説明

基板減衰回路

【課題】基板上で細くて長い導体パターンを多数回屈曲させて形成した減衰回路において、減衰レベルが小さい場合でも単位面積当たりの発熱量を抑えることが可能な「基板減衰回路」を提供する。
【解決手段】基板10上において多数回屈曲させて形成した線状の導体パターン11に設けたn箇所の出力端子21A〜21Cのうち、より入力端子20に近い側のm箇所(m<n)の出力端子21Aと入力端子20との間の部分における第1段の導体パターン11Aの線幅を、それ以外の部分における導体パターン11B,11Cの線幅よりも太く形成することにより、第1段の導体パターン11Aの導体面積が大きくなるようにし、低い減衰レベルを得るために第1段の導体パターン11Aだけを使用するときでも、単位面積当たりの発熱量を低く抑えることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板減衰回路に関し、特に、基板上において細くて長い導体パターンを多数回屈曲させて形成した減衰回路に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上において細くて長い導体パターンを多数回屈曲させて形成した抵抗膜により減衰回路を構成したものが提供されている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の技術では、細長く連続した導体パターンの一端に入力端子を設け、当該導体パターンの複数箇所から出力端子を引き出すことにより、任意の抵抗値を得ることができるようになされている。
【0003】
図7は、上記従来技術の構成例を示す図である。図7において、101は細くて長い等幅の導体パターンであり、基板100の上において180度の角度をもって多数回屈曲した折り返しパターンにより形成されている。102は導体パターン101の一端に設けた入力端子、103A〜103Cは導体パターン101の複数箇所から引き出された複数の出力端子である。
【0004】
第1の出力端子103Aから出力される信号は、入力端子102から第1の出力端子103Aまでの導体パターン101Aに応じた第1の抵抗値により減衰を受ける。第2の出力端子103Bから出力される信号は、入力端子102から第2の出力端子103Bまでの導体パターン101A,101Bに応じた第2の抵抗値により減衰を受ける。また、第3の出力端子103Cから出力される信号は、入力端子102から第3の出力端子103Cまでの導体パターン101A〜101Cに応じた第3の抵抗値により減衰を受ける。これにより、出力端子103A〜103Cの何れかを選択して信号を取り出すことにより、入力端子102に入力された信号を所望レベルだけ減衰させて出力することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−21202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、導体パターンにより形成される全体の導体面積の中で、入力端子と出力端子との間の導体パターンにより得られる抵抗値が小さくなるほど(つまり、減衰レベルが小さくなるほど)、その抵抗値を得るために利用されている導体面積は小さくなる。そのため、減衰レベルが小さくなるほど、単位面積当たりの消費電力が大きくなり、ひいては単位面積当たりの発熱量がより大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、基板上で細くて長い導体パターンを多数回屈曲させて形成した減衰回路において、減衰レベルが小さくても単位面積当たりの発熱量が極端に大きくならないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、基板上において多数回屈曲させて形成した線状の導体パターンの途中に設けたn箇所(nは2以上の整数)の出力端子のうち、より入力端子に近い側のm箇所(mはnより小さい正の整数)の出力端子と入力端子との間の部分における導体パターンの線幅を、それ以外の部分における導体パターンの線幅よりも太く形成している。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、より入力端子に近い側のm箇所の出力端子と入力端子との間の部分における導体パターンによって、より低い抵抗値が得られ、信号の減衰レベルはより低くなる。その低い抵抗値を得る部分の導体パターンの線幅が太く形成されているので、その部分の導体面積が増える。したがって、低い減衰レベルを得るときでも、単位面積当たりの消費電力、ひいては単位面積当たりの発熱量を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態による基板減衰回路の構成例を示す図である。
【図2】減衰レベルと単位面積当たりの消費電力との関係を示す図である。
【図3】本実施形態による導体パターンの折り返し部の構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態による基板減衰回路の構成例を示す図である。
【図5A】第2の実施形態による第1段の導体パターンを示す図である。
【図5B】第2の実施形態による第2段の導体パターンを示す図である。
【図5C】第2の実施形態による第3段の導体パターンを示す図である。
【図5D】第2の実施形態による第4段の導体パターンを示す図である。
【図6】2の実施形態による基板減衰回路の変形例を示す図である。
【図7】従来の基板減衰回路の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による基板減衰回路の構成例を示す図である。図1において、10は基板、11は基板10上に形成された、細くて長い線状の導体パターンである。導体パターン11は、180度の角度をもって多数回屈曲した折り返しパターンにより形成されている。
【0012】
20は導体パターン11の一端に設けた入力端子、21A〜21Cは導体パターン11上のn箇所(nは2以上の整数。図1の例ではn=3)から引き出された出力端子である。本実施形態では、n箇所の出力端子21A〜21Cを入力端子20に最も近い側から順番に第k段(k=1,2,・・・n)の出力端子とする。第nの出力端子は、導体パターン11の末端に設けられている。また、入力端子20と第1段の出力端子21Aとの間の部分における導体パターンを第1段の導体パターン11A、第1段の出力端子21Aと第2段の出力端子21Bとの間の部分における導体パターンを第2段の導体パターン11B、第2段の出力端子21Bと第3段の出力端子21Cとの間の部分における導体パターンを第3段の導体パターン11Cとする。
【0013】
第1段の出力端子21Aから出力される信号は、入力端子20から第1段の出力端子21Aまでの間に存在する第1段の導体パターン11Aに応じた第1の抵抗値により減衰を受ける。第2段の出力端子21Bから出力される信号は、入力端子20から第2段の出力端子21Bまでの間に存在する第1段の導体パターン11Aおよび第2段の導体パターン11Bに応じた第2の抵抗値により減衰を受ける。また、第3段の出力端子21Cから出力される信号は、入力端子20から第3段の出力端子21Cまでの間に存在する第1段〜第3段の導体パターン11A〜11Cに応じた第3の抵抗値により減衰を受ける。これにより、出力端子21A〜21Cの何れかを選択して信号を取り出すことにより、入力端子20に入力された信号を所望レベルだけ減衰させて出力することが可能である。
【0014】
本実施形態では、n箇所の出力端子21A〜21Cのうち、より入力端子20に近い側のm箇所(mはnより小さい正の整数)の出力端子と入力端子20との間の部分における導体パターン11の線幅を、それ以外の部分における導体パターン11の線幅よりも太く形成している。図1の例ではm=1とし、入力端子20と第1段の出力端子21Aとの間の部分における第1段の導体パターン11Aの線幅を、それ以外の部分における第2段および第3段の導体パターン11B,11Cの線幅よりも太く形成している。
【0015】
第1段の導体パターン11Aの線幅を太くすることにより、当該第1段の導体パターン11Aにおける導体面積が増える。これにより、より入力端子20に近い側にある第1段の出力端子21Aと入力端子20との間の第1段の導体パターン11Aによって低い抵抗値を得る場合でも、単位面積当たりの消費電力(発熱量)を低く抑えることができる。
【0016】
図2は、導体パターン11上にn箇所の出力端子を設けることによって得られるn個の減衰レベルと単位面積当たりの消費電力との関係を示す図である。なお、図2は、n=12とした場合の例を示している。符号51で示すグラフは、第1段〜第12段の導体パターンを全て等しい線幅で形成した場合の特性を示している。一方、符号52で示すグラフは、第2段〜第12段の導体パターンを全てグラフ51の場合と同じ線幅で形成し、第1段の導体パターンのみ、第2段〜第12段の導体パターンよりも線幅を太くした場合の特性を示している。
【0017】
グラフ51に示すように、第1段〜第12段の導体パターンを全て等しい線幅で形成した場合、導体パターンの抵抗値によって得られる減衰レベルが小さくなるほど、単位面積当たりの消費電力は大きくなる。減衰レベルが小さいほどそれに必要な抵抗値は小さくなり、その抵抗値を得るために必要な導体面積が小さくなるからである。
【0018】
これに対して、第1段の導体パターンの線幅をそれ以外の部分における導体パターンの線幅より太くした場合は、グラフ52に示すように、減衰レベルが低いときの単位面積当たりの消費電力を低く抑制することができる。線幅を太くしているのは第1段の導体パターンのみであるが、最も低い第1段の減衰レベルだけでなく、第2段〜第5段の減衰レベルの辺りまで、単位面積当たりの消費電力を低く抑制することができる。
【0019】
これは、第2段〜第5段の減衰レベルを得るときも、線幅を太くした第1段の導体パターンの抵抗値を利用しており、第1段〜第5段の導体パターンによる導体面積の中に占める第1段の導体パターンの導体面積が比較的大きいからである。したがって、第1段の導体パターンのみ線幅を太くすることにより、最小限の基板面積の増加で効率よく発熱量のピークを抑えることができる。
【0020】
図3は、導体パターン11の折り返し部の構成例を示す図である。図3に示すように、導体パターン11の直線状部分の線幅をX、折り返し部分の線幅をYとする。折り返し部分は、パターン成形上のバラツキから太さが安定せず、全体の抵抗値のバラツキをもたらしやすい。そこで、Y>X(好ましくはY>>X)とすることにより、折り返し部分の抵抗値をできるだけ小さくし、当該折り返し部分の太さのバラツキによる抵抗値の誤差の影響を小さくすることができる。これにより、全体の抵抗値のバラツキを小さく抑えることができる。
【0021】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態によれば、入力端子20と第1段の出力端子21Aとの間で低い抵抗値(低い減衰レベル)を得るための導体パターン11Aの線幅が、それ以外の部分における導体パターン11B,11Cの線幅よりも太く形成されているので、低い減衰レベルを得るときでもそのために使用する導体パターン11Aの導体面積が増え、単位面積当たりの発熱量を低く抑えることができる。これにより、信頼性の高い基板減衰回路を提供することができる。
【0022】
なお、上記第1の実施形態では、入力端子20に最も近い第1段の出力端子21Aと入力端子20との間の部分における第1段の導体パターン11Aの線幅を他より太く形成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、入力端子20と第m段(2≦m<n)の出力端子との間の部分における導体パターンの線幅を他よりも太く形成するようにしても良い。
【0023】
この場合において、入力端子20と第m段(2≦m<n)の出力端子との間の部分における導体パターンの線幅を全て等幅としても良いが、第k+1段の導体パターンよりも第k段の導体パターンの方が太くなるように形成しても良い。例えば、図1に示した基板減衰回路の変形例として、第1段の導体パターン11Aの線幅>第2段の導体パターン11Bの線幅>第3段の導体パターン11Cの線幅としても良い。
【0024】
また、入力端子20と第m段(1≦m<n)の出力端子との間の部分における導体パターンの線幅を、入力端子20に近い部分における導体パターンほど徐々に太くなるように形成しても良い。例えば、図1に示した基板減衰回路の変形例として、第1段の導体パターン11Aの中でも入力端子20に最も近い直線状部分の線幅を最も太くし、折り返すたびに少しずつ線幅を狭くしていき、第2段の導体パターン11Bの中で最も入力端子20から遠い直線状部分の線幅を第3段の導体パターン11Cの線幅とほぼ等しくなるようにしても良い。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、第2の実施形態による基板減衰回路の構成例を示す図である。第2の実施形態では、より入力端子20に近い側のm箇所(例えばm=1)の出力端子21Aと入力端子20との間の部分における導体パターンの線幅を他より太く形成することに加え、第k段(k=1,2,・・・n−1)の導体パターンが第k+1段の導体パターンを囲むように配置するようにしている。
【0026】
図5A〜図5Dは、図4のように形成した導体パターン11’について、第n段(n=1,2,3,4)の導体パターン11A’〜11D’の構成を分かりやすく示した図である。図5A〜図5Dに示すように、入力端子20は、導体パターン11’が形成された矩形領域の一辺における中央付近に設けられている。また、4つの出力端子21A〜21Dは、当該矩形領域の一辺(入力端子20と同じ一辺)からそれぞれ引き出されている。
【0027】
図5Aに示すように、第1段の導体パターン11A’は、中央付近の入力端子20から矩形領域の最内周を通って180度の角度をもって折り返し、そこから先は90度の角度をもって屈曲しながら、矩形領域の四辺(ただし、入力端子20や出力端子21A〜21Dが設けられている一辺だけはその半分)に沿って、矩形領域の最外周を通る。ここまでを往路とする。そして、第1段の導体パターン11A’は往路の先端で180度の角度をもって折り返し、往路に沿って矩形領域の一辺まで戻る。往路の先端で折り返してから矩形領域の一辺に戻るまでの部分を復路とする。第1段の出力端子21Aは、当該復路の先端から引き出されている。
【0028】
図5Bに示すように、第2段の導体パターン11B’は、第1段の導体パターン11A’における復路の先端で180度の角度をもって折り返すことによって開始する。第2段の導体パターン11B’は、第1段の導体パターン11A’に隣接した往路および復路によって形成される。すなわち、第2段の導体パターン11B’は、矩形領域の内周側では第1段の導体パターン11A’の外側を隣接して通り、矩形領域の外周側では第1段の導体パターン11A’の内側を隣接して通る。第2段の出力端子21Bは、第2段の導体パターン11B’における復路の先端から引き出されている。
【0029】
図5Cに示すように、第3段の導体パターン11C’は、第2段の導体パターン11B’における復路の先端で180度の角度をもって折り返すことによって開始する。第3段の導体パターン11C’は、第2段の導体パターン11B’に隣接した往路および復路によって形成される。すなわち、第3段の導体パターン11C’は、矩形領域の内周側では第2段の導体パターン11B’の外側を隣接して通り、矩形領域の外周側では第2段の導体パターン11B’の内側を隣接して通る。第3段の出力端子21Cは、第3段の導体パターン11C’における復路の先端から引き出されている。
【0030】
図5Dに示すように、第4段の導体パターン11D’は、第3段の導体パターン11C’における復路の先端で180度の角度をもって折り返すことによって開始する。第4段の導体パターン11D’は、第3段の導体パターン11C’に隣接した往路および復路によって形成される。すなわち、第4段の導体パターン11D’は、矩形領域の内周側では第3段の導体パターン11C’の外側を隣接して通り、矩形領域の外周側では第3段の導体パターン11C’の内側を隣接して通る。なお、第4段の導体パターン11D’については、往路および復路を2往復するように形成されている。第4段の出力端子21Dは、第4段の導体パターン11D’における復路の先端から引き出されている。
【0031】
背景技術で説明した特許文献1に記載の技術では、小さい減衰レベルを得る場合には、導体パターンが形成された矩形領域の中の偏った局部領域にある導体パターンだけを使用する。このため、その局部領域に熱源が集中してしまい、耐電力が小さくなってしまうという問題が生じる。これに対して、以上のように構成した第2の実施形態によれば、小さい減衰レベルを得るために導体パターンの一部だけを使用する場合であっても、図5Aのように矩形領域の中で内周部および外周部の分散した領域にある導体パターンを使用するので、熱源を分散させることができ、耐電力を大きくすることができる。
【0032】
また、背景技術で説明した特許文献1に記載の技術では、導体パターンが全て180度の角度をもって折り返されているので、その折り返し部分に誘導成分が生じてしまう。この場合、基板減衰回路をサウンドシステムに使用すると、再生される音声の品質が誘導成分の影響を受けて悪化してしまう問題を生じる。これに対して、第2の実施形態によれば、180度の折り返し箇所が大幅に減少するので、再生音声の音質を向上させることができる。また、第2の実施形態によれば、入力端子20および複数の出力端子21A〜21Dの引き出し部を比較的近い領域にまとめることができるというメリットも有する。
【0033】
なお、上記第2の実施形態では、入力端子20とm箇所(m<n)の出力端子との間の部分における導体パターンの線幅を他より太く形成することに加え、第k段(k=1,2,・・・n−1)の導体パターンが第k+1段の導体パターンを囲むように配置するようにしているが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、導体パターン11”の線幅をすべて等しくし、第k段(k=1,2,・・・n−1)の導体パターンが第k+1段の導体パターンを囲むように配置するようにしても良い。
【0034】
すなわち、基板上において線状の導体パターンを多数回屈曲させて形成し、当該導体パターンの一端に入力端子を設けるとともに、当該導体パターンのn箇所(nは2以上の整数)に出力端子を設けることによりn個の抵抗値を得ることができるようになされた基板減衰回路において、
上記n箇所の出力端子を上記入力端子に最も近い側から順番に第k段(k=1,2,・・・n)の出力端子とし、上記入力端子と第1段の出力端子との間の部分における導体パターンを第1段の導体パターン、第k段の出力端子と第k+1段の出力端子との間の部分における導体パターンを第k+1段の導体パターンとした場合、上記導体パターンは、第k段の導体パターンが第k+1段の導体パターンを囲むように配置されたパターンにより形成するようにしても良い。
【0035】
また、上記第2の実施形態では、導体パターン11’が形成された矩形領域の一辺における中央付近に入力端子20を設けている。そして、当該中央付近の入力端子20から矩形領域の内周側→外周側(以上が往路)→外周側→内周側(以上が復路)の順で第1段の導体パターン11A’を形成している。さらに、この第1段の導体パターン11A’に囲まれるように第2段以降の導体パターン11B’〜11D ’を形成している。ただし、本発明はこの例に限定されない。例えば、導体パターン11’が形成された矩形領域の一辺における最も外側に入力端子20を設け、当該外側の入力端子20から矩形領域の外周側→内周側(以上が往路)→内周側→外周側(以上が復路)の順で第1段の導体パターン11A’を形成するようにしても良い。この場合も、第1段の導体パターン11A’に囲まれるように第2段以降の導体パターン11B’〜11D ’を形成する。
【0036】
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 基板
11,11’,11” 導体パターン
20 入力端子
21A〜21D 出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上において線状の導体パターンを多数回屈曲させて形成し、当該導体パターンの一端に入力端子を設けるとともに、当該導体パターンのn箇所(nは2以上の整数)に出力端子を設けることによりn個の抵抗値を得ることができるようになされた基板減衰回路であって、
上記n箇所の出力端子のうち、より上記入力端子に近い側のm箇所(mはnより小さい正の整数)の出力端子と上記入力端子との間の部分における導体パターンの線幅を、それ以外の部分における導体パターンの線幅よりも太く形成したことを特徴とする基板減衰回路。
【請求項2】
m=1であることを特徴とする請求項1に記載の基板減衰回路。
【請求項3】
上記n箇所の出力端子を上記入力端子に最も近い側から順番に第k段(k=1,2,・・・n)の出力端子とし、上記入力端子と第1段の出力端子との間の部分における導体パターンを第1段の導体パターン、第k段の出力端子と第k+1段の出力端子との間の部分における導体パターンを第k+1段の導体パターンとした場合、上記m箇所の出力端子と上記入力端子との間の部分における導体パターンの線幅を、第k+1段の導体パターンよりも第k段の導体パターンの方が太くなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の基板減衰回路。
【請求項4】
上記m箇所の出力端子と上記入力端子との間の部分における導体パターンの線幅を、上記入力端子に近い部分における導体パターンほど徐々に太くなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の基板減衰回路。
【請求項5】
上記導体パターンは、180度の角度をもって多数回屈曲した折り返しパターンにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板減衰回路。
【請求項6】
上記n箇所の出力端子を上記入力端子に最も近い側から順番に第k段(k=1,2,・・・n)の出力端子とし、上記入力端子と第1段の出力端子との間の部分における導体パターンを第1段の導体パターン、第k段の出力端子と第k+1段の出力端子との間の部分における導体パターンを第k+1段の導体パターンとした場合、上記導体パターンは、第k段の導体パターンが第k+1段の導体パターンを囲むように配置されたパターンにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板減衰回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−142511(P2011−142511A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2203(P2010−2203)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】