説明

塗布具

【課題】液剤を被塗布面に塗布する前後或いは塗布している最中に、手の汚れや液剤の除去を極力招くことなく、液剤の種類に応じて適切な処置を速やかに被塗布面に対して施すこと。
【解決手段】内部が液剤Wを収容する液剤収容室とされると共に、液剤収容室内の液剤を流出させる液剤流出孔4が形成された本体部3と、流出された液剤を浸潤によって保持すると共に表面が塗布面5aとされた液剤保持部材5と、液剤流出孔を開閉可能に設けられ、液剤保持部材を被塗布面Xに押し付けたときに液剤流出孔を開状態にする弁体6と、塗布面の一部を覆うように設けられ、多数の突起部7が表面に形成された被覆板8と、を備えている塗布具1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部側に取り付けられ、液剤を被塗布面に直接塗布する塗布具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の塗布具は、液剤の種類に応じていくつか提供されているが、一般的にスポンジ状の塗布部を有しており、該塗布部に液剤を適宜含ませることができるようになっている。そのため、塗布部を被塗布面に軽く押し付けることで、含ませておいた液剤を被塗布面に直接塗布できるようになっている。
【特許文献1】実公昭51−47562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、液剤の種類によっては、該液剤を被塗布面に単に塗布するのではなく液剤をより効果的に作用させるために、被塗布面に何らかの処置を施す場合がある。例えば、液剤が接着剤、糊やマニキュア等の場合には、液剤の接着時を高めるために、被塗布面を事前に荒らしておくことがある。また、液剤が育毛剤の場合には、液剤の効能を有効に発揮させるために、被塗布面に刺激を与えることがある。このように、液剤の種類に応じて塗布面に何らかの処置を施す場合があった。
【0004】
しかしながら、従来の塗布具は、液剤を単に被塗布面に塗布するだけのものであるので、塗布面を荒らしたり、塗布面に刺激を与えたりする等の何らかの処置を施す場合には、直接手を使用せざるを得なかった。そのため、手が液剤で汚れてしまったり、液剤が手で拭われて除去されてしまったりする等の不都合があった。
特に、塗布した液剤が除去され易いので、再度液剤を塗布し直す必要があった。よって、二度手間になるうえ、液剤の減りを早めてしまうものであった。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、液剤を被塗布面に塗布する前後或いは塗布している最中に、手の汚れや液剤の除去を極力招くことなく、液剤の種類に応じて適切な処置を速やかに被塗布面に対して施すことができる取り扱い性に優れた塗布具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る塗布具は、液剤を被塗布面に塗布する塗布具であって、内部が前記液剤を収容する液剤収容室とされると共に、液剤収容室内の液剤を流出させる液剤流出孔が頂面に形成された有頂筒状の本体部と、前記液剤流出孔を覆うように前記本体部に取り付けられ、流出された前記液剤を浸潤によって保持すると共に表面が塗布面とされた液剤保持部材と、前記液剤流出孔を開閉可能に設けられ、前記液剤保持部材を前記被塗布面に押し付けたときに液剤流出孔を開状態にする弁体と、前記塗布面の一部を覆うように設けられ、多数の突起部が表面に形成された被覆板と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明に係る塗布具においては、液剤を被塗布面に塗布する動作と、被塗布面に対して液剤の種類に応じた適切な処置を施す動作とを適宜切り替えながら使用することができる。
まず、被塗布面に液剤を塗布する場合には、液剤保持部材の塗布面を被塗布面に当てた状態で液剤保持部材を押し付ける。すると、弁体が液剤流出孔を開状態にするので、液剤収容室内に収容されている液剤が液剤流出孔から外部に流出する。すると、流出した液剤は、本体部と液剤保持部材との間に流れ込むと共に、該液剤保持部材に浸潤して保持される。そして、保持された液剤は、液剤保持部材から染み出るように被塗布面に塗布される。その結果、被塗布面に対して液剤を塗布することができる。
なお、液剤保持部材には液剤が浸潤によって保持されているので、塗布面を軽く被塗布面に当てることで、少量の液剤を塗布することも可能である。
【0008】
ところで、塗布面の一部には多数の突起部が形成された被覆板が同一面内に形成されているので、被塗布面に液剤を塗布する前後、或いは、塗布している最中に、本体部を傾けることで速やかに被覆板の表面を被塗布面に当てることができる。そのため、多数の突起部を利用して被塗布面に対して、液剤の種類に応じた適切な処置を施すことができる。例えば、液剤の接着性を高めるために多数の突起部を利用して被塗布面を荒らしたり、既に塗布した液剤の効能を有効に発揮させるために多数の突起部を利用して被塗布面に適度な刺激を与えたりする等の適切な処置を施すことができる。
【0009】
このように、傾きを変えるだけの僅かなことで、液剤を塗布する動作から、被塗布面に何らかの処置を施す動作に速やかに切り替えることができるので、非常に使い易く、取り扱い性に優れている。
特に、多数の突起部を利用するので、手を使用せざるを得なかった従来とは異なり、既に塗布した液剤を拭って除去してしまう可能性が低い。よって、液剤を再度塗布する二度手間をなくすことができるうえ、液剤を無駄に使用してしまうことを防止することができる。また、手に液剤が付着して汚れてしまう不都合もない。
【0010】
また、本発明に係る塗布具は、上記本発明の塗布具において、前記被覆板が、前記塗布面を平面視したときに前記弁体上から外れた位置に設けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明に係る塗布具においては、塗布面を平面視したときに被覆板が弁体上から外れた位置に形成されているので、被塗布面に液剤を塗布する動作から多数の突起部を利用して被塗布面に何らかの処置を施す動作に切り替える際(或いは逆の動作に切り替える際)に、傾きを最少限変えるだけで瞬時にしかも明確に切り替えることができる。
【0012】
つまり、塗布面を平面視したときに被覆板が弁体上から外れた位置に形成されているので、液剤を塗布する際、塗布面が被塗布面に対して平らに当たるように真っ直ぐ押し当てることができる。この際、被覆板が被塗布面に当たることがないので、塗布動作だけを確実に行うことができる。
そして、この状態から被塗布面に多数の突起部を利用して何らかの処置を施したい場合には、僅かに傾けるだけで被覆板を被塗布面に当てることができる。
このように、弁体と被覆板との位置関係が明確になっているので、塗布動作と処置を施す動作とを瞬時にしかも明確に切り替えることができる。従って、使い易さをさらに向上することができる。しかも、動作を瞬時に切り替えることができるので、例えば塗布したばかりの新しい液剤の効能を速やかに発揮させるといったことが可能である。加えて、多数の突起部を利用して被塗布面に何らかの処置を施している最中に、塗布面が押圧されないので、弁体が誤って開状態になり難い。よって、液剤を無駄に流出させてしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る塗布具によれば、被塗布面に液剤を塗布する前後、或いは、塗布している最中に、必要に応じて、液剤の種類に応じた適切な処置を速やかに被塗布面に対して施すことができる。特に、傾きを変えるだけの僅かなことで、塗布する動作から処置を施す動作に切り替えることができるので、取り扱い性に非常に優れている。しかも、手の汚れや既に塗布した液剤を極力除去することなく、適切な処置を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る塗布具の一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態の塗布具1は、図1に示すように、容器2の口部側に取り付けられて使用されるものであり、容器2内に貯留された液剤Wを被塗布面Xに塗布するものである。なお、本実施形態では、液剤Wを育毛剤とし、被塗布面Xを頭皮と想定して説明する。
【0015】
容器2は、図1に示すように、樹脂材料等により形成されており、手で握ったときにフィットするように滑らかな曲線を描くように外形が形成されている。容器2の内部には、液剤Wが貯留されている。また、容器2の口部の外周面には、図示しないキャップを取り付けるための雄ねじ2aが形成されている。これにより、未使用時等にキャップを捩じ込んで固定することができ、塗布具1に蓋をすることができるようになっている。
【0016】
塗布具1は、内部が液剤Wを収容する液剤収容室Hとされた本体部3と、収容された液剤Wを流出させる液剤流出孔4と、流出された液剤Wを浸潤によって保持すると共に表面が塗布面5aとされたスポンジ体(液剤保持部材)5と、液剤流出孔4を開閉する弁体6と、多数の突起部7が表面に形成された被覆板8と、を主に備えている。
【0017】
本体部3は、外側筒10と内側筒11とが組み合わさって有頂筒状に構成された部材であり、容器2の口部に嵌り込んだ状態で固定されている。
外側筒10は、樹脂材料等を例えば射出成形により有底筒状に形成されたものであって、底面を容器2側に向けた状態で、容器2の口部内に嵌合固定されている。この際、外側筒10の外周面に形成された鍔部10aが、口部の端部に当接するまで外側筒10が口部内に嵌り込んでいる。これにより、外側筒10は、姿勢が安定して強固に固定されていると共に口部に対して位置決めがなされている。
また、外側筒10の底面の略中心には、容器2側から液剤Wを流入させる流入孔10bが形成されている。これにより、容器2を傾けた時に、容器2内に貯留されている液剤Wが流入孔10bを介して外側筒10の内部に流れ込むようになっている。
【0018】
内側筒11は、樹脂材料等を例えば射出成形により有頂筒状に形成されたものであって、頂面を外側に向けた状態で外側筒10内に嵌合固定されている。この際、内側筒11の外周面に形成された段部11aが、外側筒10の鍔部10aに当接するまで内側筒11が嵌り込んでいる。これにより、内側筒11は、外側筒10と同様に姿勢が安定して強固に固定されていると共に、外側筒10に対して位置決めがなされている。
そして、これら内側筒11と外側筒10とで作り出される内部空間が、上記液剤収容室Hとして機能する。よって、流入孔10bを介して外側筒10の内部に流れ込んだ液剤Wは、この液剤収容室H内に一旦収容された状態となる。
【0019】
また、内側筒11の頂面の略中心には、液剤収容室H内に収容された液剤Wを流出させる上記液剤流出孔4が形成されている。なお、内側筒11の頂面は、本体部3の頂面として機能している。
【0020】
上記スポンジ体5は、シート状に形成されており、内側筒11に形成された液剤流出孔4を覆うように本体部3に取り付けられている。具体的に説明すると、このスポンジ体5は、内側筒11の全体を覆うように被せられた状態で、端部が内側筒11とリング状の外筒12との間に挟みこまれて固定されている。この外筒12は、容器2の口部よりも若干外径が小さく形成されており、内側筒11の外側に嵌め込まれた時に、外側筒10の鍔部10aを内側に隠しながら口部の端部に当接するようになっている。そして、スポンジ体5を内側筒11に被せた後、この外筒12を嵌めこむことで、スポンジ体5を挟み込んで確実に固定できるようになっている。
【0021】
スポンジ体5は、多孔質部材であるので、液剤流出孔4を介して流出されてきた液剤Wが浸潤によって保持されるようになっている。よって、このスポンジ体5を被塗布面Xに押し付けることで、浸潤した液剤Wを被塗布面Xに塗布できるようになっている。なお、スポンジ体5の表面は、液剤Wを塗布する塗布面5aとされている。
【0022】
ところで、上記外筒12には、図1及び図2に示すように、塗布面5aの一部を覆う被覆板8が一体的に形成されている。なお、図2は、図1に示す塗布具1を矢印A方向から見た図である。
この被覆板8の表面は、スポンジ体5の塗布面5aと略同一の面となっており、多数の突起部7が形成されている。この突起部7は、被塗布面Xに刺激を与える(被塗布面Xに対する適切な処置)ことで既に塗布された液剤Wの効能を有効に発揮させるためのものであり、例えば、ニトリルゴム(NBR)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の弾性変形可能な軟材質の材料で形成されている。
【0023】
上記弁体6は、図1に示すように、内側筒11の液剤流出孔4の中心と、外側筒10の流入孔10bの中心とを結ぶ軸線Lに沿って進退自在な状態で液剤流出孔4に挿通されている。
この弁体6は、樹脂材料等によって射出成形されたものであり、液剤流出孔4の内径よりも外径が若干小さい円筒部6aと、該円筒部6aの基端側から末広がり状に形成されたテーパ部6bと、テーパ部6bと外側筒10の底面との間に配置されたばね部6cと、で一体的に形成されている。ばね部6cは、円筒部6a及びテーパ部6bをスポンジ体5に向けて常に付勢している。これにより、テーパ部6bは、液剤流出孔4を塞いで閉状態としている。この際、円筒部6aの先端は、スポンジ体5の裏面に当接した状態となっている。
【0024】
そして、スポンジ体5を被塗布面Xに押し付けた場合には、スポンジ体5の変形と共に円筒部6aが押されて容器2側に移動するようになっている。これにより、テーパ部6bも連られて移動するので、液剤流出孔4から離間して、該液剤流出孔4を開状態にするようになっている。
このように弁体6は、液剤流出孔4を開閉する役割を果すと共に、スポンジ体5を被塗布面Xに押し付けたときに液剤流出孔4を開状態にする役割を果している。
【0025】
ところで、本実態形態では、図2に示すように、スポンジ体5の塗布面5aを平面視した時に被覆板8が弁体6上から外れた位置に形成されている。つまり、被覆板8は、スポンジ体5の中央部分から外れた位置に形成されており、弁体6とは重ならないようになっている。
【0026】
次に、このように構成された塗布具1を利用して、被塗布面Xに液剤Wを塗布する場合と、被塗布面Xに刺激を与えて液剤Wの効能を有効に発揮させる場合とについて、図3及び図4を参照して説明する。
まず、被塗布面Xに液剤Wを塗布する場合には、容器2を手で把持して口部側が下側になるように逆さにする。この時点で、容器2内に貯留されている液剤Wが流入孔10bを介して液剤収容室Hに流れ込み、該収容室H内に一旦収容される。この際、弁体6によって液剤流出孔4は閉じられているので、液剤収容室H内の液剤Wは液剤流出孔4から流れだしてしまうことはない。
【0027】
そして、この状態から、図3に示すようにスポンジ体5の塗布面5aを被塗布面Xに当てた状態でスポンジ体5を押し付ける。すると、スポンジ体5が凹むように変形して弁体6を容器2側に移動させる。これにより、円筒部6a及びテーパ部6bが容器2側に移動するので、液剤流出孔4が開状態になる。よって、液剤収容室H内に収容されている液剤Wが液剤流出孔4からスポンジ体5側に流出する。そして流出した液剤Wは、本体部3の内側筒11とスポンジ体5との間に流れ込むと共に、スポンジ体5に浸潤して保持される。その結果、被塗布面Xに対して液剤Wを塗布することができる。
なお、スポンジ体5には液剤Wが浸潤によって保持されているので、塗布面5aを軽く被塗布面Xに当てることで、少量の液剤Wを塗布することも可能である。
【0028】
しかも、塗布面5aを平面視したときに被覆板8が弁体6上から外れた位置に形成されているので、上述した液剤Wを塗布する動作を行っている際、塗布面5aが被塗布面Xに対してほぼ平らに当たるように真っ直ぐ押し当てることができる。この際、被覆板8が被塗布面Xに当たることがないので、塗布動作だけを確実に行うことができる。
【0029】
ところで、被塗布面Xに液剤Wを塗布した後、或いは、塗布している最中に容器2を傾けることで、図4に示すように速やかに被覆板8の表面を被塗布面Xに当てることができる。そのため、多数の突起部7を利用して被塗布面Xに適度な刺激を与えることができ、既に塗布した液剤Wの効能を有効に発揮させることができる。
特に、スポンジ体5の塗布面5aと同一面内に被覆板8が形成されているので、傾きを変えるだけの僅かなことで、液剤Wを塗布する動作から必要に応じて被塗布面Xに刺激を与える動作に速やかに切り替えることができ、非常に使い易い。
【0030】
また、多数の突起部7を利用して刺激を与えるので、手で直接被塗布面Xに刺激を与える場合とは異なり、既に塗布した液剤Wを拭って除去してしまう可能性が低い。よって、液剤Wを再度塗布する二度手間をなくすことができるうえ、液剤Wを無駄に使用してしまうことを防止することができる。また、手に液剤Wが付着して汚れてしまう不都合もない。
【0031】
このように本実施形態の塗布具1によれば、被塗布面Xに液剤Wを塗布した後、或いは、塗布している最中に、必要に応じて速やかに被塗布面Xに刺激を与えて液剤Wの効能を有効に発揮させることができる。特に、傾きを変えるだけの僅かなことで被塗布面Xに刺激を与える動作に切り替えることができるので、使い易さに優れている。
【0032】
しかも本実施形態では、被覆板8が弁体6上から外れた位置に形成されているので、被塗布面Xに液剤Wを塗布する動作から被塗布面Xに刺激を与える動作に切り替える際に、傾きを最少限変えるだけで瞬時にしかも明確に切り替えることができる。この点においても、使い易さに優れている。しかも、瞬時に動作を切り替えることができるので、塗布したばかりの新しい液剤Wの効能を速やかに発揮させることができる。
加えて、被覆板8を被塗布面Xに当てて多数の突起部7で刺激を与えている場合には、図4に示すように、弁体6が元の状態に戻って液剤流出孔4を閉状態にしている。そのため、刺激を与えている最中に、液剤Wを液剤収容室Hから無駄に流出させてしまうことを防止することができる。
【0033】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0034】
例えば、上記実施形態では、塗布面5aを平面視したときに被覆板8を弁体6上から外れた位置に形成したが、このような位置関係に限定されるものではない。少なくとも塗布面5aの一部を覆うのであれば、被覆板8は自由な位置に形成して構わない。
【0035】
また、上記実施形態では、液剤Wを育毛剤、被塗布面Xを頭皮と想定し、多数の突起部7を利用して被塗布面Xに適度な刺激を与えることで液剤Wの効能を有効に発揮させる場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、液剤Wとして接着剤、糊或いはマニキュア等を採用した場合には、多数の突起部7を利用して被塗布面Xを事前に荒らすことで、液剤Wの接着性を高めることができる。
このように本発明に係る塗布具1によれば、多数の突起部7を利用して、液剤Wの種類に応じた適切な処置を被塗布面Xに対して自在に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る塗布具の一実施形態を示す図であって、塗布具が容器の口部側に設けられた容器全体の側面図(一部断面図)である。
【図2】図1に示す塗布具を矢印A方向から見た図である。
【図3】図1に示す塗布具を利用して被塗布面に液剤を塗布している状態を示す図である。
【図4】図3に示す状態から塗布具を傾けて、多数の突起部を利用して被塗布面に刺激を与えている状態を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
H…液剤収容室
W…液剤
X…被塗布面
1…塗布具
3…本体部
4…液剤流出孔
5…スポンジ体(液剤保持部材)
5a…塗布面
6…弁体
7…突起部
8…被覆板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液剤を被塗布面に塗布する塗布具であって、
内部が前記液剤を収容する液剤収容室とされると共に、液剤収容室内の液剤を流出させる液剤流出孔が頂面に形成された有頂筒状の本体部と、
前記液剤流出孔を覆うように前記本体部に取り付けられ、流出された前記液剤を浸潤によって保持すると共に表面が塗布面とされた液剤保持部材と、
前記液剤流出孔を開閉可能に設けられ、前記液剤保持部材を前記被塗布面に押し付けたときに液剤流出孔を開状態にする弁体と、
前記塗布面の一部を覆うように設けられ、多数の突起部が表面に形成された被覆板と、を備えていることを特徴とする塗布具。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布具において、
前記被覆板は、前記塗布面を平面視したときに前記弁体上から外れた位置に設けられていることを特徴とする塗布具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−268536(P2009−268536A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119409(P2008−119409)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】