説明

基板出荷ボックスの識別システム

【課題】基板出荷ボックスの仕様の間違い、及びインフォパッド等の識別手段の装着ミスを防止するため、出荷前に基板出荷ボックスの仕様を確認するための基板出荷ボックスの識別システムを提供する。
【解決手段】基板Wを収納して出荷するための基板出荷ボックス4が、該基板出荷ボックス4の仕様を識別するための識別手段5を有し、少なくとも基板出荷ボックス4及び/又は識別手段5の画像を取り込むための画像取込装置2と、基板出荷ボックス4の仕様を認識するための画像認識装置3を具備し、基板出荷ボックス4の包装前に前記認識データと基板出荷ボックス4の仕様データとを照合するものであることを特徴とする基板出荷ボックスの識別システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体シリコンウェーハ等の基板を収納して出荷するための基板出荷ボックスの識別に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造に関わる半導体ウェーハ等の基板は、半導体デバイスの厳しい価格競争に伴い、歩留向上によるコストダウンを目的として、大口径化(例えば直径8インチ(200mm)、12インチ(300mm)といった口径の基板)が進んでいる。それと同時に、より高機能の半導体製品となるため、半導体基板上に作製される回路はより微細化している。従って、半導体デバイス製造工程においても、半導体基板製造工程においても、半導体が製品となるまで常に高いクリーン状態を保たなければならず、基板は密閉可能な基板収納容器に収納され、半導体製造の工程間で搬送される。
【0003】
通常、半導体基板メーカーから半導体デバイスメーカーへ基板を出荷する場合、半導体基板メーカーでは、半導体基板の製造工程内で使用していたFOUP(Front Opening Unified Pod)と呼ばれる基板収納容器をそのまま使用することはなく、基板をFOSB(Front Opening Shipping Box)と呼ばれる基板出荷ボックスに入れ替え、透明ラミネート、アルミラミネート等の包装材で基板出荷ボックスを二重包装し出荷する。その際、容器を開けなくても基板出荷ボックス内の基板品種を外から識別できるように、基板出荷ボックスの底面には、インフォパッドと呼ばれる識別体とそれを取り付けるインフォパッドプレートを装着することができるような構造となっている(特許文献1参照)。
【0004】
図2はインフォパッドプレートの概略図であり、(a)、(b)のような形があることを示す図である。また、図3はインフォパッドの概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)のX−X断面図である。図2(a)、図2(b)のインフォパッドプレート6には、図3のようなインフォパッド7を取り付けられるよう、4ヶ所の貫通孔A、B、C、Dが空けられており、さらにRFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)システムに使用されるRFタグという識別子も取り付けられる装着位置10が設けられている。この4つの穴のふさぎ方は16通りあり、インフォパッドプレートの装着の有無まで含めると17通りとなる。これらの組み合わせで、半導体デバイス製造工程では半導体基板メーカーからの基板の受け入れの際に基板の識別に使われている。
【0005】
そして、半導体基板メーカーでは、工程内ボックス(FOUP)から基板出荷ボックス(FOSB)へ移載する必要があり、基板出荷ボックスに移載する工程では、出荷先の各ユーザーにより基板出荷ボックスのメーカーと種類が指定され、かつ基板の品種によりインフォパッドプレートの有無も含めインフォパッドの位置が基板出荷ボックスの仕様として指定されているため、基板出荷時には多種多様な基板出荷ボックスが存在する。従って、基板出荷ボックスの仕様の間違い、及びインフォパッドの装着ミスは半導体デバイスメーカーからのクレームに直結するため間違えは避けなければならない。しかし、実際の出荷時に確認しようとしても、基板出荷ボックスは不透明なアルミラミネートで包装されているため、出荷ボックスが見えず出荷時に目視での確認が不可能である。
【0006】
そこで基板出荷ボックスの仕様の間違い、及びインフォパッドの装着ミスの対策として、工程内ボックスから基板出荷ボックスに移載する工程では、基板移載前の空の基板出荷ボックスを移載機にセットする場所に物理的なピンが多数設置してあり、基板出荷ボックスを移載機にセットした際、そのピンのオン/オフにより、基板出荷ボックスのメーカーと種類、及びインフォパッドの位置を識別している。さらに、ホストコンピュータから基板出荷ボックスの仕様データを装置に転送し、実際にセットされた時のピンのオン/オフデータとの照合で、誤出荷を防止している。
【0007】
しかし、前述のような出荷ミスを防止するための対策をとっていても、半導体デバイスメーカーに納品した際、稀に出荷ミスが発覚し、苦情を受けてしまうという問題があった。
【0008】
【特許文献1】特開2000−315721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、基板出荷ボックスの仕様の間違い、及びインフォパッド等の識別手段の装着ミスを防止するため、出荷前に基板出荷ボックスの仕様を確認するための基板出荷ボックスの識別システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、基板を収納して出荷するための基板出荷ボックスが、該基板出荷ボックスの仕様を識別するための識別手段を有し、少なくとも前記基板出荷ボックス及び/又は前記識別手段の画像を取り込むための画像取込装置と、前記基板出荷ボックスの仕様を認識するための画像認識装置を具備し、前記基板出荷ボックスの包装前に前記認識データと前記基板出荷ボックスの仕様データとを照合するものであることを特徴とする基板出荷ボックスの識別システムを提供する(請求項1)。
【0011】
このように、基板出荷ボックスの識別システムとして少なくとも基板出荷ボックス及び/又は識別手段の画像を取り込むための画像取込装置と、基板出荷ボックスの仕様を認識するための画像認識装置を具備し、前記基板出荷ボックスの包装前に前記認識データと前記基板出荷ボックスの仕様データとを照合するものであることによって、出荷前に識別手段や基板出荷ボックスの仕様を再確認することができ、基板出荷ボックスの仕様の間違い、及びインフォパッド等の識別手段の装着ミスを防止することができる。また、このような誤出荷の防止対策をとることで、基板出荷ボックスに関する問い合わせ等の回答にも迅速に対応でき、基板製品の顧客サービスの向上につながる。
【0012】
この場合、前記識別手段は、インフォパッドプレート、及び該インフォパッドプレートに装着可能なインフォパッド及びRFタグの少なくとも1つから構成され、前記画像認識装置は、前記基板出荷ボックスの形状、前記識別手段の有無、前記インフォパッドプレートの形状、前記インフォパッドの位置、及び前記RFタグの有無の少なくとも1つを前記画像より認識し、該認識データとホストコンピュータから転送された前記基板出荷ボックスの仕様データとを照合し、不一致の場合にはアラームを発するものであることが好ましい(請求項2)。
【0013】
このように、識別手段が、インフォパッドプレート、及び該インフォパッドプレートに装着可能なインフォパッド及びRFタグの少なくとも1つから構成される場合、画像認識装置は、基板出荷ボックスの形状、識別手段の有無、インフォパッドプレートの形状、インフォパッドの位置、及びRFタグの有無の少なくとも1つを画像より認識することにより、基板出荷ボックスのメーカーや多数ある識別手段の種類を認識データとして得ることができる。また、該認識データとホストコンピュータから転送された基板出荷ボックスの仕様データとを照合し、不一致の場合にはアラームを発するものであることにより、基板の誤出荷を確実に防止することができる。
【0014】
さらに、前記画像取込装置は、少なくとも前記基板出荷ボックス及び/又は前記識別手段の撮影面を照らすための照明、前記撮影面を映すための反射鏡、及び前記撮影面を写すためのカメラを具備するものとすることができる(請求項3)。
このように、画像取込装置は、少なくとも基板出荷ボックス及び/又は識別手段の撮影面を照らすための照明、撮影面を映すための反射鏡、及び撮影面を写すためのカメラを具備するものであることにより、鮮明に基板出荷ボックス及び/又は識別手段を撮影でき、画像認識装置により、正確な認識データを得ることができるとともに、画像の認識スピードも上がる。
【0015】
また、本発明の前記識別システムは、前記基板出荷ボックスの包装台に取り付けられているものであることが好ましい(請求項4)。
このように、本発明の識別システムが、基板出荷ボックスの包装台に取り付けられているものであることにより、基板出荷ボックスの本発明による認識データと、基板出荷ボックスの仕様データの照合から、基板出荷ボックスの包装作業まで、基板出荷ボックスの移動がないので、さらなる基板の誤出荷防止が期待できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に従う基板出荷ボックスの識別システムであれば、出荷前に識別手段や基板出荷ボックスの仕様を再確認することができ、基板出荷ボックスの仕様の間違い、及びインフォパッド等の識別手段の装着ミス等の誤出荷を防止することができ、基板出荷ボックスに関する問い合わせ等の回答にも迅速に対応できるため、基板製品の顧客サービスの向上や売り上げ向上につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
従来、工程内ボックスから基板出荷ボックスに半導体シリコンウェーハ等の基板を移載する装置では、前述のように移載機に空の基板出荷ボックスをセットした際、移載機に仕掛けられているピンのオン/オフにより、基板出荷ボックスのメーカーと種類、及びインフォパッドの位置を識別し、基板出荷ボックスの仕様データとの照合で、基板出荷ボックスの間違い、及びインフォパッドの装着ミスを防止してきた。しかし、このような誤出荷防止システムであっても、半導体デバイスメーカーに納品した際、稀に出荷ミスが発覚し、苦情を受けてしまうという問題があった。
【0018】
本発明者は、その原因を調査した結果、以下のような問題点が発見された。図4(a)、(b)は図2で示したインフォパッドプレート6に図3で示したインフォパッド7や、RFタグ8を装着したときの一例を示す図である。工程内ボックスから基板出荷ボックスへの基板の移載工程からその後工程である包装工程に出荷ボックスを運搬する際、棚あるいは搬送装置の一部に基板出荷ボックスが当たり、識別手段として機能するインフォパッド7やRFタグ8が脱落してしまうことがごく稀にあり、また、装置の起因だけでなく作業者がインフォパッドプレートにインフォパッド等を装着する際に装着が不完全であったりするとインフォパッド等が基板出荷ボックスの搬送中に脱落してしまうこともあった。
【0019】
現状の包装工程では、インフォパッド等の装着状態を確認する手段がなく、不透明なアルミラミネートで包装されてしまった後では基板出荷ボックスが見えず、インフォパッド等の基板出荷ボックスの仕様の確認が不可能である。そのため、包装される直前までは間違いなくインフォパッドが正規の適正な位置に装着されていることが保証できていなかった。
【0020】
そこで、本発明者は包装する前に、もう一度識別手段等基板出荷ボックスの仕様を画像により認識し、予めホストコンピュータに登録しておいた基板出荷ボックスの仕様データと画像による認識データとを照合して確認することで基板出荷ボックスの仕様の違い、及び誤出荷を防止できることに想到し、本発明を完成させた。以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
図1は本発明に係る基板出荷ボックスの識別システムの一例を示す図である。また、図5は本発明による識別システムのフローを示す図である。
基板Wを収納して出荷するための基板出荷ボックス4は、該基板出荷ボックス4の仕様を識別するための識別手段5を具備する場合、本発明の基板出荷ボックスの識別システム1は、基板出荷ボックス4や識別手段5の画像を取り込むための画像取込装置2と、基板出荷ボックス4の仕様を認識するための画像認識装置3を具備している。そして、この識別システム1は、画像認識装置3による基板出荷ボックスの認識データと予め読取られた仕様データとを照合するものである。
【0022】
このように、基板出荷ボックスの識別システム1により、基板出荷ボックス4の包装前に識別手段5や基板出荷ボックス4の仕様を再確認することができ、基板出荷ボックス4の仕様の間違い、及びインフォパッド等の識別手段5の装着ミスを防止することができる。また、このような誤出荷の防止対策をとることで、基板出荷ボックスに関する問い合わせ等の回答にも迅速に対応できる。
【0023】
識別手段5は、図2(a)、(b)のようなインフォパッドプレート6と、該インフォパッドプレートの貫通孔A、B、C、Dに装着可能な図3に示したようなインフォパッド7及び図4に示したRFタグ8から構成されている場合があり、基板出荷ボックス4の仕様を識別するため、図4のようにインフォパッドプレート6の貫通孔A、B、C、Dに装着するインフォパッド7やRFタグ8の位置が予め基板出荷ボックスの仕様により決められている。
【0024】
このような識別手段を画像により認識する場合、識別システム1の画像認識装置3は、出荷先により指定されている基板出荷ボックス4のメーカーを識別できるように、基板出荷ボックスの形状、また、識別手段5の有無、インフォパッドプレート6の形状、インフォパッド7の装着位置、及びRFタグ8の有無等を画像より認識し、基板出荷ボックス4の仕様を完全に識別できるようにプログラムする。そして、この画像認識装置3は、図5に示すように、認識データとホストコンピュータから転送された基板出荷ボックスの仕様データとを照合し、不一致の場合にはアラームを発するものである。
【0025】
本実施形態の画像認識装置3は、インフォパッドプレート6の形状は図2に示す(a)、(b)の2種類、とそれぞれの4ヶ所の貫通孔A、B、C、Dに円形のインフォパッド7の装着位置、RFタグ8の有無、もしくはインフォパッドプレート自体を基板出荷装置に取り付けないという識別手段の組み合わせで、33通りの画像による識別ができるようにしてある。しかし、このような基板出荷ボックスの具備する識別手段は、出荷先によってインフォパッドプレート、インフォパッド等の組み合わせ方、形状の注文が異なるので、認識したい識別手段を予め画像認識装置3に登録しておけば、図4に示すインフォパッドプレートの形状、インフォパッドの位置に限られないことは当然である。
【0026】
また、画像認識装置3は、画像による認識データと基板出荷ボックスの仕様データとを照合し、不一致の場合にはアラームを発するが、このアラームは、ブザーのような音を鳴らすものでも、赤いランプが点滅するものでもよく、包装作業が中断されるように注意を引くものであればよい。このような画像認識装置によれば、基板の誤出荷をさらに確実に防止することができる。
【0027】
図6は本発明に係る識別システムを包装台に取り付けた場合の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は(a)のY―Y断面図である。
画像取込装置2は、基板出荷ボックス及び/又は識別手段の撮影面を照らすための照明11、撮影面を映すための反射鏡12、及び撮影面を写すためのカメラ13を具備し、さらに画像調整用モニター16を有する構造となっている。従って、鮮明に基板出荷ボックス及び/又は識別手段を撮影でき、画像認識装置により、正確な認識データを得ることができるとともに、画像の認識スピードも上がる。
【0028】
そして、本発明の基板出荷ボックスの識別システム1は図6のように包装台18に取り付けることが好ましい。このような構造とすることで、画像認識装置の認識データと、基板出荷ボックスの仕様データの照合から、基板出荷ボックスの包装作業まで、基板出荷ボックスの移動がないので、インフォパッド等が外れてしまうことがなく、さらなる基板の誤出荷防止が期待できる。
【0029】
次に、図6のような包装台に取り付けられた識別システムを、図5を参照しながらそのフローと作業方法について説明する。図6(a)の左側に包装作業員が包装台18に向かって立ち、識別システム1の電源を入れる。包装台18の上面には、包装台18の中に取り付けられている画像取込装置2で識別手段の付いている基板出荷ボックス4の底面が撮影できるように、窓14が設けられており、その窓14に基板出荷ボックス及び/又は識別手段の撮影面(不図示)が合わさるように基板出荷ボックス4を包装台18の上に搭載する(図6(b))。基板出荷ボックス4の仕様データを読取るため、包装台18の右に付属されているバーコードリーダー17で、基板出荷ボックスに付けられているバーコードを読取る。この仕様データはホストコンピュータに格納される。
【0030】
基板出荷ボックスの仕様データを読取ったあと、包装作業員は足元にあるフットスイッチ15を押す。このフットスイッチ15は本発明の識別システム1を実際に稼動させるためのスイッチである。これにより、画像取込装置2の照明11が窓14を介して基板出荷ボックスの底面を照らし、反射鏡12を介してカメラ13により基板出荷ボックスの底面が撮影される。このとき、撮影した画像が目的物を捕らえていない場合は、画像調整用モニター16で撮影部分の調整をすることができる構成となっている。
【0031】
画像取込装置2により、基板出荷ボックスの底面についている識別手段の画像を取り込んだ画像データは、包装台18の中に取り付けられている画像認識装置3へと転送される。画像認識装置3は予め登録しておいた識別手段の画像データから、インフォパッドプレートの有無及び形状、インフォパッドの装着位置、及びRFタグの有無を認識し、認識データを格納する。ここで、画像認識装置3は上記ホストコンピュータと兼ねることができる。
【0032】
画像認識装置3は、バーコードリーダーで読取った基板出荷ボックスの仕様データと画像データから分析した認識データを照合し、仕様データと認識データが一致していれば、その一致したデータをホストコンピュータに保存し、作業員にその旨を伝える表示機能(不図示)よりサインが表示される。包装作業員は、表示機能より仕様データと認識データの一致を確認してから、手作業で基板出荷ボックスの上から透明ラミネートをかぶせてシールし、さらにアルミラミネートをかぶせてシールする。
もし、仕様データと認識データが不一致の場合には、画像認識装置3はアラームを発する。これにより包装作業は中断し、識別手段の確認が作業員によって行われる。
【0033】
本発明の識別システムは、フットスイッチが押されてから、表示機能によりデータの一致が表示されるまでにかかる時間は、約1〜2秒程度であり、包装工程の作業時間に支障をきたすような時間はかからない。
【0034】
従って、本発明に係る基板出荷ボックスの識別システムは、出荷前に識別手段や基板出荷ボックスの仕様を再確認することができ、基板出荷ボックスの仕様の間違い、及びインフォパッド等の識別手段の装着ミスや脱落等の誤出荷を防止することができ、さらに基板出荷ボックスに関する出荷先からの問い合わせ等の回答にも迅速に対応できるため、顧客サービスの向上や基板製品の売り上げ向上につながる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の実施例をあげてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
(実施例)
基板出荷ボックスに付けられる可能性のある33種類の識別手段を予め画像認識装置に登録しておく。
基板出荷ボックスを図6に示す本発明に係る識別システムの取り付けられた包装台に搭載し、基板出荷ボックスの仕様データをバーコードリーダーにより読取り、フットスイッチを押し、本発明の識別システムを稼動させる。
データの照合の結果、一致のサインが表示機能に表示されたら包装作業に入る。
不一致の場合は、基板出荷ボックスを正しい仕様に直し包装作業を行う。
このように本発明の基板出荷ボックスの識別システムを用いて基板出荷ボックスの仕様を確認する作業を包装直前に実施した。
その結果、基板出荷ボックスの誤出荷は全く発生しておらず、誤出荷率0%を継続している。
【0037】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る基板出荷ボックスの識別システムの一例を示す図である。
【図2】インフォパッドプレートの概略図であり、(a)、(b)のような形があることを示す図である。
【図3】図3はインフォパッドの概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)のX−X断面図である。
【図4】インフォパッドプレートにインフォパッドや、RFタグを装着したときの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る識別システムのフローを示す図である。
【図6】本発明に係る識別システムを包装台に取り付けた場合の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は(a)のY―Y断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1…基板出荷ボックスの識別システム、 2…画像取込装置、
3…画像認識装置、 4…基板出荷ボックス、 5…識別手段、
6…インフォパッドプレート、 7…インフォパッド、 8…RFタグ、
10…RFタグの装着位置、 11…照明、 12…反射鏡、
13…カメラ、 14…窓、 15…フットスイッチ、
16…画像調整用モニター、 17…バーコードリーダー、 18…包装台、
A,B,C,D…貫通孔、 W…基板(半導体ウェーハ等)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納して出荷するための基板出荷ボックスが、該基板出荷ボックスの仕様を識別するための識別手段を有し、少なくとも前記基板出荷ボックス及び/又は前記識別手段の画像を取り込むための画像取込装置と、前記基板出荷ボックスの仕様を認識するための画像認識装置を具備し、前記基板出荷ボックスの包装前に前記認識データと前記基板出荷ボックスの仕様データとを照合するものであることを特徴とする基板出荷ボックスの識別システム。
【請求項2】
前記識別手段は、インフォパッドプレート、及び該インフォパッドプレートに装着可能なインフォパッド及びRFタグの少なくとも1つから構成され、前記画像認識装置は、前記基板出荷ボックスの形状、前記識別手段の有無、前記インフォパッドプレートの形状、前記インフォパッドの位置、及び前記RFタグの有無の少なくとも1つを前記画像より認識し、該認識データとホストコンピュータから転送された前記基板出荷ボックスの仕様データとを照合し、不一致の場合にはアラームを発するものであることを特徴とする請求項1に記載の基板出荷ボックスの識別システム。
【請求項3】
前記画像取込装置は、少なくとも前記基板出荷ボックス及び/又は前記識別手段の撮影面を照らすための照明、前記撮影面を映すための反射鏡、及び前記撮影面を写すためのカメラを具備するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板出荷ボックスの識別システム。
【請求項4】
前記識別システムは、前記基板出荷ボックスの包装台に取り付けられているものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の基板出荷ボックスの識別システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−105687(P2008−105687A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288345(P2006−288345)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000190149)信越半導体株式会社 (867)
【Fターム(参考)】