説明

塗料供給装置及び塗料回収方法

【課題】塗料供給装置の小型化、低圧化及び色替えに要する時間の短縮化が図れ、洗浄性に優れた塗料供給装置を提供する。
【解決手段】塗料Pが収容されて密閉空間とされ、塗料配管50へ塗料を供給する塗料タンク61と、塗料タンクの密閉された空間に接続されて加圧エアーを供給する加圧エアー源と、加圧エアー源と塗料タンクの密閉空間とを接続するエアー配管と、エアー配管の途中に設けられ、第1ポジションにおいて加圧エアー源から供給される加圧エアーを塗料タンクの密閉空間へ供給するとともに、第2ポジションにおいて塗料タンクの密閉空間の圧力を減圧する三方弁62とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの塗装ラインにおいて塗色を切り替える際に塗料タンクに塗料を回収することが可能な塗料供給装置及び塗料タンクに残留塗料を回収するための塗料回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の塗装ラインで用いられている塗料供給装置は、各色の塗料が仕込まれた塗料タンクと、これを圧送するポンプと、塗料タンクからカラーチェンジバルブユニットを介して塗装機まで塗料を導く塗料配管とを有し、塗色数に応じた数だけこうした塗料タンク、ポンプ及び塗料配管が設けられている。そして、塗装機の上流側に設けられたカラーチェンジバルブユニットを切り替えることで、車輌仕様に応じた塗色の塗料を吹き付ける。
【0003】
ところで、複数の塗色仕様に対して共通の循環配管を設け、この塗料配管内をピグと呼ばれる可動部材(フリーピストン)を通すことにより、塗料配管内に残留した前色塗料を回収したりすることも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
こうしたピグを用いた塗料供給装置では、例えば、循環配管内の塗料を回収した後に洗浄液を循環させたり、循環配管内を洗浄した後に次色の塗料を循環させる際に、ピグを循環配管から退避させたり、ピグ自体を洗浄するために、循環配管とは別に専用の配管を必要とする。そのため、塗料供給装置の大型化、高圧化を招来すると共に、塗料の回収作業や配管・ピグの洗浄作業が非効率なものとなっていた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−126608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、塗料供給装置の小型化、低圧化及び色替えに要する時間の短縮化が図れ、洗浄性に優れた塗料供給装置及び塗料回収方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明は、ピグが軸方向に沿って往復移動可能に挿入された塗料配管と、塗料配管の端部にそれぞれ接続された第1及び第2ピグ発着部とを備え、第1ピグ発着部側から押出用流体を供給して塗料配管を介して第2ピグ発着部にピグを移動させることで、塗料配管内に残留した塗料を回収することが可能な塗料供給装置である。
【0008】
本発明に係る塗料供給装置は、第1又は第2ピグ発着部のうちの少なくとも一方は、塗料配管が接続され、ピグが進入可能な主通路と、ピグの移動を阻止するピグ受け面と、主通路に連通した少なくとも2つの副通路とを有し、ピグがピグ受け面に当接することで、少なくとも2つの副通路のうちの一つをピグが封鎖する。
【0009】
そして、塗料が収容されて密閉空間とされ、塗料配管へ塗料を供給する塗料タンクと、塗料タンクの密閉された空間に接続されて加圧エアーを供給する加圧エアー源と、加圧エアー源と塗料タンクの密閉空間とを接続するエアー配管と、エアー配管の途中に設けられ、第1ポジションにおいて加圧エアー源から供給される加圧エアーを塗料タンクの密閉空間へ供給するとともに、第2ポジションにおいて塗料タンクの密閉空間の圧力を減圧する三方弁とを有する。
【0010】
第2発明は、塗料配管に挿入されたピグを、第2ピグ発着部側から塗料を供給しすることで塗料配管を介して第1ピグ発着部側へ移動させ、この状態で被塗物へ前記塗料を塗装する塗装ステップと、ピグを、第1ピグ発着部側から押出用流体を供給して塗料配管を介して第2ピグ発着部へ移動させることで、塗料配管内に残留した塗料を塗料タンクへ回収する回収ステップと、塗料配管内に塗料を回収した後に、塗料配管内に洗浄用流体を供給して塗料配管内の洗浄を行う洗浄ステップとを備えた塗料の回収方法である。
【0011】
本発明に係る塗料回収方法は、第1又は第2ピグ発着部において、塗料配管が接続され、ピグが進入可能な主通路内にピグを保持したままの状態で、塗料配管内の洗浄を行う。
【0012】
そして、塗装ステップにおいて、密閉された空間を有する塗料タンクの当該密閉空間へ加圧エアーを供給することで塗料タンクに収容された塗料を塗料配管へ供給し、回収ステップにおいて、塗料タンクの密閉空間を減圧した状態で塗料配管に残留した塗料を塗料配管へ回収する。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、ピグがピグ受け面に当接することで、少なくとも2つの副通路のうちの一つをピグが封鎖する。このため、塗料タンク側の第2ピグ発着部においては、塗料タンクにつながっている副通路をピグにより封鎖し、ピグを主通路内に保持したままの状態で、ピグに封鎖されていない副通路を使って塗料配管内を洗浄することができる。
【0014】
また、塗装機側の第1ピグ発着部においては、塗装機につながっていない副通路をピグにより封鎖し、ピグを主通路内に保持したままの状態で、ピグに封鎖されていない副通路を使って塗装機に塗料を供給することができる。
【0015】
したがって、塗料配管の洗浄時や塗料供給時にピグを塗料配管から退避させるための専用の配管を必要とせず、塗料供給装置の小型化を図ると共に、色替えに要する時間の短縮化が図れ、しかも洗浄性にも優れたものとなる。
【0016】
また、塗装する際には塗料タンクの密閉空間へ加圧エアーを供給する一方で、塗料配管に残留した塗料を塗料タンクへ回収する際には三方弁を用いて塗料タンクの密閉空間を減圧するので、塗料の回収作業が円滑に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態に係る塗料供給装置の全体構成を示すブロック図、図2は同実施形態に係る塗料供給装置の受け側ピグステーションを示す断面図、図3A及ぶ図3Bは本実施形態に係るピグを示す側面図及び正面図、図4は本実施形態に係る塗料供給装置の送り側ピグステーションを示す断面図、図5は本実施形態に係る塗装システムを示す概略平面図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る塗料供給装置10は、例えば回転霧化式静電塗装機やエアー霧化式静電塗装機から構成される塗装ガン2に供給する塗料を、多種類の塗料の中から選択するためのメインカラーチェンジバルブユニット20(以下、メインCCV20と称する。)を有し、メインCCV20から供給された塗料が塗装ガン2へ導かれる。
【0020】
メインCCV20は、マニホールド21並びに第1三方弁22および図示しない切替弁から構成されており、第1三方弁22の第1ポート221がマニホールド21に接続されている。三方弁22の第2ポート222は、塗料が供給されるように受け側ピグステーション30(後述)に接続され、また、三方弁22の第3ポート223は、圧力を開放したり廃液したりするための第1ダンプ弁23に接続されている。
【0021】
このメインCCV20では、第1三方弁22及び図示しない切替弁の中から何れか一つを選択することで、マニホールド21内にその塗料が供給され、さらに塗装ガン2においてトリガバルブ(不図示)を開放することで、その塗料が被塗物に対して吐出される。なお、第1三方弁22及び切替弁は、図示しない制御装置からの制御信号(エアー信号)に基づいて開閉動作する。
【0022】
ちなみに、図1では、本例の第1三方弁22のみを示し、他の切替弁は省略しているが、この切替弁は、本例の第1三方弁22と同じように構成しても良く、或いは塗料タンクからメイン供給配管を直接接続しても良い。以下の説明においては、便宜的に図示した第1三方弁22を代表して本発明を説明する。
【0023】
図1に示すように、第1三方弁22は、第1センサベース32に形成された通路32aに第2ポート222が連通するように、塗料ホースを介して受け側ピグステーション30に接続されている。第1センサベース32は、図2に示すように、受け側ピグステーション30のステーション本体31に固定されており、第1センサベース32の通路32aが、ステーション本体31の内部に形成された第1副通路31bに連通している。第1センサベース32には、感圧面33aが通路32a内に臨むように、第1圧力センサ33が固定されている。
【0024】
図1に示すように、第1圧力センサ33は、その検出結果を送信可能なように、ケーブルを介して判断装置70に接続されている。この判断装置70はCPU等を備えており、第1及び第2圧力センサ33,44の検出結果に基づいて、ピグ90の位置を判断する。判断装置70による具体的な判断手法については後述する。
【0025】
判断装置70により判断されたピグ90の位置は、モニタ等から構成される報知装置80に表示される。また、ピグ90が所定位置に存在しないような不具合情報等も報知装置80により報知される。
【0026】
図2に示すように、ステーション本体31の第1副通路31bは、当該ステーション本体31内に形成された主通路31aから分岐した通路である。この主通路31aの一方の端部には、ピグ90が往復移動可能に挿入された塗料ホース50の一方の端部が、キャップ31cにより固定されており、塗料ホース50の内孔と、ステーション本体31の主通路31aとが連通している。
【0027】
ここで、図3A及び図3Bに示すように、本実施形態に係るピグ90は、両端近傍の2箇所が拡径した略円柱形状とされており、後述するピグステーション30,40のピグ受け面34b,462bに当接して第2副通路34a,462cを封鎖する円柱状の第1シール部91と、塗料ホース50の内壁面に密着する算盤玉状の第2シール部92とを有する。
【0028】
第1シール部91は、ピグ90の両端面から構成され、その円形状の縁部がピグ受け面34b,462bにそれぞれ密着することで、第2副通路34a,462cを封鎖する。
【0029】
これに対して第2シール部92は、ピグ90において拡径した部位から構成されている。この第2シール部92の外径D1は、塗料ホース50の内径D2(図2参照)と実質的に同一か僅かに大径とされ(D2≦D1)、ピグ90が塗料ホース50内を移動することで、塗料ホース50内に残留している塗料等を第2シール部92が掻き取るようになっている。なお、第2シール部92の外径D1は、ピグ90が塗料ホース50内を円滑に移動でき、しかも第2シール部92と塗料ホース50の内壁との隙間から塗料が漏れないような寸法とされている。
【0030】
本例のピグ90においては、第1シール部91と第2シール部92とを異なる部位に設けることで各シール部91,92の磨耗が分散され、これによりピグ90の延命化を図ることができる。
【0031】
図2に示すように、ステーション本体31の主通路31aは、ピグ90の外径D1よりも相対的に大きな内径D3を有しており(D3>D1)、主通路31a内にピグ90を保持したままの状態で、主通路31a内に流体を流通させることが可能となっている。つまり、ピグ90の第2シール部92と主通路31aの内壁との間には流体が円滑に通過できる程度の隙間が形成されている。
【0032】
図2に示すように、ステーション本体31の他方の端部には、マニホールド34が固定されており、ステーション本体31の主通路31aと、マニホールド34内に形成された第2副通路34aとが連通している。第2副通路34aの内径D4は、主通路31aの内径D3よりも相対的に小さく(D4<D3)、且つ、ピグ90の第1シール部91の外径D7よりも相対的に小さくなっている(D4<D7)。
【0033】
また、塗料ホース50を通って受け側ピグステーション30に移動してきたピグ90が当接して停止するためのピグ受け面34bが、マニホールド34におけるステーション本体31側の端面により構成されている。本実施形態では、このピグ受け面34bは、第2副通路34aの開口周囲に形成された凹状の球面形状で構成されている。
【0034】
ピグ受け面34bを球面形状とする共に、ピグ90の第1シール部91が円形状の縁部を有することで、ピグ受け面34bに対するピグ90の当接角度に拘らず、第2副通路34aを確実に封鎖することが可能となる。すなわち、球面状の内壁に対して円形の縁部はどのような角度であっても幾何学的に密着する。
【0035】
これにより、本実施形態では、配管系内に圧力が正確に変動するため、ピグ90に埋め込んだ磁石を用いた従来のピグ位置検出に代えて、防爆型圧力センサを用いたピグ位置検出が可能となり、塗料供給装置のコストダウンを図るとともに、装置構造を単純にすることができる。
【0036】
図1に戻って、ステーション本体31の他端に固定されたマニホールド34には、洗浄液を供給可能な第1洗浄液供給用バルブ35aと、加圧エアーを供給可能な第1エアー供給用バルブ35bと、外部に廃液するための第2ダンプ弁35cとが設けられている。それぞれの弁35a〜35cは、図示しない制御装置からの制御信号(エアー信号)により開閉動作することが可能となっている。
【0037】
一方、図1および図4に示すように、塗料ホース50の他方の端部には、送り側ピグステーション40のステーション本体41の一方の端部が、キャップ41dにより固定され、塗料ホース50の内孔とステーション本体41内に形成された主通路41aとが連通している。主通路41aは、ピグ90の外径D1よりも相対的に大きな内径D5を有しており(D5>D1)、主通路41a内にピグ90を保持したままの状態で、主通路41a内に流体を流通させることが可能となっている。
【0038】
図4に示すように、ステーション本体41には第2センサベース43が固定され、第2センサベース43内に形成された通路43aが主通路41aから分岐した第1副通路41bに連通している。第2センサベース43には、感圧面44aが通路43a内に臨むように、第2圧力センサ44が固定されている。この第2圧力センサ44は、既述した第1圧力センサ33と同様に、検出結果を送信可能なように、ケーブルを介して判断装置70に接続されている。また、図1に示すように、第2センサベース43の通路43aには、外部に廃液するための第3ダンプ弁45が接続されている。
【0039】
図4に戻り、本実施形態では、ステーション本体41に、例えばエアーシリンダ等から構成されるストッパ42が固定され、ステーション本体41の側面に形成された貫通孔41cを介して、ストッパピン42aが主通路41a内に進退移動させることが可能となっている。このストッパピン42aが主通路41a内に進出するとピグ90の移動が遮られる一方で、ストッパピン42aが主通路41aから退出すると、ピグ90の移動が可能となる。
【0040】
また、ステーション本体41の他方の端部には、ピグ90を送り側ピグステーション40内から取り出すための着脱部46が固定されている。この着脱部46は、同図に示すように、ステーション本体41に固定された第1着脱部材461と、サブカラーチェンジバルブユニット47(以下、サブCCV47と称する。)の端部に固定された第2着脱部材462と、これら第1着脱部材461と第2着脱部材462とを連結するためのクランプ463とから構成されている。
【0041】
第1着脱部材461は、フランジ部461aを有する円盤形状とされ、ステーション本体41の主通路41aと同一の内径D5を有する通路461bがその中心に形成されている。この第1着脱部材46aは、主通路41aと通路461bとが連通するように、ステーション本体41に固定されている。
【0042】
同様に、第2着脱部材462もフランジ部462aを有する円盤形状とされ、その中心に第2副通路462cが形成されている。この第2副通路462cの内径D6は、主通路41aの内径D5よりも相対的に小さく(D6<D5)、且つ、ピグ90の第1シール部91の外径D7よりも相対的に小さくなっている(D6<D7)。
【0043】
また、塗料ホース50を通って送り側ピグステーション40に移動してきたピグ90が当接して停止するためのピグ受け面462bが、第2着脱部材462において第1着脱部材461と対向する端面により構成されている。本実施形態では、このピグ受け面462bは、上述したピグ受け面34bと同様に、第2副通路462cの開口周囲に形成された凹状の球面形状で構成されている。
【0044】
ピグ受け面462bを球面形状とする共に、ピグ90の第1シール部91が円形状の縁部を有することで、ピグ受け面462bに対するピグ90の当接角度に拘らず、第2副通路462cを確実に封鎖することが可能となる。すなわち、球面状の内壁に対して円形の縁部はどのような角度であっても幾何学的に密着する。
【0045】
これにより、本実施形態では、配管系内に圧力が正確に変動するため、ピグに埋め込んだ磁石を用いた従来のピグ位置検出に代えて、防爆型圧力センサを用いたピグ位置検出が可能となり、塗料供給装置のコストダウンを図るとともに、装置構造を単純にすることができる。
【0046】
第1着脱部材461と第2着脱部材462とは、第2着脱部材462の位置決めピン462dを第1着脱部材461の位置決め穴461cに挿入して、相互に密着させた状態でそれぞれのフランジ部461a,462aをクランプ463で挟み込むことで、ワンタッチ操作で着脱自在に連結される。なお、このように連結された状態において、第1着脱部材461の通路461bと、第2着脱部材462の第2副通路462bとが連通し、第1着脱部材461の通路461bの終点に、第2着脱部材462に形成されたピグ受け面462bが位置している。
【0047】
図1に戻り、サブCCV47は、着脱部46に固定されたマニホールド48と、塗料タンク61から塗料が供給される第1〜第5の切替バルブ49a〜49eとを備えており、何れか一つの切替バルブ49a〜49eを選択することで、マニホールド48内に形成された通路48aにその塗料が供給されるようになっている。さらに、この通路48aは、図4に示すように、着脱部46の第2副通路462cに連通し、サブCCV47から着脱部46を介して主通路41aに塗料が供給される。
【0048】
このサブCCV47は、図1に示すように、洗浄液を供給可能な第2洗浄液供給用バルブ49fと、加圧エアーを供給可能な第2エアー供給用バルブ49gと、外部に廃液するための第4ダンプ弁49hとをさらに備えている。それぞれの弁49a〜49hは、図示しない制御装置からの制御信号(エアー信号)により開閉動作する。
【0049】
第1〜第5の切替バルブ49a〜49eに供給される塗料Pは、密閉された塗料タンク61内にそれぞれ収容され、塗料タンク61には第2三方弁62の第1ポート621が接続されている。また、第2三方弁62の第2ポート622には加圧エアー源からの加圧エアーが供給される。なお、図示を省略した加圧エアー源からのエアー配管には開閉バルブが設けられ、塗料回収の際には加圧エアー源からの加圧エアーの供給を停止する。
【0050】
さらに、第2三方弁62の第3ポート623を介して塗料タンク61内の加圧エアーを大気開放することが可能となっている。
【0051】
この第3ポート623を閉じることで、第2ポート622から加圧エアーが密閉された塗料タンク61に供給され、塗料配管63を介して第1切替バルブ49aに向かって塗料Pが圧送される。
【0052】
これに対し、第3ポート623を開放するとともに加圧エアー源からの加圧エアーの供給を停止することで、それまで加圧されていた塗料タンク61内の加圧エアーが大気開放され、塗料ホース50から塗料タンク61に向かって塗料を回収することが可能な状態となる。
【0053】
なお、図1には、第1切替バルブ49aのみに塗料タンク61及び第2三方弁62が接続されているが、実際には、第2〜第5切替バルブ49b~49eにもそれぞれ別の塗料Pnが収容された塗料タンク61n及び第2三方弁62nが接続されている。
【0054】
また、本発明では特に限定されないが、塗料タンク61へ送られる加圧エアーは、一般的な加圧力5kg/cmよりも低圧である、たとえば数kg/cmの塗装仕様にも適用することができる。
【0055】
以上のような構成の塗料供給装置10は、図5に示すように、例えば塗装ブースB内に設けられた複数の塗装ロボット4に対して1台ずつ設けられて塗装システムを構成する。塗装ロボット4の先端には、エンドエフェクタとして塗装ガン2が設けられており、塗料供給装置10からこの塗装ガン2に各色の塗料を供給することが可能となっている。
【0056】
なお、本発明においては上記のような塗装システムに限定されず、例えば、複数の塗装ロボット4に対して1台の塗料供給装置10を割り当てても良い。
【0057】
次に、本実施形態に係る塗料回収方法を、塗料供給装置10の色替え手順に従って説明する。
【0058】
図6は本実施形態に係る塗料回収方法を示すフローチャート、図7A〜図7Fは図6に示す各ステップにおける塗料供給装置の状態を示すブロック図、図8A及び図8Bはピグステーション内においてピグが受け面に当接した状態を示す図、図9は塗料回収時における押出用流体の層構造を示す断面図である。
【0059】
まず、図7Aに示すように、塗料供給装置10が前色の塗料(塗料タンク61に収容されている塗料P)を塗装ガン2に供給している状態(図6のステップS10)について説明する。なお、初期状態では、ピグ90が送り側ピグステーション40内に位置し、ストッパ42のストッパピン42aを主通路41aから退出させ、さらに全ての弁を閉じた状態となっている。
【0060】
このような状態では、第2三方弁62の第3ポート623は閉じられているので、第2三方弁62の第2ポート622を介して塗料タンク61内に加圧エアーが導入され、塗料タンク61内が加圧される。この密閉された塗料タンク61内の加圧力が塗料の吐出圧となる。
【0061】
ここで、サブCCV47の第1切替バルブ49aを開くと共に、第2ダンプ弁35cを開くと、塗料タンク61内の塗料Pが、マニホールド48の通路48a→第2着脱部材462の第2副通路462c→第1着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→塗料ホース50を経由して、受け側ピグステーション30に至る。この間、ピグ90は、送り側ピグステーション40から受け側ピグステーション30に塗料ホース50を介して圧送(背面から塗料Pで押圧)され、受け側ピグステーション30のピグ受け面34bに当接することで停止する。なお、ステップS10にて第2ダンプ弁35cを開くのは、塗料Pが流通する通路を大気開放させることで、低圧であっても塗料を円滑に圧送させるためである。
【0062】
このピグ90の第1シール部91とピグ受け面34bとの当接により、図8Aに示すように、第2副通路34aが封鎖され、第2ダンプ弁35cへの流路が自動的に遮断される。なお、本実施形態では、ピグ受け面34bが球面形状となっている共に、ピグ90の第1シール部91が円形状の縁部を有しているので、図8Bに示すように、ピグ受け面34bに対してピグ90が斜めに当接しても、第2副通路34aを確実に封鎖することができる。
【0063】
この際、判断装置70は、第1圧力センサ33により検出された圧力P1と、第2圧力センサ44により検出された圧力P2とを比較する。これらの圧力P1,P2が実質的に同一である場合(P1=P2)には、判断装置70は、ピグ90が受け側ピグステーション30に移動したものと判断する。
【0064】
これに対し、圧力P1,P2が同一でない状態(P1≠P2)で所定時間が経過した場合には、判断装置70は、ピグ90が受け側ピグステーション30に移動していないものと判断し、報知装置80はその不具合情報を報知する。
【0065】
これは以下の理由による。すなわち、ピグ90が塗料タンク61から押し出された塗料Pに押された状態で、送り側ピグステーション40から受け側ピグステーション30へ向かって塗料ホース50を移動中は、第2圧力センサ44により検出される圧力P2が塗料圧となる一方で、第1圧力センサ33により検出される圧力P1は大気圧となるので、塗料圧(つまり加圧エアーの圧力)を数kg/cmにしておけば、正常にピグ90が移動している限りP1<P2となる。また、ピグ90が正常に受け側ピグステーション30に到着すると、第2圧力センサ44により検出される圧力P2が塗料圧を維持する一方で、第1圧力センサ33により検出される圧力P1も塗料圧となるのでP1=P2となる。
【0066】
このようにしてピグ90が受け側ピグステーション30に移動したことを検出すると、第1ダンプ弁23を所定時間だけ大気開放する。この大気開放により、ステーション本体31の主通路31aに至った塗料Pは、第1センサベース32内の通路32a→塗料ホース→メインCCV20の第1三方弁22の第2ポート222に至り、塗料Pが第1三方弁22内に充填され、塗装準備が完了する。そして、塗料タンク61内に収容された塗料Pを塗装するタイミングになると第1三方弁22が開かれて、塗装ガン2に塗料が供給される。
【0067】
塗装作業が終了し、異なる塗料を塗装する場合には、以下の手順に従って塗料供給装置10の色替操作を行う。
【0068】
まず、図6のステップS20に示すように、これまで塗装を行っていた塗料を塗料タンク61へ回収する。前色塗料の塗装完了を示す信号に基づいて、第2ダンプ弁35cを閉じると共に、第2三方弁62の第3ポート622を大気開放し(同時に加圧エアーの供給も停止する。)、塗料タンク61内の加圧を解除する。
【0069】
そして、受け側ピグステーション30の第1洗浄液供給用バルブ35a又は第1エアー供給用バルブ35bを開いて、洗浄液又は加圧エアーを供給して、受け側ピグステーション30内に位置していたピグ90を送り側ピグステーション40に押し戻し、塗料ホース50内に充填されていた塗料を塗料タンク61へ回収する。
【0070】
このときピグ90は、送り側ピグステーション40のピグ受け面462bに当接することで停止する。このピグ90の第1シール部91とピグ受け面462bとの当接により、第2副通路462cが封鎖され、サブCCV47への流路が自動的に遮断される。
【0071】
この際、判断装置は、第1圧力センサ33により検出された圧力P1と、第2圧力センサ44により検出された圧力P2とを比較する。これらの圧力P1,P2が実質的に同一である場合(P1=P2)には、判断装置70は、ピグ90が送り側ピグステーション40に移動したものと判断し、例えば、報知装置80がモニタ等にピグ90の位置を表示する。
【0072】
これに対し、圧力P1,P2が同一でない状態(P1≠P2)で所定時間が経過した場合には、判断装置70は、ピグ90が送り側ピグステーション40に移動していないものと判断し、報知装置80は、モニタ等を介してその不具合情報を報知する。
【0073】
これは以下の理由による。すなわち、ピグ90が洗浄液または加圧エアーに押された状態で、受け側ピグステーション30から送り側ピグステーション40へ向かって塗料ホース50を移動中は、第1圧力センサ33により検出される圧力P1は洗浄液または加圧エアーの圧力となる一方で、第2圧力センサ44により検出される圧力P2は残留塗料の圧力、すなわち大気圧となるので、洗浄液または加圧エアーの圧力を大気圧以上にしておけば、正常にピグ90が移動している限りP1>P2となる。また、ピグ90が正常に送り側ピグステーション40に到着すると、第1圧力センサ33により検出される圧力P1は洗浄液または加圧エアー圧を維持する一方で、第2圧力センサ44により検出される圧力P2も洗浄液または加圧エアー圧となるのでP1=P2となる。
【0074】
なお、第1洗浄液供給用バルブ35aを介して供給される洗浄液としては、塗料が有機溶剤系塗料である場合にはシンナーを用いることができ、塗料が水系塗料である場合には水を用いることができる。
【0075】
また、上述の実施形態では、ピグ90を介して塗料Pを押し戻すに当たり、第1洗浄液供給用バルブ35a又は第1エアー供給用バルブ35bから供給される洗浄液又はエアーを押出用流体として利用するように説明したが、本発明においては特に限定されず、以下のような押出用流体100を用いても良い。
【0076】
例えば、図9に示すように、ピグ90を介して塗料ホース50内に充填されている塗料Pを塗料タンク61へ押し戻す(回収する)ための押出用流体100は、空気から構成される第1の層101と、溶剤から構成される第2の層102と、から構成されており、第2の層102とピグ90との間に第1の層101が介在している。第1エアー供給用バルブ35bから加圧エアーを供給して第1の層101を形成し、次いで、第1洗浄液供給用バルブ35aから洗浄液を供給して第2の層102を形成することで、この押出用流体100を構成することができる。塗料ホース50内における第1の層101の軸方向に沿った長さLは、塗料ホース50の内径や長さに応じて、10〜30mm程度であることが好ましい。なお、第1の層101を、塗料に含まれる溶剤や希釈溶剤で構成しても良い。
【0077】
押出用流体100の第1の層101により、塗料に洗浄液が混入するのを防止して、塗料の品質の安定化を図ることができる。また、押出用流体100の第2の層102により、塗料回収時の押出用流体100の圧縮量を小さくすることができ、安定して装置を稼動させることができる。
【0078】
ピグ90が送り側ピグステーション40に移動したことを検出したら、図7Bに示すように、第3ダンプ弁45を開くと共に、第1洗浄液供給用バルブ35aを開いて洗浄液を供給する(図6のステップS30)。これにより、マニホールド34内の第2副通路34a→ステーション本体31内の主通路31a→塗料ホース50→ステーション本体41内の主通路41a→第2センサベース43内の通路43aに至る経路が洗浄される。
【0079】
また、このステップS30の際、ステーション本体41の主通路31a内にピグ90が保持されたままの状態となっているので、ピグ90において主として受け側ピグステーション30側の先端部(同図の右側)が洗浄される。また、第2センサベース43の通路43a内も洗浄液が通過するので、第2圧力センサ44の感圧面44aが洗浄される。
【0080】
次に、図7Cに示すように、ストッパ42を作動させて、ストッパピン42aを主通路41a内に進出させると共に、第1洗浄液供給用バルブ35aを閉じ、この状態で、第2洗浄液供給用バルブ49fを開いて洗浄液を供給する(図6のステップS40)。これにより、サブCCV47のマニホールド48の通路48a→第2着脱部材462の第2副通路462c→第1着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→第2センサベース43の通路43aに至る経路が、洗浄液により洗浄される。また、このステップS40の際、受け側ピグステーション30側へのピグ90の移動がストッパ42により規制されているので、主としてピグ90の後端部(同図の左側)が洗浄される。
【0081】
なお、第2洗浄液供給用バルブ49fを介して供給される洗浄液としては、塗料が有機溶剤系塗料である場合にはシンナーを用いることができ、塗料が水系塗料である場合には水を用いることができる。
【0082】
次に、図7Dに示すように、第3ダンプ弁45を閉じると共に、第1ダンプ弁23を開き、この状態で、第2洗浄液供給用バルブ49fを開いて洗浄液を供給する(図6のステップS50)。これにより、サブCCV47のマニホールド48の通路48a→第2着脱部材462の第2副通路462c→第1着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→塗料ホース50→ステーション本体31の主通路31a→第1センサベース33の通路33a→第1三方弁22に至る流路が洗浄液により洗浄される。
【0083】
この際、ピグ90は、ストッパ42により送り側ピグステーション40の主通路41a内に保持されていると共に、その外径D1が主通路41aの内径D5よりも相対的に小さくなっており、ピグ90の周囲を洗浄液が通過するため、ピグ90の洗浄がより確実なものとなる。
【0084】
次に、図7Eに示すように、第1ダンプ弁23を閉じると共に、第2ダンプ弁35cを開き、この状態で、第2洗浄液供給用バルブ49fを開いて洗浄液を供給する(図6のステップS60)。これにより、サブCCV47のマニホールド48の通路48a→第2着脱部材462の第2副通路462c→第1着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→塗料ホース50→ステーション本体31の主通路31a→マニホールド34の第2副通路34aに至る経路が洗浄液により洗浄される。
【0085】
次に、図7Fに示すように、第2ダンプ弁35c、第2洗浄液供給用バルブ49fを閉じると共に、第4ダンプ弁49h及び第1エアー供給用バルブ35bを開いてエアーを供給する(図6のステップS70)。これにより、流路内に残留していた洗浄液が第4ダンプ弁49hから廃棄されると同時に、ストッパ42により規制されているピグ90が、送り側ピグステーション40のピグ受け面462bに向かって移動する。次いで、第4ダンプ弁49h及び第1のエアー供給用バルブ35bを閉じると共に、ストッパピン42aを主通路41aから退出させることで、塗料供給装置10が初期状態に復帰したこととなる。
【0086】
以上のステップS20〜S70までの作業を経ることで色替作業が完了し、塗料供給装置10に次色の塗料を充填することが可能な状態となる。
【0087】
以上のように本実施形態では、受け側ピグステーション30においては、ピグ90がピグ受け面34bに当接することで、塗装ガン2につながっていない第2副通路34aを封鎖し、ピグ90を主通路31a内に保持したままの状態で、ピグ90に封鎖されていない第1副通路31bを使って塗装ガン2に塗料を供給することができる。
【0088】
また、送り側ピグステーション40においては、ピグ90がピグ受け面462bに当接することで、塗料タンク61につながっている第2副通路462cをピグ90により封鎖し、そのピグ90を主通路41a内に保持したままの状態で、ピグ90に封鎖されていない第1副通路41bを使って塗料ホース50内を洗浄することができる。
【0089】
従って、塗料ホース50やピグステーション30,40の洗浄時や塗料供給時にピグ90を塗料ホース50やピグステーション30,40から退避させるための専用の配管を必要とせず、塗料供給装置10の小型化を図ると共に、色替えに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0090】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0091】
例えば、上述の実施形態では、送り側ピグステーション40内にピグ90を保持した状態でそのピグ90を洗浄するように説明したが、本発明においては特にこれに限定されず、受け側ピグステーション30にピグ90の移動を規制するストッパを設けて、受け側ピグステーション30内にピグ90を保持した状態でそのピグ90を洗浄しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施形態に係る塗料供給装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る塗料供給装置の受け側ピグステーションを示す断面図である。
【図3A】本発明の実施形態に係るピグを示す側面図である。
【図3B】本発明の実施形態に係るピグを示す正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る塗料供給装置の送り側ピグステーションを示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る塗装システムを示す概略平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る塗料回収方法を示すフローチャートである。
【図7A】前色塗料を塗装している状態(塗装ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7B】前色塗料を回収した後に、塗料供給装置内を洗浄している状態(回収ステップ及び第1の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7C】塗料供給装置内を洗浄している状態(第2の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7D】塗料供給装置内を洗浄している状態(第3の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7E】塗料供給装置内を洗浄している状態(第4の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7F】ピグを原点位置に復帰させている状態(復帰ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図8A】ピグステーション内においてピグが受け面に当接した状態を示す概略図である。
【図8B】ピグステーション内においてピグが受け面に斜めに当接した状態を示す概略断面図である。
【図9】塗料回収時における押出用流体の層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0093】
10…塗料回収装置
20…メインCCV
30…受け側ピグステーション
31…ステーション本体
31a…主通路
31b…第1副通路
32…第1センサベース
33…第1圧力センサ
34…マニホールド
34a…第2副通路
34b…ピグ受け面
40…送り側ピグステーション
41…ステーション本体
41a…主通路
41b…第1副通路
42…ストッパ
43…第2センサベース
44…第2圧力センサ
46…着脱部
462b…ピグ受け面
462c…第2副通路
47…サブCCV
50…塗料ホース
61…塗料タンク
62…第2三方弁
90…ピグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピグが軸方向に沿って往復移動可能に挿入された塗料配管と、
前記塗料配管の端部にそれぞれ接続された第1及び第2ピグ発着部とを備え、
前記第1ピグ発着部側から押出用流体を供給して前記塗料配管を介して前記第2ピグ発着部に前記ピグを移動させることで、前記塗料配管内に残留した塗料を回収することが可能な塗料供給装置であって、
前記第1又は第2ピグ発着部のうちの少なくとも一方は、前記塗料配管が接続され、前記ピグが進入可能な主通路と、前記ピグの移動を阻止するピグ受け面と、 前記主通路に連通した少なくとも2つの副通路とを有し、
前記ピグが前記ピグ受け面に当接することで、前記少なくとも2つの副通路のうちの一つを前記ピグが封鎖する塗料供給装置において、
塗料が収容されて密閉空間とされ、前記塗料配管へ塗料を供給する塗料タンクと、
前記塗料タンクの密閉された空間に接続されて加圧エアーを供給する加圧エアー源と、
前記加圧エアー源と前記塗料タンクの密閉空間とを接続するエアー配管と、
前記エアー配管の途中に設けられ、第1ポジションにおいて前記加圧エアー源から供給される加圧エアーを前記塗料タンクの密閉空間へ供給するとともに、第2ポジションにおいて前記塗料タンクの密閉空間の圧力を減圧する三方弁とを有することを特徴とする塗料供給装置。
【請求項2】
前記第1又は第2ピグ発着部のうちの少なくとも一方は、前記第2又は第1ピグ発着部側への前記ピグの移動を規制する規制手段を有することを特徴とする請求項1記載の塗料供給装置。
【請求項3】
前記ピグにより封鎖される前記副通路は、前記ピグにおいて前記ピグ受け面に当接する当接部の直径よりも相対的に小さな内径を有することを特徴とする請求項1又は2記載の塗料供給装置。
【請求項4】
前記ピグ受け面は、前記ピグにより封鎖される前記副通路の開口部周囲に球面状に形成され、
前記ピグにおいて前記ピグ受け面に当接する当接部は、円形状の縁部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項5】
前記ピグは、前記ピグ受け面に当接して前記副通路を封鎖する第1シール部と、 前記塗料配管の内壁面と密着する第2シール部とを有し、
前記第1シール部と前記第2シール部とは、前記ピグにおいてそれぞれ異なる部位に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項6】
前記押出用流体は、空気又は溶剤から構成される第1の層と、前記塗料配管内を洗浄するための洗浄液から構成される第2の層とを有し、
前記塗料配管内において、前記ピグと前記第2の層との間に前記第1の層が介在していることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項7】
前記第1又は第2ピグ発着部の少なくとも一方の前記主通路内の圧力を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2ピグ発着部内に位置しているか否かを判断する判断手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項8】
前記判断手段は、前記検出手段により検出された前記第1及び第2ピグ発着部の主通路内の圧力差に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2ピグ発着部内に位置しているか否かを判断することを特徴とする請求項7記載の塗料供給装置。
【請求項9】
前記判断手段は、前記第1ピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2ピグ発着部の主通路内の圧力とが異なる場合に、前記ピグが前記塗料配管内に位置していると判断し、
前記第1ピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2ピグ発着部の主通路内の圧力とが実質的に同一である場合に、前記第1又は第2ピグ発着部内に前記ピグが位置していると判断することを特徴とする請求項8記載の塗料供給装置。
【請求項10】
塗料配管に挿入されたピグを、第2ピグ発着部側から塗料を供給しすることで前記塗料配管を介して第1ピグ発着部側へ移動させ、この状態で被塗物へ前記塗料を塗装する塗装ステップと、
前記ピグを、前記第1ピグ発着部側から押出用流体を供給して前記塗料配管を介して前記第2ピグ発着部へ移動させることで、前記塗料配管内に残留した塗料を塗料タンクへ回収する回収ステップと、
前記塗料配管内に塗料を回収した後に、前記塗料配管内に洗浄用流体を供給して前記塗料配管内の洗浄を行う洗浄ステップとを備えた塗料の回収方法であって、
前記第1又は第2ピグ発着部において、前記塗料配管が接続され、前記ピグが進入可能な主通路内に前記ピグを保持したままの状態で、前記塗料配管内の洗浄を行う塗料回収方法において、
前記塗装ステップにおいて、密閉された空間を有する塗料タンクの当該密閉空間へ加圧エアーを供給することで前記塗料タンクに収容された塗料を前記塗料配管へ供給し、
前記回収ステップにおいて、前記塗料タンクの密閉空間を減圧した状態で前記塗料配管に残留した塗料を前記塗料配管へ回収することを特徴とする塗料回収方法。
【請求項11】
前記回収ステップにおいて、前記第2ピグ発着部の前記主通路に連通した少なくとも2つの副通路のうちの一つを、前記ピグが封鎖し、
前記洗浄ステップにおいて、前記第1ピグ発着部側から前記塗料配管内に洗浄用流体を供給することを特徴とする請求項10記載の塗料回収方法。
【請求項12】
前記洗浄ステップにおいて、前記第1ピグ発着部側への前記ピグの移動を規制した状態で、前記第2ピグ発着部側から前記塗料配管内に洗浄用流体を供給することを特徴とする請求項10又は11記載の塗料回収方法。
【請求項13】
前記塗装ステップにおいて、塗料の供給にともなって前記ピグが前記第2ピグ発着部から前記塗料配管を介して前記第1ピグ発着部に移動し、前記第1ピグ発着部の前記主通路に連通した少なくとも2つの副通路のうちの一つを封鎖することを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載の塗料回収方法。
【請求項14】
前記回収ステップにおいて用いられる前記押出用流体は、
空気又は溶剤から構成される第1の層と、前記塗料配管内を洗浄するための洗浄液から構成される第2の層とを有し、
前記塗料配管内において、前記ピグと前記第2の層との間に前記第1の層が介在していることを特徴とする請求項10〜13の何れかに記載の塗料回収方法。
【請求項15】
前記第1又は第2ピグ発着部の少なくとも一方の主通路内の圧力を検出し、当該検出結果に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2ピグ発着部内に位置しているか否かを判断する判断ステップをさらに備えたことを特徴とする請求項10〜14の何れかに記載の塗料回収方法。
【請求項16】
前記判断ステップにおいて、前記第1及び第2ピグ発着部の主通路内の差圧に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2ピグ発着部内に位置しているか否かを判断することを特徴とする請求項15記載の塗料回収方法。
【請求項17】
前記判断ステップにおいて、
前記第1ピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2ピグ発着部の主通路内の圧力とが異なる場合に、前記ピグが前記塗料配管内に位置していると判断し、
前記第1ピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2ピグ発着部の主通路内の圧力とが実質的に同一である場合に、前記ピグが前記第1又は第2ピグ発着部内に位置していると判断することを特徴とする請求項16記載の塗料回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−212801(P2008−212801A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52295(P2007−52295)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】