説明

堆積制御剤を有する噴霧組成物

水系噴霧媒体、活性成分、及び堆積制御剤を含む噴霧組成物であって、その組成物は少なくとも1種の界面活性剤を含み、堆積制御剤は、分子置換数が少なくとも0.6のヒドロキシプロピルグアー、アルキルが炭素原子を少なくとも4個有し、分子置換数が少なくとも0.15のヒドロキシアルキルグアー、カルボキシメチル基とヒドロキシアルキル基の両方を有し、分子置換数が少なくとも0.1のグアー、並びにヒドロキシアルキルトリメチルアンモニウム基、好ましくはヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム基、又はアルキルトリメチルアンモニウム基と、ヒドロキシアルキル基の両方を有するグアーからなる群から選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水系噴霧媒体、活性成分、及び堆積制御剤を有する噴霧組成物に関する。より詳細には、本発明は、界面活性剤を含むそのような組成物の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
噴霧組成物は、活性成分を対象物上に液滴状で送達するのに使用される。組成物は適切な手段を用いて噴霧され(液滴を生成し)、その液滴が対象物に衝突する。これは例えば農薬を田畑に適用するのに使用される。噴霧手段は一般に飛行機、トラクター、小型トラック(ground rigs)、潅漑システム又は鉄道車両に載置される。噴霧剤はまた、機械的(例えばポンプ)又は化学的(例えば高圧ガス)手段によって小型缶から散布してもよい。噴霧組成物は、水系噴霧媒体と、固体状又は液体状で、必要に応じて水系媒体中又はさらに別の溶媒中にて溶液状で、その中に分散された活性物質を含む。噴霧剤は表面上に被覆組成物を適用するのにも使用され、このことには、例えば工業塗装、コイル被覆、紙又はフィルム被覆が含まれる。
【0003】
対象物に活性成分を堆積することを改良し、そうして噴霧剤の有効性を改良するために、堆積助剤を使用することが知られている。堆積助剤には以下が含まれる。
− ドリフト制御剤:液滴が対象領域を外すことを防止して、活性成分量を低減する物質であり、同様に経済的及び環境的な懸念も軽減する。
− バウンド防止剤:液滴が対象物、例えば葉に衝突したときに、液滴が反発又は飛散することを防止して、活性成分の地面への損失を低減する物質であり、同様に経済的及び環境的な懸念も軽減する。
− リーチング防止剤又は耐雨剤(rain-fastness agents):対象物上に組成物を堆積した後に、組成物が風雨によって対象物から除去されることを防止し、及び/又は活性物質の長期持続的な効果を可能にする物質であり、同様に環境的及び経済的懸念も軽減する。
− ミスト防止剤。
【0004】
既知のドリフト制御剤には、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド及びポリビニルピロリドンが含まれる。
【0005】
米国特許第5824797号文献には、農業用噴霧組成物中にいくつかのグアー化合物をドリフト制御剤及び生体有効性向上剤として使用することが記載されている。米国特許第6534563号文献には、農業用噴霧化合物にいくつかのグアーを跳ね返り防止剤として使用することが記載されている。分子置換数が約0.4のヒドロキシプロピルグアーである、化合物 Jaguar 8000は農業用噴霧組成物でドリフト低減剤として使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新しい噴霧組成物を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は新しい噴霧組成物に関する。従って本発明は、水系噴霧媒体、活性成分、及び堆積制御剤を有する噴霧組成物であって、
該組成物が少なくとも1種の界面活性剤を含み、及び
該堆積制御剤が以下からなる群から選択される噴霧組成物に関する。
− 分子置換数が少なくとも0.6、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも1.1、さらにより好ましくは少なくとも1.3のヒドロキシプロピルグアー
− アルキルが炭素原子を少なくとも4個有し、分子置換数が少なくとも0.15のヒドロキシアルキルグアー
− 分子置換数が少なくとも0.1の、カルボキシメチル基とヒドロキシアルキル基の両方を有するグアー、好ましくはカルボキシメチル−ヒドロキシプロピルグアー
− ヒドロキシアルキルトリメチルアンモニウム基、好ましくはヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム基、又はアルキルトリメチルアンモニウム基と、ヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシプロピル基の両方を有し、全分子置換数が好ましくは少なくとも0.1のグアー
【0008】
本組成物は界面活性剤の存在下、改良された堆積特性を示す。
【0009】
また本発明は、活性剤を含む組成物の堆積を制御する方法に関し、
本発明の噴霧組成物を用意し、及び
該組成物の液滴を、地上もしくは空中噴霧する、又は放出する
工程を含む。
【0010】
改良された及び/又は制御された堆積特性は、ドリフト制御、及び/又は跳ね返り防止、及び/又はリーチング防止、及び/又はミスト防止特性に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
定義:本明細書では、「分子置換数」(「ms」)とは、グアーの単糖単位あたりの誘導体化基の数を指す。これは誘導体化基に関するパラメータである。分子置換数は、以下の参照文献:K.L. Hodges, *W.E. Kester, D.L. Wiederrich, and J.A. Grover, "Determination of Alkoxyl Substitution in Cellulose Ethers by Zeisel-Gas Chromatography", Analytical Chemistry, Vol. 51, No. 13, November 1979に基づき、Zeisel−GC法によって決定できる。この方法を使用する場合、以下のガスクロマトグラフ条件を使用できる。
− カラム:DB−1(30m×内径0.32mm×フィルム厚1.0μm)
− プログラム:75℃〜300℃、25℃/分(75℃で5分間保持)
− 検出器:炎イオン化
− 注入部/検出部温度:250/320℃
− キャリアガス流:ヘリウム 〜1mL/分
− スプリット流:ヘリウム 20mL/分
− 注入体積:1マイクロリットル
【0012】
本明細書では、「置換度」(「ds」)とは、グアーの単糖単位あたりの、誘導体化基で置換したグアーのヒドロキシル基数を指す。これは誘導体化した箇所に関するパラメータである。
【0013】
ms及びdsの定義の例は、以下の図に示されている。
【化1】

このヒドロキシプロピルグアーについては、ms=4/3=1.33、ds=3/3=1である。
【0014】
本明細書では、堆積制御剤の「分子量」とは、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した重量平均分子量を指す。これは以下を用いて測定できる。
− カラム及び移動相:100mMNaNO3及び0.02%NaN3の移動相と直列にしたSupelco Progel TSK G3000PWXL
− 使用した検出器 Waters 410 屈折率検出器
− サンプル 移動相に溶解して0.025質量%溶液とし、注入前に0.45ミクロンフィルターを通して濾過
− 校正曲線 スタキオース、及び分子量が66,758,000及び200,000グラム/モル(「g/mol」)の2つのグアーサンプルを用いて作成
【0015】
液滴又は跳ね返りの特性:液滴の特性は以下のパラメータを用いて記述される。
− 「D0」 − 初期液滴径。表面に衝突する前の液滴の直径(単位mm)。カメラによって撮影された画像から測定する。
− 「D(t)」 − 図1に示すように、表面に衝突した時又はその後に、広がり及び跳ね返る最中の、表面上の液滴の直径(単位mm)。カメラによって撮影された画像から測定する。
− 「H(t)」 − 図1に示すように、表面に衝突した時又はその後に、広がり及び跳ね返る最中の、表面から測定した液滴の高さ(単位mm)。カメラによって撮影された画像から測定する。
− 時間(ms) − 表面に液滴が衝突した瞬間から測定した時間(単位ミリ秒)。画像を記録するために使用したカメラのフレームレートに相当する。
【0016】
表面に衝突した液滴の「収縮速度」とは、図2に示すように、時間の関数としたD(t)/D0の傾きとして定義され、本明細書で示す結果では通常2msにて、10msまででのD(t)/D0の最大値から得られる。収縮速度が遅いほど、堆積制御(例えばバウンド防止特性)は良好である。
【0017】
フレーム記録レートを変化できる高速度カメラ Phantom 5 Science Technologyを用いて画像が記録される。この記録レートは液滴の衝突速度に従って変化し、通常3m/秒の衝突においては1000フレーム/秒のフレームレートが使用される。10mLシリンジに充填しポンプに接続する。溶液は、外径0.38mm(ゲージ21)の針を備えたシリコンチューブを通って1〜3mL/時で押し出される。この針は、直径約2mmの液滴を生成する。
【0018】
液滴は50cmの高さから対象物表面(パラフィルム)上に向かって投射され、液滴の衝突速度は3m/秒となる。葉の表面のワックス状表皮を模擬するために、パラフィルムをモデル表面として使用する。
【0019】
液滴の大きさは、カメラで記録した画像からピクセル数をミリメートルに変換して測定する。またこれは、収集及び秤量した既知数の液滴の質量を測定して確認した。
【0020】
堆積制御剤:堆積制御剤はヒドロキシアルキルグラフト、及び必要に応じて他のグラフトを有する誘導体化グアーガムである。
【0021】
グアーガムは、物理的に大豆植物と類似する植物である、Cyamopsis tetragonolobus (L.) Taubのマメ科種子の精製した内胚乳である。このガムは、優れた増粘、膜形成及び安定化特性を有するため、長きにわたって農業、化学及び食品処方産業で認められている純粋な食品野菜コロイドである。
【0022】
グアーは、増粘剤及び自由水のバインダーとして食品に使用されることが多い。サラダドレッシングでは、グアーはエマルジョン粘度を上昇させ、分離速度を減少させる。グアーは自由水を結合するよう機能するため、氷の結晶生成を阻害してアイスクリームのような食品を安定化するのに使用される。またグアーは、水と鉱物油の1:1混合物のようなある種の壊れやすい非食品エマルジョンを安定化するのにも利用される。
【0023】
グアーは、低圧で滑らかな押し出しを容易にするだけではなく、少量のグアーを追加すると、プロセス水配管中の摩擦圧力損失を最大で50%減少させて、ポンプ寿命及び能力を増大し所要電力を低減するために、潤滑剤として有用であることが示されている。
【0024】
機能については、グアーは冷水で膨潤する非イオン性の多糖類であり、幅広いpH範囲にわたってその特性を発現し維持する。グアー多糖類は、単環の(single-membered)ガラクトース分岐を有する直鎖マンノース単位から本質的になる複合炭水化物高分子であり、化学的にはポリガラクトマンナンに分類される。
【0025】
グアー溶液又は分散液は、激しく撹拌した水タンク中に乾燥ガムを急速にふるい分けし、ガムを水和させることによって簡単に調製される。加熱が高分子を分解するほど長時間又は過度でない限り、水温が高いほど水和時間を短縮できる。
【0026】
本発明で使用する濃度では、グアーの溶液又は分散液の降伏値は本質的にゼロであると考えられている。すなわち、それらは僅かなせん断力で流動し始める。
【0027】
グアーの性質は、所与の溶液濃度についてpH3〜10の範囲にわたりほとんど一定の粘度とすることを可能にする。pH11を超えると、ガムの水和能力が減少するため粘度がより低くなる。最適な水和はpH5〜8の間の範囲で起こる。このようなpH3〜10の範囲にわたる例外的なグアーの適合性は、分子の非イオン性に帰属する。
【0028】
エーテル化及びエステル化反応をグアーのヒドロキシル官能基に行うことができる。C6ヒドロキシル位は、例えばプロピレンオキシドを用いたエーテル化に最も反応性の高い位置だが、2級ヒドロキシルもまた反応可能な点である。
【0029】
主なエーテル化反応は、モノクロロ酢酸によるカルボキシメチル化、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドによるヒドロキシアルキル化、及び反応性のエポキシド又は塩化物部位を含む様々な4級アミン化合物を用いた4級化反応である。アニオン性及びカチオン性の部位は、グアー分子が無機塩、水和したセルロース及び無機物の表面、並びに有機粒子状物質とどのように相互作用するかを改質する。
【0030】
一般にポリガラクトマンナンのヒドロキシアルキルエーテルは、塩基性条件でポリガラクトマンナンをアルキレンオキシドと反応させて調製される。米国特許第3723408号及び第3723409号では、グアー粉末を水及び水酸化ナトリウムの存在下でアルキレンオキシドと反応させる。反応生成物をその後酸で中和し、アルコール−水混合物で洗浄し、次に乾燥して粉砕する。米国特許第3483121号では、ポリガラクトマンナン及びアルキレンオキシドを、塩基性条件で、少量の水、及び大量の水混和性又は非水混和性有機溶媒を用いて反応させる。
【0031】
詳細なヒドロキシアルキル化剤には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド−1,2、ブチレンオキシド−1,2、ヘキシレンオキシド−1,2、エチレンクロロヒドリン、プロピレンクロロヒドリン、及びエピクロロヒドリンが含まれる。
【0032】
ヒドロキシプロピル化はガムの溶解性を増大し、水温にかかわらず急速に水和する生成物を生じる。ヒドロキシアルキル誘導体は水混和性溶媒に対してより寛容であり、そのためメタノール、エタノールなどのような低分子量有機溶媒を含む水系溶液中で、膨潤して粘性を発現することが可能である。ヒドロキシアルキル及びカルボキシメチル誘導体の両方とも通常は標準的なグアーガムより透明な溶液を生成し、またヒドロキシアルキル誘導体は標準的なグアーよりも良好に熱分解にも耐える。ヒドロキシプロピルグアーは、固体を凝集させない流動改質剤及び摩擦低下剤として特に有用である。
【0033】
ポリガラクトマンナンの、カルボキシアルキルエーテル及び混合カルボキシヒドロキシアリルエーテルは、米国特許第3740388号及び第3723409号にそれぞれ記載されている。これら誘導体は、水−アルコール混合物中でポリガラクトマンナンを誘導体化剤(ハロ脂肪酸及びアルキレンオキシド)と反応させ、次に水−アルコール混合物で洗浄して作られる。
【0034】
詳細なカルボキシアルキル化剤には、クロロ酢酸、クロロプロピオン酸及びアクリル酸が含まれる。
【0035】
カルボキシメチル化は高分子鎖にアニオン性官能基を導入して、グアーの溶解性をさらに増大する。カルボキシメチル−ヒドロキシプロピルグアーについては、未溶解の固体を懸濁する能力が別格である。
【0036】
ポリガラクトマンナンの他の誘導体は、米国特許第3498912号(4級アンモニウムアルキルエーテル)のような特許に記載されている。記載された方法では、反応を水−有機溶媒混合物中で行い、反応生成物を水と溶媒の混合溶媒で洗浄する。
【0037】
グラフトしたグアー誘導体はグラフト反応を用いて生成させてもよく、これらの生成物をここに記載した方法を用いて誘導体化してもしなくてもよい。
【0038】
詳細な4級アンモニウムアルキル化剤は、塩化2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムなどのような物質である。
【0039】
「誘導体化グアー」とは、上述の誘導体化したグアー生成物のいずれも含むことを意味する。
【0040】
窒素固定する再生可能資源に由来するグアーは、多用途で、環境に優しく、生分解性の高い高分子である。誘導体化グアーは、その分子が一般的生物の食物としてより適当でないために、生分解に対して若干感度が低い。
【0041】
堆積を制御する誘導体化グアーの分子量は、有利には50,000g/mol〜10,000,000g/mol、好ましくは200,000g/mol〜5,000,000g/mol、より好ましくは1,000,000g/mol〜5,000,000g/molである。
【0042】
本発明に適した誘導体化グアーの例には以下が含まれる。
− Rhodiaの販売するJaguar(商品名)8012、分子置換数が約1.2のヒドロキシプロピルグアー
− Rhodiaの販売するJaguar HP−105、分子置換数が約0.6のヒドロキシプロピルグアー
− Rhodiaの販売するJaguar HP−140、分子置換数が約0.6のヒドロキシプロピルグアー
− Rhodiaの販売するJaguar 8079、分子置換数が約0.8のヒドロキシプロピルグアー
【0043】
堆積制御剤の量:噴霧組成物中の堆積制御剤の量は、有利には0.001〜2質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。分子置換数が大きいほど、及び/又はヒドロキシアルキル基の炭素原子数が大きいほど、跳ね返り防止効果が良好となり、及び/又は必要な誘導体化グアーの量が少なくなると考えられている。
【0044】
従って噴霧組成物は、有利には、堆積制御剤がヒドロキシプロピルグアーであって、その分子置換数が少なくとも0.6、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも1.1、さらにより好ましくは少なくとも1.3であり、その量が0.001〜2質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%であるか、あるいは堆積制御剤がヒドロキシブチルグアーであって、その分子置換数が少なくとも0.15で、0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.05質量%であるようなものである。
【0045】
性能:性能は(上述のように)液滴の収縮速度を比較して測定でき、収縮速度がより低い高分子は跳ね返る傾向がより低い。跳ね返りについての臨界収縮速度は、液滴の大きさ、衝突速度及び添加剤を含む、衝突の特性に左右される場合がある。液滴の大きさ及び衝突速度を一定に保つことで、液滴の収縮速度の比較を通じて添加した堆積制御剤の効果を評価できる。こうしてある堆積制御剤の性能が他と比較される。
【0046】
組成物、界面活性剤、それらの量、堆積制御剤、及び/又はその量は、好ましくは収縮速度が200mm/秒より低くなるようなものである。
【0047】
界面活性剤:噴霧組成物は少なくとも1種の界面活性剤を含む。界面活性剤は、通常噴霧組成物中に活性成分を配合するのに役立つ。しかしながら、界面活性剤は対象物、例えば葉の表面に対する組成物の親和性を変化させる場合がある。いかなる理論に拘束される訳ではないが、本発明は少なくとも部分的には親和性の変化を制御することに関連すると考えられている。
【0048】
様々な界面活性剤、又は界面活性剤の組み合わせが組成物に存在してもよい。界面活性剤には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、両性イオンの界面活性剤、及びこれらの混合物が含まれる。
【0049】
本発明の噴霧組成物に適したアニオン性界面活性剤には以下が含まれる。
− リン酸エステル界面活性剤。
− C8−C50、より詳細にはC8−C30、好ましくはC10−C22アルキルスルホン酸、1〜3つの、C1−C30、好ましくはC4−C16アルキル基、及び/又はC2−C30、好ましくはC4−C16アルケニル基で置換されたベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のような、1つ以上の炭化水素含有基で置換されていてもよく、酸性官能基が部分的又は完全に塩の形態である、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸。
− 直鎖又は分岐アルキル部分が、1つ以上の直鎖又は分岐C2−C4ヒドロキシル基及び/又はアルコキシル基で置換(好ましくはエトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化(ethopropoxylated))されてもよい、アルキルスルホコハク酸のモノ−又はジ−エステル。
− リン酸エステル、より詳細には、8〜40個、好ましくは10〜30個の炭素原子を含み、少なくとも1つのアルコキシル化基によって置換(エトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化)されていてもよい、少なくとも1つの飽和、不飽和又は芳香族の、直鎖又は分岐炭化水素基を含むものから選択されるリン酸エステル。(さらに、自由な、又は完全にもしくは部分的に塩の形態である、1又は2つの酸性基を有することが可能なように、それらはモノ−又はジ−エステル化された少なくとも1つのリン酸エステル基を含む。好ましいリン酸エステルは以下の種類である:1〜4つのアルキル基で置換されていてもよい、モノ−、ジ−もしくはトリ−スチリルフェノール、又はモノ−、ジ−もしくはトリ−アルキルフェノールとリン酸との、あるいはC8−C30、好ましくはC10−C22アルコールとリン酸との、アルコキシル化(エトキシル化及び/又はプロポキシル化)モノ−又はジ−エステル;あるいはC8−C22、好ましくはC10−C22アルコールとリン酸との、非アルコキシル化モノ−又はジ−エステル。)
− 1つ以上のアルコキシル化基で置換(エトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化)されていてもよい、飽和又は芳香族アルコールから得られる硫酸エステルであって、硫酸官能基が自由な酸、又は部分的もしくは完全に中和された形態であるもの。(挙げられる例は硫酸エステル、より詳細には、1〜8つのアルコキシル化(エトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化)基を含んでもよい、飽和又は不飽和C8−C20アルコールから得られる硫酸エステル。)
− 1〜3つの飽和又は不飽和C2−C30ヒドロキシ炭素含有基によって置換されている、ポリアルコキシル化フェノールから得られる硫酸エステルであって、アルコキシル化モチーフの数が2〜40の範囲であるもの。
− アルコキシル化モチーフの数が2〜40の範囲である、ポリアルコキシル化モノ−、ジ−又はトリ−スチリルフェノールから得られる硫酸エステル。
− オレオイルタウレート(oleoyltaurate)塩。
【0050】
当然のことながら、化合物が部分的又は完全に塩の形態である場合、対イオンは、ナトリウムもしくはカリウムのようなアルカリ金属、又は式N(R)4+のアンモニウムイオンであって、ここでRは同一でも異なってもよく、水素原子、もしくは酸素原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基を表すものであってもよい。
【0051】
本発明の噴霧組成物に適した非イオン性界面活性剤には以下が含まれる。
− 少なくとも1つのC4−C20、好ましくはC4−C12アルキル基で置換されている、あるいはアルキル部分がC1−C6である少なくとも1つのアルキルアリール基で置換されている、ポリアルコキシル化(エトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化)フェノール。(より詳細には、アルコキシル化モチーフの合計数は2〜100の範囲である。挙げられる例は、ポリアルコキシル化モノ−、ジ−及びトリ−(フェニルエチル)フェノール、又はポリアルコキシル化ノニルフェノール。)
− ポリアルコキシル化(エトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化)されていてもよいC6−C22脂肪アルコール又は脂肪酸。アルコキシル化モチーフが存在する場合、その数は1〜60の範囲である。(「エトキシル化脂肪酸」には、脂肪酸をエチレンオキシドによりエトキシル化して得られた生成物、及び脂肪酸をポリエチレングリコールによりエステル化して得られた生成物の両方が含まれる。)
− 植物又は動物由来のポリアルコキシル化(エトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化)トリグリセリド。(以下が適している:豚脂、獣脂、ピーナッツ油、バター油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、ブドウ種子油、魚油、大豆油、ヒマシ油、菜種油、コプラ油(coprah oil)、ココナッツ油からのトリグリセリドであって、アルコキシル化モチーフの合計数は1〜60の範囲。「エトキシル化トリグリセリド」には、トリグリセリドをエチレンオキシドによりエトキシル化して得られた生成物、及びポリエチレングリコールを用いてトリグリセリドをトランスエステル化して得られた生成物の両方が含まれる。)
− ポリアルコキシル化(エトキシル化、プロポキシル化、エトプロポキシル化)ソルビタンエステル、より詳細には、ラウリン酸、ステアリン酸又はオレイン酸のようなC10−C20脂肪酸で環化し、アルコキシル化モチーフの合計数が2〜50の範囲である、ソルビトールのエステル。
− アルキルポリグルコシド。
− シリコーン系界面活性剤。
− エトキシプロポキシ共重合体。
− エトキシ及びエトキシプロポキシの脂肪アミン及び/又はエーテルアミン。
【0052】
本発明の噴霧組成物に適した両性又は両性イオン界面活性剤には以下が含まれる。
− スルホベタイン(スルタイン(sultaines))、カルボキシベタイン(通常のベタイン)、ホスホベタイン、好ましくはアルキルベタイン又はアルキルアミドベタインのようなベタイン、例えば下式のうち1種以上を有する化合物。
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

(式中、
1は、プロピル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、テトラヘキサデシル、オクチル又はこれらを混合したものような、3〜30個の炭素原子、好ましくは3〜20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキル基、あるいはドデカンアミドのようなアルカミド(alkamide)基を表し、
2は、同一でも異なってもよい、アルキル基、好ましくはメチル基を表し、
3は、水素原子、又は−CH2COOM基もしくはアルキル基を表し、
Mは、アルキル金属、好ましくはナトリウムを表す。)
− アルキルアミド両性アセテート(alkylamidoamphoacetates)。
− アルキル両性アセテート。
− 必要に応じてポリアルコキシル化されているアミンオキシド。
【0053】
噴霧組成物中に存在する界面活性剤濃度は、水中臨界ミセル濃度の少なくとも2倍であってよい。臨界ミセル濃度を測定する方法は当業者に既知である。またこれらのデータは文献、例えばManilal Dahanayake and Milton J. Rosen, "Industrial Utilization of Surfactants" (AOCS Press)から入手できる。
【0054】
噴霧組成物は界面活性剤を、好ましくは少なくとも0.01質量%かつ好ましくは5質量%未満含み、より好ましくは0.05質量%〜2質量%含み、これらの量は組成物中の界面活性剤の合計量(界面活性剤の混合物)に関する。
【0055】
活性成分:活性成分は好ましくは農薬活性成分である。農薬活性成分とは、望ましくない生物を殺傷するもしくはその発育を防ぐ、又は植物に効果を直接及ぼすことによって、植物の生長に効果を及ぼす化合物を意味する。活性成分は、除草剤、殺虫剤(pesticide)、殺菌剤、殺虫剤(aphicide)、殺ダニ剤、肥料又は他の作用を有する化合物であってよい。
【0056】
活性成分の例には以下が含まれる。
− 例えば、メトミル、カルバリール、カルボフラン、又はアルジカルブのようなカルバメート;EPN、イソフェンフォス、イソキサチオン、クロルピリホス、又はクロルメホスのような有機チオリン酸エステル;テルブホス、モノクロトホス、又はテラクロルビンホス(terachlorvinphos)のような有機リン酸エステル;メトキシクロルのような過塩化有機化合物;フェンバレレート、アバメクチン及びエマメクチン安息香酸塩のような合成ピレスロイド;チアメトキサム又はイミダクロプリドのようなネオニコチノイド;λ−サイハロスリン、サイパーメスリン、又はビフェンスリンのようなピレスロイド;及びインドキサカルブ、イミダクロプリド、フィプロニルのようなオキサジアジン、からなる群から選択される殺虫剤(insecticides)。
− オキサミルのような線虫駆除性カルバメート。
− 例えば、メトリブジン、ヘキサキシノン(hexaxinone)、又はアトラジンのようなトリアジン;2−クロロ−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル]−ベンゼンスルホンアミドのようなスルホニル尿素;レナシル、ブロマシル、又はテルバシルのようなウラシル(ピリミジン);リヌロン、ジウロン、シデュロン、又はネブロンのような尿素;アラクロル、又はメトラクロルのようなアセトアニリド;ベンチオカルブ(SATURN)、トリアレートのようなチオカルバメート;オキサジアゾンのようなオキサジアゾール−オン;2,4−Dのようなフェノキシ酢酸;フルアジホップ−ブチル、アシフルオルフェン、ビフェノックス、又はオキシフルオルフェンのようなジフェニルエーテル;トリフルラリンのようなジニトロアニリン;グリホセート塩及びエステルのようなグリシンホスホン酸エステル(塩);ブロモキシニル、又はイオキシニルのようなジハロベンゾニトリル;パラコートのようなジピリジリウム;クレトジムのようなジム;フルアジホップのようなホップ、からなる群から選択される除草剤。
− 例えば、シモキサニル(カーゼート)のようなニトリロオキシム;ベノミル、カルベンダジム、又はチオファネート−メチルのようなイミダゾール;トリアジメホンのようなトリアゾール;カプタンのようなスルフェンアミド;マネブ、マンコゼブ、又はチラムのようなジチオ−カルバメート;クロロネブのような塩素化芳香化合物;イプロジオン、クレソキシム−メチルのようなストロビルリン、トリフロキシストロビン、又はアゾキシストロビンのようなジクロロアニリン;クロロタロニル;銅オキシ塩化物のような銅塩;硫黄;メタラキシル又はメフェノキサムのようなフェニルアミド及び誘導体、からなる群から選択される殺菌剤。
− 例えば、ピリミカルブのようなカルバメートからなる群から選択される殺虫剤(aphicides)。
− 例えば、プロパルギットのようなプロピニル亜硫酸エステル;アミトラズのようなトリアザペンタジエン;クロロベンジレート、又はテトラジファン(tetradifan)のような塩素化芳香化合物;ビナパクリルのようなジニトロフェノール、からなる群から選択される殺ダニ剤。
− 例えば、窒素、カリウム、リン微量栄養素、及び植物の生長に必要な他の元素を供給する葉面肥料。
【0057】
農薬活性成分を含む噴霧組成物はさらに以下の成分を含んでもよい。
− さらなる別のドリフト制御剤、
− 消泡剤、
− リーチング防止剤、
− グリコール及びエチレングリコールのような、レオロジー改質剤、
− グリセリンもしくはグリコールのような、保湿剤、
− 30−0−0のような液状肥料、
− シリコーン、野菜もしくは石油系の油、溶剤、メチル化種子油のような、浸透剤及び/もしくは展着剤、
− クエン酸、EDTA、及び硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素などの無機塩のような、キレート及び水質調節剤、並びに/又は
− アクリレート及びメタクリレート高分子。
【0058】
他の実施態様によれば、噴霧組成物とは以下のものである。
− 表面に堆積される被覆剤の少なくとも1つの成分が活性成分である、被覆剤組成物。例えば、高分子フィルム、金属コイル、金属部品、ガラスパネル、紙などを含む表面上への、塗料、もしくはコイル被覆剤、又は他の任意の工業用被覆剤もしくは表面処理剤。(これらの用途では、堆積を制御するとミスト発生を回避するのに役立つ場合がある。)
− 布地表面、例えば保護膜などに堆積される少なくとも1つの成分が活性成分である、布地処理組成物。
− 硬い表面に適用される少なくとも1つの成分が活性成分である、硬い表面の洗浄組成物。
− 例えばインクジェット印刷機により付与される、インク、カラー被覆剤、汚染被覆剤、あるいは
− 例えば小型缶から散布される殺虫性、殺菌性、抗菌性、又は消毒性組成物のエアロゾル噴霧剤。
【0059】
組成物の噴霧:組成物、有利には農薬活性成分を含む組成物は、地上噴霧、空中散布、又は液滴で放出してもよい。有利にはノズルを通して行われ、好ましくは液滴の大きさは少なくとも50μm、好ましくは少なくとも150μmで、5mm未満、好ましくは2mm未満である。
【0060】
本発明のいくつかの詳細又は利点は、以下の非限定的な例で明らかとなる。
【実施例】
【0061】
例:以下の成分を本例で使用した。
− 水、
− 界面活性剤:Sasolの提供する、エチレンオキシド9モルでエトキシル化したアニオン性ドデシル−トリデシルアルコールのリン酸エステル界面活性剤(以下「アニオン性ホスエステル(anionic phosester)」という)、
− 堆積制御剤1:Rhodiaの販売する、msが約1.2、重量平均分子量が約197万のヒドロキシプロピルグアーである、Jaguar 8012、
− 堆積制御剤2(又はHBG090):msが約0.9、ピーク分子量(クロマトグラムで最も高い点の分子量)が約240万のヒドロキシブチルグアー、
− 堆積制御剤3(比較):Rhodiaの販売する、msが約0.4、重量分子量が約230万のヒドロキシブチルグアーである、Jaguar 8000、
− 堆積制御剤4:Rhodiaの開発した、msが約1.9、分子量が200万〜400万のヒドロキシプロピルグアーである、Jaguar 8021。
【0062】
サンプルの調製:A.高分子ストック溶液の調製手順は以下の通りである。
− マグネチックスターラーを入れた瓶に、脱イオン水をおよそ200g量り取る。
− プラスチックカップに堆積制御剤を0.6000g量り取る。
− 激しく撹拌しながら、堆積制御剤を瓶中の水に添加する。
− 脱イオン水で300gになるよう満たす。
− マグネチックスターラーで2時間撹拌する。
− ローラー上で一晩放置する。
− 0.1NHCl及び0.1NNaOHを用いて、ストック溶液のpHを7.0±0.2に調節する。
− 溶液を5.0℃で保管する。
【0063】
B.堆積制御剤のみの効果を分離するために、堆積制御剤のみを含む溶液を同じ表面張力を有するように調節した。堆積制御剤を含む液滴衝突実験用溶液の調製を以下に記載する(下記表中の組成物1C、2C及び6C)。
− 0.2%ストック溶液を瓶中に30g量り取る。
− 表面張力が62.0±0.3mN/mになるようブタノールを追加する。
− 脱イオン水で100gになるよう満たす。
− ローラー上に1時間放置する。
【0064】
C.堆積制御剤とアニオン性ホスエステルの両方を含む溶液を以下に記載するように調製する(下記表中の組成物3、4、5C、7C、8)。
【0065】
1.20×CMCアニオン性ホスエステル溶液の調製
− アニオン性ホスエステル1gを秤量する。
− 界面活性剤を脱イオン水中に溶解して、総質量100gにする。
− 20×CMCで溶液を手で振とうし、ローラー上で1/2時間均質化する。
− 室温で保管する。
【0066】
2.pH=5.0のバッファーの調製
− フタル酸水素カリウム20.42gを瓶中に量り取る。
− 脱イオン水で1000gになるよう満たして、0.1M溶液を得る。
− 溶液をローラー上で1/2時間均質化する。
− 水酸化ナトリウム(NaOH)4gをビーカー中に量り取る。
− 脱イオン水996gを瓶中に量り取り、NaOHを添加して0.1M溶液を得る。
− 溶液をローラー上で1/2時間均質化する。
− 両方の溶液を、フタル酸水素カリウム0.1M溶液50mLと水酸化ナトリウム0.1M溶液22.6mLの比率で混合する。
− バッファーを均質化し、pHが5.0±0.2であることを確認する。
− バッファーを5.0℃で保管する。
【0067】
3.pH=5.0で緩衝した、堆積制御助剤0.06%溶液+2×CMCアニオン性ホスエステルの調製
− Aで調製した高分子ストック0.2%溶液30gを秤量する。
− C(1)で調製した20×CMC界面活性剤溶液を10g添加する。
− C(2)で調製したバッファーで100gになるよう満たす。
− 溶液をローラー上で1時間均質化する。
− 5.0℃で保管する。
【0068】
以下の組成物を調製する(量は質量%)。Cは比較を表す。
【0069】
【表1】

【0070】
衝突試験:液滴衝突試験を次のように行う。水噴霧によりガラス板を濡らして、パラフィルム6.0cm×2.5cmの一片の下側をそのガラス板に慎重に重ねる。パラフィルムの保護層を所定位置に保持することにより、表面の擦傷、圧縮又は汚染を回避する。その後液滴を衝突させる直前に、上側の保護フィルムを慎重に除去する。流体を針に供給し、形成された液滴を重力下で上述の表面上方50cmの高さから落とす。Phantom5高速度カメラで、落下する液滴及び表面に衝突する液滴の画像を撮影する。その後、液滴大きさ及び衝突速度について画像を分析する。液滴の衝突速度は、1mmに相当する画像のピクセル数を知り、フレーム撮影レート(通常1000フレーム/秒)を知ることによって測定する。
【0071】
図3は組成物1C〜5Cについての結果を示す。
【0072】
図4は組成物1C及び6Cについての結果を示す。
【0073】
図5は組成物3及び7Cについての結果を示す。
【0074】
図6は組成物3、4、5C、6C、及び8についての結果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】表面上の液滴、及び液滴衝突を表す特性を図示する。
【図2】液滴の収縮速度の決定方法を図示する。
【図3】例1C〜5Cの組成物についての試験結果を示す。
【図4】例1C及び6Cの組成物についての試験結果を示す。
【図5】例3及び7Cの組成物についての試験結果を示す。
【図6】例3、4、5C、6C及び8の組成物についての試験結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系噴霧媒体、活性成分、及び堆積制御剤を有する噴霧組成物であって、
該組成物が少なくとも1種の界面活性剤を含み、及び
該堆積制御剤が、
分子置換数が少なくとも0.6のヒドロキシプロピルグアー、
アルキルが炭素原子を少なくとも4個有し、分子置換数が少なくとも0.15のヒドロキシアルキルグアー、
カルボキシメチル基とヒドロキシアルキル基の両方を有し、分子置換数が少なくとも0.1のグアー、並びに
ヒドロキシアルキルトリメチルアンモニウム基、好ましくはヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム基、又はアルキルトリメチルアンモニウム基と、ヒドロキシアルキル基の両方を有するグアー
からなる群から選択される、噴霧組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤が、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、両性イオンの界面活性剤、又はこれらの混合物であって、前記組成物中のこれらの量が少なくとも0.01質量%である、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤の量が0.05〜2質量%である、請求項2に記載の噴霧組成物。
【請求項4】
前記堆積制御剤の重量平均分子量が50,000g/mol〜10,000,000g/molである、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項5】
堆積制御剤の量が0.001〜2質量%である、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項6】
収縮速度が200mm/秒より低い、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項7】
前記堆積制御剤が、分子置換数が少なくとも0.6、かつ前記堆積制御剤量が0.001〜2質量%であるヒドロキシプロピルグアー、又は
前記堆積制御剤が、分子置換数が少なくとも0.15で、0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.05質量%のヒドロキシブチルグアーである、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項8】
前記活性成分が、除草剤、殺虫剤(pesticide)、殺菌剤、殺虫剤(aphicide)、殺ダニ剤又は肥料である、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項9】
前記活性成分が、ニトリロオキシム類、イミダゾール類、トリアゾール類、スルフェンアミド類、ジチオ−カルバメート類、ストロビルリン類、クロロタロニル、銅塩、硫黄、フェニルアミド類及びフェニルアミド誘導体、並びに塩素化芳香化合物からなる群から選択される殺菌剤である、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項10】
前記活性成分が葉面肥料である、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項11】
前記組成物が、
さらなる別のドリフト制御剤、
消泡剤、
リーチング防止剤、
グリコール及びエチレングリコールのような、レオロジー改質剤、
保湿剤、
液状肥料、
浸透剤及び/又は展着剤、並びに
キレート及び水質調節剤
のうち1種以上をさらに含む、請求項10に記載の噴霧組成物。
【請求項12】
前記組成物が、
表面に堆積される被覆剤の少なくとも1つの成分が前記活性成分である、被覆剤組成物、
布地表面に堆積される少なくとも1つの成分が前記活性成分である、布地処理組成物、
硬い表面に適用される少なくとも1つの成分が前記活性成分である、硬い表面の洗浄組成物、
インク、カラー被覆剤、もしくは汚染被覆剤、又は
小型缶から散布されるエアロゾル噴霧剤
である、請求項1に記載の噴霧組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1つに記載の噴霧組成物を用意し、
前記組成物の液滴を、地上もしくは空中噴霧する、又は放出する
工程を含む、活性成分を含む組成物の堆積を制御する方法。
【請求項14】
噴霧がノズルを通して行われ、前記液滴の大きさが少なくとも50μmである、請求項13に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−505244(P2008−505244A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520400(P2007−520400)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/023501
【国際公開番号】WO2006/014348
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】