塗布装置及び塗布方法、並びに、塗布ノズル
【課題】微粒子を含むエアロゾルを基板に吹きつけ、構造物を基板上に形成させることによって基板と構造物からなる複合構造物を短時間であり、かつ、大面積に特定のパターンで作製する塗布装置及び塗布方法、並びに、塗布ノズルを提供すること。
【解決手段】第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること。
【解決手段】第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子を含むエアロゾルを基板に吹きつけ、構造物を基板上に形成させることによって基板と構造物からなる複合構造物を大面積で特定のパターンで作製する塗布装置及び塗布方法、並びに、塗布ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大面積構造物の成膜方法として、特殊な形状を有する複合構造物形成用ノズルが数多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、特許文献1に記載された従来例の大面積構造物の成膜方法を示すものである。
【0004】
図10において、ノズル31は、板状部材312(他方の板状部材は図示せず)を張り合わせてなり、一方の板状部材312の表面には一端が1個に導出開口32で他端が3個の導入開口33となる溝313が形成されている。
【0005】
この溝313は、3本に分岐した上流部分313aと1本に合流した下流部分313bからなり、上流部分313aについては、下流側に向かって(Z方向に向かって)、短辺方向(X方向)の寸法が徐々に小さくなり、長辺方向(Y方向)の寸法が徐々に大きくなるように構成されている。しかも、上流側部分313aではエアロゾル通過空間の断面積が下流側に向かって除々に狭くなるようにしていることで、広い幅で均一な濃度のエアロゾルを噴射する複合構造物形成用ノズルを提案している。
【0006】
また、マスクを使用して特定のパターンを有する成膜方法についても様々な方法が数多く提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
図11は、特許文献2に記載された特定のパターンでの成膜方法を示すものである。
【0008】
図11において、パターン形成手段であるマスク20は開口部204を有する金属材料または無機材料からなる基体202の表面に、マスクの変形を抑えるために、材料の塑性変形分を考慮したダイナミック難さDHv2が40以上の80以下の樹脂、グリース、ワックス、ワセリン、ロウ、エストラマー、動物性油脂の郡から選ばれる少なくとも1種の材料で被覆した層203をもって構成され、被覆層203をノズル201に対面するように配置する。
【0009】
ノズル201より噴射される微粒子束はマスク20の開口部204を通過して、基材205に衝突し、例えば図11に示されるような大小の角型の形状など、所望の形状の特定パターンを有する複合構造物206が形成される複合構造物形成装置を提案している。
【0010】
また、マスクを使用することなく特定のパターンを有する成膜方法についても様々な方法が数多く提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
図12は、特許文献3に記載された特定のパターンでの成膜方法を示すものである。
【0012】
超微粒子生成室で生成された超微粒子を、キャリアガスとともに搬送管を通して膜形成室に導き、膜形成室内のステージに設置された基板10上に垂直な姿勢で配置したノズルNを通じて噴射し成膜するガスデポジション法を用い、膜形成室内へ超微粒子を噴射するノズルNの近傍両端にガスを噴射するガス噴射ノズル14を設け、ガス噴射ノズル14より噴射されたガスの流れ18により進行方向を流れ11、12から変えた超微粒子を含むキャリアガスの流れ19を基板10に衝突させて、該基板10上に超微粒子膜の描画ライン17を形成する超微粒子膜製造装置及び超微粒子膜の形成方法を提案している。
【特許文献1】特開2003−251227号公報(第5貢、図3)
【特許文献2】特開2005−238155号公報(第8貢、図2)
【特許文献3】特開2003−089866号公報(第6貢、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来例の特許文献1に記載の方法では、大面積での成膜は行えるが、パターン形成にはマスクを使用しているため、従来例の特許文献2に記載の成膜方法と同様の課題が生じる。即ち、マスクの使用は、工程の増加、トータルでのタクトタイムの増加になりコストの点で好ましくない。また、何れの特許文献1,2においては、マスクの長時間使用の劣化現象、材料のロスについては何ら言及されていない。
【0014】
更に、特許文献3に記載の成膜方法では、ガス噴射ノズルからエアロゾルに向けてエアを噴射した際にエアロゾルの流れを制御することを狙いとしているが、エアロゾル噴射の流れとガス噴射の流れの方向について言及しておらず、互いの流れの方向が異なった場合にはエアロゾル噴射の流れに乱れが生じ、結果パターンの精度悪化、膜厚にバラつきが生じるという問題があった。また、大面積の複数のラインを持つストライプ形状を形成する際に基板ステージの移動精度によりラインの幅にバラつきが生じる、加工に時間がかかるなどの問題があった。
【0015】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、微粒子を含むエアロゾルを基板に吹きつけ、構造物を基板上に形成させることによって基板と構造物からなる複合構造物を短時間であり、かつ、大面積に高精度でバラつきが少ない特定パターンを作製することが可能な塗布装置及び塗布方法、並びに、塗布ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の塗布装置は、第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルと、前記複数の噴射口にガスを供給するガス供給手段と、前記塗布ノズルを内部に保持するチャンバと、前記チャンバ内に配置されかつ基板を保持する保持台と、前記チャンバのガスを排気する排気ポンプを有する塗布装置において、前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であることを特徴とするものである。
【0017】
本構成によって、同一のノズルからエアロゾルとガスを噴射させるため、ほぼ平行にエアロゾルガスにガスを噴射できるためエアロゾルの流れに乱れが生じずることなく、エアロゾルガスの流れを制御することができる。
【0018】
なお、本発明の塗布方法は、チャンバ内に配置され、かつ、交互に隣接して設けられた第1及び第2ガスの複数の噴射口からガスを噴射しながら排気し、前記チャンバ内に配置された基板に構造物を形成させる塗布方法であって、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であることに特徴があり、更に、塗布ノズルには、第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルであって、前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であるという特徴も有する。
【発明の効果】
【0019】
従来の装置およびノズルでは、マスクによるパターン形成では100時間以上の材質劣化によるパターン精度の劣化や材料利用率が問題になること、ガス噴射ノズルを用いてパターン形成では、開口部がひとつのノズル単体では一般的に幅3mm程度が限界であり、10μmの膜厚で10mm×10mmの大きさの基板の場合、3回に分けて幅方向に移動して成膜を行うため、9分の時間が掛かっていた。
【0020】
本発明では、微粒子を含むエアロゾルを基板に吹きつけ、構造物を基板上に形成させることによって基板と構造物からなる複合構造物を従来と比較して、3分の1の時間で成膜、従来方法に比べて精度良く10mm幅以上の大面積で特定のパターンで作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る複合構造物作製装置1(以下、単に「塗布装置1」と称する場合もある。)を示す様式図である。
【0023】
この複合構造物作製装置1は、原料の粉体を含むエアロゾルを基板に吹き付けることによって原料を堆積させるエアロゾルデポジッション(AD:Aerosol Deposition)法を用いた装置である。
【0024】
図1に示す複合構造物作製装置1は、複数のエアロゾル生成室2,成膜チャンバ3,ガスのみを供給するコンプレッサー4を有している。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊する固体または液体の微粒子のことを言う。
【0025】
エアロゾル生成室2は、成膜材料の粉体が配置される場所であり、ここでエアロゾルの生成が行われる。エアロゾル生成室2に配置された原料をキャリアガスによって吹き上げることにより、エアロゾルが生成される。このキャリアガスとしては、乾燥空気、窒素ガス、アルゴンガス、酸素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。生成されたエアロゾルはエアロゾルガス搬送管を通って成膜チャンバ3に導入される。
【0026】
成膜チャンバ3には、基板5aを保持する保持台5bと、エアロゾルガスとガスの噴射口7,8を複数備え、エアロゾルガス噴射口7とエアロゾルガス噴射口8は交互に隣接して配置された塗布ノズル6が設けられている(図2)。この塗布ノズル6は、エアロゾルガス噴射口7の導出部開口7aの断面積は、エアロゾルガス噴射口7の導入部開口部7bの断面積以上であり、また、エアロゾルガス噴射口8の導出部開口8aの断面積はエアゾルガス噴射口8の導入部開口8bの断面積以上であることを特徴とするものである。
【0027】
また、成膜チャンバ3の内部は、排気ポンプ9により所定の圧力となるよう減圧されている。ノズル開口部の形状としては、特に限定されるものではないが、規則的配列を形成できる形状である正方形、長方形、円形、楕円、3角形、5角形、6角形であることが好ましく、正方形、長方形、円形、楕円であることが望ましい。
【0028】
(実施例1)
図1及び図2に示す複合構造物作製装置1において、ノズル形状によりパターン精度の差を調べた。
【0029】
図2で示すように具体的なノズル6の形状として、エアロゾルガス噴射口7の導入開口部7bは2.0mm×1.0mmの矩形であり、エアロゾルガス噴射口の導出部開口7aは3.0mm×1.0mmの矩形であり、エアロゾルガス噴射口7が3口あるものである。また、ガス噴射口の導入部開口8bは0.5mm×1.0mmの矩形であり、ガス噴射口の導出部開口8aは1.0mm×1.0mmの矩形であり、ガス噴射口8が4口有するものである。
【0030】
エアロゾル微粒子材料としては、酸化アルミニウムを選定した。具体的には純度99%以上、平均粒子径0.5μmのα−アルミナを用いた。またガス噴射口8、エアロゾル噴射口7から噴射されるガス、及び、微粒子のキャリアガスにアルゴンArを用いて、膜厚10μm幅2〜3mmの3つのライン形成を行った。
【0031】
成膜条件は以下の通りである。
・成膜チャンバ内圧力:100Pa
・エアロゾル噴射口におけるAr流量:36L/min
・ガス噴射口におけるAr流量:21L/min
・ノズル−基板距離:2mm
【0032】
(比較例1)
ガス噴射口8の機構が無いこと以外は実施例1と同様の条件で比較例1のライン形成を行った。
【0033】
(比較例2)
上記特許文献2に記載の方法で、ガス噴射ノズルを基板との間に10°程度の角度をつけて設置した以外は実施例1と同様の条件で比較例1の1つのライン形成を行った。
【0034】
以上の条件で、膜厚の分布を比較した。図3は、幅方向の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0035】
以上の結果より、本実施例によれば、短時間で大面積の複数のライン描画したときにおいてもラインの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。このように、従来例に比べて大面積で精密なパターン膜となったのは、エアロゾル噴流の流れに平行な流れであるガス噴流で制御したためだと考えられる。以下、上記理由について詳しく説明する。
【0036】
比較例のエアロゾルガスの流れとガスの流れの方向が異なっているため、お互いに衝突しエアロゾル噴射の流れに乱れが生じた。同一のノズルからエアロゾルとガスを噴射させるため、ほぼ平行にエアロゾルガスにガスを噴射できるためエアロゾルの流れに乱れが生じず、精密なパターン膜になったと考えられる。
【0037】
(比較例3)
ガス噴射口の導入部開口部8bの1.0mm×1.0mmの矩形に変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例3のライン形成を行った。
【0038】
(比較例4)
ガス噴射口の導入部開口部8bの0.75mm×1.0mmの矩形に変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例4のライン形成を行った。
【0039】
以上の条件で、膜厚の分布を比較した。図4は、幅方向の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0040】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス噴射口の導入部開口よりガス噴射口導出部開口の面積を大きくすることでライン描画したときにラインの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【0041】
(比較例5)
ガス噴射口におけるAr流量:7L/minに変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例5のライン形成を行った。
【0042】
(比較例6)
ガス噴射口におけるAr流量:14L/minに変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例6のライン形成を行った。
【0043】
以上の条件で、断面の膜厚の分布を比較した。図5は、幅方向の断面の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0044】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス流量の値を一定以上にすることで、ライン描画したときにラインの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【0045】
(実施例2)
ノズル開口部の配列を図6に示す形状に、図1及び図2に示す複合構造物作製装置1において、ガスノズルの効果を調べた。
【0046】
図6で示すように具体的なノズル6の形状として、エアロゾルガス噴射口7の導入開口部7bの形状は1辺が0.75mmの正六角形であり、エアロゾルガス噴射口の導出部開口7aの形状は1辺が1mmの正六角形であり、エアロゾルガス噴射口7が6口あるものである。また、ガス噴射口の導入部開口8bの形状は1辺が0.75mmの正六角形であり、ガス噴射口の導出部開口8aの形状は1辺が1mmの正六角形であり、ガス噴射口8が13口あるものである。
【0047】
エアロゾル微粒子材料としては、酸化アルミニウムを選定した。具体的には純度99%以上、平均粒子径0.5μmのα−アルミナを用いた。またガス噴射口8、エアロゾル噴射口7から噴射されるガス及び、微粒子のキャリアガスにアルゴンArを用いて、膜厚10μmのパターン形成を行った。
【0048】
成膜条件は以下の通りである。
・成膜チャンバ内圧力:100Pa
・エアロゾル噴射口におけるAr流量:46L/min
・ガス噴射口におけるAr流量:78L/min
・ノズル−基板距離:2mm
【0049】
(比較例7)
ガス噴射口8の機構が無いこと以外は実施例2と同様の条件で比較例7のパターン形成を行った。
【0050】
以上の条件で、断面の膜厚の分布を比較した。図7は、幅方向の断面積の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0051】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス噴射口の導入部開口よりガス噴射口導出部開口の面積を大きくすることでライン描画したときにパターンの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【0052】
(実施例3)
次に、ノズル開口部の配列を図8に示す形状に変更した以外は実施例2と同様の条件で比較例8のパターン形成を行った。
【0053】
(比較例8)
ガス噴射口8の機構が無いこと以外は実施例2と同様の条件で比較例8のパターン形成を行った。
【0054】
以上の条件で、断面の膜厚の分布を比較した。図9は、幅方向の断面積の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0055】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス噴射口の導入部開口よりガス噴射口導出部開口の面積を大きくすることでライン描画したときにパターンの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の複合構造物作製装置及びこれに組み込まれるノズルは、複合構造物を短時間、大面積で特定のパターンで作成し、配線やバンプ等電気的な素子、セラミックコンデンサー、電池等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態で用いた複合構造物作製装置の構成を示す概略図
【図2】本発明の実施例1に用いたノズルの構成を示す概略図
【図3】本発明のガス噴射ノズルの設置角度による幅方向の厚みの変化を示す図
【図4】本発明のガス噴射ノズルの形状による幅方向の厚みの変化を示す図
【図5】本発明のガス噴射ノズルの流量による幅方向の厚みの変化を示す図
【図6】本発明の噴射ノズルの形状断面図
【図7】本発明のガス噴射の効果を比較した図
【図8】本発明の噴射ノズルの形状断面図
【図9】本発明のガス噴射の効果を比較した図
【図10】特許文献1に記載の従来例を示す図
【図11】特許文献2に記載の従来例を示す図
【図12】特許文献3に記載の従来例を示す図
【符号の説明】
【0058】
1 複合構造物作製装置(塗布装置)
2 エアロゾル生成室
3 成膜チャンバ
4 コンプレッサー
5a 基板
5b 保持台
6 ノズル(塗布ノズル)
7 エアロゾルガス噴射口
7a エアロゾルガス噴射口の導出部開口
7b エアロゾルガス噴射口の導入部開口部
8 (エアロゾル)ガス噴射口
8a ガス噴射口の導出部開口
8b ガス噴射口の導入部開口部
9 排気ポンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子を含むエアロゾルを基板に吹きつけ、構造物を基板上に形成させることによって基板と構造物からなる複合構造物を大面積で特定のパターンで作製する塗布装置及び塗布方法、並びに、塗布ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大面積構造物の成膜方法として、特殊な形状を有する複合構造物形成用ノズルが数多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、特許文献1に記載された従来例の大面積構造物の成膜方法を示すものである。
【0004】
図10において、ノズル31は、板状部材312(他方の板状部材は図示せず)を張り合わせてなり、一方の板状部材312の表面には一端が1個に導出開口32で他端が3個の導入開口33となる溝313が形成されている。
【0005】
この溝313は、3本に分岐した上流部分313aと1本に合流した下流部分313bからなり、上流部分313aについては、下流側に向かって(Z方向に向かって)、短辺方向(X方向)の寸法が徐々に小さくなり、長辺方向(Y方向)の寸法が徐々に大きくなるように構成されている。しかも、上流側部分313aではエアロゾル通過空間の断面積が下流側に向かって除々に狭くなるようにしていることで、広い幅で均一な濃度のエアロゾルを噴射する複合構造物形成用ノズルを提案している。
【0006】
また、マスクを使用して特定のパターンを有する成膜方法についても様々な方法が数多く提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
図11は、特許文献2に記載された特定のパターンでの成膜方法を示すものである。
【0008】
図11において、パターン形成手段であるマスク20は開口部204を有する金属材料または無機材料からなる基体202の表面に、マスクの変形を抑えるために、材料の塑性変形分を考慮したダイナミック難さDHv2が40以上の80以下の樹脂、グリース、ワックス、ワセリン、ロウ、エストラマー、動物性油脂の郡から選ばれる少なくとも1種の材料で被覆した層203をもって構成され、被覆層203をノズル201に対面するように配置する。
【0009】
ノズル201より噴射される微粒子束はマスク20の開口部204を通過して、基材205に衝突し、例えば図11に示されるような大小の角型の形状など、所望の形状の特定パターンを有する複合構造物206が形成される複合構造物形成装置を提案している。
【0010】
また、マスクを使用することなく特定のパターンを有する成膜方法についても様々な方法が数多く提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
図12は、特許文献3に記載された特定のパターンでの成膜方法を示すものである。
【0012】
超微粒子生成室で生成された超微粒子を、キャリアガスとともに搬送管を通して膜形成室に導き、膜形成室内のステージに設置された基板10上に垂直な姿勢で配置したノズルNを通じて噴射し成膜するガスデポジション法を用い、膜形成室内へ超微粒子を噴射するノズルNの近傍両端にガスを噴射するガス噴射ノズル14を設け、ガス噴射ノズル14より噴射されたガスの流れ18により進行方向を流れ11、12から変えた超微粒子を含むキャリアガスの流れ19を基板10に衝突させて、該基板10上に超微粒子膜の描画ライン17を形成する超微粒子膜製造装置及び超微粒子膜の形成方法を提案している。
【特許文献1】特開2003−251227号公報(第5貢、図3)
【特許文献2】特開2005−238155号公報(第8貢、図2)
【特許文献3】特開2003−089866号公報(第6貢、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来例の特許文献1に記載の方法では、大面積での成膜は行えるが、パターン形成にはマスクを使用しているため、従来例の特許文献2に記載の成膜方法と同様の課題が生じる。即ち、マスクの使用は、工程の増加、トータルでのタクトタイムの増加になりコストの点で好ましくない。また、何れの特許文献1,2においては、マスクの長時間使用の劣化現象、材料のロスについては何ら言及されていない。
【0014】
更に、特許文献3に記載の成膜方法では、ガス噴射ノズルからエアロゾルに向けてエアを噴射した際にエアロゾルの流れを制御することを狙いとしているが、エアロゾル噴射の流れとガス噴射の流れの方向について言及しておらず、互いの流れの方向が異なった場合にはエアロゾル噴射の流れに乱れが生じ、結果パターンの精度悪化、膜厚にバラつきが生じるという問題があった。また、大面積の複数のラインを持つストライプ形状を形成する際に基板ステージの移動精度によりラインの幅にバラつきが生じる、加工に時間がかかるなどの問題があった。
【0015】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、微粒子を含むエアロゾルを基板に吹きつけ、構造物を基板上に形成させることによって基板と構造物からなる複合構造物を短時間であり、かつ、大面積に高精度でバラつきが少ない特定パターンを作製することが可能な塗布装置及び塗布方法、並びに、塗布ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の塗布装置は、第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルと、前記複数の噴射口にガスを供給するガス供給手段と、前記塗布ノズルを内部に保持するチャンバと、前記チャンバ内に配置されかつ基板を保持する保持台と、前記チャンバのガスを排気する排気ポンプを有する塗布装置において、前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であることを特徴とするものである。
【0017】
本構成によって、同一のノズルからエアロゾルとガスを噴射させるため、ほぼ平行にエアロゾルガスにガスを噴射できるためエアロゾルの流れに乱れが生じずることなく、エアロゾルガスの流れを制御することができる。
【0018】
なお、本発明の塗布方法は、チャンバ内に配置され、かつ、交互に隣接して設けられた第1及び第2ガスの複数の噴射口からガスを噴射しながら排気し、前記チャンバ内に配置された基板に構造物を形成させる塗布方法であって、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であることに特徴があり、更に、塗布ノズルには、第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルであって、前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であるという特徴も有する。
【発明の効果】
【0019】
従来の装置およびノズルでは、マスクによるパターン形成では100時間以上の材質劣化によるパターン精度の劣化や材料利用率が問題になること、ガス噴射ノズルを用いてパターン形成では、開口部がひとつのノズル単体では一般的に幅3mm程度が限界であり、10μmの膜厚で10mm×10mmの大きさの基板の場合、3回に分けて幅方向に移動して成膜を行うため、9分の時間が掛かっていた。
【0020】
本発明では、微粒子を含むエアロゾルを基板に吹きつけ、構造物を基板上に形成させることによって基板と構造物からなる複合構造物を従来と比較して、3分の1の時間で成膜、従来方法に比べて精度良く10mm幅以上の大面積で特定のパターンで作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る複合構造物作製装置1(以下、単に「塗布装置1」と称する場合もある。)を示す様式図である。
【0023】
この複合構造物作製装置1は、原料の粉体を含むエアロゾルを基板に吹き付けることによって原料を堆積させるエアロゾルデポジッション(AD:Aerosol Deposition)法を用いた装置である。
【0024】
図1に示す複合構造物作製装置1は、複数のエアロゾル生成室2,成膜チャンバ3,ガスのみを供給するコンプレッサー4を有している。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊する固体または液体の微粒子のことを言う。
【0025】
エアロゾル生成室2は、成膜材料の粉体が配置される場所であり、ここでエアロゾルの生成が行われる。エアロゾル生成室2に配置された原料をキャリアガスによって吹き上げることにより、エアロゾルが生成される。このキャリアガスとしては、乾燥空気、窒素ガス、アルゴンガス、酸素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。生成されたエアロゾルはエアロゾルガス搬送管を通って成膜チャンバ3に導入される。
【0026】
成膜チャンバ3には、基板5aを保持する保持台5bと、エアロゾルガスとガスの噴射口7,8を複数備え、エアロゾルガス噴射口7とエアロゾルガス噴射口8は交互に隣接して配置された塗布ノズル6が設けられている(図2)。この塗布ノズル6は、エアロゾルガス噴射口7の導出部開口7aの断面積は、エアロゾルガス噴射口7の導入部開口部7bの断面積以上であり、また、エアロゾルガス噴射口8の導出部開口8aの断面積はエアゾルガス噴射口8の導入部開口8bの断面積以上であることを特徴とするものである。
【0027】
また、成膜チャンバ3の内部は、排気ポンプ9により所定の圧力となるよう減圧されている。ノズル開口部の形状としては、特に限定されるものではないが、規則的配列を形成できる形状である正方形、長方形、円形、楕円、3角形、5角形、6角形であることが好ましく、正方形、長方形、円形、楕円であることが望ましい。
【0028】
(実施例1)
図1及び図2に示す複合構造物作製装置1において、ノズル形状によりパターン精度の差を調べた。
【0029】
図2で示すように具体的なノズル6の形状として、エアロゾルガス噴射口7の導入開口部7bは2.0mm×1.0mmの矩形であり、エアロゾルガス噴射口の導出部開口7aは3.0mm×1.0mmの矩形であり、エアロゾルガス噴射口7が3口あるものである。また、ガス噴射口の導入部開口8bは0.5mm×1.0mmの矩形であり、ガス噴射口の導出部開口8aは1.0mm×1.0mmの矩形であり、ガス噴射口8が4口有するものである。
【0030】
エアロゾル微粒子材料としては、酸化アルミニウムを選定した。具体的には純度99%以上、平均粒子径0.5μmのα−アルミナを用いた。またガス噴射口8、エアロゾル噴射口7から噴射されるガス、及び、微粒子のキャリアガスにアルゴンArを用いて、膜厚10μm幅2〜3mmの3つのライン形成を行った。
【0031】
成膜条件は以下の通りである。
・成膜チャンバ内圧力:100Pa
・エアロゾル噴射口におけるAr流量:36L/min
・ガス噴射口におけるAr流量:21L/min
・ノズル−基板距離:2mm
【0032】
(比較例1)
ガス噴射口8の機構が無いこと以外は実施例1と同様の条件で比較例1のライン形成を行った。
【0033】
(比較例2)
上記特許文献2に記載の方法で、ガス噴射ノズルを基板との間に10°程度の角度をつけて設置した以外は実施例1と同様の条件で比較例1の1つのライン形成を行った。
【0034】
以上の条件で、膜厚の分布を比較した。図3は、幅方向の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0035】
以上の結果より、本実施例によれば、短時間で大面積の複数のライン描画したときにおいてもラインの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。このように、従来例に比べて大面積で精密なパターン膜となったのは、エアロゾル噴流の流れに平行な流れであるガス噴流で制御したためだと考えられる。以下、上記理由について詳しく説明する。
【0036】
比較例のエアロゾルガスの流れとガスの流れの方向が異なっているため、お互いに衝突しエアロゾル噴射の流れに乱れが生じた。同一のノズルからエアロゾルとガスを噴射させるため、ほぼ平行にエアロゾルガスにガスを噴射できるためエアロゾルの流れに乱れが生じず、精密なパターン膜になったと考えられる。
【0037】
(比較例3)
ガス噴射口の導入部開口部8bの1.0mm×1.0mmの矩形に変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例3のライン形成を行った。
【0038】
(比較例4)
ガス噴射口の導入部開口部8bの0.75mm×1.0mmの矩形に変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例4のライン形成を行った。
【0039】
以上の条件で、膜厚の分布を比較した。図4は、幅方向の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0040】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス噴射口の導入部開口よりガス噴射口導出部開口の面積を大きくすることでライン描画したときにラインの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【0041】
(比較例5)
ガス噴射口におけるAr流量:7L/minに変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例5のライン形成を行った。
【0042】
(比較例6)
ガス噴射口におけるAr流量:14L/minに変更した以外は実施例1と同様の条件で比較例6のライン形成を行った。
【0043】
以上の条件で、断面の膜厚の分布を比較した。図5は、幅方向の断面の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0044】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス流量の値を一定以上にすることで、ライン描画したときにラインの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【0045】
(実施例2)
ノズル開口部の配列を図6に示す形状に、図1及び図2に示す複合構造物作製装置1において、ガスノズルの効果を調べた。
【0046】
図6で示すように具体的なノズル6の形状として、エアロゾルガス噴射口7の導入開口部7bの形状は1辺が0.75mmの正六角形であり、エアロゾルガス噴射口の導出部開口7aの形状は1辺が1mmの正六角形であり、エアロゾルガス噴射口7が6口あるものである。また、ガス噴射口の導入部開口8bの形状は1辺が0.75mmの正六角形であり、ガス噴射口の導出部開口8aの形状は1辺が1mmの正六角形であり、ガス噴射口8が13口あるものである。
【0047】
エアロゾル微粒子材料としては、酸化アルミニウムを選定した。具体的には純度99%以上、平均粒子径0.5μmのα−アルミナを用いた。またガス噴射口8、エアロゾル噴射口7から噴射されるガス及び、微粒子のキャリアガスにアルゴンArを用いて、膜厚10μmのパターン形成を行った。
【0048】
成膜条件は以下の通りである。
・成膜チャンバ内圧力:100Pa
・エアロゾル噴射口におけるAr流量:46L/min
・ガス噴射口におけるAr流量:78L/min
・ノズル−基板距離:2mm
【0049】
(比較例7)
ガス噴射口8の機構が無いこと以外は実施例2と同様の条件で比較例7のパターン形成を行った。
【0050】
以上の条件で、断面の膜厚の分布を比較した。図7は、幅方向の断面積の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0051】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス噴射口の導入部開口よりガス噴射口導出部開口の面積を大きくすることでライン描画したときにパターンの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【0052】
(実施例3)
次に、ノズル開口部の配列を図8に示す形状に変更した以外は実施例2と同様の条件で比較例8のパターン形成を行った。
【0053】
(比較例8)
ガス噴射口8の機構が無いこと以外は実施例2と同様の条件で比較例8のパターン形成を行った。
【0054】
以上の条件で、断面の膜厚の分布を比較した。図9は、幅方向の断面積の膜厚をレーザー変位計で計測した結果を示すものである。
【0055】
以上の結果より、本実施例によれば、ガス噴射口の導入部開口よりガス噴射口導出部開口の面積を大きくすることでライン描画したときにパターンの平坦性、エッジ性に効果があることが可能になった。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の複合構造物作製装置及びこれに組み込まれるノズルは、複合構造物を短時間、大面積で特定のパターンで作成し、配線やバンプ等電気的な素子、セラミックコンデンサー、電池等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態で用いた複合構造物作製装置の構成を示す概略図
【図2】本発明の実施例1に用いたノズルの構成を示す概略図
【図3】本発明のガス噴射ノズルの設置角度による幅方向の厚みの変化を示す図
【図4】本発明のガス噴射ノズルの形状による幅方向の厚みの変化を示す図
【図5】本発明のガス噴射ノズルの流量による幅方向の厚みの変化を示す図
【図6】本発明の噴射ノズルの形状断面図
【図7】本発明のガス噴射の効果を比較した図
【図8】本発明の噴射ノズルの形状断面図
【図9】本発明のガス噴射の効果を比較した図
【図10】特許文献1に記載の従来例を示す図
【図11】特許文献2に記載の従来例を示す図
【図12】特許文献3に記載の従来例を示す図
【符号の説明】
【0058】
1 複合構造物作製装置(塗布装置)
2 エアロゾル生成室
3 成膜チャンバ
4 コンプレッサー
5a 基板
5b 保持台
6 ノズル(塗布ノズル)
7 エアロゾルガス噴射口
7a エアロゾルガス噴射口の導出部開口
7b エアロゾルガス噴射口の導入部開口部
8 (エアロゾル)ガス噴射口
8a ガス噴射口の導出部開口
8b ガス噴射口の導入部開口部
9 排気ポンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルと、前記複数の噴射口にガスを供給するガス供給手段と、前記塗布ノズルを内部に保持するチャンバと、前記チャンバ内に配置されかつ基板を保持する保持台と、前記チャンバのガスを排気する排気ポンプを有する塗布装置において、
前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること
を特徴とする塗布装置。
【請求項2】
第1ガスの導出部開口での断面積は、第2ガスの導出部開口での断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は、互いに蜂の巣状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項4】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項5】
チャンバ内に配置され、かつ、交互に隣接して設けられた第1及び第2ガスの複数の噴射口からガスを噴射しながら排気し、前記チャンバ内に配置された基板に構造物を形成させる塗布方法であって、
第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること
を特徴とする塗布方法。
【請求項6】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルであって、
前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること
を特徴とする塗布ノズル。
【請求項1】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルと、前記複数の噴射口にガスを供給するガス供給手段と、前記塗布ノズルを内部に保持するチャンバと、前記チャンバ内に配置されかつ基板を保持する保持台と、前記チャンバのガスを排気する排気ポンプを有する塗布装置において、
前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること
を特徴とする塗布装置。
【請求項2】
第1ガスの導出部開口での断面積は、第2ガスの導出部開口での断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は、互いに蜂の巣状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項4】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項5】
チャンバ内に配置され、かつ、交互に隣接して設けられた第1及び第2ガスの複数の噴射口からガスを噴射しながら排気し、前記チャンバ内に配置された基板に構造物を形成させる塗布方法であって、
第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること
を特徴とする塗布方法。
【請求項6】
第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口を複数備える塗布ノズルであって、
前記第1ガスと第2ガスを噴射する噴射口は交互に隣接すると共に、第1ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であり、かつ、第2ガスの噴射口の導出部開口での断面積は、同ガスの導入部開口での断面積以上であること
を特徴とする塗布ノズル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−274381(P2008−274381A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122058(P2007−122058)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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