説明

塗料スラッジを再利用可能塗料に変換するための組成物及び方法

本発明は、利用可能な塗料への塗料スラッジの変換のための組成物、前記組成物の調製方法、並びに廃物塗料スラッジを利用可能な塗料に戻す変換方法に関する。本発明のスラッジ変換方法は、塗料適用システムから回収される環境にとって有害なスラッジを、この塗料スラッジを再利用可能な塗料に変換することによって消費する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料スラッジを再利用可能塗料に変換するための組成物、前記組成物の調製方法、並びに塗料スラッジ廃棄物の利用可能な塗料への変換方法に関する。本発明のスラッジ変換方法は、塗料適用システムから回収される環境にとって有害なスラッジを、この塗料スラッジを再利用可能な塗料に変換することにより消費する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの相手先商標製品の製造会社(OEM's)は、その部品の塗装のためにスプレー技術を利用する。この方法では、塗料を適当な希釈剤と混合/希釈して、必要とされる適用粘度を得る。これは、スプレー法によって塗布ブース内のそれぞれの部品に適用される。スプレー処理の間には、いくらかの塗料がスプレー塗装された部品に付着する。過剰にスプレーされた塗料は廃物として水流に入る。この過剰にスプレーされた廃物塗料は、水流と混合して水流中に存在する綿状物によって凝集する。この水流から、スラッジは浮遊法を利用して回収される。一般的に、このスラッジは産業者によって投棄または焼却されるが、これは環境にとって有害である。典型的には、得られるスラッジは生分解性でないかまたは非常に遅い速度で分解する。従って、こうしたスラッジの投棄または埋立は環境被害をもたらす。このスラッジの燃焼もまた、環境汚染を引き起こす毒性の炎を生じる。従って、塗料スラッジの投棄、埋立、または焼却は、廃棄のための環境にとって安全な方法ではない。従って、塗料スラッジを、こうしたスラッジの塗料成分を分離することによって、少なくとも部分的に再利用可能な塗料に変換することのできる方法を考案することが重要である。これは塗装処理に付随する環境被害を低減する一助となろう。
【0003】
発明者の知る限り、有用な塗料がリサイクル可能であって、同時に環境問題に対処する、塗料スラッジから塗料を回収するための方法は、全く知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主たる目的は、塗料スラッジからの、再利用可能な塗料の回収のために有用な組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、塗料スラッジからの再利用可能な塗料の回収のための、環境に配慮し且つ安価な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記目的及び他の目的は、特定量の溶媒の樹脂との、もしくは樹脂無しの混合物を含む本発明の新規な組成物、並びに塗料スラッジの再利用可能な塗料への変換を可能にするその使用方法によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
従って、本発明は、
(a)含水塗料スラッジに水洗浄を施す工程;
(b)工程(a)の終わりに得られる水洗浄されたスラッジを化学的に処理する工程;
(c)化学的に処理されたスラッジに更に水処理を施す工程;
(d)工程(c)の終わりに得られる含水スラッジにメチルアルコール洗浄を施す工程;
(e)工程(d)の終わりに得られる洗浄されたスラッジから、抽出によって液体量を除去する工程;
(f)工程(e)の終わりに得られるスラッジを乾燥させる工程;
(g)原材料として用いる塗料スラッジのタイプによって1つ以上の溶媒に乾燥スラッジを浸漬し、浸漬されたスラッジを撹拌して均質な混合物を形成させる工程;
(h)前記均質な混合物に第一濾過を施して+100メッシュより大なる粒子を除去する工程;
(i)工程(h)の終わりに得られる濾液に微粉化を施して、粒径を+2乃至+3ヘグマン・ゲージ粒度にまで更に縮小させる工程;
(j)微粉化された粒子に150-200メッシュを使用して更なる濾過を施し、より大きな粒子を除去する工程;
(k)濾液に、1つ以上の樹脂、別の常用の添加剤及び顔料を所望によって添加し、この混合物を粉砕して+3乃至+6ヘグマン・ゲージ粒度の粒径とする工程;
(l)工程(k)の終わりに得られる組成物を、300-400メッシュの範囲の粒径にして再利用可能な塗料を得る工程;
を含む、スラッジの利用可能な塗料形態への変換方法を提供する。
【0007】
本発明の一実施態様では、化学洗浄は、ブース添加物が酸性である場合には重炭酸ナトリウムゾルを、あるいはブース添加物がアルカリ性である場合にはPTSAを用いて行われる。
【0008】
本発明の別の実施態様では、重炭酸ナトリウムゾルはスラッジの3乃至10重量%の量で使用される。
【0009】
本発明の別の実施態様では、パラトルエンスルホン酸が、スラッジの0.2乃至0.5重量%の量で使用される。
【0010】
本発明の別の実施態様では、工程(e)において液体抽出が加圧もしくは遠心分離もしくは穏やかな加熱条件を使用して行われる。
【0011】
本発明の別の実施態様では、加圧スラッジは35-75℃の範囲の温度で乾燥されるかまたはスラッジによって異なる周囲条件及び質で1-72時間に亘って乾燥される。
【0012】
本発明の別の実施態様では、浸漬は1-48時間の範囲の期間に亘って行われる。
【0013】
本発明の別の実施態様では、撹拌は0.5-4時間の範囲の期間に亘って行われる。
【0014】
本発明の別の実施態様では、100メッシュより大なる粒子は、あらゆる通常のペースト化もしくは粉砕手段によって、サイズ縮小のためにリサイクルされる。
【0015】
本発明の別の実施態様では、粉砕はボールミル、磨砕機ミル、または他のあらゆる常用ミルを使用して達成される。
【0016】
本発明の別の実施態様では、工程(j)の終わりに除去される150-200メッシュより大なる粒子は、更にそのサイズを縮小させるために粉砕にリサイクルされる。
【0017】
本発明の別の実施態様では、溶媒はトルエン、オルトキシレン、レニン、C-9/GR-150溶媒、パラキシレン、n-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール、イソブチルアルコール、モスタノール、ブチルアセテート、エチルアセテート、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノール、メチルエチルケトン、ジペンテン、キシレン混合物、ブチルカルビトール、またはこれらのあらゆる混合物からなる群より選択される。
【0018】
本発明の別の実施態様では、塗料スラッジは、アミノアルキドベースの塗料スラッジ、エポキシ塗料スラッジ、アクリルベースの塗料スラッジ、ポリエステルメラミンベースの塗料スラッジ、アミノポリエステル塗料ベースのスラッジ、熱硬化性アクリルスラッジ、尿素ベースのスラッジ、シリコーンベースもしくは変性シリコーンベースの塗料スラッジ、及びアクリル化アルキド塗料スラッジ、またはこれらのあらゆる混合物からなる群より選択される。
【0019】
本発明の別の実施態様では、樹脂は、アミノアルキド、アミノポリエステルもしくはアミノ脂肪酸アルキド、熱硬化性アクリル、アクリル及びメラミン(アミノアクリル)、改質エポキシ、エポキシエステル、アクリル化アルキド、熱可塑性アクリル、シリコーンもしくは変性シリコーン、尿素ホルムアルデヒド、ペトラーゼ樹脂、ニトロセルロース、メラミンホルムアルデヒドからなる群より選択される。
【0020】
本発明の別の実施態様では、常用の添加剤は、硬化防止剤、腐食防止添加剤、増粘剤、分散剤、酸化防止剤、可塑剤、結合剤、光沢増強剤、乾燥剤、及び他のあらゆる常用の特性増進添加剤からなる群より選択される。
【0021】
本発明の別の実施態様では、硬化防止剤は、K Tech India Pvt. Ltd.により製造されるAntil 312から選択され、腐食防止剤はK Tech India Pvt. Ltd.により製造されるK.Cor-463から選択され、分散剤は大豆レシチンから選択され、酸化防止剤はK Tech India Pvt. Ltd.により製造されるK-Anox 1001もしくはその等価物から選択され、可塑剤はジブチルフタレートから選択され、乾燥剤は金属オクテート及び金属ナフタネートから選択され、更に結合剤はカルシウムオクテート、コバルトオクテート、マンガンオクテート等から選択される。
【0022】
本発明の別の実施態様では、顔料は、カオリン、バライト、カルサイト、酸化亜鉛、クロム酸亜鉛、タルク、ケイ素粉末(超微粉砕)、二酸化チタン、カーボンブラック、または他のあらゆる顔料、あるいは常用の着色剤からなる群より選択される。
【0023】
本発明の別の実施態様では、増粘剤は、ベントンゲル、チクソゲル、または他のあらゆるチキソトロピック剤からなる群より選択される。
【0024】
塗料は一般的に以下の物質:
1.樹脂
2.顔料及び増量剤
3.溶媒
4.添加剤
を含む。
全ての成分は、均質な分散状態で存在する。全てが塗料特性においてその特定の役割を有する。過剰にスプレーされた塗料物質は、これら全成分からなるが、溶媒の割合は非常に少ない。水及び綿状物と混合されると、溶媒含量は更に低減されて塗料残渣は小さな液滴になる。小さな液滴の凝集は、塊形成、すなわちスラッジを生じる。
【0025】
幾つかの異なるタイプのスラッジが塗料産業において生産されている。本発明の方法が使用可能である塗料系の中には、エポキシアミノ/フェノール系(単一包装-焼付)系、アルキド-アミノ系、熱硬化性アクリル系、熱可塑性アクリル系がある。スラッジのタイプによって、使用される樹脂は以下:
(a)アミノ-アルキド
(b)アミノポリエステルまたはアミノ制酸剤アルキド
(c)熱硬化性アクリル
(d)アクリル及びメラミン混合物(アミノアクリル)
(e)改質エポキシ
(f)エポキシ及びエポキシエステル
(g)アクリル化アルキド
(h)熱可塑性アクリル
(i)シリコーンベースもしくは変性シリコンベースの塗料スラッジ
(j)尿素ホルムアルデヒド
のいずれか一つまたはあらゆる組み合わせであってよい。
【0026】
本発明によるスラッジの使用可能な塗料形態への変換方法は、含水塗料スラッジに水洗浄を、次いで化学洗浄を施す工程を含む。化学洗浄の間には、ブース添加剤の性質により、処理のために使用される化学品は重炭酸ナトリウムゾル(ブース添加剤が酸性の場合)またはPTSA(ブース添加剤がアルカリ性である場合)であってよい。重炭酸ナトリウムゾルは、好ましくはスラッジの30.5-15重量%の量で使用され、PTSAが使用される場合には0.1-15重量%の量で使用される。
【0027】
化学処理された含水塗料スラッジは、その後水もしくは脱塩水で洗浄され、その後スラッジのタイプによってメチルアルコールまたはエチルアルコールで再度洗浄される。その後スラッジは、液体量を除去するために加圧されるかまたは遠心分離される。液体抽出のあらゆる別の方法、例えば穏やかな加熱もまた実行可能である。液体の抽出後、スラッジを、(そのスラッジ品質により)温度調整式の熱風オーブン中にて35-75℃の範囲の温度で、または周囲温度で2-72時間の期間に亘って乾燥させる。その後、乾燥させたスラッジを浸漬ビンに仕込み、溶媒混合物の組み合わせをここに添加して、前記混合物をスラッジ組成または条件によって1-72時間の範囲の期間に亘って浸漬させる。浸漬させたスラッジをその後撹拌して均質な混合物を形成させる。撹拌もまたスラッジ条件によるが、一般的に0.5-8時間の範囲の期間に亘って行われることを要する。撹拌されたスラッジは、その後篩/100メッシュフィルターで濾過して大型の凝集粒子が除去される。濾過して除去された粒子はリサイクルされ、あらゆる常用のペースト化手段によってサイズを縮小されてよい。その後濾液をミル、例えば磨砕機ミル、ボールミル、または他のあらゆる常用のミルに仕込み、粉砕して+2乃至+3ヘグマン・ゲージ粒度の範囲の粒径とする。粉砕されたスラッジ粒子を、その後150-200メッシュのフィルターで濾過して大型の粒子を除去するが、これは粉砕の工程にリサイクルして良い。その後樹脂もしくは樹脂混合物を、所望の添加剤及び顔料と共に濾液に加え、混合物を再度粉砕して+6ヘグマン・ゲージ粒度とする。ミルは磨砕機ミル、ボールミル、または他のあらゆる常用のミルである。かくして得られた粉砕生成物を300-400メッシュフィルターを通して手動で濾過するかまたはあらゆる自動の濾過手段により濾過して、再利用可能な塗料を得る。
【0028】
汚染物質は処理前に除去される。ブースから得られるスラッジは、塗料残渣、水、油/脂を綿状物(ブース添加剤)と共に含む半固体物質である。水、油/脂、及び綿状物は、塗料特性及びその再利用可能性に有害な影響を及ぼす。この汚染物質は、除去されるかまたは処理に介入してくることを防止されねばならない。酸性特性を有する綿状物は、問題を発生させることによって塗料を損なう。この問題を回避するためには、使用しようとする添加剤は酸性ではなくアルカリ性でなければならない。スラッジへの油/脂の汚染は、スラッジ形成及び回収の処理の間回避されるべきである。水もまたスラッジから除去されるが、これについては処理自体において議論される。
【0029】
本発明は、上記カテゴリーの塗料スラッジの再利用可能な塗料への変換における使用のために、数種類の添加剤を個別にまたは組み合わせて使用する。幾つかの添加剤は異なるタイプの塗料スラッジと共に使用可能であるものの、添加剤の選択は塗料スラッジのタイプに依存する。ここで使用される添加剤には、硬化防止添加剤、例えばAntil-310、NILSET-117、または大豆レシチンが含まれる。使用される別の添加剤には、分散剤としての使用のためのWD-1020またはWD-1040またはRHNOL-G-101またはBYK-410が含まれる。腐食防止添加剤には、K-Cor 463または別の購入可能な腐食防止剤が含まれる。可塑剤は塗料スラッジのタイプによって使用可能であり、DOP-DVPを含む。金属オクテートまたは金属ナフタネートもまたユニベイクもしくはQDベースのプライマーのための乾燥剤として使用可能である。結合剤、例えばPA-51もまた添加剤として使用可能である。
【0030】
変換処理の間、幾つかの顔料を添加して所望のカラーペイントを達成することができる。例えば、カオリン、バライト、カルサイト、酸化亜鉛、クロム酸亜鉛、タルク、ナトリウム(粉末)、二酸化チタン、カーボンブラック、または他のあらゆる常用顔料が添加可能である。変換処理の間、増粘剤、例えばベントンゲル、チキソゲル、または別のチキソトロピック剤もまた添加可能である。
【0031】
使用する樹脂が単一の樹脂または樹脂の組み合わせであって良いことが、本発明の重要な特徴である。
【0032】
ここに、本発明を、以下の実施例を参照して詳説する。本発明の方法が使用可能な塗料系には、エポキシ-アミノ/フェノール系(単一包装-焼付)系、アルキド-アミノ系、熱硬化性アクリル系、熱可塑性アクリル系がある。以下の全ての実施例は、上記の方法に従う。
【実施例】
【0033】
(実施例1)
化学品の名称 化学品の割合
スラッジ 48.58%
IRL-294(エポキシエステル) 10.0-5%
P-101(エポキシ樹脂−Lapox) 3.0-5.0%
カオリン 7.0-12.0%
亜鉛黄 4.0-9.0%
リン酸亜鉛 1.0-4.0%
カーボンブラック 0.1-0.5%
大豆レシチン(添加剤) 0.0-0.5%
チキソゲル(添加剤−BYK-Chemic) 0.2-2.0%
6018(添加剤−Dow Corning) 0.3-0.6%
コバルトオクテート(乾燥剤) 0.2-0.7%
K-Cor 463(添加剤−K. Tech) 0.3-0.6%
尿素ホルムアルデヒド−5813(樹脂) 0.5-1.2%
R-717(メラミン樹脂) 1.5-5.0%
鉛オクテート(乾燥剤−R.K.Metchem) 0.1-0.5%
カルシウムオクテート(乾燥剤) 0.1-0.5%
溶媒組み合わせ:
C-9溶媒 5.0-7.5%
キシレン 20.0-40.0%
イソブチルアルコール 0-15.0%
【0034】
(実施例2)
化学品の名称 化学品の割合
スラッジ 残量
大豆レシチン 0.3-0.8%
P-101(エポキシ樹脂−Lapox) 3.0-9.0%
Petry's Resin 0.7-3.5%
ジペンテン(改質溶媒) 1.0-3.0%
【0035】
(実施例3)
化学品の名称 化学品の割合
スラッジ 58-78%
大豆レシチン 0.3-0.8%
カーボンブラック 0.0-0.3%
ベントンゲル 0.9-3.5%
IRL-294(エポキシエステル−樹脂) 5.0-9.5%
R-584(アルキド樹脂) 4.0-8.0%
カオリン 3.5-8.2%
リン酸亜鉛 5.0-7.5%
BYK-410 0.0-0.4%
K-Cor 463(腐食防止添加剤) 0.0-0.4%
マンガンオクテート(乾燥剤) 0.2-2.0%
コバルトオクテート(乾燥剤) 0.1-2.0%
MF-5802(メラミン樹脂) 0.9-1.8%
DBP(可塑剤) 0.1-2.0%
尿素ホルムアルデヒド−5813(樹脂) 0.5-1.5%
カルシウムオクテート(乾燥剤) 0.5-1.2%
酸化亜鉛 2.3-6.5%
溶媒組み合わせ:
キシレン 75.0-90.0%
ブチルセロソルブ 2.0-15.0%
メチルイソブチルケトン 2.0-10.0%
【0036】
(実施例4)
化学品の名称 化学品の割合
増量剤 41.0-55%
IRL-294(エポキシエステル−樹脂) 4.5-7.5%
Id ester-1004(ポリエステル樹脂) 5.5-8.0%
R-581(アルキド−樹脂) 3.0-5.0%
R-5452(エポキシ樹脂−RPL) 3.0-5.5%
カオリン 11.0-13.0%
亜鉛黄 5.5-7.5%
リン酸亜鉛 6.0-8.0%
コバルトオクテート(乾燥剤) 0.1-0.3%
マンガンオクテート(乾燥剤) 0.05-2.5%
カルシウムオクテート(乾燥剤) 0.05-2.5%
【0037】
(実施例5)
化学品の名称 化学品の割合
スラッジ 55.0-65.0%
R-581(アルキド樹脂) 5.0-8.0%
P-101(メラミン樹脂) 5.0-8.0%
カオリン 10.0-14.0%
ベントンゲル 2.0-5.0%
大豆レシチン 0.2-0.6%
K-Cor 463(添加剤) 0.5-1.0%
マンガンオクテート(乾燥剤) 0.5-1.0%
コバルトオクテート(乾燥剤) 0.5-1.0%
BYK-410(添加剤) 0.05-1.0%
DBP(可塑剤) 0.5-2.5%
酸化亜鉛 3.0-6.0%
リン酸亜鉛 0.5-2.5%
PA-51(10%ゾル)(浮遊防止剤) 0.5-2.5%
溶媒組み合わせ:
メチルイソブチルケトン 0.0-10.0%
ブチルセロソルブ 2.0-9.0%
キシレン 残量
【0038】
(実施例6)
化学品の名称 化学品の割合
スラッジ 40.0-50.0%
R-926(熱硬化性アクリル樹脂) 22.0-32.0%
R-5804(メラミン樹脂) 12.0-19.0%
チキソゲル(浮遊防止剤) 0.9-1.8%
TiO2(二酸化チタン) 2.0-5.0%
リン酸亜鉛 2.0-3.5%
亜鉛黄 0.2-3.5%
カオリン 4.0-8.0%
カーボンブラック 1.0-2.5%
大豆レシチン 0.05-0.35%
K-Cor 463 0.08-0.28%
溶媒組み合わせ:
ジアセトンアルコール 25.0-30.0%
C-9 20.0-30.0%
メチルイソブチルケトン 2.0-10.0%
ブチルセロソルブ 2.0-7.0%
ブチルカルビトール 残量(alternative)
【0039】
(実施例7)
化学品の名称 化学品の割合
スラッジ 4.0-5.5%
R-926(熱硬化性アクリル樹脂) 33.0-42.0%
R-5804(メラミン樹脂−Resin 0) 11.0-15.0%
二酸化チタン 2.0-0.5%
カーボンブラック 1.0-2.5%
大豆レシチン 0.1-0.5%
リン酸亜鉛 1.5-4.5%
BYK-410(添加剤) 0.05-0.25%
溶媒組み合わせ:
ジアセトンアルコール 15.0-25.0%
ブチルカルビトール 25.0-45.0%
シクロヘキサノール 0-15.0%
【0040】
(実施例8)
化学品の名称 化学品の割合
75%シャーシスラッジ
25%シートメタルスラッジ
スラッジ 55.0-65.0%
R-581(熱硬化性アクリル樹脂) 4.0-8.0%
R-5452 4.0-8.0%
カオリン 10.0-18.0%
ベントンゲル 2.0-5.0%
大豆レシチン 1.0-2.5%
K. Cor-463 0.5-2.5%
マンガンオクテート 0.5-1.5%
コバルトオクテート 0.0-1.5%
鉛オクテート 0.2-1.2%
カルシウムオクテート 0.05-2.0%
BYK-410 0.05-0.20%
酸化亜鉛 1.0-4.0%
リン酸亜鉛 0.5-3.5%
尿素ホルムアルデヒド−5813(樹脂) 1.5-4.5%
DBP(可塑剤) 1.5-4.5%
Anchor-205(20ゾル) 3.0-8.0%
溶媒組み合わせ:
キシレン 75.0-90.0%
ブチルセロソルブ 2.0-15.0%
メチルイソブチルケトン 2.0-8.0%
セロソルブアセテート 2.0-8.0%
【0041】
上記実施例は、本発明を例証するものである。当業者には、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変形及び修正が可能であることが明かであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)含水塗料スラッジに水洗浄を施す工程;
(b)工程(a)の終わりに得られる水洗浄されたスラッジを化学的に処理する工程;
(c)化学的に処理されたスラッジに更に水処理を施す工程;
(d)工程(c)の終わりに得られる含水スラッジにメチルアルコール洗浄を施す工程;
(e)工程(d)の終わりに得られる洗浄されたスラッジから、抽出によって液体量を除去する工程;
(f)工程(e)の終わりに得られるスラッジを乾燥させる工程;
(g)原材料として用いる塗料スラッジのタイプによって1つ以上の溶媒に乾燥スラッジを浸漬し、浸漬されたスラッジを撹拌して均質な混合物を形成させる工程;
(h)前記均質な混合物に第一濾過を施して+100メッシュより大なる粒子を除去する工程;
(i)工程(h)の終わりに得られる濾液に微粉化を施して、粒径を+2乃至+3ヘグマン・ゲージ粒度にまで更に縮小させる工程;
(j)微粉化された粒子に150-200メッシュを使用して更なる濾過を施し、より大きな粒子を除去する工程;
(k)濾液に、1つ以上の樹脂、別の常用の添加剤及び顔料を所望によって添加し、この混合物を粉砕して+3乃至+6ヘグマン・ゲージ粒度の粒径とする工程;
(l)工程(k)の終わりに得られる組成物を、300-500メッシュのフィルターで濾過することにより、+5ヘグマン・ゲージ乃至+8ヘグマン・ゲージの範囲の粒径にし、再利用可能な塗料を得る工程;
を含む、スラッジの利用可能な塗料形態への変換方法。
【請求項2】
化学洗浄が、ブース添加物が酸性である場合には弱アルカリ性溶液、例えば重炭酸ナトリウムを、あるいはブース添加物がアルカリ性である場合には酸性溶液、例えばPTSAを用いて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
同様の弱アルカリ性溶液が、スラッジの3乃至10重量%の量で使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
酸性溶液が、スラッジの0.1乃至1.5重量%の量で使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
液体抽出の工程(e)が、加圧もしくは遠心分離もしくは穏やかな加熱条件を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
加圧スラッジが、35-75℃の範囲の温度、好ましくは周囲温度で4乃至24時間に亘って乾燥される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
浸漬が1-48時間の範囲の期間に亘って行われ、撹拌が0.5-2時間の範囲の期間に亘って行われる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
100メッシュより大なる粒子が、あらゆる通常のペースト化もしくは粉砕手段によって、サイズ縮小のためにリサイクルされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
粉砕が、ボールミル、磨砕機ミル、または他のあらゆる常用ミルを使用して達成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程(j)の終わりに除去される150-200メッシュより大なる粒子が、更なるサイズ縮小のために粉砕にリサイクルされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
溶媒が、トルエン、オルトキシレン、レニン、C-9/GR-150、パラキシレン、n-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール、イソブチルアルコール、モスタノール、ブチルアセテート、エチルアセテート、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノール、メチルエチルケトン、ジペンテン、キシレン混合物、またはこれらのあらゆる混合物からなる群より選択される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
塗料スラッジが、アミノアルキドベースの塗料スラッジ、エポキシ塗料スラッジ、アクリルベースの塗料スラッジ、ポリエステルメラミンベースの塗料スラッジ、アミノポリエステル塗料ベースのスラッジ、熱硬化性アクリルスラッジ、尿素ベースのスラッジ、シリコーンベースもしくは変性シリコーンベースの塗料スラッジ、及びアクリル化アルキド塗料スラッジからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
樹脂が、メチルホルムアミド、エポキシエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ペトラーゼ樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、アミノ-アルキド樹脂、及びこれらのあらゆる混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記常用の添加剤が、硬化防止剤、腐食防止添加剤、増粘剤、分散剤、酸化防止剤、可塑剤、結合剤、及び乾燥剤からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
硬化防止剤がAntil 312である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
腐食防止剤がK-Cor 463である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
分散剤が大豆レシチンである、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
酸化防止剤がK-Anox 1001である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
可塑剤がジブチルフタレートである、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
乾燥剤が金属オクテート及び金属ナフタネートから選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
結合剤がZ-6018である、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
顔料が、カオリン、バライト、カルサイト、酸化亜鉛、クロム酸亜鉛、タルク、ケイ素粉末、二酸化チタン、カーボンブラック、または他のあらゆる常用の顔料からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
増粘剤が、ベントンゲル、チクソゲル、または他のあらゆるチキソトロピック剤からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2009−520099(P2009−520099A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546832(P2008−546832)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/IN2006/000495
【国際公開番号】WO2007/072502
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508183014)マハラニ・ペインツ・プライベート・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】