説明

基地局及び通信方法並びに無線通信システム

【課題】リレーノードのハンドオーバの際の隣接セルリストの更新処理を効率的に行うこと。
【解決手段】リレーノードと通信を行う基地局は、他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルの隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルの隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新する制御部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、LTE(Long Term Evolution)に従って無線通信を行うネットワーク(以下、「LTEネットワーク」という)のカバレッジの拡充・容量拡張の目的でリレーノード(RN: Relay Node)が検討されている。
【0003】
リレーノードとは、LTEに従って無線通信を行う基地局(eNB: eNodeB)と、LTEに対応する移動端末(UE: User Equipment)(以下、「ユーザ端末」という)との間をそれぞれの無線インタフェースで中継するノードである。
【0004】
リレーノードに関して、以下のことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
リレーノードと、ネットワークとの間は、ドナー基地局(DeNB: Donor eNB)で接続される。ここで、ドナー基地局とは、リレーノードを意識して通信を行う機能を基地局に追加したものである。
【0006】
リレーノードは、1つのセルを有する。該1つのセルは、ドナー基地局の有するセルとは独立である。リレーノードは、RRC(Radio Resource Control)プロトコルを終端し、独立に制御できる。
【0007】
リレーノードは、電車等の乗り物や、イベント会場などの小規模なエリアでの利用が想定される。乗り物や、小規模なエリアで利用することにより、収容する領域を延長したり、収容能力を強化したりすることができる。また、リレーノードによりカバーされるセルの領域は、基地局の配下のマクロセルの領域や、ドナー基地局の配下のマクロセルの領域と比較して狭いことが想定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V10.3.0、 “4.7 Support for relaying”、 2011−03
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
基地局や、ドナー基地局は、配下のセル毎に、該セルに隣接するセルを表す情報を含むリスト(以下、「隣接セルリスト」という)を保持している。ユーザ端末は、ハンドオーバの際に、隣接セルリストを利用する。
【0010】
ユーザ端末には基地局や、ドナー基地局から隣接セルリストが通知される。ユーザ端末は、隣接セルリストに基づいて、周辺セルサーチを実施する。
【0011】
図1、図2には、リレーノードの移動例が示される。
【0012】
ドナー基地局、基地局は、隣接セルリストに、リレーノードの配下のセルを表す情報を加える。リレーノードの移動の際には、該リレーノードの移動に伴い、該リレーノードの配下のセルも移動する。ドナー基地局、基地局は、リレーノードの移動に伴い、隣接セルリストに、リレーノードの配下のセルを表す情報を追加したり、削除したりする。
【0013】
図1に示される例では、リレーノードの配下のセルCell_R−1は、ドナー基地局#0(DeNB#0)の配下のセルCell_0−0によりカバーされる領域、及びセルCell_0−1によりカバーされる領域と少なくとも一部が重複する領域をカバーする。この状態で、ドナー基地局#0のセルCell_0−0の隣接セルは、セルCell_0−1と、セルCEll_R−1である。ドナー基地局#0のセルCell_0−1の隣接セルは、セルCell_0−0と、セルCEll_R−1である。ドナー基地局#0のセルCell_0−2の隣接セルは、セルCell_0−1と、セルCEll_1−0である。
【0014】
図2は、図1に示される状態から、リレーノードが移動した状態を示す。
【0015】
図2に示される例では、リレーノードの配下のセルCell_R−1が、ドナー基地局#0のセルCell_0−2の一部の領域をカバーする。この状態で、ドナー基地局#0のセルCell_0−0の隣接セルは、セルCell_0−1である。リレーノードの移動に伴って、ドナー基地局#0のセルCell_0−0の隣接セルから、リレーノードの配下のセルCell_R−1を表す情報が削除されるためである。ドナー基地局#0のセルCell_0−1の隣接セルは、セルCell_0−0である。リレーノードの移動に伴って、ドナー基地局#0のセルCell_0−1の隣接セルから、リレーノードの配下のセルCell_R−1が削除されるためである。ドナー基地局#0のセルCell_0−2の隣接セルは、セルCell_0−1と、セルCEll_1−0と、Cell_R−1である。リレーノードの移動に伴って、ドナー基地局#0のセルCell_0−2の隣接セルとして、リレーノードの配下のセルCell_R−1を表す情報が追加されるためである。
【0016】
図3は、リレーノードの移動に伴って、隣接セルリストに、リレーノードの配下のセルを表す情報を追加したり、削除したりする処理の詳細を示す。
【0017】
図3において、リレーノードの配下のセル(Relay Cell)は、ドナー基地局#0(DeNB#0)の配下のセルCell_0−2によりカバーされる領域から、ドナー基地局#1(DeNB#1)の配下のセルCell_1−5によりカバーされる領域に移動する。つまり、リレーノードは、ドナー基地局#0(DeNB#0)の配下のセルCell_0−2から、ドナー基地局#1(DeNB#1)の配下のセルCell_1−5にハンドオーバする。
【0018】
リレーノードがドナー基地局#0(DeNB#0)の配下のセルCell_0−2から、ドナー基地局#1(DeNB#1)の配下のセルCell_1−5にハンドオーバする際に、該リレーノードのハンドオーバ元のドナー基地局#0(DeNB#0)は、該リレーノードのハンドオーバ元のドナー基地局#0(DeNB#0)の配下のセルCell_0−2の隣接セルリストに含まれるセルを収容しているドナー基地局及び基地局に、隣接セルリストから、リレーノードの配下のセルを表す情報を削除するように通知する。
【0019】
また、該リレーノードのハンドオーバ先のドナー基地局#1(DeNB#1)は、該リレーノードのハンドオーバ先のドナー基地局#1(DeNB#1)の配下のセルCell_1−5の隣接セルリストに含まれるセルを収容しているドナー基地局及び基地局に、隣接セルリストに、リレーノードの配下のセルを表す情報を追加するように通知する。
【0020】
上述した隣接セルリストからリレーノードの配下のセルを表す情報を削除する処理、隣接セルリストにリレーノードの配下のセルを表す情報を追加する処理は、該リレーノードのハンドオーバ元のセルと、該リレーノードのハンドオーバ先のセルの双方に隣接するセルに対しても実行されることが想定される。この場合、該リレーノードのハンドオーバ元のセルと、該リレーノードのハンドオーバ先のセルの双方に隣接するセルを収容しているドナー基地局及び基地局は、隣接セルリストからリレーノードの配下のセルを表す情報を削除するように通知された後に、該リレーノードの配下のセルを表す情報を追加するように通知される。
【0021】
リレーノードの配下のセルを表す情報を削除した後に、該リレーノードの配下のセルを表す情報を追加する処理は、実行する必要の無い処理である。
【0022】
このような、余分な処理は削減されるのが好ましい。
【0023】
開示の基地局は、リレーノードのハンドオーバの際の実行されるべき隣接セルリストの更新に係る処理を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
開示の一実施例の基地局は、
リレーノードと通信を行う基地局であって、
他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新する制御部
を有する。
【発明の効果】
【0025】
開示の実施例によれば、リレーノードのハンドオーバの際に実行されるべき隣接セルリストの更新に係る処理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】隣接セルの一例を示す図である。
【図2】隣接セルの一例を示す図である。
【図3】リレーノードのハンドオーバの一例を示す図である。
【図4】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図5】ドナー基地局の一実施例を示すブロック図である。
【図6】ドナー基地局の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】隣接セルリストの一実施例を示す図である。
【図8】隣接セルリスト変更情報(その1)の一実施例を示す図である。
【図9】隣接セルリスト変更情報(その2)の一実施例を示す図である。
【図10】基地局の一実施例を示すブロック図である。
【図11】基地局の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図12】リレーノードのハンドオーバの一実施例を示す図である。
【図13】無線通信システムの動作(その1)の一実施例を示す図である。
【図14】無線通信システムの動作(その2)の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0028】
<無線通信システム>
図4は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0029】
無線通信システムには、LTEに従って無線通信を行う基地局200が含まれる。基地局200は、E−UTRAN Node−Bと呼ばれてもよい。基地局200は、E−UTRA U−Plane、及びC−Planeを提供する。U−Planeを提供する際に、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHYに関する処理を行う。C−Planeを提供する際に、RRCに関する処理を行う。基地局200は、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)のNode−Bと、RNCに相当する処理を行う。基地局200は、セル250、250、250をカバーする。基地局200は、1−2のセルをカバーするようにしてもよいし、4以上のセルをカバーするようにしてもよい。無線通信システムに、2以上の基地局が含まれてもよい。
【0030】
無線通信システムには、ドナー基地局100(nは、n>0の整数)が含まれる。図4には、一例として、nが2の場合について示される。ドナー基地局100、100は、基地局200に、リレーノードとの間で無線通信できる機能を追加したものである。ドナー基地局100は、セル15011、15012、15013をカバーする。ドナー基地局100は、セル15021、15022、15023をカバーする。ドナー基地局100は、1−2のセルをカバーするようにしてもよいし、4以上のセルをカバーするようにしてもよい。無線通信システムに、3以上のドナー基地局が含まれてもよい。
【0031】
無線通信システムには、LTEに従って無線通信を行うユーザ端末400(mは、m>0の整数)が含まれる。図4には、一例として、mが2の場合について示される。例えば、ユーザ端末400は、上りリンクでは、SC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)に従って無線送信を行う。ユーザ端末400は、下りリンクでは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に従って送信された無線信号を受信する。
【0032】
無線通信システムには、リレーノード300が含まれる。リレーノード300は、レイヤー3レベルで、ドナー基地局100又は100と、ユーザ端末400及び400の少なくとも一方との間の通信を中継するノードである。リレーノードは複数であってもよい。リレーノード300は、ドナー基地局100又は100からの下りリンクの無線信号の復調処理、復号処理を行う。さらに、リレーノード300は、ユーザデータを再生し、秘匿、ユーザデータ分割・結合処理等を行い、符号化・変調後に、ユーザ端末400又は400に無線送信する。リレーノード300は、セル350をカバーする。図4に示される例では、リレーノード300は、ドナー基地局100によりカバーされるセル15013と、ドナー基地局100によりカバーされるセル15021との間で重複する領域を含む領域をカバーする。
【0033】
無線通信システムは、交換機600を有する。交換機600は、C−Planeを管理するノードと、U−Planeを管理するノードとが含まれてもよい。C−Planeを管理するノードは、MME(Mobility Management Entity)と呼ばれてもよい。C−Planeを管理するノードは、移動端末コンテキストを管理し、格納する。該移動端末コンテキストには、ユーザ識別子、モビリティ状態、セキュリティ等が含まれる。U−Planeを管理するノードは、S−GW(Serving Gateway)と呼ばれてもよい。U−Planeを管理するノードは、移動端末コンテキストを管理し、格納する。該移動端末コンテキストには、IPベアラサービスパラメータ、ルーティング情報等が含まれる。
【0034】
ドナー基地局100、100、基地局200は、IPネットワーク500を介して、交換機600と接続される。
【0035】
ドナー基地局100、100、基地局200の間は、インタフェース550を介して接続される。該インタフェース550は、ドナー基地局と、基地局との間のインタフェースであり、X2と呼ばれてもよい。
【0036】
<ドナー基地局100
図5は、ドナー基地局100の一実施例を示す。
【0037】
図5には、主に、ハードウェア構成が示される。
【0038】
ドナー基地局100は、伝送路インタフェース102と、L2SW(レイヤー2スイッチ)104と、制御部106と、ベースバンド処理部108と、無線インタフェース118とを有する。
【0039】
無線インタフェース118は、当該ドナー基地局100によりカバーされるセルの数に応じた数の無線インタフェースを有する。図5には、当該ドナー基地局100により3セルがカバーされる例が示される。3セルがカバーされる場合、無線インタフェース118には、I/Oport(入力/出力ポート)110−110と、A/D変換回路112−112と、広帯域AMP114−114と、アンテナ116−116とが含まれる。添え字「1」、「2」、「3」は、それぞれセルに対応する。
【0040】
伝送路インタフェース102は、当該ドナー基地局以外の他のドナー基地局、基地局200との間のインタフェースである。また、伝送路インタフェース102は、交換機600との間のインタフェースである。図5では、交換機600は、MMEと表されている。該MMEは、HSS(Home Subscriber Server)700と接続される。HSS700は、加入者情報データベースである。HSSは、認証情報及び在圏情報を管理する。伝送路インタフェース102は、X2インタフェースと呼ばれてもよい。
【0041】
L2SW104は、伝送路インタフェース102と接続される。L2SW104は、レイヤー2で、伝送路インタフェース102からのパケットの転送先を判断する。L2SW104は、無線インタフェース118に含まれるI/Oport110−110のうち、転送先に対応するI/Oportに、伝送路インタフェース102からのパケットを転送する。
【0042】
制御部106は、L2SW104と接続される。制御部106は、CPU1062と、MEM(メモリ)1064とを有する。
【0043】
CPU1062は、MEM1064に格納されたプログラムに従って、各種制御を行う。MEM1064には、ドナー基地局として、当該ドナー基地局100を機能させるためのプログラムが格納される。
【0044】
制御部106は、呼処理を行う。また、制御部106は、IPアドレスの割り当てを行う。具体的には、リレーノード300にIPアドレスを割り当てる。さらに、制御部106は、リレーノード300に割り当てたIPアドレスをプールする。また、制御部106は、リソース管理を行う。また、制御部106は、当該ドナー基地局100と、ユーザ端末400との間の接続制御を行う。さらに、制御部106は、当該ドナー基地局100と、ユーザ端末400との間の接続管理を行う。また、制御部106は、当該ドナー基地局100と、リレーノード300との間の接続制御を行う。さらに、制御部106は、当該ドナー基地局100と、リレーノード300との間の接続管理を行う。また、制御部106は、リレーノード300に、下りリンクの受信品質の測定を指示する。さらに、制御部106は、該指示に応じて、リレーノード300から通知された下りリンクの受信品質を解析する。具体的には、制御部106は、該リレーノード300をハンドオーバさせるべきかどうかを判断する。また、制御部106は、当該ドナー基地局100の各部を監視し、制御する。
【0045】
<ドナー基地局100の機能>
図6は、ドナー基地局100の機能の一実施例を示す。
【0046】
ドナー基地局100は、メッセージ分析部1066と、プロトコル処理部1068と、ハンドオーバ制御部1070とを有する。メッセージ分析部1066の機能と、プロトコル処理部1068の機能と、ハンドオーバ制御部1070の機能は、CPU1062により実現される。CPU1062が、所定のプログラムに従って動作することにより、メッセージ分析部1066、プロトコル処理部1068、ハンドオーバ制御部1070として機能する。ハンドオーバ制御部1070は、ハンドオーバ処理部1072と、隣接セルリスト比較部1074と、隣接セルリスト更新部1076と、隣接セルリスト更新指示部1078とを有する。ハンドオーバ処理部1072の機能と、隣接セルリスト比較部1074の機能と、隣接セルリスト更新部1076の機能と、隣接セルリスト更新指示部1078の機能は、CPU1062により実現される。CPU1062が、所定のプログラムに従って動作することにより、ハンドオーバ処理部1072、隣接セルリスト比較部1074、隣接セルリスト更新部1076、隣接セルリスト更新指示部1078として機能する。
【0047】
メッセージ分析部1066は、L2SW104と接続される。メッセージ分析部1066は、L2SW104から入力されるべきメッセージを分析する。具体的には、メッセージ分析部1066は、該メッセージの宛先に応じて、ユーザ端末400又はリレーノード300宛である場合には、L2SW104に入力する。また、メッセージ分析部1066は、該メッセージがリレーノード300からの下りリンクの無線品質を表す情報、他のドナー基地局からの隣接セルリスト、他のドナー基地局からの隣接セルリスト変更情報である場合には、プロトコル処理部1068に入力する。隣接セルリスト変更情報については、後述する。
【0048】
プロトコル処理部1068は、L2SW104と、メッセージ分析部1066と接続される。プロトコル処理部1068は、ハンドオーバ制御部1070に、メッセージ分析部1066からの下りリンクの無線品質を表す情報を入力する。また、プロトコル処理部1068は、ハンドオーバ制御部1070に、メッセージ分析部1066からの隣接セルリスト、隣接セルリスト変更情報を入力する。また、プロトコル処理部1068は、当該ドナー基地局100の配下のリレーノード300に通知すべき隣接セルリストを送信するためのプロトコル変換を行う。該隣接セルリストは、X2メッセージに含まれる。また、プロトコル処理部1068は、リレーノード300のハンドオーバの際に、ハンドオーバ先のセルを配下に有するドナー基地局に通知すべき隣接セルリストのプロトコル変換を行う。該隣接セルリストは、X2メッセージに含まれる。
【0049】
図7は、隣接セルリストの一実施例を示す。
【0050】
隣接セルリストには、メッセージタイプ(Message Type)と、ハンドオーバリレーID(Handover Relay ID)と、方向(Direction)と、隣接セル数(Neighbour cell number)とが含まれる。
【0051】
メッセージタイプは、本メッセージを区別するためのメッセージタイプ、つまり識別子を表す。ハンドオーバリレーIDは、本メッセージのトリガーとなった先にハンドオーバを実施したリレーノードの識別IDを表す。方向は、送信方向が、ソース(Source)からターゲット(Target)であるのか、ターゲットからソースであるのかを表す。つまり、ハンドオーバ元のドナー基地局からハンドオーバ先のドナー基地局への送信であるか、ハンドオーバ先のドナー基地局からハンドオーバ元のドナー基地局への送信であるかを表す。隣接セル数は、隣接セルリストに含まれるセル(情報)の数を表す。
【0052】
さらに、隣接セルリストには、隣接セル数に応じた数の隣接セル情報が含まれる。隣接セル情報には、E−UTRANセルグローバルID(ECGI: E−UTRAN Cell Global ID)、物理セルID(PCI: Physical Cell Identities)、EARFCNが含まれる。ECGIは、隣接セルのE−UTRANセルのグローバルIDを表す。PCIは、隣接セルの物理セルIDを表す。EARFCNは、FDD(Frequency Division Duplex)に対する下りリンクのEARFCN(E−UTRAN Absolute Radio Frequency Channel Number)を表す。
【0053】
また、プロトコル処理部1068は、当該ドナー基地局100の配下のセルに在圏するリレーノード300が、他のドナー基地局の配下のセルにハンドオーバする際に、該他のドナー基地局から通知されるハンドオーバ先のセルの隣接セルリストと、当該ドナー基地局100の配下のセルのうち、ハンドオーバ元のセルに対応する隣接セルリストに基づいて生成されるべき隣接セルリスト変更情報を送信するためのプロトコル変換を行う。該隣接セルリスト変更情報は、X2メッセージに含まれる。
【0054】
図8は、隣接セルリスト変更情報の一実施例を示す。図8に示される隣接セルリストは、主に、ハンドオーバ元のドナー基地局により送信される。
【0055】
隣接セルリスト変更情報には、メッセージタイプと、ハンドオーバリレーIDと、削除隣接セル数(Delete Neighbour cell number)とが含まれる。メッセージタイプは、本メッセージを区別するためのメッセージタイプ、つまり識別子を表す。ハンドオーバリレーIDは、本メッセージのトリガーとなった先にハンドオーバを実施したリレーノードの識別IDを表す。削除セル数は、隣接セルリストから削除すべきセルの数を表す。さらに、隣接セルリスト変更情報には、削除すべきセル数に応じた数の隣接セル情報が含まれる。隣接セル情報には、ECGI、PCI、EARFCNが含まれる。ECGIは、隣接セルのE−UTRANセルのグローバルIDを表す。PCIは、隣接セルの物理セルIDを表す。EARFCNは、FDDに対する下りリンクのEARFCNを表す。
【0056】
また、プロトコル処理部1068は、当該ドナー基地局100の配下のセルに、他のドナー基地局の配下のセルに在圏するリレーノード300がハンドオーバする際に、該他のドナー基地局から通知されるハンドオーバ元のセルに対応する隣接セルリストと、当該ドナー基地局100の配下のセルのうち、ハンドオーバ先のセルに対応する隣接セルリストに基づいて生成されるべき隣接セルリスト変更情報を送信するためのプロトコル変換を行う。
【0057】
図9は、隣接セルリスト変更情報の一実施例を示す。図9に示される隣接セルリストは、主に、ハンドオーバ先のドナー基地局により送信される。
【0058】
隣接セルリスト変更情報には、メッセージタイプと、ハンドオーバリレーIDと、追加隣接セル数(Add Neighbour cell number)とが含まれる。メッセージタイプは、本メッセージを区別するためのメッセージタイプ、つまり識別子を表す。ハンドオーバリレーIDは、本メッセージのトリガーとなった先にハンドオーバを実施したリレーノードの識別IDを表す。追加セル数は、隣接セルリストに追加すべきセルの数を表す。さらに、隣接セルリスト変更情報には、追加すべきセル数に応じた数の隣接セル情報が含まれる。隣接セル情報には、ECGI、PCI、EARFCNが含まれる。ECGIは、隣接セルのE−UTRANセルのグローバルIDを表す。PCIは、隣接セルの物理セルIDを表す。EARFCNは、FDDに対する下りリンクのEARFCNを表す。
【0059】
ハンドオーバ制御部1070は、当該ドナー基地局100の配下のセルに在圏するリレーノード300が他のドナー基地局の配下のセルにハンドオーバする場合の制御を行う。また、ハンドオーバ制御部1070は、他のドナー基地局の配下のセルから、当該ドナー基地局100の配下のセルに、リレーノード300がハンドオーバする場合の制御を行う。
【0060】
ハンドオーバ処理部1072は、プロトコル処理部1068と接続される。ハンドオーバ処理部1072は、プロトコル処理部1068により入力されるべき下りリンクの無線品質に基づいて、該下りリンクの無線品質を表す情報を送信したリレーノード300を、他のドナー基地局にハンドオーバさせるかどうかを判定する。
【0061】
ハンドオーバ処理部1072は、他のドナー基地局との間で、リレーノード300をハンドオーバさせるための処理を行う。ハンドオーバ処理部1072は、リレーノード300を、他のドナー基地局との間でハンドオーバさせる処理を実行する際に、隣接セルリスト比較部1074に、ハンドオーバが実行されることを通知する。
【0062】
また、ハンドオーバ処理部1072は、隣接セルリスト更新部1076に、ハンドオーバが実行される際に他のドナー基地局から送信される隣接セルリスト更新情報を入力する。
【0063】
隣接セルリスト比較部1074は、ハンドオーバ処理部1072と接続される。隣接セルリスト比較部1074は、ハンドオーバ処理部1072と、MEM1064と接続される。隣接セルリスト比較部1074には、ハンドオーバ処理部1072から、当該ドナー基地局100と、他のドナー基地局との間で、リレーノード300のハンドオーバが実行される際に、他のドナー基地局からのハンドオーバ先のセルに対応する隣接セルリスト又はハンドオーバ元のセルに対応する隣接セルリストが入力される。隣接セルリスト比較部1074は、MEM1064に格納された当該ドナー基地局100の隣接セルリストに含まれるセルを表す情報と、他のドナー基地局からの隣接セルリストに含まれるセルを表す情報とを比較する。
【0064】
<当該ドナー基地局がハンドオーバ元のセルを配下に有する場合>
隣接セルリスト比較部1074には、当該ドナー基地局100とハンドオーバを行う他のドナー基地局から、ハンドオーバ先となるセルに対応する隣接セルリストが入力される。隣接セルリスト比較部1074は、該ハンドオーバ先となるセルに対応する隣接セルリストと、MEM1064に格納されるべきリレーノード300のハンドオーバ元となるセルに対応する隣接セルリストとを比較することにより重複していないセルを表す情報を抽出する。具体的には、MEM1064に格納されるべきリレーノード300のハンドオーバ元となるセルに対応する隣接セルリストに含まれるセルから、ハンドオーバ先となるセルに対応する隣接セルリストに含まれるセルに重複していないセルを表す情報が抽出される。ここで、重複していないセルを表す情報にハンドオーバ先のセルを表す情報が含まれる場合には、該重複していないセルを表す情報から、ハンドオーバ先のセルを表す情報を削除する。隣接セルリスト比較部1074は、隣接セルリスト更新部1076、隣接セルリスト更新指示部1078に、重複していないセルを表す情報(以下、「非重複セル情報」という)を入力する。
【0065】
<当該ドナー基地局がハンドオーバ先のセルを配下に有する場合>
隣接セルリスト比較部1074には、当該ドナー基地局100とハンドオーバを行う他のドナー基地局から、ハンドオーバ元となるセルに対応する隣接セルリストが入力される。隣接セルリスト比較部1074は、ハンドオーバ元となるセルに対応する隣接セルリストと、MEM1064に格納されるべきリレーノード300のハンドオーバ先となるセルに対応する隣接セルリストとを比較することにより重複していないセルを表す情報を抽出する。具体的には、MEM1064に格納されるべきリレーノード300のハンドオーバ先となるセルに対応する隣接セルリストに含まれるセルから、ハンドオーバ元となるセルに対応する隣接セルリストに含まれるセルに重複していないセルを表す情報が抽出される。ここで、重複していないセルを表す情報にハンドオーバ元のセルを表す情報が含まれる場合には、該重複していないセルを表す情報から、ハンドオーバ元のセルを表す情報を削除する。隣接セルリスト比較部1074は、隣接セルリスト更新部1076、隣接セルリスト更新指示部1078に、非重複セル情報を入力する。
【0066】
隣接セルリスト更新部1076は、MEM1064、ハンドオーバ処理部1072、隣接セルリスト比較部1074と接続される。隣接セルリスト更新部1076は、MEM1064に格納されるべき隣接セルリストを更新する。隣接セルリスト更新部1076は、MEM1064に、更新した隣接セルリストを格納する。
【0067】
<当該ドナー基地局がハンドオーバ元のセルを有する場合>
隣接セルリスト更新部1076は、隣接セルリスト比較部1074により入力される非重複セル情報に、当該ドナー基地局の配下のセルが含まれるかどうかを判定する。非重複セル情報に当該ドナー基地局の配下のセルが含まれる場合には、MEM1064に格納されるべき各セルに対応する隣接セルリストのうち、非重複セル情報に含まれる当該ドナー基地局の配下のセルに対応する隣接セル情報から、リレーノード300の配下のセルを表す情報を削除する。
【0068】
また、隣接セルリスト更新部1076は、ハンドオーバ処理部1072により入力される隣接セルリスト更新情報に、当該ドナー基地局の配下のセルが含まれるかどうかを判定する。隣接セルリスト更新情報に当該ドナー基地局の配下のセルが含まれる場合には、MEM1064に格納されるべき各セルに対応する隣接セルリストのうち、隣接セルリスト更新情報に含まれる当該ドナー基地局の配下のセルに対応する隣接セル情報に、リレーノードの配下のセルを表す情報を追加する。
【0069】
<当該ドナー基地局がハンドオーバ先のセルを有する場合>
隣接セルリスト更新部1076は、ハンドオーバ処理部1072により入力される隣接セルリスト更新情報に、当該ドナー基地局の配下のセルが含まれるかどうかを判定する。隣接セルリスト更新情報に当該ドナー基地局の配下のセルが含まれる場合には、MEM1064に格納されるべき各セルに対応する隣接セルリストのうち、隣接セルリスト更新情報に含まれるセルに対応する隣接セルリストに、リレーノードの配下のセルを表す情報を追加する。
【0070】
また、隣接セルリスト更新部1076は、ハンドオーバ処理部1072により入力される隣接セルリスト更新情報に、当該ドナー基地局の配下のセルが含まれるかどうかを判定する。隣接セルリスト更新情報に当該ドナー基地局の配下のセルが含まれる場合には、MEM1064に格納されるべき各セルに対応する隣接セルリストのうち、隣接セルリスト更新情報に含まれる当該ドナー基地局の配下のセルに対応する隣接セル情報から、リレーノードの配下のセルを表す情報を削除する。
【0071】
隣接セルリスト更新指示部1078は、プロトコル処理部1068、隣接セルリスト比較部1074と接続される。隣接セルリスト更新指示部1078は、隣接セルリスト比較部1074により入力されるべき非重複セル情報に基づいて、当該ドナー基地局以外のドナー基地局及び基地局200の少なくとも一方に、隣接セルリストの更新を依頼するための隣接セルリスト更新情報を生成する。隣接セルリスト更新指示部1078は、プロトコル処理部1068に、隣接セルリスト更新情報を入力する。プロトコル処理部1068は、X2メッセージとして、隣接セルリスト更新情報を送信するためのプロトコル変換を行う。
【0072】
<当該ドナー基地局がハンドオーバ元のセルを有する場合>
隣接セルリスト更新指示部1078は、隣接セルリスト比較部1074により入力される非重複セル情報に含まれるセルを有するドナー基地局及び基地局の少なくとも一方に、該非重複セルに含まれるセルの隣接セルリストから、リレーノード300の配下のセルを表す情報を削除することを依頼するため情報を含む隣接セルリスト更新情報を生成する。
【0073】
<当該ドナー基地局がハンドオーバ先のセルを有する場合>
隣接セルリスト更新指示部1078は、隣接セルリスト比較部1074により入力される非重複セル情報に含まれるセルを有するドナー基地局及び基地局の少なくとも一方に、該非重複セルに含まれるセルの隣接セルリストに、リレーノード300の配下のセルを表す情報を追加することを依頼するため情報を含む隣接セルリスト更新情報を生成する。
【0074】
ベースバンド処理部108は、L2SW104と接続される。ベースバンド処理部108は、DSP1082と、MEM(メモリ)1084とを有する。
【0075】
DSP1082は、MEM1084に格納されたプログラムに従って、各種制御を行う。MEM1084には、ドナー基地局として、当該ドナー基地局100を機能させるためのプログラムが格納される。
【0076】
ベースバンド処理部108は、制御部106との間で情報の入出力を行う。ベースバンド処理部108は、トラヒックの管理を行う。具体的には、GTP(General Packet Radio Service(GPRS) Tunnelling Protocol)の管理を行う。ベースバンド処理部108は、トラヒックの転送を行う。具体的には、GTPの転送処理を行う。ベースバンド処理部108は、トラヒックを監視する。具体的には、セル状態を監視する。ベースバンド処理部108は、秘匿設定及び解除を行う。ベースバンド処理部108は、MAC多重及び分離を行う。ベースバンド処理部108は、同期処理を行う。ベースバンド処理部108は、ページング処理を行う。
【0077】
無線インタフェース118は、L2SW104と接続される。
【0078】
I/Oport110−110は、L2SW104と接続される。I/Oport110−110は、入出力ポートである。
【0079】
A/D変換回路112−112は、I/Oport110−110とそれぞれ接続される。A/D変換回路112−112は、デジタル信号に、I/Oport110−110からのアナログ信号を変換する。
【0080】
広帯域AMP114−114は、A/D変換回路112−112とそれぞれ接続される。広帯域AMP114−114は、A/D変換回路112−112からのデジタル信号を増幅する。
【0081】
アンテナ116−116は、広帯域AMP114−114とそれぞれ接続される。アンテナ116−116は、広帯域AMP114−114からの信号を無線送信する。アンテナ116−116からの無線信号は、対応するセルに在圏するユーザ端末400及びリレーノード300の少なくとも一方に送信される。
【0082】
<基地局>
図10は、基地局200の一実施例を示す。
【0083】
図10には、主に、ハードウェア構成が示される。
【0084】
基地局200は、伝送路インタフェース202と、L2SW204と、制御部206と、ベースバンド処理部208と、無線インタフェース218とを有する。
【0085】
無線インタフェース218は、当該基地局200によりカバーされるセルの数に応じた数の無線インタフェースを有する。図10には、当該基地局200により3セルがカバーされる例が示される。3セルがカバーされる場合、無線インタフェース218には、I/Oport210−210と、A/D変換回路212−212と、広帯域AMP214−214と、アンテナ216−216とが含まれる。添え字「1」、「2」、「3」は、それぞれセルに対応する。
【0086】
伝送路インタフェース202は、当該基地局以外のドナー基地局、基地局との間のインタフェースである。また、伝送路インタフェース202は、交換機600との間のインタフェースである。図10では、交換機600は、MMEと表されている。該MMEは、HSS700と接続される。HSS700は、加入者情報データベースである。HSSは、認証情報及び在圏情報を管理する。伝送路インタフェース202は、X2インタフェースと呼ばれてもよい。
【0087】
L2SW204は、伝送路インタフェース202と接続される。L2SW204は、レイヤー2で、伝送路インタフェース202からのパケットの転送先を判断する。L2SW204は、無線インタフェース218に含まれるI/Oport110−110のうち、転送先に対応するI/Oportに、伝送路インタフェース202からのパケットを転送する。
【0088】
制御部206は、L2SW204と接続される。制御部206は、CPU2062と、MEM2064とを有する。
【0089】
CPU2062は、MEM2064に格納されたプログラムに従って、各種制御を行う。MEM2064には、LTE基地局として、当該LTE基地局200を機能させるためのプログラムが格納される。
【0090】
制御部206は、呼処理を行う。また、制御部206は、リソース管理を行う。また、制御部206は、当該基地局200と、ユーザ端末400との間の接続制御を行う。さらに、制御部106は、当該基地局200と、ユーザ端末400との間の接続管理を行う。また、制御部106は、ユーザ端末400に、下りリンクの受信品質の測定を指示する。さらに、制御部106は、該指示に応じて、ユーザ端末400から通知された下りリンクの受信品質を解析する。具体的には、制御部106は、該ユーザ端末400をハンドオーバさせるべきかどうかを判断する。また、制御部106は、当該基地局200の各部を監視し、制御する。
【0091】
<基地局200の機能>
図11は、基地局200の機能の一実施例を示す。
【0092】
基地局200は、メッセージ分析部2066と、プロトコル処理部2068と、ハンドオーバ制御部2070とを有する。メッセージ分析部2066の機能と、プロトコル処理部2068の機能と、ハンドオーバ制御部2070の機能は、CPU2062により実現される。CPU2062が、所定のプログラムに従って動作することにより、メッセージ分析部2066、プロトコル処理部2068、ハンドオーバ制御部2070として機能する。ハンドオーバ制御部2070は、ハンドオーバ処理部2072と、隣接セルリスト更新部2074とを有する。ハンドオーバ処理部2072の機能と、隣接セルリスト更新部2074の機能は、CPU2062により実現される。CPU2062が、所定のプログラムに従って動作することにより、ハンドオーバ処理部2072、隣接セルリスト更新部2074として機能する。
【0093】
メッセージ分析部2066は、L2SW204と接続される。メッセージ分析部2066は、L2SW204から入力されるべきメッセージを分析する。具体的には、メッセージ分析部2066は、該メッセージの宛先に応じて、ユーザ端末400宛である場合には、L2SW204に入力する。また、メッセージ分析部2066は、該メッセージが、ユーザ端末400からの下りリンクの無線品質を表す情報、ドナー基地局からの隣接セルリスト変更情報である場合には、プロトコル処理部2068に入力する。
【0094】
プロトコル処理部2068は、L2SW204と、メッセージ分析部2066と接続される。プロトコル処理部2068は、ハンドオーバ制御部2070に、メッセージ分析部2066からの下りリンクの無線品質を表す情報を入力する。また、プロトコル処理部2068は、ハンドオーバ制御部2070に、メッセージ分析部2066からの隣接セルリスト変更情報を入力する。
【0095】
ハンドオーバ制御部2070は、当該基地局200の配下のユーザ端末400がドナー基地局又は他の基地局にハンドオーバする場合の制御を行う。また、ハンドオーバ制御部2070は、ドナー基地局又は他の基地局から、当該基地局200に、ユーザ端末400がハンドオーバする場合の制御を行う。
【0096】
ハンドオーバ処理部2072は、プロトコル処理部2068と接続される。ハンドオーバ処理部2072は、プロトコル処理部2068により入力されるべき下りリンクの無線品質に基づいて、該下りリンクの無線品質を表す情報を送信したユーザ端末400を、ドナー基地局又は他の基地局200にハンドオーバさせるかどうかを判定する。
【0097】
ハンドオーバ処理部2072は、ドナー基地局又は他の基地局との間で、ユーザ端末400をハンドオーバさせるための処理を行う。
【0098】
隣接セルリスト更新部2074は、プロトコル処理部2068と接続される。隣接セルリスト更新部2074は、プロトコル処理部2068により入力される隣接セルリスト更新情報に、当該基地局の配下のセルが含まれるかどうかを判定する。隣接セルリスト更新情報に当該基地局の配下のセルが含まれる場合には、MEM2064に格納されるべき各セルに対応する隣接セルリストのうち、隣接セルリスト更新情報に含まれる当該基地局の配下のセルに対応する隣接セルリストから、リレーノードの配下のセルを表す情報を追加したり削除したりする。具体的には、該隣接セルリスト更新情報がハンドオーバ元のドナー基地局から送信されたものである場合にはリレーノードの配下のセルを表す情報を削除し、該隣接セルリスト更新情報がハンドオーバ先のドナー基地局から送信されたものである場合にはリレーノードの配下のセルを表す情報を追加する。削除するか追加するかは、隣接セルリスト更新情報の「削除隣接セル数」又は「追加隣接セル数」により指定される。
【0099】
ベースバンド処理部208は、L2SW204と接続される。ベースバンド処理部208は、DSP2082と、MEM(メモリ)2084とを有する。
【0100】
DSP2082は、MEM2084に格納されたプログラムに従って、各種制御を行う。MEM2084には、基地局として、当該基地局200を機能させるためのプログラムが格納される。
【0101】
ベースバンド処理部208は、制御部206との間で情報の入出力を行う。ベースバンド処理部208は、トラヒックを監視する。具体的には、セル状態を監視する。ベースバンド処理部208は、秘匿設定及び解除を行う。ベースバンド処理部208は、MAC多重及び分離を行う。ベースバンド処理部208は、同期処理を行う。ベースバンド処理部208は、ページング処理を行う。
【0102】
無線インタフェース218は、L2SW204と接続される。
【0103】
I/Oport210−210は、L2SW204と接続される。I/Oport210−210は、入出力ポートである。
【0104】
A/D変換回路212−212は、I/Oport210−210とそれぞれ接続される。A/D変換回路212−212は、デジタル信号に、I/Oport210−210からのアナログ信号を変換する。
【0105】
広帯域AMP214−214は、A/D変換回路212−212とそれぞれ接続される。広帯域AMP214−214は、A/D変換回路212−212からのデジタル信号を増幅する。
【0106】
アンテナ216−216は、広帯域AMP214−214とそれぞれ接続される。アンテナ216−216は、広帯域AMP214−214からの信号を無線送信する。アンテナ216−216からの無線信号は、対応するセルに在圏するユーザ端末400に送信される。
【0107】
<無線通信システムの動作(その1)>
図12は、無線通信システムの動作を説明するための図である。
【0108】
図12に示される図において、リレーノード300は、ドナー基地局100の配下のセルCell_0−2から、ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5にハンドオーバする。
【0109】
ハンドオーバ元、つまりソース側であるドナー基地局100の配下のセルCell_0−2に対応する隣接セルリストには、以下の情報が含まれる。
【0110】
「Self DeNB」はドナー基地局100を表し、「DeNB#1」はドナー基地局100を表し、「eNB#0」は基地局200を表し、「eNB#1」は基地局200を表し、「Relay」リレーノード300を表す。
【0111】
List Name: DeNB#0_Ncell_list#0−2
Cell Indicate: Cell_0−2
Self DeNB Ncell: Cell_0−0, Cell_0−1, Cell_0−3, Cell_0−4, Cell_0−5
DeNB#1 Ncell: Cell_1−0, Cell_1−4,Cell_1−5
eNB#0 Ncell: Cell_e0−0, Cell_e0−1
eNB#1 Ncell: Cell_e1−3, Cell_e1−4
Relay Ncell: Cell_r0
【0112】
ハンドオーバ先、つまりターゲット側であるドナー基地局100の配下のセルCell_0−5に対応する隣接セルリストには、以下の情報が含まれる。
【0113】
「Self DeNB」はドナー基地局100を表し、「DeNB#0」はドナー基地局100を表し、「eNB#0」は基地局200を表し、「eNB#1」は基地局200を表し、「Relay」リレーノード300を表す。
【0114】
List Name: DeNB#1_Ncell_list#1−5
Cell Indicate: Cell_1−5
Self DeNB Ncell: Cell_1−0, Cell_1−1 Cell_1−2, Cell_1−3, Cell_1−4
DeNB#0 Ncell: Cell_0−1, Cell_0−2, Cell_0−3
eNB#0 Ncell: Cell_e0−0, Cell_e0−1
eNB#1 Ncell: Cell_e1−3, Cell_e1−4
Relay Ncell: Cell_r0
【0115】
図13は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。図13に示される例では、リレーノード300は、ドナー基地局100の配下のセルCell_0−2から、ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5にハンドオーバする際の動作が示される。
【0116】
ドナー基地局100と、ドナー基地局100との間で、リレーノード300をハンドオーバする処理が開始される(ステップS1302)。ドナー基地局100のCPU1062と、ドナー基地局100のCPU1062との間で、リレーノード300をハンドオーバする処理が開始される。つまり、ドナー基地局100のハンドオーバ制御部1070と、ドナー基地局100のハンドオーバ制御部1070との間で、リレーノード300をハンドオーバする処理が開始される。
【0117】
ドナー基地局100は、リレーノード300のハンドオーバ先のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する(ステップS1304)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、リレーノード300のハンドオーバ先のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する。
【0118】
ドナー基地局100は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−2に対応する隣接セルリストを通知する(ステップS1306)。ドナー基地局100のCPU1062は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−2に対応する隣接セルリストを通知する制御を行う。該セルCell_0−2に対応する隣接セルリストは、L2SW104を介して、伝送路インタフェース102に入力される。伝送路インタフェース102は、ドナー基地局100に、該セルCell_0−2に対応する隣接セルリストを通知する。
【0119】
ドナー基地局100は、リレーノード300のハンドオーバ元のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する(ステップS1308)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、リレーノード300のハンドオーバ元のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する。
【0120】
ドナー基地局100は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストを通知する(ステップS1310)。ドナー基地局100のCPU1062は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストを通知する制御を行う。該セルCell_1−5に対応する隣接セルリストは、L2SW104を介して、伝送路インタフェース102に入力される。伝送路インタフェース102は、ドナー基地局100に、該セルCell_1−5に対応する隣接セルリストを通知する。
【0121】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−2に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1310によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する(ステップS1312)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−2に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1310によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する。ここで、重複しないセルを表す情報からハンドオーバ先のセルCell_1−5は除かれてもよい。
【0122】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1306によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する(ステップS1314)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1306によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する。ここで、重複しないセルを表す情報からハンドオーバ元のセルCell_0−2は除かれてもよい。
【0123】
ドナー基地局100は、ステップS1312により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、及び100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストから削除するように指示する(ステップS1316)。つまり、ドナー基地局100CPU1062は、ステップS1312により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、及び100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストから削除するように指示する。この場合、ハンドオーバ先のセルは、除外されているので、削除されない。図12に示される例では、ドナー基地局100、基地局200、及び200については重複しないセルはないので、ドナー基地局100、基地局200、及び200に、「削除隣接セル数」として「0」が指定された隣接セルリスト更新情報が送信される。
【0124】
ステップS1316による指示に従って、基地局200、ドナー基地局100、基地局200は、隣接セルリストを更新する(ステップS1318、S1320、S1322)。つまり、ステップS1316による指示に従って、基地局200のCPU2062、ドナー基地局100のCPU1062、基地局200のCPU2062は、隣接セルリストを更新する。
【0125】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−0、Cell_0−4、Cell_0−5に対応する隣接セルリストから、リレーノード300の配下のセルを削除する(ステップS1324)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−0、Cell_0−4、Cell_0−5に対応する隣接セルリストから、リレーノード300の配下のセルを削除する。ドナー基地局100については、セルCell_0−0、Cell_0−4、Cell_0−5が重複しないためである。
【0126】
ドナー基地局100は、ステップS1314により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、及び100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストに追加するように指示する(ステップS1326)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、ステップS1314により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、及び100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストに追加するように指示する。この場合、ハンドオーバ元のセルは、除外されているので追加されない。図12に示される例では、ドナー基地局100、基地局200、及び200については重複しないセルはないので、ドナー基地局100、基地局200、及び200に、「追加隣接セル数」として「0」が指定された隣接セルリスト更新情報が送信される。
【0127】
ステップS1326による指示に従って、基地局200、ドナー基地局100、基地局200は、隣接セルリストを更新する(ステップS1328、S1330、S1332)。つまり、ステップS1326による指示に従って、基地局200のCPU2062、ドナー基地局100のCPU1062、基地局200のCPU2062は、隣接セルリストを更新する。
【0128】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−1、Cell_1−2、Cell_1−3に対応する隣接セルリストに、リレーノード300の配下のセルを追加する(ステップS1334)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−1、Cell_1−2、Cell_1−3に対応する隣接セルリストに、リレーノード300の配下のセルを追加する。ドナー基地局100については、セルCell_1−1、Cell_1−2、Cell_1−3が重複しないためである。
【0129】
<無線通信システムの動作(その2)>
図12に示される図において、リレーノード300が、ドナー基地局100の配下のセルCell_0−1から、ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5にハンドオーバする場合について説明する。
【0130】
ハンドオーバ元、つまりソース側であるドナー基地局100の配下のセルCell_0−1に対応する隣接セルリストには、以下の情報が含まれる。
【0131】
「Self DeNB」はドナー基地局100を表し、「DeNB#1」はドナー基地局100を表し、「eNB#1」は基地局200を表し、「Relay」リレーノード300を表す。
【0132】
List Name: DeNB#0_Ncell_list#0−1
Cell Indicate: Cell_0−1
Self DeNB Ncell: Cell_0−0, Cell_0−2, Cell_0−3, Cell_0−4, Cell_0−5
DeNB#1 Ncell: Cell_1−0, Cell_1−5
eNB#1 Ncell: Cell_e1−3, Cell_e1−4, Cell_e1−5
Relay Ncell: Cell_r0
【0133】
ハンドオーバ先、つまりターゲット側であるドナー基地局100の配下のセルCell_0−5に対応する隣接セルリストには、以下の情報が含まれる。
【0134】
「Self DeNB」はドナー基地局100を表し、「DeNB#0」はドナー基地局100を表し、「eNB#0」は基地局200を表し、「eNB#1」は基地局200を表し、「Relay」リレーノード300を表す。
【0135】
List Name: DeNB#1_Ncell_list#1−5
Cell Indicate: Cell_1−5
Self DeNB Ncell: Cell_1−0, Cell_1−1 Cell_1−2, Cell_1−3, Cell_1−4
DeNB#0 Ncell: Cell_0−1, Cell_0−2, Cell_0−3
eNB#0 Ncell: Cell_e0−0, Cell_e0−1
eNB#1 Ncell: Cell_e1−3, Cell_e1−4
Relay Ncell: Cell_r0
【0136】
図14は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。図14に示される例では、リレーノード300は、ドナー基地局100の配下のセルCell_0−1から、ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5にハンドオーバする際の動作が示される。
【0137】
ドナー基地局100と、ドナー基地局100との間で、リレーノード300をハンドオーバする処理が開始される(ステップS1402)。ドナー基地局100のCPU1062と、ドナー基地局100のCPU1062との間で、リレーノード300をハンドオーバする処理が開始される。つまり、ドナー基地局100のハンドオーバ制御部1070と、ドナー基地局100のハンドオーバ制御部1070との間で、リレーノード300をハンドオーバする処理が開始される。
【0138】
ドナー基地局100は、リレーノード300のハンドオーバ先のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する(ステップS1404)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、リレーノード300のハンドオーバ先のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する。
【0139】
ドナー基地局100は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−1に対応する隣接セルリストを通知する(ステップS1406)。ドナー基地局100のCPU1062は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−1に対応する隣接セルリストを通知する制御を行う。該セルCell_0−1に対応する隣接セルリストは、L2SW104を介して、伝送路インタフェース102に入力される。伝送路インタフェース102は、ドナー基地局100に、該セルCell_0−1に対応する隣接セルリストを通知する。
【0140】
ドナー基地局100は、リレーノード300のハンドオーバ元のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する(ステップS1408)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、リレーノード300のハンドオーバ元のドナー基地局が、ドナー基地局100であることを認識する。
【0141】
ドナー基地局100は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストを通知する(ステップS1410)。ドナー基地局100のCPU1062は、ドナー基地局100に、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストを通知する制御を行う。該セルCell_1−5に対応する隣接セルリストは、L2SW104を介して、伝送路インタフェース102に入力される。伝送路インタフェース102は、ドナー基地局100に、該セルCell_1−5に対応する隣接セルリストを通知する。
【0142】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−1に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1410によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する(ステップS1412)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−1に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1410によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する。ここで、重複しないセルを表す情報からハンドオーバ先のセルCell_0−5は除かれてもよい。
【0143】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1406によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する(ステップS1414)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−5に対応する隣接セルリストに含まれるセルの情報と、ステップS1406によりドナー基地局100から通知された隣接セルリストに含まれるセルの情報とを比較することにより、重複しないセルを表す情報を抽出する。ここで、重複しないセルを表す情報からハンドオーバ元のセルCell_0−1は除かれてもよい。
【0144】
ドナー基地局100は、ステップS1412により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストから削除するように指示する(ステップS1416)。つまり、ドナー基地局100CPU1062は、ステップS1412により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストから削除するように指示する。この場合、ハンドオーバ先のセルは、除外されているので削除されない。図12に示される例では、ドナー基地局100については重複しないセルはないので、ドナー基地局100に、「削除隣接セル数」として「0」が指定された隣接セルリスト更新情報が送信される。基地局100についてはセルCell_e1−5が重複しないセルとなるので、基地局100に、「削除隣接セル数」として「1」が指定され、且つ「隣接セル情報」として「セルCell_e1−5」が指定された隣接セルリスト更新情報が送信される。
【0145】
ステップS1416による指示に従って、ドナー基地局100、基地局200は、隣接セルリストを更新する(ステップS1418、S1420)。つまり、ステップS1416による指示に従って、ドナー基地局100のCPU1062、基地局200のCPU2062は、隣接セルリストを更新する。
【0146】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−0、Cell_0−4、Cell_0−5に対応する隣接セルリストから、リレーノード300の配下のセルを削除する(ステップS1422)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_0−0、Cell_0−4、Cell_0−5に対応する隣接セルリストから、リレーノード300の配下のセルを削除する。ドナー基地局100については、セルCell_0−0、Cell_0−4、Cell_0−5が重複しないためである。
【0147】
ドナー基地局100は、ステップS1414により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、及び100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストに追加するように指示する(ステップS1424)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、ステップS1414により重複しないセルとして抽出したセルを収容しているドナー基地局100、及び100、基地局200、及び200に、リレーノード300の配下のセルを隣接セルリストに追加するように指示する。この場合、ハンドオーバ元のセルは、除外されているので追加されない。図12に示される例では、ドナー基地局100、基地局200については重複しないセルはないので、ドナー基地局100、基地局200に、「追加隣接セル数」として「0」が指定された隣接セルリスト更新情報が送信される。基地局100についてはセルCell_e0−0、及びCell_e0−1が重複しないセルとなるので、基地局100に、「追加隣接セル数」として「2」が指定され、且つ「追加セル情報」として「セルCell_e0−0」、及び「セルCell_e0−1」が指定された隣接セルリスト更新情報が送信される。
【0148】
ステップS1424による指示に従って、基地局200、ドナー基地局100、基地局200は、隣接セルリストを更新する(ステップS1426、S1428、S1430)。つまり、ステップS1424による指示に従って、基地局200のCPU2062、ドナー基地局100のCPU1062、基地局200のCPU2062は、隣接セルリストを更新する。
【0149】
ドナー基地局100は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−1、Cell_1−2、Cell_1−3、Cell_1−4に対応する隣接セルリストに、リレーノード300の配下のセルを追加する(ステップS1432)。つまり、ドナー基地局100のCPU1062は、当該ドナー基地局100の配下のセルCell_1−1、Cell_1−2、Cell_1−3、Cell_1−4に対応する隣接セルリストに、リレーノード300の配下のセルを追加する。ドナー基地局100については、セルCell_1−1、Cell_1−2、Cell_1−3、及びCell_1−4が重複しないためである。
【0150】
本実施例によれば、リレーノードの配下のセルの隣接セルとなる可能性があるセルを配下に有するドナー基地局及び基地局の少なくとも一方は、リレーノードのハンドオーバ元となるセルとハンドオーバ先となるセルの双方に隣接するセルをリレーノードのハンドオーバの際に把握させることができる。
【0151】
また、リレーノードの配下のセルと隣接セルになる可能性があるセルを配下に有するドナー基地局及び基地局の少なくとも一方は、リレーノードのハンドオーバの際の隣接セルリストの最適化を行うことができる。具体的には、ハンドオーバ元のセルに対応する隣接セルリストに含まれるセルを表す情報と、ハンドオーバ先のセルに対応する隣接セルリストに含まれるセルを表す情報とを比較することができるため、重複するセルを検出できる。このため、リレーノードをハンドオーバさせる際の隣接セルリストの更新を効率的に行うことができる。
【0152】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
リレーノードと通信を行う基地局であって、
他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新する制御部
を備える、基地局。
(付記2)
付記1に記載の基地局において、
前記制御部は、前記重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより更新することを依頼する、基地局。
(付記3)
付記1又は2に記載の基地局において、
前記制御部は、他の基地局の配下のセルから、当該基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより隣接セルリストを更新し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより更新することを依頼する、基地局。
(付記4)
付記1ないし3のいずれか1項に記載の基地局において、
X2インタフェースにより、前記重複しないセルを配下に有する基地局に対して、隣接セルリストを更新することを依頼する伝送路インタフェース
を有する、基地局。
(付記5)
リレーノードと通信を行う基地局における通信方法であって、
他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出する隣接セルリスト比較ステップと、
該隣接セルリスト比較ステップにより抽出された重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新する隣接セルリスト更新ステップと
を有する、通信方法。
(付記6)
リレーノードと、該リレーノードと通信を行う基地局とを有する無線通信システムであって、
前記基地局は、
他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより更新することを依頼する第1の制御部
を有し、
前記他の基地局は、
前記基地局の配下のセルから、前記リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該基地局からのハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより隣接セルリストを更新し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより更新することを依頼する第2の制御部
を有する、無線通信システム。
(付記7)
付記1に記載の基地局において、
前記制御部は、前記他の基地局からの前記リレーノードの配下のセルを追加することを依頼する信号に従って、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより更新する、基地局。
(付記8)
付記1に記載の基地局において、
前記制御部は、他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出する際に、ハンドオーバ先となるセルを除外する、基地局。
(付記9)
付記1に記載の基地局において、
前記制御部は、他の基地局の配下のセルから、当該基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出する際に、ハンドオーバ元となるセルを除外する、基地局。
(付記10)
付記1に記載の基地局において、
前記制御部は、他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局に、当該基地局の配下のセルのうち、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストを通知する、基地局。
(付記11)
付記1に記載の基地局において、
前記制御部は、他の基地局の配下のセルから、当該基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局に、当該基地局の配下のセルのうち、ハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストを通知する、基地局。
(付記12)
付記5に記載の通信方法において、
該隣接セルリスト比較ステップにより抽出された重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより更新することを依頼する隣接セルリスト更新指示ステップ
を有する通信方法。
【符号の説明】
【0153】
100(nは、n>0の整数) ドナー基地局
102 伝送路インタフェース
104 L2SW
106 制御部
1062 CPU
1064 MEM
1066 メッセージ分析部
1068 プロトコル処理部
1070 ハンドオーバ制御部
1072 ハンドオーバ処理部
1074 隣接セルリスト比較部
1076 隣接セルリスト更新部
1078 隣接セルリスト更新指示部
108 ベースバンド処理部
1082 DSP
1084 MEM
110、110、110 I/Oport
112、112、112 A/D変換回路
114、114、114 広帯域AMP
116、116、116 アンテナ
118 無線インタフェース
15011、15012、15013 セル
15021、15022、15023 セル
200 基地局
202 伝送路インタフェース
204 L2SW
206 制御部
2062 CPU
2064 MEM
2066 メッセージ分析部
2068 プロトコル処理部
2070 ハンドオーバ制御部
2072 ハンドオーバ処理部
2074 隣接セルリスト更新部
208 ベースバンド処理部
2082 DSP
2084 MEM
210、210、210 I/Oport
212、212、212 A/D変換回路
214、214、214 広帯域AMP
216、216、216 アンテナ
218 無線インタフェース
300 リレーノード
350 セル
400(mは、m>0の整数 ユーザ端末
500 IPネットワーク
550 インタフェース
600 交換機
700 HSS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレーノードと通信を行う基地局であって、
他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新する制御部
を備える、基地局。
【請求項2】
請求項1に記載の基地局において、
前記制御部は、前記重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより更新することを依頼する、基地局。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基地局において、
前記制御部は、他の基地局の配下のセルから、当該基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより隣接セルリストを更新し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより更新することを依頼する、基地局。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の基地局において、
X2インタフェースにより、前記重複しないセルを配下に有する基地局に対して、隣接セルリストを更新することを依頼する伝送路インタフェース
を有する、基地局。
【請求項5】
リレーノードと通信を行う基地局における通信方法であって、
他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出する隣接セルリスト比較ステップと、
該隣接セルリスト比較ステップにより抽出された重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新する隣接セルリスト更新ステップと
を有する、通信方法。
【請求項6】
リレーノードと、該リレーノードと通信を行う基地局とを有する無線通信システムであって、
前記基地局は、
他の基地局の配下のセルに、リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該他の基地局からのハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより隣接セルリストを更新し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストから、前記リレーノードの配下のセルを削除することにより更新することを依頼する第1の制御部
を有し、
前記他の基地局は、
前記基地局の配下のセルから、前記リレーノードをハンドオーバさせる制御を行う際に、該基地局からのハンドオーバ元となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストと、ハンドオーバ先となるセルに隣接するセルの情報を含む隣接セルリストとの間で、重複しないセルを表す情報を抽出し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより隣接セルリストを更新し、
該重複しないセルを表す情報に基づいて、該重複しないセルを配下に有する基地局に対して、該重複しないセルに対応する隣接セルリストに、前記リレーノードの配下のセルを追加することにより更新することを依頼する第2の制御部
を有する、無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−26741(P2013−26741A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158273(P2011−158273)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】