説明

基礎水切りおよび基礎水切りの取付構造

【課題】外装材の下端の位置を下げたり、水切り部を基礎の上面より下げた位置まで下方に延出しても、容易かつ確実に外壁本体の下端部に取り付けることができる基礎水切りおよび基礎水切りの取付構造を提供する。
【解決手段】基礎水切り20の差込部20aが、外壁本体30と外装材31との間に下方から差し込まれて、外壁本体30の下端部表面に当接されており、水切り部31bの先端が基礎21の上面21aより下方に位置しており、第1当接部20cが外壁本体30の下端面に当接されており、斜め延出部20dが水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置されており、斜め延出部20dの止着材穴20iに、水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から挿入された止着材35が挿通されて、外壁本体30の下端面にねじ込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎水切りおよび基礎水切りの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基礎水切りおよび基礎水切りの取付構造の一例として、特許文献1に記載の技術が知られている。
この技術を図4および図5を参照して説明すると、まず図4に示すように、基礎水切り1は、帯状の金物本体2と、金物本体2の一端部から上方に直角に折り曲げられた第1の片3と、金物本体2の一端部近傍から斜め下方に延出された第2の片4と、この第2の片4の先端から水平に延出された第3の片5を有している。また、金物本体2の他端部には、下方に直角に折り曲げられた第4の片6が設けられ、更に金物本体2には、貫通穴7が設けられている。
【0003】
図5は前記基礎水切り1を建物の基礎部の雨仕舞いに使用した状態の断面図である。コンクリートを打設した基礎8の天端上に台輪と呼ばれるパッキン材9を敷設し、その上に床パネル10を載置している。
また、床パネル10の外壁側には半割材11が取り付けられ、この半割材11と床パネル10の上に壁パネル12が取り付けられている。そして、壁パネル12の外側には、外装材であるサイディング13が、その下端が基礎8の天端より上にくるように隙間を設け、胴縁14を介して半割材11と壁パネル12に釘打ち16等によって取り付けられている。
【0004】
このような建物の基礎部の雨仕舞いに基礎水切り1を使用するときには、先ず取り付け片となる第2の片4にビス止め用の穴17を加工し、次に止水受けとなる第1の片3にEPDM発泡材等の止水材18を貼着した後、位置決め片となる第3の片5を半割材11の下端に当接させると共に、止水材18を貼着した水受けとなる第1の片3を半割材11の表面に密着させ、ビス止め用の穴17にビス19を挿入して、基礎水切り1を半割材11にビス止めする。
【特許文献1】特開平11−29990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような基礎水切りの取付構造では、第2の片4に形成された穴17にビス19を挿入して半割材11にねじ込むことによって、基礎水切り1を取り付けているが、サイディング等の外装材13の下端をさらに下げると、これに伴って基礎水切り1も下げることになるが、この場合、第2の片4をかなり短くするか、あるいは削除しなければならず、このため、ビス19によって基礎水切り1を取り付けることができなくなるという問題が生じる。
また、基礎水切り1の第4の片6(水切り部)を基礎8の上面(天端)より下げた位置まで、下方に延出した方が基礎8への雨仕舞を効果的に行うことができるが、第4の片6を下げると、この第4の片6がビス19を穴17に挿通する際の邪魔になって、ビス19の挿通がかなり困難になるか殆ど不可能になるという問題が生じる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、外装材の下端の位置を下げたり、水切り部を基礎の上面(天端)より下げた位置まで下方に延出しても、容易かつ確実に外壁本体の下端部に取り付けることができる基礎水切りおよび基礎水切りの取付構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、外壁本体30の下端部に取り付けられて、基礎21への水の侵入を防止する基礎水切り20であって、
前記外壁本体30と、この外壁本体30の表面に取り付けられた外装材31との間に下方から差し込まれて、前記外壁本体30の下端部表面に当接される差込部20aと、
この差込部20aの下端から斜め下方に外側に延出する水切り部20bと、
前記差込部20aの下端から水平に内側に延出して、前記外壁本体30の下端面に当接される第1当接部20cと、
この第1当接部20cの先端から斜め下方に内側に延出して、前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置され、かつ、止着材穴20iが形成された斜め延出部20dとを備えていることを特徴とする。
【0008】
ここで、「外側」とは、差込部20aから離間する一の方向であり、「内側」とは、前記一の方向とは逆方向に差込部20aから離間する他の方向のことを意味する。
また、「前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置され、」とは、斜め延出部20dの基端(上端)と先端(下端)との双方から斜め延出部20dの表面に対して垂直な仮想線S,Sを引いた場合に、これら仮想線S,Sが水切り部20bの先端と基礎2の上面先端との間を通るように、斜め延出部20dが配置されていることを意味する。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、基礎水切り20の差込部20aを、前記外壁本体30とこの外壁本体30の表面に取り付けられた外装材31との間に下方から差し込んで、前記外壁本体30の下端部表面に当接するとともに、前記水切り部20bの先端を前記基礎21の上面21aより下方に位置させ、さらに前記第1当接部20cを前記外壁本体30の下端面に当接し、前記斜め延出部20dを前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置し、前記斜め延出部20dの止着材穴20iに、前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から挿入された止着材35を挿通して、前記外壁本体30の下端面に打ち込みまたはねじ込むことができる。つまり、斜め延出部20dは前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置されているので、水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から止着材35を挿入し、斜め延出部20dに形成された止着材穴20iに挿通して外壁本体30の下端面に打ち込みまたはねじ込むことができる。
したがって、外装材31の下端の位置を下げたり、水切り部20bを基礎21の上面より下げた位置まで下方に延出しても、基礎水切り20を容易かつ確実に外壁本体30の下端部に取り付けることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基礎水切りにおいて、
前記斜め延出部20dの先端から斜め上方に内側に延出して、先端部が前記外壁本体30の下端面に当接される第2当接部20eを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記第2当接部20eの先端部を前記外壁本体30の下端面に当接させることによって、斜め延出部20dがその基端部を支点として撓むのを防止して、斜め延出部20dを補強できる。したがって、斜め延出部20dの止着材穴20iに止着材35を挿通して外壁本体30の下端面に打ち込みまたはねじ込む際に、斜め延出部20dの変形や破損を防止できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基礎水切りを外壁本体の下端部に取り付けてなる基礎水切りの取付構造であって、
前記基礎水切り20の差込部20aが、前記外壁本体30とこの外壁本体30の表面に取り付けられた外装材31との間に下方から差し込まれて、前記外壁本体30の下端部表面に当接されており、
前記水切り部31bの先端が前記基礎21の上面21aより下方に位置しており、
前記第1当接部20cが前記外壁本体30の下端面に当接されており、
前記斜め延出部20dが前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置されており、
前記斜め延出部20dの止着材穴20iに、前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から挿入された止着材35が挿通されて、前記外壁本体30の下端面に打ち込みまたはねじ込まれていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、斜め延出部20dが前記水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置されており、水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から挿入された止着材35を止着材穴20iに挿通して、外壁本体30の下端面に打ち込みまたはねじ込むことができる。
したがって、外装材31の下端の位置を下げたり、水切り部20bを基礎21の上面20aより下げた位置まで下方に延出しても、基礎水切り20を容易かつ確実に外壁本体30の下端部に取り付けることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の基礎水切りの取付構造において、
前記第2当接部20eの先端部が前記外壁本体30の下端面に当接されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、前記第2当接部20eの先端部が前記外壁本体30の下端面に当接されているので、斜め延出部20dがその基端部を支点として撓むのを防止して、斜め延出部20dを補強できる。したがって、斜め延出部20dの止着材穴20iに止着材35を挿通して外壁本体30の下端面に打ち込みまたはねじ込む際に、斜め延出部20dの変形や破損を防止できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の基礎水切りの取付構造において、
前記外壁本体30の下端部表面には、前記外装材31の下端部を支持する外装材支持金具32が取り付けられており、
前記外装材支持金具32は、前記外装材31の下端部裏面に当接する裏面当接部32cと、この裏面当接部32cの先端から外側に水平に延出して前記外装材31の下端面を支持する支持部32dとを備えており、
前記裏面当接部32cと前記外壁本体30との間から前記基礎水切り20の差込部20aが差し込まれていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、外装材支持金具32の裏面当接部32cを外装材31の下端部裏面に当接するとともに、支持部32dによって外装材31の下端面を支持することによって、外装材31の下端部を安定的に支持できる。
また、裏面当接部32cと外壁本体30との間から基礎水切り20の差込部20aが差し込まれているので、外装材支持金具32を外壁本体30の下端部表面に取り付けても、この外装材支持金具32が基礎水切り20の差込部20aの邪魔になることがない。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基礎水切りの差込部を、前記外壁本体とこの外壁本体の表面に取り付けられた外装材との間に下方から差し込んで、前記外壁本体の下端部表面に当接するとともに、前記水切り部20の先端を前記基礎の上面aより下方に位置させ、さらに前記第1当接部を前記外壁本体の下端面に当接し、前記斜め延出部を前記水切り部の先端と基礎の上面先端との間から臨めるように配置し、前記斜め延出部の止着材穴に、前記水切り部の先端と基礎の上面先端との間から挿入された止着材を挿通して、前記外壁本体の下端面に打ち込みまたはねじ込むことができる。つまり、斜め延出部は前記水切り部の先端と基礎の上面先端との間から臨めるように配置されているので、水切り部の先端と基礎の上面先端との間から止着材を挿入し、斜め延出部に形成された止着材穴に挿通して外壁本体の下端面に打ち込みまたはねじ込むことができる。
したがって、外装材の下端の位置を下げたり、水切り部を基礎の上面より下げた位置まで下方に延出しても、基礎水切りを容易かつ確実に外壁本体の下端部に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る基礎水切りを示す斜視図、図2は基礎水切りどうしを接合するに使用するジョイナーを示す斜視図、図3は本発明に係る基礎水切りの取付構造を示す側断面図である。
【0020】
まず、本発明に係る基礎水切り20を説明する前に、この基礎水切り20を取り付ける外壁本体やその周辺の構成部材について図3を参照して説明する。
すなわち、基礎21の上面には台輪22が設置されており、この台輪22の上面に床パネル23が設置されている。床パネル23は框材23aを矩形枠状に組み立ててなる枠体内に補強桟材を縦横に組み付けるとともに、枠体の上面に合板からなる面材23bを取り付けてなるものである。なお、前記台輪22は換気台輪となっており、その幅方向(図3において左右方向)に空気が流通可能となっている。
【0021】
前記床パネル23の端面には調整材24が固定されている。この調整材24は断面矩形状に形成されたもので、その上面は前記床パネル23の上面と面一になっている。
床パネル23の上面と調整材24の上面には、壁パネル25が設置されている。壁パネル25は框材25aを矩形枠状に組み立ててなる枠体内に補強桟材を縦横に組み付けるとともに、枠体の両面に合板からなる面材25b,25bを取り付けてなるものである。
上記のような壁パネル25は、その表面が前記調整材24の表面と面一になるようにして、床パネル23の上面と調整材24の上面に設置固定されている。
【0022】
なお、基礎21の上面からは図示しないアンカーボルトが突出しており、このアンカーボルトは床パネル23と調整材24との接合部に形成された上下に貫通する孔を貫通するとともに、壁パネル25の框材25aを貫通しており、このアンカーボルトにはナットが螺合されて締め付けられている。これによって、壁パネル25は床パネル23および調整材24を、台輪22を介して基礎21とで挟み付けるとともに、基礎21に強固に連結されている。
【0023】
また、壁パネル25の下端部表面と調整材24の表面とには、合板26が固定されており、この合板26の下端面は調整材24の下面と面一となっている。合板26は後述する外装材支持金具32を取り付けるための取付部26となるものである。
なお、本実施の形態では、前記壁パネル25、調整材24、合板26によって外壁本体30が構成されている。
【0024】
前記外壁本体30の表面には、外装材31が壁パネル23の表面に取り付けられた図示しない胴縁を介して隙間をもって取り付けられている。
また、外壁本体30の下端部表面には、外装材31の下端部を支持する外装材支持金具32が取り付けられている。
外装材支持金具32は、外壁本体30の幅方向(図3において紙面と直交する方向)に延在する帯板状のものであり、前記取付部26の表面に当接する表面当接部32aと、この表面当接部32aの上端から内側に水平に延出して取付部26の上端面に係合する係合部32bと、外装材31の下端部裏面に当接する裏面当接部32cと、この裏面当接部32cの先端から外側に水平に延出して外装材31の下端面を支持する支持部32dと、前記表面当接部32aと裏面当接部32cとを連結する連結部32eとから構成されている。
【0025】
そして、外装材支持金具32は、その表面当接部32aを取付部26の表面に当接するとともに、係合部32bを取付部26の上端面に係合し、さらに、裏面当接部32cを外装材31の裏面に当接するとともに、支持部32dによって外装材31の下端面を支持することによって、外装材31を支持している。したがって、外装材31が厚くなってその重量が増加しても、外装材31を下方から確実に支持できる。
【0026】
次に、本発明に係る基礎水切り20について図1〜図3を参照して説明する。
基礎水切り20は、図3において紙面と直交する方向に延在するものであり、差込部20aと、水切り部20bと、第1当接部20cと、斜め延出部20dと、第2当接部20eとから構成されている。また、基礎水切り20は、帯状のアルミ板材を適宜折曲することによって、差込部20a、水切り部20b、第1当接部20c、斜め延出部20d、第2当接部20eが一体的に形成されている。
【0027】
前記差込部20aは、外壁本体30と外装材31との間に下方から差し込まれるものであり、差し込まれた状態で、前記取付部26の表面に当接されている。これによって、外壁本体30の厚さ方向における基礎水切り20の位置決めがなされている。
前記水切り部20bは、差込部の下端から斜め下方に外側に延出するものであり、斜め下方に傾斜する傾斜部20fと、この傾斜部20fの先端から垂下する垂下部20gと、この垂下部20gの下端から上方に内側で折り返してなる折返し部20hとから構成されており、垂下部20gの先端(下端)は基礎21の上面21aより下方に位置している。
【0028】
前記第1当接部20cは差込部20aの下端から水平に内側に延出して、外壁本体30の下端面に当接されるものであり、外壁本体30の下端面を構成する取付部26の下端面と調整材24の下面との双方に当接されている。これによって、外壁本体30の高さ方向における位置決めがなされている。
前記斜め延出部20dは、第1当接部20cの先端(右端)から斜め下方に内側に延出して、水切り部20bの先端(垂下部20gの下端)と基礎2の上面先端との間から臨めるように配置されるものである。
つまり、斜め延出部20dは、その基端(上端)と先端(下端)との双方から斜め延出部20dの表面に対して垂直な仮想線S,Sを引いた場合に、これら仮想線S,Sが水切り部20bの先端(垂下部20gの下端)と基礎2の上面先端との間を通るように配置されたものである。また、斜め延出部20cと第1当接部とのなす角は135度となっており、これによって、斜め延出部20cは調整材24の下面に対して45度傾いている。
【0029】
また、斜め延出部20dには、止着材穴20iが基礎水切り20の長手方向(図3において紙面と直交する方向)に所定間隔で複数形成されている。
そして、止着材穴20iに、水切り部20bの先端(垂下部20gの下端)と基礎2の上面先端との間から挿入されたビス等の止着材35が挿通されて、外壁本体30の下端面すなわち、調整材24の下面にねじ込まれている。これによって、基礎水切り20が外壁本体30に取り付けられている。
前記第2当接部20eは、斜め延出部20dの先端(下端)から斜め上方に内側に延出するものであり、その先端部は水平に形成され、この先端部が調整材24の下面に当接されている。また、第2当接部20eと斜め延出部20dとのなす角は90度となっている。
【0030】
上記のような基礎水切り20は外壁本体30の下端部に、外壁本体30の幅方向に複数取り付けられるが、隣り合う基礎水切り20,20は互いにその端面が当接されるとともに、接合部材36によって接合される。
すなわち、接合部材36は図2に示すように、アルミ板を折曲して形成されたものであり、垂下部36aと、この垂下部36aの上端から斜め上方に延出する傾斜部36bと、この傾斜部36bの先端から水平に延出する水平部36cとから構成されている。
【0031】
そして、接合部材36は、隣り合う基礎水切り20の接合部において、垂下部36aを基礎水切り20,20の垂下部20g,20gに内側から当接して接着するとともに、先端部を垂下部20gと折返し部20hとの間にはさみ込み、傾斜部36bを基礎水切り20,20の傾斜部20f,20fに内側から当接して接着し、さらに、水平部36cを基礎水切り20,20の第1当接部20c,20cに内側から当接して接着することによって、基礎水切り20,20を接合している。
【0032】
本実施の形態によれば、基礎水切り20の差込部20aを、外壁本体30と外装材31との間に下方から差し込んで、外壁本体30の下端部表面に当接するとともに、前記水切り部20bの先端を基礎21の上面21aより下方に位置させ、さらに前記第1当接部20cを外壁本体30の下端面に当接し、前記斜め延出部20dを水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置し、斜め延出部20dの止着材穴20iに、水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から挿入された止着材35を挿通して、外壁本体30の下端面にねじ込むことができる。つまり、斜め延出部20dは水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から臨めるように配置されているので、水切り部20bの先端と基礎21の上面先端との間から止着材35を挿入し、斜め延出部20dに形成された止着材穴20iに挿通して外壁本体30の下端面に打ち込みまたはねじ込むことができる。
したがって、外装材31の下端の位置を下げたり、水切り部20bを基礎21の上面より下げた位置まで下方に延出しても、基礎水切り20を容易かつ確実に外壁本体30の下端部に取り付けることができる。
【0033】
また、基礎水切り20の第2当接部20eの先端部を外壁本体30の下端面に当接させることによって、斜め延出部20dがその基端部を支点として撓むのを防止して、斜め延出部20dを補強できる。したがって、斜め延出部20dの止着材穴20iに止着材35を挿通して外壁本体30の下端面にねじ込む際に、斜め延出部20dの変形や破損を防止できる。
さらに、外装材支持金具32の裏面当接部32cを外装材31の下端部裏面に当接するとともに、支持部32dによって外装材31の下端面を支持することによって、外装材の下端部を安定的に支持できる。
また、外装材支持金具32の裏面当接部32cと外壁本体30との間から基礎水切り20の差込部20aが差し込まれているので、外装材支持金具32を外壁本体30の下端部表面に取り付けても、この外装材支持金具32が基礎水切り20の差込部20aの邪魔になることがない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る基礎水切りの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る基礎水切りどうしを接合するに使用するジョイナーを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る基礎水切りの取付構造の一例を示す側断面図である。
【図4】従来の基礎水切りの一例を示す断面図である。
【図5】従来の基礎水切りの取付構造の一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0035】
20 基礎水切り
20a 差込部
20b 水切り部
20c 第1当接部
20d 斜め延出部
20e 第2当接部
20i 止着材穴
21 基礎
30 外壁本体
31 外装材
32 外装材支持金具
35 止着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁本体の下端部に取り付けられて、基礎への水の侵入を防止する基礎水切りであって、
前記外壁本体と、この外壁本体の表面に取り付けられた外装材との間に下方から差し込まれて、前記外壁本体の下端部表面に当接される差込部と、
この差込部の下端から斜め下方に外側に延出する水切り部と、
前記差込部の下端から水平に内側に延出して、前記外壁本体の下端面に当接される第1当接部と、
この第1当接部の先端から斜め下方に内側に延出して、前記水切り部の先端と基礎の上面先端との間から臨めるように配置され、かつ、止着材穴が形成された斜め延出部とを備えていることを特徴とする基礎水切り。
【請求項2】
請求項1に記載の基礎水切りにおいて、
前記斜め延出部の先端から斜め上方に内側に延出して、先端部が前記外壁本体の下端面に当接される第2当接部を備えていることを特徴とする基礎水切り。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基礎水切りを外壁本体の下端部に取り付けてなる基礎水切りの取付構造であって、
前記基礎水切りの差込部が、前記外壁本体とこの外壁本体の表面に取り付けられた外装材との間に下方から差し込まれて、前記外壁本体の下端部表面に当接されており、
前記水切り部の先端が前記基礎の上面より下方に位置しており、
前記第1当接部が前記外壁本体の下端面に当接されており、
前記斜め延出部が前記水切り部の先端と基礎の上面先端との間から臨めるように配置されており、
前記斜め延出部の止着材穴に、前記水切り部の先端と基礎の上面先端との間から挿入された止着材が挿通されて、前記外壁本体の下端面に打ち込みまたはねじ込まれていることを特徴とする基礎水切りの取付構造。
【請求項4】
請求項3に記載の基礎水切りの取付構造において、
前記第2当接部の先端部が前記外壁本体の下端面に当接されていることを特徴とする基礎水切りの取付構造。
【請求項5】
請求項3または4に記載の基礎水切りの取付構造において、
前記外壁本体の下端部表面には、前記外装材の下端部を支持する外装材支持金具が取り付けられており、
前記外装材支持金具は、前記外装材の下端部裏面に当接する裏面当接部と、この裏面当接部の先端から外側に水平に延出して前記外装材の下端面を支持する支持部とを備えており、
前記下端当接部と前記外壁本体との間から前記基礎水切りの差込部が差し込まれていることを特徴とする基礎水切りの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−91838(P2009−91838A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264489(P2007−264489)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】