基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法
【課題】簡単かつ十分に基板位置検出センサの清掃を行うことができる基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法を提供することを目的とする。
【解決手段】センサ清掃治具40が、部品3が実装される基板2の搬送及び位置決めを行う基板搬送路12によって搬送されるベース部41と、ベース部41に設けられ、基板搬送路12によって搬送されるベース部41が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときに投光器30a及び受光器30bに接触するブラシ部材43を備える。
【解決手段】センサ清掃治具40が、部品3が実装される基板2の搬送及び位置決めを行う基板搬送路12によって搬送されるベース部41と、ベース部41に設けられ、基板搬送路12によって搬送されるベース部41が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときに投光器30a及び受光器30bに接触するブラシ部材43を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装機等の部品実装用装置に備えられた基板搬送路によって搬送される基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装機等の部品実装用装置は、作業対象とする基板の搬送及び位置決めを行うための基板搬送路を備えている。この基板搬送路は通常、平行に配置された一対のベルトコンベアから成り、基板の両端を下方から支持した状態で基板の搬送を行う。このような基板搬送路には、搬送している基板が所定の位置に到達した状態を検出するための基板位置検出センサが設けられており、この基板位置検出センサによって検出される情報に基づいて、基板の搬送速度の切り替え制御や搬送停止制御等が行われるようになっている。
【0003】
基板位置検出センサは、基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器とその一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器は、基板搬送路による基板の搬送方向と直交する水平方向に検査光を投光し、受光器は投光器が投光する光を受光する。そして、受光器は、投光器が投光する光を受光しており、受光光量が予め定められた閾値を上回っている状態では受光信号を出力し、投光器が投光する光を受光しておらず、受光光量が閾値を下回っている状態では受光信号を出力しないようになっている。ここで、検査光が基板によって遮られていない状態では受光器の受光光量が閾値を上回り、検査光が基板によって遮られている状態では受光器の受光光量は閾値を下回るように閾値を設定することにより、受光器から受光信号が出力されているか否かに基づいて、基板が所定の位置(基板の先頭部が検査光を横切る位置)に到達した状態となっているかどうかの検出を行うことができる(特許文献1)。
【0004】
このように基板位置検出センサを用いた基板の位置検出は、基板位置検出センサの受光器が受光する光の光量の大きさに基づいて行われることから、検査光が基板によって遮られていない状態では受光器の受光光量が不足状態(光量が閾値を下回る状態)とならないようにする必要がある。このため従来、部品実装機等を取り扱うオペレータは、定期的に手作業で基板位置検出センサ(投光器及び受光器)の清掃を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−43954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、部品実装用装置の内部の基板搬送路に組み込まれた基板位置検出センサを手作業で清掃を行うことは面倒であるうえ、基板位置検出センサは微小でしかもオペレータからは見えにくい位置に設けられていることから十分な清掃を行うことができず、投光器若しくは受光器に付着したごみ等によって投光或いは受光する検査光の光量が減少し、基板位置検出センサによる正常な基板の位置の検出を行うことができない場合があるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、簡単かつ十分に基板位置検出センサの清掃を行うことができる基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、基板搬送路によって搬送されるベース部と、ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器に接触するブラシ部材とを備えた。
【0009】
請求項2に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、請求項1に記載の基板位置検出センサの清掃治具であって、ブラシ部材が投光器及び受光器に接触した状態でブラシ部材を回転又は振動させるブラシ駆動手段を備えた。
【0010】
請求項3に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、基板搬送路によって搬送されるベース部と、ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器にエアを吹き付けるエア吹き付け手段とを備えた。
【0011】
請求項4に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、請求項1乃至3の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃治具であって、ベース部材の両側端部それぞれに上下方向に貫通した切り欠きが設けられた。
【0012】
請求項5に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路によって搬送されるベース部にブラシ部材を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにブラシ部材が投光器及び受光器に接触して投光器及び受光器が清掃されるようにした。
【0013】
請求項6に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、請求項5に記載の基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてブラシ部材により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度ブラシ部材によって清掃されるようにした。
【0014】
請求項7に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路によって搬送されるベース部にエア吹き付け手段を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにエア吹き付け手段が投光器及び受光器にエアを吹き付けて投光器及び受光器が清掃されるようにした。
【0015】
請求項8に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、請求項7に記載の基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてエア吹き付け手段により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度エア吹き付け手段によって清掃されるようにした。
【0016】
請求項9に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、請求項5乃至8の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路によって搬送される基板位置検出センサの清掃治具のベース部の進行方向の先頭部が基板位置検出センサの検査光を横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送速度を低下させるようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、ベース部にブラシ部材が設けられた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路によって搬送させ、ベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにブラシ部材が投光器及び受光器に接触するようにして基板位置検出センサの清掃を行うようになっており、或いは、ベース部にエア吹き付け手段が設けられた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路によって搬送させ、ベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにエア吹き付け手段が投光器及び受光器にエアを吹き付けるようにして基板位置検出センサの清掃を行うようになっているので、簡単かつ十分に基板位置検出センサの清掃を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における部品実装機の平面図
【図2】本発明の実施の形態1における部品実装機の側面図
【図3】本発明の実施の形態1における部品実装機が備える基板搬送路及び装着ヘッドの斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における部品実装機の制御系統を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1における基板搬送路の平面図
【図6】本発明の実施の形態1における基板搬送路の側面図
【図7】本発明の実施の形態1における基板搬送路及びセンサ清掃治具の斜視図
【図8】本発明の実施の形態1における基板搬送路及びセンサ清掃治具の部分平面図
【図9】本発明の実施の形態2における基板搬送路及びセンサ清掃治具の斜視図
【図10】本発明の実施の形態2における基板搬送路及びセンサ清掃治具の部分平面図
【図11】(a)(b)(c)本発明の実施の形態2における基板搬送路及びセンサ清掃治具の部分平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1及び図2に示す部品実装機1は、基板2に部品(電子部品)3を実装する部品実装用の作業を行う部品実装用装置のひとつであり、図示しない上流工程側の装置(例えば半田印刷機や他の部品実装機)から送られてきた基板2の搬入及び位置決め、位置決めした基板2の電極2a上への部品3の装着及び部品3を装着した基板2の下流工程側の装置(例えば他の部品実装機や検査機、リフロー炉等)への搬出から成る一連の動作を繰り返し実行する。以下、説明の便宜上、部品実装機1において基板2を搬送する方向(図1の紙面左右方向)をX軸方向とし、X軸方向と直交する水平面内方向(図1の紙面上下方向)をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。更にY軸方向を前後方向とし、前後方向のうち、図示しないオペレータが作業を行う側(図1の紙面下側)を前方、その反対側を後方とする。
【0020】
図1及び図2において、部品実装機1は基台11上にX軸方向に延びた基板搬送路12を備えている。基板搬送路12は基台11上でX軸方向に延びるとともにY軸方向に対向した2つの搬送路支持部材13の内側に支持された一対のベルトコンベア12aから成り、上流工程側の他の装置から搬出された基板2を受け取って搬送(搬入)し、その基板2を所定の作業位置(図1に示す位置)に位置決めする。
【0021】
図1及び図2において、基台11上には部品3の供給を行う部品供給部としての複数のテープフィーダ14が設けられている。各テープフィーダ14は多数の部品3を収納したテープ部材(図示せず)の送り動作を行い、基板搬送路12側の端部に設けられた部品供給口14aに部品3をひとつずつ供給する。
【0022】
基台11上にはXYロボットであるヘッド移動ロボット15が設けられている。ヘッド移動ロボット15はY軸方向に延びて設けられたY軸テーブル15a、X軸方向に延びて一端がY軸テーブル15aに支持され、Y軸テーブル15aに沿って(すなわちY軸方向に)移動自在に設けられた2つのX軸テーブル15b及び各X軸テーブル15bに沿って(すなわちX軸方向に)移動自在に設けられた2つの(前後の)移動ステージ15cから成る。
【0023】
図1及び図2において、前方の移動ステージ15cと後方の移動ステージ15cのそれぞれには装着ヘッド16が取り付けられている。各装着ヘッド16は、Y軸テーブル15aに対する各X軸テーブル15bのY軸方向への移動及び各X軸テーブル15bに対する各移動ステージ15cのX軸方向への移動を組み合わせることによって互いに独立して水平面内で移動させることができる。
【0024】
図2及び図3において、各装着ヘッド16には下方に突出して延びた吸着ノズル17が上下方向に移動自在及び上下軸回りに回転自在に設けられている。吸着ノズル17はテープフィーダ14が部品供給口14aに供給する部品3を真空吸着してピックアップした後、そのピックアップした部品3を基板2上の電極2aに対応する目標装着位置で離脱させて(真空吸着を解除して)部品3を基板2上に装着する部品装着動作を繰り返し実行する。
【0025】
図1、図2及び図3において、各装着ヘッド16には撮像視野を下方に向けた基板カメラ18が設けられており、基台11上の基板搬送路12の前後両側のそれぞれの位置には撮像視野を上方に向けた部品カメラ19が設けられている。
【0026】
基板カメラ18は基板搬送路12によって基板2を位置決めしたとき、基板2上に設けられた基板マーク2m(図1)を上方から撮像する。部品カメラ19は、吸着ノズル17に吸着された部品3が部品カメラ19の上方を通過するように装着ヘッド16が移動されたとき、部品3を下方から撮像する。
【0027】
基板搬送路12による基板2の搬送及び位置決め動作は、基台11内に設けられた制御装置20(図2及び図4)が基板搬送路駆動機構21(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0028】
各テープフィーダ14による部品3の供給動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るテープフィーダ駆動機構22(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0029】
ヘッド移動ロボット15による各装着ヘッド16の水平面内での移動動作は、制御装置20がヘッド移動ロボット駆動機構23(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0030】
各装着ヘッド16が備える吸着ノズル17の上下方向への移動動作(昇降動作)及び上下軸回りの回転動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成る吸着ノズル昇降機構24(図4)の作動制御を行うことによってなされ、各吸着ノズル17による部品3の吸着及びその解除動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成る吸着機構25(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0031】
各装着ヘッド16に備えられた2つの基板カメラ18による撮像動作と基台11上に設けられた2つの部品カメラ19による撮像動作は制御装置20によって制御される(図4)。2つの基板カメラ18の撮像動作と2つの部品カメラ19の撮像動作によって得られた画像はそれぞれ制御装置20に送信され、制御装置20の画像認識部20a(図4)において画像認識される。
【0032】
図1及び図3において、基板搬送路12を両側から支持する一対の搬送路支持部材13には基板位置検出センサ30が設けられている。この基板位置検出センサ30は、一方の搬送路支持部材13に設けられた投光器30aと、他方の搬送路支持部材13に設けられた受光器30bから成る。図3、図5及び図6に示すように、一対の搬送路支持部材13のそれぞれには幅方向(Y軸方向)に貫通したセンサ取り付け孔13aが設けられており、投光器30a及び受光器30bは、各センサ取り付け孔13aを搬送路支持部材13の外側から塞ぐ位置に設けられたセンサ取り付け部材13bに取り付けられている。
【0033】
投光器30aは基板搬送路12による基板2の搬送方向(X軸方向)と直交する水平方向(Y軸方向)に検査光Lを投光し、受光器30bは投光器30aが投光する検査光Lを受光する。受光器30bは受光した光の光量が予め定められた閾値を上回っている状態において受光信号を出力する。投光器30aが行う投光動作は制御装置20によって制御され(図4)、受光器30bが出力する受光信号は制御装置20に入力される(図4)。
【0034】
検査光Lが基板2によって遮られている状態での受光器30bの光の受光光量は、検査光Lが基板2によって遮られていないでの受光器30bの光の受光光量よりも小さくなる。このため受光器30bは投光器30aから投光される検査光Lが基板2によって遮られていない状態では制御装置20に受光信号を出力するが、投光器30aから投光される検査光Lが基板2によって遮られている状態では制御装置20に受光信号を出力しない。したがって制御装置20は、受光器30bから受光信号が出力されているときには検査光Lが基板2によって遮られた状態になっていると判断し、受光器30bから受光信号が出力されていないときには検査光Lが基板2によって遮られた状態になっていないと判断する。
【0035】
ここで、投光器30aは、基板搬送路12によって搬送される基板2が作業位置に位置したときに基板2の進行方向の先頭部によって検査光Lが横切られることになる位置に設けられており、受光器30bは投光器30aが投光する検査光Lを受光し得る位置に設けられている。このため、基板搬送路12によって搬送される基板2(図5中に示す矢印A)が作業位置に到達したときには、受光器30bから出力されていた受光信号が出力されなくなるので、制御装置20はこのことをもって、基板2が作業位置に位置した(到達した)と判断する。
【0036】
すなわち本実施の形態1において、基板位置検出センサ30は、部品3が実装される基板2の搬送及び位置決めを行う基板搬送路12を両側から支持する一対の搬送路支持部材13の一方に設けられた投光器30a及び一対の搬送路支持部材13の他方に設けられた受光器30bから成り、投光器30aが受光器30bに向けて投光する検査光Lを基板搬送路12によって搬送される基板2が遮った状態を検知して基板2の位置の検出を行うものとなっている。
【0037】
図4において、部品実装機1の制御装置20はプログラム記憶部20bを有しており、このプログラム記憶部20bには基板2上の各目標装着位置の座標データ及び各目標装着位置への部品3の装着手順が記録された部品装着作業プログラムが記憶されている。制御装置20は、プログラム記憶部20bから部品装着作業プログラムを読み出し、部品装着作業プログラムに記録された目標装着位置の座標データに基づいて、各目標装着位置への部品3の装着作業を実行する。
【0038】
基板2上への部品3の装着作業では、制御装置20は先ず、上流工程側の装置から搬出された基板2を基板搬送路12によって受け取って搬送(搬入)し、作業位置に位置決めする。この基板2の作業位置への位置決めでは、制御装置20は、受光器30bが受光信号を出力する状態から受光信号を出力しない状態に切り替わったことを検知したときに、基板2の進行方向の先頭部が検査光Lを横切った(すなわち基板2が作業位置に到達した)と判断し、基板搬送路12による基板2の搬送動作を停止させる。
【0039】
制御装置20は、基板2の位置決めを行ったら、プログラム記憶部20bからひとつの目標装着位置の座標データを読み出し、装着ヘッド16をテープフィーダ14の上方に移動させて吸着ノズル17にテープフィーダ14から供給される部品3を吸着させる。そして、装着ヘッド16を移動させて吸着ノズル17に吸着させた部品3が部品カメラ19の上方を通過するようにして部品カメラ19に各部品3の撮像を行わせ、得られた部品3の画像に基づく画像認識を行うことによって、各部品3の吸着ノズル17に対する位置ずれ(吸着ずれ)を算出する。
【0040】
制御装置20は、各部品3の吸着ノズル17に対する位置ずれを算出したら、目標装着位置の上方に吸着ノズル17が位置するように装着ヘッド16を移動させ、吸着ノズル17を下降させつつ吸着ノズル17から部品3を離脱させることによって、目標装着位置に部品3を装着する。
【0041】
ここで制御装置20は、部品3を基板2に装着するときには、基板2の位置決め時に求めた基板2の位置ずれと、部品3の画像認識時に求めた部品3の吸着ずれが修正されるように、基板2に対する吸着ノズル17の位置補正(回転補正を含む)を行う。
【0042】
次に、上記構成の部品実装機1において、投光器30a及び受光器30bから成る基板位置検出センサ30の清掃を行う基板位置検出センサ30の清掃方法について説明する。この基板位置検出センサ30の清掃において用いられるセンサ清掃治具40(基板位置検出センサ30の清掃治具)は、搬送路支持部材13のセンサ取り付け孔13a内に設けられた投光器30a及び受光器30bそれぞれに付着したごみ等を効率よく除去できるようになっているものであり、基板搬送路12によって搬送される板部材状のベース部41上にブラシ取り付け部42を有し、そのブラシ取り付け部42にブラシ部材43が設けられた構成となっている。
【0043】
本実施の形態1におけるセンサ清掃治具40では、ブラシ部材43は、図7に示すように、基板搬送路12によって搬送されるベース部41の進行方向(X軸方向)に直交する水平面内方向(Y軸方向)の両側それぞれに複数ずつ(ここでは片側3個ずつ)設けられており、各ブラシ部材43はそれぞれ先端の毛状部分がベース部41の進行方向に直交する水平面内方向(Y軸方向)の外方に突出するように延びた状態で設けられている。また、ベース部41のY軸方向の両側端部のそれぞれには、図7に示すように、上下方向に貫通した切り欠き41aが設けられている。
【0044】
このような構成のセンサ清掃治具40を用いて基板位置検出センサ30(投光器30a及び受光器30b)の清掃を行うには、部品実装機1による部品実装作業を実行しないメンテナンスの時間帯等において、センサ清掃治具40を基板搬送路12によって搬送させる。これにより各ブラシ部材43が搬送路支持部材13に対して相対移動し、ベース部41が投光器30a及び受光器30bの間の位置を通過するときに、搬送路支持部材13に設けられたセンサ取り付け孔13a内に各ブラシ部材43の先端の毛状部分が入り込んで投光器30a及び受光器30bに接触し(図8)、投光器30a及び受光器30bに付着したごみ等が払い落とされる。
【0045】
すなわち本実施の形態1におけるセンサ清掃治具40は、基板搬送路12によって搬送されるベース部41、ベース部41に設けられ、基板搬送路12によって搬送されるベース部41が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときに投光器30a及び受光器30bに接触するブラシ部材43を備えたものであり、このセンサ清掃治具40を用いた基板位置検出センサ30の清掃方法は、センサ清掃治具40を基板搬送路12に搬送させ、基板搬送路12によって搬送されるベース部41が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときにブラシ部材43が投光器30a及び受光器30bに接触して投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにしたものである。これにより、簡単かつ十分に基板位置検出センサ30の清掃を行うことができる。
【0046】
ここで、前述したように、ベース部41のY軸方向の両側端部のそれぞれには上下方向に貫通した切り欠き41aが設けられており、投光器30a及び受光器30bから除去したごみ等をベース部41の下方に落下させることができるので、除去したごみ等がベース部41上に溜まり、これが投光器30a及び受光器30bに再度付着してしまうことを防止することができる。
【0047】
なお、ここでは各ブラシ部材43はベース部41に対して固定されたものであったが、各ブラシ部材43がベース部41の進行方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に延びる軸(ブラシ軸とする)回りへの回転移動又はブラシ軸を中心とする左右又は上下方向への往復移動自在に設けられており、ブラシ取り付け部42内に設けた図示しないモータ等を含むブラシ駆動部44(ブラシ駆動手段)によってブラシ部材43を回転又は往復移動(振動)させるようにして、投光器30a及び受光器30bに付着したごみ等が効率よく除去されるようにしてもよい。
【0048】
また、本実施の形態1では、基板搬送路12にセンサ清掃治具40を搬送させてブラシ部材43により投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにした後、基板2の進行方向の後尾部が検査光Lを横切ったことを検知したときに、制御装置20が基板搬送路12によるセンサ清掃治具40の搬送方向を逆転させることにより、投光器30a及び受光器30bが再度ブラシ部材43よって清掃されるようになっている。これにより基板位置検出センサ30がセンサ清掃治具40によって繰り返し清掃され、基板位置検出センサ30に付着したごみ等が確実に除去される。
【0049】
また、基板搬送路12によって搬送されるセンサ清掃治具40のベース部41の進行方向の先頭部が基板位置検出センサ30の検査光Lを横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路12によるセンサ清掃治具40の搬送速度を低下させるようにしてもよい。これにより、センサ清掃治具40によって基板位置検出センサ30の清掃がなされるときの基板位置検出センサ30に対するセンサ清掃治具40の(すなわち基板位置検出センサ30に対するブラシ部材43の)相対移動速度を低速に保持しつつ、センサ清掃治具40による基板位置検出センサ30の清掃が開始されるまでの基板搬送路12によるセンサ清掃治具40の移動速度を増大させてセンサ清掃治具40の移動に要する時間を短縮することができる。
【0050】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2における部品実装機1の構成は実施の形態1におけるものと全く同様であり、センサ清掃治具の構成のみが異なる。
【0051】
実施の形態2におけるセンサ清掃治具50は、図9に示すように、基板搬送路12によって搬送される板部材状のベース部51上にノズル取り付け部52を有し、そのノズル取り付け部52にエア吹き付けノズル53が設けられた構成となっている。ノズル取り付け部52内にはエアが貯留されており、エア吹き付けノズル53からエアを吹き出させる駆動源はノズル取り付け部52内に設けられている。
【0052】
このような構成のセンサ清掃治具50を用いて基板位置検出センサ30(投光器30a及び受光器30b)の清掃を行うには、部品実装機1による部品実装作業を実行しないメンテナンスの時間帯等において、エア吹き付けノズル53からエアを吹き出させた状態でセンサ清掃治具50を基板搬送路12によって搬送させる。これによりベース部51が投光器30a及び受光器30bの間の位置を通過するときに、搬送路支持部材13に設けられたセンサ取り付け孔13a内にエア吹き付けノズル53から吐出されるエアAirが投光器30a及び受光器30bに吹き付けられ(図10)、投光器30a及び受光器30bに付着したごみ等が吹き落とされる。
【0053】
すなわち実施の形態2におけるセンサ清掃治具50は、基板搬送路12によって搬送されるベース部51、ベース部51に設けられ、基板搬送路12によって搬送されるベース部51が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときに投光器30a及び受光器30bにエアAirを吹き付けるエア吹き付け手段であるエア吹き付けノズル53を備えたものであり、このセンサ清掃治具50を用いた基板位置検出センサ30の清掃方法は、センサ清掃治具50を基板搬送路12に搬送させ、基板搬送路12によって搬送されるベース部51が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときにエア吹き付けノズル53が投光器30a及び受光器30bにエアAirを吹き付けて投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにしたものである。これにより実施の形態1の場合と同様、簡単かつ十分に基板位置検出センサ30の清掃を行うことができる。
【0054】
この実施の形態2におけるセンサ清掃治具50では、図10に示すように、実施の形態1におけるセンサ清掃治具40の場合と同様に、ベース部51のY軸方向の両側端部のそれぞれに上下方向に貫通した切り欠き51aが設けられており、投光器30a及び受光器30bから除去したごみ等をベース部51の下方に落下させることができるので、除去したごみ等がベース部51上に溜まり、これが投光器30a及び受光器30bに再度付着してしまうことを防止することができる。
【0055】
この実施の形態2では、図11に示すように、片側3個のエア吹き付けノズル53から吹き出させるエアAirの向きを、ベース部51の進行方向(図11中に示す矢印A)の先頭部(図11の紙面右側)から順に、ベース部51の進行方向と直交する方向(Y軸方向)に対してベース部51の進行方向の前方に傾いた方向、平行な方向(同方向)、ベース部51の進行方向の後方に傾いた方向とすることにより、投光器30a及び受光器30bに対し、基板位置検出センサ30のベース部51の進行方向の前方側の隅(図11(a))、基板位置検出センサ30の中央部(図11(b))、基板位置検出センサ30のベース部51の進行方向の後方側の隅(図11(c))の順に基板位置検出センサ30の清掃を行うことができる。基板位置検出センサ30にはその中央部だけでなく、ベース部51の進行方向の前方及び後方側の両隅においてもごみ等が溜まり易いが、複数のエア吹き付けノズル53をこのように配置することで、基板位置検出センサ30の全体を清掃することができる。
【0056】
また、この実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様、基板搬送路12にセンサ清掃治具50を搬送させてエア吹き付けノズル53により投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにした後、基板2の進行方向の後尾部が検査光Lを横切ったことを検知したときに、制御装置20が基板搬送路12によるセンサ清掃治具50の搬送方向を逆転させることにより、投光器30a及び受光器30bが再度エア吹き付けノズル53よって清掃されるようにすることができる。これにより基板位置検出センサ30がセンサ清掃治具50によって繰り返し清掃され、基板位置検出センサ30に付着したごみ等が確実に除去される。
【0057】
また、実施の形態1の場合と同様に、基板搬送路12によって搬送されるセンサ清掃治具50のベース部51の進行方向の先頭部が基板位置検出センサ30の検査光Lを横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路12によるセンサ清掃治具50の搬送速度を低下させるようにしてもよい。これにより、センサ清掃治具50によって基板位置検出センサ30の清掃がなされるときの基板位置検出センサ30に対するセンサ清掃治具50の(すなわち基板位置検出センサ30に対するエア吹き付けノズル53の)相対移動速度を低速に保持しつつ、センサ清掃治具50による基板位置検出センサ30の清掃が開始されるまでの基板搬送路12によるセンサ清掃治具50の移動速度を増大させてセンサ清掃治具50の移動に要する時間を短縮することができる。
【0058】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態1では、ブラシ部材43は、基板搬送路12によって搬送されるベース部51の進行方向(X軸方向)に直交する水平面内方向(Y軸方向)の両側それぞれに3個ずつ設けられたものとなっていたが、これは一例に過ぎず、ブラシ部材43はベース部41の両側に少なくとも1個ずつ設けられていればよく、その数は限定されない。また同様に、上述の実施の形態2では、エア吹き付けノズル53は、基板搬送路12によって搬送されるベース部51の進行方向(X軸方向)に直交する水平面内方向(Y軸方向)の両側それぞれに3個ずつ設けられたものとなっていなが、これは一例に過ぎず、エア吹き付けノズル53はベース部41の両側に少なくとも1個ずつ設けられていればよく、その数は限定されない。
【0059】
なお、本実施の形態では、センサ清掃治具40による清掃対象として部品実装機1に備えられた基板搬送路12の基板位置検出センサ30を例示したが、部品実装機1に限らず、半田印刷機や検査機、リフロー炉等の他の部品実装用装置に備えられた基板搬送路の基板位置検出センサを対象として清掃を行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
簡単かつ十分に基板位置検出センサの清掃を行うことができる基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法を提供する。
【符号の説明】
【0061】
2 基板
3 部品
12 基板搬送路
13 搬送路支持部材
30 基板位置検出センサ
30a 投光器
30b 受光器
40 センサ清掃治具(基板位置検出センサの清掃治具)
41 ベース部
41a 切り欠き
43 ブラシ部材
44 ブラシ駆動部(ブラシ駆動手段)
50 センサ清掃治具(基板位置検出センサの清掃治具)
51 ベース部
51a 切り欠き
53 エア吹き付けノズル(エア吹き付け手段)
L 検査光
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装機等の部品実装用装置に備えられた基板搬送路によって搬送される基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装機等の部品実装用装置は、作業対象とする基板の搬送及び位置決めを行うための基板搬送路を備えている。この基板搬送路は通常、平行に配置された一対のベルトコンベアから成り、基板の両端を下方から支持した状態で基板の搬送を行う。このような基板搬送路には、搬送している基板が所定の位置に到達した状態を検出するための基板位置検出センサが設けられており、この基板位置検出センサによって検出される情報に基づいて、基板の搬送速度の切り替え制御や搬送停止制御等が行われるようになっている。
【0003】
基板位置検出センサは、基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器とその一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器は、基板搬送路による基板の搬送方向と直交する水平方向に検査光を投光し、受光器は投光器が投光する光を受光する。そして、受光器は、投光器が投光する光を受光しており、受光光量が予め定められた閾値を上回っている状態では受光信号を出力し、投光器が投光する光を受光しておらず、受光光量が閾値を下回っている状態では受光信号を出力しないようになっている。ここで、検査光が基板によって遮られていない状態では受光器の受光光量が閾値を上回り、検査光が基板によって遮られている状態では受光器の受光光量は閾値を下回るように閾値を設定することにより、受光器から受光信号が出力されているか否かに基づいて、基板が所定の位置(基板の先頭部が検査光を横切る位置)に到達した状態となっているかどうかの検出を行うことができる(特許文献1)。
【0004】
このように基板位置検出センサを用いた基板の位置検出は、基板位置検出センサの受光器が受光する光の光量の大きさに基づいて行われることから、検査光が基板によって遮られていない状態では受光器の受光光量が不足状態(光量が閾値を下回る状態)とならないようにする必要がある。このため従来、部品実装機等を取り扱うオペレータは、定期的に手作業で基板位置検出センサ(投光器及び受光器)の清掃を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−43954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、部品実装用装置の内部の基板搬送路に組み込まれた基板位置検出センサを手作業で清掃を行うことは面倒であるうえ、基板位置検出センサは微小でしかもオペレータからは見えにくい位置に設けられていることから十分な清掃を行うことができず、投光器若しくは受光器に付着したごみ等によって投光或いは受光する検査光の光量が減少し、基板位置検出センサによる正常な基板の位置の検出を行うことができない場合があるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、簡単かつ十分に基板位置検出センサの清掃を行うことができる基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、基板搬送路によって搬送されるベース部と、ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器に接触するブラシ部材とを備えた。
【0009】
請求項2に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、請求項1に記載の基板位置検出センサの清掃治具であって、ブラシ部材が投光器及び受光器に接触した状態でブラシ部材を回転又は振動させるブラシ駆動手段を備えた。
【0010】
請求項3に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、基板搬送路によって搬送されるベース部と、ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器にエアを吹き付けるエア吹き付け手段とを備えた。
【0011】
請求項4に記載の基板位置検出センサの清掃治具は、請求項1乃至3の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃治具であって、ベース部材の両側端部それぞれに上下方向に貫通した切り欠きが設けられた。
【0012】
請求項5に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路によって搬送されるベース部にブラシ部材を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにブラシ部材が投光器及び受光器に接触して投光器及び受光器が清掃されるようにした。
【0013】
請求項6に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、請求項5に記載の基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてブラシ部材により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度ブラシ部材によって清掃されるようにした。
【0014】
請求項7に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路によって搬送されるベース部にエア吹き付け手段を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにエア吹き付け手段が投光器及び受光器にエアを吹き付けて投光器及び受光器が清掃されるようにした。
【0015】
請求項8に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、請求項7に記載の基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてエア吹き付け手段により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度エア吹き付け手段によって清掃されるようにした。
【0016】
請求項9に記載の基板位置検出センサの清掃方法は、請求項5乃至8の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃方法であって、基板搬送路によって搬送される基板位置検出センサの清掃治具のベース部の進行方向の先頭部が基板位置検出センサの検査光を横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送速度を低下させるようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、ベース部にブラシ部材が設けられた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路によって搬送させ、ベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにブラシ部材が投光器及び受光器に接触するようにして基板位置検出センサの清掃を行うようになっており、或いは、ベース部にエア吹き付け手段が設けられた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路によって搬送させ、ベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにエア吹き付け手段が投光器及び受光器にエアを吹き付けるようにして基板位置検出センサの清掃を行うようになっているので、簡単かつ十分に基板位置検出センサの清掃を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における部品実装機の平面図
【図2】本発明の実施の形態1における部品実装機の側面図
【図3】本発明の実施の形態1における部品実装機が備える基板搬送路及び装着ヘッドの斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における部品実装機の制御系統を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1における基板搬送路の平面図
【図6】本発明の実施の形態1における基板搬送路の側面図
【図7】本発明の実施の形態1における基板搬送路及びセンサ清掃治具の斜視図
【図8】本発明の実施の形態1における基板搬送路及びセンサ清掃治具の部分平面図
【図9】本発明の実施の形態2における基板搬送路及びセンサ清掃治具の斜視図
【図10】本発明の実施の形態2における基板搬送路及びセンサ清掃治具の部分平面図
【図11】(a)(b)(c)本発明の実施の形態2における基板搬送路及びセンサ清掃治具の部分平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1及び図2に示す部品実装機1は、基板2に部品(電子部品)3を実装する部品実装用の作業を行う部品実装用装置のひとつであり、図示しない上流工程側の装置(例えば半田印刷機や他の部品実装機)から送られてきた基板2の搬入及び位置決め、位置決めした基板2の電極2a上への部品3の装着及び部品3を装着した基板2の下流工程側の装置(例えば他の部品実装機や検査機、リフロー炉等)への搬出から成る一連の動作を繰り返し実行する。以下、説明の便宜上、部品実装機1において基板2を搬送する方向(図1の紙面左右方向)をX軸方向とし、X軸方向と直交する水平面内方向(図1の紙面上下方向)をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。更にY軸方向を前後方向とし、前後方向のうち、図示しないオペレータが作業を行う側(図1の紙面下側)を前方、その反対側を後方とする。
【0020】
図1及び図2において、部品実装機1は基台11上にX軸方向に延びた基板搬送路12を備えている。基板搬送路12は基台11上でX軸方向に延びるとともにY軸方向に対向した2つの搬送路支持部材13の内側に支持された一対のベルトコンベア12aから成り、上流工程側の他の装置から搬出された基板2を受け取って搬送(搬入)し、その基板2を所定の作業位置(図1に示す位置)に位置決めする。
【0021】
図1及び図2において、基台11上には部品3の供給を行う部品供給部としての複数のテープフィーダ14が設けられている。各テープフィーダ14は多数の部品3を収納したテープ部材(図示せず)の送り動作を行い、基板搬送路12側の端部に設けられた部品供給口14aに部品3をひとつずつ供給する。
【0022】
基台11上にはXYロボットであるヘッド移動ロボット15が設けられている。ヘッド移動ロボット15はY軸方向に延びて設けられたY軸テーブル15a、X軸方向に延びて一端がY軸テーブル15aに支持され、Y軸テーブル15aに沿って(すなわちY軸方向に)移動自在に設けられた2つのX軸テーブル15b及び各X軸テーブル15bに沿って(すなわちX軸方向に)移動自在に設けられた2つの(前後の)移動ステージ15cから成る。
【0023】
図1及び図2において、前方の移動ステージ15cと後方の移動ステージ15cのそれぞれには装着ヘッド16が取り付けられている。各装着ヘッド16は、Y軸テーブル15aに対する各X軸テーブル15bのY軸方向への移動及び各X軸テーブル15bに対する各移動ステージ15cのX軸方向への移動を組み合わせることによって互いに独立して水平面内で移動させることができる。
【0024】
図2及び図3において、各装着ヘッド16には下方に突出して延びた吸着ノズル17が上下方向に移動自在及び上下軸回りに回転自在に設けられている。吸着ノズル17はテープフィーダ14が部品供給口14aに供給する部品3を真空吸着してピックアップした後、そのピックアップした部品3を基板2上の電極2aに対応する目標装着位置で離脱させて(真空吸着を解除して)部品3を基板2上に装着する部品装着動作を繰り返し実行する。
【0025】
図1、図2及び図3において、各装着ヘッド16には撮像視野を下方に向けた基板カメラ18が設けられており、基台11上の基板搬送路12の前後両側のそれぞれの位置には撮像視野を上方に向けた部品カメラ19が設けられている。
【0026】
基板カメラ18は基板搬送路12によって基板2を位置決めしたとき、基板2上に設けられた基板マーク2m(図1)を上方から撮像する。部品カメラ19は、吸着ノズル17に吸着された部品3が部品カメラ19の上方を通過するように装着ヘッド16が移動されたとき、部品3を下方から撮像する。
【0027】
基板搬送路12による基板2の搬送及び位置決め動作は、基台11内に設けられた制御装置20(図2及び図4)が基板搬送路駆動機構21(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0028】
各テープフィーダ14による部品3の供給動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るテープフィーダ駆動機構22(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0029】
ヘッド移動ロボット15による各装着ヘッド16の水平面内での移動動作は、制御装置20がヘッド移動ロボット駆動機構23(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0030】
各装着ヘッド16が備える吸着ノズル17の上下方向への移動動作(昇降動作)及び上下軸回りの回転動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成る吸着ノズル昇降機構24(図4)の作動制御を行うことによってなされ、各吸着ノズル17による部品3の吸着及びその解除動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成る吸着機構25(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0031】
各装着ヘッド16に備えられた2つの基板カメラ18による撮像動作と基台11上に設けられた2つの部品カメラ19による撮像動作は制御装置20によって制御される(図4)。2つの基板カメラ18の撮像動作と2つの部品カメラ19の撮像動作によって得られた画像はそれぞれ制御装置20に送信され、制御装置20の画像認識部20a(図4)において画像認識される。
【0032】
図1及び図3において、基板搬送路12を両側から支持する一対の搬送路支持部材13には基板位置検出センサ30が設けられている。この基板位置検出センサ30は、一方の搬送路支持部材13に設けられた投光器30aと、他方の搬送路支持部材13に設けられた受光器30bから成る。図3、図5及び図6に示すように、一対の搬送路支持部材13のそれぞれには幅方向(Y軸方向)に貫通したセンサ取り付け孔13aが設けられており、投光器30a及び受光器30bは、各センサ取り付け孔13aを搬送路支持部材13の外側から塞ぐ位置に設けられたセンサ取り付け部材13bに取り付けられている。
【0033】
投光器30aは基板搬送路12による基板2の搬送方向(X軸方向)と直交する水平方向(Y軸方向)に検査光Lを投光し、受光器30bは投光器30aが投光する検査光Lを受光する。受光器30bは受光した光の光量が予め定められた閾値を上回っている状態において受光信号を出力する。投光器30aが行う投光動作は制御装置20によって制御され(図4)、受光器30bが出力する受光信号は制御装置20に入力される(図4)。
【0034】
検査光Lが基板2によって遮られている状態での受光器30bの光の受光光量は、検査光Lが基板2によって遮られていないでの受光器30bの光の受光光量よりも小さくなる。このため受光器30bは投光器30aから投光される検査光Lが基板2によって遮られていない状態では制御装置20に受光信号を出力するが、投光器30aから投光される検査光Lが基板2によって遮られている状態では制御装置20に受光信号を出力しない。したがって制御装置20は、受光器30bから受光信号が出力されているときには検査光Lが基板2によって遮られた状態になっていると判断し、受光器30bから受光信号が出力されていないときには検査光Lが基板2によって遮られた状態になっていないと判断する。
【0035】
ここで、投光器30aは、基板搬送路12によって搬送される基板2が作業位置に位置したときに基板2の進行方向の先頭部によって検査光Lが横切られることになる位置に設けられており、受光器30bは投光器30aが投光する検査光Lを受光し得る位置に設けられている。このため、基板搬送路12によって搬送される基板2(図5中に示す矢印A)が作業位置に到達したときには、受光器30bから出力されていた受光信号が出力されなくなるので、制御装置20はこのことをもって、基板2が作業位置に位置した(到達した)と判断する。
【0036】
すなわち本実施の形態1において、基板位置検出センサ30は、部品3が実装される基板2の搬送及び位置決めを行う基板搬送路12を両側から支持する一対の搬送路支持部材13の一方に設けられた投光器30a及び一対の搬送路支持部材13の他方に設けられた受光器30bから成り、投光器30aが受光器30bに向けて投光する検査光Lを基板搬送路12によって搬送される基板2が遮った状態を検知して基板2の位置の検出を行うものとなっている。
【0037】
図4において、部品実装機1の制御装置20はプログラム記憶部20bを有しており、このプログラム記憶部20bには基板2上の各目標装着位置の座標データ及び各目標装着位置への部品3の装着手順が記録された部品装着作業プログラムが記憶されている。制御装置20は、プログラム記憶部20bから部品装着作業プログラムを読み出し、部品装着作業プログラムに記録された目標装着位置の座標データに基づいて、各目標装着位置への部品3の装着作業を実行する。
【0038】
基板2上への部品3の装着作業では、制御装置20は先ず、上流工程側の装置から搬出された基板2を基板搬送路12によって受け取って搬送(搬入)し、作業位置に位置決めする。この基板2の作業位置への位置決めでは、制御装置20は、受光器30bが受光信号を出力する状態から受光信号を出力しない状態に切り替わったことを検知したときに、基板2の進行方向の先頭部が検査光Lを横切った(すなわち基板2が作業位置に到達した)と判断し、基板搬送路12による基板2の搬送動作を停止させる。
【0039】
制御装置20は、基板2の位置決めを行ったら、プログラム記憶部20bからひとつの目標装着位置の座標データを読み出し、装着ヘッド16をテープフィーダ14の上方に移動させて吸着ノズル17にテープフィーダ14から供給される部品3を吸着させる。そして、装着ヘッド16を移動させて吸着ノズル17に吸着させた部品3が部品カメラ19の上方を通過するようにして部品カメラ19に各部品3の撮像を行わせ、得られた部品3の画像に基づく画像認識を行うことによって、各部品3の吸着ノズル17に対する位置ずれ(吸着ずれ)を算出する。
【0040】
制御装置20は、各部品3の吸着ノズル17に対する位置ずれを算出したら、目標装着位置の上方に吸着ノズル17が位置するように装着ヘッド16を移動させ、吸着ノズル17を下降させつつ吸着ノズル17から部品3を離脱させることによって、目標装着位置に部品3を装着する。
【0041】
ここで制御装置20は、部品3を基板2に装着するときには、基板2の位置決め時に求めた基板2の位置ずれと、部品3の画像認識時に求めた部品3の吸着ずれが修正されるように、基板2に対する吸着ノズル17の位置補正(回転補正を含む)を行う。
【0042】
次に、上記構成の部品実装機1において、投光器30a及び受光器30bから成る基板位置検出センサ30の清掃を行う基板位置検出センサ30の清掃方法について説明する。この基板位置検出センサ30の清掃において用いられるセンサ清掃治具40(基板位置検出センサ30の清掃治具)は、搬送路支持部材13のセンサ取り付け孔13a内に設けられた投光器30a及び受光器30bそれぞれに付着したごみ等を効率よく除去できるようになっているものであり、基板搬送路12によって搬送される板部材状のベース部41上にブラシ取り付け部42を有し、そのブラシ取り付け部42にブラシ部材43が設けられた構成となっている。
【0043】
本実施の形態1におけるセンサ清掃治具40では、ブラシ部材43は、図7に示すように、基板搬送路12によって搬送されるベース部41の進行方向(X軸方向)に直交する水平面内方向(Y軸方向)の両側それぞれに複数ずつ(ここでは片側3個ずつ)設けられており、各ブラシ部材43はそれぞれ先端の毛状部分がベース部41の進行方向に直交する水平面内方向(Y軸方向)の外方に突出するように延びた状態で設けられている。また、ベース部41のY軸方向の両側端部のそれぞれには、図7に示すように、上下方向に貫通した切り欠き41aが設けられている。
【0044】
このような構成のセンサ清掃治具40を用いて基板位置検出センサ30(投光器30a及び受光器30b)の清掃を行うには、部品実装機1による部品実装作業を実行しないメンテナンスの時間帯等において、センサ清掃治具40を基板搬送路12によって搬送させる。これにより各ブラシ部材43が搬送路支持部材13に対して相対移動し、ベース部41が投光器30a及び受光器30bの間の位置を通過するときに、搬送路支持部材13に設けられたセンサ取り付け孔13a内に各ブラシ部材43の先端の毛状部分が入り込んで投光器30a及び受光器30bに接触し(図8)、投光器30a及び受光器30bに付着したごみ等が払い落とされる。
【0045】
すなわち本実施の形態1におけるセンサ清掃治具40は、基板搬送路12によって搬送されるベース部41、ベース部41に設けられ、基板搬送路12によって搬送されるベース部41が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときに投光器30a及び受光器30bに接触するブラシ部材43を備えたものであり、このセンサ清掃治具40を用いた基板位置検出センサ30の清掃方法は、センサ清掃治具40を基板搬送路12に搬送させ、基板搬送路12によって搬送されるベース部41が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときにブラシ部材43が投光器30a及び受光器30bに接触して投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにしたものである。これにより、簡単かつ十分に基板位置検出センサ30の清掃を行うことができる。
【0046】
ここで、前述したように、ベース部41のY軸方向の両側端部のそれぞれには上下方向に貫通した切り欠き41aが設けられており、投光器30a及び受光器30bから除去したごみ等をベース部41の下方に落下させることができるので、除去したごみ等がベース部41上に溜まり、これが投光器30a及び受光器30bに再度付着してしまうことを防止することができる。
【0047】
なお、ここでは各ブラシ部材43はベース部41に対して固定されたものであったが、各ブラシ部材43がベース部41の進行方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に延びる軸(ブラシ軸とする)回りへの回転移動又はブラシ軸を中心とする左右又は上下方向への往復移動自在に設けられており、ブラシ取り付け部42内に設けた図示しないモータ等を含むブラシ駆動部44(ブラシ駆動手段)によってブラシ部材43を回転又は往復移動(振動)させるようにして、投光器30a及び受光器30bに付着したごみ等が効率よく除去されるようにしてもよい。
【0048】
また、本実施の形態1では、基板搬送路12にセンサ清掃治具40を搬送させてブラシ部材43により投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにした後、基板2の進行方向の後尾部が検査光Lを横切ったことを検知したときに、制御装置20が基板搬送路12によるセンサ清掃治具40の搬送方向を逆転させることにより、投光器30a及び受光器30bが再度ブラシ部材43よって清掃されるようになっている。これにより基板位置検出センサ30がセンサ清掃治具40によって繰り返し清掃され、基板位置検出センサ30に付着したごみ等が確実に除去される。
【0049】
また、基板搬送路12によって搬送されるセンサ清掃治具40のベース部41の進行方向の先頭部が基板位置検出センサ30の検査光Lを横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路12によるセンサ清掃治具40の搬送速度を低下させるようにしてもよい。これにより、センサ清掃治具40によって基板位置検出センサ30の清掃がなされるときの基板位置検出センサ30に対するセンサ清掃治具40の(すなわち基板位置検出センサ30に対するブラシ部材43の)相対移動速度を低速に保持しつつ、センサ清掃治具40による基板位置検出センサ30の清掃が開始されるまでの基板搬送路12によるセンサ清掃治具40の移動速度を増大させてセンサ清掃治具40の移動に要する時間を短縮することができる。
【0050】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2における部品実装機1の構成は実施の形態1におけるものと全く同様であり、センサ清掃治具の構成のみが異なる。
【0051】
実施の形態2におけるセンサ清掃治具50は、図9に示すように、基板搬送路12によって搬送される板部材状のベース部51上にノズル取り付け部52を有し、そのノズル取り付け部52にエア吹き付けノズル53が設けられた構成となっている。ノズル取り付け部52内にはエアが貯留されており、エア吹き付けノズル53からエアを吹き出させる駆動源はノズル取り付け部52内に設けられている。
【0052】
このような構成のセンサ清掃治具50を用いて基板位置検出センサ30(投光器30a及び受光器30b)の清掃を行うには、部品実装機1による部品実装作業を実行しないメンテナンスの時間帯等において、エア吹き付けノズル53からエアを吹き出させた状態でセンサ清掃治具50を基板搬送路12によって搬送させる。これによりベース部51が投光器30a及び受光器30bの間の位置を通過するときに、搬送路支持部材13に設けられたセンサ取り付け孔13a内にエア吹き付けノズル53から吐出されるエアAirが投光器30a及び受光器30bに吹き付けられ(図10)、投光器30a及び受光器30bに付着したごみ等が吹き落とされる。
【0053】
すなわち実施の形態2におけるセンサ清掃治具50は、基板搬送路12によって搬送されるベース部51、ベース部51に設けられ、基板搬送路12によって搬送されるベース部51が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときに投光器30a及び受光器30bにエアAirを吹き付けるエア吹き付け手段であるエア吹き付けノズル53を備えたものであり、このセンサ清掃治具50を用いた基板位置検出センサ30の清掃方法は、センサ清掃治具50を基板搬送路12に搬送させ、基板搬送路12によって搬送されるベース部51が投光器30aと受光器30bの間の位置を通過するときにエア吹き付けノズル53が投光器30a及び受光器30bにエアAirを吹き付けて投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにしたものである。これにより実施の形態1の場合と同様、簡単かつ十分に基板位置検出センサ30の清掃を行うことができる。
【0054】
この実施の形態2におけるセンサ清掃治具50では、図10に示すように、実施の形態1におけるセンサ清掃治具40の場合と同様に、ベース部51のY軸方向の両側端部のそれぞれに上下方向に貫通した切り欠き51aが設けられており、投光器30a及び受光器30bから除去したごみ等をベース部51の下方に落下させることができるので、除去したごみ等がベース部51上に溜まり、これが投光器30a及び受光器30bに再度付着してしまうことを防止することができる。
【0055】
この実施の形態2では、図11に示すように、片側3個のエア吹き付けノズル53から吹き出させるエアAirの向きを、ベース部51の進行方向(図11中に示す矢印A)の先頭部(図11の紙面右側)から順に、ベース部51の進行方向と直交する方向(Y軸方向)に対してベース部51の進行方向の前方に傾いた方向、平行な方向(同方向)、ベース部51の進行方向の後方に傾いた方向とすることにより、投光器30a及び受光器30bに対し、基板位置検出センサ30のベース部51の進行方向の前方側の隅(図11(a))、基板位置検出センサ30の中央部(図11(b))、基板位置検出センサ30のベース部51の進行方向の後方側の隅(図11(c))の順に基板位置検出センサ30の清掃を行うことができる。基板位置検出センサ30にはその中央部だけでなく、ベース部51の進行方向の前方及び後方側の両隅においてもごみ等が溜まり易いが、複数のエア吹き付けノズル53をこのように配置することで、基板位置検出センサ30の全体を清掃することができる。
【0056】
また、この実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様、基板搬送路12にセンサ清掃治具50を搬送させてエア吹き付けノズル53により投光器30a及び受光器30bが清掃されるようにした後、基板2の進行方向の後尾部が検査光Lを横切ったことを検知したときに、制御装置20が基板搬送路12によるセンサ清掃治具50の搬送方向を逆転させることにより、投光器30a及び受光器30bが再度エア吹き付けノズル53よって清掃されるようにすることができる。これにより基板位置検出センサ30がセンサ清掃治具50によって繰り返し清掃され、基板位置検出センサ30に付着したごみ等が確実に除去される。
【0057】
また、実施の形態1の場合と同様に、基板搬送路12によって搬送されるセンサ清掃治具50のベース部51の進行方向の先頭部が基板位置検出センサ30の検査光Lを横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路12によるセンサ清掃治具50の搬送速度を低下させるようにしてもよい。これにより、センサ清掃治具50によって基板位置検出センサ30の清掃がなされるときの基板位置検出センサ30に対するセンサ清掃治具50の(すなわち基板位置検出センサ30に対するエア吹き付けノズル53の)相対移動速度を低速に保持しつつ、センサ清掃治具50による基板位置検出センサ30の清掃が開始されるまでの基板搬送路12によるセンサ清掃治具50の移動速度を増大させてセンサ清掃治具50の移動に要する時間を短縮することができる。
【0058】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態1では、ブラシ部材43は、基板搬送路12によって搬送されるベース部51の進行方向(X軸方向)に直交する水平面内方向(Y軸方向)の両側それぞれに3個ずつ設けられたものとなっていたが、これは一例に過ぎず、ブラシ部材43はベース部41の両側に少なくとも1個ずつ設けられていればよく、その数は限定されない。また同様に、上述の実施の形態2では、エア吹き付けノズル53は、基板搬送路12によって搬送されるベース部51の進行方向(X軸方向)に直交する水平面内方向(Y軸方向)の両側それぞれに3個ずつ設けられたものとなっていなが、これは一例に過ぎず、エア吹き付けノズル53はベース部41の両側に少なくとも1個ずつ設けられていればよく、その数は限定されない。
【0059】
なお、本実施の形態では、センサ清掃治具40による清掃対象として部品実装機1に備えられた基板搬送路12の基板位置検出センサ30を例示したが、部品実装機1に限らず、半田印刷機や検査機、リフロー炉等の他の部品実装用装置に備えられた基板搬送路の基板位置検出センサを対象として清掃を行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
簡単かつ十分に基板位置検出センサの清掃を行うことができる基板位置検出センサの清掃治具及び清掃方法を提供する。
【符号の説明】
【0061】
2 基板
3 部品
12 基板搬送路
13 搬送路支持部材
30 基板位置検出センサ
30a 投光器
30b 受光器
40 センサ清掃治具(基板位置検出センサの清掃治具)
41 ベース部
41a 切り欠き
43 ブラシ部材
44 ブラシ駆動部(ブラシ駆動手段)
50 センサ清掃治具(基板位置検出センサの清掃治具)
51 ベース部
51a 切り欠き
53 エア吹き付けノズル(エア吹き付け手段)
L 検査光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部と、
ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器に接触するブラシ部材とを備えたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項2】
ブラシ部材が投光器及び受光器に接触した状態でブラシ部材を回転又は振動させるブラシ駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項3】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部と、
ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器にエアを吹き付けるエア吹き付け手段とを備えたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項4】
ベース部材の両側端部それぞれに上下方向に貫通した切り欠きが設けられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項5】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部にブラシ部材を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにブラシ部材が投光器及び受光器に接触して投光器及び受光器が清掃されるようにしたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項6】
基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてブラシ部材により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度ブラシ部材によって清掃されるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項7】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部にエア吹き付け手段を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにエア吹き付け手段が投光器及び受光器にエアを吹き付けて投光器及び受光器が清掃されるようにしたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項8】
基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてエア吹き付け手段により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度エア吹き付け手段によって清掃されるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項9】
基板搬送路によって搬送される基板位置検出センサの清掃治具のベース部の進行方向の先頭部が基板位置検出センサの検査光を横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送速度を低下させるようにしたことを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項1】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部と、
ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器に接触するブラシ部材とを備えたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項2】
ブラシ部材が投光器及び受光器に接触した状態でブラシ部材を回転又は振動させるブラシ駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項3】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃治具であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部と、
ベース部に設けられ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときに投光器及び受光器にエアを吹き付けるエア吹き付け手段とを備えたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項4】
ベース部材の両側端部それぞれに上下方向に貫通した切り欠きが設けられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃治具。
【請求項5】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部にブラシ部材を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにブラシ部材が投光器及び受光器に接触して投光器及び受光器が清掃されるようにしたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項6】
基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてブラシ部材により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度ブラシ部材によって清掃されるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項7】
部品が実装される基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路を両側から支持する一対の搬送路支持部材の一方に設けられた投光器及び前記一対の搬送路支持部材の他方に設けられた受光器から成り、投光器が受光器に向けて投光する検査光を基板搬送路によって搬送される基板が遮った状態を検知して基板の位置の検出を行う基板位置検出センサの清掃方法であって、
基板搬送路によって搬送されるベース部にエア吹き付け手段を設けた基板位置検出センサの清掃治具を基板搬送路に搬送させ、基板搬送路によって搬送されるベース部が投光器と受光器の間の位置を通過するときにエア吹き付け手段が投光器及び受光器にエアを吹き付けて投光器及び受光器が清掃されるようにしたことを特徴とする基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項8】
基板搬送路に基板位置検出センサの清掃治具を搬送させてエア吹き付け手段により投光器及び受光器が清掃されるようにした後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送方向を逆転させて投光器及び受光器が再度エア吹き付け手段によって清掃されるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の基板位置検出センサの清掃方法。
【請求項9】
基板搬送路によって搬送される基板位置検出センサの清掃治具のベース部の進行方向の先頭部が基板位置検出センサの検査光を横切る位置に到達したことが検出された後、基板搬送路による基板位置検出センサの清掃治具の搬送速度を低下させるようにしたことを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の基板位置検出センサの清掃方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−204448(P2012−204448A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65568(P2011−65568)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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