説明

基地局、及び無線通信システム並びに通信方法

【課題】基地局が、登録されているユーザ端末、及び登録されていないユーザ端末に対して接続可能に設定されている場合に、登録されているユーザ端末に対して、リソースを確保すること。
【解決手段】基地局は、ユーザ端末からの呼接続要求信号を受信した際に、当該基地局により利用されているリソース量に基づいて、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができるかどうかを判定する呼接続受付判定部と、ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができないと判定された場合に、該ユーザ端末をリダイレクションさせるべき他の基地局を設定するリダイレクション設定部と、ユーザ端末に、他の基地局を表す情報を通知する通知部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)は、W-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)の標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて、仕様が作成されている。LTEは、W-CDMAの拡張技術であるHSPA(High Speed Packet Access)から更に発展した標準規格である。LTEでは、下りリンクにおいて100Mbps以上、上りリンクにおいて50Mbps以上の高速通信が実現され、遅延の改善や周波数の利用効率向上などが図られる。
【0003】
LTEにおいても、3Gと同様に、特に、家庭内や小規模店舗などでのエリア化を実現するための対策として、小型基地局を設置することが検討されている。
【0004】
例えば、LTE対応フェムト無線基地局装置(以下、「フェムト基地局」という)は、家庭内や小規模店舗以外にも、鉄塔上やビルの屋上などに設置される。該フェムト基地局は、半径数十メートル程度の限られた範囲を通話エリアとする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TR 36.921 V9.0.0 (7.5 Hybrid Cells) 2010 03
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、通常の基地局によりカバーされるセル(以下、「マクロセル」という)を形成しているエリアで、ホットスポット的にフェムト基地局によりカバーされるセル(以下、「フェムトセル」という)を導入することが検討されている。
【0007】
また、LTEでは、ハイブリッドセル(HeNBs: Hybrid Cells)を導入することが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。ハイブリッドセルでは、該ハイブリッドセルに当初よりアクセス権のあるユーザグループ(CSG(Closed Subscriber Group) member)に加え、該ハイブリッドセルにアクセス権のないユーザグループ(non-CSG member)にもアクセス権が与えられる。すなわち、ハイブリッドセルでは、CSG memberと、非CSG memberとが混在する。ハイブリッドセルを運用する基地局は通常の基地局とは限らず、フェムト基地局がハイブリッドセルを運用する場合もある。
【0008】
しかし、フェムト基地局は、通常の基地局(マクロ基地局とも呼ばれる)に比べて、割り当てることができるリソースが制限される。このため、フェムト基地局によりハイブリッドセルが運用される場合には、ハイブリッドセルを運用しない場合と比べて、リソースが逼迫する機会が増大し、CSG memberであるユーザ端末に対してもリソースを効率的に割り当てることができなくなる。この結果、CSG memberであるユーザ端末のスループットが低下する。
【0009】
また、リソースが逼迫した状態では、接続要求を行うユーザ端末がCSG memberであっても呼接続できないおそれがある。その結果、CSG memberであるユーザ端末に対しても、音声呼や、パケット通信などの各種サービスを提供できないという現象が発生する。非CSG memberであるユーザ端末が通信中であるために、CSG memberであるユーザ端末からの呼が接続されないのは、ハイブリッドセルを提供する事業者としては好ましくない。
【0010】
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基地局が、登録されているユーザ端末、及び登録されていないユーザ端末に対して接続可能に設定されている場合に、登録されているユーザ端末に対してリソースを確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本基地局は、
ユーザ端末と無線通信を行う基地局であって、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録部と、
前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末と当該基地局との間、及び前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末と当該基地局との間で、接続処理を行う接続処理部と、
当該基地局により利用されているリソース量を測定するリソース量測定部と、
前記リソース量測定部により、当該基地局により利用されているリソース量があらかじめ定められた閾値以上であると測定された場合に、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末から、呼切断すべきユーザ端末を選択する呼切断ユーザ端末選択部と
を有し、
前記接続処理部は、前記呼切断ユーザ端末選択部により選択された呼切断すべきユーザ端末との間の接続を切断する。
【0012】
本通信方法は、
ユーザ端末と無線通信を行う基地局における通信方法であって、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録ステップと、
前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末と当該基地局との間、及び前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末以外のユーザ端末と当該基地局との間で、接続処理を行う接続処理ステップと、
当該基地局により利用されているリソース量を測定するリソース量測定ステップと、
前記リソース量測定ステップにより、当該基地局により利用されているリソース量が前記所定の閾値以上であると測定された場合に、前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末以外のユーザ端末から、呼切断すべきユーザ端末を選択する呼切断ユーザ端末選択ステップと
前記呼切断ユーザ端末選択ステップにより選択された呼切断すべきユーザ端末との間の接続を切断する呼切断ステップと
を有する。
【発明の効果】
【0013】
開示の実施例によれば、基地局が、登録されているユーザ端末、及び登録されていないユーザ端末に対して接続可能に設定されている場合に、登録されているユーザ端末に対して、リソースを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施例に従ったシステムの一例を示す図である。
【図2】本実施例に従った呼受付判定方法(その1)を示すフローチャートである。
【図3】本実施例に従った呼受付判定方法(その2)を示すフローチャートである。
【図4】本実施例に従った呼受付判定方法(その3)を示すフローチャートである。
【図5】本実施例に従った基地局の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】本実施例に従った基地局の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】本実施例に従ったシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【図8】本実施例に従った呼受付判定方法(その4)を示すフローチャートである。
【図9】本実施例に従った呼受付判定方法(その5)を示すフローチャートである。
【図10】本実施例に従った基地局の一例を示す機能ブロック図である。
【図11】本実施例に従った基地局の一例を示す機能ブロック図である。
【図12】本実施例に従ったシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【図13】本実施例に従った基地局の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0016】
<第1の実施例>
<システム>
本実施例に従った小型基地局、及び基地局(マクロ基地局)が適用される環境について説明する。
【0017】
小型基地局、及び基地局が適用される環境は、複数の移動体通信システムが混在する環境であってもよい。該移動体通信システムには、LTEが含まれてもよい。また、LTEの次世代の無線通信システム、例えば、LTE-Advanced(LTE Rel.10 and beyond)が含まれてもよい。
【0018】
基地局によりカバーされるエリアには、1又は複数のセルが含まれる。該複数のセルには、同一周波数帯で無線通信可能なセルが存在する。
【0019】
図1は、小型基地局、及びマクロ基地局が適用される環境の一例を示す。図1には、一例として、LTE方式に従った基地局としての第1の基地局100と、該第1の基地局100によりカバーされるエリアが示される。該エリアには、ユーザ端末(UE: User Equipment)との間で無線通信可能なセル150が含まれる。該エリア150には、小型基地局としての第2の基地局200が設置される。第2の基地局200は、フェムト基地局、ピコセルをカバーする基地局(ピコ基地局)等であってもよい。本実施例では一例として、第2の基地局200がフェムト基地局である場合について説明する。
【0020】
第1の基地局100の電波が届きにくい範囲をカバーする観点からは、第2の基地局200が設置される位置は第1の基地局100によりカバーされるエリア内であることが好ましい。例えば、屋内に設置されてもよい。具体的には、ビル等の建物内に設置されてもよいし、家庭内や小規模店舗に設置されてもよい。また、屋外に設置されてもよい。具体的には、鉄塔上やビルの屋上に設置されてもよい。第1の基地局100によりカバーされるエリアと、第2の基地局200によりカバーされるエリアの少なくとも一部が重複するようにしてもよい。第1の基地局100によりカバーされるエリアと、第2の基地局200によりカバーされるエリアの少なくとも一部を重複させることにより、不感地帯を減少させることができる。第2の基地局200は、エリア250をカバーする。該エリア250には、ユーザ端末300が位置する。該ユーザ端末300は、第2の基地局200を介して、無線通信可能である。該ユーザ端末300は、第2の基地局200へのアクセス権を有していてもよいし、アクセス権を有さなくてもよい。
【0021】
第1の基地局100、第2の基地局200は、交換局(図示無し)と接続される。交換局は、コアネットワーク(図示なし)と接続される。ユーザ端末300は、第1の基地局100又は第2の基地局200との間で、LTE方式により通信を行う。第1の基地局100、及び第2の基地局200は、エヴォルブドパケットコア(EPC: Evolved Packet Core)(図示なし)と接続されてもよい。
【0022】
<第1の基地局>
第1の基地局100は、第1の移動通信システム(LTE)における動作を少なくとも実行する。第1の基地局100は、アクセスポイントAPとして言及されてもよい。第1の基地局100は、第1の移動通信システム(LTE)だけでなく、第2の移動通信システム(3G)における処理を実行してもよい。第1の移動通信システム(LTE)における第1の基地局(eNB: eNodeB)100は、例えば、無線リソースの管理、IPヘッダ圧縮及び暗号処理、ユーザトラヒックデータのルーティング、ページングメッセージや報知情報のスケジューリング等を行う。該第1の基地局100によりカバーされるセルは、マクロセルとも呼ばれる。
【0023】
本実施例が適用可能なシステムは、LTE及びUTRA方式のシステムに限定されず、他のシステムでもよい。例えば、GERAN(GSM)、CDMA2000、UMTS等の方式のシステムや、第4世代の移動通信システム等にも、本発明は適用可能である。
【0024】
<第2の基地局>
第2の基地局200は、ハイブリッドセルを運用する。ハイブリッドセルでは、該ハイブリッドセルにアクセス権のあるユーザグループ(CSG(Closed Subscriber Group) member)に加え、該ハイブリッドセルにアクセス権のないユーザグループ(non-CSG member)にもアクセス権が与えられる。アクセス権のあるユーザグループにユーザ端末を帰属させるためには、帰属させたいユーザ端末の識別子を予め登録するようにしてもよい。すなわち、ハイブリッドセルでは、CSG member(以下、「登録ユーザ端末」という)と、非CSG member(以下、「非登録ユーザ端末」という)とが混在する。
【0025】
該第2の基地局200は、当該第2の基地局200により割り当てることができるリソース量(以下、「割り当てリソース量」という)に応じて、新たに呼接続要求を行うユーザ端末300に対して呼接続を行うかどうかを判定する。ここで、割り当てリソース量には、無線リソースと、接続制御に必要なパラメータ等のリソースとが含まれる。他の要素が含まれてもよい。本実施例では、割り当てリソースの一例として、割り当てることができる無線リソース量(以下、「割り当て無線リソース量」という)を適用した場合について主に説明する。割り当て無線リソース量以外のリソースを適用した場合でも同様である。
【0026】
該第2の基地局200は、当該第2の基地局200の割り当て無線リソース量に応じて、新たに呼接続要求を行うユーザ端末300に対して呼接続を行うかどうかを判定する。ここで、割り当て無線リソース量とは、接続中のユーザ端末に割り当てた無線リソース量の合計であってもよいし、当該第2の基地局200が使用することができる無線リソース量から接続中のユーザ端末に割り当てた無線リソース量の合計を減算した残りの無線リソース量であってもよい。割り当て無線リソース量をどのような量にするかは適宜設定可能である。本実施例では、一例として、接続中のユーザ端末に割り当てた無線リソース量の合計である場合について説明する。
【0027】
無線リソースには、CQI(Channel Quality Indicator)リソース使用率、スケジューリングリクエスト(SR: Scheduling Request) リソース使用率、サウンディングリファレンスシグナル(SRS: Sounding Reference Signal)リソース使用率、ベースバンド(BB: Base Band)使用率、送信電力等が含まれる。
【0028】
CQIは通信品質を表す指標である。スケジューリングリクエストは、ユーザ端末が、基地局に無線リソースの割り当てを要求する際に送信する信号である。サウンディングリファレンスシグナルは、パイロット信号である。送信電力には、PHICH送信電力が含まれる。PHICHはHARQのACK/NACKを送信するためのチャネルである。
【0029】
無線リソース以外のリソースには、CPU使用率、伝送路使用率が含まれる。
【0030】
<呼受付判定方法(その1)>
第2の基地局200には、無線リソース量の閾値(以下、「無線リソース量閾値」という)が設定される。ここで、無線リソース量閾値は、呼接続要求を受け付けないと判定する場合の無線リソース量であってもよいし、該無線リソース量から所定のマージンを加減算した無線リソース量であってもよい。ここで、呼接続を行う対象としては、登録ユーザ端末であってもよいし、非登録ユーザ端末であってもよいし、非登録ユーザ端末及び登録ユーザ端末の両方であってもよい。非登録ユーザ端末からの呼を制限する観点からは、呼接続を行う対象は非登録ユーザ端末、又は、非登録ユーザ端末及び登録ユーザ端末の両方であるのが好ましい。
【0031】
図2は、呼受付判定方法(その1)を示すフローチャートである。
【0032】
該第2の基地局200は、ユーザ端末300から呼接続要求を受信する(ステップS202)。
【0033】
該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が、無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS204)。
【0034】
割り当て無線リソース量が無線リソース量閾値以上である場合(ステップS204:YES)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS206)。例えば、非登録ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けないと判定する。
【0035】
割り当て無線リソース量が無線リソース量閾値未満である場合(ステップS204:NO)、該第2の基地局200は、呼接続を行う対象となるユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS208)。
【0036】
無線リソース量閾値に基づいて、呼接続要求を受け付けるかどうかを判定することにより、大量の呼が受け付けられることにより生じる輻輳を回避することができる。該輻輳は、装置内の輻輳であってもよい。
【0037】
<呼受付判定方法(その2)>
第2の基地局200は、2つの無線リソースの閾値(以下、「第1の無線リソース量閾値」、「第2の無線リソース量閾値」という)を有する。第1の無線リソース量閾値は、呼接続要求を受け付けないと判定する場合の無線リソース量であってもよいし、該無線リソース量から所定のマージンを加減算した無線リソース量であってもよい。ここで、呼接続を行う対象としては、登録ユーザ端末であってもよい。
【0038】
第2の無線リソース量閾値は、非登録ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けないと判定するための無線リソース量である。但し、割り当て無線リソース量が該第2の無線リソース量閾値を超えた場合でも、登録ユーザ端末からの呼接続要求は受け付けられる。該第2の無線リソース量閾値は、第1の無線リソース量閾値未満の無線リソース量であるのが好ましい。
【0039】
図3は、呼受付判定方法(その2)を示すフローチャートである。
【0040】
該第2の基地局200は、ユーザ端末300から呼接続要求を受信する(ステップS302)
該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が、第1の無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS304)。
【0041】
割り当て無線リソース量が第1の無線リソース量閾値以上である場合(ステップS304:YES)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかに関わらず、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS306)。
【0042】
割り当て無線リソース量が第1の無線リソース量閾値未満である場合(ステップS304:NO)、該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が、第2の無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS308)。
【0043】
割り当て無線リソース量が第2の無線リソース量閾値以上である場合(ステップS308:YES)、換言すれば、割り当て無線リソース量が第1の無線リソース量閾値未満であり、且つ第2の無線リソース量閾値以上である場合、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかを判定する(ステップS310)。
【0044】
該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であると判定された場合(ステップS310:YES)、該第2の基地局200は、呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS312)。
【0045】
該ユーザ端末300が登録ユーザ端末でないと判定した場合(ステップS310:NO)、該第2の基地局200は、呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS314)。
【0046】
割り当て無線リソース量が第2の無線リソース量閾値未満であると判定した場合(ステップS308:NO)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかに関わらず、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS316)。
【0047】
第1の無線リソース量閾値と第2の無線リソース量閾値とに基づいて、呼接続要求を受け付けるかどうかを判定することにより、大量の呼が受け付けられることにより生じる輻輳を回避することができる。さらに、割り当て無線リソース量が、第1の無線リソース量閾値未満、且つ第2の無線リソース量閾値以上である場合には登録ユーザ端末からの呼のみが受け付けられることにより、非登録ユーザ端末からの呼接続を制限できるため、登録ユーザ端末のための無線リソースを確保できる。
【0048】
<呼受付判定方法(その3)>
第2の基地局200は、登録ユーザ端末に確保されるべき無線リソースと、非登録ユーザ端末に確保されるべき無線リソースとを分けて管理する。該第2の基地局200は、登録ユーザ端末に確保されるべき無線リソースの閾値(以下、「登録ユーザ無線リソース量閾値」という)を有する。該第2の基地局200は、非登録ユーザに確保されるべき無線リソースの閾値(以下、「非登録ユーザ無線リソース量閾値」という)を有する。
【0049】
登録ユーザ無線リソース量閾値は、登録ユーザ端末に対して呼接続要求を受け付けないと判定する場合の無線リソース量であってもよいし、該無線リソース量から所定のマージンを加減算した無線リソース量であってもよい。
【0050】
非登録ユーザ無線リソース量閾値は、非登録ユーザ端末に対して呼接続要求を受け付けないと判定する場合の無線リソース量であってもよいし、該無線リソース量から所定のマージンを加減算した無線リソース量であってもよい。該非登録ユーザ無線リソース量閾値は、登録ユーザ無線リソース量閾値未満の量であるのが好ましい。
【0051】
図4は、呼受付判定方法(その3)を示すフローチャートである。
【0052】
該第2の基地局200は、ユーザ端末300から、呼接続要求を受信する(ステップS402)。
【0053】
該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかを判定する(ステップS404)。
【0054】
該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であると判定した場合(ステップS404:YES)、該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が登録ユーザ無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS406)。
【0055】
割り当て無線リソース量が登録ユーザ無線リソース量閾値以上であると判定した場合(ステップS406:YES)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS408)。
【0056】
割り当て無線リソース量が登録ユーザ無線リソース量閾値未満であると判定した場合(ステップS406:NO)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS410)。
【0057】
該ユーザ端末300が非登録ユーザ端末であると判定した場合(ステップS404:NO)、該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が非登録ユーザ無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS412)。
【0058】
割り当て無線リソース量が非登録ユーザ無線リソース量閾値以上であると判定した場合(ステップS412:YES)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS414)。
【0059】
割り当て無線リソース量が非登録ユーザ無線リソース量閾値未満であると判定した場合(ステップS412:NO)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS416)。
【0060】
第2の基地局200は、呼接続要求を受け付けないと判定したユーザ端末を他の基地局に接続するように促す。ユーザ端末を他の基地局に接続するように促すことは、リダイレクションと言及されてもよい。他の基地局には、当該第2の基地局200によりカバーされるセルをカバーするマクロセルをカバーする第1の基地局100であるのが好ましい。接続できる可能性が高くなるためである。当該第2の基地局200の近傍のエリアをカバーする他の第2の基地局であってもよい。例えば、フェムト基地局、ピコ基地局であってもよい。
<第2の基地局の詳細>
図5は、本実施例に従った第2の基地局200を示す。
【0061】
本第2の基地局200は、下りリンク信号受信部202を有する。該下りリンク信号受信部202は、上位の装置、例えば、MMEからの下りリンクの信号を受信する。該下りリンクの信号には、Initial Context Setup Request(回線設定命令信号)と、UE Context Release Command(回線解放命令信号)とが含まれる。下りリンク信号受信部202は、受信した下りリンクの信号を制御部206に入力する。
【0062】
本第2の基地局200は、上りリンク信号受信部214を有する。該上りリンク信号受信部214は、ユーザ端末300により送信された無線信号を受信する。該無線信号には、ユーザ端末300により送信された「初回接続要求信号」が含まれる。該「初回接続要求信号」は、「ランダムアクセスチャネルプリアンブル(RACH(Random Access Channel) Preamble)」とも呼ばれる。上りリンク信号受信部214は、受信した上りリンクの信号を制御部206に入力する。
【0063】
本第2の基地局200は、管理部210を有する。該管理部210は、制御部206と接続される。該管理部210は、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるための設定情報を管理する。該設定情報には、呼受付判定方法(その1)が適用される場合には、無線リソース量閾値が含まれる。該設定情報には、呼受付判定方法(その2)が適用される場合には、第1の無線リソース量閾値、第2の無線リソース量閾値が含まれる。該設定情報には、呼受付判定方法(その3)が適用される場合には、登録ユーザ無線リソース量閾値、非登録ユーザ無線リソース量閾値が含まれる。
【0064】
本第2の基地局200は、制御部206を有する。制御部206は、下りリンク信号受信部202と、上りリンク信号受信部214と、管理部210と接続される。
【0065】
図6は、制御部206の機能を示す。
【0066】
制御部206は、ユーザ端末判定部2062を有する。該ユーザ端末判定部2062には、上りリンク信号受信部214から、ユーザ端末300により送信された接続要求信号が入力される。該ユーザ端末判定部2062は、該接続要求信号に基づいて、該ユーザ端末300が、登録ユーザ端末であるかどうかを判定する。ユーザ端末判定部2062は、登録ユーザ端末の識別子を格納していてもよい。ユーザ端末判定部2062は、接続要求信号を送信したユーザ端末300の識別子が、該ユーザ端末判定部2062に格納された登録ユーザ端末の識別子に含まれるかどうかを判定する。該ユーザ端末判定部2062は、登録ユーザ端末の識別子に含まれる場合には登録ユーザ端末であると判定し、含まれない場合には非登録ユーザ端末であると判定する。ユーザ端末判定部2062は、呼接続受付判定部2064に、接続要求信号を送信したユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかを表す情報を入力する。
【0067】
制御部206は、呼接続受付判定部2064を有する。該呼接続受付判定部2064は、ユーザ端末判定部2062と接続される。呼接続受付判定部2064には、割り当て無線リソース量を表す情報が入力される。
【0068】
呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その1)に従って、管理部210に格納されるべき無線リソース量閾値と、割り当て無線リソース量とに基づいて、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定する。
【0069】
呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その2)に従って、ユーザ端末判定部2062により入力されるべき接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末であるかどうかを表す情報と、管理部210に格納されるべき第1の無線リソース量閾値、及び第2の無線リソース量閾値と、割り当て無線リソース量とに基づいて、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定するようにしてもよい。
【0070】
呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その3)に従って、ユーザ端末判定部2062により入力されるべき接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末であるどうかを表す情報と、管理部210に格納されるべき登録ユーザ無線リソース量閾値、及び非登録ユーザ無線リソース量閾値と、割り当て無線リソース量とに基づいて、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定するようにしてもよい。呼接続受付判定部2064は、リダイレクション判定部2066に、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを表す情報を入力する。
【0071】
制御部206は、リダイレクション判定部2066を有する。該リダイレクション判定部2066は、呼接続受付判定部2064と接続される。該リダイレクション判定部2066には、呼接続受付判定部2064から、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを表す情報が入力される。リダイレクション判定部2066は、呼接続受付判定部2064から入力された情報がユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けることを表す情報である場合には、該ユーザ端末300に対してリダイレクションを行わないと判定する。この場合、第2の基地局200は、該ユーザ端末300との間の接続処理を続行する。例えば、第2に基地局200は、該ユーザ端末300に、Security Mode Command(秘匿認証指示信号)、RRC Connection Reconfiguration(回線設定・測定指示信号)を送信するようにしてもよい。そして、第2に基地局200は、該ユーザ端末300から、Security Mode Complete(秘匿認証指示応答信号)、RRC Connection Reconfiguration Complete(回線設定・測定指示応答信号)を受信するようにしてもよい。そして、第2の基地局200は、Initial Context Setup Response(回線設定応答信号)を送信するようにしてもよい。
【0072】
リダイレクション判定部2066は、呼接続受付判定部2064から入力された情報がユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないことを表す情報である場合には、該ユーザ端末300に対してリダイレクションを行うと判定する。リダイレクション判定部2066は、該ユーザ端末300をリダイレクションさせるべき他の基地局を選択する。該他の基地局は、当該第2の基地局200によりカバーされるセルをカバーするマクロ基地局にすることが好ましい。当該第2の基地局200によりカバーされるセルをカバーするマクロ基地局にリダイレクションさせることにより、該ユーザ端末が接続できる確率を向上させることができる。リダイレクション判定部2066は、指示部208に、リダイレクションさせるべき基地局を表す情報を入力する。また、該他の基地局は、当該第2の基地局200によりカバーされるセルの少なくとも一部をカバーするマクロ基地局にしてもよい。また、該他の基地局は、当該第2の基地局200の近傍のエリアをカバーする他の第2の基地局であってもよい。例えば、フェムト基地局、ピコ基地局でもよい。
【0073】
本第2の基地局200は、指示部208を有する。該指示部208は、制御部206と接続される。該指示部208は、制御部206により接続処理を続行すると判定された際に、所定の信号を送信するように指示を行う。該指示部208は、制御部206から入力されるべきリダイレクションさせるべき基地局を表す情報に従って、接続要求を行ったユーザ端末300に、リダイレクションすべき基地局を表す情報を通知するための指示を行う。例えば、該基地局を表す情報は、RRC Connection Release(回線解放命令信号)に含まれるようにしてもよい。具体的には、RRC Connection Releaseに、リダイレクションすべき基地局によりサポートされる周波数帯を表す情報を含めてもよい。例えば、「cause」に含めるようにしてもよい。指示部208は、下りリンク信号送信部212に、該RRC Connection Releaseを入力する。
【0074】
本第2の基地局200は、下りリンク信号送信部212を有する。該下りリンク信号送信部212は、指示部208と接続される。該下りリンク信号送信部212は、アンテナから、指示部208により入力されるべきRRC Connection Releaseを無線送信する。
【0075】
本第2の基地局200は、上りリンク信号送信部204を有する。該上りリンク信号送信部204は、指示部208と接続される。該上りリンク信号送信部204は、MMEに、指示部208により入力されるべき上りリンクの信号を送信する。該上りリンクの信号には、Initial UE Message(回線設定要求信号)と、UE Context Release Request(回線解放要求信号)とが含まれる。
【0076】
<ユーザ端末>
本ユーザ端末300は、接続処理部302を有する。該接続処理部302は、第2の基地局200との間で接続処理を行う。該接続処理部302は、第2の基地局200により指定された他の基地局にリダイレクションを行う。
【0077】
<本システムの動作>
図7は、本システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【0078】
ユーザ端末300と、第2の基地局200との間で、RRC Connection 設定が実行される(ステップS702)。
【0079】
第2の基地局200は、MMEに、該ユーザ端末300との間の回線設定を要求するために、Initial UE Message(回線設定要求信号)を送信する(ステップS704)。例えば、制御部206による命令に従って、指示部208はInitial UE Messageを作成する。該指示部208は、上りリンク信号送信部204に、該Initial UE MessageをMMEに送信するように命令する。上りリンク信号送信部204は、指示部208による命令に従って、MMEに、該指示部208により入力されたInitial UE Messageを送信する。
【0080】
MMEは、該ユーザ端末300との間の回線設定を行い、第2の基地局200に、回線設定を命令するためのInitial Context Setup Request(回線設定命令信号)を送信する(ステップS706)。
【0081】
第2の基地局200は、無線リソースが不足することを検出する(ステップS708)。
【0082】
例えば、呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その1)に従って、割り当て無線リソース量が無線リソース量閾値以上である場合に、無線リソースが不足すると判定する。
【0083】
また、例えば、呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その2)に従って、接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末である場合には、割り当て無線リソース量が第1の無線リソース量閾値以上である場合に無線リソースが不足すると判定する。該呼接続受付判定部2064は、接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末でない場合には、割り当て無線リソース量が第2の無線リソース量閾値以上である場合に無線リソースが不足すると判定する。
【0084】
また、例えば、呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その3)に従って、接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末である場合には、割り当て無線リソース量が登録ユーザ端末無線リソース量閾値以上である場合に無線リソースが不足すると判定する。該呼接続受付判定部2064は、接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末でない場合には、割り当て無線リソース量が非登録ユーザ端末無線リソース量閾値以上である場合に無線リソースが不足すると判定する。
【0085】
第2の基地局200は、呼接続を受け付けるかどうかを判定する(ステップS718)。例えば、呼接続受付判定部2064は、呼接続を受け付けるかどうかを判定する。呼接続を受け付けると判定した場合、接続処理を続行する。
【0086】
呼接続を受け付けることができないと判定された場合、第2の基地局200は、MMEに、該ユーザ端末300との間の回線の解放を要求するために、UE Context Release Request(回線解放要求信号)を送信する(ステップS712)。
【0087】
MMEは、該ユーザ端末300との間の回線解放を行い、第2の基地局200に、回線解放を命令するためのUE Context Release Command(回線解放命令信号)を送信する(ステップS714)。
【0088】
第2の基地局200は、ユーザ端末300に、回線解放を命令するためのRRC Connection Release(回線解放命令信号)を無線送信する(ステップS716)。例えば、リダイレクション判定部2066は、指示部208に、リダイレクションすべき基地局を表す情報を入力する。指示部208は、RRC Connection Releaseを作成する際に、リダイレクションすべき基地局を表す情報を含める。指示部208は、下りリンク信号送信部212に、該RRC Connection Releaseを入力する。下りリンク信号送信部212は、ユーザ端末300に、該RRC Connection Releaseを無線送信する。
【0089】
ユーザ端末300は、第2の基地局200からのRRC Connection Releaseに含まれるリダイレクションすべき他の基地局を表す情報に従って、該他の基地局との間で、RRC Connection設定を行う(ステップS718)。
【0090】
本実施例において、第1の基地局が、第2の基地局に、ユーザ端末300をハンドオーバさせると判定した際にも上述した処理と同様の処理が行われてもよい。例えば、ユーザ端末300から初回接続要求を受信した第2の基地局は、当該第2の基地局の割り当て無線リソース量に基づいて、実際に、該ユーザ端末300をハンドオーバさせるかどうかを判定してもよい。
【0091】
本実施例によれば、登録されているユーザ端末、及び登録されていないユーザ端末に対して接続可能に設定されている場合に、登録されているユーザ端末に対して、無線リソースを確保することができる。無線リソースが確保されるため、登録されているユーザ端末におけるスループットを向上させることができる。また、登録されているユーザ端末との間の接続が成功する確率を向上させることができる。また、登録されているユーザ端末に対して、ハンドオーバが成功する確率を向上させることができる。
【0092】
本実施例によれば、無線リソースが確保される限り、登録されていないユーザ端末に対してもスループットの向上が期待できる。さらに、無線リソースが確保できない場合には、マクロ基地局に、接続要求するユーザ端末をリダイレクションさせるなど柔軟な制御が可能となる。
【0093】
<変形例>
<システム>
本変形例に従った基地局が適用される環境は、図1を参照して説明した環境と同様である。
【0094】
<第1の基地局>
第1の基地局100は、上述した実施例に従った第1の基地局と同様である。
【0095】
<第2の基地局>
第2の基地局200は、上述した実施例に従った第2の基地局と、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定する際の判定方法が異なる。
【0096】
該第2の基地局200は、当該第2の基地局200とRRC Connected状態であるユーザ端末の数(以下、「接続ユーザ端末数」という」に応じて、呼接続要求を行うユーザ端末300に対して、呼接続要求を受け付けるかどうかを判定する。換言すれば、割り当て無線リソース量を表す指標として接続ユーザ端末数が利用される。ここで、接続ユーザ端末数に含まれるユーザ端末は、非登録ユーザ端末であってもよいし、非登録ユーザ端末及び登録ユーザ端末であってもよい。
【0097】
<呼受付判定方法(その4)>
第2の基地局200は、2つの接続ユーザ端末数の閾値(以下、「第1の接続ユーザ端末数閾値」、「第2の接続ユーザ端末数閾値」という)を有する。第1の接続ユーザ端末数閾値は、呼接続要求を受け付けないと判定する場合の接続ユーザ端末数であってもよいし、該接続ユーザ端末数から所定のマージンを加減算した値であってもよい。
【0098】
第2の接続ユーザ端末数閾値は、非登録ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けないと判定するための接続ユーザ端末数である。該第2の接続ユーザ端末数閾値は、第1の接続ユーザ端末数閾値未満の値であるのが好ましい。
【0099】
図8は、呼受付判定方法(その4)を示すフローチャートである。
【0100】
該第2の基地局200は、ユーザ端末300から、呼接続要求を受信する(ステップS802)。
【0101】
該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が、第1の接続ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS804)。
【0102】
接続ユーザ端末数が第1の接続ユーザ端末数閾値以上である場合(ステップS804:YES)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかに関わらず、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS806)。
【0103】
接続ユーザ端末数が第1の接続ユーザ端末数閾値未満である場合(ステップS804:NO)、該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が、第2の接続ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS808)。
【0104】
接続ユーザ端末数が第2の接続ユーザ端末数閾値以上である場合(ステップS808:YES)、換言すれば、接続ユーザ端末数が、第1の接続ユーザ端末数閾値未満であり、且つ第2の接続ユーザ端末数閾値以上である場合、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかを判定する(ステップS810)。
【0105】
該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であると判定された場合(ステップS810:YES)、該第2の基地局200は、呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS812)。
【0106】
該ユーザ端末300が登録ユーザ端末でないと判定した場合(ステップS810:NO)、該第2の基地局200は、呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS814)。
【0107】
接続ユーザ端末数が第2の接続ユーザ端末数閾値未満であると判定した場合(ステップS808:NO)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかに関わらず、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS816)。
【0108】
第1の接続ユーザ端末数閾値と第2の接続ユーザ端末数閾値とに基づいて、呼接続要求を受け付けるかどうかを判定することにより、大量の呼が受け付けられることにより生じる輻輳を回避することができる。さらに、接続ユーザ端末数が、第1の接続ユーザ端末数閾値未満、且つ第2の接続ユーザ端末数閾値以上である場合には登録ユーザ端末からの呼のみが受け付けられることにより、非登録ユーザ端末の呼接続を制限できるため、登録ユーザ端末のための無線リソースを確保できる。
【0109】
<呼受付判定方法(その5)>
第2の基地局200は、登録ユーザ端末に確保されるべき接続ユーザ端末数と、非登録ユーザ端末に確保されるべき接続ユーザ端末数とを分けて管理する。該第2の基地局200は、登録ユーザ端末に確保されるべき接続ユーザ端末数の閾値(以下、「登録ユーザ端末数閾値」という)を有する。該第2の基地局200は、非登録ユーザに確保されるべき接続ユーザ端末数の閾値(以下、「非登録ユーザ端末数閾値」という)を有する。
【0110】
登録ユーザ端末数閾値は、登録ユーザ端末に対して、呼接続要求を受け付けないと判定する場合の接続ユーザ端末数であってもよいし、該接続ユーザ端末数から所定のマージンを加減算した値であってもよい。
【0111】
非登録ユーザ端末数閾値は、非登録ユーザ端末に対して、呼接続要求を受け付けないと判定する場合の接続ユーザ端末数であってもよいし、該接続ユーザ端末数から所定のマージンを加減算した量であってもよい。該非登録ユーザ端末数閾値は、登録ユーザ端末数閾値未満の値であるのが好ましい。
【0112】
図9は、呼受付判定方法(その5)を示すフローチャートである。
【0113】
該第2の基地局200は、ユーザ端末300から、呼接続要求を受信する(ステップS902)。
【0114】
該第2の基地局200は、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかを判定する(ステップS904)。
【0115】
該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であると判定した場合(ステップS904:YES)、該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS906)。
【0116】
接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値以上であると判定した場合(ステップS906:YES)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS908)。
【0117】
接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値未満であると判定した場合(ステップS906:NO)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS910)。
【0118】
該ユーザ端末300が非登録ユーザ端末であると判定した場合(ステップS904:NO)、該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS912)。
【0119】
接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値以上であると判定した場合(ステップS912:YES)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する(ステップS914)。
【0120】
接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値未満であると判定した場合(ステップS912:NO)、該第2の基地局200は、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けると判定する(ステップS916)。
【0121】
第2の基地局200は、呼接続要求を受け付けないと判定したユーザ端末を、他の基地局に接続するように促すリダイレクションを行う。他の基地局には、当該第2の基地局200によりカバーされるセルをカバーするマクロセルをカバーする第1の基地局100であるのが好ましい。接続できる可能性が高くなるためである。当該第2の基地局200の近傍のエリアをカバーする他の第2の基地局であってもよい。例えば、フェムト基地局、ピコ基地局であってもよい。
【0122】
本第2の基地局200は、図5を参照して説明した第2の基地局と同様の機能ブロックにより説明される。図5を参照して説明した第2の基地局と、管理部210に格納される情報と、制御部206の処理が異なる。
【0123】
管理部210は、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるための設定情報を管理する。該設定情報には、呼受付判定方法(その1)が適用される場合には、第1の接続ユーザ端末数閾値と、第2の接続ユーザ端末数閾値とが含まれる。該設定情報には、呼受付判定方法(その2)が適用される場合には、登録ユーザ端末数閾値と、非登録ユーザ端末数閾値とが含まれる。
【0124】
図10は、制御部206の機能を示す。
【0125】
制御部206は、ユーザ端末判定部2062を有する。該ユーザ端末判定部2062には、上りリンク信号受信部214から、ユーザ端末300により送信された接続要求信号が入力される。該ユーザ端末判定部2062は、該接続要求信号に基づいて、該ユーザ端末300が、登録ユーザ端末であるかどうかを判定する。ユーザ端末判定部2062は、登録ユーザ端末の識別子を格納していてもよい。ユーザ端末判定部2062は、接続要求信号を送信したユーザ端末300の識別子が、該ユーザ端末判定部2062に格納された登録ユーザ端末の識別子に含まれるかどうかを判定する。該ユーザ端末判定部2062は、登録ユーザ端末の識別子に含まれる場合には登録ユーザ端末であると判定し、含まれない場合には非登録ユーザ端末であると判定する。ユーザ端末判定部2062は、呼接続受付判定部2064に、接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末であるかどうかを表す情報を入力する。
【0126】
制御部206は、呼接続受付判定部2064を有する。該呼接続受付判定部2064は、ユーザ端末判定部2062と接続される。呼接続受付判定部2064には、接続ユーザ端末数を表す情報が入力される。
【0127】
呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その4)に従って、管理部210に格納されるべき第1の接続ユーザ端末数閾値、及び第2の接続ユーザ端末数閾値と、接続ユーザ端末数とに基づいて、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定する。
【0128】
呼接続受付判定部2064は、上述した呼受付判定方法(その5)に従って、ユーザ端末判定部2062により入力されるべき接続要求信号を送信したユーザ端末が登録ユーザ端末であるかどうかを表す情報と、管理部210に格納されるべき登録ユーザ端末数閾値、及び非登録ユーザ端末数閾値と、接続ユーザ端末数とに基づいて、ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定するようにしてもよい。
【0129】
呼接続受付判定部2064は、リダイレクション判定部2066に、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを表す情報を入力する。
【0130】
制御部206は、リダイレクション判定部2066を有する。該リダイレクション判定部2066は、呼接続受付判定部2064と接続される。該リダイレクション判定部2066には、呼接続受付判定部2064から、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるかどうかを表す情報が入力される。リダイレクション判定部2066は、呼接続受付判定部2064から入力された情報がユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けることを表す情報である場合には、該ユーザ端末300に対してリダイレクションを行わないと判定する。この場合、第2の基地局200は、該ユーザ端末300との間の接続処理を続行する。
【0131】
リダイレクション判定部2066は、呼接続受付判定部2064から入力された情報がユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないことを表す情報である場合には、該ユーザ端末300に対してリダイレクションを行うと判定する。リダイレクション判定部2066は、該ユーザ端末300をリダイレクションさせるべき他の基地局を選択する。該他の基地局は、当該第2の基地局200によりカバーされるセルをカバーするマクロ基地局にすることが好ましい。当該第2の基地局200によりカバーされるセルをカバーするマクロ基地局に、リダイレクションさせることにより、該ユーザ端末300が接続できる確率を向上させることができる。リダイレクション判定部2066は、指示部208に、リダイレクションさせるべき基地局を表す情報を入力する。また、該他の基地局は、当該第2の基地局200によりカバーされるセルの少なくとも一部をカバーするマクロ基地局にしてもよい。また、該他の基地局は、当該第2の基地局200の近傍のエリアをカバーする他の第2の基地局であってもよい。例えば、フェムト基地局、ピコ基地局でもよい。
【0132】
<ユーザ端末>
本ユーザ端末300は、上述した実施例と同様である。
【0133】
<本システムの動作>
本システムの動作は、図7を参照して説明したシーケンスチャートと、ステップS708の処理、及びステップS710が異なる。
【0134】
<呼受付判定方法(その4)が適用される場合>
ステップS708では、第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が、第1の接続ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する。該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が、第1の接続ユーザ端末数閾値以上である場合、無線リソースが不足すると判定する。
【0135】
該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が第1の接続ユーザ端末数閾値未満である場合、接続ユーザ端末数が、第2の接続ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する。
【0136】
該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が第1の接続ユーザ端末数閾値未満であり、且つ第2の接続ユーザ端末数閾値以上である場合には、無線リソースがやや不足すると判定する。
【0137】
該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が、第2の接続ユーザ端末数閾値未満である場合には、無線リソースが不足しないと判定する。
【0138】
ステップS710では、該第2の基地局200は、ステップS708により無線リソースが不足すると判定した場合、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する。
【0139】
該第2の基地局200は、ステップS708により無線リソースがやや不足すると判定した場合、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末である場合には、呼接続要求を受け付けると判定し、該ユーザ端末300が非登録ユーザ端末である場合には、呼接続要求を受け付けないと判定する。
【0140】
該第2の基地局200は、ステップS708により無線リソースが不足しないと判定した場合、該ユーザ端末300が登録ユーザ端末であるかどうかに関わらす、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けると判定する。
【0141】
<呼受付判定方法(その5)が適用される場合>
ステップS708では、第2の基地局200は、呼接続要求を行ったユーザ端末300が登録ユーザ端末である場合、接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する。該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が登録ユーザ端末数閾値以上である場合、無線リソースが不足すると判定する。該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が、接続ユーザ端末数閾値未満である場合には、無線リソースが不足しないと判定する。
【0142】
該第2の基地局200は、呼接続要求を行ったユーザ端末300が非登録ユーザ端末である場合、接続ユーザ端末数が非登録ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する。
【0143】
該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が非登録ユーザ端末数閾値以上である場合、無線リソースが不足すると判定する。
【0144】
該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が非登録ユーザ端末数閾値未満である場合には、無線リソースが不足しないと判定する。
【0145】
ステップS710では、該第2の基地局200は、ステップS708により無線リソースが不足すると判定した場合、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けないと判定する。
【0146】
該第2の基地局200は、ステップS708により無線リソースが不足しないと判定した場合、該ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けると判定する。
【0147】
本変形例において、第1の基地局から第2の基地局に、ユーザ端末をハンドオーバさせる際に、該第2の基地局の接続ユーザ端末数に基づいて、ハンドオーバさせるかどうかが判定されてもよい。例えば、ユーザ端末300からの初回接続要求信号を受信した際に、該第2の基地局の接続ユーザ端末数に基づいて、ハンドオーバさせるかどうかを判定する。
【0148】
本変形例によれば、登録されているユーザ端末、及び登録されていないユーザ端末に対して接続可能に設定されている場合に、登録されているユーザ端末に対して、無線リソースを確保することができる。無線リソースを確保できるかどうかを判定する際の指標として、接続ユーザ端末数が使用される。無線リソースが確保されるため、登録されているユーザ端末におけるスループットを向上させることができる。また、登録されているユーザ端末との間の接続が成功する確率を向上させることができる。また、登録されているユーザ端末に対して、ハンドオーバが成功する確率を向上させることができる。
【0149】
本変形例によれば、登録されていないユーザ端末に対しても、無線リソースが確保される限り、スループットの向上が期待できる。さらに、無線リソースが確保できない場合には、マクロ基地局に、新規に接続するユーザ端末をリダイレクションさせるなど柔軟な制御が可能となる。
【0150】
<第2の実施例>
<システム>
本実施例に従った基地局が適用される環境は、図1を参照して説明した環境と同様である。
【0151】
<第1の基地局>
第1の基地局100は、上述した実施例に従った第1の基地局と同様である。
【0152】
<第2の基地局>
第2の基地局200は、ハイブリッドセルを運用する。ハイブリッドセルでは、該ハイブリッドセルにアクセス権のあるユーザグループに加え、該ハイブリッドセルにアクセス権のないユーザグループにもアクセス権が与えられる。すなわち、ハイブリッドセルでは、登録ユーザ端末と、非登録ユーザ端末とが混在する。
【0153】
該第2の基地局200は、当該第2の基地局200の割り当てリソース量に応じて、接続中のユーザ端末300に対して呼切断を実施するかどうかを判定する。ここで、割り当てリソース量には、無線リソースと、接続制御に必要なパラメータ等のリソースとが含まれる。他の要素が含まれてもよい。本実施例では、割り当てリソースの一例として割り当て無線リソース量を適用した場合について主に説明する。割り当て無線リソース量以外のリソースを適用した場合でも同様である。
【0154】
該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量に応じて、接続中のユーザ端末300に対して呼切断を実施するかどうかを判定する。ここで、割り当て無線リソース量とは、接続中のユーザ端末に割り当てた無線リソース量の合計であってもよいし、当該第2の基地局200が使用することができる無線リソース量から接続中のユーザ端末に割り当てた無線リソース量の合計を減算した残りの無線リソース量であってもよい。割り当て無線リソース量をどのような量にするかは適宜設定可能である。本実施例では、一例として、接続中のユーザ端末に割り当てた無線リソース量の合計である場合について説明する。
【0155】
無線リソースには、CQIリソース使用率、スケジューリングリクエストリソース使用率、サウンディングリファレンスシグナルリソース使用率、ベースバンド使用率、送信電力等が含まれる。
【0156】
無線リソース以外のリソースには、CPU使用率、伝送路使用率が含まれる。
【0157】
第2の基地局200には、無線リソース量の閾値(以下、「無線リソース量閾値」という)が設定される。ここで、無線リソース量閾値は、非登録ユーザ端末との間の呼を切断すると判定する無線リソース量であってもよいし、該無線リソース量から所定のマージンを加減算した無線リソース量であってもよい。
【0158】
該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が、無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する。
【0159】
該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が、無線リソース量閾値以上である場合には、非登録ユーザ端末との間の呼を切断する。該第2の基地局200は、割り当て無線リソース量が、無線リソース量閾値未満である場合には、非登録ユーザ端末との間の呼を切断しないと判定する。
【0160】
無線リソース量閾値に基づいて、非登録ユーザ端末との間の呼を切断するかどうかを判定することにより、無線リソースが確保できない場合には非登録ユーザ端末との間の呼が切断されるため、登録ユーザ端末に対する無線リソースを確保することができる。
【0161】
該第2の基地局200は、非登録ユーザ端末との間の呼を切断する際に、以下の優先順位に従って、切断すべき非登録ユーザ端末を選択する。
【0162】
<非登録ユーザ端末選択方法(その1)>
第2の基地局200は、接続時間に基づいて、切断すべき非登録ユーザ端末を選択する。例えば、接続時間の長い順に非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよい。接続時間の長い順に非登録ユーザ端末を選択する際に、該非登録ユーザ端末宛のデータが格納されているものは除外して選択するようにしてもよいし、該非登録ユーザ端末宛のデータがあるかどうかに関わらす選択してもよい。
【0163】
<非登録ユーザ端末選択方法(その2)>
第2の基地局200は、非登録ユーザ端末に対応するバッファにデータが格納されていない時間が長い順に非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよい。例えば、送信すべきデータが存在しない無通信時間が長い非ユーザ端末の順に、呼切断すべきユーザ端末を選択するようにしてもよい。例えば、該第2の基地局200は、UE inactive timerの経過時間が長い順に非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよい。偶然に通信を行っていないためUE inactive timerが起動されている非登録ユーザ端末との間の呼が切断されることを防止するために、経過時間の下限となる閾値が設定されるのが好ましい。この場合、経過時間の下限となる閾値以上となる非登録ユーザ端末の中から、UE inactive timerの経過時間が長い順に非登録ユーザ端末が選択される。コアネットワークと接続されている状態で、該ユーザ端末宛てのデータがない場合には、UE inactive timerが起動される。非登録ユーザ端末に対応するバッファにデータが格納されていない時間が長い非登録ユーザ端末は、バッファにデータが格納されていない時間が短い非登録ユーザ端末と比較して、呼切断を行っても、その影響は小さいと想定される。さらに、上りリンクのデータがない時間が長い順に非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよい。
【0164】
<非登録ユーザ端末選択方法(その3)>
第2の基地局200は、ユーザ端末に対応するバッファにデータが格納されていない時間の閾値(以下、「データ非格納時間閾値」という)を設定してもよい。データ非格納時間閾値が経過した場合に、呼が解放されるように設定されてもよい。
【0165】
該第2の基地局200は、登録ユーザ端末に対する閾値よりも、非登録ユーザ端末に対する閾値を短い時間に設定することにより、切断すべき非登録ユーザ端末が選択されるようにしてもよい。例えば、該第2の基地局200は、データ非格納時間閾値を、UE inactive timerに対する閾値としてもよい。コアネットワークと接続されている状態で、該ユーザ端末宛てのデータがない場合には、UE inactive timerが起動される。非登録ユーザ端末に対応するバッファにデータが格納されていない時間がデータ非格納時間閾値以上となる非登録ユーザ端末は、データ非格納時間閾値未満である非登録ユーザ端末と比較して、呼切断を行っても、その影響は小さいと想定される。
【0166】
<非登録ユーザ端末選択方法(その4)>
第2の基地局200は、非登録ユーザ端末を無条件で全て呼解放してもよい。
【0167】
また、非登録ユーザ端末選択方法(その1)から非登録ユーザ端末選択方法(その4)を適宜組み合わせて切断すべき非登録ユーザ端末が選択されてもよい。例えば、非登録ユーザ端末選択方法(その2)により経過時間の閾値以上となる非登録ユーザ端末の中から、UE inactive timerの経過時間が長い順に非登録ユーザ端末を選択し、呼切断を行った。しかし、無線リソースが不足する場合、非登録ユーザ端末選択方法(その1)に従って、切断すべき非登録ユーザ端末が選択されてもよいし、非登録ユーザ端末選択方法(その4)に従って、非登録ユーザ端末を無条件で全て呼解放してもよい
さらに、本第2の基地局200は、割り当て無線リソース量に応じて、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との割合を制御するようにしてもよい。
【0168】
例えば、割り当て無線リソース量が少ない場合には、予め設定されている割合で、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量とが設定される。例えば、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との比を同じ(1:1)に設定してもよい。
【0169】
さらに、割り当て無線リソース量が増加した場合には、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量の割合を増加させることにより、登録ユーザ端末を優先するように制御する。例えば、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との比を7:3にしてもよい。
【0170】
さらに、割り当て無線リソース量が増加した場合には、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量の割合をさらに増加させることにより、登録ユーザ端末を優先するように制御する。例えば、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との比を8:2にしてもよい。
【0171】
割り当て無線リソース量の増加に従って、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量の割合を増加させることにより、接続しているユーザ端末が増加した場合に、登録ユーザ端末のスループットの低下を防止できる。
【0172】
本実施例に従った第2の基地局200は、図5に示される機能ブロック図により説明される。図5を参照して説明した第2の基地局200とは、制御部206の機能と、管理部210に格納される情報とが異なる。
【0173】
管理部210は、ユーザ端末300からの呼接続要求を受け付けるための設定情報を管理する。該設定情報には、無線リソース量閾値が含まれる。さらに、該設定情報には、非登録ユーザ端末選択方法(その2)が適用される場合の、経過時間の下限となる閾値、非登録ユーザ端末選択方法(その3)が適用される場合の、データ非格納時間閾値が含まれる。
【0174】
図11は、制御部206の機能を示す。
【0175】
制御部206は、無線リソース判定部2068を有する。該無線リソース判定部2068には、割り当て無線リソース量が入力される。定期的に入力されてもよいし、不定期に入力されてもよい。該無線リソース判定部2068は、割り当て無線リソース量が、管理部210に格納されるべき無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する。該無線リソース判定部206は、割り当て無線リソース量が無線リソース量閾値以上である場合には無線リソースが不足すると判定し、割り当て無線リソース量が無線リソース量閾値未満である場合には無線リソースが不足しないと判定する。無線リソース判定部2068は、呼切断ユーザ端末選択部2070に、無線リソースが不足するかどうかを表す情報を入力する。
【0176】
制御部206は、呼切断ユーザ端末選択部2070を有する。該呼切断ユーザ端末選択部2070は、無線リソース判定部2068と接続される。呼切断ユーザ端末選択部2070は、無線リソース判定部2068により入力されるべき無線リソースが不足するかどうかを表す情報が無線リソースが不足することを表す情報である場合に、呼切断すべきユーザ端末を選択する。例えば、呼切断ユーザ端末選択部2070は、非登録ユーザ端末選択方法(その1)に従って切断すべき非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよいし、非登録ユーザ端末選択方法(その2)に従って切断すべき非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよいし、非登録ユーザ端末選択方法(その3)に従って切断すべき非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよい。また、非登録ユーザ端末選択方法(その3)に従って、全ての非登録ユーザ端末を選択してもよい。また、これらを適宜組み合わせて選択するようにしてもよい。呼切断ユーザ端末選択部2070は、接続処理部2072に、呼切断すべき非登録ユーザ端末を表す情報を入力する。
【0177】
制御部206は、接続処理部2072を有する。接続処理部2072は、呼切断ユーザ端末選択部2070と接続される。該接続処理部2072は、呼切断ユーザ端末選択部2070から入力された呼切断すべき非登録ユーザ端末を表す情報に基づいて、該呼切断すべき非登録ユーザ端末との間の呼を切断する処理を行う。例えば、接続処理部2072は、指示部208に対して、MMEに、UE Context Release Request(回線解放要求信号)を送信するように命令する。さらに、MMEからUE Context Release Request(回線解放要求信号)を受信した後に、接続処理部2072は、指示部208に対して、呼切断すべき非登録ユーザ端末に、RRC Connection Release(回線解放命令信号)を送信するように命令する。
【0178】
制御部206は、無線リソース割合設定部2074を有する。該無線リソース割合設定部2074には、割り当て無線リソース量を表す情報が入力される。該無線リソース割合設定部2074は、割り当て無線リソース量に応じて、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との割合を制御する。該無線リソース割合設定部2074は、スケジューラ(図示なし)に、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との割合を表す情報を入力する。スケジューラは、無線リソース割合設定部2074により入力された情報に基づいて、無線リソースを割り当てるユーザ端末を選択するスケジューリングを行う。
【0179】
<本システムの動作>
図12は、本システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【0180】
図12に示される例では、ユーザ端末300が非登録ユーザ端末であり、該非登録ユーザ端末が呼切断すべきユーザ端末として選択される場合について説明する。
【0181】
ユーザ端末300と、第2の基地局200との間は、RRC Connection 設定がされ、ユーザ端末300は、アイドル状態からアクティブ状態への状態遷移が実行される(ステップS1202)。
【0182】
第2の基地局200は、割り当て無線リソース量に応じて、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との割合を制御する。
【0183】
第2の基地局200は、無線リソースが不足することを検出する(ステップS1204)。例えば、無線リソース判定部2068は、割り当て無線リソース量が、無線リソース量閾値以上であるかどうかを判定する。無線リソース判定部2068は、割り当て無線リソース量が無線リソース量閾値以上である場合に無線リソースが不足すると判定し、割り当て無線リソース量が無線リソース量閾値未満である場合に無線リソースが不足しないと判定する。
【0184】
無線リソースが不足すると判定した場合、呼切断すべき非登録ユーザ端末を選択する(ステップS1206)。例えば、呼切断ユーザ端末選択部2070は、呼切断すべき非登録ユーザ端末を選択する。例えば、<非登録ユーザ端末選択方法(その1)>から<非登録ユーザ端末選択方法(その4)>のうちのいずれか、又はこれらを適宜組み合わせた方法で選択する。
【0185】
第2の基地局200は、ステップS1206により選択された非登録ユーザ端末との間の呼を切断するために、MMEに、UE Context Release Request(回線解放要求信号)を送信する(ステップS1208)。例えば、接続処理部2072は、指示部208に、UE Context Release Requestを生成するように命令する。指示部208は、接続処理部2072による命令に従って、UE Context Release Requestを生成し、上りリンク信号送信部204に入力する。上りリンク信号送信部204は、MMEに、該UE Context Release Requestを送信する。
【0186】
MMEは、第2の基地局200に、UE Context Release Command(回線解放命令信号)を送信する(ステップS1210)。
【0187】
第2の基地局200は、ユーザ端末300に、RRC Connection Release(回線解放命令信号)を無線送信する(ステップS1212)。例えば、接続処理部2072は、指示部208に、RRC Connection Releaseを生成するように命令する。指示部208は、接続処理部2072による命令に従って、RRC Connection Releaseを生成し、下りリンク信号送信部212に入力する。下りリンク信号送信部212は、ユーザ端末300に、該RRC Connection Releaseを無線送信する。
【0188】
本実施例において、第1の基地局が、第2の基地局に、ユーザ端末300をハンドオーバさせると判定した際にも上述した処理と同様の処理が行われてもよい。例えば、ユーザ端末300から初回接続要求を受信した第2の基地局は、該ユーザ端末300が登録されているユーザ端末であるかどうかを判定する。該ユーザ端末300が登録されているユーザ端末であり、かつ無線リソースが不足すると判定された場合に、接続中の登録されていないユーザ端末の中から切断すべきユーザ端末が選択されてもよい。
【0189】
本実施例によれば、登録されているユーザ端末、及び登録されていないユーザ端末に対して使用可能に設定されている場合に、登録されているユーザ端末に対して、無線リソースを確保することができる。無線リソースが確保されるため、登録されているユーザ端末におけるスループットを向上させることができる。また、登録されているユーザ端末との間での接続が成功する確率を向上させることができる。また、登録されているユーザ端末に対して、ハンドオーバが成功する確率を向上させることができる。
【0190】
本実施例によれば、登録されていないユーザ端末に対しても、無線リソースが確保される限り、スループットの向上が期待できる。
【0191】
<変形例>
<システム>
本変形例に従った基地局が適用される環境は、図1を参照して説明した環境と同様である。
【0192】
<第1の基地局>
第1の基地局100は、上述した実施例に従った第1の基地局と同様である。
【0193】
<第2の基地局>
第2の基地局200は、上述した実施例に従った第2の基地局と、ユーザ端末300からの呼を受け付けるかどうかを判定する際の判定方法が異なる。換言すれば、無線リソースが不足するかどうかを判定する方法が異なる。
【0194】
該第2の基地局200は、当該第2の基地局200とRRC Connected状態であるユーザ端末の数(以下、「接続ユーザ端末数」という」に応じて、非登録ユーザ端末との間の呼を切断するかどうかを判定する。換言すれば、割り当て無線リソース量を表す指標として接続ユーザ端末数が利用される。ここで、接続ユーザ端末数に含まれるユーザ端末は、非登録ユーザ端末であってもよいし、非登録ユーザ端末、及び登録ユーザ端末であってもよい。
【0195】
第2の基地局200は、接続ユーザ端末数の閾値(以下、「接続ユーザ端末数閾値」という)を有する。接続ユーザ端末数閾値は、非登録ユーザ端末との間の呼を切断すると判定する接続ユーザ端末数であってもよいし、該接続ユーザ端末数から所定のマージンを加減算した接続ユーザ端末数であってもよい。該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が接続ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する。該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が接続ユーザ端末数閾値以上である場合には、非登録ユーザ端末との間の呼を切断する。該第2の基地局200は、接続ユーザ端末数が接続ユーザ端末数閾値未満である場合には、非登録ユーザ端末との間の呼を切断しないと判定する。
【0196】
接続ユーザ端末数閾値に基づいて、非登録ユーザ端末との間の呼を切断するかどうかを判定することにより、無線リソースが確保できない場合には非登録ユーザ端末との間の呼が切断されるため、登録ユーザ端末に対する無線リソースを確保することができる。
【0197】
該第2の基地局200は、非登録ユーザ端末との間の呼を切断する際に、上述した<非登録ユーザ端末選択方法(その1)>から<非登録ユーザ端末選択方法(その4)>のいずれか、又はその組み合わせに従って、切断すべき非登録ユーザ端末を選択する。
【0198】
さらに、本第2の基地局200は、接続ユーザ端末数に応じて、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との割合を制御するようにしてもよい。
【0199】
例えば、接続ユーザ端末数が少ない場合には、予め設定されている割合で、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量とが設定される。例えば、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との比を同じ(1:1)に設定してもよい。
【0200】
さらに、接続ユーザ端末数が増加した場合には、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量の割合を増加させることにより、登録ユーザ端末を優先するように制御する。例えば、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との比を7:3にしてもよい。
【0201】
さらに、接続ユーザ端末数が増加した場合には、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量の割合をさらに増加させることにより、登録ユーザ端末を優先するように制御する。例えば、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との比を8:2にしてもよい。
【0202】
接続ユーザ端末数の増加に従って、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量の割合を増加させることにより、接続しているユーザ端末が増加した場合に、登録ユーザ端末のスループットの低下を防止できる。
【0203】
本実施例に従った第2の基地局200は、図5に示される機能ブロック図により説明される。図5を参照して説明した第2の基地局200とは、制御部206の機能と、管理部210に格納される情報とが異なる。
【0204】
管理部210は、ユーザ端末との間で設定されるべき設定情報を管理する。該設定情報には、接続ユーザ端末数閾値が含まれる。さらに、該設定情報には、非登録ユーザ端末選択方法(その2)が適用される場合の、経過時間の下限となる閾値、非登録ユーザ端末選択方法(その3)が適用される場合の、データ非格納時間閾値が含まれる。
【0205】
図13は、制御部206の機能を示す。
【0206】
制御部206は、接続ユーザ端末数判定部2076を有する。該接続ユーザ端末数判定部2076には、接続ユーザ端末数が入力される。定期的に入力されてもよいし、不定期に入力されてもよい。該接続ユーザ端末数判定部2076は、接続ユーザ端末数が、管理部210に格納されるべき接続ユーザ端末数閾値以上であるかどうかを判定する。該接続ユーザ端末数判定部2076は、接続ユーザ端末数が接続ユーザ端末数閾値以上である場合には無線リソースが不足すると判定し、接続ユーザ端末数が接続ユーザ端末数閾値未満である場合には無線リソースが不足しないと判定する。接続ユーザ端末数判定部2076は、呼切断ユーザ端末選択部2070に、無線リソースが不足するかどうかを表す情報を入力する。
【0207】
呼切断ユーザ端末選択部2070は、接続ユーザ端末数判定部2076と接続される。呼切断ユーザ端末選択部2070は、接続ユーザ端末数判定部2076により入力されるべき無線リソースが不足するかどうかを表す情報が無線リソースが不足することを表す情報である場合に、呼切断すべきユーザ端末を選択する。例えば、呼切断ユーザ端末選択部2070は、非登録ユーザ端末選択方法(その1)に従って、切断すべき非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよいし、非登録ユーザ端末選択方法(その2)に従って、切断すべき非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよいし、非登録ユーザ端末選択方法(その3)に従って、切断すべき非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよい。また、非登録ユーザ端末選択方法(その4)に従って、切断すべき非登録ユーザ端末を選択するようにしてもよい。また、これらを適宜組み合わせて選択するようにしてもよい。呼切断ユーザ端末選択部2070は、接続処理部2072に、呼切断すべき非登録ユーザ端末を表す情報を入力する。
【0208】
接続処理部2072は、呼切断ユーザ端末選択部2070から入力された呼切断すべき非登録ユーザ端末を表す情報に基づいて、該呼切断すべき非登録ユーザ端末との間の呼を切断する処理を行う。例えば、接続処理部2072は、指示部208に対して、MMEに、UE Context Release Requestを送信するように命令する。さらに、MMEからUE Context Release Requestを受信した後に、接続処理部2072は、指示部208に対して、呼切断すべき非登録ユーザ端末に、RRC Connection Releaseを送信するように命令する。
【0209】
無線リソース割合設定部2074には、接続ユーザ端末数を表す情報が入力される。該無線リソース割合設定部2074は、接続ユーザ端末数に応じて、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との割合を制御する。該無線リソース割合設定部2074は、スケジューラ(図示なし)に、登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量と、非登録ユーザ端末に割り当てるべき無線リソース量との割合を表す情報を入力する。スケジューラは、無線リソース割合設定部2074により入力された情報に基づいて、無線リソースを割り当てるユーザ端末を選択するスケジューリングを行う。
【0210】
<本システムの動作>
本システムの動作は、図12を参照して説明したシーケンスチャートと、ステップS1204の処理が異なる。
【0211】
ステップS1204では、第2の基地局200は、無線リソースが不足することを検出する。例えば、接続ユーザ数判定部2076は、接続ユーザ数が、接続ユーザ数閾値以上であるかどうかを判定する。接続ユーザ数判定部2068は、接続ユーザ数が接続ユーザ数閾値以上である場合に無線リソースが不足すると判定し、接続ユーザ数が接続ユーザ数閾値未満である場合に無線リソースが不足しないと判定する。
【0212】
本実施例において、第1の基地局が、第2の基地局に、ユーザ端末300をハンドオーバさせると判定した際にも上述した処理と同様の処理が行われてもよい。例えば、ユーザ端末300から初回接続要求を受信した第2の基地局は、該ユーザ端末300が登録されているユーザ端末であるかどうかを判定する。該ユーザ端末300が登録されているユーザ端末であり、且つ無線リソースが不足すると判定された場合に、接続中の登録されていないユーザ端末の中から切断すべきユーザ端末が選択されてもよい。
【0213】
本変形例によれば、登録されているユーザ端末、及び登録されていないユーザ端末に対して使用可能に設定されている場合に、登録されているユーザ端末に対して、無線リソースを確保することができる。無線リソースを確保できるかどうかを判定する際の指標として、接続ユーザ端末数が使用される。無線リソースが確保されるため、登録されているユーザ端末におけるスループットを向上させることができる。また、登録されているユーザ端末との間での接続が成功する確率を向上させることができる。また、登録されているユーザ端末に対して、ハンドオーバが成功する確率を向上させることができる。
【0214】
本変形例によれば、登録されていないユーザ端末に対しても、無線リソースが確保される限り、スループットの向上が期待できる。
【0215】
本基地局は、
ユーザ端末と無線通信を行う基地局であって、
ユーザ端末からの呼接続要求信号を受信した際に、当該基地局により利用されているリソース量に基づいて、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができるかどうかを判定する呼接続受付判定部と、
該呼接続受付判定部により前記ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができないと判定された場合に、該ユーザ端末をリダイレクションさせるべき他の基地局を設定するリダイレクション設定部と、
前記ユーザ端末に、前記リダイレクション設定部により設定された他の基地局を表す情報を通知する通知部と
を有する。
【0216】
さらに、
前記リダイレクション設定部は、前記ユーザ端末をリダイレクションさせるべき他の基地局として、当該基地局によりカバーされるセルの少なくとも一部をカバーするマクロ基地局を設定する。
【0217】
さらに、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録部と、
該ユーザ端末登録部に、前記呼接続要求を送信したユーザ端末が登録されているかどうかを判定するユーザ端末判定部と
を有し、
前記呼接続受付判定部は、前記ユーザ端末判定部により登録されていると判定されたユーザ端末からの接続要求を受け付けるが、登録されていないと判定されたユーザ端末からの接続要求を受け付けないと判定するためのリソース量の閾値に基づいて、当該基地局により利用されているリソース量を判定する。
【0218】
さらに、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録部と、
該ユーザ端末登録部に、前記呼接続要求を送信したユーザ端末が登録されているかどうかを判定するユーザ端末判定部と
を有し、
前記呼接続受付判定部は、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定するためのリソース量に対応する第1リソース量閾値と、前記ユーザ端末登録部に登録されていないユーザ端末からの呼接続要求を受け付けるかどうかを判定するためのリソース量に対応する第2リソース量閾値と、前記ユーザ端末判定部による判定結果とに基づいて、前記呼接続要求を送信したユーザ端末の接続要求を受け付けるかどうかを判定する。
【0219】
さらに、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録部と、
該ユーザ端末登録部に、前記呼接続要求を送信したユーザ端末が登録されているかどうかを判定するユーザ端末判定部と
を有し、
前記呼接続受付判定部は、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末の数に対応する第1ユーザ端末数閾値と、前記ユーザ端末登録部に登録されていないユーザ端末の数に対応する第2ユーザ端末数閾値と、前記ユーザ端末判定部による判定結果とに基づいて、前記呼接続要求を送信したユーザ端末の接続要求を受け付けるかどうかを判定する。
【0220】
さらに、
前記通知部は、回線解放命令信号に、前記リダイレクション設定部により設定された他の基地局を表す情報を含める。
【0221】
さらに、
前記リソースには、CQIリソース使用率、スケジューリングリクエストリソース使用率、サウンディングリファレンスシグナルリソース使用率、ベースバンド使用率、送信電力、CPU使用率、及び伝送路使用率のうち、少なくとも1つが含まれる。
【0222】
本無線通信システムは、
ユーザ端末と、ユーザ端末と無線通信を行う基地局とを有する無線通信システムであって、
前記基地局は、
ユーザ端末からの呼接続要求信号を受信した際に、当該基地局により利用されているリソース量に基づいて、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができるかどうかを判定する呼接続受付判定部と、
該呼接続受付判定部により前記ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができないと判定された場合に、該ユーザ端末をリダイレクションさせるべき他の基地局を設定するリダイレクション設定部と、
前記ユーザ端末に、前記リダイレクション設定部により設定された他の基地局を表す情報を通知する通知部と
を有し、
前記ユーザ端末は、
前記基地局との間で、呼接続処理を行う接続処理部
を有し、
前記接続処理部は、前記基地局により前記他の基地局を表す情報が通知された場合に、該他の基地局にリダイレクションを行う。
【0223】
本通信方法は、
ユーザ端末と無線通信を行う基地局における方法であって、
ユーザ端末からの呼接続要求信号を受信した際に、当該基地局により利用されているリソース量に基づいて、該ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができるかどうかを判定する呼接続受付判定ステップと、
該呼接続受付判定ステップにより前記ユーザ端末からの呼接続要求を受け付けることができないと判定された場合に、該ユーザ端末をリダイレクションさせるべき他の基地局を設定するリダイレクション設定ステップと、
前記ユーザ端末に、前記リダイレクション設定ステップにより設定された他の基地局を表す情報を通知する通知ステップと
を有する。
【0224】
本基地局は、
ユーザ端末と無線通信を行う基地局であって、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録部と、
前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末と当該基地局との間、及び前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末と当該基地局との間で、接続処理を行う接続処理部と、
当該基地局により利用されているリソース量を測定するリソース量測定部と、
前記リソース量測定部により、当該基地局により利用されているリソース量があらかじめ定められた閾値以上であると測定された場合に、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末から、呼切断すべきユーザ端末を選択する呼切断ユーザ端末選択部と
を有し、
前記接続処理部は、前記呼切断ユーザ端末選択部により選択された呼切断すべきユーザ端末との間の接続を切断する。
【0225】
さらに、
前記呼切断ユーザ端末選択部は、接続時間が長いユーザ端末の順に、呼切断すべきユーザ端末を選択する。
【0226】
さらに、
前記呼切断ユーザ端末選択部は、送信すべきデータが存在しない無通信時間が長いユーザ端末の順に、呼切断すべきユーザ端末を選択する。
【0227】
さらに、
前記リソース量測定部により、当該基地局により利用されているリソース量が前記あらかじめ定められた閾値以上であると判定された場合に、ユーザ端末毎に設定されるべき、呼の解放を行うまでの無通信時間を表す閾値のうち、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末に対応する閾値を短い値に設定する呼解放時間閾値設定部
を有し、
前記接続処理部は、前記無通信時間が前記呼解放時間閾値設定部に設定された閾値に達したユーザ端末との間の呼を切断する。
【0228】
さらに、
前記呼切断ユーザ端末選択部は、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末の全てを選択する。
【0229】
さらに、
当該基地局により利用可能なリソース量に基づいて、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末に使用させるべきリソース量と、該ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末に使用させるべきリソース量との間の割合を設定するリソース割合設定部
を有する。
【0230】
さらに、
前記リソースには、CQIリソース使用率、スケジューリングリクエストリソース使用率、サウンディングリファレンスシグナルリソース使用率、ベースバンド使用率、送信電力、CPU使用率、及び伝送路使用率のうち、少なくとも1つが含まれる。
【0231】
さらに、
ユーザ端末と無線通信を行う基地局における通信方法であって、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録ステップと、
前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末と当該基地局との間、及び前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末以外のユーザ端末と当該基地局との間で、接続処理を行う接続処理ステップと、
当該基地局により利用されているリソース量を測定するリソース量測定ステップと、
前記リソース量測定ステップにより、当該基地局により利用されているリソース量が前記所定の閾値以上であると測定された場合に、前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末以外のユーザ端末から、呼切断すべきユーザ端末を選択する呼切断ユーザ端末選択ステップと
前記呼切断ユーザ端末選択ステップにより選択された呼切断すべきユーザ端末との間の接続を切断する呼切断ステップと
を有する。
【0232】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0233】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0234】
100 第1の基地局
150 第1の基地局のセル
200 第2の基地局
202 下りリンク信号受信部
204 上りリンク信号送信部
206 制御部
2062 ユーザ端末判定部
2064 呼接続受付判定部
2066 リダイレクション判定部
2068 無線リソース量判定部
2070 呼切断ユーザ端末選択部
2072 接続処理部
2074 無線リソース割合設定部
2076 接続ユーザ端末数判定部
208 指示部
210 管理部
212 下りリンク信号送信部
214 上りリンク信号受信部
250 第2の基地局のセル
300 ユーザ端末
302 接続処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と無線通信を行う基地局であって、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録部と、
前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末と当該基地局との間、及び前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末と当該基地局との間で、接続処理を行う接続処理部と、
当該基地局により利用されているリソース量を測定するリソース量測定部と、
前記リソース量測定部により、当該基地局により利用されているリソース量があらかじめ定められた閾値以上であると測定された場合に、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末から、呼切断すべきユーザ端末を選択する呼切断ユーザ端末選択部と
を有し、
前記接続処理部は、前記呼切断ユーザ端末選択部により選択された呼切断すべきユーザ端末との間の接続を切断する、基地局。
【請求項2】
請求項1に記載の基地局において、
前記呼切断ユーザ端末選択部は、接続時間が長いユーザ端末の順に、呼切断すべきユーザ端末を選択する、基地局。
【請求項3】
請求項1に記載の基地局において、
前記呼切断ユーザ端末選択部は、送信すべきデータが存在しない無通信時間が長いユーザ端末の順に、呼切断すべきユーザ端末を選択する、基地局。
【請求項4】
請求項1に記載の基地局において、
前記リソース量測定部により、当該基地局により利用されているリソース量が前記あらかじめ定められた閾値以上であると判定された場合に、ユーザ端末毎に設定されるべき、呼の解放を行うまでの無通信時間を表す閾値のうち、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末に対応する閾値を短い値に設定する呼解放時間閾値設定部
を有し、
前記接続処理部は、前記無通信時間が前記呼解放時間閾値設定部に設定された閾値に達したユーザ端末との間の呼を切断する、基地局。
【請求項5】
請求項1に記載の基地局において、
前記呼切断ユーザ端末選択部は、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末の全てを選択する、基地局。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の基地局において、
当該基地局により利用可能なリソース量に基づいて、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末に使用させるべきリソース量と、該ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末以外のユーザ端末に使用させるべきリソース量との間の割合を設定するリソース割合設定部
を有する、基地局。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の基地局において、
前記リソースには、CQIリソース使用率、スケジューリングリクエストリソース使用率、サウンディングリファレンスシグナルリソース使用率、ベースバンド使用率、送信電力、CPU使用率、及び伝送路使用率のうち、少なくとも1つが含まれる、基地局。
【請求項8】
ユーザ端末と無線通信を行う基地局における通信方法であって、
ユーザ端末を登録するユーザ端末登録ステップと、
前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末と当該基地局との間、及び前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末以外のユーザ端末と当該基地局との間で、接続処理を行う接続処理ステップと、
当該基地局により利用されているリソース量を測定するリソース量測定ステップと、
前記リソース量測定ステップにより、当該基地局により利用されているリソース量が前記所定の閾値以上であると測定された場合に、前記ユーザ端末登録ステップにより登録されたユーザ端末以外のユーザ端末から、呼切断すべきユーザ端末を選択する呼切断ユーザ端末選択ステップと
前記呼切断ユーザ端末選択ステップにより選択された呼切断すべきユーザ端末との間の接続を切断する呼切断ステップと
を有する、通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−138692(P2012−138692A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288683(P2010−288683)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】