説明

基地局装置、通信端末装置、報知方法及び受信方法

【課題】配信されている全ての種類の警報メッセージの受信が完了したか否かを受信側において判断し、受信側の電池の消費量を抑制すること。
【解決手段】基地局装置100は、複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を送信する。送信部107は、所定の送信周期で複数種類の報知メッセージを繰り返し送信する。制御部103は、送信部107により送信する複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの送信順序が送信周期の各々において同一になるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば3GPP(Third Generation Partnership Project)で標準化されているCMAS(Commercial Mobile Alert System)に適用される基地局装置、通信端末装置、報知方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国向けの携帯網緊急警報システムであるCMASが、3GPPリリース9の機能として規格標準化されている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2)。CMASは、政府機関が発行するCMASメッセージ(以下、「警報メッセージ」と記載する)をLTE(Long Term Evolution)、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)またはGSM(Global System for Mobile Communications)網を通じて配信するシステムである。CMASは、大統領からのメッセージ、生命の安全に対する脅威に関する警報または行方不明の子供に関する情報等の即時性を求められない情報を、商用携帯端末に配信することを可能とするシステムである。
【0003】
LTE網において、警報メッセージ(Warning message)の配信を開始する場合、基地局装置は、システム情報ブロックタイプ12(以下「SIB12」と記載する)を用いて警報メッセージの報知を開始する。基地局装置は、CMASによる報知を開始したことを示す情報(cmas-Indication)を含むページング(Paging)メッセージを報知することにより、通信端末装置に対して警報メッセージの受信を促す。基地局装置は、システム情報ブロックタイプ1(以下、「SIB1」と記載する)を用いて、SIB12が報知されていること、また、SIB12を報知している場合にはSIB12の受信タイミングを報知する。
【0004】
SIB12では、複数種類の警報メッセージを識別するメッセージ識別子(messageIdentifier)及びシリアル番号(serialNumber)も報知される。従って、通信端末装置は、メッセージ識別子及びシリアル番号に基づいて、受信した警報メッセージの種類を識別することができる。
【0005】
1つの警報メッセージは、一つまたは複数のSIB12に分割して送信される。SIB12では、セグメント番号(segmentNumber)及びセグメントタイプ(lastSegment)も報知される。従って、受信側の通信端末装置は、セグメント番号及びセグメントタイプに基づいて、1つの警報メッセージに組み上げることができる。
【0006】
通信端末装置は、SIB12の受信に失敗する可能性がある。この場合、通信端末装置は、SIB1により報知されるSIB12のタイミング情報等から、特定のSIB12の受信に失敗したことを検出することができる(例えば、非特許文献3)。
【0007】
基地局装置は、警報メッセージの受信に失敗する場合、基地局装置の配下に新たに通信端末装置が遷移する場合、または基地局装置の配下で新たに通信端末装置が起動する場合を考慮し、現在配信している複数種類の警報メッセージを繰り返し報知する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】"Personal Localized Alerting Network (PLAN)"、インターネット<http://www.fcc.gov/guides/personal-localized-alerting-network-plan>
【非特許文献2】3GPP TS 22.268 v9.2.1, Public Warning System (PWS) Requirements
【非特許文献3】3GPP TS 36.331 v9.7.0, RRC Protocol specification
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のシステムにおいては、配信されている全ての種類の警報メッセージの受信が完了したか否かを受信側において判断することはできない。従って、受信側の通信端末装置は、基地局が警報メッセージを配信している間、繰り返し警報メッセージの受信を試みることとなり、通信端末装置における電池の消費量が増大するという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、配信されている全ての種類の警報メッセージの受信が完了したか否かを受信側において判断することができ、受信側の電池の消費量を抑制することができる基地局装置、通信端末装置、報知方法及び受信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の基地局装置は、複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を送信する基地局装置であって、所定の送信周期で前記複数種類の報知メッセージを繰り返し送信する送信手段と、前記送信手段により送信する前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの送信順序が前記送信周期の各々において同一になるように制御する制御手段と、を具備する構成を採る。
【0012】
また、本発明の基地局装置は、複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を順次送信する基地局装置であって、所定の送信周期で前記複数種類の報知メッセージを繰り返し送信するとともに、前記送信周期に関する周期情報を送信する送信手段と、前記送信手段における前記周期情報の送信を制御する制御手段と、を具備する構成を採る。
【0013】
本発明の通信端末装置は、所定の送信周期で複数種類の報知メッセージが繰り返し送信される際に、前記送信周期の各々において各種類の報知メッセージの送信順序が同一になるように送信された前記複数種類の報知メッセージを受信して、前記複数種類の報知メッセージに含まれる一連の情報を取得する通信端末装置であって、前記複数種類の報知メッセージを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの受信順序に基づいて前記送信周期を認識し、認識した前記送信周期内に送信された前記複数種類の報知メッセージの受信が完了した際に、前記受信手段における前記複数種類の報知メッセージの受信を停止するように制御する制御手段と、を具備する構成を採る。
【0014】
本発明の報知方法は、複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を順次送信する基地局装置における報知方法であって、所定の送信周期の間に前記複数種類の報知メッセージを順次送信するステップと、送信する前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの送信順序が前記送信周期の各々において同一になるように制御するステップと、を具備するようにした。
【0015】
また、本発明の報知方法は、複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を順次送信する基地局装置における報知方法であって、所定の送信周期の間に前記複数種類の報知メッセージを順次送信するとともに、前記送信周期に関する周期情報を送信するステップと、前記周期情報の送信を制御するステップと、を具備するようにした。
【0016】
本発明の受信方法は、所定の送信周期で複数種類の報知メッセージが繰り返し送信される際に、前記送信周期の各々において各種類の報知メッセージの送信順序が同一になるように送信された前記複数種類の報知メッセージを受信して、前記複数種類の報知メッセージに含まれる一連の情報を取得する受信方法であって、前記複数種類の報知メッセージを受信するステップと、受信した前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの受信順序に基づいて前記送信周期を認識し、認識した前記送信周期内に送信された前記複数種類の報知メッセージの受信が完了した際に、前記複数種類の報知メッセージの受信を停止するように制御するステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配信されている全ての種類の警報メッセージの受信が完了したか否かを受信側において判断することができ、受信側の電池の消費量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における通信端末装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における全てのSIB12の受信に成功した場合の基地局装置及び通信端末装置の動作を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における一部のSIB12の受信に失敗した場合の基地局装置及び通信端末装置の動作を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における通信端末装置の動作を示すフロー図
【図6】本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2における基地局装置及び通信端末装置の動作を示す図
【図8】本発明の実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態3における基地局装置及び通信端末装置の動作を示す図
【図10】本発明の実施の形態4に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態4における基地局装置及び通信端末装置の動作を示す図
【図12】本発明の実施の形態5における基地局装置及び通信端末装置の動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
<基地局装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。なお、図1では、基地局装置100とともに警報メッセージ配信装置150及び交換局装置160も記載する。
【0021】
警報メッセージ発行部170は、警報メッセージ格納部101、制御部103及び警報メッセージ分割部105を有し、複数種類の警報メッセージを発行する。
【0022】
警報メッセージ格納部101は、警報メッセージ配信装置150より交換局装置160を介して配信された複数種類の警報メッセージを順次格納する。ここで、複数種類の警報メッセージは、大統領からのメッセージ、生命の安全に対する脅威に関する警報または行方不明の子供に関する情報等の一連の情報を送信するために用いられるメッセージである。
【0023】
調整部102は、警報メッセージ格納部101に格納される警報メッセージを監視して、格納された警報メッセージのメッセージ識別子及びシリアル番号を制御部103に通知する。
【0024】
制御部103は、新たな情報を報知する際に、ページングメッセージの発行をページングメッセージ発行部104に要求する。例えば、制御部103は、大統領からのメッセージを報知した後に行方不明の子供に関する情報を報知する際に、行方不明の子供に関する情報の報知を開始する前に、ページングメッセージの発行をページングメッセージ発行部104に要求する。
【0025】
制御部103は、調整部102からの通知に基づいて、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを所定の順番で1つずつ取り出す。具体的には、制御部103は、調整部102から通知されたメッセージ識別子及びシリアル番号を参照して、各種類の警報メッセージの送信順序が送信周期の各々において同一になるように、予め決められた順番で警報メッセージを取り出す。なお、各種類の警報メッセージの送信順序については後述する。
【0026】
制御部103は、取り出した警報メッセージのデータサイズに応じて、警報メッセージを分割するか否かを判定する。制御部103は、分割すると判定した場合には、取り出した警報メッセージを警報メッセージ分割部105に出力する。制御部103は、分割しないと判定した場合には、取り出した警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。制御部103は、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを所定の順番で繰り返し取り出して、上記の処理を繰り返し行う。
【0027】
ページングメッセージ発行部104は、制御部103の要求に応じて、警報メッセージの配信を示すフラグ(cmas-Indication)を設定したページングメッセージを送信部107に出力する。ここで、ページングメッセージは、通信端末装置に対して警報メッセージの取得を促すメッセージである。
【0028】
警報メッセージ分割部105は、制御部103から入力した警報メッセージを分割して報知情報送信部106に出力する。なお、本実施の形態における以下の説明において、分割してない警報メッセージと分割した警報メッセージの双方を単に「警報メッセージ」と記載する。
【0029】
報知情報送信部106は、制御部103から入力した警報メッセージまたは警報メッセージ分割部105から入力した警報メッセージを含むSIB12を生成し、生成したSIB12を送信部107に出力する。
【0030】
送信部107は、ページングメッセージ発行部104から入力したページングメッセージまたは報知情報送信部106から入力したSIB12を含む信号から無線信号を生成し、生成した無線信号をアンテナ108に出力する。
【0031】
アンテナ108は、送信部107から入力した無線信号を送信する。
【0032】
<通信端末装置の構成>
図2は、本発明の実施の形態1における通信端末装置200の構成を示すブロック図である。
【0033】
警報メッセージ受信部270は、警報メッセージ組立部205及び制御部206を有し、受信した警報メッセージの組み立てを行う。
【0034】
アンテナ201は、受信した信号を受信部202に出力する。
【0035】
受信部202は、アンテナ201から入力した受信信号からページングメッセージまたは報知情報を抽出し、抽出したページングメッセージをページングメッセージ受信部203に出力し、抽出した報知情報を報知情報受信部204に出力する。
【0036】
ページングメッセージ受信部203は、受信部202から入力した信号にページングメッセージが含まれている場合に、ページングメッセージを取得したことを制御部206に通知する。
【0037】
報知情報受信部204は、制御部206の指示により、受信部202から入力した報知情報に含まれるSIB12の取得を開始する。報知情報受信部204は、SIB12の取得を開始した後に、SIB12の受信の成功または失敗を判定し、判定結果を制御部206に出力する。この際、報知情報受信部204は、SIB12に含まれるメッセージ識別子及びシリアル番号も制御部206に出力する。報知情報受信部204は、SIB12の受信に成功したと判定した場合には、取得したSIB12を警報メッセージ組立部205に出力する。報知情報受信部204は、制御部206の指示に従ってSIB12の取得を停止する。
【0038】
警報メッセージ組立部205は、報知情報受信部204から入力したSIB12に含まれる警報メッセージを取り出して、SIB12に含まれるセグメント番号及びセグメントタイプに基づいて警報メッセージの組み立てを行う。警報メッセージ組立部205は、警報メッセージの組み立てが完了した場合には、組み立てた警報メッセージを警報メッセージ表示部207及び制御部206に出力する。
【0039】
制御部206は、ページングメッセージ受信部203よりページングメッセージの取得の通知を受けた場合に、SIB12の取得の開始を報知情報受信部204に指示する。制御部206は、報知情報受信部204から入力したメッセージ識別子及びシリアル番号に基づいて、1送信周期が経過したか否かを判定する。具体的には、制御部206は、既に取得済みの警報メッセージと同じ種類の警報メッセージを取得した際に、1送信周期が経過したものと判定する。なお、1送信周期が経過したか否かの判定方法は後述する。
【0040】
制御部206は、1送信周期が経過したものと判定した場合には、報知情報受信部204から入力した判定結果、メッセージ識別子及びシリアル番号に基づいて、全ての種類の警報メッセージの取得が完了したか否かを判定する。制御部206は、全ての種類の警報メッセージの取得が完了したと判定した場合には、警報メッセージ組立部205から組み立て完了の通知を受けて、報知情報受信部204に対してSIB12の取得の停止を指示する。なお、全ての種類の警報メッセージを取得したか否かの判定方法については後述する。
【0041】
警報メッセージ表示部207は、警報メッセージ組立部205から入力した警報メッセージを表示する。
【0042】
<基地局装置及び通信端末装置の動作>
図3は、全てのSIB12の受信に成功した場合の基地局装置100及び通信端末装置200の動作を示す図である。図4は、一部のSIB12の受信に失敗した場合の基地局装置100及び通信端末装置200の動作を示す図である。なお、図3及び図4において、基地局装置100をeNBと記載し、通信端末装置200をUEと記載する。
【0043】
最初に、全てのSIB12の受信に成功した場合の基地局装置100及び通信端末装置200の動作について、図3を用いて説明する。
【0044】
図3より、まず、基地局装置100は、警報メッセージの配信を開始する(Start transmitting Warning message)(ステップST301)。
【0045】
また、基地局装置100のページングメッセージ発行部104は、ページングメッセージを発行し、基地局装置100は、ページングメッセージを送信する(Paging(cmas-Indication))(ステップST302)。
【0046】
通信端末装置200は、ページングメッセージを受信し、通信端末装置200のページングメッセージ受信部203は、ページングメッセージを取得したことを制御部206に通知する。これにより、通信端末装置200の制御部206は、SIB12の取得の開始を報知情報受信部204に指示し、通信端末装置200の報知情報受信部204は、警報メッセージの取得を開始する(Start receiving Warning message)(ステップST303)。
【0047】
次に、基地局装置100の報知情報送信部106は、警報メッセージ発行部170により発行された警報メッセージを含むSIB12を生成し、基地局装置100は、SIB12を送信する。
【0048】
この際、SIB12により警報メッセージ1(Warning message 1)〜警報メッセージ4(Warning message 4)の4種類の警報メッセージが送信される。これらの4種類の警報メッセージを用いて、一連の情報が送信される。
【0049】
基地局装置100の制御部103は、警報メッセージ2(Warning message 2)、警報メッセージ3(Warning message 3)、警報メッセージ4、警報メッセージ1の順番で警報メッセージ格納部101から警報メッセージを取り出す。この際、制御部103は、メッセージ識別子が「1」かつシリアル番号が「1」である警報メッセージを警報メッセージ2として取り出す。また、制御部103は、メッセージ識別子が「2」かつシリアル番号が「1」である警報メッセージを警報メッセージ3として取り出す。制御部103は、警報メッセージ1、4についても同様にメッセージ識別子及びシリアル番号に基づいて取り出す。
【0050】
これにより、基地局装置100は、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1の順番で送信する(ステップST304〜ステップST307)。基地局装置100は、各送信周期T1において、各種類の警報メッセージの送信順序が同一になるように送信するので、ステップST307以降も警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1の順番で送信する。ここで、警報メッセージ2の送信を開始してから警報メッセージ1の送信が終了するまで(ステップST304〜ステップST307)が1送信周期T1である。
【0051】
通信端末装置200は、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1の順番で順次受信する(ステップST308〜ステップST311)。
【0052】
そして、基地局装置100は、警報メッセージ2を再び送信し(ステップST312)、通信端末装置200は、警報メッセージ2を受信する(ステップST313)。
【0053】
この際、通信端末装置200の制御部206は、ステップST308において警報メッセージ2を既に取得しているので、1送信周期T1が経過したことを認識することができる。
【0054】
従って、通信端末装置200の制御部206は、警報メッセージの取得を停止するように報知情報受信部204に指示する(Stop receiving Warning message)(ステップST314)。
【0055】
次に、一部のSIB12の受信に失敗した場合の基地局装置100及び通信端末装置200の動作について、図4を用いて説明する。なお、図4において、図3と同一動作である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
図4の場合、SIB12により警報メッセージ1〜警報メッセージ4の4種類の警報メッセージが送信される。
【0057】
ステップST303の後、基地局装置100の制御部103は、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1の順番で警報メッセージ格納部101から警報メッセージを取り出す。これにより、基地局装置100は、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1の順番で送信する(ステップST401〜ステップST410)。基地局装置100は、各送信周期T2において同一の送信順序で各警報メッセージを送信するので、ステップST401〜ステップST404及びステップST405〜ステップST408において、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1の順番で送信する。ここで、警報メッセージ2の送信を開始してから警報メッセージ1の送信が終了するまで(ステップST401〜ステップST404、ステップST405〜ステップST408)を1送信周期T2とする。
【0058】
この際、通信端末装置200は、ステップST401、ステップST404及びステップST407〜ステップST410において送信された各警報メッセージの受信に成功するものの(ステップST411〜ステップST416)、伝搬環境の劣化等によりステップST402、ステップST403、ステップST405及びステップST406において送信された警報メッセージの受信に失敗する。
【0059】
このような状況において、通信端末装置200の制御部206は、各種類の警報メッセージの送信順序が送信周期T2の各々において同一であるため、ステップST412において警報メッセージ1を受信した後に、ステップST414において再び警報メッセージ1を受信することにより、1送信周期T2が経過したことを認識することができる。制御部206は、取得に失敗した警報メッセージがあるか否かを判定し(Check if the UE has missing message)(ステップST417)、受信に失敗した警報メッセージがあれば警報メッセージの取得を継続する(Continue to receive message (if missing))(ステップST418)。
【0060】
具体的には、制御部206は、ステップST411で警報メッセージ2を取得し、ステップST412及びステップST414で警報メッセージ1を取得し、ステップST413で警報メッセージ4を取得しているため、送信周期T2において4種類の警報メッセージが送信されているものと推定する(Calculate period→period=4)(ステップST419)。また、制御部206は、警報メッセージ3が欠落していることを認識することができる(Detect missing message from the stored message + period→message 3 is missing)(ステップST420)。従って、制御部206は、警報メッセージ3を取得するまで警報メッセージの取得を継続させ、メッセージ3を取得した際に(ステップST416)、警報メッセージの取得の停止を指示する(ステップST421)。
【0061】
<通信端末装置の動作>
図5は、通信端末装置200の動作を示すフロー図である。
【0062】
図5より、まず、ページングメッセージ受信部203は、ページングメッセージを取得する(Received Paging with cmas-Indication)(ステップST501)。これにより、通信端末装置200は、警報メッセージの取得を開始する。
【0063】
制御部206は、SIB12の前に送信されるSIB1にSIB12の情報が含まれているか否かを判定する(SIB12 scheduled?)(ステップST502)。
【0064】
SIB12の情報が含まれている場合(ステップST502:Yes)には、制御部206は、SIB12の取得を報知情報受信部204に指示し、報知情報受信部204は、SIB12の取得を試みる(Attempt to receive SIB12)(ステップST503)。
【0065】
次に、警報メッセージ組立部205は、取得した警報メッセージを組み立てる(Assemble CMAS notification)(ステップST504)。
【0066】
次に、警報メッセージ組立部205は、報知情報受信部204により次に取得した警報メッセージが既に取得済みであるか否かを判定する(Assembled CMAS notification is previously received?)(ステップST505)。
【0067】
まだ取得していない場合(ステップST505:No)には、制御部206は、処理をステップST502に戻す。
【0068】
一方、既に取得済みの場合(ステップST505:Yes)には、制御部206は、報知情報受信部204から入力した判定結果に基づいて、欠落している警報メッセージがあるか否かを判定する(Failed to receive any SIB12?)(ステップST506)。
【0069】
欠落している警報メッセージが有る場合(ステップST506:Yes)には、制御部206は、欠落した警報メッセージを取得するために、報知情報受信部204にSIB12の取得を継続させる。これにより、報知情報受信部204は、SIB12の取得を継続する(Attempt to receive SIB12 to receive missing CMAS notification)(ステップST507)。
【0070】
次に、制御部206は、欠落していた警報メッセージを取得し、取得した警報メッセージを上位レイヤに渡して(Deliver the received CMAS notification to upper layer)(ステップST508)、処理を終了する。
【0071】
一方、ステップST502において、SIB12の情報が無い場合(ステップST502:No)、またはステップST506において、欠落している警報メッセージが無い場合(ステップST506:No)には、制御部206は、警報メッセージ組立部205から組み立てが完了した警報メッセージを取得し、取得した警報メッセージを上位レイヤに渡して(ステップST508)、処理を終了する。
【0072】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態では、各送信周期において、送信する複数種類の警報メッセージにおける各種類の警報メッセージの送信順序を同一にすることにより、配信されている全ての種類の警報メッセージの受信が完了したか否かを受信側において判断することができる。これにより、受信側において全ての種類の警報メッセージを取得した後に警報メッセージの取得を停止することにより、受信側の電池の消費量を抑制することができる。
【0073】
(実施の形態2)
<基地局装置の構成>
図6は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置600の構成を示すブロック図である。なお、図6では、基地局装置600とともに警報メッセージ配信装置150及び交換局装置160も記載する。
【0074】
図6に示す基地局装置600は、図1に示す実施の形態1に係る基地局装置100に対して、調整部102を除き、フラグ付与部602を追加し、制御部103の代わりに制御部601を有し、警報メッセージ発行部170の代わりに警報メッセージ発行部670を有する。なお、図6において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0075】
警報メッセージ発行部670は、警報メッセージ格納部101、警報メッセージ分割部105及び制御部601を有し、警報メッセージを発行する。
【0076】
制御部601は、新たな情報を報知する際に、ページングメッセージの発行をページングメッセージ発行部104に要求する。制御部601は、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを1つずつ取り出す。制御部601は、取り出した警報メッセージのサイズに応じて警報メッセージを分割するか否かを判定する。制御部601は、分割すると判定した場合には、取り出した警報メッセージを警報メッセージ分割部105に出力する。制御部601は、分割しないと判定した場合には、取り出した警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。
【0077】
制御部601は、警報メッセージを分割しない場合には、各送信周期において最初に取り出した警報メッセージをフラグ付与部602に出力する。制御部601は、警報メッセージを分割する場合には、取り出した警報メッセージを警報メッセージ分割部105に出力する際に、各送信周期において最初に取り出した警報メッセージに対してフラグを付与することを、警報メッセージ分割部105に指示する。
【0078】
制御部601は、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを繰り返し取り出して、上記の処理を繰り返し行う。
【0079】
ページングメッセージ発行部104は、制御部601の要求に応じて、警報メッセージの配信を示すフラグ(cmas-Indication)を設定したページングメッセージを送信部107に出力する。
【0080】
警報メッセージ分割部105は、制御部601から入力した警報メッセージを分割して報知情報送信部106に出力する。警報メッセージ分割部105は、フラグを付与する指示を制御部601から受けた場合には、分割した警報メッセージのうち先頭の警報メッセージをフラグ付与部602に出力し、残りの警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。なお、本実施の形態における以下の説明において、分割してない警報メッセージと分割した警報メッセージの双方を単に「警報メッセージ」と記載する。
【0081】
フラグ付与部602は、制御部601から入力した警報メッセージまたは警報メッセージ分割部105から入力した警報メッセージにフラグを付与する。このフラグは、送信周期毎に、最初に送信される警報メッセージであることを示すものである。通信端末装置200は、このフラグが送信周期毎に最初に送信される警報メッセージであることを示すものであることを知っている。フラグ付与部602は、フラグを付与した警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。
【0082】
報知情報送信部106は、制御部601から入力した警報メッセージ、警報メッセージ分割部105から入力した警報メッセージ、またはフラグ付与部602から入力した警報メッセージを含むSIB12を生成し、生成したSIB12を送信部107に出力する。
【0083】
なお、本実施の形態において、通信端末装置は、報知情報受信部204において、フラグが付与された警報メッセージを取得したか否かを判定し、制御部206において、メッセージ識別子及びシリアル番号に代えて、報知情報受信部204から取得したフラグの有無の判定結果に基づいて、1送信周期が経過したか否かを判定する以外は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0084】
<基地局装置及び通信端末装置の動作>
図7は、基地局装置600及び通信端末装置200の動作を示す図である。なお、図7において、基地局装置600をeNBと記載し、通信端末装置200をUEと記載する。また、通信端末装置200の説明は図2の符号を用いて行う。また、図7において、図3と同一動作である部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0085】
図7の場合、SIB12により警報メッセージ1〜警報メッセージ4の4種類の警報メッセージが送信される。
【0086】
基地局装置600の報知情報送信部106は、警報メッセージ発行部670により発行された警報メッセージを含むSIB12を生成し、基地局装置600は、SIB12を送信する。
【0087】
基地局装置600の制御部601は、警報メッセージ2、警報メッセージ4、警報メッセージ1、警報メッセージ2、・・・の順番で警報メッセージ格納部101から警報メッセージを取り出す。これにより、基地局装置600は、警報メッセージ2、警報メッセージ4、警報メッセージ1、警報メッセージ2、・・・の順番で警報メッセージを送信する(ステップST701〜ステップST710)。
【0088】
ここで、ステップST702において警報メッセージ4の送信を開始してからステップST705においてメッセージ3の送信が終了するまで、及びステップST706において警報メッセージ2の送信を開始してからステップST709においてメッセージ4の送信が終了するまでが1送信周期T3である。
【0089】
通信端末装置200の報知情報受信部204は、ステップST701〜ステップST705において送信された警報メッセージの取得を試み、警報メッセージ2、警報メッセージ4、警報メッセージ1及び警報メッセージ2を取得する(ステップST711〜ステップST714)。この際、通信端末装置200の制御部206は、ステップST712において取得した警報メッセージ4にフラグが付与されていることにより、送信周期T3の先頭の警報メッセージであることを認識することができる。
【0090】
続いて、通信端末装置200の報知情報受信部204は、ステップST706において送信された警報メッセージの取得を試み、警報メッセージ2の取得に成功する(ステップST715)。この際、通信端末装置200制御部206は、ステップST715において取得した警報メッセージ2にフラグが付与されていることにより、送信周期T3の先頭の警報メッセージであることを認識することができる。これより、制御部206は、ステップST712において警報メッセージ4を取得してから1送信周期T3が経過したことを認識することができる。
【0091】
しかしながら、制御部206は、ステップST712から1送信周期T3経過する間において、欠落した警報メッセージ(ステップST705で送信された警報メッセージ3)があるので、報知情報受信部204に警報メッセージの取得を継続させる。
【0092】
続いて、報知情報受信部204は、ステップST707〜ステップST710において送信された警報メッセージの取得を試み、警報メッセージ3、警報メッセージ1、警報メッセージ4、警報メッセージ3の順番で順次取得する(ステップST716〜ステップST719)。
【0093】
この際、制御部206は、ステップST719において取得した警報メッセージ3にフラグが付与されていることにより、送信周期T3の先頭の警報メッセージであることを認識することができる。これより、制御部206は、ステップST712において警報メッセージ4を取得してから1送信周期T3が経過したことを認識することができる。
【0094】
そして、制御部206は、ステップST715から1送信周期T3経過する間において、欠落した警報メッセージがないので、全ての種類の警報メッセージを取得したことを認識することができる。
【0095】
従って、制御部206は、SIB12の取得を停止するように報知情報受信部204に指示する(ステップST720)。
【0096】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、各送信周期の先頭で送信する警報メッセージにフラグを付与することにより、配信されている全ての種類の警報メッセージの受信が完了したか否かを受信側において判断することができるので、受信側の電池の消費量を抑制することができる。
【0097】
また、本実施の形態によれば、フラグを付与する極めて簡単な処理のみにより送信周期を通知するので、送信周期を通知することに伴う処理負荷の増大を抑制することができる。
【0098】
(実施の形態3)
<基地局装置の構成>
図8は、本発明の実施の形態3に係る基地局装置800の構成を示すブロック図である。
【0099】
図8に示す基地局装置800は、図1に示す実施の形態1に係る基地局装置100に対して、調整部102を除き、ダミー警報メッセージ生成部802を追加し、制御部103の代わりに制御部801を有する。なお、図8において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0100】
警報メッセージ発行部870は、警報メッセージ格納部101、警報メッセージ分割部105及び制御部801を有し、警報メッセージを発行する。
【0101】
制御部801は、新たな情報を報知する際に、ページングメッセージの発行をページングメッセージ発行部104に要求する。制御部801は、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを1つずつ取り出す。制御部801は、取り出した警報メッセージのサイズに応じて警報メッセージを分割するか否かを判定する。制御部801は、分割すると判定した場合には、取り出した警報メッセージを警報メッセージ分割部105に出力する。制御部801は、分割しないと判定した場合には、取り出した警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。
【0102】
制御部801は、1送信周期毎に、最初に取り出した警報メッセージを出力する前に、ダミー警報メッセージの出力をダミー警報メッセージ生成部802に指示する。
【0103】
制御部801は、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを繰り返し取り出して、上記の処理を繰り返し行う。
【0104】
ページングメッセージ発行部104は、制御部801の要求に応じて、警報メッセージの配信を示すフラグ(cmas-Indication)を設定したページングメッセージを送信部107に出力する。
【0105】
警報メッセージ分割部105は、制御部801から入力した警報メッセージを分割して報知情報送信部106に出力する。なお、本実施の形態における以下の説明において、分割してない警報メッセージと分割した警報メッセージの双方を単に「警報メッセージ」と記載する。
【0106】
ダミー警報メッセージ生成部802は、ダミー警報メッセージを生成する。ダミー警報メッセージ生成部802は、制御部801からの指示に従って、生成したダミー警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。このダミー警報メッセージは、警報メッセージ1〜警報メッセージ4と同一のフォーマットである。ここで、ダミー警報メッセージは、各送信周期の先頭を示すものである。
【0107】
報知情報送信部106は、制御部801から入力した警報メッセージ、警報メッセージ分割部105から入力した警報メッセージまたはダミー警報メッセージ生成部802から入力したダミー警報メッセージを含むSIB12を生成する。報知情報送信部106は、生成したSIB12を送信部107に出力する。
【0108】
なお、本実施の形態において、通信端末装置は、報知情報受信部204において、ダミー警報メッセージを取得したか否かを判定し、制御部206において、メッセージ識別子及びシリアル番号に代えて、報知情報受信部204から取得したダミー警報メッセージの取得の有無に基づいて、1送信周期が経過したか否かを判定する以外は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0109】
<基地局装置及び通信端末装置の動作>
図9は、基地局装置800及び通信端末装置200の動作を示す図である。なお、図9において、基地局装置800をeNBと記載し、通信端末装置200をUEと記載する。また、通信端末装置200の説明は図2の符号を用いて行う。また、図9において、図3と同一動作である部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0110】
図9の場合、SIB12により警報メッセージ1〜警報メッセージ4の4種類の警報メッセージが送信される。
【0111】
基地局装置800の制御部801は、警報メッセージ2、警報メッセージ4、警報メッセージ1、警報メッセージ2、・・・の順番で警報メッセージ格納部101から警報メッセージを取り出す。この際、制御部801は、取り出したこられの警報メッセージを出力する前に、ダミー警報メッセージの出力をダミー警報メッセージ生成部802に指示する。これにより、基地局装置800は、警報メッセージ2、ダミー警報メッセージ、警報メッセージ4、警報メッセージ1、警報メッセージ2、・・・の順番で送信する(ステップST901〜ステップST912)。
【0112】
ここで、ステップST902においてダミー警報メッセージの送信を開始してからステップST906においてメッセージ3の送信が終了するまで、及びステップST907においてダミー警報メッセージの送信を開始してからステップST911においてメッセージ4の送信が終了するまでが1送信周期T4である。
【0113】
通信端末装置200の報知情報受信部204は、ステップST901〜ステップST906において送信された警報メッセージの取得を試み、警報メッセージ2、ダミー警報メッセージ、警報メッセージ4、警報メッセージ1及び警報メッセージ2を取得する(ステップST913〜ステップST917)。この際、通信端末装置200の制御部206は、ステップST914においてダミー警報メッセージを取得することにより、送信周期T4の先頭であることを認識することができる。
【0114】
続いて、報知情報受信部204は、ステップST907において送信された警報メッセージの取得を試み、ダミー警報メッセージの取得に成功する(ステップST918)。この際、制御部206は、ダミー警報メッセージを取得したことにより、送信周期T4の先頭であることを認識することができる。
【0115】
しかしながら、制御部206は、ステップST914から1送信周期T4経過する間において、欠落した警報メッセージ(ステップST906で送信された警報メッセージ3)があるので、報知情報受信部204に警報メッセージの取得を継続させる。
【0116】
続いて、報知情報受信部204は、ステップST908〜ステップST912において送信された警報メッセージの取得を試み、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ1、警報メッセージ4、ダミー警報メッセージの順番で順次取得する(ステップST919〜ステップST923)。
【0117】
この際、制御部206は、ステップST923においてダミー警報メッセージを取得することにより、送信周期T4の先頭であることを認識することができる。
【0118】
そして、制御部206は、ステップST918から1送信周期T4経過する間において、欠落した警報メッセージがないので、全ての種類の警報メッセージを取得したことを認識することができる。
【0119】
従って、制御部206は、SIB12の取得を停止するように報知情報受信部204に指示する(ステップST924)。
【0120】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、各送信周期において警報メッセージを送信する前にダミー警報メッセージを送信することにより、配信されている全ての種類の警報メッセージの取得が完了したか否かを受信側において判断することができるので、受信側の電池の消費量を抑制することができる。
【0121】
また、本実施の形態によれば、警報メッセージと同一フォーマットのダミー警報メッセージを送信するので、送信周期を通知することに伴うシステムの変更等を最小限にすることができ、システムの構築に伴う製造コストの増大を抑制することができる。
【0122】
(実施の形態4)
<基地局装置の構成>
図10は、本発明の実施の形態4に係る基地局装置1000の構成を示すブロック図である。
【0123】
図10に示す基地局装置1000は、図1に示す実施の形態1に係る基地局装置100に対して、調整部102を除き、リスト格納部1002を追加し、制御部103の代わりに制御部1001を有する。なお、図10において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0124】
警報メッセージ発行部1070は、警報メッセージ格納部101、警報メッセージ分割部105及び制御部1001を有し、警報メッセージを発行する。
【0125】
制御部1001は、新たな情報を配信する際に、ページングメッセージの発行をページングメッセージ発行部104に要求する。制御部1001は、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを1つずつ取り出す。制御部1001は、取り出した警報メッセージのサイズに応じて警報メッセージを分割するか否かを判定する。制御部1001は、分割すると判定した場合には、取り出した警報メッセージを警報メッセージ分割部105に出力する。制御部1001は、分割しないと判定した場合には、取り出した警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。
【0126】
制御部1001は、警報メッセージ格納部101から警報メッセージを取り出す毎に、リスト格納部1002からリストを取り出す。制御部1001は、警報メッセージを分割しない場合には、取り出したリストを警報メッセージに付与し、リストを付与した警報メッセージを報知情報送信部106に出力する。制御部1001は、警報メッセージを分割する場合には、警報メッセージと共に取り出したリストを警報メッセージ分割部105に出力する。
【0127】
制御部1001は、警報メッセージ格納部101に格納されている警報メッセージを繰り返し取り出して、上記の処理を繰り返し行う。
【0128】
ページングメッセージ発行部104は、制御部1001の要求に応じて、警報メッセージの配信を示すフラグ(cmas-Indication)を設定したページングメッセージを送信部107に出力する。
【0129】
リスト格納部1002は、送信する警報メッセージの全種類を記したリストを予め格納している。
【0130】
警報メッセージ分割部105は、制御部1001から入力した警報メッセージを分割して報知情報送信部106に出力する。この際、警報メッセージ分割部105は、分割した各警報メッセージに対して、制御部1001から入力したリストを付与する。なお、本実施の形態における以下の説明において、分割してない警報メッセージと分割した警報メッセージの双方を単に「警報メッセージ」と記載する。
【0131】
報知情報送信部106は、制御部1001から入力した警報メッセージまたは警報メッセージ分割部105から入力した警報メッセージを含むSIB12を生成し、生成したSIB12を送信部107に出力する。
【0132】
<基地局装置及び通信端末装置の動作>
図11は、基地局装置1000及び通信端末装置200の動作を示す図である。なお、図11において、基地局装置1000をeNBと記載し、通信端末装置200をUEと記載する。また、通信端末装置200の説明は図2の符号を用いて行う。また、図11において、図3と同一動作である部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0133】
図11の場合、SIB12により警報メッセージ1〜警報メッセージ4の4種類の警報メッセージが送信される。
【0134】
基地局装置1000の制御部1001は、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1、・・・の順番で警報メッセージ格納部101から警報メッセージを取り出す。これにより、基地局装置1000は、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1、・・・の順番で送信する(ステップST1101〜ステップST1105)。
【0135】
ここで、ステップST1101において警報メッセージ2の送信を開始してからステップST1104においてメッセージ1の送信が終了するまでが1送信周期T5である。
【0136】
通信端末装置200の報知情報受信部204は、ステップST1101〜ステップST1105において送信された警報メッセージの取得を試み、警報メッセージ2、警報メッセージ3、警報メッセージ4、警報メッセージ1及び警報メッセージ2を取得する(ステップST1106〜ステップST1110)。この際、報知情報受信部204は、各警報メッセージに付与されているリストを取得する。従って、通信端末装置200の制御部206は、ステップST1106で警報メッセージ2を取得した際に、基地局装置1000より送信される全ての種類の警報メッセージを認識することができる。
【0137】
制御部206は、取得したリストをチェックし(Check if the UE has received all of message from msgList)(ステップST1111及びステップST1112)、ステップST1109において全ての種類の警報メッセージを取得したことを認識することができる。
【0138】
これにより、制御部206は、SIB12の取得を停止するように報知情報受信部204に指示する(ステップST1113)。
【0139】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、送信する全ての種類の警報メッセージを記したリストを、送信する各警報メッセージに付与することにより、送信されている全ての警報メッセージの取得が完了したか否かを受信側において判断することができるので、受信側の電池の消費量を抑制することができる。
【0140】
また、本実施の形態によれば、全ての警報メッセージにリストを付与するので、一部の警報メッセージの取得に失敗しても、全ての種類の警報メッセージの取得が完了したか否かを受信側において確実に判断することができる。
【0141】
(実施の形態5)
<基地局装置及び通信端末装置の動作>
図12は、本発明の実施の形態5における基地局装置100及び通信端末装置200の動作を示す図である。なお、本実施の形態において、基地局装置100は図1と同一構成であり、通信端末装置200は図2と同一構成であるので、その説明を省略する。また、基地局装置100の説明は図1の符号を用いるとともに、通信端末装置200の説明は図2の符号を用いて行う。また、図12において、図3と同一動作である部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0142】
ステップST314でSIB12の取得を停止した後、報知している一連の情報の追加または更新がなされた場合には(Adding CMAS Warning message)(ステップST1201)、基地局装置100の制御部103は、ページングメッセージの発行をページングメッセージ発行部104に要求する。これにより、ページングメッセージ発行部104は、ページングメッセージを発行し、基地局装置100は、ページングメッセージを送信する(Paging(cmas-Indication))(ステップST1202)。
【0143】
通信端末装置200は、ページングメッセージを受信し、通信端末装置200のページングメッセージ受信部203は、ページングメッセージを取得したことを通信端末装置200の制御部206に通知する。これにより、制御部206は、ステップST314においてSIB12の取得を停止した報知情報受信部204に対して、SIB12の取得の開始を指示し、報知情報受信部204は、SIB12の取得を再び開始する(Start receiving Warning message)(ステップST1203)。
【0144】
次に、基地局装置100は、警報メッセージ3、警報メッセージ5(Warning message 5)・・・と順次送信する(ステップST1204及びステップST1205)。ここで、警報メッセージ5は、追加または更新された情報を報知するための警報メッセージである。
【0145】
そして、通信端末装置200は、ステップST1204及びステップST1205で送信された警報メッセージ3及び警報メッセージ5を順次受信する(ステップST1206及びステップST1207)。これにより、通信端末装置200は、ステップST1207において、追加または更新された警報メッセージ5を取得することができる。
【0146】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、通信端末装置はSIB12の取得を停止している場合であっても、情報の追加または更新がなされた場合にはSIB12の取得を開始するので、全ての情報を確実に取得することができる。
【0147】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、実施の形態1の基地局装置及び通信端末装置に適用したが、本発明はこれに限らず、実施の形態2〜実施の形態4の基地局装置及び通信端末装置にも適用することができる。
【0148】
<全ての実施の形態に共通の変形例>
上記の実施の形態1〜実施の形態5において、警報メッセージを送信する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、警報メッセージ以外の任意の報知メッセージを送信する場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明にかかる基地局装置、通信端末装置、報知方法及び受信方法は、例えば3GPPで標準化されているCMASに適用するのに好適である。
【符号の説明】
【0150】
100 基地局装置
101 警報メッセージ格納部
102 調整部
103 制御部
104 ページングメッセージ発行部
105 警報メッセージ分割部
106 報知情報送信部
107 送信部
108 アンテナ
150 警報メッセージ配信装置
160 交換局装置
170 警報メッセージ発行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を送信する基地局装置であって、
所定の送信周期で前記複数種類の報知メッセージを繰り返し送信する送信手段と、
前記送信手段により送信する前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの送信順序が前記送信周期の各々において同一になるように制御する制御手段と、
を具備する基地局装置。
【請求項2】
複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を順次送信する基地局装置であって、
所定の送信周期で前記複数種類の報知メッセージを繰り返し送信するとともに、前記送信周期に関する周期情報を送信する送信手段と、
前記送信手段における前記周期情報の送信を制御する制御手段と、
を具備する基地局装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記送信周期の各々において、最初に送信される報知メッセージに対して、前記最初に送信される報知メッセージであることを示す前記周期情報を付与することにより、前記送信手段において前記最初に送信される報知メッセージと共に前記周期情報が送信されるように制御する、
請求項2記載の基地局装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記送信周期の各々において、前記送信手段において前記複数種類の報知メッセージを送信する前に前記送信周期の先頭を示す前記周期情報が送信されるように制御する、
請求項2記載の基地局装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記送信周期の各々において、前記送信手段において前記周期情報としてダミーの報知メッセージが送信されるように制御する、
請求項4記載の基地局装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
送信される報知メッセージの種類を通知する前記周期情報を各報知メッセージに付与することにより、前記送信手段において各報知メッセージと共に前記周期情報が送信されるように制御する、
請求項2記載の基地局装置。
【請求項7】
前記送信手段は、
通信相手に対して報知メッセージの取得を促すページングメッセージを送信するとともに、前記複数種類の報知メッセージを送信している最中に前記一連の情報の追加または更新がなされた場合には、前記追加または更新された情報を報知する新たな報知メッセージを送信し、
前記制御手段は、
前記送信手段において前記新たな報知メッセージの取得を促す前記ページングメッセージが送信されるように制御する、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の基地局装置。
【請求項8】
所定の送信周期で複数種類の報知メッセージが繰り返し送信される際に、前記送信周期の各々において各種類の報知メッセージの送信順序が同一になるように送信された前記複数種類の報知メッセージを受信して、前記複数種類の報知メッセージに含まれる一連の情報を取得する通信端末装置であって、
前記複数種類の報知メッセージを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの受信順序に基づいて前記送信周期を認識し、認識した前記送信周期内に送信された前記複数種類の報知メッセージの受信が完了した際に、前記受信手段における前記複数種類の報知メッセージの受信を停止するように制御する制御手段と、
を具備する通信端末装置。
【請求項9】
複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を順次送信する基地局装置における報知方法であって、
所定の送信周期の間に前記複数種類の報知メッセージを順次送信するステップと、
送信する前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの送信順序が前記送信周期の各々において同一になるように制御するステップと、
を具備する報知方法。
【請求項10】
複数種類の報知メッセージを用いて一連の情報を順次送信する基地局装置における報知方法であって、
所定の送信周期の間に前記複数種類の報知メッセージを順次送信するとともに、前記送信周期に関する周期情報を送信するステップと、
前記周期情報の送信を制御するステップと、
を具備する報知方法。
【請求項11】
所定の送信周期で複数種類の報知メッセージが繰り返し送信される際に、前記送信周期の各々において各種類の報知メッセージの送信順序が同一になるように送信された前記複数種類の報知メッセージを受信して、前記複数種類の報知メッセージに含まれる一連の情報を取得する受信方法であって、
前記複数種類の報知メッセージを受信するステップと、
受信した前記複数種類の報知メッセージにおける各種類の報知メッセージの受信順序に基づいて前記送信周期を認識し、認識した前記送信周期内に送信された前記複数種類の報知メッセージの受信が完了した際に、前記複数種類の報知メッセージの受信を停止するように制御するステップと、
を具備する受信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−42282(P2013−42282A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176866(P2011−176866)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【特許番号】特許第5132803号(P5132803)
【特許公報発行日】平成25年1月30日(2013.1.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】