基板検査システム、表示装置及び表示方法
【課題】目視検査の検査者の作業効率を向上させることのできる技術を提供する。
【解決手段】記憶部41は、自動欠陥検査装置2により欠陥の検出された基板の画像と、欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、基板を識別する基板IDと対応付けて記憶する。欠陥表示装置4は、目視検査装置3において目視検査を行う基板の基板IDに基づいて自動欠陥検査装置2で取得された画像及び欠陥情報を記憶部41から読み出して、画像に対して欠陥部分を強調表示する。モニタ14は、欠陥表示装置4で強調処理された基板の画像を表示する。
【解決手段】記憶部41は、自動欠陥検査装置2により欠陥の検出された基板の画像と、欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、基板を識別する基板IDと対応付けて記憶する。欠陥表示装置4は、目視検査装置3において目視検査を行う基板の基板IDに基づいて自動欠陥検査装置2で取得された画像及び欠陥情報を記憶部41から読み出して、画像に対して欠陥部分を強調表示する。モニタ14は、欠陥表示装置4で強調処理された基板の画像を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板等を検査する基板検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型液晶テレビ、大画面ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の急激な発展に伴い、製造ラインで製造されるFPD基板(マザーガラス基板)の大型化が急速に進んだ。このような基板の大型化と比例して、製造装置、検査装置も大型化した。特に、生産効率を向上させるため、FPD基板の製造工程では、ディスプレイパネルを同時に複数枚製造できるように画面サイズの整数倍のマザーガラス基板が採用されている。以降、このマザーガラス基板をFPD基板、又は単に基板と称して説明する。多数個取りのためのFPD基板は、年々大型化しており、近年では一辺が3mを超えるFPD基板が出現している。このFPD基板の大型化に伴い、検査装置も大型化の一途をたどっている。
【0003】
基板の欠陥検査としては、基板表面にマクロ照明光を照射し基板上のレジスト塗布斑やゴミ等の異物やキズ等の欠陥を検査者が目視で検査するマニュアルマクロ検査と、基板上面の微細な欠陥を高倍率のデジタル顕微鏡で拡大観察するミクロ検査と、ラインセンサカメラで基板の全面をスキャンして得た画像から基板の欠陥を検出する自動マクロ検査などがある。このマニュアルマクロ検査装置及び自動マクロ検査装置を含む基板検査システムが用いられるようになってきている。
【0004】
マニュアルマクロ検査装置において、自動マクロ検査装置により検査した基板のマクロ画像をモニタに表示して視検査の目視検査を支援する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−76169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載されている技術によれば、自動マクロ検査装置において撮像した基板全面の縮小画像をマニュアルマクロ検査装置のモニタに表示する機能しかなく、検査者が目視観察を効率良く実施するための観点から捉えられた機能ではなかった。例えば、搬入されたFPD基板を検査者が目視検査する際には、検査者がモニタの前まで移動してモニタに映し出されたFPD基板の全体画像(マクロ画像)を見て欠陥箇所を確認した後、実際の観察位置まで移動して検査を行っているのが実情である。このように、モニタがマニュアルマクロ検査装置の目視観察用の開口窓の端に固定されていると、検査者が目視で観察する位置を確認する際にモニタの位置まで移動しなければならないため、移動による作業効率の低下と、観察位置に戻るまでに確認位置が分からなくなるという問題が生ずる。また、検査者がモニタに表示されたマクロ画像から欠陥を探す出す際には、相当の熟練を要するため正確に欠陥位置を確認することが困難であった。
【0007】
上記のとおり、近年のFPD基板の大型化により、目視検査(マニュアルマクロ検査)において検査者の作業効率を向上させるためには、自動マクロ検査の結果を目視検査に有効に活用できることが望ましい。
本発明は、基板検査システムにおいて、目視検査の検査者の作業効率を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、開示の基板検査システムによれば、基板の画像を取得し前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置と、前記自動欠陥検査装置で検査された前記基板を目視検査する目視検査装置と、前記自動欠陥検査装置において検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、前記目視検査装置において目視検査を行う基板の基板識別情報に基づいて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を前記記憶部から読み出し、該画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示装置と、前記目視検査装置の観察用窓枠の近傍に配置され、前記欠陥表示装置で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタと、を備える構成とする。
【0009】
また、開示の表示装置は、製造した基板の検査結果を表示する表示装置であって、前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、前記基板の基板識別情報に関連付けて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から読み出された前記画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示処理部と、記欠陥表示処理部で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタとを備える構成とする。
【0010】
更には、開示の表示方法は、製造した基板の検査結果を表示する表示方法であって、前記基板の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検出された前記基板の画像と、前記欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶部に記憶し、前記基板に対応付けられた前記画像及び欠陥情報を前記記憶部から読み出し、この画像の欠陥部分に対して強調表示処理してモニタに表示する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
開示の基板検査システムによれば、目視検査の検査者の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】基板検査システムの構成図である。
【図2】欠陥表示装置の機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る欠陥表示装置の画面例である。
【図4】マクロ画像表示領域に表示されるマクロ画像の表示方法を説明する図である。
【図5】欠陥の検出箇所を強調表示する方法の一例を示す図である。
【図6】欠陥の検出箇所を強調表示する方法の他の例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る欠陥表示装置による画面への出力表示例を説明する図である。
【図8】自動欠陥検査装置の辞書機能を利用して優先度を付与して表示を行う処理を示したフローチャートである。
【図9】指定された欠陥に高優先度を設定して表示を行う処理を示したフローチャートである。
【図10】欠陥表示装置の配置例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、基板検査システムの構成図である。図1に示す基板検査システム1は、自動欠陥検査装置(自動パターン検査装置、自動マクロ検査装置)2、パターンが形成された薄い板状基板として例えばFPD基板(マザーガラス基板)を保持したホルダを所定角度に傾けた状態で基板上方からマクロ照明光を照射して検査者が目視で検査する目視検査装置(マニュアルマクロ検査装置)3及び欠陥表示装置4を有し、各装置はネットワークを介して互いに接続されている。
【0014】
自動欠陥検査装置2は、FPD基板の全面を一次元イメージセンサまたは二次元イメージセンサでスキャンしてFPD基板全体のマクロ画像を撮像し、FPD基板上の欠陥を自動検査する自動マクロ検査装置である。また、自動欠陥検査装置2としては、自動マクロ検査装置よりも高解像度の一次元イメージセンサによりガラス基板全面をスキャンして微細な欠陥を検出する自動パターン検査装置を採用することも可能である。自動パターン検査装置は、一次元イメージセンサで取り込まれた一ラインの画像データから隣接する複数のパターンを比較して欠陥を検出するものであるが、スキャンした各ラインの画像データを重ねて表示すればFPD基板全体のマクロ画像を取得することができる。この自動欠陥検査装置2は、FPD基板全体の画像(マクロ画像)を取得し、基板上の欠陥を自動で検出できるものであればよい。
【0015】
目視検査装置3は、被検体であるFPD基板を保持し検査者側に向けて回転可能なホルダを有し、このホルダを検査者が観察しやすい角度に立ち上げた状態でガラス基板の上方から検査者の視野範囲を一括して照明する面光源からマクロ照明光を照射して、検査者が目視により基板上のゴミ等の異物やキズ等の欠陥を確認するマニュアルマクロ検査装置である。
【0016】
また、目視検査装置3は、検査者が目視で観察した欠陥を撮像するデジタルカメラや、ガラス基板上の微細欠陥を拡大して撮像するデジタル顕微鏡などデジタル撮像部を備えてもよい。このデジタル撮像部で撮像した欠陥画像を検査者の官能検査の履歴情報として保存したり、デジタル撮像部撮像した欠陥画像をモニタに表示して検査者に観察させたりすることができる。
【0017】
欠陥表示装置4は、例えばパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータからなり、目視検査装置3に配置され、自動欠陥検査装置2において検査を行って得られた少なくとも基板全体のマクロ画像を目視検査装置3の観察用開口窓の近傍に配置されたモニタ、または移動可能に設けられたモニタに表示させる。
【0018】
以下、自動欠陥検査装置2において行った検査の結果を、欠陥表示装置4のモニタに表示し、目視検査装置3による目視検査(マニュアルマクロ検査)を支援する方法について、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
図2は、欠陥表示装置4の機能ブロック図である。図2に示す欠陥表示装置4は、上記のとおり、自動欠陥検査装置2や目視検査装置3とネットワークを介して接続され、記憶部41、表示処理部42、登録部43及び抽出部44を有する。
【0020】
記憶部41は、自動欠陥検査装置2における検査で得られた情報を記憶する。具体的には、自動欠陥検査装置2の一次元イメージセンサにより撮像されたFPD基板全体のマクロ画像又は各面取り領域のマクロ画像と、このマクロ画像を画像処理して検出されたレジストの塗布斑やキズなどの欠陥種類、欠陥形状、欠陥位置示す欠陥情報とを、基板を識別する情報である基板IDと対応付けて記憶する。ロットを識別するロットID等の情報を含む場合は、ロットIDと基板IDとを対応付けて記憶する。この記憶部41は、欠陥表示装置4内に設ける必要がなく、例えば検査データを一括管理するサーバを利用することができる。
【0021】
表示処理部42は、記憶部41に記憶されている基板の画像(マクロ画像)及びその欠陥情報をモニタに出力表示させる。本実施形態では、第1の表示処理部45及び第2の表示処理部46を有しているが、一つの表示処理部で処理してもよい。第1の表示処理部45は、記憶部41に記憶するデータのうち、表示するよう指示された基板の基板IDに対応する基板画像(マクロ画像)と、これに対応する欠陥情報とをモニタに出力表示する。第2の表示処理部46は、記憶部41に記憶する欠陥情報を参照し、第1の表示処理部46によりモニタに出力表示される画像の欠陥部分を強調表示する。
【0022】
登録部43は、複数の種類の欠陥のうち、優先的に表示処理部42に強調表示処理させるべき欠陥を予め登録しておく。
抽出部44は、記憶部41に記憶されている欠陥情報のうち、登録部43に登録されている欠陥に相当する欠陥情報を抽出する。抽出部44において抽出処理を行わない場合には、記憶部41に記憶するデータは、直接表示処理部42に入力される。
【0023】
自動欠陥検査装置から送られてくるマクロ画像の欠陥を全て表示させる場合には、登録部43と抽出部44を省略し、対応する基板のマクロ画像と欠陥情報を記憶部41から直に表示処理部42に送ることもできる。
【0024】
以下に、図2に示す欠陥表示装置4により、自動欠陥検査装置2の検査結果を利用してモニタに出力表示させ、検査者の目視観察を支援する方法について、具体的に説明していくこととする。
<第1の実施形態>
【0025】
図3は、欠陥表示装置4の画面例で、5はマクロ画像を表示するマクロ画像表示領域で、6は欠陥情報を表示する情報表示領域である。例えば、目視検査の対象となるFPD基板が目視検査装置3に搬入される際、搬入されるFPD基板の基板IDが自動欠陥検査装置2又はサーバを介して送られてくる。これと同時に基板IDに相当するFPD基板のマクロ画像と欠陥情報が読み出され記憶部41に記憶される。記憶部41には、自動欠陥検査装置2で検査された複数枚のFPD基板のマクロ画像及び欠陥情報を基板IDに関連付けて記憶させても良い。
【0026】
表示処理部42は、指定された基板IDのマクロ画像及び欠陥情報をモニタに表示する旨の命令が入力されると、記憶部41に記憶されているデータのうち、指定された基板IDと対応するマクロ画像及び欠陥情報を取り出し、図3に示すようにモニタのマクロ画像表示領域5にマクロ画像を、情報表示領域6に欠陥情報を表示させる処理を実行する。
【0027】
また、表示処理部42は、図3に示すモニタの一覧表示領域8に、複数のFPD基板の欠陥情報のファイル名や複数のマクロ画像を縮小したサムネイル画像を一覧表示させる処理を実行する。モニタ上に一覧表示されたファイル名やサムネイル画像を指定すると、指定された基板IDに対応するマクロ画像がマクロ画像表示領域5に表示されるとともに、対応する欠陥情報が情報表示領域6に表示される。
【0028】
自動欠陥検査装置2で検出される欠陥情報としては、キズ、ムラ及び凹み等の欠陥の種類(タイプ)、欠陥数、欠陥サイズなど表示の優先順位を決める指針となる情報に加えて、基板上の欠陥の位置を示す欠陥位置情報や、ロット名、基板ID、検査開始日時等のように、基板や自動欠陥検査装置2における検査に係わる情報も含む。
【0029】
マクロ画像表示領域5の表示方法としては、目視検査装置3に搬入された現目視検査対象基板の画像と目視検査を終了した前目視検査対象基板の画像を同一モニタに表示させる。例えば、図3(a)に示すように、複数のマクロ画像を上下(または左右)に並べて表示する構成とすることができる。例えば図3(a)においては、マクロ画像表示領域5を2つの領域5Aと5Bに分割し、各領域5Aと5Bに2枚のマクロ画像A、Bを表示させ、いずれかの一つを選択することにより選択されたマクロ画像に対応する欠陥情報が情報表示領域6に表示される。現検査対象基板のマクロ画像Aと直前に検査した前検査対象基板のマクロ画像Bを表示させると、直前に検査した基板と比較しながら検査ができる。この場合、現検査対象基板と他の基板とを間違えることを防止するために、現検査対象基板に対応するマクロ画像Aの周辺枠を色などにより視覚的に区別できるように強調表示させることが望ましい。
【0030】
表示領域5A、5Bには、目視検査装置3に搬入された現検査対象基板のマクロ画像Aと次の検査対象となるマクロ画像Bとを表示させてもよく、次に検査される基板のマクロ画像を事前に確認できる。また、現検査対象基板以外のマクロ画像Bを指定した場合には、無彩色の太枠で強調表示させると共に、情報表示領域6も無彩色の太枠に強調表示させることが望ましい。また、表示領域5A又は5Bのいずれかを選択することにより、選択されたマクロ画像を表示する表示領域5A又は5Bをモニタの画面サイズに拡張させて表示させてもよい。
【0031】
あるいは、図3(b)に示すように、複数の画像の中から表示する画像をタブ7A、7Bで選択させる構成としてもよい。選択されたタブに応じて、表示するマクロ画像及び欠陥情報を切り替える。
【0032】
本実施形態に係る欠陥表示装置4では、モニタに表示する基板のマクロ画像に関し、目視検査する検査者にとって欠陥箇所を確認し易いように、表示方法を設定することができる。
【0033】
図4は、マクロ画像表示領域5に表示されるマクロ画像の表示方法を説明する図である。図4(a)に示す検出された欠陥のうち、図4(b)は、検出された欠陥の種類によらずに全ての画像を表示する場合を示し、図4(c)は、所定の種類の欠陥のみを表示する場合を示す。所定の種類の欠陥は、予めユーザ等により設定される。
【0034】
図4(c)のように、所定の種類の欠陥のみをモニタに表示する場合には、検査対象基板のマクロ画像と対応付けて記憶部41に記憶されている欠陥情報を参照し、欠陥の種類が設定されているものと一致する欠陥情報を抽出する。そして、抽出した欠陥情報に含まれる欠陥位置の欠陥のみを表示させる。
【0035】
更には、検査対象基板のマクロ画像のうち、欠陥の検出箇所を他の部分と視覚的に区別できるように強調表示することとしてもよい。
図5は、欠陥の検出箇所を強調表示する方法の一例を示す図である。図5に示すように、検査対象基板のマクロ画像のうち、欠陥情報を参照して、少なくとも目視検査の対象となる欠陥位置の周囲を囲い11(11A、11B)で強調表示する。これにより、検査者が欠陥箇所を確認し易くなる。
【0036】
図5のように囲い11で欠陥箇所を強調表示する方法の他には、例えば、欠陥箇所近傍に、欠陥位置があることを示す所定の印を表示することもできる。図6は、欠陥の検出箇所を強調表示する方法の他の例を示す図である。目視検査装置3の検査者に注意を喚起して目視検査を支援するために、目視検査の対象となる欠陥の近傍に視覚に訴える特異的な形状の印(図示例では星印)12A〜12Cを付けるとともに、点灯・点滅表示させて強調表示させてもよい。
【0037】
欠陥情報の内容を参照し、例えば欠陥の種類(タイプ)や大きさ等により、色分け、囲い11、図形や印等を用いて識別して表示することとしてもよい。
更には、モニタに表示されている欠陥のうち、検査者が目視確認した欠陥に対して強調表示を消去させる構成としてもよい。更に、検査者が問題無いと判定した欠陥タイプ(擬似欠陥)に対して優先の取り消しを行い強調表示を解除させる構成としてもよい。また、問題ありと判定された欠陥(真の欠陥)に対して判定理由を記載させるコメント欄を設け、基板情報に関連付けて記憶部に保存する構成としてもよい。判定理由の表示方法としては、欠陥位置に付箋を付して判定結果を記入する構成としてもよく、また判定結果に応じた記号を付す構成としてもよい。これにより、検査箇所の見落としが無く、且つ検査者が確認した欠陥の判定履歴を残すことができる。
【0038】
更に、目視検査装置にデジタルカメラが取り付けられている場合、検査者が確認したFPD基板上の検査箇所を同一の目視位置からデジタルカメラにより撮像することにより、この画像データ(欠陥画像)を検査者の官能検査の履歴情報として記憶部に保存することができる。
【0039】
強調表示を消去させるには、マクロ画像表示領域5に表示しているマクロ画像A及び情報表示領域6に表示している欠陥情報から対応する欠陥を特定し、その位置に表示している囲い11等の強調表示出力を停止させることにより実現する。
【0040】
ここでの「強調表示の消去」とは、囲い11、図形や印12等の表示を消去させることだけでなく、強調表示を半透明表示に切り替えることも含む。あるいは、例えば強調表示している欠陥位置については確認済であることを示す情報が検査者により入力されると、強調表示している箇所を次の欠陥位置へと切り替えることも含む。
【0041】
上記のとおり、本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、目視検査装置3により目視検査を行う検査者が欠陥表示装置4のモニタを見ながら自動欠陥検査装置2で取得されたマクロ画像より目視観察する欠陥箇所の確認を行うことができる。この場合、欠陥箇所が強調表示されているため、マクロ検査の検査者は、熟練していなくとも目視検査対象となる欠陥箇所を正確に把握することが可能になり、検査者の作業効率の向上に資する。
<第2の実施形態>
【0042】
本実施形態に係る欠陥表示装置4においては、自動欠陥検査装置2で検出された欠陥のタイプや出現頻度、欠陥発生位置の傾向等をモニタに表示する。
図7は、本実施形態に係る欠陥表示装置4による画面への出力表示例を説明する図である。
【0043】
あるロットについて自動欠陥検査装置2で欠陥検査を行って得られた複数の基板についてのマクロ画像及び欠陥情報を、基板IDとともにロットを識別するロットIDと対応付けて記憶部41に蓄積していく。データの蓄積は、ロット検査開始時、あるいは任意のタイミングを契機として開始する。
【0044】
図7に示す画面は、検査者により指定されたロットIDに基づき、記憶部41から対応する複数または全ての基板IDを取得する。そして、各基板IDと対応付けられたマクロ画像及び欠陥情報を記憶部41から取り出して、予め設定されている枚数(図7においては4枚)ずつマクロ画像を重ねて出力表示させることにより実現する。図7においては、あるロットについて自動欠陥検査装置で得られた複数枚の基板のマクロ画像A〜Dと、これら複数のマクロ画像を重ね合わせた合成マクロ画像9を示している。
【0045】
上記の実施形態に係る欠陥表示装置4と同様に、自動欠陥検査装置2で欠陥の検出された箇所について、欠陥の種類や大きさ等に応じて表示処理部42で色分けや囲い11、図形や印12等を用いて目視検査対象となる欠陥の位置を視覚的に強調させる強調表示処理することとしてもよい。
【0046】
本実施形態では、複数のマクロ画像A〜Dのそれぞれに現れる欠陥を合成マクロ画像9に重ねて表示する。この場合は、マクロ画像A〜D及び対応する欠陥情報に基づき、基板のある箇所に所定の種類の欠陥がまとまって現れるか否かを判断し、まとまって現れる同種の欠陥をグループ化する。表示処理部42では、それぞれのグループに対し囲い11(図7においては囲い11A〜11C)、図形または印12等で目視検査対象となる欠陥を視覚的に区別できるように強調表示処理を実行する。
【0047】
また、予め修正可能な欠陥と修正不能な欠陥の種類を登録しておき、修正可能な欠陥箇所と修正不能な欠陥箇所を識別する。欠陥情報の中に修正不可能な欠陥が含まれる場合には、マクロ画像中の修正可能な欠陥箇所と修正不能な欠陥箇所を識別可能なように強調表示することもできる。検査不要を現す強調表示として、例えば修正不能な欠陥が含まれる面取り領域内にNGや×マークを付けたり、赤枠または領域内を赤色、黒色または白色など目視検査対象欠陥の強調表示色と区別できる色などで塗り検査不要を現す強調表示としてもよい。このように修正不能な欠陥が含まれる面取り領域は、最終工程で廃棄されるため、この面取り領域を検査不要を表す強調表示とすることによって以降の工程における検査を行わずに済み、検査の効率を向上させることができる。この検査不要を現す強調表示は、以降の各工程の検査時に継続して表示させることが望ましい。また、この検査不要と判定された面取り基板については、その後の製造工程における露光装置での露光処理を省略させる情報として使用することもできる。
【0048】
蓄積したデータに基づき、欠陥の出現頻度を示す分布図を作成して、画像A〜Dと共に、あるいは別途表示することもできる。
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、蓄積した画像や欠陥情報のデータにより、検査者は、ロットごとに基板に関する情報を確認することが可能となる。加えて、検査者は、基板ごとの情報についても確認することが可能となる。基板ごとに画像や欠陥情報を出力表示するためには、例えば欠陥表示装置4のモニタに、ロットごとに集計した欠陥情報や、基板の画像をサムネイルで一覧表示して、例えばユーザがモニタを介してある基板の画像のサムネイルを選択すると、モニタへの出力表示をその画像に切り替える等により実現される。
【0049】
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、複数の基板のマクロ画像を重ねて表示することにより、検査者が欠陥の出現傾向を知るこができ検査領域と欠陥の種類を予測が容易に把握できるため、マニュアルマクロ検査の検査者の作業効率の向上に資する。
<第3の実施形態>
【0050】
本実施形態に係る欠陥表示装置4においては、欠陥情報により欠陥の種類(欠陥タイプ)ごとに検査の優先度を付け、優先度の高い欠陥についてはその画像及び欠陥情報を優先してモニタに表示する。
【0051】
優先度を付与する方法としては、例えば、基板検査システム1の自動欠陥検査装置2において保有する欠陥情報の傾向を学習して欠陥登録辞書に登録を行う機能を利用する方法がある。あるいは、予め重要度の高い順に欠陥タイプを登録しておく方法がある。以下に図8及び図9に示すフローチャートを参照して、具体的に説明する。
【0052】
図8は、自動欠陥検査装置2の辞書機能を利用して優先度を付与して表示を行う処理を示したフローチャートである。例えば、欠陥表示装置4の起動時に図8に示す処理を実行する。
【0053】
まず、ステップS1で、ネットワークを介して、基板検査システム1の自動欠陥検査装置2において辞書ファイルに登録されている欠陥タイプを取得して検索を行い、ステップS2で、欠陥タイプに優先順位を付して欠陥表示装置4のメモリ等の記憶手段に登録しておく。
【0054】
ステップS3で、指定する基板IDについて画像及び欠陥情報をモニタに表示させる旨の命令が入力されると、記憶部41に記憶されている欠陥情報のうち、基板IDと対応する欠陥情報についての欠陥タイプを読み出し、ステップS2において登録した欠陥タイプと一致するか否かを判定する。不一致の場合は特に処理を行わない。欠陥情報に含まれる欠陥タイプが登録されている欠陥タイプと一致する場合には、ステップS4に進み、その欠陥情報及び画像をモニタに表示させるとともに、欠陥情報が示す欠陥については強調表示する。優先順位の付け方として、例えば他のミクロ検査装置で確認できる欠陥については低い順位を付け、ミクロ検査では検査できないレジスト膜の斑欠陥、パターン斑欠陥や筋状の欠陥などの目視検査でなければ確認できないマクロ欠陥については高い順位を付ける。また、これらのマクロ欠陥に対しても優先順位を付けすることが望ましい。更に、優先順位別に色などで識別表示したり、優先順位を示す番号を付し、指定された優先順位に対応する欠陥に対して強調表示処理を行うようにしてもよい。この場合、指定されなかった優先順位の低いマクロ欠陥に対して目視検査がされていない旨の情報を基板情報に関連付けて保存してもよい。このようにすれば、視検査の所要時間内に検査が終了しない場合には、優先順位の低いマクロ欠陥の目視検査を省略でき、目視検査されなかった欠陥の検査履歴を残すことができる。
【0055】
以降は、ステップS3及びステップS4の処理を、全ての欠陥について、すなわち、指定された基板IDと対応する欠陥情報について繰り返し、処理を終了する。
図9は、検査者により指定された欠陥に高優先度を設定して表示を行う処理を示したフローチャートである。例えば、欠陥表示装置4に画像や欠陥情報等の基板に係わる情報を出力する旨の命令が入力されると、図9に示す処理を実行する。
【0056】
まず、ステップS11で、記憶部41に記憶しているデータの中から欠陥情報を読み出し、ステップS12で、欠陥タイプのうち、洗浄工程などで取り除ける擬似欠陥、ディスプレイの駆動に影響に無い擬似欠陥、リワーク装置やリペア装置で修復可能な真の欠陥、修復できないNG欠陥に優先の有無を付けて登録しておく。例えば、リワーク装置やリペア装置で修復可能な真の欠陥に高い優先順位を付け、ディスプレイの駆動に影響に無い擬似欠陥に低い優先順位を付ける。これ以外の洗浄工程などで取り除ける擬似欠陥、修復できないNG欠陥については優先順位を付けない。修復できないNG欠陥については、その欠陥が含まれる面取り領域に検査不要を示す強調表示を付すことが望ましい。
【0057】
ステップS13で、上記の命令に含まれる基板IDと対応する欠陥情報の欠陥タイプが、ステップS12において登録した優先順位が付された欠陥タイプと一致するか否かを判定する。不一致の場合は特に処理を行わない。欠陥情報に含まれる欠陥タイプが優先順付された欠陥タイプと一致する場合には、ステップS14に進み、図8のステップS4と同様の処理を実行する。
【0058】
以降は、図8に示す処理と同様に、全ての欠陥について繰り返し、処理を終了する。
なお、図8や図9に示す上記実施例のほかにも、重要度が高いと検査者が判断した欠陥タイプを登録することもできる。あるいは、例えば第2の実施形態に係る表示方法により、ロットごとの欠陥タイプの出現傾向が把握できた場合には、検査者が出現傾向にある欠陥タイプを優先的に表示すべき欠陥タイプとして登録しておくこともできる。基板IDやロットIDを指定して出力表示する旨の命令が入力されると、欠陥情報のうち、登録済の欠陥タイプについては優先順位の高い順番に出力表示させることができる。また、モニタに映し出されたマクロ画像上に欠陥の優先順位ごとに、色や記号などで強調表示させるとよい。この場合、優先順位の高い順番に強調表示させ、ある順位の欠陥タイプの目視検査が終了したならば、次順位の欠陥タイプに対して強調表示さるように優先順位別に切換表示してもよい。このように各欠陥を検査対象となる欠陥と検査対象とならない欠陥に分類することにより、検査不要の欠陥を誤って検査することを無くすことができる。更に、検査対象となる欠陥に対して優先順位別に強調表示させることにより、優先順位の高い欠陥を見落とすことなく確実に目視検査することが可能になる。更に、優先順位を付けて検査時間などに応じて検査対象の順位を指定することにより、重要度に高い欠陥を確実に目視検査することができる。
【0059】
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、優先有無、優先順位別に分けた欠陥を強調表示するため、欠陥表示装置4により表示される画面及び欠陥情報を参照しながらマクロ検査を行う検査者によるマクロ検査の作業効率の向上に資する。
<第4の実施形態>
【0060】
本実施形態に係る欠陥表示装置4は、マクロ検査において検査者にとって画像や欠陥情報を参照し易い位置に出力表示を行う。
図10は、欠陥表示装置4の配置例である。例えば図10(a)に示すように、目視検査装置3の前面外装パネル10に形成された目視観察用窓枠10aの脇に、欠陥表示装置4のモニタ14を設置している。
【0061】
モニタ14は、検査者が2mを超える大型基板に沿って移動しながら検査する場合、検査者の移動位置に移動可能としてもよい。例えば、目視検査装置3の観察用窓枠10aに沿ってガイドレール16を設け、このガイドレール16に目視検査装置3を遠隔操作する操作盤17を移動可能に設けるとともに、この操作盤17にモニタ14を一体に取り付け検査者の検査位置に移動できるようにしてもよい。また、操作盤を手で持ち運びできるハンディタイプとし、この操作盤にモニタを一体に取り付けるようにしてもよい。本実施形態では、モニタ14を載置する台15が、上下(図10(a)中の(イ)方向)方向や左右(図10(a)の(ロ)方向に移動可能とする。駆動手段としては、ガイドレールに台15を移動可能に設け、リニアモータ等により検査者の移動に追従して移動させることもできる。
【0062】
図10(b)に示すように、目視検査装置3の観察用窓枠10に沿って設けられたガイドレール16に操作盤17を移動可能に設け、この操作盤17にモニタ14を取り外し可能に設ける。検査者は、検査のために検査位置に移動する際に、操作盤17を手で押しながらガイドレール16に沿って移動させ、検査位置にて操作盤17からモニタ14を取り外しできる構成とすることもできる。モニタ14は、操作盤17と一体に観察用窓枠10aに沿って移動可能にしても良いが、検査者が検査対象基板に近づいて目視観察する際に、操作盤17から取り外して持ち運びできるようにすることが好ましい。
【0063】
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、近年のFPD基板の大型化に対応させて、検査者が目視検査位置にモニタ14を移動させて自動検査装置の検査結果を確認することができるため、モニタが固定されている場合に比べて検査者の移動回数を削減でき、且つ検査位置にてマクロ画像を見ながら目視検査領域を確認できるため検査に利用し易くなる。これにより、目視検査装置3の検査者の作業効率の向上に資する。
【0064】
なお、上記の実施形態においては、いずれも、自動欠陥検査装置2から画像や欠陥情報を取得して欠陥表示装置4の記憶部41に記憶させる構成について説明しているが、これに限定されるものではない。基板検査システム1内の他の装置、例えば、自動欠陥検査装置2に記憶させているデータを直接取得して利用する等の構成とすることも可能である。
【0065】
また、強調表示方法については、タッチ式モニタに映し出された自動欠陥検査装置2のマクロ画像の欠陥を強調する強調マークを表示させ、目視検査が終了した欠陥領域を指でタッチすることにより強調表示を解除させてもよい。検査者が目視検査を終了した欠陥領域をタッチ式モニタの画面上で指定すると、目視検査終了した欠陥領域の強調表示が解除され、次の欠陥領域が強調表示されるようにしてもよい。
【0066】
更に、判定結果のコメントを一覧表示させ、目視検査結果をコメント一覧表から選んで登録させたり、判定結果に基づいてリペア装置、リワーク装置、廃棄ラインなどの搬送先を指定できるようにしてもよい。
【0067】
更に、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本発明は、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明をなすことができる。例えば、本発明は、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、各実施形態の異なる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 基板検査システム
2 自動欠陥検査装置(ミクロ検査装置)
3 目視検査装置(マクロ検査装置)
4 欠陥表示装置
5 マクロ画像表示領域
6 情報表示領域
7 タブ
8 一覧表示領域
9 合成マクロ画像
10 前面外装パネル
10a 目視観察用窓枠
14 モニタ
15 台
16 ガイドレール
17 操作盤
41 記憶部
42 表示処理部
43 登録部
44 抽出部
45 第1の表示処理部
46 第2の表示処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板等を検査する基板検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型液晶テレビ、大画面ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の急激な発展に伴い、製造ラインで製造されるFPD基板(マザーガラス基板)の大型化が急速に進んだ。このような基板の大型化と比例して、製造装置、検査装置も大型化した。特に、生産効率を向上させるため、FPD基板の製造工程では、ディスプレイパネルを同時に複数枚製造できるように画面サイズの整数倍のマザーガラス基板が採用されている。以降、このマザーガラス基板をFPD基板、又は単に基板と称して説明する。多数個取りのためのFPD基板は、年々大型化しており、近年では一辺が3mを超えるFPD基板が出現している。このFPD基板の大型化に伴い、検査装置も大型化の一途をたどっている。
【0003】
基板の欠陥検査としては、基板表面にマクロ照明光を照射し基板上のレジスト塗布斑やゴミ等の異物やキズ等の欠陥を検査者が目視で検査するマニュアルマクロ検査と、基板上面の微細な欠陥を高倍率のデジタル顕微鏡で拡大観察するミクロ検査と、ラインセンサカメラで基板の全面をスキャンして得た画像から基板の欠陥を検出する自動マクロ検査などがある。このマニュアルマクロ検査装置及び自動マクロ検査装置を含む基板検査システムが用いられるようになってきている。
【0004】
マニュアルマクロ検査装置において、自動マクロ検査装置により検査した基板のマクロ画像をモニタに表示して視検査の目視検査を支援する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−76169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載されている技術によれば、自動マクロ検査装置において撮像した基板全面の縮小画像をマニュアルマクロ検査装置のモニタに表示する機能しかなく、検査者が目視観察を効率良く実施するための観点から捉えられた機能ではなかった。例えば、搬入されたFPD基板を検査者が目視検査する際には、検査者がモニタの前まで移動してモニタに映し出されたFPD基板の全体画像(マクロ画像)を見て欠陥箇所を確認した後、実際の観察位置まで移動して検査を行っているのが実情である。このように、モニタがマニュアルマクロ検査装置の目視観察用の開口窓の端に固定されていると、検査者が目視で観察する位置を確認する際にモニタの位置まで移動しなければならないため、移動による作業効率の低下と、観察位置に戻るまでに確認位置が分からなくなるという問題が生ずる。また、検査者がモニタに表示されたマクロ画像から欠陥を探す出す際には、相当の熟練を要するため正確に欠陥位置を確認することが困難であった。
【0007】
上記のとおり、近年のFPD基板の大型化により、目視検査(マニュアルマクロ検査)において検査者の作業効率を向上させるためには、自動マクロ検査の結果を目視検査に有効に活用できることが望ましい。
本発明は、基板検査システムにおいて、目視検査の検査者の作業効率を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、開示の基板検査システムによれば、基板の画像を取得し前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置と、前記自動欠陥検査装置で検査された前記基板を目視検査する目視検査装置と、前記自動欠陥検査装置において検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、前記目視検査装置において目視検査を行う基板の基板識別情報に基づいて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を前記記憶部から読み出し、該画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示装置と、前記目視検査装置の観察用窓枠の近傍に配置され、前記欠陥表示装置で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタと、を備える構成とする。
【0009】
また、開示の表示装置は、製造した基板の検査結果を表示する表示装置であって、前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、前記基板の基板識別情報に関連付けて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から読み出された前記画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示処理部と、記欠陥表示処理部で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタとを備える構成とする。
【0010】
更には、開示の表示方法は、製造した基板の検査結果を表示する表示方法であって、前記基板の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検出された前記基板の画像と、前記欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶部に記憶し、前記基板に対応付けられた前記画像及び欠陥情報を前記記憶部から読み出し、この画像の欠陥部分に対して強調表示処理してモニタに表示する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
開示の基板検査システムによれば、目視検査の検査者の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】基板検査システムの構成図である。
【図2】欠陥表示装置の機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る欠陥表示装置の画面例である。
【図4】マクロ画像表示領域に表示されるマクロ画像の表示方法を説明する図である。
【図5】欠陥の検出箇所を強調表示する方法の一例を示す図である。
【図6】欠陥の検出箇所を強調表示する方法の他の例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る欠陥表示装置による画面への出力表示例を説明する図である。
【図8】自動欠陥検査装置の辞書機能を利用して優先度を付与して表示を行う処理を示したフローチャートである。
【図9】指定された欠陥に高優先度を設定して表示を行う処理を示したフローチャートである。
【図10】欠陥表示装置の配置例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、基板検査システムの構成図である。図1に示す基板検査システム1は、自動欠陥検査装置(自動パターン検査装置、自動マクロ検査装置)2、パターンが形成された薄い板状基板として例えばFPD基板(マザーガラス基板)を保持したホルダを所定角度に傾けた状態で基板上方からマクロ照明光を照射して検査者が目視で検査する目視検査装置(マニュアルマクロ検査装置)3及び欠陥表示装置4を有し、各装置はネットワークを介して互いに接続されている。
【0014】
自動欠陥検査装置2は、FPD基板の全面を一次元イメージセンサまたは二次元イメージセンサでスキャンしてFPD基板全体のマクロ画像を撮像し、FPD基板上の欠陥を自動検査する自動マクロ検査装置である。また、自動欠陥検査装置2としては、自動マクロ検査装置よりも高解像度の一次元イメージセンサによりガラス基板全面をスキャンして微細な欠陥を検出する自動パターン検査装置を採用することも可能である。自動パターン検査装置は、一次元イメージセンサで取り込まれた一ラインの画像データから隣接する複数のパターンを比較して欠陥を検出するものであるが、スキャンした各ラインの画像データを重ねて表示すればFPD基板全体のマクロ画像を取得することができる。この自動欠陥検査装置2は、FPD基板全体の画像(マクロ画像)を取得し、基板上の欠陥を自動で検出できるものであればよい。
【0015】
目視検査装置3は、被検体であるFPD基板を保持し検査者側に向けて回転可能なホルダを有し、このホルダを検査者が観察しやすい角度に立ち上げた状態でガラス基板の上方から検査者の視野範囲を一括して照明する面光源からマクロ照明光を照射して、検査者が目視により基板上のゴミ等の異物やキズ等の欠陥を確認するマニュアルマクロ検査装置である。
【0016】
また、目視検査装置3は、検査者が目視で観察した欠陥を撮像するデジタルカメラや、ガラス基板上の微細欠陥を拡大して撮像するデジタル顕微鏡などデジタル撮像部を備えてもよい。このデジタル撮像部で撮像した欠陥画像を検査者の官能検査の履歴情報として保存したり、デジタル撮像部撮像した欠陥画像をモニタに表示して検査者に観察させたりすることができる。
【0017】
欠陥表示装置4は、例えばパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータからなり、目視検査装置3に配置され、自動欠陥検査装置2において検査を行って得られた少なくとも基板全体のマクロ画像を目視検査装置3の観察用開口窓の近傍に配置されたモニタ、または移動可能に設けられたモニタに表示させる。
【0018】
以下、自動欠陥検査装置2において行った検査の結果を、欠陥表示装置4のモニタに表示し、目視検査装置3による目視検査(マニュアルマクロ検査)を支援する方法について、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
図2は、欠陥表示装置4の機能ブロック図である。図2に示す欠陥表示装置4は、上記のとおり、自動欠陥検査装置2や目視検査装置3とネットワークを介して接続され、記憶部41、表示処理部42、登録部43及び抽出部44を有する。
【0020】
記憶部41は、自動欠陥検査装置2における検査で得られた情報を記憶する。具体的には、自動欠陥検査装置2の一次元イメージセンサにより撮像されたFPD基板全体のマクロ画像又は各面取り領域のマクロ画像と、このマクロ画像を画像処理して検出されたレジストの塗布斑やキズなどの欠陥種類、欠陥形状、欠陥位置示す欠陥情報とを、基板を識別する情報である基板IDと対応付けて記憶する。ロットを識別するロットID等の情報を含む場合は、ロットIDと基板IDとを対応付けて記憶する。この記憶部41は、欠陥表示装置4内に設ける必要がなく、例えば検査データを一括管理するサーバを利用することができる。
【0021】
表示処理部42は、記憶部41に記憶されている基板の画像(マクロ画像)及びその欠陥情報をモニタに出力表示させる。本実施形態では、第1の表示処理部45及び第2の表示処理部46を有しているが、一つの表示処理部で処理してもよい。第1の表示処理部45は、記憶部41に記憶するデータのうち、表示するよう指示された基板の基板IDに対応する基板画像(マクロ画像)と、これに対応する欠陥情報とをモニタに出力表示する。第2の表示処理部46は、記憶部41に記憶する欠陥情報を参照し、第1の表示処理部46によりモニタに出力表示される画像の欠陥部分を強調表示する。
【0022】
登録部43は、複数の種類の欠陥のうち、優先的に表示処理部42に強調表示処理させるべき欠陥を予め登録しておく。
抽出部44は、記憶部41に記憶されている欠陥情報のうち、登録部43に登録されている欠陥に相当する欠陥情報を抽出する。抽出部44において抽出処理を行わない場合には、記憶部41に記憶するデータは、直接表示処理部42に入力される。
【0023】
自動欠陥検査装置から送られてくるマクロ画像の欠陥を全て表示させる場合には、登録部43と抽出部44を省略し、対応する基板のマクロ画像と欠陥情報を記憶部41から直に表示処理部42に送ることもできる。
【0024】
以下に、図2に示す欠陥表示装置4により、自動欠陥検査装置2の検査結果を利用してモニタに出力表示させ、検査者の目視観察を支援する方法について、具体的に説明していくこととする。
<第1の実施形態>
【0025】
図3は、欠陥表示装置4の画面例で、5はマクロ画像を表示するマクロ画像表示領域で、6は欠陥情報を表示する情報表示領域である。例えば、目視検査の対象となるFPD基板が目視検査装置3に搬入される際、搬入されるFPD基板の基板IDが自動欠陥検査装置2又はサーバを介して送られてくる。これと同時に基板IDに相当するFPD基板のマクロ画像と欠陥情報が読み出され記憶部41に記憶される。記憶部41には、自動欠陥検査装置2で検査された複数枚のFPD基板のマクロ画像及び欠陥情報を基板IDに関連付けて記憶させても良い。
【0026】
表示処理部42は、指定された基板IDのマクロ画像及び欠陥情報をモニタに表示する旨の命令が入力されると、記憶部41に記憶されているデータのうち、指定された基板IDと対応するマクロ画像及び欠陥情報を取り出し、図3に示すようにモニタのマクロ画像表示領域5にマクロ画像を、情報表示領域6に欠陥情報を表示させる処理を実行する。
【0027】
また、表示処理部42は、図3に示すモニタの一覧表示領域8に、複数のFPD基板の欠陥情報のファイル名や複数のマクロ画像を縮小したサムネイル画像を一覧表示させる処理を実行する。モニタ上に一覧表示されたファイル名やサムネイル画像を指定すると、指定された基板IDに対応するマクロ画像がマクロ画像表示領域5に表示されるとともに、対応する欠陥情報が情報表示領域6に表示される。
【0028】
自動欠陥検査装置2で検出される欠陥情報としては、キズ、ムラ及び凹み等の欠陥の種類(タイプ)、欠陥数、欠陥サイズなど表示の優先順位を決める指針となる情報に加えて、基板上の欠陥の位置を示す欠陥位置情報や、ロット名、基板ID、検査開始日時等のように、基板や自動欠陥検査装置2における検査に係わる情報も含む。
【0029】
マクロ画像表示領域5の表示方法としては、目視検査装置3に搬入された現目視検査対象基板の画像と目視検査を終了した前目視検査対象基板の画像を同一モニタに表示させる。例えば、図3(a)に示すように、複数のマクロ画像を上下(または左右)に並べて表示する構成とすることができる。例えば図3(a)においては、マクロ画像表示領域5を2つの領域5Aと5Bに分割し、各領域5Aと5Bに2枚のマクロ画像A、Bを表示させ、いずれかの一つを選択することにより選択されたマクロ画像に対応する欠陥情報が情報表示領域6に表示される。現検査対象基板のマクロ画像Aと直前に検査した前検査対象基板のマクロ画像Bを表示させると、直前に検査した基板と比較しながら検査ができる。この場合、現検査対象基板と他の基板とを間違えることを防止するために、現検査対象基板に対応するマクロ画像Aの周辺枠を色などにより視覚的に区別できるように強調表示させることが望ましい。
【0030】
表示領域5A、5Bには、目視検査装置3に搬入された現検査対象基板のマクロ画像Aと次の検査対象となるマクロ画像Bとを表示させてもよく、次に検査される基板のマクロ画像を事前に確認できる。また、現検査対象基板以外のマクロ画像Bを指定した場合には、無彩色の太枠で強調表示させると共に、情報表示領域6も無彩色の太枠に強調表示させることが望ましい。また、表示領域5A又は5Bのいずれかを選択することにより、選択されたマクロ画像を表示する表示領域5A又は5Bをモニタの画面サイズに拡張させて表示させてもよい。
【0031】
あるいは、図3(b)に示すように、複数の画像の中から表示する画像をタブ7A、7Bで選択させる構成としてもよい。選択されたタブに応じて、表示するマクロ画像及び欠陥情報を切り替える。
【0032】
本実施形態に係る欠陥表示装置4では、モニタに表示する基板のマクロ画像に関し、目視検査する検査者にとって欠陥箇所を確認し易いように、表示方法を設定することができる。
【0033】
図4は、マクロ画像表示領域5に表示されるマクロ画像の表示方法を説明する図である。図4(a)に示す検出された欠陥のうち、図4(b)は、検出された欠陥の種類によらずに全ての画像を表示する場合を示し、図4(c)は、所定の種類の欠陥のみを表示する場合を示す。所定の種類の欠陥は、予めユーザ等により設定される。
【0034】
図4(c)のように、所定の種類の欠陥のみをモニタに表示する場合には、検査対象基板のマクロ画像と対応付けて記憶部41に記憶されている欠陥情報を参照し、欠陥の種類が設定されているものと一致する欠陥情報を抽出する。そして、抽出した欠陥情報に含まれる欠陥位置の欠陥のみを表示させる。
【0035】
更には、検査対象基板のマクロ画像のうち、欠陥の検出箇所を他の部分と視覚的に区別できるように強調表示することとしてもよい。
図5は、欠陥の検出箇所を強調表示する方法の一例を示す図である。図5に示すように、検査対象基板のマクロ画像のうち、欠陥情報を参照して、少なくとも目視検査の対象となる欠陥位置の周囲を囲い11(11A、11B)で強調表示する。これにより、検査者が欠陥箇所を確認し易くなる。
【0036】
図5のように囲い11で欠陥箇所を強調表示する方法の他には、例えば、欠陥箇所近傍に、欠陥位置があることを示す所定の印を表示することもできる。図6は、欠陥の検出箇所を強調表示する方法の他の例を示す図である。目視検査装置3の検査者に注意を喚起して目視検査を支援するために、目視検査の対象となる欠陥の近傍に視覚に訴える特異的な形状の印(図示例では星印)12A〜12Cを付けるとともに、点灯・点滅表示させて強調表示させてもよい。
【0037】
欠陥情報の内容を参照し、例えば欠陥の種類(タイプ)や大きさ等により、色分け、囲い11、図形や印等を用いて識別して表示することとしてもよい。
更には、モニタに表示されている欠陥のうち、検査者が目視確認した欠陥に対して強調表示を消去させる構成としてもよい。更に、検査者が問題無いと判定した欠陥タイプ(擬似欠陥)に対して優先の取り消しを行い強調表示を解除させる構成としてもよい。また、問題ありと判定された欠陥(真の欠陥)に対して判定理由を記載させるコメント欄を設け、基板情報に関連付けて記憶部に保存する構成としてもよい。判定理由の表示方法としては、欠陥位置に付箋を付して判定結果を記入する構成としてもよく、また判定結果に応じた記号を付す構成としてもよい。これにより、検査箇所の見落としが無く、且つ検査者が確認した欠陥の判定履歴を残すことができる。
【0038】
更に、目視検査装置にデジタルカメラが取り付けられている場合、検査者が確認したFPD基板上の検査箇所を同一の目視位置からデジタルカメラにより撮像することにより、この画像データ(欠陥画像)を検査者の官能検査の履歴情報として記憶部に保存することができる。
【0039】
強調表示を消去させるには、マクロ画像表示領域5に表示しているマクロ画像A及び情報表示領域6に表示している欠陥情報から対応する欠陥を特定し、その位置に表示している囲い11等の強調表示出力を停止させることにより実現する。
【0040】
ここでの「強調表示の消去」とは、囲い11、図形や印12等の表示を消去させることだけでなく、強調表示を半透明表示に切り替えることも含む。あるいは、例えば強調表示している欠陥位置については確認済であることを示す情報が検査者により入力されると、強調表示している箇所を次の欠陥位置へと切り替えることも含む。
【0041】
上記のとおり、本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、目視検査装置3により目視検査を行う検査者が欠陥表示装置4のモニタを見ながら自動欠陥検査装置2で取得されたマクロ画像より目視観察する欠陥箇所の確認を行うことができる。この場合、欠陥箇所が強調表示されているため、マクロ検査の検査者は、熟練していなくとも目視検査対象となる欠陥箇所を正確に把握することが可能になり、検査者の作業効率の向上に資する。
<第2の実施形態>
【0042】
本実施形態に係る欠陥表示装置4においては、自動欠陥検査装置2で検出された欠陥のタイプや出現頻度、欠陥発生位置の傾向等をモニタに表示する。
図7は、本実施形態に係る欠陥表示装置4による画面への出力表示例を説明する図である。
【0043】
あるロットについて自動欠陥検査装置2で欠陥検査を行って得られた複数の基板についてのマクロ画像及び欠陥情報を、基板IDとともにロットを識別するロットIDと対応付けて記憶部41に蓄積していく。データの蓄積は、ロット検査開始時、あるいは任意のタイミングを契機として開始する。
【0044】
図7に示す画面は、検査者により指定されたロットIDに基づき、記憶部41から対応する複数または全ての基板IDを取得する。そして、各基板IDと対応付けられたマクロ画像及び欠陥情報を記憶部41から取り出して、予め設定されている枚数(図7においては4枚)ずつマクロ画像を重ねて出力表示させることにより実現する。図7においては、あるロットについて自動欠陥検査装置で得られた複数枚の基板のマクロ画像A〜Dと、これら複数のマクロ画像を重ね合わせた合成マクロ画像9を示している。
【0045】
上記の実施形態に係る欠陥表示装置4と同様に、自動欠陥検査装置2で欠陥の検出された箇所について、欠陥の種類や大きさ等に応じて表示処理部42で色分けや囲い11、図形や印12等を用いて目視検査対象となる欠陥の位置を視覚的に強調させる強調表示処理することとしてもよい。
【0046】
本実施形態では、複数のマクロ画像A〜Dのそれぞれに現れる欠陥を合成マクロ画像9に重ねて表示する。この場合は、マクロ画像A〜D及び対応する欠陥情報に基づき、基板のある箇所に所定の種類の欠陥がまとまって現れるか否かを判断し、まとまって現れる同種の欠陥をグループ化する。表示処理部42では、それぞれのグループに対し囲い11(図7においては囲い11A〜11C)、図形または印12等で目視検査対象となる欠陥を視覚的に区別できるように強調表示処理を実行する。
【0047】
また、予め修正可能な欠陥と修正不能な欠陥の種類を登録しておき、修正可能な欠陥箇所と修正不能な欠陥箇所を識別する。欠陥情報の中に修正不可能な欠陥が含まれる場合には、マクロ画像中の修正可能な欠陥箇所と修正不能な欠陥箇所を識別可能なように強調表示することもできる。検査不要を現す強調表示として、例えば修正不能な欠陥が含まれる面取り領域内にNGや×マークを付けたり、赤枠または領域内を赤色、黒色または白色など目視検査対象欠陥の強調表示色と区別できる色などで塗り検査不要を現す強調表示としてもよい。このように修正不能な欠陥が含まれる面取り領域は、最終工程で廃棄されるため、この面取り領域を検査不要を表す強調表示とすることによって以降の工程における検査を行わずに済み、検査の効率を向上させることができる。この検査不要を現す強調表示は、以降の各工程の検査時に継続して表示させることが望ましい。また、この検査不要と判定された面取り基板については、その後の製造工程における露光装置での露光処理を省略させる情報として使用することもできる。
【0048】
蓄積したデータに基づき、欠陥の出現頻度を示す分布図を作成して、画像A〜Dと共に、あるいは別途表示することもできる。
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、蓄積した画像や欠陥情報のデータにより、検査者は、ロットごとに基板に関する情報を確認することが可能となる。加えて、検査者は、基板ごとの情報についても確認することが可能となる。基板ごとに画像や欠陥情報を出力表示するためには、例えば欠陥表示装置4のモニタに、ロットごとに集計した欠陥情報や、基板の画像をサムネイルで一覧表示して、例えばユーザがモニタを介してある基板の画像のサムネイルを選択すると、モニタへの出力表示をその画像に切り替える等により実現される。
【0049】
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、複数の基板のマクロ画像を重ねて表示することにより、検査者が欠陥の出現傾向を知るこができ検査領域と欠陥の種類を予測が容易に把握できるため、マニュアルマクロ検査の検査者の作業効率の向上に資する。
<第3の実施形態>
【0050】
本実施形態に係る欠陥表示装置4においては、欠陥情報により欠陥の種類(欠陥タイプ)ごとに検査の優先度を付け、優先度の高い欠陥についてはその画像及び欠陥情報を優先してモニタに表示する。
【0051】
優先度を付与する方法としては、例えば、基板検査システム1の自動欠陥検査装置2において保有する欠陥情報の傾向を学習して欠陥登録辞書に登録を行う機能を利用する方法がある。あるいは、予め重要度の高い順に欠陥タイプを登録しておく方法がある。以下に図8及び図9に示すフローチャートを参照して、具体的に説明する。
【0052】
図8は、自動欠陥検査装置2の辞書機能を利用して優先度を付与して表示を行う処理を示したフローチャートである。例えば、欠陥表示装置4の起動時に図8に示す処理を実行する。
【0053】
まず、ステップS1で、ネットワークを介して、基板検査システム1の自動欠陥検査装置2において辞書ファイルに登録されている欠陥タイプを取得して検索を行い、ステップS2で、欠陥タイプに優先順位を付して欠陥表示装置4のメモリ等の記憶手段に登録しておく。
【0054】
ステップS3で、指定する基板IDについて画像及び欠陥情報をモニタに表示させる旨の命令が入力されると、記憶部41に記憶されている欠陥情報のうち、基板IDと対応する欠陥情報についての欠陥タイプを読み出し、ステップS2において登録した欠陥タイプと一致するか否かを判定する。不一致の場合は特に処理を行わない。欠陥情報に含まれる欠陥タイプが登録されている欠陥タイプと一致する場合には、ステップS4に進み、その欠陥情報及び画像をモニタに表示させるとともに、欠陥情報が示す欠陥については強調表示する。優先順位の付け方として、例えば他のミクロ検査装置で確認できる欠陥については低い順位を付け、ミクロ検査では検査できないレジスト膜の斑欠陥、パターン斑欠陥や筋状の欠陥などの目視検査でなければ確認できないマクロ欠陥については高い順位を付ける。また、これらのマクロ欠陥に対しても優先順位を付けすることが望ましい。更に、優先順位別に色などで識別表示したり、優先順位を示す番号を付し、指定された優先順位に対応する欠陥に対して強調表示処理を行うようにしてもよい。この場合、指定されなかった優先順位の低いマクロ欠陥に対して目視検査がされていない旨の情報を基板情報に関連付けて保存してもよい。このようにすれば、視検査の所要時間内に検査が終了しない場合には、優先順位の低いマクロ欠陥の目視検査を省略でき、目視検査されなかった欠陥の検査履歴を残すことができる。
【0055】
以降は、ステップS3及びステップS4の処理を、全ての欠陥について、すなわち、指定された基板IDと対応する欠陥情報について繰り返し、処理を終了する。
図9は、検査者により指定された欠陥に高優先度を設定して表示を行う処理を示したフローチャートである。例えば、欠陥表示装置4に画像や欠陥情報等の基板に係わる情報を出力する旨の命令が入力されると、図9に示す処理を実行する。
【0056】
まず、ステップS11で、記憶部41に記憶しているデータの中から欠陥情報を読み出し、ステップS12で、欠陥タイプのうち、洗浄工程などで取り除ける擬似欠陥、ディスプレイの駆動に影響に無い擬似欠陥、リワーク装置やリペア装置で修復可能な真の欠陥、修復できないNG欠陥に優先の有無を付けて登録しておく。例えば、リワーク装置やリペア装置で修復可能な真の欠陥に高い優先順位を付け、ディスプレイの駆動に影響に無い擬似欠陥に低い優先順位を付ける。これ以外の洗浄工程などで取り除ける擬似欠陥、修復できないNG欠陥については優先順位を付けない。修復できないNG欠陥については、その欠陥が含まれる面取り領域に検査不要を示す強調表示を付すことが望ましい。
【0057】
ステップS13で、上記の命令に含まれる基板IDと対応する欠陥情報の欠陥タイプが、ステップS12において登録した優先順位が付された欠陥タイプと一致するか否かを判定する。不一致の場合は特に処理を行わない。欠陥情報に含まれる欠陥タイプが優先順付された欠陥タイプと一致する場合には、ステップS14に進み、図8のステップS4と同様の処理を実行する。
【0058】
以降は、図8に示す処理と同様に、全ての欠陥について繰り返し、処理を終了する。
なお、図8や図9に示す上記実施例のほかにも、重要度が高いと検査者が判断した欠陥タイプを登録することもできる。あるいは、例えば第2の実施形態に係る表示方法により、ロットごとの欠陥タイプの出現傾向が把握できた場合には、検査者が出現傾向にある欠陥タイプを優先的に表示すべき欠陥タイプとして登録しておくこともできる。基板IDやロットIDを指定して出力表示する旨の命令が入力されると、欠陥情報のうち、登録済の欠陥タイプについては優先順位の高い順番に出力表示させることができる。また、モニタに映し出されたマクロ画像上に欠陥の優先順位ごとに、色や記号などで強調表示させるとよい。この場合、優先順位の高い順番に強調表示させ、ある順位の欠陥タイプの目視検査が終了したならば、次順位の欠陥タイプに対して強調表示さるように優先順位別に切換表示してもよい。このように各欠陥を検査対象となる欠陥と検査対象とならない欠陥に分類することにより、検査不要の欠陥を誤って検査することを無くすことができる。更に、検査対象となる欠陥に対して優先順位別に強調表示させることにより、優先順位の高い欠陥を見落とすことなく確実に目視検査することが可能になる。更に、優先順位を付けて検査時間などに応じて検査対象の順位を指定することにより、重要度に高い欠陥を確実に目視検査することができる。
【0059】
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、優先有無、優先順位別に分けた欠陥を強調表示するため、欠陥表示装置4により表示される画面及び欠陥情報を参照しながらマクロ検査を行う検査者によるマクロ検査の作業効率の向上に資する。
<第4の実施形態>
【0060】
本実施形態に係る欠陥表示装置4は、マクロ検査において検査者にとって画像や欠陥情報を参照し易い位置に出力表示を行う。
図10は、欠陥表示装置4の配置例である。例えば図10(a)に示すように、目視検査装置3の前面外装パネル10に形成された目視観察用窓枠10aの脇に、欠陥表示装置4のモニタ14を設置している。
【0061】
モニタ14は、検査者が2mを超える大型基板に沿って移動しながら検査する場合、検査者の移動位置に移動可能としてもよい。例えば、目視検査装置3の観察用窓枠10aに沿ってガイドレール16を設け、このガイドレール16に目視検査装置3を遠隔操作する操作盤17を移動可能に設けるとともに、この操作盤17にモニタ14を一体に取り付け検査者の検査位置に移動できるようにしてもよい。また、操作盤を手で持ち運びできるハンディタイプとし、この操作盤にモニタを一体に取り付けるようにしてもよい。本実施形態では、モニタ14を載置する台15が、上下(図10(a)中の(イ)方向)方向や左右(図10(a)の(ロ)方向に移動可能とする。駆動手段としては、ガイドレールに台15を移動可能に設け、リニアモータ等により検査者の移動に追従して移動させることもできる。
【0062】
図10(b)に示すように、目視検査装置3の観察用窓枠10に沿って設けられたガイドレール16に操作盤17を移動可能に設け、この操作盤17にモニタ14を取り外し可能に設ける。検査者は、検査のために検査位置に移動する際に、操作盤17を手で押しながらガイドレール16に沿って移動させ、検査位置にて操作盤17からモニタ14を取り外しできる構成とすることもできる。モニタ14は、操作盤17と一体に観察用窓枠10aに沿って移動可能にしても良いが、検査者が検査対象基板に近づいて目視観察する際に、操作盤17から取り外して持ち運びできるようにすることが好ましい。
【0063】
本実施形態に係る欠陥表示装置4によれば、近年のFPD基板の大型化に対応させて、検査者が目視検査位置にモニタ14を移動させて自動検査装置の検査結果を確認することができるため、モニタが固定されている場合に比べて検査者の移動回数を削減でき、且つ検査位置にてマクロ画像を見ながら目視検査領域を確認できるため検査に利用し易くなる。これにより、目視検査装置3の検査者の作業効率の向上に資する。
【0064】
なお、上記の実施形態においては、いずれも、自動欠陥検査装置2から画像や欠陥情報を取得して欠陥表示装置4の記憶部41に記憶させる構成について説明しているが、これに限定されるものではない。基板検査システム1内の他の装置、例えば、自動欠陥検査装置2に記憶させているデータを直接取得して利用する等の構成とすることも可能である。
【0065】
また、強調表示方法については、タッチ式モニタに映し出された自動欠陥検査装置2のマクロ画像の欠陥を強調する強調マークを表示させ、目視検査が終了した欠陥領域を指でタッチすることにより強調表示を解除させてもよい。検査者が目視検査を終了した欠陥領域をタッチ式モニタの画面上で指定すると、目視検査終了した欠陥領域の強調表示が解除され、次の欠陥領域が強調表示されるようにしてもよい。
【0066】
更に、判定結果のコメントを一覧表示させ、目視検査結果をコメント一覧表から選んで登録させたり、判定結果に基づいてリペア装置、リワーク装置、廃棄ラインなどの搬送先を指定できるようにしてもよい。
【0067】
更に、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本発明は、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明をなすことができる。例えば、本発明は、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、各実施形態の異なる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 基板検査システム
2 自動欠陥検査装置(ミクロ検査装置)
3 目視検査装置(マクロ検査装置)
4 欠陥表示装置
5 マクロ画像表示領域
6 情報表示領域
7 タブ
8 一覧表示領域
9 合成マクロ画像
10 前面外装パネル
10a 目視観察用窓枠
14 モニタ
15 台
16 ガイドレール
17 操作盤
41 記憶部
42 表示処理部
43 登録部
44 抽出部
45 第1の表示処理部
46 第2の表示処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の画像を取得し前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置と、
前記自動欠陥検査装置で検査された前記基板を目視検査する目視検査装置と、
前記自動欠陥検査装置において検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記目視検査装置において目視検査を行う基板の基板識別情報に基づいて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を前記記憶部から読み出し、該画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示装置と、
前記目視検査装置の観察用窓枠の近傍に配置され、前記欠陥表示装置で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタと、
を備えることを特徴とする基板検査システム。
【請求項2】
前記欠陥表示装置は、前記画像中の欠陥に対して優先順位を付け、優先順位の高い欠陥に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項3】
前記欠陥表示装置は、ミクロ検査装置で確認できる欠陥については低い順位を付け、ミクロ検査では検査できないレジスト膜の斑欠陥、パターン斑欠陥や筋状の欠陥などの目視検査でなければ確認できないマクロ欠陥については高い順位を付け、この高い順位のマクロ欠陥に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項2記載の基板検査システム。
【請求項4】
前記欠陥表示装置は、前記画像中の各欠陥の種別、サイズ、位置の欠陥情報にも基づいて優先順位を付け、優先順ごとに強調表示を変えることを特徴とする請求項1または2記載の基板検査システム。
【請求項5】
前記欠陥表示装置は、修正可能な欠陥箇所と修正不能な欠陥箇所を識別し、前記画像中の修正可能な欠陥部分に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項6】
前記欠陥表示装置は、前記修正不能な欠陥が含まれる前記基板の面取り領域の全体または面取りの枠に検査不要を現す強調表示を付すことを特徴とする請求項5記載の基板検査システム。
【請求項7】
前記欠陥表示装置は、前記検査不要を現す強調表示を以降の各工程の検査時に継続して表示させることを特徴とする請求項6記載の基板検査システム。
【請求項8】
前記欠陥表示装置は、前記画像中の各欠陥に優先順位を付け、優先順位の低い欠陥に対して強調表示処理を停止させることを特徴とする請求項1または2記載の基板検査システム。
【請求項9】
前記欠陥表示装置は、前記モニタに表示された前記欠陥領域を指定することにより強調表示を解除することを特徴とする請求項1、2または4記載の基板検査システム。
【請求項10】
前記欠陥表示装置は、現目視検査の対象となる欠陥領域を強調表示処理し、目視検査を終了した前記欠陥領域を指定することにより前記強調表示処理を解除し、次の欠陥領域に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項1、2または4記載の基板検査システム。
【請求項11】
前記モニタとしてタッチ式モニタを用い、記欠陥表示装置は、前記タッチ式モニタに表示された前記欠陥領域をタッチすることで強調表示を解除することを特徴とする請求項9または10記載の基板検査システム。
【請求項12】
前記欠陥表示装置は、前記目視検査装置において検査中の基板のロットを示すロット識別情報が入力されると、該ロット識別情報と対応付けられた前記基板識別情報を抽出し、該抽出した基板識別情報と対応付けられた画像を重ね合わせて出力表示することを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項13】
前記欠陥表示装置は、前記目視検査装置において目視検査を受ける現検査対象基板の画像と少なくとも直前に目視検査された検査対象基板の画像とを対比可能に前記モニタに出力することを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項14】
前記欠陥表示装置は、前記自動検査装置で検査された複数の前記基板の画像を縮小したサムネイル画像を前記モニタに一覧表示させ、一覧表示で指定された基板の画像を前記モニタに表示させることを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項15】
前記目視検査装置は、目視検査用窓枠を有し、この窓枠に沿って移動可能に操作盤を設け、この操作盤に前記モニタを取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項16】
前記目視検査装置は、目視検査用窓枠と目視検査装置を遠隔操作するハンディタイプの操作盤と有し、前記操作盤に前記モニタを一体に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項17】
前記目視検査装置は、前記基板を撮像するデジタル撮像部を備え、前記欠陥表示装置は、目視検査の判定結果に対応させて前記デジタル撮像部で撮像された画像を添付して前記記憶部に保存することを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項18】
製造した基板の検査結果を表示する表示装置であって、
前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記基板の基板識別情報に関連付けて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部から読み出された前記画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示処理部と、
前記欠陥表示処理部で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタと、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項19】
製造した基板の検査結果を表示する表示方法であって、
前記基板の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検出された前記基板の画像と、前記欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶部に記憶し、
前記基板に対応付けられた前記画像及び欠陥情報を前記記憶部から読み出し、
この画像の欠陥部分に対して強調表示処理してモニタに表示する
ことを特徴とする表示方法。
【請求項1】
基板の画像を取得し前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置と、
前記自動欠陥検査装置で検査された前記基板を目視検査する目視検査装置と、
前記自動欠陥検査装置において検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記目視検査装置において目視検査を行う基板の基板識別情報に基づいて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を前記記憶部から読み出し、該画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示装置と、
前記目視検査装置の観察用窓枠の近傍に配置され、前記欠陥表示装置で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタと、
を備えることを特徴とする基板検査システム。
【請求項2】
前記欠陥表示装置は、前記画像中の欠陥に対して優先順位を付け、優先順位の高い欠陥に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項3】
前記欠陥表示装置は、ミクロ検査装置で確認できる欠陥については低い順位を付け、ミクロ検査では検査できないレジスト膜の斑欠陥、パターン斑欠陥や筋状の欠陥などの目視検査でなければ確認できないマクロ欠陥については高い順位を付け、この高い順位のマクロ欠陥に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項2記載の基板検査システム。
【請求項4】
前記欠陥表示装置は、前記画像中の各欠陥の種別、サイズ、位置の欠陥情報にも基づいて優先順位を付け、優先順ごとに強調表示を変えることを特徴とする請求項1または2記載の基板検査システム。
【請求項5】
前記欠陥表示装置は、修正可能な欠陥箇所と修正不能な欠陥箇所を識別し、前記画像中の修正可能な欠陥部分に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項6】
前記欠陥表示装置は、前記修正不能な欠陥が含まれる前記基板の面取り領域の全体または面取りの枠に検査不要を現す強調表示を付すことを特徴とする請求項5記載の基板検査システム。
【請求項7】
前記欠陥表示装置は、前記検査不要を現す強調表示を以降の各工程の検査時に継続して表示させることを特徴とする請求項6記載の基板検査システム。
【請求項8】
前記欠陥表示装置は、前記画像中の各欠陥に優先順位を付け、優先順位の低い欠陥に対して強調表示処理を停止させることを特徴とする請求項1または2記載の基板検査システム。
【請求項9】
前記欠陥表示装置は、前記モニタに表示された前記欠陥領域を指定することにより強調表示を解除することを特徴とする請求項1、2または4記載の基板検査システム。
【請求項10】
前記欠陥表示装置は、現目視検査の対象となる欠陥領域を強調表示処理し、目視検査を終了した前記欠陥領域を指定することにより前記強調表示処理を解除し、次の欠陥領域に対して強調表示処理を行うことを特徴とする請求項1、2または4記載の基板検査システム。
【請求項11】
前記モニタとしてタッチ式モニタを用い、記欠陥表示装置は、前記タッチ式モニタに表示された前記欠陥領域をタッチすることで強調表示を解除することを特徴とする請求項9または10記載の基板検査システム。
【請求項12】
前記欠陥表示装置は、前記目視検査装置において検査中の基板のロットを示すロット識別情報が入力されると、該ロット識別情報と対応付けられた前記基板識別情報を抽出し、該抽出した基板識別情報と対応付けられた画像を重ね合わせて出力表示することを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項13】
前記欠陥表示装置は、前記目視検査装置において目視検査を受ける現検査対象基板の画像と少なくとも直前に目視検査された検査対象基板の画像とを対比可能に前記モニタに出力することを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項14】
前記欠陥表示装置は、前記自動検査装置で検査された複数の前記基板の画像を縮小したサムネイル画像を前記モニタに一覧表示させ、一覧表示で指定された基板の画像を前記モニタに表示させることを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項15】
前記目視検査装置は、目視検査用窓枠を有し、この窓枠に沿って移動可能に操作盤を設け、この操作盤に前記モニタを取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項16】
前記目視検査装置は、目視検査用窓枠と目視検査装置を遠隔操作するハンディタイプの操作盤と有し、前記操作盤に前記モニタを一体に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項17】
前記目視検査装置は、前記基板を撮像するデジタル撮像部を備え、前記欠陥表示装置は、目視検査の判定結果に対応させて前記デジタル撮像部で撮像された画像を添付して前記記憶部に保存することを特徴とする請求項1記載の基板検査システム。
【請求項18】
製造した基板の検査結果を表示する表示装置であって、
前記基板上の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検査された前記基板の画像と、該欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記基板の基板識別情報に関連付けて前記自動欠陥検査装置で取得された前記画像及び前記欠陥情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部から読み出された前記画像に対して欠陥部分を強調表示する欠陥表示処理部と、
前記欠陥表示処理部で強調処理された前記基板の画像を表示するモニタと、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項19】
製造した基板の検査結果を表示する表示方法であって、
前記基板の欠陥を自動的に検査する自動欠陥検査装置で検出された前記基板の画像と、前記欠陥に係わる情報を示す欠陥情報とを、該基板を識別する基板識別情報と対応付けて記憶部に記憶し、
前記基板に対応付けられた前記画像及び欠陥情報を前記記憶部から読み出し、
この画像の欠陥部分に対して強調表示処理してモニタに表示する
ことを特徴とする表示方法。
【図2】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−145427(P2012−145427A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3612(P2011−3612)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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