基板マクロ検査装置及びカラーフィルタ製造装置
【課題】設置スペースを抑制した検査ステージを備えたマクロ検査装置を提供する。
【解決手段】基板を目視によって検査する場合に用いられるマクロ検査装置であって、基板を搬送する搬送ラインの横に配置し、少なくとも、基板の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段と、前記基板端吸着及び吸着解除手段をスライドする手段と、前記基板端が吸着された基板をスライドする際には浮上させ、スライドした後には浮上を解除し吸着する浮上吸着手段と、を有する検査ステージを備えたことを特徴とする基板マクロ検査装置。
【解決手段】基板を目視によって検査する場合に用いられるマクロ検査装置であって、基板を搬送する搬送ラインの横に配置し、少なくとも、基板の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段と、前記基板端吸着及び吸着解除手段をスライドする手段と、前記基板端が吸着された基板をスライドする際には浮上させ、スライドした後には浮上を解除し吸着する浮上吸着手段と、を有する検査ステージを備えたことを特徴とする基板マクロ検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板の検査装置であって、更に詳しくは目視検査によるマクロ検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1はカラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図である。カラーフィルタ1は、ガラス基板2上にブラックマトリックス(以下、BM)3、レッドRの着色画素(以下、R画素)4−1、グリーンGの着色画素(以下、G画素)4−2、ブルーBの着色画素(以下、B画素)4−3、透明電極5、及びフォトスペーサー(Photo Spacer)(以下、PS)6、バーテイカルアライメント(Vertical Alignment)(以下、VA)7が順次形成されたものである。
【0003】
上記構造のカラーフィルタの製造方法は、フォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法が知られているが、図2は一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程を示すフロー図である。カラーフィルタは、先ず、ガラス基板(以下、基板)上にBMを形成処理する工程(C1)、基板を洗浄処理する工程(C2)、着色フォトレジストを塗布および予備乾燥処理する工程(C3)、着色フォトレジストを乾燥、硬化処理するプリベーク工程(C4)、露光処理する工程(C5)、現像処理する工程(C6)、着色フォトレジストを硬化処理する工程(C7)、透明電極を成膜処理する工程(C8)、PS、VAを形成処理する工程(C9)がこの順に行われ製造される。
【0004】
例えば、R画素、G画素、B画素の順に画素が形成される場合には、カラーフィルタ用基板を洗浄処理する工程(C2)から、着色フォトレジストを硬化処理する工程間(C7)ではレッドR、グリーンG、ブルーBの順に着色レジストを変更して3回繰り返されてR画素、G画素、B画素が形成される。
【0005】
製造されるカラーフィルタ基板には高い信頼性が必要であるが、上記のカラーフィルタの製造工程には非常に多くの工程があり、該製造工程の途中でカラー液晶表示装置の品質に悪影響を及ぼす各種の欠陥が発生する場合がある。カラーフィルタの製造工程で発生する欠陥として、着色材料等に混入している異物により液晶パネル面に突起部が形成される突起不良、現像時に除去された感光性樹脂の再付着や洗浄不良による汚れ、着色層や透明電極の形成面や裏面における基板の傷、BMが不均一である遮光膜不良等の欠陥等がある。
【0006】
上記欠陥が存在する恐れのあるカラーフィルタの検査には、一般的に、自動検査装置が使用される。しかしながら、自動検査ができない種類の欠陥が存在する場合や、欠陥の存在だけでなく欠陥によっては欠陥の状態までも検査する必要がある欠陥がある。このような場合には、人手によって直接検査するいわゆる目視によるマクロ検査を行っている。
【0007】
また、基板の大型化に伴い人手による目視検査に要する1枚当たりの検査時間も増加する。そのため、生産工程内の整流化を保てるよう、図3に示すような目視検査を目的とした複数のマクロ検査装置の配置が採用されている。
【0008】
図3に示すマクロ検査装置の配置では基板1が矢印11で示される方向に搬送される製造工程の本線ライン12に対して枝分かれさせ、複数台のマクロ検査装置13にロボット(以下、RB)14を介し、基板1を矢印15−1や15−2で示される方向に搬入出できるライン構成とするが一般的であり、基板はRBによって製造工程の本線ラインからマ
クロ検査装置の検査ステージに搬入、載置される。
【0009】
図4は従来から用いられているマクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す模式図である。図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)の矢印24の方向から見た側面図である。検査ステージ20は、21−1及び21−2から成るステージ外枠に櫛歯状に張り出したステージバー22が複数本設けられ、更に各ステージバー22には吸着パット23が等間隔に複数個設けられている。ステージバー22が櫛歯状になっているため、RBを用いて基板の搬入出が行える。RBによって搬入された基板1は図示しない真空装置に繋がれた吸着パット23上に載置された後、吸着される。
【0010】
基板1が吸着パッド23に吸着された後、図4(c)に示すように検査ステージ20は図示しない検査ステージ駆動装置によって、上下方向とΘ1、Θ2の方向に駆動され、その後、目視25によって検査される。先ず、上下移動機構によって上方に移動され、更にΘ1、Θ2の回転機構によって回転され、基板は目視検査される。目視検査終了後、検査ステージは元の状態に戻され、更にRBによって製造工程の本線ラインに搬出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−53125号公報
【特許文献2】特開2003−270155号公報
【特許文献3】特開2009−109621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記、従来のマクロ検査装置では、マクロ検査装置へ基板を搬入出する際にRBを用いた場合、RBの旋回、走行などの動作を行うための広い設置スペースが必要であった。
【0013】
そこで本発明は、設置スペースを抑制した検査ステージを備えたマクロ検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る発明は、基板を目視によって検査する場合に用いられるマクロ検査装置であって、
基板を搬送する搬送ラインの横に配置し、少なくとも、
基板の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段と、
前記基板端吸着及び吸着解除手段をスライドする手段と、
前記基板端が吸着された基板をスライドする際には浮上させ、スライドした後には浮上を解除し吸着する浮上吸着手段と、を有する検査ステージを備えたことを特徴とする基板マクロ検査装置である。
【0015】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の基板マクロ検査装置を搬送ラインに平行して多数配置したことを特徴とするカラーフィルタ製造装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の基板のマクロ検査装置によれば、マクロ検査装置の設置面積に占めるRB設置スペースを省略できるため、マクロ検査装置の設置面積を少なくことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図。
【図2】一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程のフロー図。
【図3】マクロ検査装置の配置の一例を示す図。
【図4】従来から用いられているマクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す模式図。(a)は上面図。(b)は(a)の矢印24の方向から見た側面図。(c)検査ステージ駆動装置によって、上下方向とΘ1、Θ2方向に駆動されることを示す図。
【図5】本発明に係る基板マクロ検査装置が配置されるカラーフィルタ製造工程を示す図
【図6】本発明に係る基板マクロ検査装置の配置の一例を示す図。
【図7】本発明に係る基板マクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す概略図(a)は平面図。(b)は(a)に示される線分ABで示される部分の断面を示す図。(c)は(b)の破線で囲まれた符号41−1及び41−2の部分を拡大した図。
【図8】本発明に係る基板マクロ検査装置において基板を搬送ラインから検査ステージへ搬入する動作を示す図。(a)は基板の搬入準備の状態を示す図。(b)は基板の先端が吸排気ブロックに乗せられる直前の状態を示す図。(c)は基板の先端が吸排気ブロックで吸着された状態を示す図。(d)は基板の搬入が再開された状態を示す図。(e)は基板の搬入が終了し、基板の先端の吸着が解除された状態を示す図。
【図9】本発明に係る基板マクロ検査装置の基板の搬入から検査開始までの動作フローを示す図。
【図10】本発明に係る基板マクロ検査装置の検査ステージから搬送ラインコンベア側への基板の搬出の動作フローを示す図。
【図11】従来のマクロ検査装置と本発明のマクロ検査装置を設置した場合のライン長、ライン幅、所要設置面積を比較する図。(a)は従来のマクロ検査装置を設置した場合を示す図。(b)は本発明のマクロ検査装置を設置した場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
図5は本発明に係る基板マクロ検査装置が配置されるカラーフィルタ製造工程を示す図であり、上記図2に示すカラーフィルタ製造工程を基にしている。基板マクロ検査装置30が設置される例としてカラーフィルタの製造工程内の前工程(例えば、R画素、G画素、B画素の順に画素が形成された工程(C7))から次工程(例えば、透明電極成膜工程(C8))の間を搬送する搬送ラインの横に配置される。
【0020】
図6に本発明に係る基板マクロ検査装置の配置の一例を示す。図6は基板マクロ検査装置30は10台設置されている場合を示す。搬送ライン26から基板10を前記10台のいずれかの基板マクロ検査装置に搬入する際には、搬送ラインの搬送方向に対して直交する方向に搬送するために、例えばクロスコンベアが用いられる。
【0021】
基板マクロ検査装置30は人手による目視検査に要する1枚当たりの検査時間を考慮して、生産工程内の基板の整流化を保てるよう、適宜その台数を決定すれば良い。
【0022】
図7は本発明に係る基板マクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す概略図で、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)に示される線分ABで示される部分の断面を示す図、図7(c)は図7(b)の破線で囲まれた符号41−1及び41−2で示された部分を拡大した図である。
【0023】
本発明に係る基板マクロ検査装置に備えられた検査ステージ30aは、少なくとも基板10の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段である吸排気ブロック34−1及び34−2と、前記吸排気ブロック34−1及び34−2をスライドする手段であるスライダー34−1b及び34−2bと、前記基板端が吸排気ブロック34−1及び34−2によって吸着された基板をスライドする際には基板を浮上させ、スライドされた後には浮上を解除して吸着する浮上吸着手段である開口33aと、を有している。
【0024】
基板10の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段である吸排気ブロック34−1及び34−2は、吸排気孔34−1a及び34−2aが設けられており、図示しない真空ポンプに配管によって繋がれている。配管途中には2方向切り替えバルブが設けられており、吸気と排気が切り替えられ基板端の吸着と吸着解除が行われる。尚吸排気ブロック34−1及び34−2は矢印37で示す上下方向へも駆動可能な機構を備えている。
【0025】
吸排気ブロック34−1及び34−2をスライドする手段であるスライダー34−1b及び34−2bは、ステージ外枠31−1に設けられたスライド溝に沿って、矢印35及び36で示す方向にスライドする。
【0026】
基板端が吸排気ブロック34−1及び34−2によって吸着された基板10は、前記ステージ外枠31−1とは別のステージ外枠31−2に固定されたステージバー33に設けられた開口33aから吹き出されたエアーによって浮上された状態で矢印35、36で示される紙面右方向にスライドされる。スライドされた後にエアーの吹き出しは停止され、基板10の浮上は解除される。更に同じ開口33aからエアーが吸引され基板10は吸着される。このようにして、基板10は検査ステージ30aに保持される。開口33aは、図示しないエアー吹き出しポンプ及び真空ポンプに配管によって繋がれており、その配管途中はエアー吹き出しポンプまたは真空ポンプの配管路を切り替える2方向切り替えバルブが設けられており、基板10の浮上、または吸着の切り替えが行われる。
【0027】
図8は基板10を搬送ラインから検査ステージ30aへ搬入する動作を示す図で、図9は、搬入から検査開始までの動作フローを示す図である。図8(a)〜(e)の左端の図は正面から見た図、中央の図は側面から見た図、右端の図は検査ステージ搬入前の搬入ラインのコンベアの側面を示す図である。
【0028】
先ず、吸排気ブロックをスライドさせるスライダーは基板払い出しを行う搬送ラインのコンベア側へ移動し基板搬入準備を行う(図8(a)、(S1))。
【0029】
搬送コンベアと検査ステージ30aとのインターフェース制御によって、基板搬入を開始する。その際、搬送コンベアの搬送コロを回転させ、マクロ検査装置内に基板の先端が進入したところで、搬送コロを停止させる。この場合の進入長さは100mm〜200mm程度であって、基板の進入先端部が吸排気ブロックに乗せられれば良い(図8(b)、(S2))。
【0030】
進入させた基板の先端部の左右の裏面をマクロ検査装置の吸排気ブロックで吸着する(図8(c)、(S3))。
【0031】
再び、インターフェース制御によって搬送コロを回転させ、基板の搬入を再開する。その際、マクロ検査装置のステージバーに設けられた開口からエアーを吹き出し基板はエアー浮上され搬送される。吸排気ブロックをスライドさせるライダーは搬送コロの速度に合
わせて移動する(図8(d)、(S4))。
【0032】
基板の搬入が完了した時点で、吸排気ブロックは大気開放(又はエアーブローでも良い)によって吸着を解除し、下降する(図8(e)、(S5))。
【0033】
その後、ステージバーに設けられた開口からのエアーの吹き出しを止め浮上を解除し、その後、同じ開口からエアーを吸引して基板の吸着を開始する。この状態で基板は検査ステージに吸着保持される(S6)。
【0034】
基板を吸着保持した検査ステージは上下移動機構によって上方に移動され、更に回転機構によって回転され(S7)、基板は目視検査される(S8)。
【0035】
目視検査終了後、検査ステージは上下移動機構及び回転機構によって元の状態に戻され、基板の搬出が行われる。この場合の搬出動作は搬入時と逆動作となって、基板の払い出しを行う。
【0036】
図10に検査ステージから搬送ラインコンベア側への基板の搬出の動作フローを示す。
【0037】
基板搬出時は検査終了後(D1)、検査ステージが水平位置であることを認識した時点で、検査ステージに設けられた吸排気ブロック(このときの吸排気ブロックは基板搬出方向の後端にある)で基板を吸着する(D2)。その後、搬送ラインコンベア側のコロを回転させ、一方、検査ステージ側は開口によって基板を吸着解除から基板浮上に切り替えて、吸排気ブロックはスライダーによって搬送ラインコンベア側のコロの速度と同速度て移動する(D3)。基板が搬出完了手前の位置(基板受取時同様、基板先端100mm〜200mm位置)に来た時点で搬送コロを一時停止させ(D4)、吸排気ブロックの吸着を解除し下降する(D5)。その後、引き続き搬送ラインコンベア側のコロを回転させ、搬出は完了する。(D6)。
【0038】
図11は、従来の基板マクロ検査装置13と本発明の基板マクロ検査装置30を設置した場合のライン長、ライン幅、所要設置面積を示す図である。従来の基板マクロ検査装置13が4台対して1台のRBを設置した場合にRBの全体の面積に占める割合が46.4%を占めるため、例えば図11に示すように基板マクロ検査装置を12台設置した場合には、従来のRBによる基板マクロ検査装置13(図11(a))の場合と比較して、本発明によるエアー浮上、吸着による基板搬送を行う検査ステージを備えた基板マクロ検査装置30(図11(b)によれば、ライン長を13.5%短く、ライン幅を47.8%短く、所要設置面積を36.6%縮小することが可能となった。
【0039】
このように本発明による基板マクロ検査装置によれば、マクロ検査装置の検査ステージへの基板の搬入出を、従来行っていたRBによるのではなく、基板の一端を吸着し、更にエアー浮上、吸着によって基板の搬入出を行う検査ステージとすることによって、マクロ検査装置及びカラーフィルタ製造装置の設置スペースを大幅に抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1・・・カラーフィルタ
2・・・基板
3・・・ブラックマトリックス(BM)
4−1・・・レッドRの着色画素(R画素)
4−2・・・グリーンGの着色画素(G画素)
4−3・・・ブルーBの着色画素(B画素)
5・・・透明電極
6・・・フォトスペーサー(PS)
7・・・バーテイカルアライメント(VA)
10・・・基板
11・・・基板の搬送方向を示す矢印
12・・・製造工程の本線ライン
13・・・マクロ検査装置
14・・・ロボット(RB)
15−1、15−2・・・マクロ検査装置に基板を搬入出する方向を示す矢印
20・・・検査ステージ
21−1、21−2・・・ステージ外枠
22・・・ステージバー
23・・・吸着パット
24・・・検査ステージを見る方向を示す矢印
25・・・目視
26・・・搬送ライン
30・・・本発明の基板マクロ検査装置
30a・・・検査ステージ
31−1、31−2・・・ステージ外枠
33・・・ステージバー
33a・・・開口
34−1、34−2・・・吸排気ブロック
34−1a、34−2a・・・吸排気孔
34−1b、34−2b・・・スライダー
35、36・・・スライダーの移動方向を示す矢印
37・・・吸排気ブロックが駆動する方向を示す矢印
41−1、41−2・・・図7(b)の破線で囲まれた部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板の検査装置であって、更に詳しくは目視検査によるマクロ検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1はカラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図である。カラーフィルタ1は、ガラス基板2上にブラックマトリックス(以下、BM)3、レッドRの着色画素(以下、R画素)4−1、グリーンGの着色画素(以下、G画素)4−2、ブルーBの着色画素(以下、B画素)4−3、透明電極5、及びフォトスペーサー(Photo Spacer)(以下、PS)6、バーテイカルアライメント(Vertical Alignment)(以下、VA)7が順次形成されたものである。
【0003】
上記構造のカラーフィルタの製造方法は、フォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法が知られているが、図2は一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程を示すフロー図である。カラーフィルタは、先ず、ガラス基板(以下、基板)上にBMを形成処理する工程(C1)、基板を洗浄処理する工程(C2)、着色フォトレジストを塗布および予備乾燥処理する工程(C3)、着色フォトレジストを乾燥、硬化処理するプリベーク工程(C4)、露光処理する工程(C5)、現像処理する工程(C6)、着色フォトレジストを硬化処理する工程(C7)、透明電極を成膜処理する工程(C8)、PS、VAを形成処理する工程(C9)がこの順に行われ製造される。
【0004】
例えば、R画素、G画素、B画素の順に画素が形成される場合には、カラーフィルタ用基板を洗浄処理する工程(C2)から、着色フォトレジストを硬化処理する工程間(C7)ではレッドR、グリーンG、ブルーBの順に着色レジストを変更して3回繰り返されてR画素、G画素、B画素が形成される。
【0005】
製造されるカラーフィルタ基板には高い信頼性が必要であるが、上記のカラーフィルタの製造工程には非常に多くの工程があり、該製造工程の途中でカラー液晶表示装置の品質に悪影響を及ぼす各種の欠陥が発生する場合がある。カラーフィルタの製造工程で発生する欠陥として、着色材料等に混入している異物により液晶パネル面に突起部が形成される突起不良、現像時に除去された感光性樹脂の再付着や洗浄不良による汚れ、着色層や透明電極の形成面や裏面における基板の傷、BMが不均一である遮光膜不良等の欠陥等がある。
【0006】
上記欠陥が存在する恐れのあるカラーフィルタの検査には、一般的に、自動検査装置が使用される。しかしながら、自動検査ができない種類の欠陥が存在する場合や、欠陥の存在だけでなく欠陥によっては欠陥の状態までも検査する必要がある欠陥がある。このような場合には、人手によって直接検査するいわゆる目視によるマクロ検査を行っている。
【0007】
また、基板の大型化に伴い人手による目視検査に要する1枚当たりの検査時間も増加する。そのため、生産工程内の整流化を保てるよう、図3に示すような目視検査を目的とした複数のマクロ検査装置の配置が採用されている。
【0008】
図3に示すマクロ検査装置の配置では基板1が矢印11で示される方向に搬送される製造工程の本線ライン12に対して枝分かれさせ、複数台のマクロ検査装置13にロボット(以下、RB)14を介し、基板1を矢印15−1や15−2で示される方向に搬入出できるライン構成とするが一般的であり、基板はRBによって製造工程の本線ラインからマ
クロ検査装置の検査ステージに搬入、載置される。
【0009】
図4は従来から用いられているマクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す模式図である。図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)の矢印24の方向から見た側面図である。検査ステージ20は、21−1及び21−2から成るステージ外枠に櫛歯状に張り出したステージバー22が複数本設けられ、更に各ステージバー22には吸着パット23が等間隔に複数個設けられている。ステージバー22が櫛歯状になっているため、RBを用いて基板の搬入出が行える。RBによって搬入された基板1は図示しない真空装置に繋がれた吸着パット23上に載置された後、吸着される。
【0010】
基板1が吸着パッド23に吸着された後、図4(c)に示すように検査ステージ20は図示しない検査ステージ駆動装置によって、上下方向とΘ1、Θ2の方向に駆動され、その後、目視25によって検査される。先ず、上下移動機構によって上方に移動され、更にΘ1、Θ2の回転機構によって回転され、基板は目視検査される。目視検査終了後、検査ステージは元の状態に戻され、更にRBによって製造工程の本線ラインに搬出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−53125号公報
【特許文献2】特開2003−270155号公報
【特許文献3】特開2009−109621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記、従来のマクロ検査装置では、マクロ検査装置へ基板を搬入出する際にRBを用いた場合、RBの旋回、走行などの動作を行うための広い設置スペースが必要であった。
【0013】
そこで本発明は、設置スペースを抑制した検査ステージを備えたマクロ検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る発明は、基板を目視によって検査する場合に用いられるマクロ検査装置であって、
基板を搬送する搬送ラインの横に配置し、少なくとも、
基板の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段と、
前記基板端吸着及び吸着解除手段をスライドする手段と、
前記基板端が吸着された基板をスライドする際には浮上させ、スライドした後には浮上を解除し吸着する浮上吸着手段と、を有する検査ステージを備えたことを特徴とする基板マクロ検査装置である。
【0015】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の基板マクロ検査装置を搬送ラインに平行して多数配置したことを特徴とするカラーフィルタ製造装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の基板のマクロ検査装置によれば、マクロ検査装置の設置面積に占めるRB設置スペースを省略できるため、マクロ検査装置の設置面積を少なくことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図。
【図2】一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程のフロー図。
【図3】マクロ検査装置の配置の一例を示す図。
【図4】従来から用いられているマクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す模式図。(a)は上面図。(b)は(a)の矢印24の方向から見た側面図。(c)検査ステージ駆動装置によって、上下方向とΘ1、Θ2方向に駆動されることを示す図。
【図5】本発明に係る基板マクロ検査装置が配置されるカラーフィルタ製造工程を示す図
【図6】本発明に係る基板マクロ検査装置の配置の一例を示す図。
【図7】本発明に係る基板マクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す概略図(a)は平面図。(b)は(a)に示される線分ABで示される部分の断面を示す図。(c)は(b)の破線で囲まれた符号41−1及び41−2の部分を拡大した図。
【図8】本発明に係る基板マクロ検査装置において基板を搬送ラインから検査ステージへ搬入する動作を示す図。(a)は基板の搬入準備の状態を示す図。(b)は基板の先端が吸排気ブロックに乗せられる直前の状態を示す図。(c)は基板の先端が吸排気ブロックで吸着された状態を示す図。(d)は基板の搬入が再開された状態を示す図。(e)は基板の搬入が終了し、基板の先端の吸着が解除された状態を示す図。
【図9】本発明に係る基板マクロ検査装置の基板の搬入から検査開始までの動作フローを示す図。
【図10】本発明に係る基板マクロ検査装置の検査ステージから搬送ラインコンベア側への基板の搬出の動作フローを示す図。
【図11】従来のマクロ検査装置と本発明のマクロ検査装置を設置した場合のライン長、ライン幅、所要設置面積を比較する図。(a)は従来のマクロ検査装置を設置した場合を示す図。(b)は本発明のマクロ検査装置を設置した場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
図5は本発明に係る基板マクロ検査装置が配置されるカラーフィルタ製造工程を示す図であり、上記図2に示すカラーフィルタ製造工程を基にしている。基板マクロ検査装置30が設置される例としてカラーフィルタの製造工程内の前工程(例えば、R画素、G画素、B画素の順に画素が形成された工程(C7))から次工程(例えば、透明電極成膜工程(C8))の間を搬送する搬送ラインの横に配置される。
【0020】
図6に本発明に係る基板マクロ検査装置の配置の一例を示す。図6は基板マクロ検査装置30は10台設置されている場合を示す。搬送ライン26から基板10を前記10台のいずれかの基板マクロ検査装置に搬入する際には、搬送ラインの搬送方向に対して直交する方向に搬送するために、例えばクロスコンベアが用いられる。
【0021】
基板マクロ検査装置30は人手による目視検査に要する1枚当たりの検査時間を考慮して、生産工程内の基板の整流化を保てるよう、適宜その台数を決定すれば良い。
【0022】
図7は本発明に係る基板マクロ検査装置に備えられた検査ステージの一例を示す概略図で、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)に示される線分ABで示される部分の断面を示す図、図7(c)は図7(b)の破線で囲まれた符号41−1及び41−2で示された部分を拡大した図である。
【0023】
本発明に係る基板マクロ検査装置に備えられた検査ステージ30aは、少なくとも基板10の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段である吸排気ブロック34−1及び34−2と、前記吸排気ブロック34−1及び34−2をスライドする手段であるスライダー34−1b及び34−2bと、前記基板端が吸排気ブロック34−1及び34−2によって吸着された基板をスライドする際には基板を浮上させ、スライドされた後には浮上を解除して吸着する浮上吸着手段である開口33aと、を有している。
【0024】
基板10の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段である吸排気ブロック34−1及び34−2は、吸排気孔34−1a及び34−2aが設けられており、図示しない真空ポンプに配管によって繋がれている。配管途中には2方向切り替えバルブが設けられており、吸気と排気が切り替えられ基板端の吸着と吸着解除が行われる。尚吸排気ブロック34−1及び34−2は矢印37で示す上下方向へも駆動可能な機構を備えている。
【0025】
吸排気ブロック34−1及び34−2をスライドする手段であるスライダー34−1b及び34−2bは、ステージ外枠31−1に設けられたスライド溝に沿って、矢印35及び36で示す方向にスライドする。
【0026】
基板端が吸排気ブロック34−1及び34−2によって吸着された基板10は、前記ステージ外枠31−1とは別のステージ外枠31−2に固定されたステージバー33に設けられた開口33aから吹き出されたエアーによって浮上された状態で矢印35、36で示される紙面右方向にスライドされる。スライドされた後にエアーの吹き出しは停止され、基板10の浮上は解除される。更に同じ開口33aからエアーが吸引され基板10は吸着される。このようにして、基板10は検査ステージ30aに保持される。開口33aは、図示しないエアー吹き出しポンプ及び真空ポンプに配管によって繋がれており、その配管途中はエアー吹き出しポンプまたは真空ポンプの配管路を切り替える2方向切り替えバルブが設けられており、基板10の浮上、または吸着の切り替えが行われる。
【0027】
図8は基板10を搬送ラインから検査ステージ30aへ搬入する動作を示す図で、図9は、搬入から検査開始までの動作フローを示す図である。図8(a)〜(e)の左端の図は正面から見た図、中央の図は側面から見た図、右端の図は検査ステージ搬入前の搬入ラインのコンベアの側面を示す図である。
【0028】
先ず、吸排気ブロックをスライドさせるスライダーは基板払い出しを行う搬送ラインのコンベア側へ移動し基板搬入準備を行う(図8(a)、(S1))。
【0029】
搬送コンベアと検査ステージ30aとのインターフェース制御によって、基板搬入を開始する。その際、搬送コンベアの搬送コロを回転させ、マクロ検査装置内に基板の先端が進入したところで、搬送コロを停止させる。この場合の進入長さは100mm〜200mm程度であって、基板の進入先端部が吸排気ブロックに乗せられれば良い(図8(b)、(S2))。
【0030】
進入させた基板の先端部の左右の裏面をマクロ検査装置の吸排気ブロックで吸着する(図8(c)、(S3))。
【0031】
再び、インターフェース制御によって搬送コロを回転させ、基板の搬入を再開する。その際、マクロ検査装置のステージバーに設けられた開口からエアーを吹き出し基板はエアー浮上され搬送される。吸排気ブロックをスライドさせるライダーは搬送コロの速度に合
わせて移動する(図8(d)、(S4))。
【0032】
基板の搬入が完了した時点で、吸排気ブロックは大気開放(又はエアーブローでも良い)によって吸着を解除し、下降する(図8(e)、(S5))。
【0033】
その後、ステージバーに設けられた開口からのエアーの吹き出しを止め浮上を解除し、その後、同じ開口からエアーを吸引して基板の吸着を開始する。この状態で基板は検査ステージに吸着保持される(S6)。
【0034】
基板を吸着保持した検査ステージは上下移動機構によって上方に移動され、更に回転機構によって回転され(S7)、基板は目視検査される(S8)。
【0035】
目視検査終了後、検査ステージは上下移動機構及び回転機構によって元の状態に戻され、基板の搬出が行われる。この場合の搬出動作は搬入時と逆動作となって、基板の払い出しを行う。
【0036】
図10に検査ステージから搬送ラインコンベア側への基板の搬出の動作フローを示す。
【0037】
基板搬出時は検査終了後(D1)、検査ステージが水平位置であることを認識した時点で、検査ステージに設けられた吸排気ブロック(このときの吸排気ブロックは基板搬出方向の後端にある)で基板を吸着する(D2)。その後、搬送ラインコンベア側のコロを回転させ、一方、検査ステージ側は開口によって基板を吸着解除から基板浮上に切り替えて、吸排気ブロックはスライダーによって搬送ラインコンベア側のコロの速度と同速度て移動する(D3)。基板が搬出完了手前の位置(基板受取時同様、基板先端100mm〜200mm位置)に来た時点で搬送コロを一時停止させ(D4)、吸排気ブロックの吸着を解除し下降する(D5)。その後、引き続き搬送ラインコンベア側のコロを回転させ、搬出は完了する。(D6)。
【0038】
図11は、従来の基板マクロ検査装置13と本発明の基板マクロ検査装置30を設置した場合のライン長、ライン幅、所要設置面積を示す図である。従来の基板マクロ検査装置13が4台対して1台のRBを設置した場合にRBの全体の面積に占める割合が46.4%を占めるため、例えば図11に示すように基板マクロ検査装置を12台設置した場合には、従来のRBによる基板マクロ検査装置13(図11(a))の場合と比較して、本発明によるエアー浮上、吸着による基板搬送を行う検査ステージを備えた基板マクロ検査装置30(図11(b)によれば、ライン長を13.5%短く、ライン幅を47.8%短く、所要設置面積を36.6%縮小することが可能となった。
【0039】
このように本発明による基板マクロ検査装置によれば、マクロ検査装置の検査ステージへの基板の搬入出を、従来行っていたRBによるのではなく、基板の一端を吸着し、更にエアー浮上、吸着によって基板の搬入出を行う検査ステージとすることによって、マクロ検査装置及びカラーフィルタ製造装置の設置スペースを大幅に抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1・・・カラーフィルタ
2・・・基板
3・・・ブラックマトリックス(BM)
4−1・・・レッドRの着色画素(R画素)
4−2・・・グリーンGの着色画素(G画素)
4−3・・・ブルーBの着色画素(B画素)
5・・・透明電極
6・・・フォトスペーサー(PS)
7・・・バーテイカルアライメント(VA)
10・・・基板
11・・・基板の搬送方向を示す矢印
12・・・製造工程の本線ライン
13・・・マクロ検査装置
14・・・ロボット(RB)
15−1、15−2・・・マクロ検査装置に基板を搬入出する方向を示す矢印
20・・・検査ステージ
21−1、21−2・・・ステージ外枠
22・・・ステージバー
23・・・吸着パット
24・・・検査ステージを見る方向を示す矢印
25・・・目視
26・・・搬送ライン
30・・・本発明の基板マクロ検査装置
30a・・・検査ステージ
31−1、31−2・・・ステージ外枠
33・・・ステージバー
33a・・・開口
34−1、34−2・・・吸排気ブロック
34−1a、34−2a・・・吸排気孔
34−1b、34−2b・・・スライダー
35、36・・・スライダーの移動方向を示す矢印
37・・・吸排気ブロックが駆動する方向を示す矢印
41−1、41−2・・・図7(b)の破線で囲まれた部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を目視によって検査する場合に用いられるマクロ検査装置であって、
基板を搬送する搬送ラインの横に配置し、少なくとも、
基板の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段と、
前記基板端吸着及び吸着解除手段をスライドする手段と、
前記基板端が吸着された基板をスライドする際には浮上させ、スライドした後には浮上を解除し吸着する浮上吸着手段と、を有する検査ステージを備えたことを特徴とする基板マクロ検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の基板マクロ検査装置を搬送ラインに平行して多数配置したことを特徴とするカラーフィルタ製造装置。
【請求項1】
基板を目視によって検査する場合に用いられるマクロ検査装置であって、
基板を搬送する搬送ラインの横に配置し、少なくとも、
基板の1つの基板端を吸着及び吸着解除する基板端吸着及び吸着解除手段と、
前記基板端吸着及び吸着解除手段をスライドする手段と、
前記基板端が吸着された基板をスライドする際には浮上させ、スライドした後には浮上を解除し吸着する浮上吸着手段と、を有する検査ステージを備えたことを特徴とする基板マクロ検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の基板マクロ検査装置を搬送ラインに平行して多数配置したことを特徴とするカラーフィルタ製造装置。
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図1】
【図4】
【図7】
【図8】
【図11】
【図3】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図1】
【図4】
【図7】
【図8】
【図11】
【公開番号】特開2012−107976(P2012−107976A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256657(P2010−256657)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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