説明

埃と金属の多い環境での、小型化された金属製の支持体の識別装置、及び、核燃料エレメントの製造工場における核燃料エレメントの収容コンテナの識別アプリケーション

本発明は、埃の多い可能性の高い、強い金属環境に存在する、金属製の支持体の識別装置に関する。本発明によれば、装置は、パッシブ無線識別(RFID)タグと、金属製の支持体への取り付けに適し、金属製の支持体からある距離にタグを配置するタグ保持体と、誘導ループとして同軸ケーブルの二つの部位を含むアンテナを有するRFIDリーダーとを含み、この同軸ケーブルは、実質的に同じ長さを有し、それぞれが金属製のコアとコアを囲む金属製のプリーツを含み、二つの部位は、一方では、それらの一端で、一方のコアと他方のプリーツとを接続するとともに一方のプリーツと他方のコアとを接続し、他方では、それらの他端で、プリーツ同士を共に接続するとともに、それらのコアをその他端で分離することにより、共に結合される。二つの実施形態が、タグ保持体を作るために提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埃と金属の多い環境での、小型化された金属製の支持体の識別装置に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、大きさの制約と、支持体と支持体が存在する環境の金属及び埃の制約とを受ける、無線識別装置(RFID)の適応に関する。
【0003】
本発明が目指す主なアプリケーションは、核燃料エレメントの製造工場における、核燃料エレメントを収容するキャスク等の、コンテナの識別である。
【0004】
本発明の範囲内では、キャスクは、酸化プルトニウム及び/または酸化ウラン及び/またはシャモットの粉末等の、粉末のジャーを運搬し、人間に対する生物学的保護機能と、例えば貯蔵エリアと、異なる生産場所のユニットとの間での、ジャーの運搬車としての機能の、双方の機能を有する。
【背景技術】
【0005】
製造工場では、製造または貯蔵ユニットから、他のユニットへのそれぞれの移動中でのコンテナの識別は、
−国家の及び国際的な安全条約の指示に従う、核燃料の管理とモニター
−製造プロセスを通じての燃料製品の追跡可能性
の双方を確実に行うために、保証される必要がある。
【0006】
原子力産業におけるコンテナの識別装置としては、一般的に、光学リーダーと関連して、バーコードによるマーキングが用いられる。このタイプの装置は、ユニットの「粉末」作業においてグローブボックスにより規定される環境では、十分な満足をもたらすことはできないが、これは、この環境が密閉され、埃が多いためである。微細な粒子が、タグとリーダーとに堆積する。バーコードのコントラストは低下し、これにより、認識性が低下する。また、光学リーダーも、埃で覆われ、急速に老朽化する。
【0007】
グローブボックスの半透明パネルの距離及び汚れ故に、現在の技術は、埃及び放射線からリーダーを保護するために、リーダーをグローブボックスの外部に取り付けることでは、信頼性のある結果の想定を可能としない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明者は、第一に、このグローブボックスの環境に結びつく全ての制約を規定することに努め、第二に、この産業で用いられる様々な代替技術を実施した。
【0009】
そして、発明者は、無線識別装置(RFID)が、以下の事項により、この環境に適合可能な、本質的な最適解である、という結論に達した。
−100%の目標読み取り成功率、
−グローブボックスの外側に取り付けられたリーダー、
−高速読み取り、
−埃に反応しない読み取り。
【0010】
一方、発明者は、市場のRFID識別装置は、小さい寸法と、グローブ及び識別されるコンテナの経路に対するシャッターのあるなしに関わらず、グローブボックス自体により確立される、非常に金属的な環境とに対して適切ではない、という結論に達した。
【0011】
本発明の目的は、無線(RFID)により、核燃料エレメントを収容し、小型で、グローブ及び識別されるコンテナの経路のシャッターのあるなしに関わらず、グローブボックス自体により確立される、著しく金属的な環境において信頼性のある、コンテナを識別する装置を提供することである。
【0012】
本発明のより一般的な目標は、埃が多く非常に金属的な環境に存在する金属製の支持体に対する、信頼性が高く小型の無線識別装置(RFID)を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これを行うために、本発明の第一の実施形態によれば、埃の多い可能性の高い強い金属環境に存在する金属製の支持体の識別装置であって、パッシブ無線識別(RFID)タグと、フェライトエレメントから成り、金属製の支持体に取り付けられるとともにタグが金属製の支持体からある距離を隔てて配置されるように構成され、タグのアンテナの回路ループ内に配置される短絡回路のループを含む、タグ保持部と、実質的に等しい長さを有し、金属コアと該コアを囲む金属プリーツとをそれぞれ有する同軸ケーブルの二つの部位を誘導ループとして含むアンテナを有するRFIDリーダーと、を含み、該二つの部位が、一方では、それらの一端で、一方のコアを他方のプリーツに接続するとともに一方のプリーツを他方のコアに接続し、他方では、それらの他端で、それらのプリーツ同士を接続し、それらのコアが該他端で分離されることにより、共に結合される、識別装置が提案される。
【0014】
本発明の第二の実施形態によれば、埃の多い可能性の高い強い金属環境に存在する金属製の支持体の識別装置であって、パッシブ無線識別(RFID)タグと、電気的絶縁材料で作られ、金属製の支持体に取り付けられるとともにタグが金属製の支持体からある距離を隔てて配置され、タグが完全に収容されるように構成された収容部を含む、タグ保持部と、実質的に等しい長さを有し、金属コアと該コアを囲む金属プリーツとをそれぞれ有する同軸ケーブルの二つの部位で構成されるアンテナを有するRFIDリーダーと、を含み、該二つの部位が、一方では、それらの一端で、一方のコアを他方のプリーツに接続するとともに一方のプリーツを他方のコアに接続し、他方では、それらの他端で、それらのプリーツ同士を接続し、それらのコアが該他端で分離されることにより、共に結合される、識別装置が提案される。
【0015】
本発明の範囲では、大部分が異なる性質の金属(ステンレス鋼、アルミニウム、鉄)で作られる異なる材料が、環境内にあるため、環境は“強い金属”環境と呼ばれる。例えば、環境が、核環境におけるグローブボックス内により規定される場合、モーター、キャスクが運搬可能なステンレス鋼ローラーで構成されるコンベアー、キャスクをグローブボックスの上部に持ち上げるリフト等、多数の機械的サブアセンブリが存在する。また、壁には、生物学的保護の実施に適したグローブ及びボールを定位置に置くための、金属環が設けられる。
【0016】
従って、金属製の支持体に対してタグを電気的絶縁状態に隔てることで、その有効範囲の著しい低減が回避され、同時に、限られたサイズを維持する。また、タグは完全に密封された状態でハウジングに収容され、その機能は、埃の多い環境でも変わらない。
【0017】
RFIDリーダーのアンテナの実現の選択には、配慮を要する。アンテナは、固有共振周波数を呈し、すなわち、環境に組み込まれた構成の外で、実質的にタグの固有共振周波数に等しく、限られたサイズを維持する。一般的に、13.56MHzの高周波タグに対して、97pFオーダーの平均キャパシタンスの同軸ケーブルを用い、1.2mmのオーダーの、アンテナリーダーの二つの部位の全長を形成することができる。後述するように、完成される同軸ケーブルにおいて不連続部分を形成する事実は、放射範囲の増加をもたらし、限られたサイズを維持する。
【0018】
タグ保持部は、電気的絶縁材料で作られる部品であり、RFIDタグがスライド可能なスライド収容部を有する。電気的絶縁材料で作られる部品は、高密度ポリエチレン(HDPE=High Density Polyethylene)をベースとすることが好ましい。この単純な選択は、インダクタンスを変更することなく、従って、タグの自己共振周波数を変更しない。
【0019】
タグ保持部の寸法は、タグを金属製の支持体から少なくとも4mm、好ましくは12mmの距離を隔てて配置するように構成されることが好ましい。後述するように、発明者は、この距離で、タグは、一般的に275mmのオーダーの公称距離に組み込まれるRFIDリーダーのアンテナにより、例え移動中であっても、起動及び読み取りに十分な有効範囲の寸法を有することを示している。さらに、発明者は、横方向に移動中の識別装置の動作限界値は、該公称距離、すなわち、345mmの制限距離の前後で、70mmのオーダーであったと記している。
【0020】
同軸ケーブルの部位の直径は、1.05mm以下であることが好ましい。従って、この小さい寸法の同軸ケーブルを用いることにより、RFIDリーダーのアンテナが取り付けられるエンクロージャーの半透明な壁の視認性は、できる限り変更されない。
【0021】
アンテナのループから分離するコアに接続される電子補正ユニットを備え、該ユニットが、環境に組み込まれた構成におけるアンテナのループのインピーダンスを調整し、周波数を同調する手段を含むことが好ましい。従って、一般的に50Ωのインピーダンスの適応と、一般的に13.56MHzの範囲のアンテナリーダーの周波数の同調は、多かれ少なかれ識別装置が存在する金属環境に依存し、ケースバイケースベースで実施可能である。
【0022】
リーダーのアンテナループの電力供給を実現するために、電磁結合が可能な一次側ループが備えられ、該一次側ループは、パッシブタグからの識別データの読み取りに適応される電子モジュールのリーダーに接続されることが好ましい。この解決策は、補正の同軸ケーブルの部位の一部で構成されるRLC共振器のロバスト性を損なうことなく、必要な無線周波数に電力の供給が可能であると同時に、必要なインピーダンス、一般的に50Ωに適応可能であるため、好ましい。後述するように、一次側ループでの電磁結合によるこの解決策は、さらに、電力供給回路の大きさを増加しないが、これは、同軸ケーブルの二つの部位で構成されるアンテナループの中及びより近くに一次側ループを配置することが可能であるためである。
【0023】
好ましい実施形態によれば、タグは、13.56MHzの周波数での放射に適応され、リーダーのアンテナの同軸ケーブルの二つの部位が、97pF/mの平均キャパシタンスと、1.2mのオーダーの全長とを有する。これらの特性で、すなわち、強い金属環境での組み込み外で、実質的に13.56MHz、すなわち、タグの共振周波数に等しく、相対的に短いアンテナの全長ではあるが1.2mのオーダーにより、大きさの小さい環境と互換性のある、アンテナリーダーの固有共周波数の値が得られる。
【0024】
本発明は、前述した識別装置のタグ保持部が取り付けられる、金属製コンテナにも関する。
【0025】
そのようなコンテナは、酸化プルトニウム及び/または酸化ウラン及び/またはシャモットの粉末等の核燃料エレメントの収容に適したキャスクを構成することが好ましい。
【0026】
本発明は、さらに、前述した識別装置のRFIDリーダーのアンテナが取り付けられる少なくとも一つの壁で、埃の多い可能性の高い密閉された強い金属環境を区切る壁を含む、エンクロージャーに関する。
【0027】
エンクロージャーの壁が半透明である場合、アンテナの部位は、エンクロージャーの半透明な壁の一つに取り付けられる透明な板状支持部の周囲に取り付けられる。従って、エンクロージャーの壁の通過が可能なまたは必要な視界を変えることなく、できる限り広いアンテナループを実現することができる。
【0028】
過度の変形を受けないように、アンテナの部位は、板状支持部の周囲に、全周囲に沿ってその曲率半径が4mmより低くなるように取り付けられることが好ましい。
【0029】
半透明な壁の一つが、鉛ガラス及び鉛以外のガラスをベースとするパネルを含む等、エンクロージャーが外部にいる個人に関して生物学的防御特性を有する場合、アンテナの部位の板状支持部が、半透明な壁の二つのパネルの間に挿入されることが好ましい。同軸ケーブルの二つの部位で構成されるアンテナループは、これにより、厚み及び生物学的防御材料(鉛)による影響を受けない。
【0030】
エンクロージャーがグローブボックス型の場合、すなわち、壁の一枚が、複数の穴を開けられ、エンクロージャー内でのコンテナの取り扱い用のグローブの収容に適した金属環により各穴が囲まれる場合、アンテナの部位の板状支持部の形状は、少なくとも一つの金属環の形状を、取り囲むことなく、抱え込む。このようなレイアウトのおかげで、関連する金属環は、アンテナの部位を流れる電流により誘導された電流が、それに加えて通過することが確実となる。言い換えれば、金属環は、アンテナの部位により生じ、タグの電力供給に必要な、電磁界の増加に貢献する。
【0031】
また、アンテナの部位の板状支持部の形状は、少なくとも二つの金属環の形状を、取り囲むことなく、抱え込むことが好ましい。グローブボックスが、四つのグローブポートタイプで、異なる高さでペアで配置され、ペアが互いに関してオフセットされている場合に、最適である。
【0032】
さらに、本発明は、核燃料エレメントの製造ユニットにおける、核燃料エレメントを含むキャスクを識別するための、前述した識別装置のアプリケーションに関する。このキャスクは、例えば、粉末ジャーであり、その識別は、粉末の製造と工場の貯蔵トンネルとの間の、各製造ユニットで行われる。
【0033】
本発明の他の利点と特徴は、図1から図9を参照して示される詳細な説明を読むことで、明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】識別する金属製の支持体の、RFIDタグの有効範囲への影響を示す、実験曲線を示す。
【図2】実験条件で、RFIDタグのアンテナにおいて生じる磁界を計測するために用いられる磁界計測プローブを概略的に示す。
【図3】識別される金属製の支持体とRFIDタグとの間に配されたスペーサーの、本発明の第一の実施形態によるRFIDタグの共振周波数への影響を示す実験曲線を示す。
【図4】本発明の第一の実施形態によるRFIDタグの共振周波数の補正回路を実現するために用いられる、エッチングマスクを概略的に示す。
【図5】第一の実施形態による、RFIDタグを備えたタグ保持部の分解図を示し、このタグ保持部は、識別される金属製の支持体への取り付けに適応される。
【図6】本発明の第二の実施形態によるタグ保持部の平面図を示し、このタグ保持部は、識別される金属製の支持体への取り付けに適応される。
【図6A】本発明の第二の実施形態によるタグ保持部の側面図を示し、このタグ保持部は、識別される金属製の支持体への取り付けに適応される。
【図7】本発明によるRFIDリーダーのアンテナループの概略正面図を示す。
【図8】図7のアンテナループの実施形態を示す概略詳細図を示す。
【図9】本発明によるアンテナ-RFIDリーダーの電子補正ユニットの実施形態の電気配線図を示す。
【図10】本発明によるアンテナ-RFIDリーダーの板状支持部に対する取り付けの変形例の詳細を示す。
【図11】本発明によるアンテナ-RFIDリーダーの、一次側ループの電磁結合による電力供給の実施形態を示す。
【図12】図11による補正ユニットを用いるとともに、強い金属的な環境に組み込まれた構成におけるアンテナ-RFIDリーダーの調整を可能とする調整図を示す。
【図13A】強い金属的環境を区切るエンクロージャーにおける、本発明によるアンテナ-RFIDリーダーの板状支持部の組み込みモードを示す。
【図13B】強い金属的環境を区切るエンクロージャーにおける、本発明によるアンテナ-RFIDリーダーの板状支持部の他の組み込みモードを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明による識別装置は、ISO 15693基準に適合する、パッシブタグとRFIDリーダーとを、構成要素として用いる。
【0036】
一般的に、タグは、13.56MHzに等しい周波数の、パッシブタグである。例えば、タグは、RAFSEC社により市販される、45×76mmの寸法で、商品名“Philips Icode2 SLI”のチップを組み込むものである。
【0037】
RFIDリーダーは、50オームのインピーダンスで1.7Wのモジュールを利用する。例えば、用いられるリーダーの部品番号は、“RR-IDISC-MR200-A”である。
【0038】
本発明は、金属製の支持体への取り付けに適したタグ保持部と、埃が多い可能性の高い強い金属的環境に関連する障害をなくすことが可能なRFIDリーダーのアンテナループとの双方の定義に関する。
【0039】
核燃料エレメントの特定の生産場所における関連モジュールとしてのグローブボックス型の環境における、核燃料粉末を収容する金属のジャーの識別に対するアプリケーションを参照して説明されるように、本発明は、非常に金属的で埃の多い、他の環境にも、容易に適用可能である。
【0040】
グローブボックスが、Lexan(登録商標)、Plexiglas(登録商標)、または鉛ガラスをベースとする、半透明な壁を含む、この具体的なアプリケーションでは、発明者は、これらの壁は、同調周波数と、13.56MHzのパッシブタグの放射レベルとに、ほとんど影響しないことをまず指摘している。
【0041】
続いて、発明者は、識別する金属製の支持体の特性の、13.56MHzのパッシブタグへの影響を調べた。
【0042】
図1は、通常ステンレススティール製である、金属製のキャスクの外壁を特徴付ける金属面への距離に対する、13.56MHzのパッシブタグアンテナの有効範囲の変化を示す曲線である。
【0043】
タグのアンテナの有効範囲の低減が既に50%のオーダーである距離30mm以下で、影響が顕著であることが確認できる。3.5mm以下では、アンテナの実質的な値はわずか10%に等しく、タグが金属製の支持体に接触している場合は、ほぼゼロである。
【0044】
また、発明者は、タグアンテナの有効範囲を増大することが必要であるということを分析した。グローブボックスの環境は大きさが非常に制限されていることを前提として、発明者は、選択される解決策は、非常に厳しい大きさ制限に従う必要があることも分析した。そして、発明者は、二つの解決策を考案した。
1/ タグアンテナと識別する金属製の支持体との間に、フェライトの板を挿入する、または、
2/ ある距離にタグを配置し、識別する金属製の支持体と電気的に絶縁する。
【0045】
有効範囲を増やす解決策1/に対して、発明者は、まず、既存のフェライト板を調査した。発明者は、透磁率が20℃で40であり、50MHz以上までの使用周波数で利用可能な、「Kaschke」社の、グレード「K40」で作られたフェライト板を選択した。
【0046】
続いて、発明者は、寸法が完全に規定された板をテストした。発明者は、図1に関連して説明したものと同じテストプロトコルを用い、基準となるタグのアンテナ(13.65MHz)と金属面との間に、フェライト板を挿入した。
【0047】
以下の寸法(それぞれ、長さ、幅、及び厚みに対応)の板を備える、異なるフェライトエレメントがテストされた。
−フェライトエレメントNo.1:総寸法:200mm×120mm×3.75mm、並べた二枚の板
−フェライトエレメントNo.2:寸法 :200mm×120mm×3.75mm、一枚の板
−フェライトエレメントNo.3:寸法 :100mm×56mm×3.75mm、一枚の板
−フェライトエレメントNo.4:総寸法:100mm×120mm×7.5mm、重ねた二枚の板
【0048】
有効範囲は、図1において、それぞれ、点pl1、pl2、pl3、及びpl4で示されている。これにより、使用されるフェライトエレメントと等価空間距離、すなわち絶縁との間に、相関関係を確立することができる。
【0049】
これは、同じ厚み(3.75mm)に対して、プレート表面が大きくなれば、等価空間距離が増えることを示している。実際、
−フェライトエレメントNo.1、有効範囲74%、すなわち、等価空間距離61mm
−フェライトエレメントNo.2、有効範囲56%、すなわち、等価空間距離36mm
−フェライトエレメントNo.3、有効範囲40%、すなわち、等価空間距離21mm
である。
【0050】
同じプレートフォーマット(100mm×120mm)に対して、フェライトエレメントの厚みで、有効範囲は増大するが、フェライトエレメントの厚みで、等価空間距離のゲインは減少する。実際、
−フェライトエレメントNo.2、有効範囲56%、すなわち、等価空間距離36mm
−フェライトエレメントNo.4、有効範囲67%、すなわち、等価空間距離48mm
である。
【0051】
キャスクの収容部に取り付け可能なサイズを考慮し、発明者は、60mm×100mm×3.75mmの寸法の一枚のプレートで構成されるフェライトエレメントを選択したが、これは、パッシブタグのアンテナの見掛け領域において、50%オーダーの低減をもたらす。
【0052】
続いて、発明者は、フェライトエレメントを備えたタグの金属面に対する取り付けに依存する、タグの共振周波数を測定する実験を行った。
【0053】
RAFSEC社により市販されている、45×76mmの寸法で、商品名“Philips I-Code SLI”で販売コード3000165のチップを一体化したタグが、基準タグとして選択された。このタグが、フェライトエレメントNo.3上に配置され、このフェライトエレメントが、平面サイズ32cm×30cmの金属面上に載置された。
【0054】
続いて、磁界の放射ループが、タグ上の距離25cmsに配置される。
【0055】
続いて、図2に概略的に示すように、8の字型の磁界プローブS8が、タグのアンテナの電流の循環により生じる磁界のみを検出するように、タグのアンテナの巻線部分に配置される。
【0056】
同時に、磁界プローブが、放射される磁界を制御するために、放射ループの中心にも置かれる。
【0057】
続いて、8の字型の磁界プローブS8により得られる、周波数が変化する一定の主磁界に対する応答から、共振周波数が測定される。
【0058】
基準タグの測定された固有周波数は、14.27MHzの値である。
【0059】
基準タグがフェライトエレメントNo.3に押し付けられる場合、共振周波数は10.0MHzの値に下がることが観察された。
【0060】
従って、RFIDアンテナの巻線部分とフェライトエレメントとの間の距離は、非常に敏感に影響する。
【0061】
続いて、RFIDタグとフェライトエレメントNo.3との間に置かれる異なる厚みのスペーサーを用いて、共振周波数の読み取りが行われる。図3に示す曲線は、スペーサーの厚みに依存する、この共振周波数の変化を示す。この曲線は、変化の傾向に対する変極点を示す。曲線は、実際、スペーサーに用いられる材料、すなわち、それぞれ、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン、ガラスエポキシFR4の差異に対応する。従って、1.6mmに等しい厚みに対応する点では、ガラスエポキシFR4の板状のスペーサーが用いられた。これは、RFIDタグのアンテナが、その巻線のすぐ近くの材料の電気的透過性にも反応することを示している。このことから、透過性の高い材料は、より大きな共振周波数の低減を生じ得ることがわかる。また、このことから、約2mmのスペーサーで、共振周波数を約2MHz増加可能であることがわかる。
【0062】
そして、発明者は、大きさが制限される必要のある本発明を検討する中で、共振周波数を元の値の戻すことができる十分薄いスペーサーを規定できないことを結論付けた。
【0063】
そして、発明者は、二つの手段が、共振周波数を最適な値に戻すことができる可能性があると考えた。
−タグのアンテナの変更、ただし、これは、RFIDの特別なアンテナの製造、または、Iコードチップ等の集積回路の標準アンテナ回路への組み込みを要する、
または、
−標準的なRFIDアンテナ、言い換えれば、市場で直ぐに入手可能なアンテナに対する補助的な補正回路の付加。
【0064】
製造の困難性と関連コストとを考慮し、発明者は、RFIDアンテナの補助的な補正回路の形成を決定した。
【0065】
実験後、発明者は、RFIDアンテナの外部部分に存在する、言い換えれば、タグのアンテナの中間巻線とフェライトの板の端部との間に存在する補正回路は、RFIDアンテナの共振周波数の十分な補正を得られない、という結論に達した。
【0066】
タグのアンテナ回路内に配置された短絡回路のループは、その有効範囲を低減しても、この配置は、共振周波数の十分な補正を有利にもたらすことができる。
【0067】
図4は、基準RFIDタグに用いられる銅の補正回路のマスクMを概略的に示す。この図4において、内部回路が、制限のある多数の枝部を有し、その切除で形状の調整が可能であることが確認できる。
【0068】
図5に、基準RFIDタグと、基準アンテナの回路のループ内に配置される短絡回路のループで構成される補正回路に接着されるフェライトエレメントNo.3とを含む、タグ保持部のアセンブリ1の分解側面図を示す。
【0069】
より詳細には、このアセンブリは、複数の材料の層の接着により作られる、すなわち、
−フェライトNo.3のエレメント1(Kaschkeにより市販されているK40タイプで、60×100×3.75mmの寸法)、
−電気絶縁体で非磁性材料で作られる、三つのTUFOL(低密度ポリエチレンフィルム)の層110、111、112で構成される、厚みが全体で3mmのオーダーの、スペーサー11、
−銅プリント基板に接着され、35μmの厚みで、0.2mmの厚みのFR4の支持体120上に形成される、RFIDタグで構成されるアセンブリ1、ここで、タグは、0.35mmの厚みのTUFOL121の層により保護される。
【0070】
有効範囲を増大する解決策2/に対して、発明者は、最終的に、識別する金属製の支持体(コンテナ)の金属質量から遠ざけることが可能な、高密度ポリエチレンHDPE(=High Density Polyethylene)で作られるタグ保持部を選択した。グローブボックスのアプリケーションに対して、このタグ保持部は、タグと、キャスクのハンドルの金属部分の最上部との間に、12mmのオーダーの有利な距離を保つ。さらに、このような、キャスクのハンドルの上部へのタグの配置は、タグをキャスクの本体から約40mm離す。
【0071】
図6及び図6Aに示すように、本発明によるHDPEタグ保持部1は、タグの収容部10を含み、この収容部は、厳密に言えば、スライド100を含み、このスライドは、使用するパッシブRFIDタグを完全に収容することを可能とし、従って、環境に存在する可能性が高い、浮遊する核燃料粉末等の全ての粉塵から、タグを保護することを可能とする。さらに、スライド100は、必要に応じて、タグの容易な挿入と取り出しとを可能とする。
【0072】
タグ保持部の取り付け方法に関しては、好ましくはキャスクのハンドルへのネジ止めのために、通常二つの孔を空けることが好ましい。
【0073】
RFIDリーダーのアンテナに関しては、発明者は、仮説として、アンテナを、目標共振周波数がタグの周波数、すなわち、13.56MHzに等しく、従って、目標インピーダンスが50オームの、誘導型の共振アンテナと考えることを選択した。さらに、このタイプのアンテナの知識から、発明者は、その電気的様相を最小限にすることに努めた。電気的様相とは、アンテナ回路の複数の部品が、電気的性能でばらつき、従って、アンテナに対して、様々な電気的特性を与えてしまうことを意味する。言い換えれば、アンテナリーダーは、パッシブタグと、電磁結合のみを成しているのではない。
【0074】
ここで、リーダーの電気的様相がより大きいほど、例えば手の影響により不安定にすることにより、金属的環境は、アンテナの誘導特性に、より強く影響を与え得る。
【0075】
続いて、発明者は、電気的様相をできる限り最小化するアンテナの実現を試みた。しかしながら、アンテナ回路の電気的遮蔽、または、電気的対称性を保ったアンテナの分割等の、利用可能な既知の解決法は、アンテナリーダーの回路のサイズをより大きくするので、この状況には適さなかった。
【0076】
また、発明者は、図7に示すようなアンテナの構造を規定した。アンテナ2は、誘導ループとして、実質的に同じ長さを有する同軸ケーブルの二つの部位20、21を含む。同軸ケーブルの各部位20、21は、金属コア200、210と、コアを囲む金属プリーツ201、211とをそれぞれ含む。二つの部位20、21は、一方では、それらの一端200A、210Aで、一方のコア200を他方のプリーツ211に接続し、逆も同様に接続し(コア210をプリーツ201に接続する)、他方では、それらの他端200B、210Bで、それらのプリーツ201、211同士を接続し、それらのコア200、210が該他端で分離されることにより、共に接続される。従って、アンテナは、一種の、不連続部分のない二つのループを有する。
【0077】
用いられるケーブルの各部位は、AXON社により市販されている、直径が実質的に1.05mmで、単位長さあたりの容量が97pF/mのオーダーの、商品番号SM50の、超小型の同軸ケーブル製である。
【0078】
一般的に、このように作られる、コアとプリーツとの間の不連続部分がある同軸リングの全長は、1.2mのオーダーであり、すなわち、総容量は120pFであり、従って、14MHzの固有共振周波数をもたらす。
【0079】
また、後述するように、非常に小さい断面の直径は、アンテナリーダーが取り付けられるエンクロージャーの半透明な壁を通じた視認性を損なうことがない。
【0080】
図8は、コア200、210とプリーツ201、211との間の不連続部分の好ましい実現方法を示している。部位20のコア200は、はんだS1により、他の部位21のプリーツ211にはんだ付けされ、反対に、部位21のコア210は、はんだS2により、部位20のプリーツ201にはんだ付けされる。また、図示されるように、各部位は、それぞれ、コア200、210を、プリーツ201、211から絶縁する、鞘203、213を有する。また、絶縁を行う鞘202、212が、それぞれプリーツ201、211の外側に設けられている。最後に、熱収縮鞘22が、不連続部分全体を完全に絶縁する。
【0081】
図9に示すように、互いに分離された、アンテナリーダーコアの二つの端部は、電子補正ユニット3に点TP4及びTP5で接続可能である。該補正ユニット3は、入力部に、同調周波数の調整のためにコア200、210を接続する、可変キャパシタンスCV1と、アンテナ2が強い金属的環境に組み込まれた構成である際に、通常インピーダンスを50オームに適応する、ポテンショメーターPとを含む。
【0082】
また、図示されるように、二本のライン30、31が、ポテンショメーターによって共に接続され、各ラインは、並列接続されたR1、C1、及び、R2、C2を含む。
【0083】
一般的に、その値は、以下の通りである。
C1=C2=4.7pF
R1=R2=12kオーム
CV1 1.8から10pFまで変化
P 0から200kまで変化
【0084】
鉛ガラスベースの半透明な壁のグローブボックス用に、発明者は、透明材料で作られる板状支持部4の使用を選択した。より正確には、同軸ケーブルの部位20、21が、図6に詳細に示すように、板状支持部4の周囲において、接着剤5を用いて、溝40に挿入されて、接着される。板状支持部4の周囲のどの点であっても、その部位の曲率半径は、過度の機械的変形をそこで生じないように、4mmより低い。溝40は、図4に示すようなコア/プリーツの交点により生じる付加的な厚みに対応するように適応される。
【0085】
従って、鉛ベースの壁と他の半透明な壁との間に挿入が可能な厚みの、板状支持部を規定することができる。その結果、鉛ベースの壁の金属的影響が回避される。また、板状支持部は、半透明な材料で作られ、グローブボックスを通じての視認性を損なうことがない。
【0086】
アンテナリーダー2に電力を供給するため、発明者は、一次側を備える電磁結合の解決法の利用を考え、これは、上述したような交差部位を備えるアンテナの不連続部分でロバスト性を低下することなく、共振器に高周波電力を供給することができる。また、これは、50オームのインピーダンスの適応可能性を維持することができる。図11は、同軸ケーブルの部位20、21に沿って部分的に付加される、そのような一次側ループ6を概略的に示している。ループ6とケーブルの部位20、21とは、互いにできる限り接近して、一般的には0.5mm以下に接近して配置される。ケーブルの部位を板状支持部4の周囲の溝40に挿入する実施形態のバリエーションでは、一次側ループ6も一緒に挿入される。一次側ループの一部分60のみが、同軸ケーブルの部位に追従しないが、その部分も、板状支持部4に挿入されることが好ましい。一般的に、このループは、参照コード“Radiospares RS 357-716”の下で市販されるような、直径0.2から0.3mmのエナメル銅線で形成される。湾曲のコーナーは、ここでも、過度の変形を生じないように選択され、一般的に3mmのオーダーである。また、図7において、電子補正ユニット5を収容する箱50が、板状支持部4の近くのコア200、210の不連続部分に、端部にコネクタ7を備えて取り付けられていることが、確認可能である。これにより、板状支持部4、RFIDリーダーのアンテナ2、一次側供給ループ6、電子補正ユニットのアセンブリが、自律モジュールを形成する。
【0087】
図12に、鉛ガラスベースの壁と、プレキシガラス(登録商標)製の半透明な壁との間のグローブボックスに取り付けられたRFIDリーダーのアンテナ構造の調整を可能とする、他の手段の概略図を示す。より正確には、この図は、補正ユニット5と電磁結合による一次側供給ループ6と共に記載されるRFIDリーダーのアンテナ2を、周波数を通常13.56MHzに同調可能とし、インピーダンスを50オームに適応可能とする、他の手段を示している。
【0088】
この方法は、RFIDアンテナの電子リーダーモジュール25と、オシロスコープ9との間の直接結合器8の利用から成る。オシロスコープは、結合器8に戻る電磁波を表す、13.56MHzの信号の可視化を可能とする。これにより、この信号の振幅は、同調を得る観点からの補正ユニット5の可変キャパシタンスCV1と、アンテナRLC回路の減衰を得る観点からのポテンショメーターPの、連続動作により、最小化される。この方法は、最小の手段(直接結合器8、オシロスコープ9)を用いて、実際の強い金属的環境を考慮しつつ、現場での調整が可能であるため、有利である。
【0089】
グローブボックスGの環境では、この方法は、通常、処理グローブポートを収容するのに適した金属環Cを含む。そして、発明者は、思慮深く考慮し、電磁信号が、該金属環により増幅されるように、リーダー回路のアンテナの形状を規定した。この形状は、図11及び図12に既に示している。
【0090】
実際に、リーダーのアンテナ2の電磁界を受ける環は、電磁力を生じ、二次電流がこの環を流れる。この短絡回路環は、電磁界の二次放射源となる。従って、少なくとも一つの金属環の形状を囲まずに抱え込むようなアンテナの部位の形状の適応により、環の電磁界が、リーダーのアンテナ2の電磁界に付加される。
【0091】
本発明によるRFIDリーダーのアンテナと、アンテナが周辺に取り付けられる板状支持部とを含むモジュールの、同一のグローブボックスGへの好ましい組み込みモード2つが、図13A及び図13Bに示される。
−図13Aにおいて、グローブボックスの面の一つF1上で、アンテナ20、21の部位の板状支持部4の形状が、処理グローブポートの二つの金属環C1、C2を、それらを取り囲むことなく、抱え込むことが確認でき、
−図13Bにおいて、グローブボックスの他の面F2上で、アンテナ20、21の部位の板状支持部4の形状が、処理グローブポートの三つの金属環C1、C2、C3を、それらを取り囲むことなく、抱え込むことが確認できる。
【0092】
本発明による解決策は、提案された無線識別装置が、既存のキャスクとグローブボックスを変更してそれらを完全に再規定することなく、容易に組み込み可能であるので、グローブボックスを連続的に通り過ぎる金属キャスクの信頼性のある読み取りを可能とし、キャスクとグローブボックス双方を実質的に変更することなく、それを行う。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
埃の多い可能性の高い強い金属環境に存在する金属製の支持体の識別装置であって、パッシブ無線識別(RFID)タグと、電気的絶縁材料で作られ、前記金属製の支持体に取り付けられるとともに前記タグが前記金属製の支持体からある距離を隔てて配置され、前記タグが完全に収容されるように構成された収容部(10)を含む、タグ保持部と、実質的に等しい長さを有し、金属コア(200、210)と該コアを囲む金属プリーツ(201、211)とをそれぞれ有する同軸ケーブルの二つの部位(20、21)を誘導ループとして含むアンテナ(2)を有するRFIDリーダーと、を含み、該二つの部位が、一方では、それらの一端(200A、210A)で、一方のコア(200)を他方のプリーツ(211)に接続し、逆も同様に接続し(コア210をプリーツ201に接続し)、他方では、それらの他端(200B、210B)で、それらの前記プリーツ同士を接続し、それらの前記コアが該他端で分離されることにより、共に結合される、識別装置。
【請求項2】
前記タグ保持部が、前記RFIDタグが挿入可能なスライド収容部(100)を含む電気的絶縁材料で作られる部品で構成される、
請求項1に記載の識別装置。
【請求項3】
電気的絶縁材料で作られる前記部品が、高密度ポリエチレン(HDPE=High Density Polyethylene)をベースとする、
請求項2に記載の識別装置。
【請求項4】
前記タグ保持部の寸法が、前記タグを前記金属製の支持体から少なくとも4mmの距離を隔てて配置するように構成される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の識別装置。
【請求項5】
埃の多い可能性の高い強い金属環境に存在する金属製の支持体の識別装置であって、パッシブ無線識別(RFID)タグと、フェライトエレメント(1)から成り、前記金属製の支持体に取り付けられるとともに前記タグが前記金属製の支持体からある距離を隔てて配置されるように構成され、前記タグのアンテナの回路ループ内に配置される短絡回路のループ(120)を含む、タグ保持部と、実質的に等しい長さを有し、金属コア(200、210)と該コアを囲む金属プリーツ(201、211)とをそれぞれ有する同軸ケーブルの二つの部位(20、21)を誘導ループとして含むアンテナ(2)を有するRFIDリーダーと、を含み、該二つの部位が、一方では、それらの一端(200A、210A)で、一方のコア(200)を他方のプリーツ(211)に接続し、逆も同様に接続し(コア210をプリーツ201に接続し)、他方では、それらの他端(200B、210B)で、それらの前記プリーツ同士を接続し、それらの前記コアが該他端で分離されることにより、共に結合される、識別装置。
【請求項6】
前記同軸ケーブルの部位の直径が、1.05mm以下である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の識別装置。
【請求項7】
前記アンテナのループから分離する前記コアに接続される電子補正ユニット(5)を含み、該ユニットが、環境に組み込まれた構成における前記アンテナのループのインピーダンスを調整し、周波数を同調する手段(P、CV1)を含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の識別装置。
【請求項8】
電磁結合により前記アンテナのループに電力供給するための主ループ(6)を含み、該主ループは、前記パッシブタグからの識別データの読み取りに適応される電子モジュールのリーダー(25)に接続される、
請求項1から7のいずれか1項に記載の識別装置。
【請求項9】
前記タグが、13.56MHzの周波数での放射に適応され、前記リーダーの前記アンテナの前記同軸ケーブルの二つの部位が、97pF/mの平均キャパシタンスと、1.2mのオーダーの全長とを有する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の識別装置。
【請求項10】
請求項5または請求項6から9のいずれか1項と組み合わせた請求項5に記載の識別装置のタグ保持部が取り付けられる、金属製コンテナ。
【請求項11】
酸化プルトニウム及び/または酸化ウランの粉末等の核燃料エレメントの収容に適したキャスクを構成する、
請求項10に記載の金属製コンテナ。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載の識別装置の前記RFIDリーダーの前記アンテナが取り付けられる少なくとも一つの壁で、埃の多い可能性の高い密閉された強い金属環境を区切る壁を含む、エンクロージャー(G)。
【請求項13】
壁(F1、F2)が半透明であり、前記アンテナの部位(20、21)が、前記エンクロージャーの前記半透明な壁の一つに取り付けられる透明な板状支持部(4)の周囲に取り付けられる、
請求項12に記載のエンクロージャー(G)。
【請求項14】
前記アンテナの部位が、前記板状支持部の周囲に、全周囲に沿ってその曲率半径が4mmより低くなるように取り付けられる、
請求項13に記載のエンクロージャー(G)。
【請求項15】
少なくとも一つの前記半透明な壁が、鉛ガラス及び鉛以外のガラスをベースとするパネルを含み、前記アンテナの部位の前記板状支持部が、前記半透明な壁の二つの該パネルの間に挿入される、
請求項12から14のいずれか1項に記載のエンクロージャー(G)。
【請求項16】
壁一枚が、複数の穴を開けられ、前記エンクロージャー内でのコンテナの取り扱い用のグローブの収容に適した金属環(C1、C2、C3、C4)により各穴が囲まれ、前記アンテナの部位の前記板状支持部の形状が、少なくとも一つの金属環の形状を、取り囲むことなく、抱え込む、
請求項12から15のいずれか1項に記載のエンクロージャー(G)。
【請求項17】
前記アンテナの部位の前記板状支持部の形状が、少なくとも二つの金属環(C1、C2、C3)の形状を、取り囲むことなく、抱え込む、
請求項16に記載のエンクロージャー。
【請求項18】
核燃料エレメントの製造ユニットにおける、核燃料エレメントを含むキャスクを識別するための、請求項1から9のいずれか1項に記載の識別装置の利用法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate


【公表番号】特表2013−513176(P2013−513176A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542456(P2012−542456)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068692
【国際公開番号】WO2011/069878
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(508313895)アレヴァ・エヌセー (32)
【氏名又は名称原語表記】AREVA NC
【住所又は居所原語表記】33, rue La Fayette, 75009 Paris, France
【Fターム(参考)】