説明

垂直に押下可能なガスケットおよびそのようなガスケットを備えた圧力調理器

本発明は、容器(2)およびカバー(3)と、少なくとも第1のロック部材(6)および少なくとも第2のロック部材(8)とを備える調理用具(1)向けの封止ジョイント(10)に関し、前記封止ジョイント(10)は、カバーと容器との間に配置されるように設計されている。封止ジョイントは、カバー(3)が容器(2)と係合したとき、第2のロック部材(8)の高さ(h)以上の第1の高さ(h61)に第1のロック部材(6)が位置する状態で、封止ジョイントが容器の上縁部(7)を覆い、カバー(3)と容器(2)の両方に接触し、その後、封止ジョイントがカバー(3)の重量を受けて落ち込み、第2のロック部材(8)の高さ(h62)より低い第2の高さ(h62)へ第1のロック部材(6)を動かすように設計されていることを特徴とする。本発明は、食品圧力調理器に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力調理器など、蒸気で満たされた雰囲気において圧力下で食品を調理する器具の一般的な技術分野に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、動作中に器具の内側と外側との間に封止を提供するために、そのような器具内で定位置に配置されるように設計された封止ガスケットに関する。
【0003】
したがって本発明は、圧力下で食品を調理する調理器具向けの封止ガスケットに関し、前記器具は、
容器、および調理筐体を画定するように前記容器上に取り付けられるように設計された蓋と、
容器上に蓋を保持することを可能にするロック手段と
を備え、
前記ロック手段は、蓋に固定または一体化された少なくとも1つの第1のロック部材と、容器に固定または一体化された少なくとも1つの第2のロック部材とを備え、蓋が容器上に配置された後、第1のロック部材は、前記容器上で前記蓋を保持するように第2のロック部材の下に係合するように設計され、
封止ガスケットは、調理筐体を封止するように蓋と容器との間に挿入されるように設計されている。
【0004】
本発明はまた、圧力下で食品を調理する調理器具であって、本発明の封止ガスケットを装備し、または装備するのに適した器具に関する。
【背景技術】
【0005】
圧力下で食品を調理する調理器具のタイプにかかわらず、具体的にはエラストマ材料から作られた封止ガスケットを使用し、器具に圧力をかける間、および調理サイクル全体にわたって、調理筐体の内側と外側との間に封止を提供することがすでに知られている。
【0006】
この目的のために、通常、ロープ封止タイプのガスケット、または実際にはリップ封止タイプのガスケットが使用され、このガスケットは蓋の中に配置され、それにより蓋が器具の容器上で定位置に配置されている間、前記ガスケットが容器に押し付けられ、器具を封止することができる。
【0007】
通例として、容器上で定位置に蓋を配置すると、ガスケットは圧縮される。これは、ガスケットがその封止機能を提供するのに必要である。
【0008】
しかし残念ながら、知られているガスケットは通常、満足のいくものであるが、いつかの欠点を有することがある。
【0009】
圧縮されている前記ガスケットが、配置およびロック動作に対して機械抵抗を生成する可能性がある限り、そのようなガスケットの存在は、場合によっては容器上に蓋を配置またはロックするのを妨げる。
【0010】
具体的には、通常、蓋を押すことによってガスケットを下方へ垂直方向に動かして圧縮し、次いで、蓋または実際には前記蓋上に位置する制御手段に作用するように前記垂直の圧縮力を維持しながら、前記蓋を容器に固定するように顎部、ランプ、ロックバーなどの機械ロック部材を作動させることが必要であることが観察される。
【0011】
しかし残念ながら、そのような器具を力で閉めると、ガスケット、および程度は小さいがロック部材を過度の応力に露出させる可能性があり、早期の摩耗によって劣化させ、または実際には変形させる可能性がある。これは当然、器具の封止および使用者の安全にとって好ましくない。
【0012】
さらに、圧縮されているガスケット、および前記ガスケットによって容器または蓋の壁に及ぼされる摩擦は、容器上で定位置に配置されている蓋に対して機械抵抗を生成し、器具の使用の快適さを低減させる。
【0013】
また、そのように応力下で閉めると、具体的には器具が調理台またはレンジ上面などの狭いまたは滑りやすい支持台上に置かれているときに閉める場合、閉めるときに使用者が偶発的に器具をひっくり返したり、中身をこぼしたりするリスクが増大する。
【0014】
さらに、閉める間にガスケットの圧縮が均一でないことが多いため、蓋をガスケットに対して水平に位置決めするのが不十分になり、したがってロック部材の動作が不十分になることがある。そのため使用者は、蓋を定位置に配置する際に、蓋を満足のいくように配置できるまでに何度か試みる必要がある場合がある。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明に割り当てられた目的は、前述の欠点に対処すること、および調理筐体の良好な封止を達成しながら、容器上に蓋を特に簡単、直感的、かつ安全に配置およびロックすることを可能にする、圧力下で食品を調理する調理器具向けの新規な封止ガスケットを提案することである。
【0016】
本発明に割り当てられた別の目的は、特に容易に嵌合できる新規な封止ガスケットを提案することである。
【0017】
本発明に割り当てられた別の目的は、簡単かつ頑丈な構造であり、安価に製造できる新規な封止ガスケットを提案することである。
【0018】
本発明に割り当てられた別の目的は、改善された信頼性、改善された寿命、および改善された動作の安全性を調理器具に与える新規な封止ガスケットを提案することである。
【0019】
本発明に割り当てられた別の目的は、特に容易、直感的、かつ安全に、ほとんど難なく閉じることができる、圧力下で食品を調理する新規な調理器具を提案することである。
【0020】
本発明に割り当てられた別の目的は、良好な人間工学を提示し、取扱い中に優れた安全保証を提供する、圧力下で食品を調理する新規な調理器具を提案することである。
【0021】
本発明に割り当てられた目的は、圧力下で食品を調理する器具向けの封止ガスケットを用いて実現され、前記器具は、
容器、および調理筐体を画定するように前記容器上に取り付けられるように設計された蓋と、
容器上に蓋を保持することを可能にするロック手段と
を備え、
前記ロック手段は、蓋に固定または一体化された少なくとも1つの第1のロック部材と、容器に固定または一体化された少なくとも1つの第2のロック部材とを備え、蓋が容器上に配置された後、第1のロック部材は、前記容器上で前記蓋を保持するように第2のロック部材の下に係合するように設計され、
封止ガスケットは、調理筐体を封止するように蓋と容器との間に挿入されるように設計されており、前記封止ガスケットは、容器の上縁に嵌合するように構成され、また蓋が容器とドッキングしているとき、第1に、第2のロック部材が位置する高さ以上の高さに第1のロック部材が位置する状態で、前記蓋および前記容器と同時に接触し、次いで、第2のロック部材が位置する高さより低い高さへ第1のロック部材を動かすのに十分なだけ、蓋のみの重量を受けて押下されるように設計されていることを特徴とする。
【0022】
本発明に割り当てられた目的はまた、本発明の封止ガスケットを備えた圧力下で食品を調理する調理器具を用いて実現される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、非限定的な例示のみを目的として与えられる添付の図面を用いて以下の説明を読めば、より詳細になる。
【0024】
【図1】本発明の封止ガスケットの変形実施形態の上から見た3次元図である。
【図2】図1に示す封止ガスケットの下から見た3次元図である。
【図3】封止ガスケットが容器に接触するように蓋が前記容器とドッキングするときの、本発明の圧力調理器の変形実施形態の断片断面図である。
【図4】蓋が使用者によって容器上に配置および解放され、蓋の自重で容器上に位置するときの、図3に示す器具の構成を示す断面図である。
【図5】容器上で蓋をロックするようにロック部材が係合された後の、図3および図4に示す調理器具の構成を示す断面図である。
【図6】蓋が容器上へロックされ、調理筐体の内側に圧力が蓄積した後の、図3から図5に示す器具の断面図である。
【図7】蓋をドッキングするステップ後の、バイオネット固定具タイプのロック部材を備えた本発明の調理器具の変形実施形態の動作を示す断面側面図である。
【図8】蓋を解放するステップ後の、バイオネット固定具タイプのロック部材を備えた本発明の調理器具の変形実施形態の動作を示す断面側面図である。
【図9】ロック部材に係合するステップ後の、バイオネット固定具タイプのロック部材を備えた本発明の調理器具の変形実施形態の動作を示す断面側面図である。
【図10】器具の内側に圧力を蓄積するステップ後の、バイオネット固定具タイプのロック部材を備えた本発明の調理器具の変形実施形態の動作を示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、好ましくは家庭用の圧力調理器タイプの圧力下で食品を調理する調理器具1に関し、前記器具は、容器2と、前記容器2上に取り付けられるように設計され、より好ましくは調理筐体4を画定するように前記容器の上縁7上に配置されるように設計された蓋3とを備える。
【0026】
説明の便宜上、以下では、調理器具1は、平面かつ水平な調理台P上に配置され、蓋3は、垂直軸(ZZ’)に沿って容器2と実質上位置合わせされるように重ねられると見なす。
【0027】
図3から図6に対応する変形実施形態で該当するように、蓋3は、凸状で高くなった中心区間3Aを備えることができ、中心区間3Aからは放射状に外側へ落ち込んだ側面3Bが蓋3の外側の方へ続き、落ち込んだ側面3B自体には環状の平坦部3Cが続き、環状の平坦部3C自体には、好ましくは実質上平坦かつ垂直である落ち込んだ環状の縁部3Dが続き、この環状の縁部は、内側へ丸めた端部セグメント3Eで終端する。
【0028】
当然、図7から図10に図式的に対応する変形実施形態で該当するように、蓋3は、任意の直径または任意の他の実装形状、具体的には実質上平坦とすることができ、すなわち凸状でない中心区間3Aを有し、落ち込んだ側面3Bがなく、環状の平坦部3Cに直接つながることができる。
【0029】
容器2の上縁7は、容器の上端部から丸めまたは型押しした、落ち込んだ縁部を有することができると有利である。前記上縁7によって形成される皿状の縁は、具体的には実質上水平とすることができ、または好ましくは、図3から図6に示すように、容器の内側の方へわずかに傾斜させることができる。
【0030】
蓋および容器は、圧力調理の熱および応力に耐えるのに適した硬質材料、好ましくは金属から作られると有利である。
【0031】
知られているように、器具1は、調理筐体4が動作圧力であるとき、容器上で蓋を保持すること、より具体的には蓋と容器が離れるのを防止すること、特に蓋が外れるのを防止することを可能にするロック手段5をさらに備える。
【0032】
この目的のために、前記ロック手段5は、蓋3に固定または一体化された少なくとも1つの第1のロック部材6と、容器2に固定または一体化された少なくとも1つの第2のロック部材8とを備え、蓋3が容器2上に配置された後、第1のロック部材6は、前記容器上で前記蓋を保持するように第2のロック部材8の下に係合するように設計されている。
【0033】
したがって調理器具1は、前記蓋が均衡かつ安定して前記容器に確実に固定されるように、蓋の周辺部の周りおよび容器の周辺部の周りにそれぞれ好ましくは均一に分散された、複数の第1のロック部材6および複数の対応する第2のロック部材8を有することが好ましい。
【0034】
前記ロック手段5は、容器2に対する蓋3のロックとアンロックを交互に実行することを可能にし、この目的で、第1のロック部材6が、第2のロック部材8の底部分に係合するのに適した部分を有する限り、本発明に対する制約を構成することなく、異なる形態とすることができる。
【0035】
具体的には、図3から図6に対応する変形実施形態では、前記ロック手段5は、少なくとも蓋3上の放射状の構成要素とともに動くように取り付けられた全く正反対の2つの顎部を備える、顎部のシステムによって形成されることが好ましく、第1のロック手段は顎部6に対応し、第2のロック部材8は容器の上縁7に対応する。
【0036】
別の変形実施形態では、図7、図8、図9、および図10に図式的に示すように、ロック手段5は、バイオネット固定具タイプであり、第1のロック部材6は、複数の蓋ランプによって形成され、第2のロック部材8は、複数の対応する容器ランプによって形成される。
【0037】
当然、他のロック手段5、たとえばロックバーもしくはセグメントを有するロック手段、または蓋に固定もしくは一体化され、容器の縁部内に設けられたアイレットによって係合するように設計された、放射状のラッチを伴う任意の他の同等デバイスを実装することが可能である。
【0038】
したがって、本発明の調理器具1は、
顎部100を有するロック手段5であって、図3から図6に示すように、第1のロック部材6は、顎部100の内側へ延びる下縁部102の上面101によって形成され、第2のロック部材8は、容器の縁7の底面103によって、もしくは実際にはこの目的で設けられるランプによって形成される、ロック手段5、
または、バイオネット固定具式のロック手段であって、図8に示すように、第1のロック部材6は、蓋ランプもしくはタブ201の上面200によって形成され、第2のロック部材8は、容器ランプ203の底面202によって形成される、バイオネット固定具式のロック手段、
またはさらには、ロックバー(図示せず)を有するロック手段5であって、第1のロック部材6は、ロックバーの各端部の上面によって形成され、第2のロック部材8は、その下にロックバーの端部を係合できる固定ラグの底面によって形成される、ロック手段5のいずれかを備えることができる。
【0039】
さらに、本発明の調理器具1は、正常な動作条件下で、より具体的には、前記調理筐体4が、実質上1kPa(キロパスカル)から200kPaの範囲内の過圧力(すなわち、周囲を上回る圧力)、およびほぼ100℃から135℃の範囲内の温度の蒸気で充填されているとき、調理筐体4を封止するように蓋3と容器2との間に挿入されるように設計された封止ガスケット10を備える。
【0040】
本発明の重要な特徴により、封止ガスケット10は、蓋3が容器2とドッキングしているとき、図3および図7に示すように、第1に、第2のロック部材8が位置する高さh以上の第1の高さh61に第1のロック部材6が位置する状態で、前記封止ガスケットが前記蓋3および前記容器2と同時に接触し、次いで、第2のロック部材8が位置する高さhより低い第2の高さh62へ第1のロック部材6を動かすのに十分なだけ、蓋3のみの重量を受けて押下されるように設計されている。
【0041】
「高さ」という用語は、床に取り付けられた静止基準から当該要素までの距離、より具体的には前記要素と容器2Aの底部が置かれている調理台Pとの間で垂直軸(ZZ’)に沿って測定される距離を意味する。
【0042】
したがって、本発明の封止ガスケット10は、第1に蓋3と協働して、蓋3の重量の作用だけを封止ガスケット10に及ぼし、第2に容器2と協働して、前記蓋が落ちるのを防止する保持当接を形成することによって、垂直方向の動作間隙jを空けて第1のロック部材6を第2のロック部材8に対して自動的に位置決めするように構成および寸法設定されると特に有利であり、動作間隙jによって、衝撃または摩擦なく、前記第1のロック部材6を第2のロック部材8の下に係合または挿入することができる。
【0043】
したがって、蓋3を容器2上に配置し、前記蓋を解放することだけによって、ロック手段5に対する後の動作、具体的にはレセプタクルを閉じるために第1のロック部材6を第2のロック部材8に対して動かすことが、いかなる強制もなく、また何らかの抵抗を受けることがほぼない状態で自由に行われるように、蓋3を垂直方向に確実に位置決めすることが可能であり、それによって器具1の使用を容易にし、より安全に使用できるようにする。
【0044】
したがって具体的には、使用者は、蓋に何らかのさらなる下方への垂直圧力を及ぼす必要なく、ロック手段5を作動させることができ、それによって、蓋に過度の平坦化応力をかけることによるガスケットへの損傷を回避し、またそれによって、調理器具1に誤って作用するリスク、具体的には調理器具1をひっくり返すリスクを制限する。
【0045】
さらに、ガスケット10および器具1に対するそのような設計は、任意選択で、使用者に対して、蓋および容器の周辺部の周りの前記ロック部材6、8の数および分布にかかわらず、第1のロック部材6がすべて適当に直接配置され、第2のロック部材8の下に係合する準備ができることを保証し、前記蓋が容器上に配置されたときに蓋3に影響しうるトリムのいかなる些細なばらつきにも一切注意を払う必要がない。
【0046】
ロック手段が器具の周りに分散されるとき、封止ガスケット10は、第1のロック部材6をすべて、それぞれの第2のロック部材8の下へ同時に押し下げることを可能にする。
【0047】
本発明の封止ガスケット10の変形実施形態を図1および図2に具体的に示し、封止ガスケット10を器具1内に配置するところを、図3から図6に示す。
【0048】
前記封止ガスケットは、容器の上縁7に嵌合するように、すなわち容器の内側と容器の外側の間との前記上縁7に跨るように構成されていることが好ましく、それによって封止ガスケットの安定性を改善し、場合によっては、蓋を容器上で自動的にセンタリングすることに寄与する。
【0049】
この目的のため、図1から図6に示すように、封止ガスケット10は、好ましくは周辺のヒール11を備えることができると有利であり、ヒール11は、実質上垂直のセンタリング突起12によって延ばすことができると有利であり、センタリング突起12は、蓋3が容器2上でセンタリングされることを保証するために、容器の縁7の横方向に外側の部分と、蓋3、より具体的には落ち込んだ縁部3Dの横方向に内側の面との間に挿入されるように設計されている。
【0050】
さらに、器具1は、前記蓋が容器から分離されるときを含めて、蓋3内にガスケットを取り付け、保持するように設計されていることが好ましい。この目的のために、環状の平坦部3Cは、落ち込んだ縁部3Dおよび丸めた端部セグメント3Eと協働して環状チャネルを画定することが好ましく、その内側で、封止ガスケット10、より具体的にはそのヒール11が受け取られる。
【0051】
封止ガスケット10は、蓋3と容器2との間で垂直に挟まれるように、より具体的には封止ガスケット10に重なる環状の平坦部3と、封止ガスケット10を保持する容器の上縁7の上端部との間で挟まれるように設計され、蓋3の重量を受けて圧搾または平坦化されることによって変形するのに適した一種の弾性的なスペーサを形成すると有利である。
【0052】
この目的のために、前記封止ガスケット10は、ヒール11から突出し、蓋3の重量を受けると、変形によって前記ガスケット10を押し下げることを可能にする少なくとも1つの可撓性の第1のリップ13を有することが好ましい。
【0053】
言い換えれば、容器の上縁7に接触するように構成されていることが好ましい前記第1のリップ13は、第1のロック部材6を第2のロック部材8の下へ通すことができるように、ガスケット10が蓋3の重量を受けたときに介在寸法Hを低減できるのに必要な変形の少なくとも一部、好ましくは大部分、または実際にはすべてを吸収するのに十分な可撓性を有するように設計されている。
【0054】
「介在寸法H」という用語は、蓋3が容器2の上縁7により近づくのに封止ガスケット10が抵抗する垂直方向の妨害範囲、より具体的には、この場所での前記ガスケットの見掛け上の厚さで決まる、容器の上縁7と蓋3の環状の平坦部3Cとの間の間隔の距離を意味するために使用される。
【0055】
図3および図4に具体的に示すように、ガスケットの垂直方向の圧縮は、第1のリップ13が収縮することによって蓋の重量の影響で自然に発生すると有利である。
【0056】
図1から図6に具体的に示すように、可撓性の第1のリップ13は、周辺のヒール11からガスケット10の内側の方へ突出する可撓性のスカートを形成することが特に好ましい。
【0057】
したがって、前記第1のリップ13は、第1のリップ13をヒール11に接続する付け根14と、第1のリップ13の自由端部15との間に、少なくとも1つの内向きに放射状の延長構成要素を有する。
【0058】
前記付け根14は、一種のヒンジを形成すると有利であり、このヒンジに対して、可撓性のスカートが、容器2に対して蓋3を弾性的に懸垂する板ばねとして作用するように取り付けられる。
【0059】
本発明の封止ガスケット10はまた、実質上円形の形状であることが好ましく、封止ガスケット10の様々な部分、具体的にはヒール11および第1のリップ13は、垂直軸(ZZ’)の周りで実質上円対称であることが好ましい。
【0060】
当然、本発明は、ガスケットの具体的な形状に決して限定されるものではなく、ガスケットは、調理器具1の任意の具体的な形状、より具体的には容器の縁7の任意の具体的な形状に適合することができ、具体的には、実質上楕円形、正方形、または任意の他の適当なタイプの一般的な幾何学的形状を有することができる。
【0061】
可撓性のスカート13は、容器2の上部周辺部全体を覆って実質上環状の封止された接触区間を作る連続した弾性リングの形で、調理器具、好ましくは容器2に接触すると有利であり、それによって、必要に応じて、器具1の製造または組立て公差による容器の縁7の表面状態の特定の欠陥、またはガスケット10の位置決めのあらゆるずれを補償することで、調理筐体4に対する優れた封止を保証することが可能になる。
【0062】
当然、ガスケットを製造するために使用される材料の関数として、第1のリップ13の厚さeを決定し、蓋3の重量の関数として、第1のロック部材6が第2のロック部材8によって形成される垂直の閾を交差するのに必要な可撓性を第1のリップ13に与えることが、当業者には可能である。
【0063】
前記厚さeは、1mm(ミリメートル)から3mmの範囲内であることが好ましく、1.8mm付近であることが好ましい。
【0064】
具体的には、さらにリップ13は、その付け根14から内側の自由端部15まで実質上一定の厚さeを有することが好ましい。
【0065】
リップ13は、その付け根14から自由端部15まで実質上直線的に延びることが好ましく、それによって実質上平面であり、好ましくは実質上相互に平行である上面および底面を画定する。
【0066】
さらに、第1のリップ13の付け根14とその反対側の自由端部15との間で測定される前記第1のリップ13の長さLは、具体的には容器2および蓋3の相対寸法、より具体的には容器の縁7または周縁の相対寸法、また封止ガスケット10に与えるべき弾性の関数として決定される。
【0067】
例として、具体的には前述の厚さ範囲の場合、前記長さLは、実質上5mmから15mmの範囲内であり、好ましくは13mm付近である。
【0068】
少なくともガスケット10が静止しているとき、第1のリップ13は、それ自体調理台Pと実質上平行なガスケットの水平面P1に対して、実質上20°から50°の範囲内であり、好ましくは35°付近である角度αで、図1および図3から図6で下方へ傾斜した実質上平面の構造を有することが好ましい。
【0069】
ガスケット10は、装着されたとき、すなわち器具に圧力をかける前に蓋の重量を受けたとき、ゼロ以外の角度α、すなわち実質上10°から30°の範囲内であることが好ましいガスケットの水平面P1に対する第1のリップ13の偏向を維持するようにも寸法設定されることが好ましい。
【0070】
前記角度は第1に、容器の縁7に接近する際に第1のリップ13にばね効果を与え、また前記第1のリップ13をセンタリング突起12およびヒール11と協働させて、実質上フレア付きの部分である間隙区間16を画定できると有利であり、前記縁が前記第1のリップ13の底面に接触するとき、間隙区間16内に容器の縁7が受け取られる。
【0071】
したがって本発明により、ガスケット10は、下方へ向けて開いた環状溝、たとえば実質上U字状またはV字状の溝の形であることが好ましいセットバックを形成する間隙区間16を備えることができ、このセットバックの中空内を、容器の上縁7が貫通する。
【0072】
前記間隙区間16は、封止ガスケット10、したがって蓋3に自動センタリング特性を与え、前記蓋を容器上へ嵌合しながら、具体的には安定的、正確、かつ再現可能に上縁7を実質上覆うことができると有利である。具体的には、そのような構成は、蓋3をセンタリングすること、ガスケット10および前記蓋3を容器2に対してある程度横方向で水平に保持すること、および蓋に対してトリムを画定し、角度的(縦揺れおよび横揺れ)に保持することを、自動的かつ速やかに保証し、このトリムは、前記蓋をロックするように適合される。
【0073】
蓋3は、実質上1kg(キログラム)から3kgの範囲内の質量を有することが好ましく、この質量は、ほぼ10N(ニュートン)から30Nの範囲内の重量に対応する。当然、これらの値は、決して限定されるものではなく、調理器具1にとって望ましい用途および能力に応じて、調理器具1のガスケット10または任意の他の要素を寸法設定することが、当業者には可能である。
【0074】
好ましくは、封止ガスケット10によって与えられる垂直方向の作用行程C、すなわち封止ガスケット10が実質上静止するときに第1のロック部材6が位置する第1の高さh61と、封止ガスケット10が蓋3の重量の応力のみを受けるときに前記第1のロック部材6が位置する第2の高さh62との差は、実質上2mmから8mmの範囲内であり、好ましくは5.5mm付近である。
【0075】
ガスケット10が押し下げられることに起因する動作間隙j、より具体的には第1のロック部材6の上部支持面と対応する第2のロック部材8の底部支持面との間の垂直方向の最小距離は、実質上1mmから3mmの範囲内であることが好ましい。
【0076】
さらに、前記封止ガスケット10によって与えられる垂直方向の行程Cは、ガスケットが垂直方向に押し下げられる比率、すなわち図4に示すように蓋の重量を受けて前記ガスケットが押し下げられたときの前記ガスケットの介在寸法Hと、図3に示すように前記ガスケットが静止しているときの同じ介在寸法Hとの比に対応するような行程であることが好ましく、この比は、0.50から0.80の範囲内であり、好ましくは0.65付近である(すなわち、約3分の1押し下げられる)。
【0077】
本発明の封止ガスケット10は、第1のリップ13と同じヒール11から突出し、第1のリップの垂直方向の変形剛性より大きい垂直方向の変形剛性を有する第2のリップ20を備えることが好ましく、すなわち第2のリップ20は、前記第1のリップの見掛け上の垂直方向の剛性より大きい見掛け上の垂直方向の剛性を有する。
【0078】
したがって、前記第1のリップは、ガスケットを動作で押し下げられる単一の変形要素を構成できることが好ましい。
【0079】
この第2のリップ20は、好ましくは端部ビード21で蓋3の環状の平坦部3Cに押し当てられるように設計された上部リップを形成し、それによって前記蓋3とガスケット10との間の封止を補強することが好ましい。
【0080】
前記第2のリップ20は連続しており、ガスケットが実質上末広がりのV字状の横断面を有するように、第1のリップ13に対して実質上反対側に取り付けられることが好ましい。
【0081】
したがって、本発明のガスケット10は、可撓性の第1のリップ13と、前記第1のリップ13の上に重ねられ、好ましくは前記第1のリップより短い、より剛性の第2のリップ20とから構成される、実質上非対称の構造を有することが好ましい。
【0082】
この非対称の構造により、ガスケットは、具体的には、正常に動作するために適当に、正しい方を上に取り付けられたときより、誤った方を上に取り付けられて第2のリップ20が容器の上縁7に押し当てられるときに、かなり大きい耐圧縮性、したがって蓋が容器上へ垂直に押されることに対する抵抗を有する限り、蓋の中で正しい方を上に取り付けられるか、それとも誤った方を上に取り付けられるかに応じて、異なる挙動をすることができると有利である。
【0083】
したがって、使用者が封止ガスケット10を、誤った方を上にして取り付けた場合、閉じるときの圧力調理器の異常な挙動により、前記ガスケットを取り出して正しく戻すことが必要であると前記使用者に警告することが可能になる。
【0084】
本発明の封止ガスケット10は、一体型でエラストマ材料、好ましくはシリコーンから形成されると特に有利である。
【0085】
本発明の調理器具1の動作について、以下に説明する。第1に、顎部を有するロック手段を備える、図3から図6に示す第1の変形実施形態を参照し、第2に、バイオネット固定具を有するロックシステムを備える、図7から図10に対応する第2の変形実施形態を参照することが好ましい。
【0086】
最初に、容器2は調理台P上に載っており、蓋3は別個のものであり、封止ガスケット10と嵌合される。このガスケットは、前記蓋の中の環状チャネル内に挿入されると有利であり、ヒール11の裏面は、落ち込んだ縁部3Dに押し当てられ、上部リップ20のビード21は、環状の平坦部3Cに当たり、この平坦部は、前記ガスケット10に当接するように垂直方向に保持当接を構成する肩部を形成する。
【0087】
次いで使用者は、蓋3を保持し、実質上垂直かつ下方への接近動作で、蓋3を容器2上に取り付ける。
【0088】
その際、使用者は、第1のリップ13が容器の上縁7に接触するまで蓋を進め、したがって図3に示すように、ガスケットは容器と蓋の両方に接触し、実質上応力を受けず、特に平坦化されない。
【0089】
使用者によって蓋が保持される限り、ガスケット10は、図3および図7に示すように、その静止した形状を実質上維持し、第1のロック部材6、より具体的には顎部102の上面101または蓋ランプ201の上面200は、第2のロック部材8が位置する高さ以上の第1の高さh61に位置し、第2のロック部材8は、図3に示す変形形態の容器の縁7の底面103、または図7に示す容器ランプ203の底面202である。
【0090】
調理筐体4は、第1のリップ13が容器の上縁7の内面に当たるとすぐに、実質上環状の封止帯を形成することによって封止されると有利であることに留意されたい。
【0091】
したがって、封止をもたらし、蓋の案内を実施することは、前記蓋の配置を妨げることなく、容器2上への蓋3の下方運動において特に早い段階で行うことができる。次いで、ガスケット10を押し下げることによって、封止および案内を補強することもできる。したがって、器具1を閉めることは、特に信頼性が高く、再現可能で、かつ直感的である。
【0092】
さらに、ガスケット10は、蓋3と容器の上縁7が互いに衝突するのを防止する緩衝パッドを形成できると有利である。
【0093】
容器と最初に接触するこの位置では、使用者が蓋を保持する限り、第2のロック部材8が第1のロック部材6の対応する動きに対して機械障害を形成するため、前記使用者は、ロック手段5を直接閉じることができない。
【0094】
このとき、前記蓋が封止ガスケット10に対して垂直方向に下へ動き続けるには、使用者が蓋を解放することで十分であり、いわば、封止ガスケット10を介して、図4および図8に示すように、容器2の上に「浮遊」するように自由に懸垂される。
【0095】
蓋3の重量を補償するのをやめることによって、使用者は、前記蓋が封止ガスケット10に対してその重量のみによって自然の圧縮応力を作用させるようにすることができ、この応力は、実質上所定で再現可能であり、前記ガスケットは自然に弾性的に押し下げられ、より具体的には大部分は、第1のリップ13を弾性的に押し下げる。
【0096】
こうしてガスケットを押下することは、実質上垂直方向に下方への動きF1で、容器2の方へ下に動き、またはさらには容器2を貫通し、すなわち容器2Aの底部により近づく蓋3の制御された動きを伴い、したがって、前記蓋3に固定または一体化された第1のロック部材6は下へ動き、その結果、第1のロック部材6が位置する高さh61は、第1の高さh61より低く、何より第2のロック部材8が位置する高さhより低い第2の高さh62に到達するまで減少する。第2の部材は、実質上一定の高さhで静止したままであることが好ましい。
【0097】
言い換えれば、蓋3の重量に対するガスケット10の反応を用いることによって、第1のロック部材6は、第2のロック部材8によって形成される垂直の閾を交差すると有利であり、それによって自動的に、前記第2のロック部材8によって最初に形成された障害を迂回する状況、より具体的には第2のロック部材8の下に係合できる状況になる。
【0098】
ガスケットによって与えられる作用行程Cのすべてではない場合でも大部分は、第1のリップ13がその付け根14の周りで弾性的に偏向することによって得られると有利であり、この偏向は、角度α、したがって圧縮可能なくさびまたははさみ金が容器の上縁7と蓋3の環状の平坦部3Cとの間の間隔を維持するようにガスケットが作用する介在寸法Hを、徐々に低減させる。この例では、この間隔はゼロではない。
【0099】
封止ガスケット10はまた、容器の上縁7の両側で実質上同時に係合するため、容器上で蓋3をセンタリングするのに寄与すると特に有利であり、第1のリップ13は、上縁7上で摺動することによって容器2内を貫通する一種の貫通円錐台を形成するのに対して、センタリング突起12は前記上縁7の外側に留まり、したがって前記縁7は、その目的のために設けられる間隙区間16内へ、好ましくは徐々に進む。
【0100】
図3から図6に示すように、上縁7が容器の内側の方へ緩やかに傾くように傾斜するとき、このセンタリング現象を補強できると有利である。
【0101】
さらに、具体的には小型の同じ封止ガスケット10内で、蓋の重量を受けて前記ガスケットを垂直方向に自然かつ同時に収縮できるセンタリング手段と押下可能な構造の組合せは、蓋3および容器2の周辺部上で分散されるロック手段6、8のすべてが適当に位置決めされることを保証する。
【0102】
したがって蓋3は、蓋が適した高さおよび実質上水平になるようにロック手段5に作用するように適合された実質上水平で均衡されたトリムを自動的に取って維持し、それぞれの第1のロック部材は実際には、対応する第2のロック部材の下に事前に位置決めされ、したがって使用者は、閉鎖制御を作動させる前に、第1のロック部材6と第2のロック部材8の各対を1つずつ確かめる必要はない。
【0103】
蓋が解放され、封止ガスケット10を緩やかに圧縮することによって、蓋が自然に配置され、押下位置をとった後、使用者は、ロック手段5を作動させ、より具体的にはロック手段5を閉じる動きF2にかけることができ、ロック手段5は、図4および図8に示す開いた状態から、図5および図9に示す閉じた状態へ進む。
【0104】
状況に応じて、この動作は、たとえば図5に示すように中心の制御ノブを用いて、互いの方へ実質上水平かつ内向きの動き、好ましくは平行移動で顎部102を動かすことによって、または図9に示すように回転する動きによって、蓋ランプ201を容器ランプ203と位置合わせするために、ハンドルを用いて垂直軸(ZZ’)の周りで蓋を回すことによって構成される。
【0105】
すべての状況で、懸垂されている蓋3が、前記第1のロック部材6を前記第2のロック手段8の下で、実質上それと重複した形でかつ位置合わせして自由に摺動させることができる動作間隙jを生成する限り、第1のロック部材6を第2のロック部材8に対して事前に位置決めすることで、前記第1のロック部材6は、第2のロック部材8によって妨げられることなくF2へ動くことができる。
【0106】
本発明の調理器具のロック手段5は、開閉するように作動させることができると有利であり、第1に、第1のロック部材6を動作させるのに、より具体的には顎部をぱちんと閉めるのに必要な動作間隙jは、最初から単に容器2上に蓋3を配置することによって得られるため、使用者は蓋3を押してさらに押し下げる必要がなく、第2に、前記第1のロック部材6が動いている間に、第1のロック部材6は前記第2のロック部材8に接触することがなく、より具体的には前記第1のロック部材6は、前記第2のロック部材8、容器2、および/またはガスケット10に対していかなる摩擦または応力も作用させる必要がない。
【0107】
次いで使用者は、器具1を熱源上に配置して、調理筐体4の内側に圧力を蓄積させることができる。
【0108】
これが行われている間、蓋3は、前記圧力の影響を受けてわずかに持ち上がり、第1のロック部材6が第2のロック部材8の下を通ることができるように最初に与えられる動作間隙jを塞ぐことができることは注目に値する。
【0109】
したがって、図6および図10に示すように、前記第1のロック部材と第2のロック部材は、ともに近づいて互いに接触し、次いで第2のロック部材8は、第1のロック部材6に対して当接として作用し、蓋3を容器に対してしっかりと保持する。
【0110】
次いで封止ガスケット10は、調理筐体4の封止を維持しながら、蓋3が持ち上がるのに付随するように部分的に移動することによって、押下形状から中間形状へ進むように変形すると有利である。
【0111】
より具体的には、最初の動作間隙jに実質上対応する行程にわたる蓋3の上方への垂直方向の動きF3により、第1のリップ10を収縮させた応力の一部分を解放し、したがって前記第1のリップは、蓋が解放されたときの角度よりかなり大きく、静止していたときの角度よりかなり小さい角度αへ弾性的に戻る。
【0112】
調理段階中、したがって第1のロック手段6は、第1の高さと第2の高さとの間であり、好ましくは第2のロック部材8が位置する高さhに実質上等しい第3の中間の高さh63をとると有利である。
【0113】
蓋の重量の影響を受け、次いで内部圧力の影響を受けて、交互に収縮および弛緩する間、第1のリップ13は、容器の上縁7とともに形成する封止された接触区間の放射状の位置を著しく変化させることも観察することができ、いわばこの縁は、前記リップ13の底面に沿って「横揺れ」し、前記リップが真っすぐになると、前記接触区間を容器の中心から離し、前記リップが傾斜すると、前記接触区間を容器の中心の方へ動かす。
【0114】
調理の終わりに、器具は冷却され、かつ/またはその蒸気が出され、蓋は調理筐体の内部圧力によって支えられなくなり、前記蓋は、再び押し下げられて、図4、図5、図8、および図9で見られる形状に戻る。次いで使用者は、ロック手段を開く方向に動かすように作動させて、蓋3を容器2から分離することができる。
【0115】
当然、本発明の範囲を逸脱することなく、ガスケット10を蓋3内ではなく容器2内に永久的に受け取ること、および/または可撓性の第1のリップ13を上部位置で配置することも可能である。
【0116】
前記蓋が適切にセンタリングされ、ロック部材がすべて適当に事前に位置決めされ、最後に調理筐体4が封止されることを確実にするには、使用者が蓋を容器上に大まかに位置決めすれば十分であるため、本発明の封止ガスケット10は、調理器具1に予測可能かつ再現可能な挙動および良好な人間工学、ならびに特に直感的かつ容易に使用できる特性を与えることを可能にすることが有利である。
【0117】
さらに、前述の構造上の備えにより、使用者が、開閉動作中に器具を損傷し、封止を損ない、または実際に器具をひっくり返すリスクを伴って、ガスケットまたはロック手段に過度の応力を作用させなくてもすむことが有利である。
【0118】
したがって、本発明は、調理器具1の動作の安全性および寿命を著しく改善する。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、圧力調理器および圧力調理器向けのガスケットの設計および製造に産業的に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(2)、および調理筐体(4)を画定するように前記容器上に取り付けられるように設計された蓋(3)と、
前記容器上に前記蓋を保持することを可能にするロック手段(5)と
を備え、
前記ロック手段は、前記蓋(3)に固定または一体化された少なくとも1つの第1のロック部材(6)と、前記容器(2)に固定または一体化された少なくとも1つの第2のロック部材(8)とを備え、前記蓋(3)が前記容器(2)上に配置された後、前記第1のロック部材(6)は、前記容器上で前記蓋を保持するように前記第2のロック部材(8)の下に係合するように設計された、圧力下で食品を調理する調理器具(1)向けの封止ガスケット(10)であって、
前記調理筐体を封止するように前記蓋と前記容器との間に挿入されるように設計された、封止ガスケット(10)において、
前記容器の前記上縁(7)に嵌合するように構成され、また前記蓋(3)が前記容器(2)とドッキングしているときに、第1に、前記第2のロック部材(8)が位置する高さ(h)以上の第1の高さ(h61)に前記第1のロック部材(6)が位置する状態で、前記蓋(3)および前記容器(2)と同時に接触し、次いで、前記第2のロック部材(8)が位置する高さ(h)より低い第2の高さ(h62)へ前記第1のロック部材(6)を動かすのに十分なだけ、前記蓋(3)のみの重量を受けて押下されるように設計されていることを特徴とする封止ガスケット(10)。
【請求項2】
前記容器の縁(7)の横方向に外側の部分と、前記蓋(3)の落ち込んだ縁部(3D)の内面との間に挿入されるように設計されたセンタリング突起(12)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の封止ガスケット。
【請求項3】
ヒール(11)から突出し、前記蓋(3)の重量を受けると、変形によって前記ガスケット(10)を押し下げることを可能にする少なくとも1つの可撓性の第1のリップ(13)を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の封止ガスケット。
【請求項4】
前記ヒール(11)は周辺にあり、前記可撓性の第1のリップ(13)は、前記ヒール(11)から前記ガスケット(10)の内側の方へ突出する可撓性のスカートを形成することを特徴とする請求項3に記載の封止ガスケット。
【請求項5】
前記第1のリップ(13)は、実質上1mmから3mmの範囲内であり、好ましくは1.8mm付近である厚さ(e)を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の封止ガスケット。
【請求項6】
前記ガスケットが静止しているとき、前記第1のリップ(13)は、前記ガスケットの水平面(P1)に対して、実質上20°から50°の範囲内であり、好ましくは35°付近である角度(α)で傾斜した実質上平面の構造を有することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の封止ガスケット。
【請求項7】
前記第1のリップ(13)と同じヒール(11)から突出し、前記第1のリップの垂直方向の変形剛性より大きい垂直方向の変形剛性を有する第2のリップ(20)を有することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の封止ガスケット。
【請求項8】
前記第1のリップ(13)および前記センタリング突起(12)は、フレア付きの間隙区間(16)を画定し、前記間隙区間(16)内に前記容器の縁(7)が受け取られることを特徴とする請求項2および請求項3から7のいずれか一項に記載の封止ガスケット。
【請求項9】
前記容器の上縁(7)の両側で同時に係合するように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の封止ガスケット。
【請求項10】
前記第1のロック部材(6)を、実質上2mmから8mmの範囲内であり、好ましくは5.5mm付近である垂直方向の作用行程(C)にわたって進めることができることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の封止ガスケット。
【請求項11】
一体型でシリコーンから作られることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の封止ガスケット。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の封止ガスケット(10)を備えることを特徴とする圧力下で食品を調理する調理器具。
【請求項13】
顎部(100)を有するロック手段であって、第1のロック部材(6)は、顎部(100)の内側へ延びる下縁部(102)の上面(101)によって形成され、第2のロック部材(8)は、前記容器の縁(7)の底面(103)によって、もしくは実際にはこの目的で設けられるランプによって形成される、ロック手段、
または、ロックバーを有するロック手段であって、第1のロック部材(6)は、前記ロックバーの端部の上面によって形成され、第2のロック部材(8)は、その下に前記ロックバーの前記端部を係合できる固定ラグの底面によって形成される、ロック手段、
またはさらには、バイオネット固定具式のロック手段であって、第1のロック部材は、蓋ランプもしくはタブ(201)の上面(200)によって形成され、第2のロック部材(8)は、容器ランプ(203)の底面(202)によって形成される、ロック手段
のいずれかを備えることを特徴とする請求項12に記載の圧力下で食品を調理する調理器具。
【請求項14】
前記器具の周りに分散された複数の第1のロック部材(6)および第2のロック部材(8)を備え、前記封止ガスケット(10)により、前記第1のロック部材(6)をすべて、それぞれの第2のロック部材(8)の下へ同時に押し下げることができることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の圧力下で食品を調理する調理器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2013−516260(P2013−516260A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547536(P2012−547536)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050035
【国際公開番号】WO2011/083284
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(594034072)セブ ソシエテ アノニム (63)
【Fターム(参考)】