説明

基地局及び基地局の自律設定方法

【課題】 基地局の周辺環境の変化に応じて基地局アンテナの方位角を自律設定することが可能な基地局及び基地局の自律設定方法を提供する。
【解決手段】 方位角計算部21により、一のセクタアンテナが対象とするセクタ内の無線端末の位置座標を取得して該位置座標に応じた方位角を算出し、判定部22により、無線端末の位置座標に応じた方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定し、方位角設定部23により、判定部22によって方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択し、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)が輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレーアンテナを有する基地局及び基地局の自律設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代高速通信規格として、LTE(Long Term Evolution)を採用した無線通信システム(以下、LTEシステムと称す)が注目されている。このLTEシステム用の基地局では、設置や保守の際にフィールドでの測定や設定を自律生成するSON(Self Organized Network)の導入が不可欠である。
【0003】
このような基地局における自律設定手法としては、例えば特開2008−236730号公報に開示の「セルラー移動無線通信システム」がある。これは、周辺セル情報の自律生成手法に関するもので、第1の基地局装置が電波強度測定用の無線チャネルを通して測定用無線信号を送信するとき、複数の他の第2の基地局装置のそれぞれが、順次第1の基地局装置から受信した測定用無線信号の電波強度を測定し、該測定結果に応じて第1の基地局装置が周辺セルか否かを判定するもので、第1の基地局装置を周辺セルと判定した場合には、自己保有する周辺セルの第2局データに該第1の基地局装置の識別情報を登録し、識別情報に基づき第1の基地局装置が保有する第1局データを取得し、第1基地局装置から取得した第1局データを周辺セル情報として、自己保有する第2局データに反映させるものである。
【0004】
また他方で、より高速・大容量の無線アクセス技術の一手法として、与えられた周波数帯域において伝送路の容量(速度)を増大させるマルチアンテナ信号伝送法(MIMO:Multiple Input Multiple Output)技術が注目されている。このMIMO技術は、複数のアンテナを送受信機に用いることで伝送容量を増大させるものである。上記LTEシステムでは、100Mビット/秒以上(20MHz帯域利用時)の速度を目標としており、その実現のため、導入時には2×2MIMO、普及時には4×4MIMOが必須になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−236730号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】K. I. Pedersen, P. E. Mogensen, B. H. Fleury, ”A Stochastic Model of the Temporal Azimuthal Dispersion Seen at the Base Station in Outdoor Propagation Environments,” IEEE Trans. Veh. Technol., vol. 49, no. 2, pp. 437-447, March 2000.
【非特許文献2】清水隆行,他,“基地局用MIMOアンテナの評価技術”,工学技術研究誌 日立電線,No.29, pp.11-14, 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、実際にフィールドに基地局を設置する場合、地形に応じて基地局を設置するため、基地局のアンテナが等間隔で且つ一定の高さに設置されることはない。例えば、高所に設置された基地局のアンテナや沿岸部の対岸に設置された基地局のアンテナからの伝搬により、隣接基地局以外の遠方から電波が到来して干渉を引き起こし、混信が発生することがあった。
【0008】
また、基地局の周辺環境は一定ではなく、基地局新設時の設置の後にも、該基地局の周辺環境の変化に応じ必要な場合には基地局の再設置が行われる。例えば、非特許文献1では、送信アンテナが周囲の建造物と同程度の高さの場合には方位角の分散が生じて、送信アンテナが周囲の建造物よりも高い場合と比較して方位角が大きくなるという測定結果が報告されている(非特許文献1のFig.4(p440)参照)。
【0009】
つまり、周囲の建造物よりも基地局のアンテナ高が高い環境(自由空間)と比較して、周囲の建造物とアンテナ高が同程度の高さの環境(マルチパス空間)では、電波が伝搬する方位角が広がり、フェージング相関係数が高くなる。このフェージング相関係数は、放射指向性と伝搬路の到来波広がり、交差偏波識別度(XPD)から求められるもので、フェージング相関係数(0〜1の値を持つ)が0.7を超えると、MIMOの効果が極端に劣化することが非特許文献2で報告されている。したがって、基地局の周辺環境の変化によっては、MIMOで想定される通信容量が得られなくなるおそれがあるという事情があった。
【0010】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、基地局の周辺環境の変化に応じて基地局アンテナを自律設定することが可能な基地局及び基地局の自律設定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る基地局は、互いに等間隔に配置されたN個(Nは正整数)の素子アンテナを持つアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各素子アンテナの内、2本の素子アンテナを給電し、他の素子アンテナが無給電となるよう切り替えるアンテナ切替部と、当該基地局の周辺環境に応じて前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナを選択して、該アレーアンテナが輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御する方位角設定手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る基地局において、前記アレーアンテナ及び前記アンテナ切替部を備えたL個のセクタアンテナを介して送受信を行う送受信手段と、前記送受信手段を介して、一のセクタアンテナが対象とするセクタ内の無線端末の位置座標を取得し、該位置座標に応じた方位角を算出する方位角計算手段と、前記無線端末の位置座標に応じた方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定する判定手段と、を有し、前記方位角設定手段は、前記判定手段によって方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択することを特徴とする。
【0013】
また、上記発明において、前記方位角計算手段は、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角を含んで最大となる包絡方位角を算出し、前記判定手段は、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定し、前記方位角設定手段は、前記判定手段によって包絡方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択することを特徴とする。
【0014】
また、上記発明において、前記判定手段は、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも小さいか否かを判定し、前記方位角設定手段は、前記判定手段によって包絡方位角が理想方位角よりも小さいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択することを特徴とする。
【0015】
また、上記発明において、前記方位角計算手段は、前記無線端末から位置座標を取得するときの信号強度を取得して、該信号強度が所定値を超えるものについてのみ方位角または包絡方位角を算出することを特徴とする。
【0016】
また、上記発明において、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの組み合わせ毎に、前記方位角のずれに応じて設定すべき2本の素子アンテナの組み合わせが対応付けられた方位角設定テーブルを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る基地局の自律設定方法は、互いに等間隔に配置されたN個(Nは正整数)の素子アンテナを持つアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各素子アンテナの内、2本の素子アンテナを給電し、他の素子アンテナが無給電となるよう切り替えるアンテナ切替部と、を有するL個(Lは正整数)のセクタアンテナ、を備えた基地局の自律設定方法であって、当該基地局の周辺環境に応じて前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナを選択して、該アレーアンテナが輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御することを特徴とする。
【0018】
また、上記発明において、一のセクタアンテナが対象とするセクタ内の無線端末の位置座標を取得し、該位置座標に応じた方位角を算出する方位角計算ステップと、前記無線端末の位置座標に応じた方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによって方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択する方位角設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
また、上記発明において、前記方位角計算ステップは、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角を含んで最大となる包絡方位角を算出し、前記判定ステップは、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定し、前記方位角設定ステップは、前記判定ステップによって包絡方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択することを特徴とする。
【0020】
また、上記発明において、前記判定ステップは、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも小さいか否かを判定し、前記方位角設定ステップは、前記判定ステップによって包絡方位角が理想方位角よりも小さいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択することを特徴とする。
【0021】
さらに、上記発明において、前記方位角計算ステップは、前記無線端末から位置座標を取得するときの信号強度を取得して、該信号強度が所定値を超えるものについてのみ方位角または包絡方位角を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る基地局及び基地局の自律設定方法によれば、基地局の周辺環境に応じてアレーアンテナの給電すべきM本の素子アンテナを設定して、該アレーアンテナが輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御するので、基地局の周辺環境の変化に応じて基地局アンテナを自律設定することが可能な基地局及び基地局の自律設定方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る基地局の構成図である。
【図2】実施形態におけるアンテナ部のセクタアンテナの構成図である。
【図3】2つの波源から出た波の干渉を例示する説明図である。
【図4】実施形態の基地局における方位角設定の処理手順を説明するフローチャートである。
【図5】実施形態のセクタ構成と方位角について例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の基地局及び基地局の自律設定方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔実施形態〕
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る基地局の構成図である。同図において、本実施形態の基地局1は、アンテナ部11と、送受信部12と、信号処理部13と、制御部14と、記憶部15と、インタフェース部16と、を備えた構成である。
【0026】
ここで、本実施形態は、3セクタ方式(特許請求の範囲にいうLを3とする)の基地局に本発明を適用したものである。なお、本発明の適用は3セクタ方式に限定されることなく、4セクタ方式または6セクタ方式等、他のセクタ方式であっても良い。また、本実施形態の基地局1は、2×2MIMOの信号伝送を行うものとして、以下、説明していく。
【0027】
したがって、アンテナ部11は、3個のセクタアンテナ(即ち、第1セクタアンテナ、第2セクタアンテナ及び第3セクタアンテナ)を備えており、それぞれのセクタアンテナは、アレーアンテナ31−1〜31−3と、アンテナ切替部35−1〜35−3を具備している。
【0028】
図2に、本実施形態のアンテナ部11における各セクタアンテナの構成図を示す。本実施形態では、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)として、8個の素子アンテナ32−1〜32−8(特許請求の範囲にいうNを8とする)を直線上に等間隔(λ/4、即ち4分の1波長)に配置した等間隔直線アレーの構成を使用し、素子アンテナ32−1〜32−8に半波長ダイポールアンテナを用いている。なお、後述するように、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の構成は図2の構成に限定されることなく、他の構成であっても良い。
【0029】
また、各セクタアンテナのアンテナ切替部35−j(j=1〜3)は、スイッチSW1〜SW8を備えており、スイッチSW1〜SW8は、それぞれ素子アンテナ32−1〜32−8の給電/無給電を切り替える。なお、スイッチSW1〜SW8のオン/オフを切り替える制御信号は、後述する制御部14の方位角設定部23で生成される。
【0030】
本実施形態では、2×2MIMOであるので、アンテナ切替部35−j(j=1〜3)によって2本の素子アンテナが選択的に給電されるが、8個の素子アンテナ32−1〜32−8の給電/無給電を切り替えることにより、給電される2本の素子アンテナの互いの間隔を、λ/4から7λ/4までの範囲でλ/4刻みで選択することが可能となる。
【0031】
また、送受信部12は、第1セクタアンテナ〜第3セクタアンテナを介した送受信を行い、信号処理部13は、2×2MIMOの信号伝送に関わる信号処理を行う。MIMO信号伝送の信号処理技術については、本実施形態で特徴的なものはなく、公知技術を流用するものとして詳細な説明を省略する。また、インタフェース部16は、移動通信用交換機やMCU(多地点間通信の管理装置)、或いは、当該基地局1に隣接する複数の隣接基地局との通信インタフェースを司る。
【0032】
また、記憶部15は、信号処理部13による信号処理や、制御部14による自律設定や通信制御等に用いる各種データ及びプログラムを保持する。ここで、本実施形態の基地局1において特徴的なデータを保持するものとして、測定結果記憶領域25、方位角記憶領域26及び方位角設定テーブル27がある。
【0033】
測定結果記憶領域25には、後述する制御部14により収集される無線端末の位置座標及び信号強度(RSSI)、並びに算出した方位角及び包絡方位角が記録される。また、方位角記憶領域26には、各セクタアンテナ(各アレーアンテナ31−j(j=1〜3))の想定する理想方位角が前もって記憶される。さらに、方位角設定テーブル27は、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの組み合わせ毎に、方位角のずれに応じて設定すべき2本の素子アンテナの組み合わせが対応付けられた対応表である。ここで、素子アンテナの組み合わせは、アンテナ切替部35−j(j=1〜3)のスイッチSW1〜SW8のオン/オフパターンで表され、例えば図2のスイッチングに対する表記は(0,0,0,1,0,0,0,1)となる。
【0034】
また、制御部53は、当該基地局2が無線端末に移動通信サービスを提供するサービスエリアに対応したセルについて、第1セクタアンテナ〜第3セクタアンテナを介して無線端末との通信を確保する。また、本実施形態においては、特徴的に方位角計算部21、判定部22及び方位角設定部23を備えて、当該基地局1の自律設定を行う。すなわち、セクタアンテナ毎に、当該基地局1の周辺環境に応じてアレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナを選択して、該アレーアンテナ31−j(j=1〜3)が輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御する。
【0035】
方位角計算部21は、第1セクタアンテナ〜第3セクタアンテナを介して、該セクタアンテナが対象とするセクタ内の無線端末の位置座標を取得し、該位置座標に応じた方位角を算出する。また、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角を含んで最大となる包絡方位角を算出する。なお、方位角計算部21は、無線端末から位置座標を取得するときの電界強度(RSSI:信号強度)を取得して、該電界強度(RSSI)が所定値を超えるものについてのみ方位角または包絡方位角を算出する。
【0036】
また、判定部22は、無線端末の位置座標に応じた方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定する。また、包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも小さいか否かを判定する。
【0037】
また、方位角設定部23は、判定部22によって方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択する。また、判定部22によって包絡方位角が理想方位角よりも小さいと判断されたときに、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択する。
【0038】
ここで、図3を参照して、給電すべき2本の素子アンテナから電波が輻射されるときの電波について、波動の側面から考察する。図3は、2つの波源H1及びH2から出た波の干渉を例示する説明図であり、図3(a)は波源H1及びH2間の距離を2λ(2波長)と、図3(b)は波源H1及びH2間の距離を2.5λ(2.5波長)と、それぞれしたときの谷の波面(図中、一点鎖線)、山の波面(図中、破線)及び節線(図中、実線)を描いたものである。
【0039】
2つの波源H1及びH2から出た波は、重ね合わせの原理に従って波の干渉を引き起こす。つまり、双方の山の波面が重なるところでは波が強め合い、双方の谷の波面が重なるところでは波が弱め合う。またこのとき、合成された山や谷は、時間と共に腹線(波が強め合う点を連ねた線;図示せず)に沿って外側向かって移動していき、節線(波が弱め合う点を連ねた線;図中、実線)上の点は振動しないので水面波などでは筋になって見えることになる。
【0040】
ここで、図3(a)及び(b)を比較すると、波源間隔が2λのとき節線間隔はd1であり、波源間隔が2.5λのとき節線間隔はd2(<d1)であるから、波源間隔が狭まると節線間隔は広くなり、逆に、波源間隔が広まると節線間隔は狭くなることが分かる。これらの性質を給電すべき2本の素子アンテナから電波が輻射されるときの電波に置き換えれば、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の方位角をより広げる場合には2本の素子アンテナの間隔をより狭くし、また、方位角をより狭くする場合には、2本の素子アンテナの間隔をより広げればよいことになる。本発明はこの性質を利用したものである。
【0041】
次に、以上のような構成要素を備えた基地局1の自律設定方法について、図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4は本実施形態に係る基地局1の自律設定方法を説明するフローチャートであり、図5はセクタ構成と方位角について例示する説明図である。なお、以下では、移動通信サービスの提供中に、基地局1の周辺環境に応じて行うアンテナの自律設定(即ち、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)が輻射する電波の水平面における正面方向の方位角制御)方法について、詳細に説明する。
【0042】
まず、図5を参照して、セクタ構成と方位角について規定しておく。本実施形態の基地局1は、セルCEをカバーする3セクタ方式の基地局(図中BS)であって、ビーム幅を120度とする第1セクタアンテナ〜第3セクタアンテナがセクタA1〜A3をそれぞれカバーしている。
【0043】
ここでは、代表的にセクタA1をカバーする第1セクタアンテナを一例として説明する。基地局BSの位置を中心として、第1セクタアンテナについて放射電力または受信感度が最大となる方向がb1であるとき、この方向b1を第1セクタアンテナの方位角を規定する基準方位軸とする。つまり、方位角は、セクタアンテナ(アレーアンテナ31−j(j=1〜3))が輻射する電波の水平面における正面方向の方位角である。
【0044】
このとき、第1セクタアンテナが想定する理想方位角は、基準方位軸b1と、中心(基地局BS)からセクタA1に外接して放射状に延びる方位線b11及びb12との角度θ11及びθ12として規定される。また、無線端末の方位角は、基準方位軸b1と、中心(基地局BS)から無線端末UEの位置方向に延びる方位線との角度θxとして規定される。つまり、方位角計算部21は、基地局BSの位置座標及び無線端末UEの位置座標に基づき、無線端末UEの方位角θxを算出することになる。なお、基準方位軸b1より方位線b12側の方位角は正値をとり、基準方位軸b1より方位線b11側の方位角は負値をとるものとする。
【0045】
また、方位角計算部21が所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角を含んで最大となる包絡方位角については、所定期間に算出した方位角θxの最大値が包絡方位角θzとして求められることになる。なお、包絡方位角θzについては、方位線b11側及び方位線b12側の両側について求められる。
【0046】
以上説明したセクタ構成と方位角の規定を踏まえて、図4のフローチャートに沿って処理手順を説明する。まず、基地局1は、所定のタイミングで、無線端末に対し、現在の該無線端末の位置座標を測定して基地局1へ通知することを要求する(ステップS101)。ここで、以下に続く方位角制御は、セル内の全ての無線端末に対して所定周期毎に行う手法や、基地局1と無線端末との接続シーケンスに組み込む手法など、種々の方法が考えられ、何れの手法を採るかに応じて方位角制御を行う所定タイミングが定められることになる。
【0047】
次に、該要求に対する応答により無線端末の位置座標を取得するが、この位置座標情報を受信するときの電界強度(RSSI)を取得する(ステップS102)。ここで収集した無線端末の位置座標及び信号強度(RSSI)は、記憶部15の測定結果記憶領域25に記録される。
【0048】
次に、方位角計算部21は、取得した無線端末の位置座標の内、位置座標を取得したときの電界強度(RSSI)が所定値を超えるものについて、該位置座標に応じた方位角θxを算出する(ステップS103)。また、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角を含んで最大となる包絡方位角θzを算出する(ステップS104)。ここで、算出した方位角θx及び包絡方位角θzは、記憶部15の測定結果記憶領域25に記録される。なお、同じタイミングで複数個の算出方位角が存在する場合、以降の処理では、最大の算出方位角を算出した方位角θxとして扱うものとする。また、包絡方位角θzは、所定期間に算出した方位角θxの最大値であるから、方位角θxを算出する度に包絡方位角θzと比較して、算出した方位角θxが包絡方位角θzの場合に、包絡方位角θzを算出した方位角θxに更新されていくことになる。
【0049】
次に、判定部22は、無線端末の位置座標に応じた方位角θxが、該セクタアンテナが想定する理想方位角θij(第1セクタアンテナの場合、θ11またはθ12)よりも大きいか否かを判定する(ステップS105)。方位角θxが理想方位角θijよりも大きい場合には、ステップS106に進み、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択する。具体的には、両者の差(理想方位角θij−方位角θx)を方位角のずれとして方位角設定テーブル27を参照して、方位角のずれに応じたアンテナ切替部35−j(j=1〜3)のスイッチSW1〜SW8のオン/オフパターンを求めて、アンテナ切替部35−j(j=1〜3)に対して制御信号を出力する。
【0050】
また、方位角θxが理想方位角θij以下の場合には、前回のアンテナ切替部35−j(j=1〜3)による切替えを行ってからの経過時間をチェックし、所定期間が経過しているときに、判定部22は、包絡方位角θzが、該セクタアンテナが想定する理想方位角θij(第1セクタアンテナの場合、θ11またはθ12)よりも小さいか否かを判定する(ステップS107)。なお、前回のアンテナ切替部35−j(j=1〜3)による切替えを行ってから所定期間が経過していないときには、そのまま終了する。
【0051】
包絡方位角θzが理想方位角θijよりも小さい場合には、ステップS108に進み、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択する。具体的には、両者の差(理想方位角θij−方位角θx)を方位角のずれとして方位角設定テーブル27を参照して、方位角のずれに応じたアンテナ切替部35−j(j=1〜3)のスイッチSW1〜SW8のオン/オフパターンを求めて、アンテナ切替部35−j(j=1〜3)に対して制御信号を出力する。なお、包絡方位角θzが理想方位角θij以上の場合には、フローチャート上ではそのまま終了することとしているが、このようなケースはステップS105の判断でステップS106に進むことになるので、実際には起こり得ない。
【0052】
以上説明したように、本実施形態の基地局及び基地局の自律設定方法では、互いに等間隔に配置された8個の素子アンテナを持つアレーアンテナ31−j(j=1〜3)と、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の各素子アンテナの内、2本の素子アンテナを給電し、他の素子アンテナが無給電となるよう切り替えるアンテナ切替部35−j(j=1〜3)と、を備えた3個のセクタアンテナを備えた基地局1において、方位角設定部23により、当該基地局1の周辺環境に応じてアレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナを選択して、該アレーアンテナ31−j(j=1〜3)が輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御する。
【0053】
これにより、基地局1の周辺環境の変化に応じて基地局アンテナの方位角を自律設定することが可能な基地局及び基地局の自律設定方法を実現することができる。また、方位角を調整できるので、基地局間協調MIMOなどの設定時にも有効である。
【0054】
より具体的には、本実施形態の基地局及び基地局の自律設定方法では、方位角計算部21により、一のセクタアンテナが対象とするセクタ内の無線端末の位置座標を取得し、該位置座標に応じた方位角θxを算出し(方位角計算ステップ)、判定部22により、無線端末の位置座標に応じた方位角θxが、該セクタアンテナが想定する理想方位角θijよりも大きいか否かを判定し(判定ステップ)、方位角設定部23により、判定部22によって方位角θxが理想方位角θijよりも大きいと判断されたときに、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択する(方位角設定ステップ)。
【0055】
例えば、セル内に当該基地局のセクタアンテナと同程度の高さの建造物が出現して基地局1の周辺環境が変化したとき、方位角の分散が生じて、方位角はセクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きくなるが、このような場合には、給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択されて、セクタアンテナが輻射する電波の水平面における正面方向の方位角が狭まるように制御されるので、方位角をセクタアンテナが想定する理想方位角に近づけることができ、フェージング相関係数を抑制してマルチパス空間での電波伝搬による影響を抑圧することができる。その結果として、サイドローブによる遠方到来波等の干渉を抑制することができると共に、MIMOが想定する通信容量を享受することができる。さらに、電波の到来方向が分散されることにより、セルエッジで生じる同一周波数妨害を抑圧することが可能である。
【0056】
また、本実施形態の基地局及び基地局の自律設定方法では、方位角計算部21により、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角θxを含んで最大となる包絡方位角θzを算出し(方位角計算ステップ)、判定部22により、包絡方位角θzが、該セクタアンテナが想定する理想方位角θijよりも小さいか否かを判定し(判定ステップ)、方位角設定部23により、判定部22によって包絡方位角θzが理想方位角θijよりも小さいと判断されたときに、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択する(方位角設定ステップ)。
【0057】
例えば、セル内で当該基地局のセクタアンテナと同程度の高さの建造物が消滅して基地局1の周辺環境が変化したとき、方位角はセクタアンテナが想定する理想方位角よりも小さくなるが、このような場合には、給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択されて、セクタアンテナが輻射する電波の水平面における正面方向の方位角が広がるように制御されるので、方位角をセクタアンテナが想定する理想方位角に近づけることができ、サービスエリア内でサービスが提供されないエリアが生じるのを防ぐことができる。
【0058】
さらに、本実施形態の基地局及び基地局の自律設定方法では、方位角計算部21において、無線端末から位置座標を取得するときの信号強度を取得して、該信号強度が所定値を超えるものについてのみ方位角または包絡方位角を算出することとしたので、不要な調整動作を排除して、方位角の調整制御を適切に行うことができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施形態では、方位角θxが理想方位角θijよりも大きいときに方位角の調整を行うようにしたが、包絡方位角θzが理想方位角θijよりも大きいときに方位角の調整を行うようにしても良い。
【0060】
すなわち、方位角計算部21により、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角θxを含んで最大となる包絡方位角θzを算出し(方位角計算ステップ)、判定部22により、包絡方位角θzが、該セクタアンテナが想定する理想方位角θijよりも大きいか否かを判定し(判定ステップ)、方位角設定部23により、判定部22によって包絡方位角θzが理想方位角θijよりも大きいと判断されたときに、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択する(方位角設定ステップ)。これにより、不要な調整動作を排除して、方位角の調整制御を適切に行うことができる。
【0061】
また、実施形態では、基地局は2×2MIMO(M=2)の信号伝送を行うものとしたが、4×4MIMO(M=4)の信号伝送を行うものであっても良い。この場合、セクタアンテナでは、アンテナ切替部35−j(j=1〜3)によって4本の素子アンテナが選択的に給電され、8個の素子アンテナ32−1〜32−8の給電/無給電を切り替えることにより、給電される4本の素子アンテナの互いの間隔を、λ/4及びλ/2の何れかに選択することが可能となる。なお、選択の範囲を拡げたい場合には、素子アンテナの本数をさらに増やせば良い。
【0062】
また、実施形態では、アレーアンテナ31−j(j=1〜3)の構成として、8個の素子アンテナ32−1〜32−8を直線上に等間隔に配置した等間隔直線アレーを使用し、素子アンテナに半波長ダイポールアンテナを用いたが、他のアレー構成としても良く、また他の素子アンテナを使用しても良い。他のアレー構成としては、例えば、三角配列アレー、正方配列アレー、円形配列アレー等があり、また他の素子アンテナとしてパッチアンテナを使用することができる。
【0063】
ここで、アレー構成と、素子アンテナ個数N及び給電素子アンテナ個数Mとに基づく、給電される素子アンテナの間隔の選択範囲について整理しておく。なお、等間隔配置の素子アンテナの間隔をdとする。まず、素子アンテナ個数Nの直線アレーを用いたとき、給電素子アンテナ個数M=2の場合(実施形態の場合)には、給電される2本の素子アンテナの間隔は、dからd・(N−1)までの範囲でd刻みで選択することが可能となる。
【0064】
また、給電素子アンテナ個数M=3のときには、素子アンテナ個数Nの直線アレーを用いた場合、給電される3本の素子アンテナの間隔は、dからd・(N−1)/2までの範囲でd刻みで選択することが可能となる。なお、N!(Nの階乗)個の三角配列アレーを用いた場合には、給電される3本の素子アンテナの間隔は、dからd・(N−1)までの範囲でd刻みで選択することが可能となる。
【0065】
さらに、給電素子アンテナ個数M=4のときには、素子アンテナ個数Nの直線アレーを用いた場合、給電される4本の素子アンテナの間隔は、dからd・(N−1)/3までの範囲でd刻みで選択することが可能となる。なお、N×N個の正方配列アレーを用いた場合には、給電される4本の素子アンテナの間隔は、dからd・(N−1)までの範囲でd刻みで選択することが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1…基地局、11…アンテナ部、12…送受信部、13…信号処理部、14…制御部、15…記憶部、16…インタフェース部、21…方位角計算部、22…判定部、23…方位角設定部、25…測定結果記憶領域、26…方位角記憶領域、27…方位角設定テーブル、31−1〜31−3…アレーアンテナ、32−1〜32−3…素子アンテナ、35−1〜35−3…アンテナ切替部、SW1〜SW3…スイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに等間隔に配置されたN個(Nは正整数)の素子アンテナを持つアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの各素子アンテナの内、2本の素子アンテナを給電し、他の素子アンテナが無給電となるよう切り替えるアンテナ切替部と、
当該基地局の周辺環境に応じて前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナを選択して、該アレーアンテナが輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御する方位角設定手段と、
を有することを特徴とする基地局。
【請求項2】
前記アレーアンテナ及び前記アンテナ切替部を備えたL個(Lは正整数)のセクタアンテナを介して送受信を行う送受信手段と、
前記送受信手段を介して、一のセクタアンテナが対象とするセクタ内の無線端末の位置座標を取得し、該位置座標に応じた方位角を算出する方位角計算手段と、
前記無線端末の位置座標に応じた方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記方位角設定手段は、前記判定手段によって方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択することを特徴とする請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記方位角計算手段は、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角を含んで最大となる包絡方位角を算出し、
前記判定手段は、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定し、
前記方位角設定手段は、前記判定手段によって包絡方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択することを特徴とする請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記判定手段は、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも小さいか否かを判定し、
前記方位角設定手段は、前記判定手段によって包絡方位角が理想方位角よりも小さいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択することを特徴とする請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記方位角計算手段は、前記無線端末から位置座標を取得するときの信号強度を取得して、該信号強度が所定値を超えるものについてのみ方位角または包絡方位角を算出することを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の基地局。
【請求項6】
前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの組み合わせ毎に、前記方位角のずれに応じて選択すべき2本の素子アンテナの組み合わせが対応付けられた方位角設定テーブル、を有することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の基地局。
【請求項7】
互いに等間隔に配置されたN個(Nは正整数)の素子アンテナを持つアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各素子アンテナの内、2本の素子アンテナを給電し、他の素子アンテナが無給電となるよう切り替えるアンテナ切替部と、を有するL個(Lは正整数)のセクタアンテナ、を備えた基地局の自律設定方法であって、
当該基地局の周辺環境に応じて前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナを選択して、該アレーアンテナが輻射する電波の水平面における正面方向の方位角を制御することを特徴とする基地局の自律設定方法。
【請求項8】
一のセクタアンテナが対象とするセクタ内の無線端末の位置座標を取得し、該位置座標に応じた方位角を算出する方位角計算ステップと、
前記無線端末の位置座標に応じた方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択する方位角設定ステップと、
を有することを特徴とする請求項7に記載の基地局の自律設定方法。
【請求項9】
前記方位角計算ステップは、所定期間に算出した全ての位置座標に応じた方位角を含んで最大となる包絡方位角を算出し、
前記判定ステップは、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも大きいか否かを判定し、
前記方位角設定ステップは、前記判定ステップによって包絡方位角が理想方位角よりも大きいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより大きくなるよう選択することを特徴とする請求項8に記載の基地局の自律設定方法。
【請求項10】
前記判定ステップは、前記包絡方位角が、該セクタアンテナが想定する理想方位角よりも小さいか否かを判定し、
前記方位角設定ステップは、前記判定ステップによって包絡方位角が理想方位角よりも小さいと判断されたときに、前記アレーアンテナの給電すべき2本の素子アンテナの互いの間隔がより小さくなるよう選択することを特徴とする請求項9に記載の基地局の自律設定方法。
【請求項11】
前記方位角計算ステップは、前記無線端末から位置座標を取得するときの信号強度を取得して、該信号強度が所定値を超えるものについてのみ方位角または包絡方位角を算出することを特徴とする請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の基地局の自律設定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−253709(P2012−253709A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126996(P2011−126996)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】