説明

塗料組成物

【課題】 自動車用バンパーなどのプラスチック成形品に、高価な白色系の導電性顔料を用いなくとも、通常の白色顔料を配合するだけで、高明度色、高隠蔽性で、十分な導電性を有する導電プライマー塗膜を形成せしめることができる塗料組成物を提供すること。
【解決手段】 ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン(A)及びイオン性液体(B)を含有することを特徴とする塗料組成物、及び該組成物を用いた塗装方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性顔料を使用しなくとも十分な導電性を有する塗膜を形成しうる塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用バンパーなどに使用されているプラスチック素材は、通常、約1010Ω・cm以上の体積固有抵抗率を有しており、このようなプラスチック成形品に塗着効率に優れる静電塗装法を用いて塗料を直接塗装することは困難である。そのため、従来、このような素材面には、まず導電性プライマー塗料を塗装した後、着色を目的とした上塗り塗料が静電塗装されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、自動車用バンパーなどに使用されるプラスチック素材は、通常、黒色などの濃い色を有しており、淡彩色や隠蔽性の低い上塗り塗料を塗装する場合には、上記導電性プライマー塗料に対して高い隠蔽性や高明度色が求められる。この要求に応えるべく、従来、明度が比較的高い導電性顔料(アンチモンドープタイプや非アンチモンタイプのもの)を用いた導電性塗料が種々提案されているが(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、アンチモンドープタイプの導電性顔料は毒性の問題があり、また、非アンチモンタイプの導電性顔料は非常に高価であるという問題がある。
【0004】
特許文献4では、安価な導電性カーボンブラック顔料と特定のアルミニウム粉末を導電フィラーとして添加してなる導電性プライマーを用いることが提案されている。これによって薄灰色のプライマー塗膜を形成せしめることができ、淡彩色系の上塗り塗料の静電塗装が可能となった。しかしながら、特にCIE等色関数に基づく白色度のL値が90以上である高白色パール調複層塗膜を形成しようとする場合には、上記の導電性プライマーでも依然として不十分であり、そのような高白色度の導電性プライマーに対しては、高価な白色系の導電性顔料を用いる必要がある。
【特許文献1】特開平6−165966号公報
【特許文献2】特開平9−12314号公報
【特許文献3】特開平10−53417号公報
【特許文献4】特開2003−231767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主たる目的は、高価な白色系の導電性顔料を用いなくとも、通常の白色顔料を配合するだけで、高明度色、高隠蔽性で、十分な導電性を有する導電プライマー塗膜を形成せしめることができる塗料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、今回、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィンとイオン性液体を塗料の皮膜形成成分の少なくとも一部として使用することによって、上記の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン(A)及びイオン性液体(B)を含有することを特徴とする塗料組成物が提供される。
【0008】
本発明によれば、また、上記塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の塗料組成物は、導電性顔料を使用しなくとも十分な導電性を有する塗膜を形成することができ、特にプラスチック成形品に対する塗装に好適に使用することができる。また、本発明の塗料組成物は、白色顔料を含有する場合には、導電性プライマーとして用いることにより、高明度色、高隠蔽性のプライマー塗膜を形成することができ、その結果、高明度又は高彩度の塗色を有する複層塗膜を容易に形成せしめることが可能となる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0010】
ポリオレフィン及び変性ポリオレフィン(A)
本発明の塗料組成物において使用されるポリオレフィンには、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセンなどの炭素数が2〜10のオレフィンの1種もしくは2種以上を(共)重合せしめてなるポリオレフィンが包含され、また、変性ポリオレフィンには、該ポリオレフィンの不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性物、アクリル変性物、塩素化物、またこれらの変性を組合せて用いて得られる変性ポリオレフィンなどが包含される。
【0011】
本発明の塗料組成物において使用されるポリオレフィンとしては、プロピレンを重合単位として含有するものが特に好適であり、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン(A)中におけるプロピレン単位の重量分率は、他の成分との相溶性や形成塗膜の付着性などの観点から、一般に0.5以上、特に0.6〜1、さらに特に0.7〜0.95の範囲内にあるものが好適である。
【0012】
ポリオレフィンとしては、それ自体既知のものを特に制限なく使用することができるが、得られるポリオレフィンの分子量分布が狭く且つランダム共重合性等にも優れている等の点から、重合触媒としてシングルサイト触媒を用いてオレフィンを(共)重合することにより製造されるものが好適である。シングルサイト触媒は、活性点構造が均一(シングルサイト)な重合触媒であり、該シングルサイト触媒の中でも特にメタロセン系触媒が好ましい。該メタロセン系触媒は、共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表の4〜6族又は8族の遷移金属化合物や3族の希土類遷移金属化合物であるメタロセン(ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体及びその誘導体)と、これを活性化するアルミノキサンやボロン系等の助触媒、さらにトリメチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物を組合せることにより調製することができる。オレフィンの(共)重合は、それ自体既知の方法に従い、例えば、プロピレンやエチレン等のオレフィンと水素を反応容器に供給しながら連続的にアルキルアルミニウムとメタロセンを添加することにより行うことができる。
【0013】
不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性ポリオレフィンは、例えば、ポリオレフィンに、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物を、それ自体既知の方法に従ってグラフト重合することにより製造することができる。変性に使用し得る不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物としては、1分子中に少なくとも1個、好ましくは1個の重合性二重結合を含有する炭素数が3〜10の脂肪族カルボン酸が包含され、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などを挙げることができ、中でも特にマレイン酸もしくはその酸無水物が好適である。ポリオレフィンに対する該不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物のグラフト重合量は、変性ポリオレフィンに望まれる物性などに応じて変えることができるが、一般には、ポリオレフィンの固形分重量を基準にして1〜20重量%、好ましくは1.5〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%の範囲内が適当である。
【0014】
アクリル変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンに対してそれ自体既知の適当な方法で、少なくとも1種のアクリル系不飽和モノマーをグラフト重合することにより製造することができる。このアクリル変性に使用し得るアクリル系不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸のC〜C20アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸のC〜C21ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどのその他の(メタ)アクリル系モノマーやさらにスチレンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
【0015】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を、そして「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
【0016】
ポリオレフィンのアクリル変性は、例えば、まず、前述の如くして製造される不飽和カルボン酸又は酸無水物変性ポリオレフィン中のカルボキシル基に対して反応性を有するアクリル系不飽和モノマー、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルなどを反応させてポリオレフィンに重合性不飽和基を導入し、次いで、該重合性不飽和基に上記アクリル系不飽和モノマーを単独でもしくは2種以上組合せて(共)重合させることにより行うことができる。ポリオレフィンのアクリル変性における上記アクリル系不飽和モノマーの使用量は、変性ポリオレフィンに望まれる物性などに応じて変えることができるが、他の成分との相溶性や形成塗膜の付着性などの点から、一般には、得られる変性ポリオレフィンの固形分重量を基準にして30重量%以下、特に0.1〜20重量%、さらに特に0.15〜15重量%の範囲内とすることが望ましい。
【0017】
ポリオレフィンの塩素化物はポリオレフィンを塩素化することにより製造することができる。ポリオレフィンの塩素化は、例えば、ポリオレフィン又はその変性物の有機溶剤溶液又は分散液に塩素ガスを吹き込むことによって行うことができ、反応温度は50〜120℃とすることができる。ポリオレフィンの塩素化物(固形分)中の塩素含有率は、ポリオレフィンの塩素化物に望まれる物性などに応じて変えることができるが、形成塗膜の付着性などの点から、一般には、ポリオレフィンの塩素化物の重量を基準にして35重量%以下、特に10〜30重量%、さらに特に12〜25重量%の範囲内とすることが望ましい。
【0018】
本発明において使用するポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)は、他の成分との相溶性、形成塗膜のポリオレフィン基材との付着性や上塗り塗膜層との層間付着性などの点から、通常、融点が120℃以下、好ましくは30〜110℃、さらに好ましくは50〜100℃の範囲内にあり、そして重量平均分子量(Mw)が50000〜150000、好ましくは60000〜135000、さらに好ましくは70000〜120000の範囲内にあることが望ましい。また、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)は、形成塗膜の基材との付着性や上塗り塗膜層との層間付着性などの点から、一般に、融解熱量が1〜50mJ/mg、特に2〜50mJ/mgの範囲内にあることが望ましい。
【0019】
ここで、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィンの融点及び融解熱量は、示査走査熱量測定装置「DSC−5200」(セイコー電子工業社製、商品名)により、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン20mgを用い、昇温速度10℃/分にて熱量を測定することにより得られたものである。ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィンの融点の調整は、ポリオレフィンのモノマー組成、特にα−オレフィンモノマーの量を変化させることにより行なうことができる。また、融解熱量が求め難い場合には、測定試料を一旦120℃まで加熱した後、10℃/分で室温まで冷却してから、上記の方法で熱量を測定することができる。
【0020】
また、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値であり、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ装置として「HLC/GPC150C」(Water社製、60cm×1)及び溶媒としてo−ジクロロベンゼンを使用し、カラム温度135℃、流量1.0ml/minで測定したものである。注入試料は、o−ジクロロベンゼン3.4mlに対しポリオレフィン5mgの溶液濃度となるようにして140℃で1〜3時間溶解することにより調製した。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィのためのカラムとしては「GMHHR −H(S)HT」(東ソー(株)社製、商品名)を使用することができる。数平均分子量も上記と同様にして求めることができる。
【0021】
さらに、本発明で使用するポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)は、他の成分との相溶性や形成塗膜の付着性などの点から、一般に、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.5〜7.0、好ましくは1.8〜5.0、さらに好ましくは2.0〜4.0の範囲内にあることが望ましい。
【0022】
上記ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)は、有機溶剤で希釈して使用することができ、或いは水分散液として使用することもできる。
【0023】
上記ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)を希釈するための有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロナノン等の脂環式炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
【0024】
上記ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)の水分散化は、通常、不飽和カルボン酸又は酸無水物変性ポリオレフィンを原料として用い、その中のカルボキシル基の一部もしくは全部をアミン化合物で中和するか及び/又は乳化剤で水分散化することにより行うことができる。水分散性向上の点からは、中和と乳化剤での水分散化とを併用することが望ましい。
【0025】
中和に使用するアミン化合物として、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの3級アミン;ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、モルホリンなどの2級アミン;プロピルアミン、エタノールアミンなどの1級アミン等が挙げられる。
【0026】
上記アミン化合物を使用する場合には、その使用量は、不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性ポリオレフィン中のカルボキシル基に対して通常0.1〜1.0モル当量の範囲内であることが好ましい。
【0027】
上記乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアリルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのノニオン系乳化剤;アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸などのナトリウム塩やアンモニウム塩等のアニオン系乳化剤等が挙げられ、さらに1分子中にアニオン性基とポリオキシエチレン基やポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基とを有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性乳化剤や、1分子中に該アニオン性基と重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性乳化剤などを使用することもできる。これらの乳化剤はそれぞれ単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
【0028】
上記の乳化剤は、通常、不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性ポリオレフィンの固形分100重量部に対して1〜20重量部の範囲内で使用することができる。
【0029】
かくして得られる不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性ポリオレフィンの水分散体は、必要に応じて、水分散された不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性ポリオレフィンの存在下に、アクリル変性の説明で列記したようなアクリル系不飽和モノマーを乳化重合することにより、さらにアクリル変性された不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性ポリオレフィンの水分散体とすることができる。
【0030】
イオン性液体(B)
本発明の塗料組成物において使用されるイオン性液体(B)には、室温で液体状態にある融解塩(又は溶融塩)が包含される。通常の塩は一般に常温で固体であるが、融解塩は、特定のカチオンとアニオンとがイオン結合したものであり、室温で液体となる。ここで、室温とは約20℃の温度であり、また、室温付近とは約10〜約40℃の温度を意味する。
【0031】
このようなイオン性液体(B)は、1種もしくは2種以上のカチオンと1種もしく又は2種以上のアニオンとの種々の組み合わせのイオン結合を含むものであり、カチオン種としては、特に、アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種のオニウム塩構造を有するカチオンが好適である。
【0032】
イオン性液体(B)としては、例えば、アルキル鎖を有するイミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピラゾリジニウム、イソチアゾリジニウム、イソオキサゾリジニウムなどの含窒素複素環構造の4級アンモニウムカチオンや、脂肪族のアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオンなどのカチオンと、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリス(トリフロロメチルスルホニル)硝酸、トリス(トリフロロメチルスルホニル)炭素酸、トリフルオロメチルスルホニルイミド、有機カルボン酸、ハロゲンなどから誘導されるアニオンとの組み合わせを含むものが挙げられる。ここで、有機カルボン酸としては、例えば、乳酸などが挙げられ、また、ハロゲンには、フッ素、塩素、臭素、よう素が包含される。
【0033】
イオン性液体(B)の具体例としては、例えば、1,2−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート、N−ヘキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、N−ブチルピリジニウムクロリド、N,N−ジエチル−N−メチル−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−(L)−ラクテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム−(L)−ラクテートなどが挙げられる。
【0034】
イオン性液体(B)としては、通常、無色透明なものを用いることが望ましいが、形成塗膜の色に影響ない範囲で着色したものであってもよい。イオン性液体(B)には、水に溶解するもの、水に難溶性もしくは不溶性のものが存在するが、本発明の塗料組成物の形態等により、イオン性液体(B)を使い分けることが望ましい。
【0035】
本発明の塗料組成物におけるイオン性液体(B)の配合割合は、本発明の塗料組成物の用途や使用形態などに応じて変えることができるが、導電性、付着性、耐水性などの点から、一般に、塗料組成物の不揮発分の重量を基準にして0.5〜30重量%、好ましくは0.75〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%の範囲内とすることができる。
【0036】
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、以上に述べたポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)及びイオン性液体(B)を皮膜形成成分の少なくとも一部として含有するものであり、有機溶剤系、水性系のいずれの形態であってもよい。本発明の塗料組成物は、必要に応じて、さらに、水酸基価が5〜200mgKOH/gの範囲内にある水酸基含有樹脂(C)を含有することができる。
【0037】
水酸基含有樹脂(C)には、1分子中に平均して2個以上の水酸基を有する樹脂が包含され、樹脂種としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、これら樹脂のグラフト体、アクリル変性もしくはポリエステル変性エポキシ樹脂、さらにはブロックイソシアネート基含有ポリエステル樹脂等の自己架橋型樹脂などが挙げられ、特に、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂が好適である。水酸基含有樹脂(C)は、塗料組成物の形態などによって、有機溶剤希釈型、非水分散型、水溶性又は水分散型のいずれかとすることができる。
【0038】
水酸基含有樹脂(C)は、他の成分との相溶性、形成塗膜の硬化性の点から、一般に、水酸基価が5〜150mgKOH/g、特に10〜100mgKOH/g範囲内にあることが望ましい。
【0039】
水酸基含有樹脂(C)の配合割合は、塗料組成物の形態などに応じて変えることができるが、形成塗膜の付着性、耐水性などの点から、一般に、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)/水酸基含有樹脂(C)の固形分重量比で10/90〜100/0、好ましくは20/80〜85/15、さらに好ましくは25/75〜60/40の範囲内とすることができる。
【0040】
本発明の塗料組成物が水性系の場合には、さらに、ビヒクル成分としてウレタンディスパージョンを含有することができる。ウレタンディスパージョンは、通常、乳化剤の存在下に予めジオールとジイソシアネート、さらに必要に応じてジメチロールアルカン酸等を反応させて得られるウレタンプレポリマーを水中に分散させながら、強制乳化または自己乳化することにより得られるディスパージョンである。該ウレタンディスパージョンは、塗膜物性向上などの点から、一般に、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)、水酸基含有樹脂(C)及び後述する架橋剤(D)の合計固形分を基準にして65重量%以下、特に5〜50重量%、更に特に10〜40重量%の範囲内となるようにして配合することが望ましい。
【0041】
本発明の塗料組成物には、さらに必要に応じて、架橋剤(D)を含有せしめることができる。該架橋剤(D)としては、通常、上記水酸基含有樹脂(C)中の水酸基と反応し得る、アミノ樹脂及び/又はブロックポリイソシアネートが使用される。また、塗料組成物がカルボキシル基を有する変性ポリオレフィンを含有する場合には、架橋剤(D)として、該カルボキシル基と反応し得るエポキシ化合物を用いてもよい。
【0042】
上記アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられ、なかでもメラミン樹脂が好適である。メラミン樹脂としては、特に、メチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシルなどのアルキル基でエーテル化されたアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましく、疎水性又は親水性のいずれのタイプのものであってもよい。これらのメラミン樹脂はさらにメチロール基、イミノ基などを有していてもよい。アミノ樹脂は、通常、500〜5,000、特に800〜3,000の範囲内の数平均分子量を有することが望ましい。かかるアミノ樹脂の数平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、流量1.0ml/minでゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算したときの値である。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ装置としては、「HLC8120GPC」(東ソー(株)社製、商品名)を使用することができ、カラムとしては、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)などを使用することができる。
【0043】
上記ブロックポリイシソアネートは、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックしたものである。
【0044】
上記のポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;これらの脂肪族ポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−もしくは−2,6−ジイソシアネート、1,3−もしくは1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;これらの脂環族ジイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4´−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;これらの芳香族ジイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;水添MDI及び水添MDIの誘導体;トリフェニルメタン−4,4´,4´´−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4´−ジメチルジフェニルメタン−2,2´,5,5´−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート類;これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;これらのウレタン化付加物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができる。
【0045】
ブロックポリイソシアネートは、上記のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基にブロック剤を付加させたものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温においては安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル系;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル系;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸ジフェニルなどのマロン酸ジアルキルエステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニルなどのアセト酢酸エステル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系等のブロック剤が挙げられる。低温硬化性やポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)及び水酸基含有樹脂(C)との相溶性などの点から、これらのうち、特に、活性メチレン系のブロック剤によるブロックポリイソシアネートが好適である。
【0046】
本発明の塗料組成物が水性系である場合には、必要に応じて、上記ブロックポリイソシアネートとして水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネートを用いることができる。水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をヒドロキシモノカルボン酸を含むブロック剤でブロックし、ヒドロキシモノカルボン酸により導入されたカルボキシル基を中和することによって水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネートや、界面活性剤などの添加又は反応によって水分散化したものなどが包含される。
【0047】
上記エポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば、特に制限はなく、それ自体既知のものが使用することができ、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0048】
上記架橋剤(D)の含有量は、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)及び水酸基含有樹脂(C)との相溶性や、形成塗膜の硬化性、付着性、耐水性などの点から、一般に、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)及び水酸基含有樹脂(C)の合計固形分100重量部あたり40重量部以下、好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の範囲内とすることができる。
【0049】
本発明の塗料組成物は、さらに必要に応じて、顔料(E)を含有することができる。顔料(E)の含有量は、形成塗膜の付着性、耐水性などの点から、一般に、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)及び水酸基含有樹脂(C)の合計固形分100重量部あたり0.5〜200重量部、好ましくは0.75〜175重量部、さらに好ましくは1〜150重量部の範囲内とすることができる。
【0050】
上記顔料(E)には、着色顔料、体質顔料、導電性顔料などが包含され、着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、ベンガラ、アルミペースト、アゾ系、フタロシアニン系などが挙げられ、体質顔料としては、例えば、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華(酸化亜鉛)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。また、上記の導電性顔料としては、形成される塗膜に導電性を付与することができるものであれば特に制限はなく、粒子状、フレーク状、ファイバー(ウィスカー含む)状のいずれの形状のものであってもよく、例えば、導電性カーボンブラック、グラファイト等の炭素粉や、銀、ニッケル、銅、アルミニウム等の金属粉が例示され、さらに、アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化錫/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、インジウム錫オキシド、カーボンやグラファイトのウィスカー表面に酸化錫等を被覆した顔料;フレーク状のマイカ表面に酸化錫やアンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫及び酸化ニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物を被覆した顔料;二酸化チタン粒子表面に酸化錫及びリンを含む導電性を有する顔料などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
【0051】
特に、本発明の塗料組成物を白色塗料とする場合には、顔料(E)として白色顔料、その中でも特に酸化チタンを用いることが望ましく、意匠性や耐薬品性などの点から、その平均粒子径が約0.05〜約2μm、特に0.1〜1μmの範囲内にあるものを使用するのとが好適である。
【0052】
本発明の塗料組成物は、塗料の相溶性などの点から、必要に応じて、テルペン樹脂を含有することができる。該テルペン樹脂としては、例えば、テルペン、テルペン−フェノール、芳香族変性テルペン樹脂の水素添加物などが挙げられる。該テルペン樹脂は融点が30〜120℃、特に40〜100℃の範囲内にあることが望ましい。該テルペン樹脂の融点は、上記ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン(A)と同様の方法で測定することができる。また、該テルペン樹脂は、通常、ポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)、水酸基含有樹脂(C)及び架橋剤(D)の合計固形分を基準にして30重量%以下、好ましくは5〜20重量%の範囲内で配合することが望ましい。
【0053】
本発明の塗料組成物には、さらに必要に応じて、硬化触媒、レオロジーコントロール剤、消泡剤、有機溶剤などの塗料用添加剤を適宜配合することができる。
【0054】
塗装方法
本発明の塗料組成物は、表面に導電性を付与することが望まれる被塗物面に塗装される。そのような被塗物としては、特に制限されるものではないが、導電性付与の点から、特にプラスチック成形品が好適である。
【0055】
プラスチック成型品としては、例えば、バンパー、スポイラー、グリル、フェンダーなどの自動車外板部;家庭電化製品の外板部などに使用されているプラスチック成型品などが挙げられ、その材質としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセンなどの炭素数2〜10のオレフィン類の1種もしくは2種以上を(共)重合せしめてなるポリオレフィンが特に好適であるが、それ以外に、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミドなどにも本発明の塗料組成物を適用することができる。
【0056】
これらのプラスチック成型品は、本発明の塗料組成物の塗装に先立ち、それ自体既知の方法で、脱脂処理、水洗処理などを適宜行なっておくことができる。
【0057】
本発明の塗料組成物の塗装は、被塗物に対し、通常、乾燥膜厚で1〜30μm、好ましくは3〜15μmの範囲内となるように、エアスプレー、エアレススプレー、浸漬塗装、刷毛などを用いて行なうことができる。該塗料組成物の塗装後、得られる塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングし又は40〜80℃程度の温度で1〜60分間予備加熱することができ、あるいは約60〜約140℃、好ましくは約70〜約120℃の温度で20〜40分間程度加熱して硬化させることができる。
【0058】
上記の如くして形成される塗膜は、表面抵抗率が容易に1×10Ω/□以下となり、導電プライマー塗膜として次の工程での良好な静電塗装が可能となる。なお、本明細書において、「表面抵抗率」の測定は、乾燥膜厚が約20μmとなるように塗装した塗膜を、80°で10分間の条件で乾燥させ、TREK社製表面抵抗計、商品名「TREK MODEL 150」を用いて行うことができる(単位:Ω/□)。
【0059】
本発明においては、本発明の塗料組成物により形成される塗膜をプライマー塗膜とし、その上に着色ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装することができる。
【0060】
上記着色ベース塗料としては、それ自体既知のものを使用することができ、通常、有機溶剤及び/又は水を主たる溶媒とし、着色顔料、光輝顔料、染料などの着色成分と、基体樹脂、架橋剤などの樹脂成分を含有するものが用いられる。
【0061】
上記着色ベース塗料に使用される基体樹脂としては、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シラノール基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。また、架橋剤としては、これらの官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリカルボン酸等を挙げることができる。
【0062】
上記着色ベース塗料には、さらに必要に応じて、体質顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、塗面調製剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、消泡剤、ワックスなどの塗料用添加剤等を適宜含有せしめることができる。
【0063】
上記着色ベース塗料は、前記の未硬化の又は硬化された導電性プライマー塗膜上に、通常、乾燥膜厚で3〜50μm、好ましくは5〜20μmの範囲内となるように静電塗装し、得られる塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングし又は約40〜約80℃の温度で1〜60分間予備加熱することができ、あるいは約60〜約140℃、好ましくは約70〜約120℃の温度で20〜40分間程度加熱して硬化させることができる。
【0064】
特に、本発明の塗料組成物が高白色のプライマー塗膜を形成する場合には、この上に干渉パール色ベース塗料を塗装することにより、高白色パール調複層塗膜を形成せしめることができ、さらに、上記着色ベース塗膜層として白色ベース塗料と干渉パール色ベース塗料を順次塗装して複層膜としてもよい。
【0065】
上記のクリヤー塗料としては、基体樹脂、架橋剤などの樹脂成分と、有機溶剤や水などを含有し、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、消泡剤、ワックスなどの塗料用添加剤を配合してなる有機溶剤系又は水性系の熱硬化性塗料であって、形成されるクリヤー塗膜を透して下層塗膜を視認できる程度の透明性を有するものを用いることができ。
【0066】
上記基体樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シラノール基、エポキシ基などの少なくとも1種の架橋性官能基を含有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などが挙げられ、特に水酸基含有アクリル樹脂が好適である。架橋剤としては、これらの官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物などが挙げられ、特にブロックイソシアネート化合物が好適である。
【0067】
上記クリヤー塗料の塗装は、未硬化の又は硬化された着色ベース塗膜上に、乾燥膜厚で10〜50μm、好ましくは15〜45μmの範囲内となるように静電塗装し、得られる塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングし又は約40〜約80℃の温度で1〜60分間予備加熱した後、約60〜約140℃、好ましくは約80〜約120℃の温度で20〜40分間程度加熱して硬化させることができる。
【0068】
かくして、導電性プライマー塗膜上に、着色ベース塗膜及びクリヤー塗膜が静電塗装されたプラスチック成形品を得ることができる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、「部」及び「%」は、別記しない限り、「重量部」及び「重量%」を示す。
【0070】
実施例1
水性塩素化ポリプロピレン(A−1)(融点が70℃、重量平均分子量が約9万、マレイン酸変性による酸価が35mgKOH/g及び塩素含有率が22%であるマレイン酸変性塩素化ポリプロピレンの水分散体)を固形分重量で30部、水酸基価が30mgKOH/gのアクリルエマルションを固形分重量で30部、「WS−5000」(三井武田ケミカル社製、ウレタンディスパージョン)を固形分重量で30部、「X−03−101B」(旭化成社製、ポリエチレンオキサイド変性ポリイソシアネートの活性メチレンアダクト物)を固形分重量で10部、「TITANIX JR−903」(テイカ社製、チタン白)を100部及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフラート5部を、常法に従って配合し、固形分43%となるように脱イオン水で希釈して導電性塗料組成物(1)を得た。
【0071】
実施例2
水性ポリプロピレン/エチレン共重合体(A−2)(プロピレン/エチレン共重合比が重量比で96/4、融点が40℃、重量平均分子量が約6万及び酸価が40mgKOH/gであるマレイン酸変性プロピレン/エチレン共重合体の水分散体)を固形分重量で30部、水酸基価が30mgKOH/gの水溶性アクリル樹脂を固形分重量で30部、「WS−5000」を固形分重量で30部、「X−03−101B」を固形分重量で10部、「TITANIX JR−903」を100部及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフラート5部を、常法に従って配合し、固形分40%となるように脱イオン水で希釈して導電性塗料組成物(2)を得た。
【0072】
実施例3
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン(A−3)(融点が80℃、重量平均分子量が約9万、酸価が10mgKOH/g及び塩素含有率が20%であるマレイン酸変性塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液)を固形分重量で40部、水酸基価が20mgKOH/gのポリエステル樹脂を固形分重量で40部、「サイメル325」(日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂)を固形分重量で10部、「TITANIX JR−903」を100部及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド7部を、常法に従って配合し、固形分40%となるようにトルエンで希釈して導電性塗料組成物(3)を得た。
【0073】
実施例4
アクリル変性塩素化ポリプロピレン(A−4)(融点が90℃、重量平均分子量が約11万、酸価が10mgKOH/g、シクロヘキシルメタクリレート/プロピレン=5/95の比で変性され且つマレイン酸変性された塩素含有率が18%である塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液)を固形分重量で40部、水酸基価が20mgKOH/gのポリエステル樹脂を固形分重量で40部、「サイメル325」を固形分重量で10部、「TITANIX JR−903」を100部、「ケッチェンブラックEC600J」(ライオンアクゾ株式会社製、導電性カーボンブラック顔料)を1部及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド7部を、常法に従って配合し、固形分41%となるようにトルエンで希釈して導電性塗料組成物(4)を得た。
【0074】
実施例5
水性ポリプロピレン/エチレン共重合体(A−2)を固形分重量で30部、水酸基価が30mgKOH/gの水溶性アクリル樹脂を固形分重量で30部、「WS−5000」を固形分重量で30部、「X−03−101B」を固形分重量で10部、「TITANIX JR−903」を100部及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート5部を、常法に従って配合し、固形分40%となるように脱イオン水で希釈して導電性塗料組成物(5)を得た。
【0075】
実施例6
水性塩素化ポリプロピレン(A−1)を固形分重量で30部、水酸基価が30mgKOH/gのアクリルエマルションを固形分重量で30部、「WS−5000」を固形分重量で30部、「X−03−101B」を固形分重量で10部、「デントールWK500」(大塚化学株式会社製、酸化スズ/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン)を130部及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート5部を、常法に従って配合し、固形分43%となるように脱イオン水で希釈して塗料組成物(6)を得た。
【0076】
実施例7
水性ポリプロピレン/エチレン共重合体(A−5)(プロピレン/エチレン共重合比が重量比で96/4、融点が40℃、重量平均分子量が約10万及び酸価が40mgKOH/gであるマレイン酸変性プロピレン/エチレン共重合体の水分散体)を固形分重量で100部、「TITANIX JR−806」を130部及び1,2−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート3部を、常法に従って配合し、固形分40%となるように脱イオン水で希釈して導電性塗料組成物(7)を得た。
【0077】
実施例8
水性塩素化ポリプロピレン(A−1)を固形分重量で100部、「TITANIX JR−806」を130部及び1,2−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート3部を、常法に従って配合し、固形分40%となるように脱イオン水で希釈して導電性塗料組成物(8)を得た。
【0078】
実施例9
水性ポリプロピレン/エチレン共重合体(A−2)を固形分重量で50部、水酸基価が50mgKOH/gのアクリルエマルションを固形分重量で50部、「TITANIX JR−806」を130部、「デナコールEX512」(長瀬ケムテック社製、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)を3部及び1,2−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート3部を、常法に従って配合し、固形分40%となるように脱イオン水で希釈して導電性塗料組成物(9)を得た。
【0079】
比較例1
水性塩素化ポリプロピレン(A−1)を固形分重量で30部、水酸基価が30mgKOH/gのアクリルエマルションを固形分重量で30部、「WS−5000」を固形分重量で30部、「X−03−101B」を固形分重量で10部及び「TITANIX JR−903」(テイカ社製、チタン白)100部を、常法に従って配合し、固形分40%となるように脱イオン水で希釈して塗料組成物(10)を得た。
【0080】
比較例2
塩素化ポリプロピレン(A−3)を固形分重量で40部、水酸基価が20mgKOH/gのポリエステル樹脂を固形分重量で40部及び「サイメル325」を固形分重量で10部、「TITANIX JR−903」100部を、常法に従って配合し、固形分35%となるようにトルエンで希釈して塗料組成物(11)を得た。
【0081】
比較例3
水性塩素化ポリプロピレン(A−1)を固形分重量で30部、水酸基価が30mgKOH/gのアクリルエマルションを固形分重量で30部、「WS−5000」を固形分重量で30部、「X−03−101B」を固形分重量で10部及び「デントールWK500」(大塚化学株式会社製、酸化スズ/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン)130部を、常法に従って配合し、固形分43%となるように脱イオン水で希釈して塗料組成物(12)を得た。
【0082】
試験塗装物の作製
実施例10
ポリプロピレン板(脱脂処理済)に、上記の通り作製した導電性塗料組成物(1)を乾燥膜厚で約20μmになるようにスプレー塗装してプライマー塗膜層を形成した後、その未硬化塗膜上に「WBC#713Tマイカベース」(関西ペイント社製、水性透明着色ベースコート塗料)を乾燥膜厚で約15μmとなるように静電塗装し、80℃で10分間プレヒート後、クリヤー塗料として「K#5001T」(関西ペイント社製、アクリルウレタン系2液型溶剤系クリヤー塗料)を乾燥膜厚で約30μmとなるように静電塗装し、120℃で30分間加熱乾燥させて試験塗装板を作製した。
【0083】
実施例11〜18及び比較例6
上記実施例10において、プライマーとして表1に示す塗料組成物を用いる以外は実施例10と同様に操作して各試験塗装板を作製した。
【0084】
比較例4
ポリプロピレン板(脱脂処理済)に、上記の通り作製した塗料組成物(10)を乾燥膜厚で約20μmになるようにスプレー塗装してプライマー塗膜層を形成した後、その未硬化塗膜上に「WBC#713Tマイカベース」を乾燥膜厚で約15μmとなるように静電塗装したところ、塗着困難であったので、該静電塗装のかわりに同ベースコート塗料を乾燥膜厚で約15μmとなるようにスプレー塗装し、80℃で10分間プレヒート後、クリヤー塗料として「K#5001T」(関西ペイント社製、アクリルウレタン系2液型溶剤系クリヤー塗料)を乾燥膜厚で約30μmとなるようにスプレー塗装し、120℃で30分間加熱乾燥させて試験塗装板を作製した。
【0085】
比較例5
上記比較例4において、プライマーとして表1に示す塗料組成物を用いる以外は比較例4と同様に操作して試験塗装板を作製した。
【0086】
上記の通り作製した各試験塗装板を下記の性能試験に供した。その結果を表1に示す。
【0087】
性能試験方法
(*1)プライマー塗膜面の表面抵抗率:
ポリプロピレン板(脱脂処理済)に、各塗料組成物(1)〜(12)をそれぞれ乾燥膜厚で約20μmになるようにスプレー塗装して形成したプライマー塗膜を80℃で10分間加熱した後、各塗膜面の表面抵抗率(Ω/□)を「MODEL150」(TREK社製)で20℃にて測定した。
【0088】
(*2)塗着効率:
各実施例及び比較例における静電塗装を、ランズバーグ社製のマイクロベル(ベル径50mmφ)を用いて、塗料吐出量200cc/分、ベルヘッドの回転数30,000rpm、ベルヘッドの印加電圧−60kV、塗装機のベルヘッドと被塗面との距離25cmの条件で行なって、垂直部位での塗着効率を下記式により算出した。
【0089】
塗着効率(%)=(被塗面に塗着した塗料の固形分重量)/(塗装に使用した塗料の
固形分重量)×100
○は塗着効率が70%以上であり、×は塗着効率が70%未満であることを示す。
【0090】
(*3)明度(L値):
ポリプロピレン板(脱脂処理済)に、各塗料組成物(1)〜(12)をそれぞれ乾燥膜厚で約20μmになるようにスプレー塗装して形成したプライマー塗膜を80℃で10分間加熱した後、各塗膜面の明度を「カラーコンピュータSM−7」(スガ試験機社製)で測定した。
【0091】
次いで上記実施例10〜18及び比較例4〜6で得た各試験塗板の各複層塗膜面の明度を同様に測定した。
【0092】
(*4)初期付着性:
上記実施例10〜18及び比較例4〜6で得た各試験塗板の各塗膜面に素地に達するようにカッターで切り込み線を入れ、大きさ2mm×2mmのマス目を100個作り、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、20℃においてそれを急激に剥離した後のマス目の残存塗膜数を調べた。剥離なしを○、1マス以上剥離したものを×とした。
【0093】
(*5)耐水性:
上記実施例10〜18及び比較例4〜6で得た各試験塗板を、40℃の温水に10日間浸漬し、引き上げて乾燥してから、その塗装面を目視で評価した。○はブリスター発生なし、×はブリスター発生を示す。
【0094】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン(A)及びイオン性液体(B)を含有することを特徴とする塗料組成物。
【請求項2】
変性ポリオレフィンがポリオレフィンの不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性物、アクリル変性物、塩素化物、又はこれらの変性を組合せて用いて得られる変性ポリオレフィンである請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン(A)が120℃以下の融点及び50,000〜150,000の範囲内の重量平均分子量を有する請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン(A)が1〜50mJ/mgの範囲内の融解熱量を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項5】
イオン性液体(B)がオニウム塩構造を有するカチオンを含有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項6】
イオン性液体(B)が1,2−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート、N−ヘキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、N−ブチルピリジニウムクロリド、N,N−ジエチル−N−メチル−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−(L)−ラクテート及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム−(L)−ラクテートなる群から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項7】
イオン性液体(B)を塗料組成物の不揮発分を基準にして0.5〜30重量%の範囲内で含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項8】
水酸基価が5〜200mgKOH/gの範囲内にある水酸基含有樹脂(C)をさらに含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項9】
水酸基含有樹脂(C)をポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィン(A)/水酸基含有樹脂(C)の固形分重量比で10/90〜100/0の範囲内の割合で含有する請求項8に記載の塗料組成物。
【請求項10】
架橋剤(D)をさらに含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項11】
架橋剤(D)がアミノ樹脂又はブロックポリイソシアネートである請求項10に記載の塗料組成物。
【請求項12】
顔料(E)をさらに含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項13】
白色顔料を含有する白色塗料である請求項1〜12のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項14】
被塗物面に、請求項1〜13のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法。
【請求項15】
被塗物がプラスチック成形品である請求項14に記載の塗装方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の塗装方法により得られる塗装物品。

【公開番号】特開2007−70370(P2007−70370A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255245(P2005−255245)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】