説明

塗布ヘッドの組立装置及び装着方法

【課題】容易かつ迅速に塗布ヘッドの部品を組立台等に移載可能であり、しかも組み立てられた塗布ヘッドを容易かつ迅速に液体塗布装置に装着可能である塗布ヘッドの組立装置を提供する。
【解決手段】塗布ヘッドの組立装置であって、塗布ヘッド等の吊上げ用のクレーン2と、一方の塗布ヘッド片が載置される組立台70と、他方の塗布ヘッド片が載置される載置台54とを備え、組立台70は、一方の塗布ヘッド片を載置する際の第1ポジションと、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置に搬出する際の第2ポジションとに回動可能であり、塗布ヘッド組み立て後、組立台70を第2ポジションに回動させると、組立台70上の塗布ヘッドが液体塗布装置への装着に適した向きにむけられ、その状態でクレーン2で吊上げて装着可能である塗布ヘッドの組立装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、半導体基板や液晶基板等の塗布対象物に塗布液等の液体を塗布するスロット型の液体塗布装置で用いられる塗布ヘッドの組み立て、メンテナンス又は交換などで用いられる塗布ヘッドの組立装置、組立方法及び装着方法に関し、特に大型の塗布ヘッドの組立装置及び装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板や液晶基板等の塗布対象物、特に角形形状の塗布対象物にレジスト等の塗布液を塗布する場合に用いられる装置として、スロット型の液体塗布装置(スロットコータ)がある。この型式の液体塗布装置は、スピンコータと比較すると、塗布液の消費量が少なく、低コストであるといった利点を有している。
【0003】
近年、液晶やフラットパネル業界では基板サイズが大型化しており、基板サイズが大型化するにつれて、基板等への塗布液の塗布に用いられる塗布ヘッドも大型化している。塗布ヘッドが小型である場合は、数名の作業者によって塗布ヘッドを抱えて移動させることで、塗布ヘッドの組み立てや交換を行っていたが、塗布ヘッドが大型化するにつれて、作業者による組み立てや交換が容易でなくなってきている。このようなことから、塗布ヘッドの交換の際に用いられる塗布用ダイ移動装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、新品の塗布ヘッドは、通常、分解された部品の状態で納品されるので、納品後、塗布ヘッドの組み立て作業が必要になる。塗布ヘッドは、より具体的には、2つの塗布ヘッドブロックを組み付けることによって組み立てられるものであり、一般的には、両ブロックの間に薄いシムを挟むことでスリットノズル用の隙間を形成する構造になっている。したがって、シムを交換してスリットノズルの幅を変更する場合は、塗布ヘッドの分解及び組み立てを行う必要がある。また、不具合対策で塗布ヘッドの内部を清掃するために、塗布ヘッドの分解及び組立を行うことがある。このように、塗布ヘッドの使用においては、塗布ヘッドの組み立てや分解作業が必須になることから、塗布ヘッドの組立や分解の際に用いられるダイコートの組立装置が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−138082号公報
【特許文献2】特開平2004−33882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、背景技術として説明した前者の塗布用ダイ移動装置は、塗布ヘッドの着脱や移動のための装置である。したがって、新品の塗布ヘッドを装着する場合は、予め、上述したような組立装置等を用いて、どこか別の場所で塗布ヘッドを組み立てる必要があるが、具体的な組立方法は開示されていない。
【0006】
また、後者のダイコートの組立装置は、上述したように、塗布ヘッドの組み立てに用いる装置である。この組立装置は、平面精度の高い定盤を備えており、当該定盤の上で、高い組立精度で塗布ヘッドの組付けを行うことができるものであるが、組み立てる部品の搬入方法や組み立てた塗布ヘッド(ダイコータ)の搬出方法などは具体的に開示されていない。
【0007】
組み立てられた塗布ヘッドは、組み立て前の各部品に比べて重いものであり、しかも持ち易い形状ではないので、搬入出作業や向きを変える作業の作業性はきわめて悪い。特に、大型の塗布ヘッドは非常に重いものであり、塗布ヘッドの向きを変える作業は極めて困難なものになる。
【0008】
したがって、塗布ヘッドの組立装置や装着装置では、塗布ヘッドを構成する部品や塗布ヘッドの移載、向きの変更、搬入出等の作業をいかに正確かつ容易に行うことができるかが極めて重要である。ところが、従来の組立装置や移動装置では、上述したようにこれらの作業について具体的な開示がない。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、少なくとも、正確かつ容易に塗布ヘッドを組み立てて液体塗布装置に装着することができる組立装置及び組立方法を提供することを課題としており、さらに、別途の移載設備を用いることなく迅速かつ容易に、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置に装着することができる塗布ヘッドの組立装置及び組立方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような課題は、本願の各請求項に記載された次のような発明により解決される。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、一対の塗布ヘッド片を組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着された状態で塗布対象物に塗布する液体を吐出する塗布ヘッドの組立装置であって、塗布ヘッド又は塗布ヘッド片の吊り上げ移動に用いられる吊り上げ機と、一方の塗布ヘッド片又は塗布ヘッドが載置される組立台と、他方の塗布ヘッド片が載置される載置台と、を備えており、組立台は、一方の塗布ヘッド片が載置される際の第1ポジションと、組立台上で組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置に対して搬入出する際の第2ポジションとに回動可能になっており、載置台に載置された他方の塗布ヘッド片を、吊り上げ機によって吊り上げて、第1ポジションの組立台に載置された一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより、塗布ヘッドを組み立てることができるとともに、第2ポジションに回動された状態の組立台に載置された塗布ヘッドを吊り上げ機によって吊り上げて液体塗布装置に搬入し装着することができることを特徴とする塗布ヘッドの組立装置である。
【0011】
請求項1に記載された発明の塗布ヘッドの組立装置は、前記のように構成されており、組立台は第1ポジションと第2ポジションとに回動可能になっているので、一方の塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置に搬入するときは、組立台を第1ポジションに回動させておくことで、一方の塗布ヘッド片を組立台の上に適切な状態で載置させることができ、組立台上で塗布ヘッドを組み立てた後、塗布ヘッドを液体塗布装置に装着するときは、組立台を第2ポジションに回動させることで、塗布ヘッドを液体塗布装置への装着に適して向きに向けることができる。このように、本発明によれば、塗布ヘッドの組立完了後、組立台を第1ポジションから第2ポジションに回動させることで、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着に適した状態にすることができ、正確、容易かつ迅速に、組み立てられた塗布ヘッドを搬出に適した状態にして液体塗布装置に装着することができる。また、本発明の塗布ヘッドの組立装置によれば、塗布ヘッドの組み立てや分解、液体塗布装置への装着・取り外しを、別途の設備を用いることなく、本発明の塗布ヘッドの組立装置だけで行うことができる。つまり、塗布ヘッドの組み立てから液体塗布装置との間の搬入出までの一連の作業を、本発明の塗布ヘッドの組立装置だけで行うことができるので、極めて効率よく一連の作業を行うことができる。
【0012】
また、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置に搬入する作業は、吊り上げ機で吊り上げて移動させる作業や組立台を回動させる作業だけであり、塗布ヘッドを人手で抱えたり別途の装置を用いて移動させたりする必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0013】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の塗布ヘッドの組立装置であって、組立台の第2ポジションは、当該組立台に載置された塗布ヘッドを、液体塗布装置への装着の向きに向けるポジションであり、組み立てられた塗布ヘッドが載置された組立台を前記第2ポジションに回動させることにより、当該組立台に載置された塗布ヘッドを装着の向きに向けることができ、当該装着の向きに向けられた状態の塗布ヘッドを吊り上げ機によって吊り上げて液体塗布装置に搬入し装着することができることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載された発明は、前記のように構成されており、組立台を第2ポジションに回動させると、組立台に載置された塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向けることができるので、その後、この状態の塗布ヘッドを吊り上げ機で吊上げて液体塗布装置に搬入することにより、正確、容易かつ迅速に、塗布ヘッドを液体塗布装置に装着することができる。
【0015】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は請求項2に記載の塗布ヘッドの組立装置であって、載置台は、その両端位置に着脱自在に設置される支持ブロックと、当該支持ブロックの上面に設けられた軸受部によって回転可能な状態で支持可能な回転軸部を有する回転ブラケットとを備えており、当該回転ブラケットは、他方の塗布ヘッド片の両端に着脱自在に取り付け可能であり、載置台に載置された他方の塗布ヘッド片の両端に回転ブラケットを取り付けて当該回転ブラケットを吊り上げ機で吊り上げることによって他方の塗布ヘッド片を吊り上げることができ、他方の塗布ヘッド片を吊り上げた状態で載置台の両端位置に設置した支持ブロックの軸受部によって他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた回転ブラケットの回転軸部を回転可能な状態で支持することができるとともに、他方の塗布ヘッド片を回転させることによって、当該他方の塗布ヘッド片の向きを、組立台に載置された一方の塗布ヘッド片への組付けの向きに向けることができ、当該向きに回転された他方の塗布ヘッド片を、吊り上げ機によって吊り上げて、第1ポジションに回動された組立台上の前記一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより塗布ヘッドを組み立てることができることを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載された発明は、前記のように構成されており、載置台の上に他方の塗布ヘッド片を載置した後、当該他方の塗布ヘッド片を容易に回転させることができるので、容易かつ迅速に他方の塗布ヘッド片の向きを一方の塗布ヘッド片への組み付けに適した向きに変えることができる。したがって、容易かつ迅速に、塗布ヘッドを組み立てて液体塗布装置に装着することができる。また、載置台に載置する前に、予め、人手や別途の設備を用いて他方の塗布ヘッドの向きを変えておく必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0017】
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の塗布ヘッドの組立装置であって、吊り下げ機が設置された搬送ユニットと、載置台及び組立台が設置された組立ユニットとを備え、搬送ユニットと組立ユニットは、相互に近接離間可能な状態で組み合わされており、搬送ユニットと組立ユニットのうち、少なくとも前記搬送ユニットは、床面上の移動を可能にする移動手段を備えていることを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載された発明は、前記のように構成されており、吊り上げ機が設置された搬送ユニットと、載置台及び組立台が設置された組立ユニットとが近接離間可能な状態で組み合わされたものであるので、相互の位置関係を、作業し易い位置関係に自由に設定し、変更することができ、塗布ヘッドの組み立てや分解、液体塗布装との間の着脱など、一連の作業の作業性が向上する。また、搬送ユニットが床面上を移動可能であるので、塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置のところに搬送するのではなく、搬送ユニットを塗布ヘッド片のところまで移動させて、当該塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置に搬入することができる。このように、組み付け部品である塗布ヘッド片の移動作業を最小限に抑制することができるので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0019】
請求項5に記載された発明は、一対の塗布ヘッド片を互いの当接面を重ね合わせた状態で組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着されて用いられる塗布ヘッドの組立方法であって、一方の塗布ヘッド片を、当接面を水平かつ上側に向けた状態にし、他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けた状態で、一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせて両塗布ヘッド片を組み付け、これにより塗布ヘッドを組み立て、組み立てられた当該塗布ヘッドを、液体塗布装置への装着の向きに向けた後、当該装着の向きの状態で液体塗布装置に搬入して装着することを特徴としている。
【0020】
請求項5に記載された発明は、前記のように構成されており、当接面が水平かつ上側に向けられた状態の一方の塗布ヘッド片の上に、当接面が下側に向けられた状態の他方の塗布ヘッド片を重ね合わせることにより組み付けて、塗布ヘッドを組み立てるので、正確、容易かつ迅速に組み付け作業を行うことができる。
【0021】
請求項6に記載された発明は、一対の塗布ヘッド片を互いの当接面を重ね合わせた状態で組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着されて用いられる塗布ヘッドの組立方法であって、一方の塗布ヘッド片を、吊り上げ機によって吊り上げて、当接面を水平かつ上側に向けた状態で組立台の上に載置し、他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けた状態で、吊り上げ機によって吊り上げて、組立台の上の一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより両塗布ヘッド片を組み付け、これにより塗布ヘッドを組み立て、組み立てられた当該塗布ヘッドを、液体塗布装置への装着の向きに向けた後、当該装着の向きの状態で吊り上げ機によって吊り上げて、液体塗布装置に搬入し装着することを特徴としている。
【0022】
請求項6に記載された発明は、前記のように構成されており、塗布ヘッド片や塗布ヘッドを吊り上げ機によって吊り上げて組立てを行うことができ、液体塗布装置への搬入、装着をすることができるので、正確、容易かつ迅速に装着作業を行うことができる。また、予め、人手や別途の設備を用いて他方の塗布ヘッドの向きを変えておく必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立方法として好適であるということができる。
【0023】
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載の塗布ヘッドの装着方法であって、組立台は、一方の塗布ヘッド片が載置される際の第1ポジションと、組立台上で組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向ける第2ポジションとに回動可能になっており、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向ける工程は、組立台を前記第2ポジションに回動させることによって行われることを特徴としている。
【0024】
請求項7に記載された発明は、前記のように構成されており、組立台を回動させることによって、組立台の上で組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向けることができるので、その後、この状態の塗布ヘッドを吊り上げ機で吊上げて液体塗布装置に搬入することにより、正確、容易かつ迅速に、塗布ヘッドを液体塗布装置に装着することができる。
【0025】
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載の塗布ヘッドの装着方法であって、装着の向きは、塗布ヘッドの液体の吐出口が下側に位置し、かつ、相互に重ね合わせられた当接面が垂直になる向きであることを特徴としている。
【0026】
請求項8に記載された発明は、前記のように構成されており、塗布ヘッドは、液体の吐出口が下側に位置し、かつ、相互に重ね合わせられた当接面が垂直になる向きに向けられるところ、この向きは、下方に向けて液体を吐出する液体塗布装置の塗布ヘッドの向きである。したがって、このような液体塗布装置に塗布ヘッドを装着する場合、上記向きに向けられた塗布ヘッドを、その向きのまま、吊り上げ機で吊り上げて、正確、容易かつ迅速に液体塗布装置に搬入し装着することができる。
【0027】
請求項9に記載された発明は、請求項7又は請求項8に記載の塗布ヘッドの装着方法であって、他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けられた状態で吊り上げ機によって吊り上げる工程は、他方の塗布ヘッド片の両端に着脱自在に取り付け可能な回転ブラケットと、当該回転ブラケットを回転可能な状態で支持可能な支持ブロックとを用いる工程であり、当接面を水平かつ上側に向けた状態で載置台の上に載置された他方の塗布ヘッド片の両端に回転ブラケットを取り付け、当該他方の塗布ヘッド片を吊り上げ機によって吊り上げた後、載置台の両端位置に支持ブロックを設置し、他方の塗布ヘッド片を降ろして、当該他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた回転ブラケットを支持ブロックで支持し、その後、他方の塗布ヘッド片を、回転させてその当接面を下側に向けて、吊り上げ機によって吊り上げることにより行われるものであることを特徴としている。
【0028】
請求項9に記載された発明は、前記のように構成されており、他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた回転ブラケットを支持ブロックで支持させることで、他方の塗布ヘッド片を回転させることができるようになっているので、容易かつ迅速に他方の塗布ヘッド片の当接面を下側に向けて、吊り上げ機によって吊り上げることができる。
【発明の効果】
【0029】
前記のとおり、本願の発明の塗布ヘッドの組立装置によれば、組立台は第1ポジションと第2ポジションとに回動可能になっているので、一方の塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置に搬入するときは、組立台を第1ポジションに回動させておくことで、一方の塗布ヘッド片を組立台の上に適切な状態で載置させることができ、組立台上で塗布ヘッドを組み立てた後、塗布ヘッドを液体塗布装置に装着するときは、組立台を第2ポジションに回動させることで、塗布ヘッドを液体塗布装置への装着に適して向きに向けることができる。このように、本発明によれば、塗布ヘッドの組立完了後、組立台を第1ポジションから第2ポジションに回動させることで、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着に適した状態にすることができ、正確、容易かつ迅速に、組み立てられた塗布ヘッドを搬出に適した状態にして液体塗布装置に装着することができる。また、本発明の塗布ヘッドの組立装置によれば、塗布ヘッドの組み立てや分解、液体塗布装置への装着・取り外しを、別途の設備を用いることなく、本発明の塗布ヘッドの組立装置だけで行うことができる。つまり、塗布ヘッドの組み立てから液体塗布装置との間の搬入出までの一連の作業を、本発明の塗布ヘッドの組立装置だけで行うことができるので、極めて効率よく一連の作業を行うことができる。
【0030】
そして、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置に搬入する作業は、吊り上げ機で吊り上げて移動させる作業や組立台を回動させる作業だけであり、塗布ヘッドを人手で抱えたり別途の装置を用いて移動させたりする必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0031】
また、組立台を第2ポジションに回動させると、組立台に載置された塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向けることができるので、その後、この状態の塗布ヘッドを吊り上げ機で吊上げて液体塗布装置に搬入することにより、正確、容易かつ迅速に、塗布ヘッドを液体塗布装置に装着することができる。
【0032】
また、載置台の上に他方の塗布ヘッド片を載置した後、当該他方の塗布ヘッド片を容易に回転させることができるので、容易かつ迅速に他方の塗布ヘッド片の向きを一方の塗布ヘッド片への組み付けに適した向きに変えることができる。したがって、容易かつ迅速に、塗布ヘッドを組み立てて液体塗布装置に装着することができる。また、載置台に載置する前に、予め、人手や別途の設備を用いて他方の塗布ヘッドの向きを変えておく必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0033】
また、吊り上げ機が設置された搬送ユニットと、載置台及び組立台が設置された組立ユニットとが近接離間可能な状態で組み合わされたものであるので、相互の位置関係を、作業し易い位置関係に自由に設定し、変更することができ、塗布ヘッドの組み立てや分解、液体塗布装との間の着脱など、一連の作業の作業性が向上する。また、搬送ユニットが床面上を移動可能であるので、塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置のところに搬送するのではなく、搬送ユニットを塗布ヘッド片のところまで移動させて、当該塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置に搬入することができる。このように、組み付け部品である塗布ヘッド片の移動作業を最小限に抑制することができるので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0034】
また、前記のとおり、本願の発明の塗布ヘッドの装着方法によれば、当接面が水平かつ上側に向けられた状態の一方の塗布ヘッド片の上に、当接面が下側に向けられた状態の他方の塗布ヘッド片を重ね合わせることにより組み付けて、塗布ヘッドを組み立てるので、正確、容易かつ迅速に組み付け作業を行うことができる。
【0035】
そして、塗布ヘッド片や塗布ヘッドを吊り上げ機によって吊り上げて組立てを行うことができ、液体塗布装置への搬入、装着をすることができるので、正確、容易かつ迅速に装着作業を行うことができる。また、予め、人手や別途の設備を用いて他方の塗布ヘッドの向きを変えておく必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立方法として好適であるということができる。
【0036】
また、組立台を回動させることによって、組立台の上で組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向けることができるので、その後、この状態の塗布ヘッドを吊り上げ機で吊上げて液体塗布装置に搬入することにより、正確、容易かつ迅速に、塗布ヘッドを液体塗布装置に装着することができる。
【0037】
また、塗布ヘッドは、液体の吐出口が下側に位置し、かつ、相互に重ね合わせられた当接面が垂直になる向きに向けられるところ、この向きは、下方に向けて液体を吐出する液体塗布装置の塗布ヘッドの向きである。したがって、このような液体塗布装置に塗布ヘッドを装着する場合、上記向きに向けられた塗布ヘッドを、その向きのまま、吊り上げ機で吊り上げて、正確、容易かつ迅速に液体塗布装置に搬入し装着することができる。
【0038】
また、他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた回転ブラケットを支持ブロックで支持させることで、他方の塗布ヘッド片を回転させることができるようになっているので、容易かつ迅速に他方の塗布ヘッド片の当接面を下側に向けて、吊り上げ機によって吊り上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
一対の塗布ヘッド片を組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着された状態で塗布対象物に塗布する液体を吐出する塗布ヘッドの組立装置であって、塗布ヘッド又は塗布ヘッド片の吊り上げ移動に用いられる吊り上げ機と、一方の塗布ヘッド片又は塗布ヘッドが載置される組立台と、他方の塗布ヘッド片が載置される載置台と、を備えており、組立台は、一方の塗布ヘッド片が載置される際の第1ポジションと、組立台上で組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置に対して搬入出する際の第2ポジションとに回動可能になっており、載置台に載置された他方の塗布ヘッド片を、吊り上げ機によって吊り上げて、第1ポジションの組立台に載置された一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより、塗布ヘッドを組み立てることができるとともに、第2ポジションに回動された状態の組立台に載置された塗布ヘッドを吊り上げ機によって吊り上げて液体塗布装置に搬入し装着することができるものとする。
【0040】
また、組立台の第2ポジションは、当該組立台に載置された塗布ヘッドを、液体塗布装置への装着の向きに向けるポジションであり、組み立てられた塗布ヘッドが載置された組立台を前記第2ポジションに回動させることにより、当該組立台に載置された塗布ヘッドを装着の向きに向けることができ、当該装着の向きに向けられた状態の塗布ヘッドを吊り上げ機によって吊り上げて液体塗布装置に搬入し装着することができるものとする。
【0041】
また、載置台は、その両端位置に着脱自在に設置される支持ブロックと、当該支持ブロックの上面に設けられた軸受部によって回転可能な状態で支持可能な回転軸部を有する回転ブラケットとを備えており、当該回転ブラケットは、他方の塗布ヘッド片の両端に着脱自在に取り付け可能であり、載置台に載置された他方の塗布ヘッド片の両端に回転ブラケットを取り付けて当該回転ブラケットを吊り上げ機で吊り上げることによって他方の塗布ヘッド片を吊り上げることができ、他方の塗布ヘッド片を吊り上げた状態で載置台の両端位置に設置した支持ブロックの軸受部によって他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた回転ブラケットの回転軸部を回転可能な状態で支持することができるとともに、他方の塗布ヘッド片を回転させることによって、当該他方の塗布ヘッド片の向きを、組立台に載置された一方の塗布ヘッド片への組付けの向きに向けることができ、当該向きに回転された他方の塗布ヘッド片を、吊り上げ機によって吊り上げて、第1ポジションに回動された組立台上の前記一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより塗布ヘッドを組み立てることができるものとする。
【0042】
さらに、吊り下げ機が設置された搬送ユニットと、載置台及び組立台が設置された組立ユニットとを備え、搬送ユニットと組立ユニットは、相互に近接離間可能な状態で組み合わされており、搬送ユニットと組立ユニットのうち、少なくとも前記搬送ユニットは、床面上の移動を可能にする移動手段を備えているものとする。
【0043】
また、一対の塗布ヘッド片を互いの当接面を重ね合わせた状態で組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着されて用いられる塗布ヘッドの組立方法であって、一方の塗布ヘッド片を、当接面を水平かつ上側に向けた状態にし、他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けた状態で、一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせて両塗布ヘッド片を組み付け、これにより塗布ヘッドを組み立て、組み立てられた当該塗布ヘッドを、液体塗布装置への装着の向きに向けた後、当該装着の向きの状態で液体塗布装置に搬入して装着するものとする。
【0044】
また、一対の塗布ヘッド片を互いの当接面を重ね合わせた状態で組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着されて用いられる塗布ヘッドの組立方法であって、一方の塗布ヘッド片を、吊り上げ機によって吊り上げて、当接面を水平かつ上側に向けた状態で組立台の上に載置し、他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けた状態で、吊り上げ機によって吊り上げて、組立台の上の一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより両塗布ヘッド片を組み付け、これにより塗布ヘッドを組み立て、組み立てられた当該塗布ヘッドを、液体塗布装置への装着の向きに向けた後、当該装着の向きの状態で吊り上げ機によって吊り上げて、液体塗布装置に搬入し装着するものとする。
【0045】
そして、組立台は、一方の塗布ヘッド片が載置される際の第1ポジションと、組立台上で組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向ける第2ポジションとに回動可能になっており、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着の向きに向ける工程は、組立台を前記第2ポジションに回動させることによって行われるものとする。
【0046】
さらに、装着の向きは、塗布ヘッドの液体の吐出口が下側に位置し、かつ、相互に重ね合わせられた当接面が垂直になる向きであるものとする。
【0047】
また、他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けられた状態で吊り上げ機によって吊り上げる工程は、他方の塗布ヘッド片の両端に着脱自在に取り付け可能な回転ブラケットと、当該回転ブラケットを回転可能な状態で支持可能な支持ブロックとを用いる工程であり、当接面を水平かつ上側に向けた状態で載置台の上に載置された他方の塗布ヘッド片の両端に回転ブラケットを取り付け、当該他方の塗布ヘッド片を吊り上げ機によって吊り上げた後、載置台の両端位置に支持ブロックを設置し、他方の塗布ヘッド片を降ろして、当該他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた回転ブラケットを支持ブロックで支持し、その後、他方の塗布ヘッド片を、回転させてその当接面を下側に向けて、吊り上げ機によって吊り上げることにより行われるものとする。
【実施例】
【0048】
以下、本願発明に係る塗布ヘッドの組立装置および装着方法の好適な実施例を、図面を用いて詳細に説明する。そして、当該説明の前に、まず、組み立ての対象である塗布ヘッド及び当該塗布ヘッドが装着される液体塗布装置について簡単に説明する。
【0049】
液体塗布装置は、半導体基板や液晶基板等の塗布対象物の表面に均一な膜厚でレジストやクロム塗布液等の液体を塗布するために使用される。
【0050】
図28に示されるように、液体塗布装置101は、基台102と、基台102上の中央部に設置されたテーブル103とを備えており、該テーブル103の上面に塗布対象物である基板104が載置される。基台102の両側縁には、直角に起立した側壁102a,102bがそれぞれ形成されており、これらの側壁102a,102bの上面にレール105a,105bが敷設されている。そして、レール105a,105b上には、塗布機構部110が走行可能な状態で設置されており、塗布機構部110に、下端にノズル部を備える塗布ヘッド120が昇降自在に備えられている。したがって、塗布機構部110を走行させつつ、塗布ヘッド120の下端ノズル部から塗布液を吐出させると、吐出された塗布液が、基板104表面の塗布始端部から終端部に至るまで、満遍なく一様な膜厚で塗布されるようになっている。
【0051】
塗布ヘッド120は、液体塗布装置101に対して着脱自在であり、図29に図示されるように、分割された2つの塗布ヘッド片121,122と、両塗布ヘッド片121,122の間に挟まれた状態で組み込まれるシム123とからなるものである。2つの塗布ヘッド片121,122は、それぞれ細長い直方体形状の金属(ステンレス)製ブロックからなり、相互に重ね合わされる当接面121b,122b(図27、図29参照)の下端部に、鋭角状に突出する歯先部121a,122aが形成されている。
【0052】
シム123は、コの字形状に打ち抜きされた薄板からなるものであり、そのコの字の凹部123aは、2つの塗布ヘッド片121,122の間にシム123が挟み付けられたとき、これら2つの塗布ヘッド片121,122の歯先部121a,122aの間にスリット状の吐出口を形成する。つまり、吐出口のスリット幅は、シム123の厚さによって決定される。吐出口の長さは、凹部123a の長さによって決定される。吐出口の長さは、基板104上における塗布液の塗布幅(基板104の幅方向における塗布長さ)に対応している。
【0053】
第1塗布ヘッド片121の上部には、その長さ方向(塗布ヘッド120の幅方向)の中央部に、塗布液を注入するための液注入口124が形成され、その長さ方向の両端部寄りに、空気抜き口131がそれぞれ形成されている。また、同じく第1塗布ヘッド片121の中間部には、液注入口124から注入された液体を幅方向に拡散させるための空洞部126が形成されている。この空洞部126は、第2塗布ヘッド片122に対向する側の側面(当接面121b)において開口している。そして、これら液注入口124、空気抜き口131と空洞部126とを連通させるための3個の通孔125が形成されている。空洞部126は、吐出口に連通しており、空洞部126内の液体は、吐出口により一定の厚みにされて、吐出口の下方の先端開口部から吐出される。この吐出口の先端開口部は、塗布ヘッド120の下端ノズル部のノズル口を形成する。
【0054】
そして、図28に示されるように、液体塗布装置101は、塗布ヘッド120のメンテナンス機構140を備えている。メンテナンス機構140は、基台102上のテーブル103より前方側(図28における左下側)に設置されており、メンテナンス機構の横方向に引き出し可能なスライド可動部148を備えている。
【0055】
作業者は、液体塗布装置101に塗布ヘッド120を設置する場合、まず、スライド機構140のスライド可動部148を、図28において二点鎖線で示されるように横方向に引き出し、この状態で、スライド可動部148の上に塗布ヘッド120を載置し(図28の矢印B参照)、スライド可動部148を元の位置に戻す。これにより、塗布ヘッド120がスライド機構140の上に搬入される。その後、塗布機構部110をスライド機構140の位置に走行させて、搬入された塗布ヘッド120の直上位置に塗布機構部110を位置させ、この状態で、塗布機構部110に塗布ヘッド120を装着する。また、装着されていた塗布ヘッド120を取り外す場合は、取り外した塗布ヘッド120をスライド機構140の上に載置した後、ここで説明した手順と逆の手順によることで、簡単に塗布ヘッド120を液体塗布装置101の外に搬出することができる。
【0056】
次に、塗布ヘッドの組立装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1の模式図に示されるように、塗布ヘッドの組立装置1は、後述するクレーン20が設置された搬送ユニット2と、後述する載置台54及び組立台70が設置された組立ユニット3とを備えている。
【0057】
図2から図5に示されるように、これらのうち、搬送ユニット2は、床面に接地した脚部10と、脚部10の上に設置されたクレーン20とを備えており、搬送ユニット2の脚部10は、四角形の脚部フレーム11と、脚部フレーム11の下側に取り付けられた複数のキャスタ12とを備えている(図3参照)。そして、脚部フレーム11の上側にクレーン20の下部が固定されている。
【0058】
また、搬送ユニット2は、側面視でコ字形になっており(図4参照)、脚部10の上方には、脚部10と後述する昇降体24との間の空間S1(図4参照)が形成されている。そして、後述するように、この脚部10の上方の空間S1の部分に組立ユニット3を位置させることで、搬送ユニット2と組立ユニット3とを組み合わせ配置できるようになっている(図15参照)。また、移動手段であるキャスタ12は、各脚部フレーム11の下端部の位置に、都合4つ取り付けられている。このようなキャスタ12が備えられているので、搬送ユニット2は床面上を自在に移動することができる。
【0059】
図3に示されるように、クレーン20は、脚部10から上方に向けて垂直に延在するクレーン本体22と、クレーン本体22に対して昇降可能に取り付けられている昇降体24と、昇降体24の上に水平移動可能な状態で設置されているスライドバー26と、スライドバー26の両端部から垂下する一対のワイヤ28と、スライドバー26の中央寄りの位置に取り付けられる一対の吊り下げ具29(図3参照)とを備えている。
【0060】
クレーン本体22は、組立ユニット3よりも高さが高くなっている。そして、クレーン本体22には、昇降体24を昇降可能に保持するアーム昇降機構30(図5参照)が設けられている。アーム昇降機構30は、クレーン本体22の両側部に設けられた一対の昇降ガイド32と、昇降体24を吊り下げ支持するチェーン34と、クレーン本体22の上端位置に取り付けられ、チェーン34が巻き掛けられる支持スプロケット36と、チェーン34の巻取り部38と、巻取り部38を回転させるためのクレーンハンドル40とを備えている。これらのうち、昇降ガイド32は、昇降体24の昇降移動をガイドするものである。また、巻取り部38は、クレーン本体22に取り付けられている。
【0061】
図3に示されるように、昇降体24は、クレーン本体22に設けられた昇降ガイド32によって昇降移動可能な状態で係合された昇降部24aと、昇降部24aの上端部から前方(図4において左方)に向けて水平に延在する一対の昇降アーム部24bとを備えている。このように、昇降アーム部24bは、クレーン本体22に対して昇降可能に取り付けられた昇降部24aによって片持ち支持されている。そして、昇降アーム部24bは、脚部フレーム11の長手方向D1(図1参照)と平行に延びており、昇降アーム部24bの長さは、後述する組立ユニット3の幅寸法W1(図9参照)より長くなっている。したがって、搬送ユニット2と組立ユニット3とを組み合わせ配置したとき(図15参照)、スライドバー26から吊り下げられた吊り下げワイヤ28や吊り下げ具29を、組立ユニット3の任意の位置の上方に位置させることができる。なお、符号「24c」は、昇降部24aと昇降アーム部24bとの固定状態を補強するための補強体を示しており、符号「24d」は、昇降アーム部24b上に設置されたレールを示している。
【0062】
スライドバー26は、各昇降アーム部24bのレール24d上にスライド自在な状態で設置された各スライダ26aと、スライダ26a上に昇降アーム部24bに対して交差する方向に延在するスライドバー本体26bと、スライドバー26bに延長バー26cを介して取り付けられたレバー26dとを備えている。スライダ26aは、昇降体24に対して進退方向D1(図4参照)にスライド自在になっている。そして、レバー26dを直接把持して進退方向D1に引いたり押したりすると、スライダ26aが昇降体24のレール24d上を進退方向D1にスライドし、スライドバー26全体が進退方向D1に移動する。このように、スライドバー26は、レバー26dによってスライドさせることができ、これにより、スライドバー26から吊り下げられたワイヤ28の位置を変えることができるようになっている。
【0063】
スライドバー本体26bは、昇降アーム部24bに対して直交しており(図2参照)、水平方向に延在している。そして、スライドバー本体26bの両端部に、それぞれ、ワイヤ28が取り付けられており、スライドバー本体26bの中央寄りの途中の位置に一対の吊り下げ具29が取り付けられている。つまり、ワイヤ28及び吊り下げ具29は、スライドバー26に、それぞれ2本ずつ取り付けられている。
【0064】
両ワイヤ28は、いずれも、その下側に延びる先端部に、フック28a(図6参照)を備えている。フック28aは脱落防止用の爪を備えており、これにより、フック28aに引っ掛けられたブラケットなどの部材の脱落を防止できるようになっている。また、両ワイヤは、同じ長さであり、主に、図29に示した塗布ヘッド片121(又は122)の吊り下げに用いられるものである(図7参照)。したがって、両ワイヤ28を用いて塗布ヘッド片121(又は122)を吊り下げたとき、塗布ヘッド片121(又は122)を水平に維持しつつ吊り下げ支持することができる。
【0065】
吊り下げ具29(図3参照)は、組み立てられた塗布ヘッド120を吊り下げるときに用いられる(図8参照)。後述するように、塗布ヘッド120を液体塗布装置101に搬入するときには、塗布ヘッド120に吊りブロック49bが取り付けられる。この吊りブロック49bに吊り下げ具29を引っ掛けて、クレーン20を用いて塗布ヘッド120を吊り上げることができるようになっている。なお、吊り下げ具29の構造は、フック28aと同様であるので、詳細な説明については省略する。
【0066】
このような構成の搬送ユニット2では、アーム昇降機構30のクレーンハンドル40を正回転(本実施例では図5において右回転)させると、チェーン34が巻取り部38で巻き取られて昇降体24が上昇する。また、クレーンハンドル40を逆回転(本実施例では図5において左回転)させると、チェーン34が巻取り部38から繰り出されて、昇降体24が下降する。
【0067】
図9から図11に示されるように、組立ユニット3は、床面に接地した脚部50(図10参照)と、脚部50の上に設置された組立ユニット本体52と、組立ユニット本体52上に設けられた載置台54及び組立台70(図9参照)と、組立台70を回動させるための回動機構60とを備えている。さらに、組立ユニット3は、当該組み立てユニット3に着脱自在に取り付け可能な後述のVブロック46(図13参照)や、塗布ヘッド片121,122や塗布ヘッド120に着脱自在に装着して用いられるブラケット類42,44,49a,49b(図8、図13参照)を備えている。
【0068】
組立ユニット3(図10参照)の脚部50は、組立ユニットを支える4本の脚部材50aと、各脚部材50aの下部に取り付けられたキャスタ50bとを備えている。組立ユニット3の脚部50の高さは、搬送ユニット2の脚部10の高さよりも高くなっており、組立ユニット3の脚部50の上に位置する搬送ユニット本体52の下側の隙間S2に、搬送ユニット2の脚部10を差し込むことができるようになっている。つまり、組立ユニット本体52の下側の、4本の脚部材50aの間に形成された隙間S2に、搬送ユニット2の脚部10を差し込むことで、搬送ユニット2と組立ユニット3とを組み合わせ配置できるようになっている(図15参照)。別言すれば、搬送ユニット2の脚部10の上方の空間S1(図4参照)に組立ユニット本体52を位置させて、組立ユニット3によって搬送ユニット2の脚部10を跨ぐことができるようになっており、このような状態にすることで搬送ユニット2と組立ユニット3とを組み合わせ配置できるようになっている。そして、キャスタ50bは、各脚部材50aの下端部に、都合4つ取り付けられている。このようなキャスタ50bが備えられているので、組立ユニット3を床面上で自在に移動させることができる。
【0069】
また、搬送ユニット2と組立ユニット3とを組み合わせ配置させた状態で(図15参照)、搬送ユニット2を組立ユニット3側に向けて移動させると、搬送ユニット2と組立ユニット3とを接触させることができ、接触させた状態で両ユニット2,3を一体的に移動させることができる。逆に、組立ユニット3を搬送ユニット2側に向けて移動させた場合も、同様に搬送ユニット2と組立ユニット3とを接触させることができ、接触させた状態で両ユニット2,3を一体的に移動させることができる。このように、両ユニット2,3は簡単に一体移動させることができる。
【0070】
載置台54及び組立台70は、組立ユニット3の上に配置されている。載置台54及び組立台70は、いずれも、塗布ヘッド120や塗布ヘッド片121,122などの細長の部材が載置される台であり、組立ユニット本体52の長手方向に沿って塗布ヘッド120や塗布ヘッド片121,122を載置できるようになっている。そして、組立ユニット3を搬送ユニット2に隣接させて組み合わせ配置する場合は、載置台54がクレーン20側に配置され、組立台70がクレーン20側とは反対側に位置するように、組立ユニット3を配置する(図15参照)。
【0071】
載置台54は、組立ユニット本体52に固定されており、載置台54の上面は水平に広がる平面になっている。そして、載置台54の上面には緩衝材(不図示)が貼られている。したがって、載置台54上に塗布ヘッド片等の載置物を載置したときに載置物に傷がつくことを防止することができる。緩衝材としては、例えば、ウレタン製のスポンジなどを挙げることができる。また、後述するように、本実施例では、載置台54は、塗布ヘッド120を構成する部品のうち、後から搬入される第1塗布ヘッド片121の載置場所として用いられる。また、載置台54は、本実施例では、載置された第1塗布ヘッド片121を2箇所で支持できるように、間隔を空けて2箇所に分割配置されているものであるが、3箇所以上に設置してもよく、また一連である一体のものでもよい。
【0072】
組立台70(図9参照)を回動させるための回動機構60は、組立ユニット本体52に設置された軸受61を介して回転自在に支持されるシャフト62と、組立ユニット本体52上に設置されており、シャフト62に出力軸63側で連結された減速機64と、減速機64の入力軸65(図9参照)に取り付けられた回動ハンドル66とを備えている。したがって、回動ハンドル66を回すと、所定の減速比で減速された回転数でシャフト62が回転する。
【0073】
組立台70は、ホルダ72を介してシャフト62に一体に固定されている。したがって、シャフト62が回転すると、組立台70も一体的に回動する。
【0074】
組立台70は、より詳細に説明すると、第2塗布ヘッド片122の搬入出のときに、これを載せる台として用いられる組立台座74(図12参照)と、塗布ヘッド120の装着先である液体塗布装置101との間で塗布ヘッド120を搬入出する際に、これを載せる台として用いられる搬入出台座76とを備えている。
【0075】
組立台座74は、載置物が載置される載置面(図12(A)の状態では上面)74aは平面になっている。そして、載置面74aには緩衝材(不図示)が貼られている。したがって、組立台座74上に第2塗布ヘッド片122等の載置物を載置したとき、載置物に傷が付くことを防止できる。なお、本実施例では、組立台座74は、後述するように、両塗布ヘッド片121,122のうち、先に搬入される第2塗布ヘッド片122の載置場所として用いられる。また、組立台座74は、本実施例では、載置された第2塗布ヘッド片122を2箇所で支持できるように、間隔を空けて2箇所に分割配置されているものであるが、3箇所以上に設置してもよく、また一連である一体のものでもよい。
【0076】
搬入出台座76は、図9や図12(A)に示されるように、組立台座74のシャフト62側の端部に配置されているものであり、シャフト62に一体に固定されている。そして、搬入出台座76の表面(組立台座74側に向いた面)76aは平面であり、搬入出台座76の当該表面76aと組立台座74の載置面74aとの間のなす角度は直角である。つまり、組立台座74と搬入出台座76は相互に直角をなす状態で配置されている。
【0077】
組立台70は、図9から図11及び図12(A)に示されるポジションである第1ポジションと、図12(B)に示されるポジションである第2ポジションとに回動可能になっている。第1ポジションでは、組立台座74の載置面は水平であり、搬入出台座76の載置面は垂直である。この第1ポジションは、第2塗布ヘッド片122を組立台70の組立台座74に載置する際のポジションである。他方、第2ポジションでは、搬入出台座76の載置面が水平であり、組立台座74の載置面が垂直である。この第2ポジションは、組立後の塗布ヘッド120を装着先である液体塗布装置101との間で搬入出する際のポジションである。
【0078】
そして、回動機構60の回動ハンドル66を限度まで正転(図10において右回転)させると、組立台70が回動し、組立台座74が図示しない位置決めブロックに当接して、組立台70が第1ポジションに移動するとともに当該ポジションに位置決めされる。また、回動ハンドル66を限度まで逆転(図10において左回転)させると、組立台70が逆向きに回動し、搬入出台座76が図示しない他の位置決めブロックに当接して、組立台70が第2ポジションに移動するとともに当該ポジションに位置決めされる。
【0079】
図13に示されるように、吊り下げ用ブラケット42は、塗布ヘッド片121,122の両端部に取り付けられて用いられるものであり、塗布ヘッド片121,122への取り付けに用いられる留め穴42aと、ワイヤ28のフック28aに引っ掛けられる係合穴42bとを備えている。したがって、この吊り下げ用ブラケット42を塗布ヘッド片121,122に取り付ける場合は、留め穴42aにボルト(不図示)を通して締結により取り付けることができる。また、吊り下げ用ブラケット42は、塗布ヘッド片121,122の両端に取り付けて用いられるものであるので、2つ一組で用いられる。なお、図13では、上側に向けられた塗布ヘッド片121,122の当接面121b,122bの状態の図示を省略した。
【0080】
回転ブラケット44は、塗布ヘッド片121,122の両端部に取り付けられて用いられるものであり、塗布ヘッド片121,122への取り付けに用いられる留め穴44aと、留め穴44aを挟んで両側に形成されている係合穴44bと、ブラケットの外方に突出した軸部44cを備えている。したがって、吊り下げ用ブラケット42と同様、留め穴42aにボルト(不図示)を通して締結により塗布ヘッド片121,122に取り付けることができるものであり、2つ一組で用いられるものである。また、係合穴44bは、ワイヤ28のフック28aに引っ掛けるためのものであり、軸部44cは、次に説明するVブロック46のV溝46aによって回転可能な状態で支持できるようにするためのものである。
【0081】
Vブロック46は、その上面に断面V字形状のV溝46aを備えている。このVブロック46は、組立ユニット3の組立ユニット本体52上に設置された一対のブロック台座52a上に着脱自在に取り付けられるものであり、2つ一組で用いられる。ブロック台座52aは、載置台54上に第1塗布ヘッド片121が載置されたときに、当該第1塗布ヘッド片121の両端位置の外側に位置する位置に配置されている。そして、Vブロック46は、V溝46aの延在方向と、第1塗布ヘッド片121を載置台54に載置した際の長手方向とが一致する状態になるように、ブロック台座52a上に取り付けられる。このように、一対のVブロック46は、載置台54を挟む状態でブロック台座52a上に取り付けられる。したがって、ブロック台座52aにVブロック46を取り付けた状態で、載置台54の位置に、回転ブラケット44が両端に取り付けられた第1塗布ヘッド片121を降ろすと、Vブロック46のV溝46aによって回転ブラケット44の軸部44cを回転可能な状態で支持することができる。
【0082】
次に、図14から図26を用いて、上述したような構成の塗布ヘッドの組立装置によって塗布ヘッド120を組み立てる作業と、組み立てた塗布ヘッド120を液体塗布装置101に装着する作業について説明する。なお、図14から図26では、塗布ヘッドの組立装置の構造を簡易的に示しているので、詳細な構造について説明する場合は、図2から図13を参照しつつ説明する。
【0083】
まず、第2塗布ヘッド片122が収容されたケース122cを昇降体24の直下の位置に搬送し(図14参照)、ケース122cの蓋122d(図15参照)を開ける。このとき、第2塗布ヘッド片122の第1塗布ヘッド片121との当接面122bが上側に、また第2塗布ヘッド片122の吐出口になる歯先部122aが搬送ユニット2のクレーン本体22側に向いた状態になるようにケース122cを配置する。なお、第2塗布ヘッド122が重い場合は、第2塗布ヘッド片122が収容されたケース122cを移動させるのではなく、塗布ヘッドの組立装置をそのケース122cの位置まで移動させてもよい。この点は、第1塗布ヘッド片121を搬入する場合も同様である。
【0084】
そして、ケース122cに収容された状態の第2塗布ヘッド片122の両端に、吊り下げ用ブラケット42(図13(A)参照)をボルト留めにより取り付ける。なお、第2塗布ヘッド片122に吊り下げ用ブラケット等のブラケットを取り付けるときは、第2塗布ヘッド片122とブラケットとの間に、傷付け防止のための図示しないパッキンを介在させている。この点は、第1塗布ヘッド片121にブラケットを取り付ける場合も同様である。
【0085】
続いて、搬送ユニット2のレバー26dを使って、スライドバー26を昇降アーム部24bの先端側に移動させる。そして、クレーンハンドル40を逆転させて巻取り部38からチェーン34を繰り出して昇降体24を下降させ、2つのワイヤ28の先端のフック28aを第2塗布ヘッド片122の両端に取り付けた吊り下げ用ブラケット42の係合穴42bに引っ掛ける(図14、図6参照)。
【0086】
そして、クレーンハンドル40を正転させて巻取り部38でチェーン34を巻き取って、第2塗布ヘッド片122が組立台70より高い位置になるまで昇降体24を上昇させる。その後、レバー26dで昇降体24のスライドバー26を昇降アーム部24bの基端側(クレーン本体22側)に後退移動させて、吊上げ状態の第2塗布ヘッド片122を組立台70の直上に移動させ、クレーンハンドル40を逆転させて、第2塗布ヘッド片122をゆっくりと下降移動させ、組立台70の上に移載する(図15参照)。その後、吊り下げ用ブラケット42からフック28aを取り外す。なお、第2塗布ヘッド片122を組立台70の上に移載するときは、移載前に、あらかじめ組立台70を第1ポジション(図12(A)参照)に回動させておく。第1ポジションの状態の組立台70に第2塗布ヘッド片122を載置すると、第2塗布ヘッド片122は、当接面122bが水平かつ上側に向けられた状態で組立台70の上に載置される。
【0087】
第2塗布ヘッド片122の移載が完了すると、第1塗布ヘッド片121が収容されたケース121cを搬送ユニット2に隣接する位置に搬送し(図16参照)、ケース121cの蓋121d(図15参照)を開ける。このとき、第1塗布ヘッド片121の第2塗布ヘッド片122との当接面121bが上側に、また第1塗布ヘッド片121の歯先部121aが搬送ユニット2のクレーン本体22側とは反対側に向いた状態になるようにケース121cを配置する。そして、第1塗布ヘッド片121の両端に、第2塗布ヘッド片122の場合と同様の手順で、吊り下げ用ブラケット42をボルト留めによって取り付ける(図16参照)。
【0088】
続いて、レバー26dでスライドバー26を昇降体24の昇降アーム部24bの先端側に移動させ、その後、クレーンハンドル40を逆転させて昇降体24を下降させ、2つのワイヤ28の先端のフック28aを第1塗布ヘッド片121の両端に取り付けた吊り下げ用ブラケット42の係合穴42bに引っ掛ける。そして、クレーンハンドル40を正転させて、第1塗布ヘッド片121が載置台54より高い位置になるまで昇降体24を上昇させる。その後、レバー26dでスライドバー26を昇降アーム部24bの後端側に移動させ、吊上げ状態の第1塗布ヘッド片121を載置台54の直上に移動させて、クレーンハンドル40を逆転させ、第1塗布ヘッド片121をゆっくりと下降移動させ、載置台54の上に移載する(図17参照)。その後、吊り下げ用ブラケット42からフック28aを取り外す。
【0089】
次に、第1塗布ヘッド片121の両端のブラケットを、吊り下げ用ブラケット42から回転用ブラケット44(図13(B)参照)に交換する(図18参照)。なお、第1塗布ヘッド片121を載置台54に載置したとき、第1塗布ヘッド片121の両端部は、載置台54の端部から突き出した状態になり、第1塗布ヘッド片121の両端部の周囲にはブラケットの取り付けの障害になるものがない状態になるので、第1塗布ヘッド片121の両端部に、簡単にブラケットを取り付けることができる。そして、回転用ブラケット44が取り付けられた第1塗布ヘッド片121は、両側に位置する回転用ブラケット44の軸部44cを両持ち支持することによって、回転可能に支持することができる状態になる。
【0090】
続いて、2つのフック28aを第1塗布ヘッド片121の両端に取り付けた回転用ブラケット44の係合穴44bに引っ掛ける(図18、図13(B)参照)。そして、クレーンハンドル40を正転させて昇降体24を上昇させて、第1塗布ヘッド片121を載置台54の上方で宙吊り状態にする。
【0091】
その後、組立ユニット本体52上の載置台54の両外側に位置するブロック台座52上に、第1塗布ヘッド片121を回転可能に支承するためのVブロック46(図13(B)参照)をボルト留めによって設置する(図19参照)。なお、このときVブロック46のV溝46aの延伸方向が第1塗布ヘッド片121の延在方向すなわち組立ユニット本体52の長手方向と同じ方向になるように、Vブロック46を組立ユニット本体52のブロック台座52a上に設置する。
【0092】
そして、クレーンハンドル40を逆転させて昇降体24を下降させると、回転用ブラケット44の軸部44cがVブロック46のV溝46aに当接する状態になるので、この状態で、2つのフック28aを回転用ブラケット44の係合穴44bから取り外すと、第1塗布ヘッド片121が回転用ブラケット44の軸部44cを介してVブロック46によって回転可能な状態で支持される(図20参照)。
【0093】
この状態で、軸部44c回りに第1塗布ヘッド片121を180°回転させると、第1塗布ヘッド片121が組立台70上の第2塗布ヘッド片122への組付けの向きに向く状態になる。そして、このような回転をさせたことにより上側に回ってきた回転用ブラケット44の他方の係合穴44bに、クレーン20の2つのフック28aをそれぞれ引っ掛ける。そして、クレーンハンドル40を正転させて昇降体24を上昇させ、第1塗布ヘッド片121を載置台54の上方で宙吊り状態にする(図21参照)。
【0094】
その後、載置台54からVブロック46を取り外し、クレーンハンドル40を逆転させて昇降体24を下降させて、再び第1塗布ヘッド片121を載置台54の上に載置する。そして、第1塗布ヘッド片121の両端から回転用ブラケット44を取り外す。このとき、第1塗布ヘッド片121は、組立台70上の第2塗布ヘッド片122への組付けの向きに向いた状態である。また、このとき、第2塗布ヘッド片122に吊り下げ用ブラケット42がまだ取り付けられている場合は、ここで、第2塗布ヘッド片122から吊り下げ用ブラケット42を取り外す(図22参照)。そして、ブラケットが取り付けられていない状態の両塗布ヘッド片121,122を、洗浄液を付けたコットン等で拭きあげるなどして、清掃及び洗浄する。
【0095】
洗浄作業後、組立台70の上の第2塗布ヘッド片122の上面(すなわち、第1塗布ヘッド片121の当接面121bと重ね合わせられる第2塗布ヘッド片122の当接面122b)側にシム123(図27参照)を載置する。なお、第2塗布ヘッド片122にシム123を載置する場合は、その前に、シム123の、第2塗布ヘッド片122との接触面を清掃及び洗浄しておく。そして、第2塗布ヘッド片122にシム123を載置して位置合わせを行い、その後、シム123の、第1塗布ヘッド片121との接触面を清掃及び洗浄し、位置合わせされている状態であることを確認する。
【0096】
続いて、組立台70の上に載置された第2塗布ヘッド片122に、塗布ヘッド片同士の位置合わせのときに用いる位置合わせ用プレート48をボルト締結により取り付け(図27参照)、他方、第1塗布ヘッド片121の両端部に吊り下げ用ブラケット42を取り付ける(図22参照)。図示されるように、位置合わせプレート48は、第2塗布ヘッド片122の後端面に取り付けられて用いられるものである。このように、あらかじめ、第2塗布ヘッド片122に位置合わせプレート48を取り付けておけば、第2塗布ヘッド片122に第1塗布ヘッド片121を組み付けたときに、両塗布ヘッド片121,122の後端面の位置を簡単かつ迅速に合わせることができる。
【0097】
次に、吊り下げ用ブラケット42の係合穴42bにワイヤ28のフック28aを引っ掛け、クレーンハンドル40を正転させて昇降体24を上昇させ、第1塗布ヘッド片121を吊り上げる。そして、レバー26dでスライドバー26を昇降体24の先端側に移動させて、第1塗布ヘッド片121を第2塗布ヘッド片122の上方に位置させ、その後、クレーンハンドル40を逆転させて昇降体24を下降させ、第1塗布ヘッド片121の下側に向けられた当接面121bを、間にシム123を挟みつつ、第2塗布ヘッド片122の上側に向けられた当接面122bに位置合わせしながら重ね合わせ、ボルト締結によって第2塗布ヘッド片122と第1塗布ヘッド片121とを組み付けて、塗布ヘッド120を組み立てる(図23参照)。
【0098】
以上の作業によって、塗布ヘッド120を組み立てると、第2塗布ヘッド片122に取り付けられた位置合わせ用プレート48を取り外し、第1塗布ヘッド片121の両端部の吊り下げ用ブラケット42を取り外す。そして、塗布ヘッド120のノズル状の吐出口の部分に図示しない保護カバー160(図26参照)を装着する。
【0099】
その後、回動ハンドル66(図9参照)を回して、組立台70を第1ポジション(図12(A)参照)から第2ポジションに90°、長手方向の軸周りに回動させる(図24参照)。すると、保護カバー160で保護された歯先部121a,122aからなる吐出口の部分が下側になり、組立台70に載置された塗布ヘッド120は、保護カバー160の上に載置された状態で、搬入出台座76上に載置され、液体塗布装置101への装着の向きに向けられる。
【0100】
この状態で、上側に位置する塗布ヘッド120の上面に、取っ手49aと、吊りブロック49bと、液体塗布装置101側への装着の際に用いられる図示しないアダプタとを取り付ける(図8、図25参照)。なお、吊りブロック49bは、塗布ヘッド120をクレーン20で吊り上げるときに、吊り下げ具29を引っ掛ける部分として用いられるものであり、取っ手49aは、吊り下げられた塗布ヘッド120を所望の状態に誘導する際に作業者によって用いられるものである。
【0101】
そして、吊りブロック49bにクレーン20の2本の吊り下げ具29を引っ掛けてクレーンハンドル40を正転させ、塗布ヘッド120を吊り上げる(図26参照)。このとき、塗布ヘッド120の高さが液体塗布装置101のスライダ可動部148(図28参照)より高い位置になるようにする。また、塗布ヘッド120を吊り上げる前又は後に、塗布ヘッド120とスライダ可動部148とが平行になるように搬送ユニット2を移動させておく。そして、この後、レバー26dによってスライドバー26を昇降体24の先端側に移動させて、吊上げ状態の塗布ヘッド120を液体塗布装置101の、引き出された状態のスライダ可動部148の上に載置する。
【0102】
先に説明したように、組立台70を第2ポジションに移動させたとき、塗布ヘッド120は、液体塗布装置101への装着の向きに向けられているので、クレーン20をゆっくりおろしてスライダ可動部148に塗布ヘッド120を載置することによって、容易かつ迅速に、塗布ヘッド120を液体塗布装置101に搬入することができる。そして、塗布ヘッド120の搬入が完了すると、吊りブロック49bから吊り下げ具29を取り外し、さらに、取っ手49a及び吊りブロック49bを塗布ヘッド120から取り外す。その後、引き出された状態のスライダ可動部148を元の位置に戻すと、スライダ可動部148上の塗布ヘッド120が塗布機構部110の走行範囲内に移動される。したがって、塗布ヘッド120の直上に塗布機構部110を移動させることによって、塗布ヘッド120を液体塗布装置101の塗布機構部110に装着することができる。なお、液体塗布装置101に装着された塗布ヘッド120の取り外し手順は、装着手順を逆の順番で行えばよいので、ここではその説明を省略する。
【0103】
以上の説明から解るように、実施例の塗布ヘッドの組立装置1によれば、組立台70は第1ポジションと第2ポジションとに回動可能になっているので、第2塗布ヘッド片122を搬入するときは組立台70を第1ポジションに回動させ、塗布ヘッド組立後、塗布ヘッド120を液体塗布装置101に装着するときは、組立台70を第2ポジションに回動させることができる。このような組立台を用いれば、塗布ヘッドの組立完了後、組立台を第2ポジションに回動させるだけで、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置への装着に適した向きに容易かつ迅速に向けることができる。したがって、容易かつ迅速に、組み立てられた塗布ヘッドを液体塗布装置に装着することができる。
【0104】
また、本発明の塗布ヘッドの組立装置によれば、塗布ヘッドの組み立てから液体塗布装置との間の搬入出までの一連の作業を、本発明の塗布ヘッドの組立装置だけで行うことができるので、極めて効率よく一連の作業を行うことができる。
【0105】
また、塗布ヘッド組立装置への塗布ヘッド片の搬入工程から組み立てられた塗布ヘッドの液体塗布装置への搬出工程までの全ての作業工程は、クレーンを用いた作業や組立台を回動させるだけの作業であり、人手で塗布ヘッド等を抱えて運ぶ必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0106】
また、載置台上で、搬入された塗布ヘッド片を回転させることができるので、容易かつ迅速に塗布ヘッド片の向きを組み付けの際に適した向きに変えることができる。したがって、容易かつ迅速に、塗布ヘッドを組み立てることができる。また、搬入する前に、予め人手や別途の設備を用いて塗布ヘッドの向きを変えておく必要がないので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0107】
また、クレーンが設置された搬送ユニットと、載置台及び組立台が設置された組立ユニットとが近接離間可能な状態で組み合わされたものであるので、相互の位置関係を、作業し易い位置関係に自由に設定し、変更することができ、塗布ヘッドの組み立てや分解、液体塗布装置との間の着脱など、一連の作業の作業性が向上する。また、搬送ユニットが床面上を移動可能であるので、塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置のところに搬送するのではなく、搬送ユニットを塗布ヘッド片のところまで移動させて、当該塗布ヘッド片を塗布ヘッドの組立装置に搬入することができる。このように、組み付け部品である塗布ヘッド片の移動作業を最小限に抑制することができるので、特に、重量のある大型の塗布ヘッドの組立装置として好適であるということができる。
【0108】
なお、本願の発明は、以上の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
たとえば、塗布ヘッド120や塗布ヘッド片121,122を吊上げるために用いる係合穴に関しては、種々の態様が考えられる。上記実施例では、塗布ヘッド片121,122は、ワイヤ28のフック28aを係合するための係合穴を備えておらず、係合穴42b,44b等の係合構造が形成されたブラケット42,44や吊りブロック49bが着脱自在に取り付けられるようになっており、必要に応じてこれらを取り付けて係合穴等の係合構造を利用できるようになっているが、係合穴を塗布ヘッド片121,122そのものに形成しておいてもよい。つまり、係合穴を含む部分は、塗布ヘッド片121,122に一体的な構造であってもよいし、着脱自在であってもよい(着脱自在なものに形成されていてもよい)。
【0109】
また、昇降体24に対するスライドバー26の位置を固定するためのロック構造を昇降体24とスライドバー26との間に設けてもよい。例えば、昇降体24及びスライドバー26の相対向するスライド面にそれぞれ挿入孔を形成し、昇降体24の挿入孔とスライドバー26の挿入孔の位置を一致させた状態で両挿入孔に1本のロックピンを挿入してスライドバー26の位置をロックするような構造を挙げることができる。
【0110】
また、組立台70の搬入出台座76は、液体塗布装置101との間で塗布ヘッド120を搬入出する際の塗布ヘッド120の載置場所であるが、必ずしも載置用の台座である必要はなく、塗布ヘッド120を液体塗布装置への装着の向きに正確に向ける手段であればよい。例えば、本実施例のように、組立台70を第2ポジションに移動させたときに、搬入出台座76だけで塗布ヘッド120を液体塗布装置への装着の向きに正確に向けることができる構成でもよいし、搬入出台座76と組立台座74との協働によって、塗布ヘッド120を液体塗布装置への装着の向きに正確に向けることができる構成でもよい。本実施例では、塗布ヘッド120の液体塗布装置101への装着の向きは、吐出口の部分が下側に向けられた姿勢であるが、例えば、斜めに向いた状態が液体塗布装置への装着の向きである場合、搬入出台座76に相当する部材は、載置用の台座ではないかもしれないが、塗布ヘッド120を所定の装着の向きに向けるための手段である。このように、搬入出台座76は、組立台70を第2ポジションに移動させたときに、塗布ヘッド120を装着の向きに向けてその向きに保持する搬入出位置保持部材の一実施例ということができる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本願発明の実施例である塗布ヘッドの組立装置を構成する搬送ユニット及び組立ユニットを示す模式図である。
【図2】本願発明の実施例の搬送ユニットを示す平面図である。
【図3】図2に示される搬送ユニットを示す正面図である。
【図4】図2に示される搬送ユニットを示す側面図である。
【図5】図2に示される搬送ユニットを示す背面図である。
【図6】搬送ユニットのクレーンのワイヤ先端のフックを示す拡大正面図である。
【図7】図3に示される搬送ユニットによって塗布ヘッド片を吊り下げた状態を示す正面図である。
【図8】図3に示される搬送ユニットによって塗布ヘッドを吊り下げた状態を示す正面図である。
【図9】本願発明の実施例の組立ユニットを示す平面図である。
【図10】図7に示される組立ユニットを示す正面図である。
【図11】図7に示される組立ユニットを示す側面図である。
【図12】組立ユニットの組立台の回転位置を示す図10のA−A側断面図であり、(A)は組立台の第1ポジションを示す図であり、(B)は組立台の第2ポジションを示す図である。
【図13】(A)は、第2塗布ヘッド片に吊り下げ用ブラケットを取り付けた状態を示す斜視図であり、(B)は、第1塗布ヘッド片に回転用ブラケットを取り付けた状態と、回転用ブラケットを支持するVブロックとを示す斜視図である。
【図14】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図15】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図16】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図17】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図18】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図19】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図20】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図21】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図22】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図23】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図24】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図25】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図26】塗布ヘッド組立作業の状態を示す塗布ヘッドの組立装置の側面図である。
【図27】第2塗布ヘッド片の後端面に位置合わせ用プレートを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図28】塗布ヘッドが装着される液体塗布装置を示す斜視図である。
【図29】液体塗布装置に装着される塗布ヘッドを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0112】
1…塗布ヘッドの組立装置、2…搬送ユニット、3…組立ユニット、10…搬送ユニットの脚部、11…脚部フレーム、12…キャスタ、20…クレーン(吊り上げ機)、22…クレーン本体、24…昇降体、24a…昇降部、24b…昇降アーム部、24c…補強体、24d…レール、26…クレーンのスライドバー、26a…スライダ、26b…スライドバー本体、26c…延長バー、26d…レバー、28…ワイヤ、28a…フック、29…吊り下げ具、30…アーム昇降機構、32…昇降ガイド、34…チェーン、36…支持プーリ、38…巻取り部、40…クレーンハンドル、42…吊り下げ用ブラケット、42a…留め穴、42b…係合穴、44…回転用ブラケット、44a…留め穴、44b…係合穴、44c…軸部、46…Vブロック(支持ブロック)、46a…V溝、48…位置合わせ用プレート、49a…取っ手、49b…吊りブロック、50…組立ユニットの脚部、50a…脚部材、50b…キャスタ、52…組立ユニット本体、52a…ブロック台座、54…載置台、60…回動機構、61…軸受、62…シャフト、63…出力軸、64…減速機、65…入力軸、66…回動ハンドル、70…組立台、72…ホルダ、74…組立台座、76…搬入出台座、101…液体塗布装置、102…基台、102a,102b…側壁、103…テーブル、104…基板、105a,105b…レール、110…塗布機構部、120…塗布ヘッド、121,122…塗布ヘッド片、121a,122a…歯先部、121b,122b…当接面、123…シム、123a…凹部、124…液注入口、125…通孔、126…空洞部、131…空気抜き口、140…メンテナンス機構、141…交換スライダ、142…昇降シリンダ(昇降手段)、148…スライダ可動部、160…保護カバー、S1…空間、S2…隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の塗布ヘッド片を組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着された状態で塗布対象物に塗布する液体を吐出する塗布ヘッドの組立装置であって、
前記塗布ヘッド又は前記塗布ヘッド片の吊り上げ移動に用いられる吊り上げ機と、
一方の塗布ヘッド片又は前記塗布ヘッドが載置される組立台と、
他方の塗布ヘッド片が載置される載置台と、を備えており、
前記組立台は、前記一方の塗布ヘッド片が載置される際の第1ポジションと、組立台上で組み立てられた前記塗布ヘッドを前記液体塗布装置に対して搬入出する際の第2ポジションとに回動可能になっており、
前記載置台に載置された前記他方の塗布ヘッド片を、前記吊り上げ機によって吊り上げて、前記第1ポジションの前記組立台に載置された前記一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより、前記塗布ヘッドを組み立てることができるとともに、前記第2ポジションに回動された状態の前記組立台に載置された前記塗布ヘッドを前記吊り上げ機によって吊り上げて前記液体塗布装置に搬入し装着することができる
ことを特徴とする塗布ヘッドの組立装置。
【請求項2】
前記組立台の第2ポジションは、当該組立台に載置された前記塗布ヘッドを、前記液体塗布装置への装着の向きに向けるポジションであり、
組み立てられた前記塗布ヘッドが載置された前記組立台を前記第2ポジションに回動させることにより、当該組立台に載置された前記塗布ヘッドを前記装着の向きに向けることができ、当該装着の向きに向けられた状態の前記塗布ヘッドを前記吊り上げ機によって吊り上げて前記液体塗布装置に搬入し装着することができる
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布ヘッドの組立装置。
【請求項3】
前記載置台は、その両端位置に着脱自在に設置される支持ブロックと、当該支持ブロックの上面に設けられた軸受部によって回転可能な状態で支持可能な回転軸部を有する回転ブラケットとを備えており、
当該回転ブラケットは、前記他方の塗布ヘッド片の両端に着脱自在に取り付け可能であり、
前記載置台に載置された前記他方の塗布ヘッド片の両端に前記回転ブラケットを取り付けて当該回転ブラケットを前記吊り上げ機で吊り上げることによって前記他方の塗布ヘッド片を吊り上げることができ、他方の塗布ヘッド片を吊り上げた状態で前記載置台の両端位置に設置した前記支持ブロックの軸受部によって前記他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた前記回転ブラケットの前記回転軸部を回転可能な状態で支持することができるとともに、前記他方の塗布ヘッド片を回転させることによって、当該他方の塗布ヘッド片の向きを、前記組立台に載置された前記一方の塗布ヘッド片への組付けの向きに向けることができ、当該向きに回転された前記他方の塗布ヘッド片を、前記吊り上げ機によって吊り上げて、前記第1ポジションに回動された前記組立台上の前記一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより前記塗布ヘッドを組み立てることができる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布ヘッドの組立装置。
【請求項4】
前記吊り下げ機が設置された搬送ユニットと、前記載置台及び前記組立台が設置された組立ユニットとを備え、
前記搬送ユニットと前記組立ユニットは、相互に近接離間可能な状態で組み合わされており、
前記搬送ユニットと前記組立ユニットのうち、少なくとも前記搬送ユニットは、床面上の移動を可能にする移動手段を備えている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の塗布ヘッドの組立装置。
【請求項5】
一対の塗布ヘッド片を互いの当接面を重ね合わせた状態で組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着されて用いられる塗布ヘッドの組立方法であって、
一方の塗布ヘッド片を、当接面を水平かつ上側に向けた状態にし、
他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けた状態で、前記一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせて両塗布ヘッド片を組み付け、これにより前記塗布ヘッドを組み立て、
組み立てられた当該塗布ヘッドを、前記液体塗布装置への装着の向きに向けた後、当該装着の向きの状態で前記液体塗布装置に搬入して装着することを特徴とする塗布ヘッドの組立方法。
【請求項6】
一対の塗布ヘッド片を互いの当接面を重ね合わせた状態で組み付けてなるものであり、液体塗布装置に装着されて用いられる塗布ヘッドの組立方法であって、
一方の塗布ヘッド片を、吊り上げ機によって吊り上げて、当接面を水平かつ上側に向けた状態で組立台の上に載置し、
他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けた状態で、吊り上げ機によって吊り上げて、前記組立台の上の前記一方の塗布ヘッド片の上に重ね合わせることにより両塗布ヘッド片を組み付け、これにより前記塗布ヘッドを組み立て、
組み立てられた当該塗布ヘッドを、前記液体塗布装置への装着の向きに向けた後、当該装着の向きの状態で吊り上げ機によって吊り上げて、前記液体塗布装置に搬入し装着することを特徴とする塗布ヘッドの組立方法。
【請求項7】
前記組立台は、前記一方の塗布ヘッド片が載置される際の第1ポジションと、組立台上で組み立てられた前記塗布ヘッドを前記液体塗布装置への装着の向きに向ける第2ポジションとに回動可能になっており、
組み立てられた前記塗布ヘッドを前記液体塗布装置への装着の向きに向ける工程は、前記組立台を前記第2ポジションに回動させることによって行われることを特徴とする請求項6に記載の塗布ヘッドの組立方法。
【請求項8】
前記装着の向きは、塗布ヘッドの液体の吐出口が下側に位置し、かつ、相互に重ね合わせられた当接面が垂直になる向きであることを特徴とする請求項7に記載の塗布ヘッドの組立方法。
【請求項9】
前記他方の塗布ヘッド片を、その当接面を下側に向けられた状態で吊り上げ機によって吊り上げる工程は、
前記他方の塗布ヘッド片の両端に着脱自在に取り付け可能な回転ブラケットと、当該回転ブラケットを回転可能な状態で支持可能な支持ブロックとを用いる工程であり、
当接面を水平かつ上側に向けた状態で載置台の上に載置された前記他方の塗布ヘッド片の両端に前記回転ブラケットを取り付け、当該他方の塗布ヘッド片を吊り上げ機によって吊り上げた後、前記載置台の両端位置に前記支持ブロックを設置し、前記他方の塗布ヘッド片を降ろして、当該他方の塗布ヘッド片の両端に取り付けられた前記回転ブラケットを前記支持ブロックで支持し、その後、前記他方の塗布ヘッド片を、回転させてその当接面を下側に向けて、吊り上げ機によって吊り上げることにより行われるものであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の塗布ヘッドの組立方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−136791(P2009−136791A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316464(P2007−316464)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】