説明

基板処理装置

【課題】装置の稼動状態を確実に知らせることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】稼働状態を示す複数のシグナル表示機器としてのシグナルタワー及びブザーと、予め個別に設定された前記シグナルタワー及びブザーに対応する動作条件を表示する表記器とを備えた基板処理装置であって、前記シグナルタワー及びブザーは、複数の動作条件のいずれかにより動作し、前記表示器において、前記シグナルタワーの動作条件として前記ブザーが鳴動することが設定可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス等の基板を処理するための基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基板処理装置において、稼動状態を外部に表示する(知らせる)ものとしてシグナル表示機器が広く用いられている。例えば、シグナル表示機器として、ブザー(連続音、断続音あるいは音声などを出す装置)、シグナルタワー(複数の色別に配列された電飾を点灯、点滅等させる装置)などが一般的に用いられている。これらのシグナル表示機器は、ユーザ(オペレータ)より予め設定された動作条件によって動作(鳴動、点灯、点滅及び消灯など)し、基板処理装置の稼動状態を外部に伝えるようになっている。以前のブザーは、異常か正常かを把握する程度の機能でよかったが、近年、シグナル表示機器の動作条件が複雑になっており、ブザー機能の充実が要求されている。
【0003】
特に、複数の基板処理装置が設置された大規模な工場などにおいては、各基板処理装置の稼動状態をリアルタイムに把握可能なシグナル表示機器が必要とされている。
【0004】
これらのシグナル表示機器を動作させる動作条件において、一つの動作条件(例えば「基板処理装置がAの状態のときに点灯する(鳴動する)」)の他に、複数の動作条件(例えば「基板処理装置がAの状態またはBの状態のときに点灯する(鳴動する)」)を設定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の動作条件でシグナル表示機器を制御している場合、現在のシグナル(シグナル表示機器の動作状態)が、これら複数の動作条件のうちどの動作条件により、シグナル表示機器の表示が行われているかが分からないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消し、シグナル表示機器が複数の動作条件のうちどの動作条件を満たして動作しているかを表示することができる基板処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の特徴とするところは、稼動状態を示すシグナル表示機器を備えた基板処理装置において、複数の動作条件のいずれかにより動作するシグナル表示機器と、前記シグナル表示機器の動作時に動作原因が前記複数の動作条件のいずれかであることを表示する表示器とを備えた基板処理装置にある。
【0008】
好適には、前記シグナル表示機器としてシグナルタワーを備え、前記表示器は、前記シグナルタワーの動作状態を表示する。
【0009】
好適には、前記シグナル表示機器としてブザーを備え、前記表示器は、前記ブザーの動作状態を表示する。
【0010】
好適には、前記動作条件として、論理式や括弧を一つの枠の中に独立して設定可能とする。
【0011】
好適には、前記表示器は、前記シグナル表示機器が複数の動作条件のうちどの動作条件を満たして動作しているかを表示する。
【0012】
好適には、前記表示器は、前記動作条件のほかに、ホストコンピュータからの指示の有無を表示する。メンテナンスが必要な場合、所定の基板処理装置に作業者を呼ぶためにリモート指示を行なうことがある。シグナルタワーやブザーの動作を制御することで、工場内に複数の基板処理装置が並んでいても所定の基板処理装置を容易に把握できる。
【0013】
好適には、前記表示器は、前記動作状態の優先順位を選択して表示する。
【0014】
好適には、前記動作条件及びホストコンピュータの指示のどちらかを優先させるか選択可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シグナル表示機器が複数の動作条件を満たして動作している場合であっても、複数の動作条件のうちどの動作条件を満たして動作しているかを表示することができ、もって基板処理装置の稼動状態を確実に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す透視側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基板処理装置が用いられた基板処理システムの構成を例示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板処理装置のハードウェア構成を、制御装置を中心に例示する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基板処理装置のシグナル制御装置により実行されるシグナル制御プログラムの機能構成を例示する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る基板処理装置のシグナル表示機器における動作条件及び動作状態を表示させる一連の処理を示したフロー図である。
【図7】本発明の実施形態に係る基板処理装置のシグナル表示機器の動作条件となる基板処理装置の稼動状態の一例を示す表である。
【図8】本発明の実施形態に係る基板処理装置の表示器に表示された第1の入力画面を例示する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る基板処理装置の表示器に表示された第1のモニタ画面を例示する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る基板処理装置の表示器に表示された第2の入力画面を例示する図である。
【図11】本発明の実施形態に係る基板処理装置の表示器に表示された第2のモニタ画面を例示する図である。
【図12】シグナル制御装置上で動作する鳴動制御プログラムの構成を示す図である。
【図13】鳴動制御プログラムの記憶関係部に記憶されている関係を例示する図である。
【図14】本発明の実施形態に係る基板処理装置の全体動作(S10)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施する最良の形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC)の製造方法における処理装置を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行なう縦型の装置(以下、単に処理装置という)を適用した場合について述べる。図1は、本発明に適用される基板処理装置の斜視図として示されている。また、図2は図1に示す基板処理装置の側面透視図である。
【0018】
図1および図2に示されているように、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収納したウエハキャリアとしてフープ(基板収容器。以下ポッドという。)110が使用されている本発明の基板処理装置100は、筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの正面前方部にはメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設され、この正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104、104がそれぞれ建て付けられている。
筐体111の正面壁111aにはポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。
ポッド搬入搬出口112の正面前方側にはロードポート(基板収容器受渡し台)114が設置されており、ロードポート114はポッド110を載置されて位置合わせするように構成されている。ポッド110はロードポート114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、ロードポート114上から搬出されるようになっている。
【0019】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、回転式ポッド棚105は複数個のポッド110を保管するように構成されている。すなわち、回転式ポッド棚105は垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収容器載置台)117とを備えており、複数枚の棚板117はポッド110を複数個宛それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
筐体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されており、ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、ポッド搬送装置118はポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ(基板収容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を搬送するように構成されている。
【0020】
筐体111内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体119が後端にわたって構築されている。サブ筐体119の正面壁119aにはウエハ200をサブ筐体119内に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が一対、垂直方向に上下二段に並べられて開設されており、上下段のウエハ搬入搬出口120、120には一対のポッドオープナ121、121がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ121はポッド110を載置する載置台122、122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123、123とを備えている。ポッドオープナ121は載置台122に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0021】
サブ筐体119はポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105の設置空間から流体的に隔絶された移載室124を構成している。移載室124の前側領域にはウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されており、ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aおよびウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図1に模式的に示されているようにウエハ移載装置エレベータ125bは耐圧筐体111右側端部とサブ筐体119の移載室124前方領域右端部との間に設置されている。これら、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウエハ200の載置部として、ボート(基板保持具)217に対してウエハ200を装填(チャージング)および脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0022】
移載室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
【0023】
図1に模式的に示されているように、耐圧筐体111右側端部とサブ筐体119の待機部126右端部との間にはボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115の昇降台に連結された連結具としてのアーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50〜125枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0024】
図1に模式的に示されているように移載室124のウエハ移載装置エレベータ125b側およびボートエレベータ115側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給ファンおよび防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されており、ウエハ移載装置125aとクリーンユニット134との間には、図示はしないが、ウエハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置135が設置されている。
クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ノッチ合わせ装置135およびウエハ移載装置125a、待機部126にあるボート217に流通された後に、図示しないダクトにより吸い込まれて、筐体111の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット134によって、移載室124内に吹き出されるように構成されている。
【0025】
次に、本発明の基板処理装置100の動作について説明する。
図1および図2に示されているように、ポッド110がロードポット114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放され、ロードポート114の上のポッド110はポッド搬送装置118によって筐体111の内部へポッド搬入搬出口112から搬入される。
搬入されたポッド110は回転式ポッド棚105の指定された棚板117へポッド搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載されるか、もしくは直接ポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載される。この際、ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124にはクリーンエア133として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、筐体111の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0026】
載置台122に載置されたポッド110はその開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウエハ出し入れ口を開放される。
ポッド110がポッドオープナ121によって開放されると、ウエハ200はポッド110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、図示しないノッチ合わせ装置135にてウエハを整合した後、移載室124の後方にある待機部126へ搬入され、ボート217に装填(チャージング)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載装置125aはポッド110に戻り、次のウエハ110をボート217に装填する。
【0027】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウエハ移載機構125によるウエハのボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121には回転式ポッド棚105から別のポッド110がポッド搬送装置118によって搬送されて移載され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0028】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって、開放される。続いて、ウエハ200群を保持したボート217はシールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、処理炉202内へ搬入(ローディング)されて行く。
【0029】
ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。
処理後は、図示しないノッチ合わせ装置135でのウエハの整合工程を除き、概上述の逆の手順で、ウエハ200およびポッド110は筐体の外部へ払出される。
【0030】
次に、上述した基板処理装置100を用いた基板処理システム300の一例を図3に基づいて説明する。
図3に示すように、基板処理システム300は、ホストコンピュータ302及び上述した複数の基板処理装置100を有する。複数の基板処理装置100及びホストコンピュータ302は例えばLANなどの通信回線304を介して接続され、ホストコンピュータ302からの指示(出力信号)がそれぞれの基板処理装置100に対して送信(出力)されるようになっている。
【0031】
基板処理装置100は、シグナル表示機器306を有する。具体的には、シグナル表示機器306として、例えば信号灯(シグナルタワー308)及び音出力装置(ブザー310)を備え、これらのシグナルタワー308及びブザー310が動作することにより、基板処理装置100の稼動状態を外部に示すようになっている。
【0032】
シグナルタワー308は、LEDや電球等が複数段(例えば4段)に積層された光源を有し、それぞれの光源がそれぞれ異なった色(例えば赤・緑・黄・青など)で発光するようになっている。また、それぞれの光源(色)は、それぞれ個別に動作(点灯、点滅、消灯等)、もしくは、それぞれの光源(色)が併合(マージ)して動作(例えば全色が点滅など)するようになっている。
ブザー310は、例えば連続音、断続音、音声およびメロディなどの音色を所定の音圧レベルで鳴動する(動作する)ことができるようになっている。
また、これらシグナルタワー308及びブザー310は、動作状態(例えば点灯、点滅、鳴動などの状態)を出力値として接続された所定の装置に出力することができるようになっている。
【0033】
ユーザインターフェイス装置(UI装置)312は、基板処理装置100と一体に、又はネットワークを介して設けられている。このUI装置312は、例えば液晶表示のパネル部(表示器314)を有し、この表示器314に表示画面(例えば後述する第1のモニタ画面316、第2のモニタ画面374)及び操作画面(例えば後述する第1の入力画面318、第2の入力画面364)が表示されるようになっている。表示画面は、シグナル表示機器306が動作する動作条件およびシグナル表示機器306が動作条件を満たしていることを示す動作状態(点灯、点滅、鳴動等)を表示し、また、操作画面には、シグナル表示機器306が動作する少なくとも一つの動作条件が入力(設定)できるようになっている。
【0034】
また、基板処理装置100内にはシグナル制御装置320が設けられ、このシグナル制御装置320には、上述したホストコンピュータ302、シグナル表示機器306及びUI装置312が電気回線あるいは通信回線を介して接続されており、該シグナル制御装置320は、シグナル表示機器306及びUI装置312などを制御するようになっている。
【0035】
図4にシグナル制御装置320を中心としたハードウェア構成が示されている。
図4に示すように、シグナル制御装置320は、CPU322及びメモリ324などを含み、このシグナル制御装置320には、例えば後述するシグナル制御プログラム5が記憶(格納)されている。このシグナル制御装置320は、ユーザ(オペレータ)の要求に応じて、ホストコンピュータ302及びUI装置312を介してシグナル表示機器306の動作を制御したり、シグナル表示機器306の動作状態等をUI装置312などに表示させたりするようになっている。また、基板処理装置100からの装置の稼動状態に関する情報を取得している。ただし、この稼動状態とシグナル表示機器306の動作については後述する。尚、図4では表示画面と操作画面が1つの画面に表示されているが、これらが切替表示される形態も本願の範囲に含まれるのは言うまでも無い。
【0036】
図5にシグナル制御装置320により実行されるシグナル制御プログラム5の機能構成が示されている。図5に示すように、シグナル制御プログラム5は、アクセス管理部330、制御部332及びシグナルI/O部334を有する。
【0037】
アクセス管理部330は、ホストコンピュータ302及びUI装置312を介してユーザ(オペレータ)からのシグナル表示機器306の動作条件の指示を受付けるようになっている。さらに、ユーザ(オペレータ)より与えられたシグナル表示機器306の動作条件を解読し、与えられた動作条件にミスがないかどうかをチェックし、チェック結果がNGの場合は、そのNGの要因(原因)及び該チェック結果をUI装置312の表示器314に表示し、チェック結果がOKの場合は、該動作条件を制御部332に送信するようになっている。
【0038】
また、このアクセス管理部330は、シグナル制御装置320と通信するユーザの認証(アクセス制限)、データの暗号化、接続条件(常時接続・不定期接続)を管理し、また、外部の装置(ホストコンピュータ302やUI装置312など)よりコマンドとして入力された言語(文字列やソースコード)を実行するために所定の処理を行なって翻訳する機能を有する。
【0039】
また、アクセス管理部330は、後述するように制御部332よりシグナル表示機器306の動作条件の翻訳結果(条件が成立した状態のもの)を受付け、さらにシグナルI/O部334よりシグナル表示機器306のモニタリング(監視)結果(動作状態)を受付けるようになっている。さらに、これらシグナル表示機器306の動作条件とシグナル表示機器306の動作状態とをUI装置312の表示画面に表示し、所定の間隔で表示画面を更新するようになっている。
【0040】
制御部332は、アクセス管理部330より送信されたシグナル表示機器306の動作条件を受付け、該動作条件に対して所定の処理を行なうことにより翻訳し、シグナル表示機器306への出力値を決定するようになっている。この決定した出力値をシグナルI/O部334に送信し、同時に、動作条件の翻訳結果(条件が成立した状態のもの)をアクセス管理部330に送信(通知)するようになっている。
【0041】
シグナルI/O部334は、制御部332より送信された出力値をシグナル表示機器306へ出力するようになっている。また、シグナルI/O部334は、シグナル表示機器306から送信される動作状態(点灯、点滅、鳴動などの状態)の出力値を受付け、この出力値を常時監視(モニタリング)し、モニタリング(監視)結果(シグナル表示機器306の動作状態)をアクセス管理部330に送信するようになっている。
【0042】
次に、シグナル表示機器306の動作条件及び動作状態を表示させる一連の処理を図6に基づいて説明する。図6にシグナル表示機器306の動作条件及び動作状態を表示させる一連の処理におけるフローが示されている。
【0043】
図6に示すように、処理1において、アクセス管理部330は、ユーザ(オペレータ)によりUI装置312の入力画面に入力されたシグナル表示機器306の動作条件を受付け、与えられた動作条件にミスが無いかどうか(後述するように括弧の欠落が無いか、入力項目の未入力が無いかなどを)チェック(判定)する。チェック結果がOK(ミス無し)の場合は、該動作条件を制御部332に送信し、処理2に移行する。一方、チェック結果がNG(ミス有り)の場合は処理1−1に移行し、チェック結果がNGである要因(原因)と該チェック結果とをUI装置312の表示画面に表示する。
【0044】
処理2において、制御部332は、アクセス管理部330より送信されたシグナル表示機器306の動作条件を受付け、該動作条件に対して所定の処理を行なうことにより翻訳し、シグナル表示機器306への出力値を決定する。
【0045】
処理3−1において、制御部332は、決定した出力値をシグナルI/O部334に送信する。また、シグナルI/O部334は、制御部332より送信された出力値をシグナル表示機器306へ出力する。さらに、シグナルI/O部334は、シグナル表示機器306から送信される動作状態(点灯、点滅、鳴動などの状態)の出力値を受付け、この出力値を常時監視(モニタリング)し、モニタリング(監視)結果(シグナル表示機器306の動作状態)をアクセス管理部330に送信する。
【0046】
処理3−2において、制御部332は、処理3−1と同時に、シグナル表示機器306の動作条件をアクセス管理部330に送信(通知)する。
【0047】
処理4において、アクセス管理部330は、制御部332よりシグナル表示機器306の動作条件を受付け、さらにシグナルI/O部334よりシグナル表示機器306の動作状態を受付ける。これらシグナル表示機器306の動作条件と動作状態とをUI装置312の表示画面に表示し、所定の間隔で表示画面を更新する。
【0048】
次にシグナル表示機器306の動作条件及び動作状態の表示方法について図7乃至図11に基づいて説明する。
図7にシグナル表示機器306(シグナルタワー308及びブザー310)の動作条件となる基板処理装置100の稼動状態の一例(一部)が示されている。図7に示すように、シグナル表示機器306を動作させる条件として複数の要因(要件)を設定することができる。すなわち、ユーザ(オペレータ)は、シグナル表示機器306の動作条件として、1つの要因(要件)を設定(例えば図7に示す「装置『スタート待ち』」など)してもよいし、論理式(または(AND)、かつ(OR)などの論理理論式)を用いて設定(例えば「装置『RESET』または装置『スタート待ち』」など)してもよい。
【0049】
[シグナルタワー]
[入力画面]
図8にUI装置312の表示器314に表示された操作画面としての第1の入力画面318が示されている。ユーザは、この第1の入力画面318に対して操作することにより、シグナルタワー308の動作条件を設定する。
【0050】
図8に示すように、第1の入力画面318において、シグナルタワー308の点灯条件とシグナルタワー308の点滅条件を設定することができる。
【0051】
第1の入力画面318の中央部には、複数の(例えば4つの)色識別入力部340が表示されている。これら色識別入力部340は、例えば4色(赤、緑、黄および青など)から選択し、シグナルタワー308の発光色を設定するようになっている。また、それぞれの色識別入力部340の下部にはそれぞれの色識別入力部340に対応する(例えば4つの)優先設定入力部342が表示されている。それぞれの優先設定入力部342には、それぞれの色識別入力部340において設定されたそれぞれの発光色の優先する動作(点灯動作および点滅動作)を設定するようになっている。すなわち、シグナルタワー308の動作状態(点灯動作、点滅動作等)の優先順位を選択して表示することができる。
【0052】
また、第1の入力画面318には、それぞれの色識別部340に対応する(例えば4つの)点灯条件入力部344が表示されている。それぞれの点灯条件入力部344は、複数の第1の装置状態入力部346と複数の第1の成立条件入力部348とを有する。
【0053】
複数の(例えば2つの)第1の装置状態入力部346のそれぞれには、上述したシグナルタワー308の発光色(色識別入力部340において選択した色)を点灯させるときの基板処理装置100の稼動状態(例えば「キャリア搬入中」、「キャリア搬出中」など)を入力するようになっている。この第1の装置状態入力部346に入力した装置の状態は、後述する論理式における構成要件となる。
【0054】
複数の(例えば6つの)第1の成立条件入力部348のそれぞれには、論理式における接続句(例えば、「または」(or)、「かつ」(and)、「である」、「でない」など)及び括弧を入力するようになっている。
【0055】
すなわち、点灯条件入力部344にはシグナルタワー304の点灯条件(動作条件)として、論理式(構成要件および接続句)や括弧を一つの枠の中(例えば第1の装置状態入力部340、第1の成立条件入力部348など)に独立して設定することができる。したがって、点灯条件が見やすくなり、例えば括弧が2つ以上重なるような点灯条件があっても設定ミスを防止できる。
また、シグナルタワー308の点灯条件(動作条件)を満たす論理式として、複数の条件(要因)を設定することができる。例えば、図8に示すように、シグナルタワー308の黄色を点灯させる条件を、例えば「キャリア搬入中である、または、キャリア搬出中である」との論理式として設定することができる。
【0056】
また、入力画面318には、それぞれの色識別部340に対応する(例えば4つの)点滅条件入力部350が表示されている。この点滅条件入力部350は、上述した点灯条件入力部344とそれぞれ同様の機能を有する複数の第2の装置状態入力部352と複数の第2の成立条件入力部354とを有する。図8ではこれら点灯条件入力部344と点滅条件入力部350に動作状態が2つしか入力できないように表示されているが、これに限らず更に多くの動作状態が入力可能である。
【0057】
また、第1の入力画面318には、図示しない優先指示設定入力部が表示される。この優先指示設定入力部を設定することにより、点灯条件入力部344等で設定された動作条件およびホストコンピュータ302の指示のどちらかを優先させるか選択可能とすることができる。
【0058】
なお、論理式は上述したものに限らず、より複雑な論理式を設定することもできる。例えば、第1の構成要件をA、第2の構成要件をB、第3の構成要件をCとすると、(A)or((BandC))というような複雑な論理式も設定することができる。また、論理式の満たす条件が複雑でも論理式や括弧を1つの枠の中で設定するので、設定ミスが無いだけでなく、ユーザにも分かりやすい表示になる。
【0059】
なお、シグナルタワー308の動作条件の設定は、上述したものに限らず、同一色を一定の間隔で点灯動作と点滅動作を繰り返すように設定するようにしてもよい。
【0060】
[モニタ画面]
図9にUI装置312の表示器314に表示された表示画面としての第1のモニタ画面316が示されている。ユーザは、この第1のモニタ画面316を視認(確認)することにより、シグナルタワー308の動作条件および動作状態を把握できるようになっている。
【0061】
図9に示すように、第1のモニタ画面316は、上述した第1の入力画面318において設定したシグナルタワー308の動作条件(点灯条件および点滅条件)及び現在のシグナルタワー308の動作状態を表示するようになっている。
【0062】
第1のモニタ画面316の中央部には、上述した第1の入力画面318の色識別部340で設定された色(例えば4色(赤、緑、黄および青など))がそれぞれの色で発色表示されるようになっている。
【0063】
また、第1のモニタ画面316には、上述した色識別入力部340で設定されたそれぞれの色に対する点灯状態表示部358が表示されている。この点灯状態表示部358には上述した点灯条件入力部344で設定した点灯条件が表示されるようになっており、この点灯条件を満たした場合には該点灯条件を満たしていることを示すようになっている。具体的には、点灯状態表示部358の一部分の背景色が他の背景部と異なる色で発色するようになっている。したがって、シグナルタワー308が複数の点灯条件を満たしていても(複数の点灯条件が設定されていても)どの点灯条件を満たして点灯しているかを表示するようになっている。
【0064】
また、第1のモニタ画面316には、上述した色識別入力部340で設定されたそれぞれの色に対する点滅状態表示部360が表示されている。この点滅状態表示部360には上述した点滅条件入力部350で設定した点滅条件が表示されるようになっており、この点滅条件を満たした場合には該点滅条件を満たしていることを示すようになっている。具体的には、点滅状態表示部360の一部分の背景色が他の背景部と異なる色で発色するようになっている。したがって、シグナルタワー308が複数の点滅条件を満たしていても(複数の点滅条件が設定されていても)どの点滅条件を満たして点滅しているかを表示するようになっている。
【0065】
また、それぞれの点灯状態表示部358及び点滅状態表示部360はホストコンピュータ指示表示部(第1のホストアイコン362)を有している。この第1のホストアイコン362は、ホストコンピュータ302からの指示(シグナルタワー308の点灯条件および点滅条件の設定など)があった場合に表示されるようになっている。
【0066】
例えば、図9に示すように、シグナルタワー308の黄色の点灯条件、すなわち例えば「キャリア搬入中である、または、キャリア搬出中である」との点灯条件が表示されており、「キャリア搬出中である」との点灯条件の表示部の背景色が他の背景部と異なる色で表示されている場合、ユーザ(オペレータ)は、「キャリア搬出中である」との点灯条件(要因)により、シグナルタワー308の黄色が点灯していると把握することができる。
また、ユーザ(オペレータ)は、ホストアイコン362の表示の有無により、ホストコンピュータ302からの指示の有無を確認することができる。
【0067】
なお、シグナルタワー308に光源(色)を追加し、ホストコンピュータ302から指示があった場合に、追加した光源(色)を動作(点灯、点滅など)させるようにしてもよい。これにより、ユーザ(オペレータ)が入力する点灯条件(要因)とホストコンピュータ302からの指示による動作(点灯、点滅)を明確に切り分けることができる。したがって、ユーザ(オペレータ)はシグナルタワー308の点灯状態を見るだけで、ホストコンピュータ302からの指示であり、基板処理装置100の稼動状態とは関係無いことが分かる。また、ホストコンピュータ302から指示があった場合、1つの光源のみを動作させるだけでなく、一度に複数の光源(色)を動作(点灯、点滅など)させるようにしてもよい。
【0068】
[ブザー]
次にブザー310の動作条件および動作状態の表示方法について図10及び図11に基づいて説明する。なお、上述したシグナルタワー動作条件および動作状態の表示方法と重複する説明は省略する。
【0069】
[入力画面]
図10にUI装置312の表示器314に表示された操作画面としての第2の入力画面364が示されている。ユーザは、この第2の入力画面364に対して操作することにより、ブザー310の動作条件を設定するようになっている。
【0070】
第2の入力画面364には、複数の(例えば3つの)音色識別入力部366が表示されている。これらの音色識別入力部366において、例えば3種類の音色(連続音、断続音1および断続音2など)から選択し、ブザー310の音色を設定するようになっている。また、それぞれの音色識別入力部366の近傍にはそれぞれの音色識別入力部366に対応する(例えば3つの)鳴動条件入力部368が表示されている。この鳴動条件入力部368は、複数の第3の装置状態入力部370と複数の第3の成立条件入力部372とを有する。
【0071】
[モニタ画面]
図11にUI装置312の表示器314に表示された表示画面としての第2のモニタ画面374が示されている。ユーザは、この第2のモニタ画面374を視認(確認)することにより、ブザー310の鳴動条件(動作条件)および鳴動状態(動作状態)を把握できるようになっている。
【0072】
図11に示すように、第2のモニタ画面374には、上述した第2の入力画面364において設定したそれぞれのブザー310の動作条件(鳴動条件)及び現在のブザー310の動作状態が表示される鳴動状態表示部346が表示されるようになっている。
【0073】
それぞれの鳴動状態表示部376には、上述した鳴動条件入力部368で設定した鳴動(動作)条件が表示されるようになっており、鳴動条件を満たした場合には該鳴動条件を満たしていることを示すようになっている。具体的には鳴動状態表示部376の一部分の背景色が他の背景部と異なる色で発色するようになっている。したがって、ブザー310が複数の鳴動条件を満たしていても(複数の鳴動条件が設定されていても)どの鳴動条件を満たして鳴動(動作)しているかを表示するようになっている。さらに、それぞれの鳴動条件表示部376には、現在のブザー310の鳴動状態(鳴動の有無)を図示する鳴動有無表示部378が表示されている。図11では、「1」と「2」の鳴動条件が満たされているが、どちらか一方の音色を優先するようにしてもよい。例えば、「1」の鳴動条件である「アラーム発生中である」に対応する音色のみを鳴動するようにしてもよい。
【0074】
また、それぞれの鳴動状態表示部360はホストコンピュータ指示表示部(第2のホストアイコン380)を有している。この第2のホストアイコン380は、ホストコンピュータ302からの指示(ブザー310の鳴動条件の設定など)があった場合に表示されるようになっている。
【0075】
上述したように、シグナル表示機器306の動作条件とシグナル表示機器306の動作状態とをUI装置312の表示画面に表示することにより、シグナル表示機器306に複数の動作条件が設定されていてもどの動作条件を満たして動作しているかを表示するので、ユーザ(オペレータ)は、現在の基板処理装置100の状態を正しく把握することができる。また、シグナル表示機器306の動作状態がユーザの期待した動作と異なる場合、モニタ画面(第1のモニタ画面316及び第2のモニタ画面374)を確認(視認)することにより(現在のシグナル表示機器306の動作条件とシグナル表示機器306の動作状態とを確認することにより)、ソフトウェアによる制御異常であるのか(動作条件が不正)、もしくはハードウェアによる制御異常であるのか(機器の故障、誤配線など)を判断することができる。
【0076】
ここで、シグナル表示機器306の動作検証について説明する。
例えばシグナル表示機器306における動作検証の一例として、シグナルタワー308について動作検証を行う。具体的には、表示器314に表示された第1の入力画面318で一つ一つのシグナル点灯(点滅)条件を設定し、表示器314の第1のモニタ画面316に表示されたシグナルタワー308の動作状態(点灯又は点滅)と実際に基板処理装置100上部に設けられたシグナルタワー308の動作状態(点灯又は点滅)とを比較しながら確認する。
このとき、表示器314の第1のモニタ画面316に表示されたシグナルタワー308は所望の動作を行っているが、実際に基板処理装置100上部に設けられたシグナルタワー308において所望の動作が行われない場合には、配線ミスや断線のようなハードウェアの故障が考えられる。
他方、どちらのシグナルタワー308においても所望の動作が行われない(実際に設けられたシグナルタワー308及び第1のモニタ画面316からの反応がない)場合、配線ミスや断線のようなハードウェアの故障だけでなく、設定条件の入力ミスやソフトウェアの故障が考えられる。
そして、シグナルタワー308に関する点灯(点滅)条件の全てについてチェックOKとなればシグナルタワー308についての動作検証が終了する。
このように、操作画面上に表示されたシグナルタワー308と実際に基板処理装置に設けられたシグナルタワー308との両方で動作検証を行うことにより、ソフトウェアによる制御異常であるのか、ハードウェアによる制御異常であるのかを判断することができるので、エラーが発生しても動作検証が容易に行われる。
【0077】
また、複数の基板処理装置100における複数のブザー310が同時に鳴動する条件を満たした場合においても、ブザー310の動作条件とブザー310の動作状態とが第2のモニタ画面374に表示されるので、ユーザ(オペレータ)は聴覚的に(耳で)判断するのみではなく、視覚的に判断することが可能となり、誤った判断を防止することができる。
【0078】
更に、本発明における図10の設定画面のように、障害報告ブザー(アラームブザー)以外にも複数の音色の異なるブザーを付帯させることにより、装置の周辺にいる人に対して、装置の状態を音により効果的に知らせることができる。例えば、成膜技術の開発時及び研究時若しくはメンテナンス時には、装置周辺にいる作業者が、音色を聞くだけで装置の稼動状態を知ることができる。
【0079】
図12は、シグナル制御装置320上で動作する鳴動制御プログラム40の構成を示す図である。
図12に示すように、鳴動制御プログラム40は、基板処理制御部400、状態受付部402、鳴動制御部404、設定部406及び関係記憶部408を有する。鳴動制御プログラム40は、シグナル制御装置320に格納され、メモリ324にロードされて、図示しないOS上でCPU322により実行される。
【0080】
鳴動制御プログラム40において、基板処理制御部400は、当該プログラムのほかの構成要素を制御し、基板処理装置100及び材料搬送装置に対して基板処理に関する処理の指示を発行する。例えば、基板処理制御部400は、材料搬送装置に対して、ウエハ移載指示及び成膜処理後のウエハ回収指示を発行する。また、基板処理制御部400は、基板処理装置100に対して、ウエハ処理指示を発行する。さらに、基板処理制御部400は、ホストコンピュータ302との間で、基板処理装置100の状態に関するデータの送受信を行う。
【0081】
関係記憶部408は、基板処理装置100及び材料搬送装置の少なくともいずれかの状態と、ブザー310による鳴動の態様との関係を記憶する。より具体的には、関係記憶部408は、基板処理装置100等の状態と、当該状態の際に鳴動するブザー310のブザー種類及び鳴動時間との関係を記憶する。なお、この関係の実施例は、後で詳述する。関係記憶部408は、メモリ324及び図示しない記憶装置の少なくともいずれかにより実現される。
【0082】
状態受付部402は、基板処理装置100、材料搬送装置及びホストコンピュータ302のそれぞれから出力される当該装置の状態の報告を受け付けて、鳴動制御部404に対して出力する。
【0083】
鳴動制御部404は、状態受付部402により受け付けられた状態と、関係記憶部408に記憶されている関係とに基づいて、ブザー310の鳴動を制御する。より具体的には、鳴動制御部404は、状態受付部402から装置の状態を受け付けると、関係記憶部408を参照し、当該状態におけるブザー310の鳴動の態様を確認する。関係記憶部408は、当該態様に基づいて、ブザー310のブザーの種類と鳴動時間を制御して、ブザー310を鳴動させる。
【0084】
設定部406は、関係記憶部408に記憶されている関係を設定する。より具体的には、設定部406は、作業者によりUI装置312を介して送信された内容に基づいて、関係記憶部408に記憶されている関係のデータの登録、更新及び削除を行う。
【0085】
図13は、鳴動制御プログラム40の関係記憶部408に記憶されている関係を例示する図である。
図13に例示するように、関係データのそれぞれには、装置状態、ブザー種類及び鳴動時間(秒)が含まれる。装置状態は、基板処理装置100等の状態を示し、例えば、リセット、スタート待ち、ラン、エンド、アイドル、ホールド、レディなどである。ブザー種類は、対応する装置状態の際にブザー310により鳴動されるブザーの種類であり、例えば、連続音1〜4、断続音1〜4及び鳴動なしのいずれかである。鳴動時間は、ブザー310が鳴動する時間を示す。
【0086】
例えば、シグナル制御装置320が、装置状態が「ノットレディ」である旨の報告を受け付けた場合、当該状態は図13に示される関係には含まれないので、シグナル制御装置320は、ブザー310を鳴動させない。例えば、シグナル制御装置320が、装置状態が「リセット」である旨の報告を受け付けた場合、シグナル制御装置320は、連続音2のブザーを1分間鳴動させるようにブザー310を制御する。
【0087】
また、例えば、シグナル制御装置320が、装置状態が「スタート待ち」である旨の報告を受け付けた場合、シグナル制御装置320は連続音1のブザーを鳴動し続け、鳴動は作業者により手動で停止される。例えば、シグナル制御装置320が、装置状態が「エンド」である旨の報告を受け付けた場合、当該状態は図13に示される関係に含まれるが、ブザー種類が「鳴動なし」であるので、シグナル制御装置320は、ブザー310を鳴動させない。
【0088】
なお、鳴動時間が「自動停止しない」と設定されている場合、装置の状態が作業者により他の状態に遷移されることにより、鳴動が停止されてもよい。関係記憶部408に記憶される関係は、本例に限定されず、他のデータが含まれていてもよい。例えば、シグナルタワー308の動作状態を付加してもよい。
【0089】
次に、鳴動制御プログラム40の状態受付部402により受け付けられる装置の状態を詳述する。
装置状態には、基板処理装置100等が動作するモードの状態を示す装置モード、基板処理過程においてキャリアの搬送の状態を示すキャリア搬送、及びホストコンピュータ302とのデータの送受信の状態を示すホスト通信が含まれる。以降、装置モード、キャリア搬送及びホスト通信それぞれの状態を説明する。
【0090】
装置モードの状態には、リセット、スタート待ち、ラン、エンド、アイドル、ホールド、レディ、PMスタート待ち、ステップブザー及びアラーム発生中が含まれる。
ここで、リセットは、装置が安全な状態で停止したことを意味する。装置のメンテナンスが人的介在により行われる場合、装置が安全な状態で停止していることが必要である。スタート待ちは、ジョブを実行する前に設定内容などの最終確認をとる場合、又は実行タイミングを図る際に人的介在を必要とする場合、ジョブ実行準備が整ってスタート指示待ち状態になったことを意味する。
【0091】
ランは、ジョブが実行したことを意味する。エンドは、プロセス装置でのレシピが終了したことを意味する。炉内のメンテナンスは、プロセス装置でのレシピ実行後に行われる場合がある。アイドルは、処理炉が待機状態であることを意味する。処理炉が待機状態であれば、炉単独での処理が可能である。ホールドは、一時停止状態を意味する。ジョブ実行中又はレシピ実行中に一時停止し、その要因が人的介在により取り除かれる必要がある。レディは、装置が待機状態であることを意味する。基板処理装置100、材料搬送装置が待機状態であれば、次のジョブを実行することができるので、ジョブの生成、キャリアの準備など、人的介在が必要になる。
【0092】
PMスタート待ちは、基板処理装置100単独のレシピスタート待ち状態を意味する。レシピが基板処理装置100単体で実行される場合、実行前に装置の状態や実行タイミングを考慮するために、人的介在が必要となる。ステップブザーは、レシピの指定した処理が実行したことを意味する。レシピの進行状況を確認し、又はレシピの要所で人的介在を要する場合がある。アラーム発生中は、装置に異常が発生したことを意味する。装置に異常が発生した場合、人的介在が必要となる。
【0093】
キャリア搬送の状態には、キャリア搬送中、キャリア搬出中、搬入キャリア受け渡し中、搬出キャリア受け渡し中、払い出し待ちキャリア有り、処理終了キャリア有り、処理待ちキャリア有り、バッファ空有り[製品]、バッファ空有り[モニタ]、バッファ空有り[モニタ2]、バッファ空有り[リターンモニタ]、バッファ空有り[リターンモニタ2]、ロードポート[自動]及びロードポート[手動]が含まれる。
【0094】
キャリア搬入中は、指示したキャリア全ての搬入が終わるまでを意味する。複数のキャリアが内部バッファへ搬入されるとき、人的介在によりキャリアが一つずつロードポートにセットされる。キャリア搬出中は、支持したキャリア全ての搬出が終わるまでを意味する。内部バッファから複数のキャリアが搬出されるとき、人的介在によりキャリアが一つずつロードポートから取り出される。
【0095】
搬入キャリア受け渡し中は、ロードポートの開閉動作中を意味する。キャリアが内部バッファへ搬入される場合、人的介在によりロードポートの開閉操作が行われる。搬出キャリア受け渡し中は、ロードポートの開閉動作中を意味する。キャリアが内部バッファから搬出される場合、人的介在によりロードポートの開閉操作が行われる。払い出し待ちキャリア有りは、キャリアが搬出されロードポートにある状態を意味する。キャリアが装置から搬出され、人的介在によりロードポートからキャリアが取り上げられる必要がある。
【0096】
処理終了キャリア有りは、内部バッファに処理済キャリアが滞在していることを意味する。処理済ウエハを回収したキャリアが内部バッファに滞在すると、人的介在によりそのキャリアが搬出される必要がある。処理待ちキャリア有りは、内部バッファに未処理キャリアが滞在していることを意味する。装置内に未処理のキャリアが滞在する場合、人的介在によりそのキャリア内のウエハの処理が行われる必要がある。
【0097】
バッファ空有り[製品]は、製品用キャリアの内部バッファに空容量があることを意味する。装置内の製品用キャリアの内部バッファに空容量がある場合、製品用キャリアを搬入しておくことにより、次処理の準備ができる。バッファ空有り[モニタ]は、モニタ用キャリアの内部バッファに空容量があることを意味する。装置内のモニタ用キャリアの内部バッファに空容量がある場合、モニタ用キャリアを搬入しておくことにより、次処理の準備ができる。バッファ空有り[モニタ2]は、モニタ2用キャリアの内部バッファに空容量があることを意味する。装置内のモニタ2用キャリアの内部バッファに空容量がある場合、モニタ2用キャリアを搬入しておくことにより、次処理の準備ができる。
【0098】
バッファ空有り[リターンモニタ]は、リターンモニタ用キャリアの内部バッファに空容量があることを意味する。装置内のリターンモニタ用キャリアの内部バッファに空容量がある場合、リターンモニタ用キャリアを搬入しておくことにより、次処理の準備ができる。バッファ空有り[リターンモニタ2]は、リターンモニタ2用キャリアの内部バッファに空容量があることを意味する。装置内のリターンモニタ2用キャリアの内部バッファに空容量がある場合、リターンモニタ2用キャリアを搬入しておくことにより、次処理の準備ができる。
【0099】
ロードポート[自動]は、ロードポートが自動制御であることを意味する。ロードポートが自動制御モードに設定された場合、人的介在は不要になったことが知らされる。ロードポート[手動]は、ロードポートが手動制御であることを意味する。ロードポートが手動制御モードに設定された場合、以降のキャリア搬入出では人的介在が必要であることが知らされる。
【0100】
ホスト通信の状態には、オンライン[リモート]、オンライン[ローカル]及びオフラインが含まれる。
ここで、オンライン[リモート]は、ホスト側で「リモートモード」と指定し、装置状態を報告していることを意味する。ホストコンピュータ302との通信が行われ、装置状態がホストコンピュータ302に対して報告されていることが知らされる。オンライン[ローカル]は、ホスト側で「ローカルモード」と指定し、装置状態を報告していることを意味する。ホストコンピュータ302との通信が行われ、装置状態がホストコンピュータ302に対して報告されていることが知らされる。オフラインは、ホストコンピュータ302と通信していないことを意味する。ホストコンピュータ302との通信が行われていない状態であることが知らされる。
【0101】
図14は、本発明の実施形態に係る基板処理装置100の全体動作(S10)を示すフローチャートである。
基板処理装置100においては、シグナル制御装置320上で動作する鳴動制御プログラム40の基板処理制御部400が制御している。図14に示すように、ステップ100(S100)において、状態受付部402が、基板処理装置100、材料搬送装置等の装置から当該装置の状態の報告を受け付けたか否かを判定する。鳴動制御プログラム40は、装置の状態の報告が受け付けられた場合にはS102の処理に進み、そうでない場合にはS100の処理に戻る。例えば、状態受付部402は、基板処理装置100がレディ状態である場合、当該装置の状態がレディである旨を受け付け、ジョブが実行された場合、当該装置の状態がランである旨を受け付け、基板処理装置100でのレシピが終了した場合、当該装置の状態がエンドである旨を受け付ける。
【0102】
ステップ102(S102)において、鳴動制御部404は、関係記憶部408に記憶されている関係を参照して、状態受付部402により受け付けられた装置の状態に対応するブザー310の鳴動の態様を確認する。
【0103】
ステップ104(S104)において、鳴動制御部404は、受け付けられた装置の状態に対応する鳴動の態様で、ブザー310を鳴動させる。例えば、受け付けられた装置の状態の報告が、装置モードがレディ状態である旨のものであった場合、ブザー310は、鳴動制御部404の制御により、ブザー種類を連続音3として30秒間鳴動する。また、例えば、受け付けられた装置の状態の報告が、装置モードがラン状態である旨のものであった場合、ブザー310は、鳴動制御部404の制御により、ブザー種類を断続音4として30秒間鳴動する。
【0104】
ステップ106(S106)において、基板処理制御部400は、基板処理が終了したか否かを判定する。鳴動制御プログラム40は、基板処理が終了したと判定された場合には処理を終了し、そうでない場合にはS100の処理に戻る。本実施の形態において、例えば装置の状態がランであっても、エラーが発生した場合、エラー発生時の設定に従って鳴動させることが可能である。
【0105】
なお、本発明は、基板処理装置として、半導体製造装置だけでなくLCD装置のようなガラス基板を処理する装置でも適用できる。また、成膜処理には、例えば、CVD、PVD、酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理等を含む。
【符号の説明】
【0106】
5 シグナル制御プログラム
40 鳴動制御プログラム
100 基板処理装置
103 正面メンテナンス口
104 正面メンテナンス扉
105 回転式ポッド棚
110 ポッド
111 筐体
111a 正面壁
112 ポッド搬入搬出口
113 フロントシャッタ
114 ロードポート
115 ボートエレベータ
116 支柱
117 棚板
118 ポッド搬送装置
118a ポッドエレベータ
118b ポッド搬送機構
119 サブ筐体
119a サブ筐体の正面壁
120 ウエハ搬入搬出口
121 ポッドオープナ
122 載置台
123 キャップ着脱機構
124 移載室
125 ウエハ移載機構
125a ウエハ移載装置
125b ウエハ移載装置エレベータ
125c ツイーザ
126 待機部
128 アーム
133 クリーンエア
134 クリーンユニット
135 ノッチ合わせ装置
147 炉口シャッタ
200 ウエハ
202 処理炉
217 ボート
219 シールキャップ
300 基板処理システム
302 ホストコンピュータ
304 通信回線
306 シグナル表示機器
308 シグナルタワー
310 ブザー
312 UI装置
314 表示器
316 第1のモニタ画面
318 第1の入力画面
320 シグナル制御装置
322 CPU
324 メモリ
326 動作条件
330 アクセス管理部
332 制御部
334 シグナルI/O部
340 色識別入力部
342 優先設定入力部
344 点灯条件入力部
346 第1の装置状態入力部
348 第1の成立条件入力部
350 点滅条件入力部
352 第2の装置状態入力部
354 第2の成立条件入力部
358 点灯状態表示部
360 点滅状態表示部
362 ホストアイコン
364 第2の入力画面
366 音色識別入力部
368 鳴動条件入力部
370 第3の装置状態入力部
372 第3の成立条件入力部
374 第2のモニタ画面
376 鳴動状態表示部
378 鳴動有無表示部
380 第2のホストアイコン
400 基板処理制御部
402 状態受付部
404 鳴動制御部
406 設定部
408 関係記憶部
S10 全体動作

【特許請求の範囲】
【請求項1】
稼働状態を示す複数のシグナル表示機器としてのシグナルタワー及びブザーと、予め個別に設定された前記シグナルタワー及びブザーに対応する動作条件を表示する表記器とを備えた基板処理装置であって、
前記シグナルタワー及びブザーは、複数の動作条件のいずれかにより動作し、
前記表示器において、前記シグナルタワーの動作条件として前記ブザーが鳴動することが設定可能であることを特徴とする
基板処理装置。
【請求項2】
稼働状態を示す複数のシグナル表示機器としてのシグナルタワー及びブザーと、予め個別に設定された前記シグナルタワー及びブザーに対応する動作条件を表示する表記器とを備えた基板処理装置の表示方法であって、
前記シグナルタワー及びブザーを、複数の動作条件のいずれかにより動作させ、
前記表示器において、前記シグナルタワーの動作条件として前記ブザーが鳴動することが設定可能とさせることを特徴とする
基板処理装置の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−89853(P2012−89853A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243222(P2011−243222)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2007−536591(P2007−536591)の分割
【原出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】