説明

埋込み周囲電極マイクロキャビティプラズマデバイスアレイ、電気的相互接続及び形成方法

【課題】安価なマイクロプラズマデバイス電極構造、及び軽量で、大面積化が可能なマイクロプラズマアレイを実現する製造方法を提供する。
【解決手段】マイクロキャビティプラズマデバイスアレイは、該デバイス内のマイクロキャビティを包囲する複数の第1の金属周囲電極を含む。該第1の周囲電極は、金属酸化物層内に埋め込まれており、該マイクロキャビティの軸と直角な平面内で該マイクロキャビティを包囲し、該金属酸化物によって該マイクロキャビティ内のプラズマから保護される。本発明の実施形態において、該周囲電極は、パターン状に接続することができる。第2の電極は、前記第1の金属酸化物層によって、前記第1の電極と隔離されるように配列される。いくつかの実施形態において、該第2の電極は、第2の層内にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小放電デバイス又はマイクロプラズマデバイスとしても知られているマイクロキャビティプラズマデバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロキャビティプラズマデバイスは、約500μm以下の特徴寸法dを有するキャビティ内に本質的に閉じ込められた非平衡低温プラズマを生成する。この新たなプラズマデバイスは、従来の巨視的なプラズマソースの特性とはかなり異なるいくつかの特性を呈する。該デバイスの小さな物理的寸法のため、マイクロキャビティプラズマは、通常、巨視的デバイスに利用できる圧力よりもかなり高いガス圧力(又は、蒸気圧)で作用する。例えば、200〜300μm(未満)の直径を有する円筒形マイクロキャビティを備えたマイクロプラズマデバイスは、1気圧以上の圧力の希ガス(ならびにN及びこれまでに検査された他のガス)での作用が可能である。
【0003】
このような高圧での作用は有利である。例示的な有利な点は、該高圧において、プラズマの化学的性質は、紫外線(ultraviolet;UV)、真空紫外線(vacuum ultraviolet;VUV)及び可視光線の有効な放射体であることが分かっている希ガス二量体(Xe、Kr、Ar、…)及び(XeCl、ArF及びKrF等の)ハロゲン化希ガスを含む電子的に励起された分子のいくつかの群の形成を支援するということである。この特徴は、幅広いガス又は気体(及びこれらの組合せ)中で作動するマイクロプラズマデバイスの能力と共に、幅広いスペクトル領域におよぶ放射波長を示す。さらに、大気圧付近のプラズマの作用は、マイクロプラズマデバイス又はアレイが密封される際のパッケージング材料における圧力差を最小限にする。
【0004】
マイクロプラズマデバイスの別の固有の特徴、すなわち、プラズマ中への大きな電力集中(典型的には、数十kW/cm以上)は、周知の光放射体である原子及び分子の有効な生成に部分的に関与する。その結果、上述した高圧作用及び電子及びガス温度を含むマイクロプラズマデバイスの特性のため、マイクロプラズマは、光放射の有効なソースである。
【0005】
イリノイ大学での本発明者等及び同僚による研究は、新たなマイクロキャビティデバイス構造及び用途をもたらした。実例として、半導体製造プロセスは、逆ピラミッド型の形を有するマイクロキャビティを備えたシリコンウェーハ内にマイクロプラズマデバイスからなる大きなアレイを形成するように適応されている。各デバイスが、50×50μmの放射アパーチャーを有する、250,000のデバイスを備えたアレイは、それぞれ、10cm−2、25%及び25cmのデバイスパッキング密度、アレイ充填率及び活性領域で実証されている。他のマイクロプラズマデバイス構造は、セラミック多層構造、感光性ガラス及びつい最近では、Al/Alシート内に作製されている。
【0006】
また、マイクロキャビティプラズマデバイスは、過去10年間にわたって、様々な用途のために開発されてきている。マイクロプラズマのアレイに対する例示的な用途は、ディスプレイの分野である。例えば、10μm程度の特徴寸法(d)を有する単一の円筒形マイクロプラズマデバイスが実証されているため、デバイス又はデバイスからなる群は、ディスプレイにおける画素にとって好ましい空間分解能を示す。加えて、マイクロキャビティプラズマデバイスを用いて、プラズマディスプレイパネル(plasma display panel;PDP)の中心部で紫外光を生成する効率は、現在、プラズマテレビに用いられている放電構造の効率を超える可能性がある。
【0007】
初期のマイクロプラズマデバイスは、直流(DC)電圧によって駆動され、金属電極に対するスパッタリングダメージを含むいくつかの理由により、短い寿命を呈していた。デバイスのデザイン及び製造の改良は、寿命を著しく伸ばしたが、材料コストの最小限化及び大きなアレイの製造は、引き続き考慮すべき重要な事柄である。また、時変電圧によって励起される、つい最近開発された誘電体バリアマイクロプラズマデバイスは、寿命に最も関心がある場合に好適である。
【0008】
イリノイ大学での本発明者等及び同僚による研究は、マイクロプラズマデバイスの状況を開拓し、発展させてきた。この作業は、1つ以上の重要な特徴及び構造を備えた実用的なデバイスをもたらした。それらのデバイスのほとんどは、数十kW/cm〜100kW/cmを超える電力負荷で連続的に作動することができる。実現されているこのようなデバイスの1つは、光増幅器及びレーザをポンピングするためにデザインされたマイクロプラズマからなるマルチセグメントリニアアレイである。また、気相(又は、蒸気相)プラズマと、半導体中の正孔プラズマとをインタフェースする能力も実証されている。半導体及び微小電気機械システム(microelectromechanical systems;MEMs)コミュニティによって大幅に発達した製造プロセスは、これまでに実証された多くのマイクロキャビティプラズマデバイスを製造するために採用されている。シリコン集積回路製造法の使用は、マイクロキャビティプラズマデバイス及びアレイのサイズ及びコストをさらに低減した。マイクロマシニングのバッチ性のため、改良された該デバイスのパフォーマンス特性だけではなく、大きなアレイを製造するコストも低減される。正確な公差及び高密度を備えた大きなアレイを製造する能力は、それらのデバイスを、ディスプレイ用途にとって魅力的なものにする。
【0009】
イリノイ大学での本発明者等及び同僚によるこの研究は、例示的で実用的なデバイスをもたらした。例えば、半導体製造プロセスは、均一な放射特性を呈するマイクロプラズマデバイスからなる緻密にパッケージングされたアレイを実証するのに採用されている。そのようなアレイを、プラズマディスプレイパネルと類似の方法で、しかし、従来のプラズマディスプレイパネルではまだ実現されていない発光効率の値で、蛍光体を励起するのに用いることができることが既に実証されている。別の重要なデバイスは、高感度を呈するマイクロキャビティプラズマ光検出器である。
【0010】
以下の米国特許及び特許出願は、この研究努力から生まれたマイクロキャビティプラズマデバイスについて記載している。公開された出願:第20050148270号明細書−マイクロ放電デバイス及びアレイ(Microdischarge devices and arrays);第20040160162号明細書−マイクロ放電デバイス及びアレイ(Microdischarge devices and arrays);第20040100194号明細書−マイクロ放電光検出器(Microdischarge photodetectors);第20030132693号明細書−テーパー状のマイクロキャビティを有するマイクロ放電デバイス及びアレイ(Microdischarge devices and arrays having tapered microcavities);特許:第6,867,548号明細書−マイクロ放電デバイス及びアレイ(Microdhischarge devices and arrays);第6,828,730号明細書−マイクロ放電光検出器(Microdischarge photodetectors);第6,815,891号明細書−マイクロ放電を励起する方法及び装置(Method and apparatus for exciting a microdischarge);第6,695,664号明細書−マイクロ放電デバイス及びアレイ(Microdischarge devices and arrays);第6,563,257号明細書−多層セラミックマイクロ放電デバイス(Multilayer ceramic microdischarge device);第6,541,915号明細書−高圧アーク灯と使ったスタートアップデバイス及び方法(High pressure arc lamp assisted start up device and method);第6,194,833号明細書−マイクロ放電ランプ及びアレイ(Microdischarge lamp and array);第6,139,384号明細書−マイクロ放電ランプ形成プロセス(Microdischarge lamp formation process);及び第6,016,027号明細書−マイクロ放電ランプ(Microdischarge lamp)。
【0011】
追加的な例示的マイクロキャビティプラズマデバイスは、「位相固定マイクロ放電アレイ及びAC、RF又はパルス励起マイクロ放電(Phase Locked Microdischarge Array and AC,RF,or Pulse Excited Microdischarge)」というタイトルの米国公開特許出願第2005/0269953号明細書、「櫛型電極によって励起されるマイクロプラズマデバイス(Microplasma Devices Excited by Interdigitated Electrodes)」というタイトルの米国公開特許出願第2006/0038490号明細書、2004年10月4日にファイルされた「封入された電極を備えたマイクロ放電デバイス(Microdischarge Devices with Encapsulated Electrodes)」というタイトルの米国特許出願第10/958,174号明細書、2004年10月4日にファイルされた「金属/誘電体多層マイクロ放電デバイス及びアレイ(Metal/Dielectric Multilayer Microdischarge Devices and Arrays)」というタイトルの米国特許出願第10/958,175号明細書及び「AC励起マイクロキャビティ放電デバイス及び方法(AC−Excited Microcavity Discharge Device and Method)」というタイトルの米国特許出願第11/042,228号明細書に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
マイクロキャビティプラズマデバイスの開発は、ディスプレイ、照明及び生物医学的用途に重点を置いて続いている。ディスプレイにおけるマイクロキャビティプラズマデバイスの究極の実用性は、(前述した)有効性、寿命及び取り扱い性を含むいくつかの重要なファクターにかかっている。取り扱い性は、具体的には、ほとんどのディスプレイ用途において重要である。例えば、画素として機能するマイクロキャビティ放電の群の場合、各マイクロプラズマデバイスは、個別に取り扱い可能でなければならない。
【0013】
大面積のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの製造は、コストを低減し、かつ信頼性を高める構造及び製造方法から恩恵を受ける。この点において、大きなアレイにおけるデバイス間の電気的相互接続は、特に興味深い。相互接続技術が、実施するのが困難な場合、又は、相互接続パターンが容易に再構成可能ではない場合には、製造コストは増加し、潜在的な商業的用途は、制限される可能性がある。このような考慮は、増加の一途をたどる大面積のディスプレイ又は発光パネルに対する要求が高まるにつれ、重要性が増している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の好適な実施形態のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイは、マイクロキャビティの軸に対して直角の平面において、該アレイ内のマイクロキャビティを包囲する複数の第1の金属周囲電極を含む。該第1の周囲電極は、金属酸化物層内に埋め込まれており、該マイクロキャビティを包囲し、該金属酸化物によって該マイクロキャビティ内のプラズマから保護される。本発明の実施形態において、該複数の周囲電極の一部又は全ては、接続されている。接続のパターンを画成することができる。第2の電極は、該第1の酸化物層によって前記第1の電極と隔離されるように配列される。いくつかの実施形態において、該第2の電極は、第2の層内にあり、また、他の実施形態においては、該第2の電極は、該第1の金属酸化物層の上又は中に設けられる。包含層、例えば、薄いガラス又はプラスチック層は、放電媒体を該マイクロキャビティ内に密封する。
【0015】
好適な形成方法の実施形態においては、金属箔又は金属膜が得られ、又は、該箔又は膜に(スルーホール等の)マイクロキャビティが設けられる。該箔又は膜は、金属酸化物を形成するように陽極酸化される。1つ以上の自己パターン化金属電極が、陽極酸化プロセスによって形成された金属酸化物内に自動的に形成されて埋め込まれる。該電極は、各マイクロキャビティ周辺の閉じた周囲に形成され、電気的に絶縁又は接続することができる。
【0016】
本発明によってもたらされる金属酸化物層内に埋め込まれた電極的相互接続のパターンは、電子デバイス又は電子システムのための配線としての独立した実用性も有する。本発明の実施形態は、第1の金属酸化物層内に画成された複数のマイクロキャビティを備える電子デバイス又は電子システムのための配線である。第1の周囲金属電極は、該金属酸化物層内に埋め込まれており、各電極は、個々のマイクロキャビティを包囲している。該第1の金属酸化物層内に埋め込まれた相互接続部は、2つ以上の第1の電極を接続する。該第1の電極の相互接続は、あるパターンに従っている。
【0017】
本発明の好適な実施形態のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイは、該マイクロキャビティに対して直角の平面において、該デバイス内のマイクロキャビティを包囲する複数の第1の金属周囲電極を含む。該第1の周囲電極は、金属酸化物層内に埋め込まれており、該金属酸化物層によって、該マイクロキャビティ内のプラズマから保護される。本発明の実施形態において、該複数の周囲電極の一部又は全ては、接続されている。接続パターンは、画成することができる。
【0018】
第2の電極は、前記第1の金属酸化物層によって前記第1の電極と隔離されるように配列される。いくつかの実施形態において、該第2の電極は、第2の層内にあり、また、他の実施形態においては、該第2の電極は、該第1の金属酸化物層の上又は中に設けられる。好適な実施形態において、第2の電極又は複数の第2の電極は、第2の誘電体層内に埋め込まれる。該第2の誘電体層は、該第1の層に接合又は近接され、包含層は、ガス又は蒸気(あるいは、これらの組合せ)を該アレイに密封する。別の好適な実施形態においては、該第2の電極は、該第1の金属酸化物層内の複数の電極である。
【0019】
該第2の層は、例えば、共通電極を含むことができる。該第2の層は、共通の第2の電極を画成するために、酸化物内に埋め込まれた、又は酸化物によって密封された硬くて薄い金属箔とすることができる。他の実施形態においては、該第2の層は、マイクロキャビティを有する又は有しない電極パターンを含むことができる。好ましくは、該第2の層には、該第1の層と同様に、金属周囲埋込み電極が設けられる。このようなアレイは、低容量及び高スイッチング速度を実現できる。本発明のマイクロプラズマデバイスアレイは、フレキシブル、軽量及び安価とすることができる。
【0020】
好適な形成方法の実施形態においては、金属箔又は金属膜が得られ、又は、該箔又は膜に(スルーホール等の)マイクロキャビティが設けられる。該箔又は膜は、金属酸化物を形成するように陽極酸化される。1つ以上の自己パターン化金属電極が、陽極酸化プロセスによって形成された金属酸化物内に自動的に形成されて埋め込まれる。該電極は、各マイクロキャビティ周辺の閉じた周囲に形成され、電気的に絶縁又は接続することができる。
【0021】
本発明の好適な実施形態のマイクロプラズマデバイスアレイは、少なくとも、相互接続されたマイクロキャビティからなるサブセットを有する。第1の金属周囲電極は、金属酸化物(誘電体)層内に埋め込まれ、該第1の金属周囲電極の少なくとも一部は、相互接続される。金属酸化物は、該第1の金属周囲電極がプラズマに曝されるのを防ぐために、各マイクロキャビティの内部にも被覆される。また、第2の電極は、該第1の電極及びマイクロキャビティアレイを有する第1の層に近接している第2の金属酸化物誘電体層内に埋め込まれている。この第2の電極は、例えば、誘電体内に埋め込まれた平行な金属ラインを備えることができ、該ラインの各々は、該アレイ内のマイクロキャビティの特定の行又は列と関連付けられるように意図されている。該第2の電極は、別法として、誘電体中に埋め込まれた金属からなる連続シートとすることができる。
【0022】
マイクロキャビティデバイス及びアレイは、複数のマイクロキャビティと直角な平面内に位置する平面的な周囲金属電極が、該マイクロキャビティ及び該マイクロキャビティ内の相互接続部に電力を供給する本発明の実施形態によって提供される。電極は、金属酸化物等の誘電体中に埋め込まれ、各マイクロキャビティを包囲する。該マイクロキャビティの周囲の電極の形状は、本質的に、該マイクロキャビティの断面形状(円形、ダイヤモンド等)を複製する。該誘電体の薄壁は、該電極と、該マイクロキャビティの縁部との間に位置し、それにより、該電極を電気的に絶縁し、かつ該電極の、該マイクロキャビティ内のプラズマからの化学的及び物理的隔離を実行できる。すなわち、該電極は、該マイクロキャビティの壁部と同一平面ではない。
【0023】
好適な実施形態は、誘電体中に埋め込まれた複数の第1の周囲電極を含み、それらの電極のうちの一部又は全ては接続されている。第2の電極は、第2の誘電体層内に埋め込まれる。該第2の誘電体層は、該第1の層に接合又は近接されて、デバイスからなるアレイを形成し、包含層は、該アレイ内のガス又は蒸気(あるいは、これらの組合せ)を密封する。本発明の実施形態において、異なるマイクロキャビティに関連する該電極は、制御可能なパターンで相互接続することができる。
【0024】
好適な形成方法において、マイクロキャビティ間の電極相互接続のパターニングは、金属電極の湿式化学処理(陽極酸化)の経過中に自動的に行われる。処理する前に、所望の形状の(スルーホール等の)マイクロキャビティが、金属電極(例えば、箔又は膜)内に形成される。該電極は、該電極の実質的に全てを誘電体(一般に、酸化物)に変換するために、後に陽極酸化される。この陽極酸化プロセス及びマイクロキャビティの配置は、アレイ内の隣接するマイクロキャビティが電気的に接続されるか否かを決定する。
【0025】
これまでのマイクロキャビティプラズマ技術と比較して、この発明は、いくつかの利点を有する。1つは、上記第1の電極及びもしあれば相互接続部(及び、いくつかの好適な実施形態においては、第2の電極)が、これまでのほとんどの技術にはある連続シートではないため、2つの電極構造の静電容量が低減されるということである。従来のマイクロプラズマデバイス及びアレイにおいて、1つの電極を構成する金属シートの大半は、この発明においては、金属酸化物誘電体に変更されている。平行板コンデンサの静電容量は電極面積に比例するため、電極面積の低減は、構造全体の静電容量を同様に低減する。この静電容量の低減は、一般的に、大きな変位電流が不利であるディスプレイ用途にとって価値のあるこの技術を提供するアレイの変位電流を同様に低減する。
【0026】
本発明の実施形態の別の利点は、該誘電体を、大きなバンドギャップを有する物質とすることができ、そのため、該誘電体は、可視光において、及び恐らく、紫外線(UV)又は赤外線(IR)領域おいても透明である。
【0027】
好適な形成方法を用いて、埋め込まれた周囲金属電極は、自己パターン化電極として形成される。この自己パターン化電極は、マイクロキャビティプラズマデバイスへの、及び該マイクロキャビティプラズマデバイス間の相互接続部への電力の送給を実行できる。周囲電極は、金属酸化物誘電体内に埋め込まれ、各マイクロキャビティを包囲する。マイクロキャビティを包囲する該周囲電極の形状は、本質的に、該マイクロキャビティの断面形状(円形、ダイヤモンド等)を複製し、すなわち、該電極形状は、本質的に、該マイクロキャビティの軸に直角な平面による該マイクロキャビティの切り欠き図の形状と一致する。該金属酸化物誘電体の薄壁は、該電極と、該マイクロキャビティの縁部との間に位置し、それにより、該電極を電気的に絶縁し、かつ該マイクロキャビティ内のプラズマからの該電極の化学的及び物理的隔離を実現できる。本発明の実施形態において、異なるマイクロキャビティに関連する電極は、制御可能なパターンで相互接続することができる。好適な形成方法において、マイクロキャビティ間の電極の相互接続のパターニングは、金属箔又は金属膜の湿式化学処理(陽極酸化)の経過中に自動的に行われる。処理する前に、所望の形状のマイクロキャビティが、金属箔又は金属膜内に形成される。該箔又は膜は、該金属の実質的に全てを誘電体(一般に、酸化物)に変換するために、後に陽極酸化される。この陽極酸化プロセス及びマイクロキャビティの配置は、アレイ内の隣接するマイクロキャビティが電気的に接続されるか否かを決定する。
【0028】
本発明の製造方法は、自己パターン化した周囲電極が、金属を金属酸化物に変える陽極酸化プロセス中に、マイクロキャビティの周囲に自動的に形成される湿式化学プロセスである。陽極酸化前の金属箔(又は、金属膜)内の該マイクロキャビティのサイズ及びピッチならびに陽極酸化パラメータは、1次元又は2次元のアレイ内の該マイクロキャビティプラズマデバイスのどれが接続されるかを決定する。好適な実施形態において、金属箔は、多様な断面形状(円形、正方形等)のいずれかを有するマイクロキャビティと共に得られ、又は形成される。該金属箔は、陽極酸化されて金属酸化物を形成する。1つ以上の自己パターン化金属電極は、該陽極酸化プロセスによって形成された金属酸化物内に自動的に形成され、同時に埋め込まれる。該電極は、各マイクロキャビティの周囲に一様に形成され、パターン状に電気的に絶縁又は接続することができる。該マイクロキャビティの周囲に形成される電極の形状は、該金属酸化物を形成する陽極酸化の前の該マイクロキャビティの形状に依存する。従って、例えば、円筒形のマイクロキャビティは、埋込みリング状電極を形成し、また、ダイヤモンド状のマイクロキャビティは、本質的に、ダイヤモンド状の埋込み電極を形成する。しかし、各マイクロキャビティの周囲の電極は、該マイクロキャビティの壁部と同一平面ではない。正確に言えば、該電極は、金属酸化物によって被覆され、その一部は、該マイクロキャビティの壁部を構成する。
【0029】
好適な実施形態の製造方法は、例えば、マイクロキャビティの群を接続するための陽極酸化プロセスのパラメータによって容易に制御される。電極は、(2次元アレイにおけるデバイスの行又は列等の)マイクロキャビティプラズマデバイスの群全体、又は、必要に応じて、アレイ内の単一のデバイスを作動させるように形成することができる。該自己パターン化した電極の形成及び金属箔から金属酸化物への変換は、酸浴槽内で全体的に遂行される。該デバイスからなるアレイを形成する一つの方法は、薄い酸化物層を、パターン化した埋込み電極と結合し、該マイクロキャビティを、埋込み電極を有する別の薄い酸化物層と結合することである。本発明の製造方法は、低コストであり、大きな材料シートを同時に処理することができる。アドレス可能及び非アドレス可能なアレイを形成することができる。
【0030】
本発明のデバイスは、例えば、第1及び第2の薄層を一緒に埋込み電極に接合するロールトゥロール処理を含み得る大量生産技術に適している。本発明の実施形態は、低コストで作ることのできるマイクロキャビティプラズマデバイスからなる大きなアレイを提供する。また、本発明の例示的なデバイスは、フレキシブルで、スペクトルの可視光領域において少なくとも部分的に透明である薄層から形成される。
【0031】
本発明の好適な実施形態のマイクロキャビティプラズマデバイスの構造は、例えば、ロール上の任意の長さで利用できる、又は製造することのできる金属からなる箔(又は膜)に基づいている。本発明の方法において、マイクロキャビティのパターンは、後に陽極酸化される金属箔内に形成され、それにより、各マイクロキャビティが、埋め込まれた金属電極によって(該マイクロキャビティの軸と直角な平面内に)包囲された(該金属ではなく)金属酸化物内のマイクロキャビティをもたらす。デバイスの動作中、該金属酸化物は、該マイクロキャビティ内のプラズマから該マイクロキャビティを保護し、及び該電極を該プラズマと電気的に絶縁する。
【0032】
第2の金属箔も、酸化物で密封され、該第1の密封箔に接合される。該第2の金属箔は、第2の電極を形成する。本発明の一つの好適な実施形態のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの場合、これら2つの密封箔の接合中に、特定のアラインメントは必要ない。本発明の別の実施形態においては、該第2の電極は、該金属酸化物内に埋め込まれた平行な金属ラインからなるアレイを備える。該埋込み電極を有する2つの金属酸化物層を備えるアレイ全体は、例えば、中に封入された所望のガス又はガス混合物と共に、薄いガラス、石英又はプラスチックウィンドウで密封することができる。
【0033】
該金属電極及び金属酸化物用の好適な材料は、アルミニウム及び酸化アルミニウム(Al/Al)である。別の例示的な金属/金属酸化物材料系は、チタン及び二酸化チタン(Ti/TiO)である。他の金属/金属酸化物材料系は、当業者には明白であろう。好適な材料系は、ロールトゥロール処理等の低コストの大量生産技術によって、本発明のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの形成を可能にする。
【0034】
該マイクロキャビティの形状(断面及び奥行き)ならびに該マイクロキャビティ内のガス又は蒸気の固有性、印加される電圧及び電圧波形は、原子又は分子放射体を前提として、プラズマの形態及びマイクロプラズマの放射効率を決定する。本発明の例示的なマイクロプラズマアレイ構造の全体の厚さは、例えば、200μm以下とすることができ、そのようなアレイを非常にフレキシブルかつ安価にすることができる。さらに、該マイクロキャビティプラズマデバイスの密度(アレイ表面積のcm当たりの数)は、達成可能な50%を超える充填率(該アレイの放射面積と、その全体の面積の比)で、10cm−2を超えることが可能である。
【0035】
本発明の実施形態は、1つのアレイ内の個々のマイクロキャビティプラズマデバイスの独立したアドレッシングを実現できる。上述したように、一実施形態において、該第2の電極は、金属酸化物中に埋め込まれた平行な金属ラインからなる1つ以上のアレイを備えることができる。アドレス可能なアレイ全体は、陽極酸化及び後の接合により、金属酸化物中に別々に埋め込まれた2つの電極又は電極パターンからなる。
【0036】
本発明によって形成される金属酸化物中に埋め込まれた電極相互接続のパターンは、電子デバイス又はシステム用の配線としての別の実用性も有する。本発明の実施形態は、第1の金属酸化物層内に画成された複数のマイクロキャビティを備える電子デバイス又はシステム用の配線である。第1の周囲金属電極は、該金属酸化物層内に埋め込まれ、各電極は、個々のマイクロキャビティを包囲している。該第1の金属酸化物層内に埋め込まれた相互接続部は、2つ以上の第1の電極を接続する。該第1の電極の相互接続は、あるパターンに従って行われる。
【0037】
次に、好適な実施形態を、図面に関して論じる。該図面は、原寸に比例していない略図を含み、このことは、当業者には、付随する説明を参照すれば完全に理解されるであろう。形状部材は、説明のために誇張されている可能性がある。好適な実施形態から、当業者は、本発明の様々な態様を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の例示的な実施形態のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの概略断面図である。
【図2】図2Aは、個々のマイクロキャビティ及びその関連の埋め込み周囲電極の概略断面図、図2Bは、相互接続された埋め込み周囲電極を有するマイクロキャビティアレイの一部の概略断面図である。
【図3】図2の個々のマイクロキャビティ及び埋め込み周囲電極の概略平面図である。
【図4】埋め込み周囲電極によって相互接続された複数のマイクロキャビティの概略平面図である。
【図5】線形パターンで接続されている埋込み周囲Al電極を有する、Al内の直径250μmの円筒形マイクロキャビティからなる2つの線形アレイの一部を示す写真である。
【図6】本発明の例示的な実施形態のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの概略断面図である。
【図7】図7Aは、本発明のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスからなるアレイの好適な実施形態の概略平面図、図7Bは、本発明のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスからなるアレイの好適な実施形態の概略断面図である。
【図8】図8Aは、本発明のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスからなるアレイの別の好適な実施形態の概略平面図、図8Bは、本発明のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスからなるアレイの別の好適な実施形態の概略断面図である。
【図9】図9Aは、本発明のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスからなるアレイの別の好適な実施形態の概略断面図、図9Bは、本発明のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスからなるアレイの別の好適な実施形態の概略平面図である。
【図10】図10A〜図10Eは、図9A及び図9Bのアレイの場合の好適な製造プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイ10の例示的な実施形態の断面図である。マイクロキャビティ12は、埋め込まれた第1の周囲電極16を含む第1の金属酸化物層15内に画成されている。金属酸化物15は、第1の周囲電極16を、該マイクロキャビティ内に生成されるプラズマから保護し、それにより、アレイ10の寿命を延ばし、また、周囲電極16と、該アレイの第2の電極を電気的に絶縁する。周囲電極16は、図1の断面図に示すように、先細になっていることに注意する。すなわち、該電極の厚さは、マイクロキャビティの近くで最も大きくなっているが、該マイクロキャビティから離れるにつれて小さくなる。図1では明らかではないが、各周囲電極16は、それぞれのマイクロキャビティを包囲しており、方位的に対称的である。この発明の別の特徴は、金属酸化物誘電体からなる層が、電極16の内縁と、マイクロキャビティ12の壁部との間に存在しているということである。
【0040】
図1の第2の電極18は、硬い導電性箔とすることができ、第2の薄い酸化物層19、例えば、第1の層15の金属酸化物と同様の金属酸化物内に埋め込まれている。しかし、好適な実施形態において、第2の電極18は、例えば、マイクロキャビティ12の行(及び/又は列)と位置合わせされた平行ラインとしてパターン化されている。一実施形態において、該金属ラインは、電気的に接続されている。このようにして、マイクロキャビティデバイスからなる大きなアレイのための共通電極を形成することができるが、金属の量は、硬い導電性箔と比較して低減され、それに伴って、該アレイの静電容量も低減される。他の実施形態においては、該金属ラインは、個々のマイクロキャビティデバイスをアドレッシングする目的で、電気的に接続しなくてもよい。第2の電極18は、酸化物19内に埋め込まれ、又は、該酸化物によって密封されている。所望の放電媒体(ガス、蒸気、又は、これらの組合せ)は、マイクロキャビティ12内に収容でき、マイクロプラズマは、正確なRMS値を有する時変電圧波形がジェネレータ22によって供給されたときに、マイクロキャビティ12内に生成される。駆動電圧は、例えば、正弦波、バイポーラDC又はユニポーラDCとすることができる。
【0041】
アレイ10は、該マイクロプラズマによって生成される放射波長に対して完全に透過性であるか、又は、例えば、特定のスペクトル領域においてのみ放射を伝達するように、マイクロキャビティプラズマデバイスアレイ10の出力波長をフィルタリングすることのできる適当な材料によって密封することができる。アレイ10は、薄いガラス、石英又はプラスチック層等の透明な層20を含む。上記放電媒体は、大気圧又は大気圧付近で収容することができ、シーリング層20全域での小さな圧力差のために、非常に薄いガラス又はプラスチック層の使用を可能にする。様々な食品を密封する食品業界において用いられるパッケージング等のポリマー真空包装を用いることもでき、この場合、層20は、縁部15を越えて及んでおり、底部からアレイ10を取り囲む同じ材料からなる別の層に密封される。当業者は、周知の真空及びガスの取扱法を、該密封されたアレイから空気を排気して、該アレイに所望のガス、蒸気又はこれらの組合せを充填するのに用いることができることは理解するであろう。(図1には図示されていない)真空接続は、この目的を果たすことができる。
【0042】
各マイクロキャビティ12内には、プラズマ(放電)が生成される。第1及び第2の電極16、18は、それぞれの酸化物層の厚さだけ、互いに離間されている。それにより、該酸化物は、第1及び第2の電極16、18を互いに絶縁し、加えて、各電極を、マイクロキャビティ12内に収容されている放電媒体(プラズマ)から隔離する。この構成は、ガス又は蒸気媒体を励起して、各マイクロキャビティ12内にマイクロプラズマを生成するための、電極16と電極18の間への時変電位(AC、RF、バイポーラ又はパルスDC等)の印加を可能にする。
【0043】
図2は、直径dの個々の円筒形マイクロキャビティ12及び埋込み周囲電極16を断面で示し、図2Bは、周囲電極16及び相互接続部24を有する隣接する2つのマイクロキャビティ12を示す。相互接続部24は、該相互接続部が接続している周囲電極16とつながっており、2つの周囲電極16の融合によって形成される。
【0044】
図3は、個々のマイクロキャビティ及び埋込み電極16の平面図であり、埋込み電極16が、マイクロキャビティの周囲にリングを形成していることを示す。好適な方法による形成中に、自己パターン化した埋込み周囲電極が、各マイクロキャビティの周囲に自動的に形成され、パターン状に接続することができ、又は、分離することができる。図2A、図2B及び図3を見て分かるように、電極16は、厚さφを有する金属酸化物誘電体15からなる層が、電極16の内縁と該マイクロキャビティの壁部との間に存在するように形成される。同様に、電極16の上縁と、誘電体層15の上面との間の金属酸化物の厚さはaであり、層15の全体の厚さは、tで定義され、該マイクロキャビティの直径はdである。好適な実施形態において、φは、典型的には、1〜30μmであり、aは、5〜40μm間隔である。aがφよりも大きい場合、プラズマは、一般的に、マイクロキャビティ12内に閉じ込められる。例示的な実施形態は、円筒形のマイクロキャビティを示しているが、本発明の自己パターン化形成プロセスは、任意の断面(矩形、ダイヤモンド等)を有するマイクロキャビティを形成するのに用いることができ、各マイクロキャビティは、それぞれの自己パターン化した埋込み周囲電極を有している。
【0045】
当業者は、第1の電極16が、図1〜図3を見て分かるように、本発明のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの第1の電極として機能することとは別の実用性を有することも理解するであろう。本発明によって形成される金属酸化物15内に埋め込まれた電極16の接続部24のパターンは、例えば、電子デバイス又はシステム用の相互接続部(配線)としての別の実用性も有する。本発明の実施形態は、図1〜図3を見て分かるように、第1の金属酸化物層15内に画成された複数のマイクロキャビティ12を備える電子デバイス又はシステム用の配線である。第1の周囲金属電極は、該金属酸化物層内に埋め込まれており、複数のマイクロキャビティ12の各々を包囲している。該第1の金属酸化物層内に埋め込まれた相互接続部24は、2つ以上の該第1の電極を接続する。該第1の電極の相互接続は、あるパターンに従って行われる。
【0046】
本発明の好適な形成プロセスにおいては、既に存在する(所望の断面形状を有する)マイクロキャビティからなるパターンを有する金属箔が得られる。該マイクロキャビティは、該金属箔を部分的に又は完全に貫通して伸びることができる(後者は、図1、図2A及び図2Bに図示されている)。金属箔は、マイクロ穿孔、レーザーマイクロマシニング、化学エッチング又は機械的パンチングを含む様々な方法のいずれかによって、該金属箔内に形成されたマイクロキャビティからなるパターンを有することができる。様々な形状のスルーホールの形で予め形成されたマイクロキャビティを有する箔が市販されている。
【0047】
次のステップは、陽極酸化プロセスによって、該金属箔のほとんどを金属酸化物に変えることである。このプロセスは、各マイクロキャビティを包囲する自己パターン化した第1の電極(図1〜図3を参照)をもたらすように制御される。金属酸化物中に埋め込まれた、各マイクロキャビティの周囲のこれらの金属リングは、様々なパターンで接続することができ、又は、必要に応じて、単一の相互接続電極を形成してもよい。該陽極酸化プロセスのパラメータ(モル濃度、温度、プロセス時間等)の制御によって、該埋込み電極及び(もしある場合には)相互接続部の寸法は、変化させることができ、及び指定することができる。
【0048】
形成方法は、大規模処理に適しており、低コストである。埋め込まれた自己パターン化電極は、陽極酸化、湿式化学プロセスによって自動的に形成される。その結果として、該プロセスは、低コストであり、理想的に、大面積を処理するのに適している。薄膜堆積技術によるアレイ用電極の製造は、比較的高価である。そのため、発光アレイの等価静電容量の最小限化は、(スイッチング等の)その高周波電気特性にとって重要であるが、従来の堆積プロセスによる該電極のパターニングは、該アレイのコスト、及び製造プロセスの複雑性を上昇させる。本発明の形成方法を用いれば、該製造プロセスの複雑性を増すことなく、該電極面積を劇的に低減することができる。
【0049】
図2bは、マイクロキャビティ間の埋め込み金属電極の相互接続に関連する2つのマイクロキャビティの略図及びパラメータを示す。図2aに示す条件の場合、該電極は、該マイクロキャビティ間の間隔Lが、該マイクロキャビティの直径dよりも小さい場合には、互いに相互接続されることになる。
【0050】
本発明の例示的な実施形態によるプロトタイプのアレイが製造され、試験されている。具体的には、マイクロキャビティプラズマデバイスからなるリニアアレイが、シュウ酸中で、(スルーホール形の)円筒形のマイクロキャビティからなるパターンが既に中に形成されているアルミニウム箔を陽極酸化することによって実現されている。これらの例示的なアレイの場合、Al箔の厚さは、127μmであり、該円形ホールの直径及びピッチ(中心間の距離)は、それぞれ、250μm及び200μmである。該箔を、25℃で、0.3Mのシュウ酸溶液中で、7時間、陽極酸化すると、該アルミニウム箔のほとんどが、ナノ多孔性の酸化アルミニウム(Al)に変わるが、(図2及び図4に示すように)該Al内に埋め込まれているAlからなるパターン化された薄層が残る。このAlからなるパターン化された薄層は、図1〜図4のキャビティ12内にマイクロプラズマを生成するための電極又は(単一の電極を形成するための)相互接続された電極からなる群としてよく適している。別の言い方をすると、該陽極酸化プロセスは、該陽極酸化プロセスが、適当な時間に終了した場合に、残っているAlが、アレイ内の個々のマイクロプラズマデバイスのための電極として、又は、マイクロキャビティプラズマデバイスアレイ内のマイクロキャビティの一部又は全てを相互接続する電極として機能するように、Alを選択的にAlに変える。これが、該アレイ電極を形成するプロセスである。
【0051】
図1、図2A及び図2Bの断面図に示す、このプロセスによって形成される該周囲電極のリング構造は、金属箔又は金属膜内のマイクロキャビティ付近での陽極酸化プロセスの力学の結果である。該マイクロキャビティから少し離れたところで、陽極酸化槽内に浸漬された箔の陽極酸化は、該箔、例えば、Al箔の両面で一様に進行し、その厚さが、処理時間と共に増加する透明なAl膜内に密封された、(その厚さが、陽極酸化時間と共に減少する)薄いAlシートをもたらす。しかし、該マイクロキャビティの付近では、該マイクロキャビティ内の酸も陽極酸化に加わっているため、該プロセスは、異なって進行する。そのため、該マイクロキャビティの周辺の近傍では、陽極酸化は、該箔の両面から内方へ移動し、同時に、該プロセスは、該マイクロキャビティから離れた外方へも進行する。しかし、AlからAlへの変換は、未使用の酸の、小径の流路(マイクロキャビティ)内への流れが制限されるため、該マイクロキャビティ内では、外部(すなわち、表面)よりも遅い。その結果、Al電極(図2A)は、該マイクロキャビティ付近では、フレアー状になり、及び厚さφのAl層が、該マイクロキャビティの内側を被覆する。また、該電極の内面、すなわち、該マイクロキャビティに対向する面は、本質的に該マイクロキャビティの壁部と平行である。従って、このプロセスは、該マイクロキャビティ壁部から本質的に等距離にあるリング電極を形成する。
【0052】
埋め込まれた周囲電極は、該表面へのシュウ酸の流入の結果として、該陽極酸化プロセス中に自動的に形成される。マイクロキャビティ12を包囲する金属電極の矢じり状の断面形状(例えば、図1、図2A及び図2Bを参照)は、該マイクロキャビティ付近での陽極酸化の不均一な反応速度によって生じる。該マイクロキャビティから離れたところでの、該金属箔から金属酸化物への変換は、(必要に応じて)ほぼ終了まで進行することが可能であるが、該マイクロキャビティ付近では、該マイクロキャビティ内への酸の動きが制限されるため(及び該マイクロキャビティからの、陽極酸化の化学生成物の除去が遅いため)該マイクロキャビティ付近で反応速度が落ちるので、より多くの金属が残る。このプロセスの結果、金属酸化物内に埋め込まれた自己パターン化した電極が、該マイクロキャビティの周囲に形成される(又は、より正確には、該陽極酸化プロセスによって残される)。形成されたこれらの構造は、(マスキングによって容易になされる方法等の)パターニングプロセス又は選択的陽極酸化法の実施によって、様々な形状に変更することができることを強調しておく。
【0053】
図4において、各マイクロキャビティ12を包囲する埋込み周囲電極16は、図4に示すマイクロキャビティ12からなるリニアアレイのための単一の連続電極を形成する相互接続部24を含む。好適な実施形態において、相互接続部24は、個々のマイクロキャビティの周囲の隣接する周囲電極16の非分離(又は、融合性)の結果であり、このことは、マイクロキャビティ12からなる小さな及び大きな群を接続して、例えば、アドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスアレイを形成するのに用いることができる。好適な形成プロセスに関して上述したように、マイクロキャビティの間隔、及び陽極酸化プロセスの継続時間及び状態は、隣接する電極16に接続するように相互接続部24を残すことができる。
【0054】
また、自己パターン化した埋め込み電極を、マイクロキャビティからなるアレイを電気的に接続するように形成することができることが、実験で証明された。該デバイスが、それに対して相互接続される、直径250μmのマイクロキャビティからなるリニアAl/Alアレイの一部を図5に示す。上から撮ったこの写真は、該リニアアレイの両側において、Alが本質的に完全に、可視領域で透明なAlに変換されていることを示している。また、(該マイクロキャビティアレイは、この写真では逆光であるため、白い円として現れている)各マイクロキャビティの周囲の埋込みAlリングは、明確に表れている。例えば、400トールのNeで作動させた場合、図5のアレイは、各キャビティ内に均一なグロー放電を生成する。1気圧程度までの圧力での動作が、これまでに実証されており、(Neに加えて)多くのガス及び蒸気が、これらのマイクロプラズマデバイスアレイによく適している。
【0055】
図6は、本発明のマイクロキャビティプラズマデバイスからなるアレイを組込んだランプの略図である。図6のアレイにおいては、例えば、図1又は図4による第1及び第2の埋込み電極16、18(一方又は両方がマイクロキャビティ12を有している)は、例えば、予め形成されたAlスクリーンを陽極酸化して、フレキシブルであるように十分に薄くすることのできる、埋め込み周囲電極を有するマイクロキャビティプラズマデバイスアレイ10を形成することにより、金属及び金属酸化物中に製造される。高レベルの柔軟性を維持するために、真空密封の後、アレイ10を、食品業界で用いられている包装等のポリマー真空包装34でパッケージングすることができる。電極16、18の延長部が、電源/コントローラ36への接続のために、パッケージング34を越えて延びるように図示されているが、接続のための他の方法も、当業者には明白であろう。ポリマーパッケージングにおける真空密封は、マイクロキャビティプラズマデバイスアレイ10を、大気圧で、又は大気圧付近で作動させることができ、その結果、(もしあれば)該ランプの内部と外部の間に小さな圧力差がもたらされるため、可能である。当然、他のパッケージングも、例えば、ガラス、石英又はサファイアウィンドウで密封するのに利用することができる。
【0056】
本発明のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの実施形態を、図7A及び図7Bに概略的に示す。図7A及び図7Bにおいては、これまでの図面からの参照数字が、類似の部材の符号として用いられている。図7A及び図7Bの第1の電極16は、各マイクロキャビティの周りのリングの形をとる埋込み周囲電極である。電極16は、酸化物からなる第1の層15内に埋め込まれており、該層によって保護される。相互接続部24は、電極16からなるリニアアレイと、それぞれのマイクロキャビティ12とを接続する。第2の電極18は、酸化物層19内に埋め込まれた平行ライン電極18a〜18nを備える。電極18a〜18nは、陽極酸化の前に、該第2の金属箔の所望の領域をマスキングすることによって形成することができる。このようにして、所望の幅の埋込み電極が作られる。ライン電極18a〜18nと、酸化物からなる第1の層15内のマイクロキャビティ12の行及び/又は列とを位置合わせすることにより、個々にアドレッシングすることのできる(線形状又は2次元のアレイにおける)マイクロキャビティデバイスが形成される。
【0057】
図8A及び図8Bは、本発明の別のアドレス可能なマイクロキャビティプラズマデバイスアレイの実施形態を示す。図8A及び図8Bにおいては、これまでの図面からの参照数字が、類似の部材の符号として用いられている。図8A及び図8Bにおいて、第1の電極16及び第2の電極18は、それぞれ、酸化物層15及び19の両方の中に形成されたマイクロキャビティ12を包囲する、相互接続された埋込み周囲電極を備える。酸化物層19内のマイクロキャビティ12は、酸化物層15内のマイクロキャビティ12とは異なる直径を有することができ、このことは、電極間の位置合わせを補助することができ、又は、例えば、フラットパネルディスプレイシステム用の最適化された構造を形成するのに用いることができる。マイクロキャビティプラズマデバイスアレイとは別に、図8Aの第1及び第2の層は、電子デバイス又はシステムにおける回路接続用の配線パターンの2つの層として単に用いることもできる。
【0058】
図8Bにおいて、電極18は、埋込み周囲電極16とは異なる断面形状を有するように見える。好適な実施形態のアドレス可能なアレイにおいて、マイクロキャビティの行は、クロストークを避けるように隔離される。図8Bの第2の電極18は、まず、上述した埋め込み周囲電極の形成のための好適な方法によって形成することができる。続くパターニングプロセス(リソグラフィー)は、行間隔を生じるのに用いることができ、また、マイクロキャビティ12の周囲の電極を接続する金属ラインからなる延長部のために用いることができる。
【0059】
図9A及び図9Bは、本発明の別のマイクロキャビティプラズマデバイスアレイを示す。図9A及び図9Bの実施形態において、第2の電極18’は、第1の電極16と同じ第1の金属酸化物層15によって(該層の上又は中に)担持されている。図9A及び図9Bの第1及び第2の電極16、18’の完全にアドレス可能な相互接続パターンは、アルミニウム箔等の単一の金属箔を用いて、自己組立て製造プロセスによって作製することができる。第2の電極18’は、(図9Aに示すように)その下面を該第1の金属酸化物層によって担持されている。製造中、第2の電極18’は、該第1の電極/酸化物の自己組立てプロセスの完了後に、堆積によって形成される。有利には、図9A及び図9Bにおける単一の箔層の使用は、該製造プロセス中に、2つの別々の酸化物層/電極層の位置合わせを要することなく、該第1及び第2の両電極をパターニングして、完全にアドレス可能にできるようにする。第2の電極18’は、一般に、他の実施形態の場合よりもマイクロキャビティ12に近接している。好ましくは、該第2の電極は、酸化物15の奥まった箇所に設けられる。図9A及び図9Bの実施形態は、上述した酸化物層の実施形態よりも均一に、及び低電圧でマイクロプラズマを生成することが可能である。
【0060】
他の実施形態において、酸化物15/電極16の層及び第2の酸化物層19は、プラズマを励起するのに必要な電圧レベルを著しく低減するために、第2の電極18を、該マイクロキャビティに十分に近づけることができるように、十分に薄く保たれている。図9の電極18’は、同じ層内の該マイクロキャビティに近接して形成することができるため、電極16/酸化物層15を、薄くする必要はない。図9A及び図9Bの実施形態は、陽極酸化プロセス中の湾曲又は応力が少ないより厚い金属箔で製造することもできる。従って、該アレイのサイズが増大すると、より厚い箔は、金属を金属酸化物に変えるのに用いられる陽極酸化プロセス中に生じる、該アレイ内の応力を低減する。
【0061】
図9Aを見て分かるように、該マイクロキャビティは、好ましくは、先細の断面を有する。この先細形状は、プラズマの生成に対して利点を有し、図9A及び図9Bの実施形態において、該プラズマによって生成される光の該マイクロキャビティからの抽出を改善するように作用する。該先細形状は、湿式化学プロセス、機械的パンチングプロセス又は他の材料除去プロセスによって実現される。
【0062】
図10A〜図10Eは、図9A及び図9Bのアレイの場合の好適な製造プロセスを示す。該製造プロセスは、図10Aで始まり、金属箔30及び先細のマイクロキャビティ12が、図10Bにおいて形成される。図10Cは、陽極酸化による、第1の電極16及び相互接続部24の形成を示す。アレイデザインにより必要であれば、延長相互接続部24を、フォトリソグラフィと、それに続く陽極酸化によって形成することができる。図10Dにおいて、エッチングプロセスは、電極18’のための位置を画成する凹部32を形成し、該電極は、例えば、電気めっき又は空間選択的なプリントプロセスによって堆積することができる。第2の電極18’は、凹部32を用いて酸化物15内に埋め込まれるが、他の実施形態においては、該第2の電極は、該酸化物の表面に形成される。埋め込まれる第2の電極は、該第2の電極を、該マイクロキャビティ12の軸に直角な面内で、マイクロキャビティ12の壁部に隣接して配置するのに好適である。図10Cに示す構造は、これまでに説明してきた他の構造のように、電子デバイス又はシステム用の配線としての有用性も有している。同様に、図10Eの構造は、電子デバイス又はシステムを配線するための、Alに完全に埋め込まれたデュアルレベル電気相互接続システムとして用いることができる。
【0063】
本発明のアレイは、多くの用途を有している。アドレス可能なデバイスは、1つ以上のマイクロキャビティプラズマデバイスが、ディスプレイにおける個々の画素又はサブ画素を形成している、大小両方の高解像度ディスプレイのための基礎として用いることができる。好適な実施形態のアレイにおけるマイクロキャビティプラズマデバイスは、上述したように、蛍光体を励起して、大面積でのフルカラー表示を実現することができる。非アドレス可能な又はアドレス可能なアレイのための用途は、例えば、液晶表示パネル用の光源(バックライトユニット)としてである。本発明の実施形態は、蛍光灯をバックライトとして使用するという現在の実施よりも好ましい、軽量で薄い分散型光源を提供する。局所的なランプからの光を、液晶ディスプレイ全体に均一に配分するには、高機能の光学系を必要とする。非アドレス可能なアレイは、一般的な照明用のフラットランプとしても機能することのできる軽量の光源を提供する。本発明のアレイは、例えば、クロマトグラフィー装置等の検出及び検知機器における用途、及び(光線力学療法を含む)光線療法処置のための用途も有する。後者は、(〜308nmの紫外光を要する)乾癬、光線角化症及びボーエン病又は基底細胞癌の治療を含む。ガラス又はプラスチック中に密封された安価なアレイは、現在、患者が非臨床的環境(すなわち、自宅)で治療する機会、及び治療の完了後の該アレイの廃棄の機会を与える。これらのアレイは、紫外線放射を要するポリマーの光硬化にもよく適しており、又は、低レベルの照明が望ましい用途のための大面積で薄い光パネルとしても適している。
【0064】
マイクロプラズマデバイスを相互接続する用途に加えて、本発明の形成方法は、一般的な配線にも適用可能であり、また、マイクロエレクトロニクス及びMEMsシステム、コンデンサアレイ、マイクロ冷却デバイス及びシステム、及びプリント配線板(printed circuit board;PCB)技術のための電極及び相互接続部を形成するのに用いることができる。
【0065】
本発明の様々な実施形態を示し、かつ説明してきたが、当業者には、他の変更、置換及び代替が明白であることを理解されるであろう。そのような変更、置換及び代替は、添付クレームから判断すべきである本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、行うことができる。
本発明の様々な特徴は、以下のクレームに記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属酸化物層(15)内に画成された複数のマイクロキャビティ(12)と、
前記金属酸化物内に埋め込まれ、かつ前記複数のマイクロキャビティのうちの個々のマイクロキャビティを包囲する第1の周囲金属電極(16)と、
前記第1の金属酸化物層によって、前記第1の電極から隔離されている第2の電極(18、18’)と、
前記複数のマイクロキャビティ内の放電媒体と、
前記複数のマイクロキャビティ内の前記放電媒体を包含する包含層(20)と、
を備えるマイクロキャビティプラズマデバイスアレイ。
【請求項2】
前記第2の電極は、前記第1の金属酸化物層に近接して配置された第2の層(18、19)を備え、前記第1の金属酸化物層及び前記第2の層は、前記アレイをフレキシブルにするように十分に薄い、請求項1に記載のアレイ。
【請求項3】
前記第2の層は、第2の酸化物層を備え、前記第2の電極は、前記第2の酸化物層内に埋め込まれた複数の第2の周囲金属電極を備える、請求項2に記載のアレイ。
【請求項4】
前記複数の第2の電極は、前記第2の酸化物層内に画成されたマイクロキャビティを包囲する、埋込み周囲電極を備える、請求項3に記載のアレイ。
【請求項5】
前記第1及び第2の電極は、アルミニウムを備え、前記金属酸化物及び前記酸化物は、酸化アルミニウムを備える、請求項3に記載のアレイ。
【請求項6】
前記包含層は透明である、請求項1に記載のアレイ。
【請求項7】
2つ以上の前記第1の電極を接続する、前記第1の金属酸化物層に埋め込まれた相互接続部(24)をさらに備える、請求項1に記載のアレイ。
【請求項8】
前記第1の電極の相互接続部は、あるパターンに従っている、請求項7に記載のアレイ。
【請求項9】
前記包含層によって包含される前記放電媒体は、大気圧又は大気圧付近である、請求項1に記載のアレイ。
【請求項10】
前記包含層は、ガラス、石英又はプラスチックの薄層を備える、請求項9に記載のアレイ。
【請求項11】
前記第2の電極は、前記第1の金属酸化物層に近接して配置されている第2の酸化物層内に、複数の埋込み周囲電極を備える、請求項1に記載のアレイ。
【請求項12】
前記第2の電極は、前記第1の金属酸化物層によって担持される複数の第2の電極を備える、請求項1に記載のアレイ。
【請求項13】
前記第2の電極は、前記第1の金属酸化物層の表面の凹部内に配置される、請求項12に記載のアレイ。
【請求項14】
マイクロキャビティプラズマデバイスアレイを製造する方法であって、
複数のマイクロキャビティを有する金属箔又は金属膜を得るか又は形成するステップと、
前記金属箔又は金属膜を陽極酸化して、金属酸化物に変えるステップと、
湿式エッチングを続行して、前記金属箔から、金属酸化物保護マイクロキャビティ及び金属酸化物層を形成するステップと、
前記陽極酸化を適宜停止して、前記マイクロキャビティを包囲し、かつ前記金属酸化物層に埋め込まれた金属周囲電極を残すステップと、
を備える方法。
【請求項15】
前記マイクロキャビティ内に放電媒体を収容するステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
第2の電極を包含する第2の層を、前記第1の金属酸化物層に接合するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記接合するステップは、前記第1及び第2の電極を接合するロールトゥロールプロセスを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記金属箔又は金属膜は、アルミニウムを備え、前記金属酸化物は、酸化アルミニウムを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第1及び第2の箔は、チタン箔を備え、前記金属酸化物は、二酸化チタンを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
第2の電極を、前記金属酸化物層の表面又は表面近くに形成するステップをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記金属酸化物層の表面に凹部を形成するステップと、
前記凹部に、第2の電極を形成するステップと、
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
複数のマイクロキャビティを画成するための金属酸化物層と、
電位を供給して、前記金属酸化物層によって画成されたマイクロキャビティ内にプラズマを生成する第1の周囲埋込み電極手段と、
電位を供給して、前記マイクロキャビティ内にプラズマを生成する第2の電極手段と、
前記マイクロキャビティ内のプラズマと、
前記複数のマイクロキャビティ内の放電媒体を包含する手段と、
を備えるマイクロキャビティプラズマデバイスアレイ。
【請求項23】
電子デバイス又はシステムのための配線であって、
第1の金属酸化物層内に画成された複数のマイクロキャビティ(12)と、
前記金属酸化物層内に埋め込まれ、前記複数のマイクロキャビティの個々のマイクロキャビティを包囲し、2つ以上の前記第1の電極を接続する、前記第1の金属酸化物層内に埋め込まれた相互接続部(24)を含む、第1の周囲金属電極(16)であって、前記第1の電極の相互接続部が、あるパターンに従っている第1の周囲金属電極と、
を備える配線。
【請求項24】
前記第1の金属酸化物層は、前記アレイをフレキシブルにするのに十分である、請求項23に記載のアレイ。
【請求項25】
前記第1の電極は、アルミニウムを備え、前記第1の金属酸化物層は、酸化アルミニウムを備える、請求項23に記載のアレイ。
【請求項26】
前記第1の電極は、チタンを備え、前記第1の金属酸化物層は、酸化チタンを備える、請求項24に記載のアレイ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−545121(P2009−545121A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521805(P2009−521805)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/016664
【国際公開番号】WO2008/013820
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(503060525)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ (25)
【Fターム(参考)】