説明

塗工装置

【課題】本発明は、塗工装置に関する。
【解決手段】本発明は、シート状の基材11を搬送しながら塗料を塗工する塗工部20と、塗工後の基材を搬送しながら乾燥させる乾燥処理部30と、乾燥処理後の基材を搬送しながら冷却するクーリングロール40と、冷却後の基材の塗膜面と接触しながら基材を案内するガイドロール50と、前記クーリングロール40と前記ガイドロール50との間において基材の温度計測を行う温度計測部60と、前記温度計測部60の測定結果に基づいて前記乾燥処理部30の乾燥条件を制御する制御部80と、を備えたことを特徴とする塗工装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に有機溶剤系のインキを用いる塗工処理においては、にじみや異臭を防止するために製品塗膜中の残留溶剤値を規格値以下に確実に抑えるべく、所望量の溶剤を乾燥させて気化させることが要求される。当該乾燥処理においては、周囲温度の変動やインキ塗布量の誤差増減等の変化を許容できるように、必要量よりも過剰の乾燥熱を塗工後の塗膜に与えるのが一般的である。
【0003】
しかし、乾燥処理後の塗膜温度が高過ぎてしまうと、タック性が増大したり塗膜強度が低下して、塗膜面がガイドロールに接触する際に塗膜インキがガイドロールに付着してしまう(「インキトラレ」という現象が発生する)おそれが高くなる。
【0004】
乾燥処理後の塗膜温度を所望範囲に制御するために、乾燥後の塗膜を冷却するクーリングロールを設け、当該クーリングロールの冷却能力を制御するというクーリング方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、クーリングロールの冷却能力の制御のみでは、高温になってしまった塗膜を十分に冷却できる冷却能力(調整シロ)を確保することが困難であった。
【0005】
また、乾燥後の塗膜温度を計測して乾燥炉の乾燥能力を制御する装置も開示されている(特許文献2)。しかしながら、乾燥直後の塗膜温度を一定に制御しても、稼働時間が長くなるにつれてクーリングロールの温度が上昇して、クーリングロールの冷却能力が低下してしまって、冷却後の塗膜温度を所望範囲に保証することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公2926861号公報
【特許文献2】特公平2−23798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、塗膜温度を所望の範囲に保証できる塗工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、シート状の基材を搬送しながら塗料を塗工する塗工部と、塗工後の基材を搬送しながら乾燥させる乾燥処理部と、乾燥処理後の基材を搬送しながら冷却するクーリングロールと、冷却後の基材の塗膜面と接触しながら基材を案内するガイドロールと、前記クーリングロールと前記ガイドロールとの間において基材の温度計測を行う温度計測部と、前記温度計測部の測定結果に基づいて前記乾燥処理部の乾燥条件を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする塗工装置である。
【0009】
本発明によれば、塗膜温度を所望の範囲に保証することができるため、インキトラレの発生を確実に防止することができる。
【0010】
更に、前記温度計測部は、前記ガイドロールの近傍にあることが好ましい。この場合、前記ガイドロールと塗膜とが接触する直前の塗膜温度を計測できることにより、より確実に塗膜温度を所望の範囲に保証することができ、その結果、インキトラレの発生をより確実に防止することができる。
【0011】
好ましくは、前記制御部は、前記温度計測部の測定温度が所定温度より高い場合に前記乾燥処理部の乾燥温度を低下させるように構成される。
【0012】
また、好ましくは、前記乾燥処理部は、熱風式乾燥処理装置で構成されており、前記制御部は、前記温度計測部の測定温度が所定温度より高い場合に前記乾燥処理部の熱風の風速を減少させるように構成される。
【0013】
また、本発明は、シート状の基材を搬送しながら塗料を塗工する塗工部と、塗工後の基材を搬送しながら乾燥させる乾燥処理部と、乾燥処理後の基材を搬送しながら冷却するクーリングロールと、冷却後の基材の塗膜面と接触しながら基材を案内するガイドロールと、前記クーリングロールと前記ガイドロールとの間において基材の温度計測を行う温度計測部と、前記乾燥処理部と前記クーリングロールとの間において基材の温度計測を行う乾燥後温度計測部と、前記温度計測部の測定結果及び前記乾燥後温度計測部の測定結果に基づいて前記乾燥処理部の乾燥条件及び/または前記クーリングロールの冷却条件を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする塗工装置である。
【0014】
このような構成により、塗膜温度を所望の範囲に保証することができるため、インキトラレの発生を確実に防止することができる。更に、乾燥後の塗膜温度も十分に高く維持することができるため、にじみや異臭の原因となる製品塗膜中の残留溶剤を規格値以下により確実に抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、塗膜温度を所望の範囲に保証することができるため、インキトラレの発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態における塗工装置の概略図である。
【図2】図1の塗工装置における制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
【図3】塗膜温度と塗膜の剥離強度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における塗工装置の概略図である。
【図5】図4の塗工装置における制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態における塗工装置の制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態における塗工装置の概略図である。図1に示すように、塗工装置10は、シート状の基材11に塗料を塗工する塗工部20と、塗工後の基材11を乾燥させる乾燥処理部30と、乾燥処理後の基材11を冷却するクーリングロール40と、冷却後の基材11を案内するガイドロール50と、を備えている。更に、本装置は、本発明の特徴として、クーリングロール40とガイドロール50との間において基材の温度計測を行う温度計測部60と、温度計測部60の測定結果に基づいて乾燥処理部30を制御する制御部80と、を備えている。
【0019】
塗工装置10の全体の構成としては、グラビア輪転機等の印刷装置またはダイヘッドコート及びディップコート等のコーティング装置の構成が採用され得る。本実施の形態においては、グラビア輪転機の構成が採用されている。塗工対象のシート状の基材11は、ガラス基板、フィルム基板及び紙等を用いることができる。
【0020】
次に、塗工部20について説明する。塗工部20は、図1に示すように、インキ24を蓄えるインキパン23と、インキ24を基材11に転写する版胴21と、搬送される基材11を版胴21と共に狭持して送給する圧胴22と、により構成されている。インキ24は、グラビア輪転機等の印刷装置で一般に用いられている公知の水性インキまたは有機溶剤系インキである。
【0021】
次に、乾燥処理部30は、本実施の形態においては、乾燥炉内で送風ファンを用いて熱風を基材11に吹き付けることにより乾燥処理を行う熱風式乾燥炉として構成されている。もっとも、他の態様として、赤外線ヒータにより加熱乾燥処理を行う態様も採用され得る。
【0022】
クーリングロール40は、本実施の形態においては、金属製の中空ロールで構成されており、中空ロール内部の空洞に冷却水が循環されるようになっていて、ロール外面を介して、当該ロール外面上を案内される基材11を冷却するようになっている。
【0023】
次に、温度計測部60としては、接触式温度計でも非接触式温度計でも使用可能であるが、非接触式温度計の方が、塗料付着のおそれを考慮する必要がないため好ましい。詳細な計測対象については、基材11の塗膜12側の面が好ましいが、塗膜されていない側の面でもよい。塗膜されていない側の面を計測する場合であっても、基材11の厚みは十分に薄いため、塗膜されていない側の面の温度計測結果を塗膜温度Taとみなすことができる。また、温度計測部60は、ガイドロール50の近傍にあることが好ましい。この場合、ガイドロール50と塗膜12とが接触する直前の塗膜温度Taを計測できる。そのため、より確実に塗膜温度を所望の範囲に保証することができる。
【0024】
次に、ガイドロール50は、一般に金属製の円筒からなり、シート状の基材11に張力をかけながら、シート状の基材11を次工程へ案内するようになっている。ここで、図1に示すように、シート状の基材11の搬送経路上の要請に従って、ガイドロール50は、基材11の塗膜12と接触するようになっている。
【0025】
図3は、塗膜温度と塗膜の剥離強度との関係を示すグラフである。図3に示すように、
本実施の形態で用いたインキ24による塗膜12は、40℃より低い温度であれば十分な剥離強度を維持するが、40℃より高い温度になってしまうと剥離強度が大きく低下してしまう。つまり、塗膜温度Taが40℃(所定温度)より高いと、塗膜の剥離強度が大きく低下して、ガイドロール50と塗膜12との接触により塗膜の剥離(インキトラレ)が生じるおそれが高まる。
【0026】
制御部80は、温度計測部60からの入力に基づいて、乾燥処理部30を制御するように構成されている。具体的には、制御部80は、温度計測部60の測定温度が40℃以上の場合に、乾燥処理部30の熱風の風速を減少させるようになっている。
【0027】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0028】
図1に示すように、塗工部20に案内されたシート状の基材11は、版胴21と圧胴22とに狭持される。そして、更なる版胴21の回転により、版胴21の表面の凹部に保持されたインキ24が基材11上に転写される。これにより、塗膜12が形成されたシート状の基材11は、乾燥処理部30へ送給される。乾燥処理部30では、基材11が搬送されながら乾燥処理される。次に、乾燥処理後の基材11は、クーリングロール40によって搬送されながら冷却される。そして、冷却された基材11について、温度計測部60によって塗膜温度Taが計測される。そして、計測された塗膜温度Taに基づいて、制御部80は、乾燥処理部30の乾燥条件を制御する。一方、計測された基材11は、ガイドロール50によって張力をかけられながら、次工程へ案内される。ここで、図1に示すように、シート状の基材11の搬送経路上の要請に従って、ガイドロール50は、基材11の塗膜12と接触するようになっている。
【0029】
図2を参照して、制御部80による乾燥条件の制御について詳細に説明する。図2は、図1の塗工装置における制御部の作用(乾燥条件の制御)を説明するためのフローチャートである。図2に示すように、制御部80において、先ず、計測された塗膜温度Taと剥離限界温度Thとの比較が行われる。ここで、図3に示すように、本実施の形態で用いたインキ24による塗膜12は、40℃より低い温度であれば十分な剥離強度を維持するが、40℃より高い温度になってしまうと剥離強度が大きく低下してしまう。つまり、塗膜温度Taが40℃より高いと、塗膜の剥離強度が大きく低下して、ガイドロール50と塗膜12との接触により塗膜の剥離(インキトラレ)が生じるおそれが高まる。すなわち、剥離限界温度Thは、本実施の形態では、40℃である。
【0030】
Ta<Thの場合は、特に乾燥処理部30の追加制御は行われず、次の塗膜温度Taの計測のために待機する。Ta≧Thの場合に、制御部80は、乾燥処理部30の乾燥能力を低下させる追加制御を行う。具体的には、乾燥処理部30の乾燥温度を低下させるか、または、熱風の風速を減少させる。そして、このような制御が行われた後、次の塗膜温度Taの計測のために待機する。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、塗膜温度を所望の範囲に保証することができるため、インキトラレの発生を確実に防止することができる。特に、製品塗膜中の残留溶剤が規格値を超えてしまうと異臭を生じ易い有機溶剤系インキを用いる場合に、本発明の効果が顕著に現われる。
【0032】
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態における塗工装置の概略図である。図4において、塗工装置10’は、乾燥処理部30とクーリングロール40との間において基材の温度計測を行う乾燥後温度計測部70を備えていて、制御部80’が温度計測部60の測定結果及び乾燥後温度計測部70の測定結果に基づいて乾燥処理部30の乾燥条件及び/またはクーリングロール40の冷却条件を制御するようになっている、点が異なるのみで、その他の構成は、第1の実施形態と略同様である。また、図4において、図1に示す第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0033】
乾燥後温度計測部70の態様としては、接触式温度計でも非接触式温度計でも使用可能であるが、非接触式温度計の方が、塗料付着のおそれを考慮する必要がないため好ましい。詳細な計測対象については、基材11の塗膜12側の面が好ましいが、塗膜されていない側の面でもよい。塗膜されていない側の面を計測する場合であっても、基材11の厚みは十分に薄いため、塗膜されていない側の面の温度計測結果を乾燥後塗膜温度Tbとみなすことができる。
【0034】
制御部80’は、温度計測部60からの入力と乾燥後温度計測部70からの入力とに基づいて、乾燥処理部30及び/またはクーリングロール40を制御するように構成されている。
【0035】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0036】
乾燥処理後の基材11について、クーリングロール40に案内される前に乾燥後温度計測部70によって乾燥後塗膜温度Tbが計測される。そして、計測された塗膜温度Ta及び乾燥後塗膜温度Tbに基づいて、制御部80’は、乾燥処理部30の乾燥条件及び/またはクーリングロール40の冷却条件を制御する。その他の装置全体における作用については、第1の実施形態と略同様である。
【0037】
図5を参照して、本実施の形態における制御部80’の乾燥条件及び冷却条件の制御について詳細に説明する。図5は、図4の塗工装置における制御部の作用を説明するためのフローチャートである。図5に示すように、制御部80’において、先ず、計測された乾燥後塗膜温度Tbと乾燥限界温度Tlとの比較が行われる。ここで、乾燥限界温度Tlとは、製品の残留溶剤量を許容値以下に抑える乾燥処理後の塗膜温度の下限値をいう。
【0038】
次に、Tb<Tlの場合は、制御部80’は、乾燥処理部30の乾燥能力を向上させる追加制御を行う。具体的には、乾燥処理部30の乾燥温度を上昇させるか、または、熱風の風速を増大させる。そして、このような制御が行われた後、次の乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。
【0039】
Tb>Tlの場合は、制御部80’は、乾燥処理部30の乾燥能力を低下させる追加制御を行う。具体的には、乾燥処理部30の乾燥温度を低下させるか、または、熱風の風速を減少させる。そして、このような制御が行われた後、次の乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。
【0040】
Tb=Tlの場合は、塗膜温度Taと剥離限界温度Thとの比較が行われる。Ta=Thの場合は、特に乾燥処理部30またはクーリングロール40の追加制御は行われず、次の乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。Ta<Thの場合に、制御部80’は、クーリングロール40の冷却能力を低下させる追加制御を行う。具体的には、クーリングロール40内を流れる冷却水の流速を遅くさせる。そして、このような制御が行われた後、次の塗膜温度Taの計測のために待機する。Ta>Thの場合に、制御部80’は、クーリングロール40の冷却能力を向上させる追加制御を行う。例えば、クーリングロール40内を流れる冷却水の流速を速くさせる。そして、このような制御が行われた後、次の塗膜温度Taの計測のために待機する。
【0041】
以上のように、本実施の形態によれば、塗膜温度を所望の範囲に保証することができるため、インキトラレの発生を確実に防止することができる。更に、乾燥後の塗膜温度も十分に高く維持することができるため、にじみや異臭の原因となる製品塗膜中の残留溶剤を規格値以下により確実に抑えることができる。
【0042】
更に、本発明の第3の実施の形態について説明する。塗工装置10”は、制御部80”が温度計測部60の測定結果及び乾燥後温度計測部70の測定結果に基づいて乾燥処理部30の乾燥条件及び/またはクーリングロールの冷却条件を制御する構成が異なるのみで、その他の構成は、第2の実施形態と略同様である。そのため、装置の構成の説明及び装置全体の作用の説明は、第2の実施の形態と略同様のため省略する。
【0043】
図6を参照して、本実施の形態における制御部80”の乾燥条件及び冷却条件の制御について詳細に説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態における塗工装置の制御部の作用を説明するためのフローチャートである。図6に示すように、制御部80”において、先ず、計測された塗膜温度Taと剥離限界温度Thとの比較及び計測された乾燥後塗膜温度Tbと乾燥限界温度Tlとの比較が行われる。
【0044】
次に、Tb<Tlの場合は、制御部80”は、乾燥処理部30の乾燥能力を向上させる追加制御を行う。そして、このような制御が行われた後、次の塗膜温度Ta及び乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。
【0045】
Tb=Tlの場合は、塗膜温度Taと剥離限界温度Thとの比較結果が参照される。Ta<Thの場合は、制御部80”は、クーリングロール40の冷却能力を低下させる追加制御を行う。このような制御が行われた後、次の塗膜温度Ta及び乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。Ta=Thの場合は、特に乾燥処理部30またはクーリングロール40の追加制御は行われず、次の塗膜温度Ta及び乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。Ta>Thの場合は、制御部80”は、クーリングロール40の冷却能力を向上させる追加制御を行う。このような制御が行われた後、次の塗膜温度Ta及び乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。
【0046】
Tb>Tlの場合は、塗膜温度Taと剥離限界温度Thとの比較結果が参照される。Ta<Thの場合は、制御部80”は、クーリングロール40の冷却能力を低下させる追加制御を行う。このような制御が行われた後、次の塗膜温度Ta及び乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。Ta≧Thの場合は、制御部80”は、乾燥処理部30の乾燥能力を低下させる追加制御を行う。このような制御が行われた後、次の塗膜温度Ta及び乾燥後塗膜温度Tbの計測のために待機する。なお、クーリングロール40の冷却能力を向上させる追加制御を行ってもよい。
【0047】
以上のように、本実施の形態によれば、塗膜温度を所望の範囲に保証することができるため、インキトラレの発生を確実に防止することができる。更に、乾燥後の塗膜温度も十分に高く維持することができるため、にじみや異臭の原因となる製品塗膜中の残留溶剤を規格値以下により確実に抑えることができる。
【符号の説明】
【0048】
10、10’、10” 塗工装置
11 シート状の基材
12 塗膜
20 塗工部
21 版胴
22 圧胴
23 インキパン
24 インキ
30 乾燥処理部
40 クーリングロール
50 ガイドロール
60 温度計測部
70 乾燥後温度計測部
80、80’、80” 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の基材を搬送しながら塗料を塗工する塗工部と、
塗工後の基材を搬送しながら乾燥させる乾燥処理部と、
乾燥処理後の基材を搬送しながら冷却するクーリングロールと、
冷却後の基材の塗膜面と接触しながら基材を案内するガイドロールと、
前記クーリングロールと前記ガイドロールとの間において基材の温度計測を行う温度計測部と、
前記温度計測部の測定結果に基づいて前記乾燥処理部の乾燥条件を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする塗工装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記温度計測部の測定温度が所定温度より高い場合に前記乾燥処理部の乾燥温度を低下させるようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項3】
前記乾燥処理部は、熱風式乾燥処理装置で構成されており、
前記制御部は、前記温度計測部の測定温度が所定温度より高い場合に前記乾燥処理部の熱風の風速を減少させるようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項4】
シート状の基材を搬送しながら塗料を塗工する塗工部と、
塗工後の基材を搬送しながら乾燥させる乾燥処理部と、
乾燥処理後の基材を搬送しながら冷却するクーリングロールと、
冷却後の基材の塗膜面と接触しながら基材を案内するガイドロールと、
前記クーリングロールと前記ガイドロールとの間において基材の温度計測を行う温度計測部と、
前記乾燥処理部と前記クーリングロールとの間において基材の温度計測を行う乾燥後温度計測部と、
前記温度計測部の測定結果及び前記乾燥後温度計測部の測定結果に基づいて前記乾燥処理部の乾燥条件及び/または前記クーリングロールの冷却条件を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする塗工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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