説明

塗料廃材を含む窯業系建材とその製造方法

【課題】塗料廃材の処理を簡便化、低コスト化し、さらに塗料廃材を窯業系建材の原料として有効に再利用することを目的とするものである。
【解決手段】塗料廃材を濃度が20%以下になるよう調整した後、フリーネス400ml以下にフィブリル化した繊維補強材を総固形分対比で15質量%以下、セメント系水硬性材料を総固形分対比で20質量%以上75質量%以下含有するスラリーに、該スラリーの総固形分に対し該塗料廃材の固形分が1質量%以下となるよう添加し、混合した後、該スラリーを抄造し、脱水し、プレスし、硬化養生して得た窯業系建材とその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料廃材を原料として再利用した窯業系建材と、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から窯業系建材は壁材や屋根材等の住宅用部材として広く使用されている。そして、それらの窯業系建材には強度、耐水性、耐候性等の性能と様々な意匠性が求められており、それらの要望に応える一つの方法として、窯業系建材には様々な塗装が施されている
【0003】
しかし、どのような塗装方法、装置を用いても、塗装工程で塗料の使い残し、オーバースプレー、装置の洗浄水などの塗料廃材が発生する。また、塗装工程は下塗り、中塗り、上塗り、裏面塗装など数工程あり、各工程で使用する塗料は多種にわたり、それぞれの塗料について塗料廃液が発生するので、これらの塗料廃材を処理する必要が生じる。
【0004】
従来では、塗料廃材を直接焼却する、もしくは埋め立てる等の手段がとられてきた。また、塗料廃材が液体の場合には、凝集処理などの方法を用いて塗料廃材中の固形分と水を分離し、濾水については更に生物処理や中和処理などの様々な処理を施した上で放流、もしくは再利用されていたが、固形分については焼却処分、もしくは埋め立てる等の手段がとられており、大きな処理設備とランニングコストが必要であった。更に、固形分の焼却処分では焼却にあたりダイオキシンなどの有害物が発生しないよう無害化対策と焼却灰の処理が必要となり、埋め立てにおいては、最近、産業廃棄物の最終処分場が逼迫しているため、そのまま処分するのが困難である。
【0005】
この改善策として、塗料廃液を凝集処理し、該凝集した固形分をセメント配合中に添加し、該配合材料から窯業系建材を賦形する方法がある(特許文献1)。
【0006】
別の改善策として、水性塗料廃液を乾燥して固形化し、粉砕し、セメント原料と混合して塗装廃液無機硬化物を得る方法がある(特許文献2)。
【0007】
一方、塗料廃材をそのまま窯業系建材の成形材料に添加して再利用する方法がある。
【特許文献1】特開2004−231443号公報
【特許文献2】特開2005−126297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の方法では、塗料廃液の凝集処理を行うために大きな処理設備が必要であり、また、凝集処理にかかるランニングコストは大きい。更に、塗料の種類によっては、塗料廃液にPH調整を施したり、消泡剤を添加したり、使用する凝集剤薬品を変更するなどの作業が必要であり、全ての塗料廃液を凝集処理することは困難である。
【0009】
特許文献2の方法でも、水性塗料廃液の乾燥、粉砕処理のために大きな処理設備が必要であり、ランニングコストが大きい。また、合成樹脂バインダーの分子構成がバラバラになり本来の塗料としての性能を失う、一度固形化するので収率が悪い、塗料廃液の乾燥処理で臭気が発生するなどの問題がある。
【0010】
一方、塗料廃材をそのまま窯業系建材の成形材料に添加して再利用する方法では、塗料廃材が影響して、例えば抄造法では原料スラリーの粘性が増し、かつ、塗料廃材が原料スラリー中に捕捉されにくい為、原料スラリーを脱水フェルト上に流下せしめて脱水しながら抄造シートを賦形する際に、塗料廃材に含まれる樹脂や顔料により脱水フェルトが目詰まりを起こし、製品の脱水性が悪化するなどの問題がある。
【0011】
さらに、これらを防止する、あるいは補修するためのメンテナンスが必要となる問題もあった。
【0012】
本発明は、上記問題を解決し、かつ、塗料廃材の処理を簡便化、低コスト化し、さらに塗料廃材を窯業系建材の原料として有効に再利用することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本請求項1に記載の発明は、セメント系水硬性材料と、フィブリル化した繊維補強材と、塗料廃材とからなることを特徴とする窯業系建材である。
【0014】
セメント系水硬性材料としては、ポルトランドセメント、混合セメント、エコセメント、低発熱セメント、アルミナセメント等のセメントが使用できる。
【0015】
繊維補強材としては、故紙、木質パルプ等の木質繊維やワラストナイト、PP繊維等の無機繊維が使用できる。
【0016】
塗料廃材の種類は特に限定されないが、水系塗料が最適とされる。もちろん、溶剤系塗料や粉体塗料でも適用は可能である。
【0017】
本請求項2に記載の発明は、セメント系水硬性材料とフィブリル化した繊維補強材とを水に分散させたスラリーを形成する工程と、塗料廃材を添加し、混合する工程と、該スラリーを抄造し、脱水し、プレスする工程と、硬化養生する工程とからなることを特徴とする窯業系建材の製造方法である。該製造方法を用いることで塗料廃材が該スラリーに均一に分散し、繊維補強材に捕捉されるので、窯業系建材内に塗料廃材を均一に分散し、捕捉することが可能になる。
【0018】
本請求項3に記載の発明は、フィブリル化した繊維補強材を水に分散させたスラリーを形成する工程と、塗料廃材を添加し、混合する工程と、引き続いて該スラリーにセメント系水硬性材料を混合する工程と、該スラリーを抄造し、脱水し、プレスする工程と、硬化養生する工程とからなることを特徴とする窯業系建材の製造方法である。該製造方法を用いることで塗料廃材が該スラリーに均一に分散し、繊維補強材に捕捉されるので、窯業系建材内に塗料廃材を均一に分散し、捕捉することが可能になる。
【0019】
本請求項4に記載の発明は、前記スラリーに、フリーネス400ml以下にフィブリル化した繊維補強材を総固形分対比で15質量%以下、セメント系水硬性材料を総固形分対比で20質量%以上75質量%以下含有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の窯業系建材の製造方法である。
【0020】
効率的に塗料廃材を捕捉するためには繊維補強材のフリーネスを400ml以下にする必要があり、本発明ではフリーネスを400ml以下にした繊維補強材をフィブリル化した繊維補強材といい、フィブリル化した繊維補強材を用いることが好ましい。もちろん、フィブリル化した繊維補強材とフィブリル化していないフリーネス400ml以上の繊維補強材を混合して使用することも可能である。フィブリル化した繊維補強材を用いることで繊維補強材がスラリー内に均一に分散し、かつ、フィブリル化した繊維補強材が塗料廃材中の樹脂や顔料などの固形分を捕捉するため、例えば抄造法で原料スラリーの粘性が増し、かつ、脱水フェルトが目詰まりを起こし、製品を賦形する際の脱水性が悪化するなどの問題が解決される。
【0021】
また、窯業系建材に必要な強度、耐水性、耐候性等の性能を維持するためには、前記スラリーには、フリーネス400ml以下にフィブリル化した繊維補強材を総固形分対比で15質量%以下、セメント系水硬性材料を総固形分対比で20質量%以上75質量%以下含有することが好ましい。
【0022】
本請求項5に記載の発明は、前記塗料廃材の濃度を20%以下に調整する工程と、濃度調整した該塗料廃材を前記スラリーの総固形分(フィブリル化した繊維補強材とセメント系水硬性材料を含む)に対し該塗料廃材の固形分が1質量%以下となるよう添加し、混合する工程とを更に備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の窯業系建材の製造方法である。
【0023】
前記塗料廃材は濃度が濃すぎるとフィブリル化した繊維補強材での捕捉が悪くなるので、水などを添加して濃度を20%以下に調整することが好ましい。また、フィブリル化した繊維補強材に捕捉される塗料廃材の量には限度があるので、前記スラリーには、フィブリル化した繊維補強材とセメント系水硬性材料を含む該スラリーの総固形分に対し該塗料廃材の固形分が1質量%以下となるよう添加、混合することが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明による塗料廃材を再利用した窯業系建材の製造方法によれば、フィブリル化した繊維補強材を水に分散させたスラリーに塗料廃材を添加し、混合することにより、該スラリー中に塗料廃材を捕捉させることが可能となり、該スラリーを抄造し、脱水し、プレスし、硬化養生して窯業系建材を得ることが出来る。
【0025】
本発明は繊維補強材の叩解機と塗料廃材の濃度調整槽が有れば簡単に実施可能であり、塗料廃材の凝集処理、乾燥処理や粉砕処理などの前処理が一切不要である。
【0026】
よって、大きな処理設備が不要であり、ランニングコストも非常に安価に抑えられ、処理作業も簡便であるという大きな効果も奏する。
【0027】
また、塗料廃材がフィブリル化した繊維補強材に捕捉されるため、例えば抄造法で原料スラリーの粘性が増し、かつ、脱水フェルトが目詰まりを起こし、製品を賦形する際の脱水性が悪化するなどの問題が解決されるという副次的効果も奏する。
【0028】
さらに、原料スラリー中に塗料廃材の樹脂が分散されることにより、窯業系建材の物性を維持するばかりでなく、耐水性や寸法安定性が向上するなどの効果も得られるという利点もあり、産業廃棄物となっている塗料廃材を有効に活用できる。
【0029】
また、本発明は抄造法のほか、押出成形法やスラリーを型に込めて成型する鋳込法等にも幅広く応用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の塗料廃材を原料として再利用した窯業系建材の製造手順について説明する。
【0031】
まず、建材等の塗装工程で発生した塗料の使い残し、オーバースプレー、装置の洗浄水などの塗料廃材を一カ所に集め、塗料廃材の濃度が20%以下になるよう調整する。なお、発生した塗料廃材の濃度が20%以下の場合はそのまま用いて良い。
【0032】
次に、セメント系水硬性材料であるポルトランドセメントを20質量%以上75質量%以下、フリーネス400ml以下にフィブリル化した木質パルプを15質量%以下、さらにパーライト、ケイ砂、ケイ石粉、シラスバルーン、バーミキュライト、高炉スラグ、膨張頁岩、膨張粘土、焼成ケイ藻土、石膏粉、マイカ、フライアッシュ、石炭ガラ、汚泥焼却灰等を配合した原料を水に分散させる。
【0033】
フリーネス400ml以下にフィブリル化した木質パルプを用いる理由として、フィブリル化した木質パルプはスラリー中に均一に分散されやすく、かつ、物を吸着し、捕捉しやすい形状であることが挙げられる。パルプなどの繊維補強材はフィブリル(小繊維)が多数集まった束であり、通常、フィブリルは水素結合や分子間力により集束されているが、湿潤状態で叩解されるとフィブリル間の空気溝に沿って裂けるので、繊維補強材はより細かくなり、スラリー中に均一に分散される。また、叩解による摩擦作用で、内部にあるフィブリルが表面に現れるので、繊維補強材の表面は毛羽立ち、ささくれる。特に湿潤状態ではフィブリルがヒゲのように現れるので、比表面積が増え、かつ、物を吸着し、捕捉しやすい形状になり、塗料廃材を捕捉するのである。
【0034】
次に、該スラリーに対し、濃度20%以下の塗料廃材の固形分がスラリー総固形分に対し1質量%以下となるよう添加し、混合した後、該スラリーを脱水フェルト上に流下せしめて脱水しながら抄造シートを賦形し、該抄造シートをメイキングロールで6〜15層積層して積層マットとし、該積層マットを15MPa〜30MPaで高圧プレスした後、60℃〜90℃で5〜10時間の一次養生し、そして所望なれば該一次養生に続いて蒸気養生あるいはオートクレーブ養生を行う。蒸気養生の条件は水蒸気を充満した雰囲気内で50℃〜80℃の温度内で15〜24時間、オートクレーブ養生の条件は120℃〜200℃の温度で7〜15時間である。養生後は乾燥して製品とする。
【実施例1】
【0035】
以下に挙げる製造条件にて、実施例1〜2、比較例1〜3を製造した。
実施例1
ポルトランドセメントを30質量%、叩解機でフリーネス350mlにした木質パルプを10質量%、パーライトを10質量%、高炉スラグ、フライアッシュ、焼却灰を50質量%組成した原料を水に分散させたスラリーに、塗料廃材を該スラリーの総固形分に対し0.5質量%となるよう添加し、混合させた後、該スラリーを脱水フェルト上に流下せしめて脱水しながら抄造シートを賦形し、該抄造シートをメイキングロールで6層積層して積層マットを得た。なお、塗料廃材には塗装工程で発生した濃度16%のアクリルエマルジョン塗料の廃材を用いた。
上記積層マットにプレス圧20MPa、プレス時間7秒の高圧プレスを施し、その後、70℃で蒸気養生し、乾燥させて無機質板を得た。
実施例2
実施例1と同じ原料組成を水に分散させたスラリーに、塗料廃材を該スラリーの総固形分に対し0.8質量%となるよう添加し、混合させた後、以後は実施例1と同じ抄造方法、脱水方法、プレス方法、硬化養生方法により無機質板を得た。なお、塗料廃材とフィブリル化した繊維補強材も実施例1と同じものを用いた。
比較例1
実施例1と同じ原料組成を水に分散させたスラリーに、塗料廃材を添加せず、以後は実施例1と同じ抄造方法、脱水方法、プレス方法、硬化養生方法により無機質板を得た。なお、フィブリル化した繊維補強材も実施例1と同じものを用いた。
比較例2
実施例1と同じ原料組成を水に分散させたスラリーに、塗料廃材を該スラリーの総固形分に対し1.3質量%となるよう添加し、混合させた後、実施例1と同じ抄造方法、脱水方法を行った。なお、比較例2でも塗料廃材とフィブリル化した繊維補強材は実施例1と同じものを用いた。
比較例3
実施例2の条件において、木質パルプをフリーネス350ml品からフリーネス600ml品に変更し、それ以外は実施例2と同条件により無機質板を得た。
【0036】
実施例1〜2、比較例1〜3を生産する際に、抄造シートの脱水状態を確認した。結果を表1に示すが、「○」は脱水フェルトに目詰まり無く抄造シートが脱水可能であり、「△」は脱水フェルトに目詰まりがみられ抄造シートの脱水が悪化したが脱水可能であり、「×」は脱水フェルトが目詰まりし抄造シートが脱水不可であったことを表す。
【0037】
得られた実施例1〜2、比較例1〜3の各無機質板について、厚み、比重、含水率、曲げ強度、曲げヤング率、曲げ最大たわみ量、表面吸水量、裏面吸水量、吸水伸び率、放湿収縮率を確認した。その結果も表1に示す。
曲げ強度、曲げヤング率、曲げ最大たわみ量は、JIS A 1408に準じ試験体500×400mmで測定した。
表面吸水量、裏面吸水量は、枠置き法による測定で、24時間測定後の無機質板の重量変化を数1により算出した値である。
吸水伸び率は、60℃3日間調湿後、水中浸漬8日間の条件で吸水させたときの吸水前後での伸び率である。
放湿収縮率は、20℃60%RHで10日間調湿後、80℃乾燥10日間の条件で放湿させた時の放湿前後の収縮率である。
【0038】
【表1】

【0039】
【数1】

【0040】
表1の抄造シートの脱水状態をみると、塗料廃材を添加した実施例1、実施例2共に脱水フェルトの目詰まりが発生せず、塗料廃材を添加していない比較例1と同様に生産に問題無かった。これは、塗料廃材が抄造シート内に取り込まれたことを表している。
【0041】
また、実施例1と実施例2の表面吸水量と裏面吸水量をみると、比較例1よりも低く、耐透水性があがっている。これは、無機質板内に塗料廃材が均一に捕捉されていることを示している。
【0042】
また、実施例1、実施例2の吸水伸び率、放湿収縮率をみると、比較例1よりも小さく、実施例1、実施例2の吸放湿による寸法変化は小さい。これは、実施例1、実施例2が板内に塗料廃材を捕捉しているため吸放湿による寸法変化が改善されたことを示している。
【0043】
さらに実施例1、実施例2の曲げ強度、曲げヤング率、最大たわみ量などの物性も比較例1と比べて遜色ない結果であった。
【0044】
しかし、同じ塗料廃材を用いながらも、塗料廃材の添加量が該スラリーの総固形分に対し1.3質量%と多かった比較例2では、脱水フェルトが目詰まりし、抄造シートを得ることが出来なかった。
【0045】
また、フリーネス600mlの木質パルプを使用した比較例3では、実施例2と同じ塗料廃材を同量添加したにもかかわらず、脱水フェルトに目詰まりがみられ、抄造シートの脱水が悪化した。曲げ強度、曲げヤング率、曲げ最大たわみ量、表面吸水量、裏面吸水量、吸水伸び率、放湿収縮率は塗料廃材を添加していない比較例1と比べて遜色ない結果であったが、同じ塗料廃材を同量添加した実施例2と比較すると表面吸水量、裏面吸水量、吸水伸び率、放湿収縮率が悪く、以上の結果は比較例3では塗料廃材の大部分が板内に捕捉されていないことを示している。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上説明したように、本発明の方法によれば、産業廃棄物である塗料廃材を窯業系建材の原料として再利用することが可能であり、かつ、得られる窯業系建材は物性が損なわれることなく、耐水性や寸法安定性を改善することができる。
【0047】
さらに、大きな処理設備が不要であり、ランニングコストも非常に安価に抑えられ、処理作業も簡便である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント系水硬性材料と、フィブリル化した繊維補強材と、塗料廃材とからなることを特徴とする窯業系建材。
【請求項2】
セメント系水硬性材料とフィブリル化した繊維補強材とを水に分散させたスラリーを形成する工程と、形成された該スラリーに塗料廃材を添加し、混合する工程と、該スラリーを抄造し、脱水し、プレスする工程と、硬化養生する工程とからなることを特徴とする窯業系建材の製造方法。
【請求項3】
フィブリル化した繊維補強材を水に分散させたスラリーを形成する工程と、形成された該スラリーに塗料廃材を添加し、混合する工程と、ひき続いて該スラリーにセメント系水硬性材料を混合する工程と、該スラリーを抄造し、脱水し、プレスする工程と、硬化養生する工程とからなることを特徴とする窯業系建材の製造方法。
【請求項4】
前記スラリーには、フリーネス400ml以下にフィブリル化した繊維補強材を総固形分対比で15質量%以下、セメント系水硬性材料を総固形分対比で20質量%以上75質量%以下含有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の窯業系建材の製造方法。
【請求項5】
前記塗料廃材の濃度を20%以下に調整する工程と、濃度調整した該塗料廃材を前記スラリーの総固形分(フィブリル化した繊維補強材とセメント系水硬性材料を含む)に対し該塗料廃材の固形分が1質量%以下となるよう添加し、混合する工程とを更に備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の窯業系建材の製造方法。

【公開番号】特開2007−269580(P2007−269580A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97952(P2006−97952)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000110860)ニチハ株式会社 (182)
【Fターム(参考)】