくとも1つの作動要素が密閉位置にある際に、可逆的な断面収縮(reversible cross−sectional constriction)によって気体密封および/または流体密封するように密閉されるような方法で、上記のようなタイプの蓋によって、本発明に従って達成される。チューブ要素の長手軸は、この場合、通常は蓋の表面にまで伸長可能であるか、または、蓋の表面に対してほとんど平行である。飲料缶、および、これに関して、その密閉装置は、缶の内側の高圧力に耐えなければならない。その結果、6バール以上の圧力が、飲料缶を充填して密閉した後に続く低温殺菌中で生じ、圧力は特に均圧装置によって維持されなければならない。同様の状況が、50°C以上の高温環境下(例えば、太陽に晒された車内)での飲料缶の保存時に起こる。
【0011】
本発明に従った蓋では、チューブ要素は作動要素の密閉位置への移動の間に上方に曲げられ、それによって、密閉装置の密閉と開放を容易にするのが特に好ましい。チューブ要素の曲げは、均圧開口部に高い密閉圧をかけ、その開口部は、とりわけ一時的または永久的に発生する飲料缶の内部の高圧に持ちこたえる。同時に、密閉装置の全体的な高さは低いままである。なぜなら、本発明に従った密閉装置の要素が、それらの寸法に対して非常に小さなまま維持されるからである。特に、それは飲料缶のビーズの付いた先端を超えて突出せず、このことは、生産目的から見て飲料産業では非常に望ましくないことである。
【0012】
チューブ要素は、作動要素と連動する操作要素を介して密封されるのが特に好ましい。前記操作要素は、特に飲料缶を開けて再密封するためにユーザーによって使用される作動要素と、気体密封および/または流体密封するように密閉位置で注入開口部を密封する密閉要素との間の、連結部材を表すのが一般的である。この場合、操作要素はチューブ要素に直接的または間接的に働きかけるようなやり方で形成されるのが好ましい。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態では、操作要素は、作動要素の密閉位置でチューブ要素を密閉する少なくとも1つの偏向要素を含む。特に少なくともわずかな弾性材料で作られる偏向要素は、チューブ要素に弾性的にまたは剛性的に働きかけ、チューブ要素が曲がるまでずっと断面収縮によってチューブ要素を密閉する。
【0014】
密閉装置の特に単純な構造は、作動要素と操作要素が一体的に配置され、好ましくはプラスチックで作られる際に得られる。
【0015】
この代わりとして、操作要素が作動要素に取り外し可能なように連結され、それは、密閉装置の取り付けを著しく簡略化する。
【0016】
少なくとも1つの作動要素が蓋に対してほぼ直線的かつ平行になるようなやりかたで動かすことができる際に、特に開けやすく、かつ、とりわけ飲料缶向けに高さの低い再密封可能な密閉装置が得られる。この代わりとして、少なくとも1つの作動要素を蓋表面に対してねじることができる。
【0017】
密閉要素は、特に好ましくは、蓋に対してほぼ垂直に枢動可能な注入開口部を密閉するために設けられる。この場合、均圧開口部はとりわけ作動要素内に配され、好ましくは、均圧開口部は密閉要素の周辺密封部と連結した密封部を有する。密閉要素の周辺密封部は、密閉要素の密閉装置での流体および/または気体、特に炭酸の漏れを防ぐために設けられる。
【0018】
均圧開口部の密封部が、とりわけ、適切な二要素の射出成型法(two−component injection molding method)によって、密閉要素の周辺密封部と一体的に配される際に、密閉要素の単純生産が可能となる。
【0019】
本発明による蓋は、その注入開口部が再密封可能な容器に特に適している。
【0020】
本発明は、図で示された非限定的な実施形態を引用することによって以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1a】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1b】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1c】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1d】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1e】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1f】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1g】本発明の第1の実施形態を示す。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1乃至1gは、本発明の第1の実施形態を示す。例えば、飲料缶に設けられるような、蓋表面(101)とビーズが付いた先端(102)を備える蓋(100)は、蓋表面(101)の真下に配された密閉要素(120)によって密封可能かつ露出可能な注入開口部(103)を有する蓋(100)とともに設けられる。密閉要素(120)は、密閉要素(120)と連結した作動要素(103)が図1a乃至図1eに示すような密閉位置にある際に、気体密封および/または流体密封するように注入開口部(103)を密封する。
【0023】
密閉要素(120)は、作動要素(110)と連動する操作要素(111)のためのレシーバ(121)を含み、作動要素において、操作要素(111)は上昇する傾斜(run−up slope)(122)に沿って移動させることができる。
【0024】
チューブ要素(124)はレシーバ(121)内に設けられ、チューブ要素(124)は、密閉要素(120)の均圧開口部(123)と連結している。作動要素(110)が密閉位置にある場合(図1a、図1e)にある場合、可撓性材料で作られるチューブ要素(124)は、チューブ要素(124)の断面が変わり、容器の周辺環境との均圧開口部(123)の連結がそれによって遮られるような方法で(図1e)、操作要素(111)に配された偏向要素(112)によって上方へ曲げられる(図1b、図1e)。この一重または多重の折り畳みによって、均圧開口部(123)の気体密封および/または流体密封がもたらされる。
【0025】
チューブ要素(124)は、この実施形態では密閉要素(120)の上昇傾斜(122)上に配され、折りたたまれたチューブ要素(124)は、図1eの矢印の方向に作動要素(110)を移動させることによって操作要素(111)の偏向要素(112)により最初に取り外され、そうして、チューブ要素(124)は自らの弾性特性の結果として、その上に上がるようになり、均圧開口部(123)は注入開口部(103)を開けることなくそれによって外される(図1f)。圧力をかけられた飲料缶の均圧は、缶の中身を噴き出させることなく周辺環境とともにこのようにして起こる。なぜなら、作動要素(110)が任意に噴き出し保護として再度働きかけるためである。
【0026】
作動要素(110)のさらなる移動後にのみ、注入開口部(103)は、密閉要素(120)の枢動によって最終的に外され(図1g)、その前の均圧開口の結果として、容器が依然として加圧されていた場合よりも低い力が飲料開口部の露出のために必要となる。
【0027】
図2乃至5は、本発明の第2の変更形態を示す。図2は、作動要素(110)の好ましい実施形態を示し、作動要素(110)は二面摺動部(a two−part slide)として配され、注入開口部(103)と均圧開口部(123)はこの例示において密封される。
【0028】
飲料缶を開けるためには、摺動要素(110c)を動かすこと(結果的に、操作要素(111)を動かすこと)によって缶を実質的にガス抜きさせるべく、および、同時にあるいはその後の工程で注入開口部(103)を露出させるべく(図5および6)、固定要素(110a)を持ち上げるか、または、枢動させる必要がある(図3および4)。
【0029】
均圧開口部(123)は密閉要素(120)内に配され、均圧開口部(123)は、均圧開口部(123)を密封するとともに、密閉要素(120)の周辺密封部(131)と一体的なるように弾性材料で作られた弾性密封部(130)を含む。同様に弾性材料で作られたチューブ要素は、作動要素(110)が密閉位置にある際に、操作要素(111)の偏向要素(112)によって密封される(図2)。例えば、この場合、偏向要素(112)は、密閉要素(120)の表面上の隆起物などのガイド要素を介してチューブ要素(124)に対して押圧される。チューブ要素(124)は圧迫されるか上方に折り重ねられ、こうして、均圧開口部の気体密封部および流体密封部を突出させる。
【0030】
容器の密閉装置を開ける間に、操作要素(111)は偏向要素(112)がチューブ要素(124)から離れるように置かれ、そうすることで、チューブ要素(124)は自らの弾性特性の結果として再度拡張するか、または、上に上がり、均圧開口部(123)が周辺環境と接触するようになり、均圧が生じる。
【0031】
本発明の特に好ましい実施形態で、飲料缶のガス抜きは作動要素(110)の配置前に既に生じ、その結果、密閉要素(120)はガス抜き工程の間は、依然として密閉位置にとどまるようになる。固定要素(110a)のピン(110b)は、作動要素(110)の密閉位置において、均圧開口部(123)のすぐ近くにある密閉要素(120)のレシーバ(125)に留められ、その結果として、偏向要素(112)はわずかに曲げられてチューブ要素(124)に対して押圧され、偏向要素(112)は、同時に、先に説明したようなやり方で、特に、折り畳まれて(図示されず)密封される。
【0032】
固定要素(110a)が図3の矢印にしたがって持ち上げられると、ピン(110b)はレシーバ(125)から引かれて、偏向要素(112)が外される。
【0033】
図3aは、平面図における本発明と一致する密閉装置を示し、蓋表面(101)と作動要素(110)の図は、構造の明瞭さを改善する目的のために図では省いている。この図は、固定要素(110a)が既にもち上げられたことで、特定の弾性を有する偏向要素(112)が直線状に並べられ、均圧開口部(123)が再度外された状態を示す。
【0034】
図4と5は、密閉要素(120)が同時に缶の内側に枢動し、それによって容器が空になる間に、作動要素(110)の摺動要素(110c)の配置の結果として、注入開口部(103)がどのようにして外されるのかを示している。
【0035】
図6は、図3aに類似した本発明の第3の変更形態を示し、作動要素(110)は、作動要素(110)の密閉位置でチューブ要素(124)に働きかける2つの偏向要素(112と112’)を有する。この点に関して、2つの偏向要素(112と112’)は、固定要素(110a)の2つのピン(110c)をレシーバ(125および125’)に留めることによって、チューブ要素(124)に対して動かされ、その方法によりチューブ要素(124)の断面の圧縮が行われ、その結果、均圧開口部(123)の密封が行われる。
【0036】
本発明は上記の実施形態には限定されないことが理解される。均圧開口部は弾性材料で作られたチューブ要素と連結しており、作動要素の密閉位置にあるチューブ要素は、気体密封および流体密封するようなやり方で、たとえ高気圧下でも、作動要素の密閉位置にある均圧開口部を密封するということが本発明に適切である。上記のような操作要素の偏向要素をこの目的のために使用する必要はない。作動要素がチューブ要素に直接働きかけるか、または、作動要素と操作要素が一体的に配置されることも同様に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器、特に飲料缶の蓋(100)であって、
前記蓋は、
ほぼ平らな蓋表面(101)と、
蓋表面(101)に配された少なくとも1つの注入開口部(103)を含み、
注入開口部(103)は、少なくとも1つの密閉要素(120)によって気体密封および/または流体密封するように密閉可能であり、密閉要素(120)は密閉位置から開放位置まで作動要素を介して動かすことができ、
前記蓋はさらに、
作動要素(110)と連動する少なくとも1つの均圧開口部(123)が設けられた少なくとも1つの均圧装置を含み、
少なくとも1つの密閉要素は、密閉位置にある作動要素の位置にいる間、均圧開口部を密閉するために設けられ、少なくとも1つの均圧開口部(123)は密閉位置から開放位置まで作動要素(110)の動きにさらされ、
少なくとも1つの密閉要素は可撓性材料で作られたチューブ要素(124)として配されるとともに、少なくとも1つの均圧開口部(123)に連結され、
チューブ要素(124)は、少なくとも1つの作動要素(110)が密閉位置にある際に、可逆的な断面収縮によって気体密封および/または流体密封するように密閉される、ことを特徴とする蓋(100)。
【請求項2】
チューブ要素(124)が作動要素(110)と連動する操作要素(111)を介して密閉可能であることを特徴とする請求項1に記載の蓋(100)。
【請求項3】
操作要素(111)は、作動要素(110)の密閉位置でチューブ要素(124)を密封する少なくとも1つの偏向要素(112、112’)を含むことを特徴とする請求項2に記載の蓋(100)。
【請求項4】
操作要素(111)は、作動要素(110)と取り外し可能なように連結されることを特徴とする請求項2または3に記載の蓋(100)。
【請求項5】
作動要素(110)と操作要素(111)が一体的に、好ましくはプラスチックで作られることを特徴とする請求項2または3に記載の蓋(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの作動要素(110)が、蓋(100)に対してほぼ直線的かつ平行になるように動かすことができることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の蓋(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの作動要素(110)が蓋表面(101)に対してねじられることが可能であることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の蓋(100)。
【請求項8】
少なくとも1つの密閉要素(120)が蓋(100)に対してほぼ垂直に枢動可能であることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載の蓋(100)。
【請求項9】
均圧開口部(123)は、密閉要素(120)の周辺密封部(131)と連結した密封部(130)を含むことを特徴とする請求項1乃至8の1つに記載の蓋(100)。
【請求項10】
均圧開口部(123)の密封部(130)は、密閉要素(120)の周辺密封部(131)と一体的に作られることを特徴とする請求項9に記載の蓋(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの注入開口部(103)は再密封可能であることを特徴とする請求項1乃至10の1つに記載の蓋(100)。
【請求項1】
容器、特に飲料缶の蓋(100)であって、
前記蓋は、
ほぼ平らな蓋表面(101)と、
蓋表面(101)に配された少なくとも1つの注入開口部(103)を含み、
注入開口部(103)は、少なくとも1つの密閉要素(120)によって気体密封および/または流体密封するように密閉可能であり、密閉要素(120)は密閉位置から開放位置まで作動要素を介して動かすことができ、
前記蓋はさらに、
作動要素(110)と連動する少なくとも1つの均圧開口部(123)が設けられた少なくとも1つの均圧装置を含み、
少なくとも1つの密閉要素は、密閉位置にある作動要素の位置にいる間、均圧開口部を密閉するために設けられ、少なくとも1つの均圧開口部(123)は密閉位置から開放位置まで作動要素(110)の動きにさらされ、
少なくとも1つの密閉要素は可撓性材料で作られたチューブ要素(124)として配されるとともに、少なくとも1つの均圧開口部(123)に連結され、
チューブ要素(124)は、少なくとも1つの作動要素(110)が密閉位置にある際に、可逆的な断面収縮によって気体密封および/または流体密封するように密閉される、ことを特徴とする蓋(100)。
【請求項2】
チューブ要素(124)が作動要素(110)と連動する操作要素(111)を介して密閉可能であることを特徴とする請求項1に記載の蓋(100)。
【請求項3】
操作要素(111)は、作動要素(110)の密閉位置でチューブ要素(124)を密封する少なくとも1つの偏向要素(112、112’)を含むことを特徴とする請求項2に記載の蓋(100)。
【請求項4】
操作要素(111)は、作動要素(110)と取り外し可能なように連結されることを特徴とする請求項2または3に記載の蓋(100)。
【請求項5】
作動要素(110)と操作要素(111)が一体的に、好ましくはプラスチックで作られることを特徴とする請求項2または3に記載の蓋(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの作動要素(110)が、蓋(100)に対してほぼ直線的かつ平行になるように動かすことができることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の蓋(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの作動要素(110)が蓋表面(101)に対してねじられることが可能であることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の蓋(100)。
【請求項8】
少なくとも1つの密閉要素(120)が蓋(100)に対してほぼ垂直に枢動可能であることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載の蓋(100)。
【請求項9】
均圧開口部(123)は、密閉要素(120)の周辺密封部(131)と連結した密封部(130)を含むことを特徴とする請求項1乃至8の1つに記載の蓋(100)。
【請求項10】
均圧開口部(123)の密封部(130)は、密閉要素(120)の周辺密封部(131)と一体的に作られることを特徴とする請求項9に記載の蓋(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの注入開口部(103)は再密封可能であることを特徴とする請求項1乃至10の1つに記載の蓋(100)。
【図1】
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図2】
【図3】
【図3a】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図2】
【図3】
【図3a】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2013−503791(P2013−503791A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527353(P2012−527353)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063097
【国際公開番号】WO2011/026991
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(509227296)エクソリューション ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063097
【国際公開番号】WO2011/026991
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(509227296)エクソリューション ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】
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