説明

塗装検査用照射方法、塗装検査用照射装置、塗装検査装置

【課題】自動車等の被検査物の塗装外観検査において、従来の照明・検査方法では発見できなかった「色ムラまたは瑕」を発見する。
【解決手段】表面に塗装が施された被検査物10の塗装外観を検査するために、被検査物に測定光を照射する塗装検査用照射方法において、被検査物に測定光として収束光を照射する塗装検査用照射装置30Cと、被検査物からの反射光を撮像して受光画像を得る撮像手段と、前記受光画像に基づいて被検査物の塗装外観の良否を判定する判定手段と、を備えた塗装検査装置。収束手段32はフレネルレンズ等の収束パネルを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の被検査物の塗装外観を検査する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような被検査物の塗装外観を検査する場合、一般的に、被検査物に照明光(測定光)を照射し、その被検査物からの反射光を目視又はCCD(charge coupled device)カメラ等で撮像して、被検査物の塗装面に色ムラまたは瑕(欠陥)があるか否かを判別している。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平11−63959号公報)は、被検査物体の被検査面に光を照射し、被検査面からの反射光に基いて受光画像を形成し、その受光画像に基いて被検査面上に存在する欠陥を検出する「表面検査装置」を開示している。この特許文献1では、照明手段として、ボディの横断面輪郭にほぼ適合するように円形形状に配置されたアーチ(門)型照明装置を使用している。アーチ(門)型照明装置は、被検査面上に所定の明暗パターンを映し出すよう構成されている。特許文献1では、撮像手段として、カメラスタンドに調整固定治具を介して固定された複数のCCDカメラを使用している。
【0004】
特許文献2(特開平10−9837号公報)は、被検査体の被検査面に光を照射し、被検査面からの反射光に基いて受光画像を作成し、この受光画像に基いて被検査面上の欠陥を検出する「欠陥表面検査装置」を開示している。この特許文献2では、照明手段として、ボディの移動方向の正面輪郭にほぼ適合した門型(アーチ)形状を成す照明装置を使用している。照明手段は、被検査面上に所定の明暗パターンを映し出すように構成されている。特許文献2では、撮像装置として、CCDカメラを使用している。CCDカメラは、明暗パターンの映る被検査面を撮像するように、撮像装置固定手段の所定の位置に各々取付け固定されている。
【0005】
特許文献3(特開平9−318337号公報)は、特許文献2と同様に、被検査体の被検査面に光を照射し、被検査面からの反射光に基いて受光画像を作成し、この受光画像に基いて被検査面上の欠陥を検出する「欠陥表面検査装置」を開示している。
【0006】
特許文献4(特開2002−310917号公報)は、検査対象物に光を照射し、光照射された検査対象物の反射画像を撮像カメラで撮像し、撮像された画像情報に基いて検査対象物の表面を検出する「欠陥検出方法及び装置」を開示している。この特許文献3では、照明装置としてアパチャ蛍光灯を用いている。アパチャ蛍光灯からの照射光が撮像カメラに直接入射しない範囲で、アパチャ蛍光灯の光軸を検査対象物に対し垂直方向から水平方向に向けて斜めに傾けている。そして、アパチャ蛍光灯により照射される検査対象物上の照射範囲の撮像カメラ側の端部或いは端部近傍の範囲に、撮像カメラによる視点を設定している。
【0007】
特許文献5(特開2006−75706号公報)は、塗膜の欠陥を検査する塗膜検査方法を開示している。この特許文献5に開示された塗膜検査方法は、蛍光物質を含有する塗膜に被覆された被検体に励起光を照射するステップと、励起光の照射により塗膜から発生する蛍光に基づいて塗膜を検査するステップとを具備している。励起光としては、例えば、紫外線が使用される。
【0008】
特許文献6(特開2007−14855号公報)は、塗料が塗布された被塗物の塗装状態を検査する塗装状態検査方法を開示している。この特許文献6に開示された塗装状態検査方法は、被塗物に向かって光を照射し、照射光を被塗物が反射して成る反射光の光量を測定し、測定された反射光量に基づいて被塗物の塗装状態が正常であるか否かを判断している。特許文献6では、光源装置としてLED等を使用し、照射部は、光源装置より光ファイバを介して供給された光を被塗物に照射する。
【0009】
【特許文献1】特開平11−63959号公報
【特許文献2】特開平10−9837号公報
【特許文献3】特開平9−318337号公報
【特許文献4】特開2002−310917号公報
【特許文献5】特開2006−75706号公報
【特許文献6】特開2007−14855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した特許文献1〜6に開示された先行技術では、いずれも被検査物に照射する光(照射光、測定光)として、平行光又は拡散光を使用している。
【0011】
自動車のボディ等の塗装において、正常に塗装が行われると平滑な塗装面が得られる。しかしながら、異物が付着する等の原因で塗装面に異常が生じる場合がある。この場合、専門の技術者によって「手直し」が行われる。この際、一般に仕上げ工程として、ポリッシャー等によるバフ研磨仕上げが行われる。このとき、塗装面には小さな波状の凹凸が生じる。この凹凸は、この技術分野において「色ムラまたは瑕」と呼ばれている。
【0012】
また、ポリッシャー等による研磨仕上げの際に添加する薬品またはバフに含まれる化学成分が塗装表面よりわずかな深さに浸透し、表面近傍での吸光特性が手直ししていない塗装面と異なり、これによってわずかな色ムラとなって現われる。
【0013】
従来の照明・検査方法では、被検査物に当てる照明の角度によっては、目視等によって「色ムラまたは瑕」が発見されない場合がある。そのため「検査漏れ」となり、自動車の出荷後に別の角度からの光により色ムラまたは瑕が発見され、クレームの原因となっている。
【0014】
したがって、本発明の課題は、従来の照明・検査方法では発見できなかった「色ムラまたは瑕」を発見することができる、塗装検査用照射方法、塗装検査用照射装置、および塗装検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による塗装検査用照射方法は、表面に塗装が施された被検査物の塗装外観を検査するために、被検査物に測定光を照射する塗装検査用照射方法において、測定光として収束光を用いることを特徴とする。
【0016】
上記塗装検査用照射方法は、例えば、光源から出射光を出射するステップと、出射光を収束手段により収束光に変換して、収束光を被検査物へ照射するステップと、を含んで良い。
【0017】
本発明による塗装検査用照射装置は、表面に塗装が施された被検査物の塗装外観を検査するために、被検査物に測定光を照射する塗装検査用照射装置において、測定光として収束光を用いることを特徴とする。
【0018】
上記塗装検査用照射装置は、例えば、出射光を出射する光源と、出射光を収束光に変換して、収束光を被検査物へ照射させる収束手段と、から構成されて良い。
【0019】
本発明による塗装検査装置は、表面に塗装が施された被検査物に測定光を照射し、この被検査物からの反射光に基いて被検査物の塗装外観を検査する塗装検査装置において、測定光として収束光を測定光として被検査物へ照射する塗装検査用照射装置と、被検査物からの反射光を撮像して、受光画像を得る撮像手段と、受光画像に基いて被検査物の塗装外観が良好であるか否かを判断する判断手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明者らは、測定光として収束光を使用した場合、平行光や拡散光に比べ、色ムラまたは瑕の判別がより顕著に現われることを実験で確認した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
最初に、収束光を塗装面に照射したときの反射の状態について説明する。
【0023】
図1は平滑な塗装面に収束光を照射したときの、塗装面からの反射の状態を示す図である。図1に示されるように、平滑な塗装面に照射された収束光は、すべて一点に集まるように反射する。
【0024】
図2は粗さをもった塗装面に収束光を照射したときの、塗装面からの反射の状態を示す図である。図2に示されるように、粗さ(凹凸)をもった塗装面に収束光を照射した場合、多くの光が乱反射(拡散)する。すなわち、一点に集まる光の量が少ない。
【0025】
図3は一部に平滑部のある塗装面に収束光を照射したときの、塗装面からの反射の状態を示す図である。図3に示されるように、粗さ(凹凸)のある部分に照射された収束光は乱反射(拡散)するが、平滑な部分に照射された収束光は一点に集まるように反射する。したがって、図1の場合と比較して、一点に集まる光の量が異なる。
【0026】
図4は一部粗さをもった面を含む平滑な塗装面に収束光を照射したとき、塗装面からの反射の状態を示す図である。図4に示されるように、平滑面に照射された収束光は一点に集まるが、粗さ(凹凸)をもった面に照射された収束光は乱反射(拡散)する。
【0027】
以上のことから次のことが分かる。色ムラ面または瑕面(凹凸面)に対しては、平行光、収束光ともに入射点の法線に対して対称な方向に反射されるが、収束光の方が平行光よりも大きく変化する。この変化の大きい分だけ、光の分布の差が大きくなる。その結果、塗装面からの反射光を目視した場合、目視できる「色ムラまたは瑕」として認識できる。
【0028】
一般に、ポリッシャー等によるバフ研磨仕上げは、回転する工具を「色ムラまたは瑕」を中心に円形の軌跡を描くようにして仕上げらえる。このため、ほぼ「色ムラまたは瑕」を中心に円形のレンズで収束させた収束光が照射を照射した場合、より鮮明に「色ムラまたは瑕」の像を目視確認することができる。
【0029】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る塗装検査用照射装置30を示す図である。図5において、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【0030】
図5は、表面に塗装が施された被検査物が自動車のボディ10である場合を示している。そして、図5は、ボディ10の側面の塗装外観の良否を目視で検査する例を示している。
【0031】
ボディ10は、台車(図示せず)に載せられており、レール(図示せず)および搬送コンベア(図示せず)によって、図5(A)の矢印Aの方向に移動される。
【0032】
移動するボディ10の脇には、検査者(観察者)20が控えている。後述する塗装検査用照射装置30は、ボディ10の側面に測定光を照射する。検査者20は、ボディ10の側面からの反射光に基いてボディ10の塗装外観を目視により検査する。
【0033】
塗装検査用照射装置30は、上記測定光として収束光を用いる。詳述すると、塗装検査用照射装置30は、出射光を出射する光源31と、この出射光を収束光に変換して、収束光をボディ10の側面へ照射させる収束手段32とを備えている。図示の例では、収束光の夾角θは20°〜40°の間にある。また、図示の定では、ボディ10の側面に対する収束光の光軸の入射角は60°である。
【0034】
図示の例では、光源31として、太陽光(昼光)に近いスペクトルを持つ光を出射できる無電極光源を使用している。この無電極光源は、太陽光に近い可視光を出射するので、検査者20は、出荷後と同じ状況で、瑕の有無を判別することができる。尚、光源31として、メタル・ハロゲン光源などの他の光源を使用しても良い。
【0035】
一方、図示の例では、収束手段32として、収束パネルを使用している。この収束パネル32は、フレネルレンズから成る。尚、フレネルレンズの代わりに、収束パネルとして通常の凸レンズを使用しても良い。
【0036】
光源31から出射された出射光は、収束手段(収束パネル)32で収束光に収束(変換)され、この収束光は測定光としてボディ10に照射される。
【0037】
前述したように、このボディ10には、図4に示されるような、粗さ(凹凸)をもった面(色ムラまたは瑕)がある場合がある。この色ムラまたは瑕は、通常、自動車の製造ラインにおいて塗装後に発見された塗装ムラ、異物の付着等の欠陥部を専門作業者により手直し/修正した部分である。一般には、このような色ムラまたは瑕を目視により発見することは困難とされている。
【0038】
本発明では、このような色ムラまたは瑕を目視により発見することを可能とするために、塗装検査用照射装置30は、測定光として収束光を被検査物(ボディ)10の側面に向けて照射する。上記色ムラまたは瑕を中心に収束光が照射された場合、検査者20は、より鮮明に色ムラまたは瑕の像を目視確認することができる。
【0039】
すなわち、平行光では判別できない色ムラまたは瑕を、収束光を使うことで判別することができる。また、従来では、あるエリア内の欠陥(色ムラまたは瑕)を発見するために、検査者は見る位置を変えることが必要であった。これに対して、本発明の塗装検査用照射装置30では、収束光を使用するので、検査者20は、同じ位置で広い範囲の欠陥(色ムラまたは瑕)を一度に発見する事ができる。
【0040】
尚、本発明者らは、ボディ10の塗装色が白、シルバー、黒の場合に、上記色ムラまたは瑕を目視により容易に発見できることを確認している。一方、ボディ10の塗装色に応じて光源31の出射光の照明色を変えることにより、色ムラまたは瑕を発見できることも、本発明者らは確認している。また、塗装面は平面だけでなく、曲面であっても色ムラまたは瑕を判別することができる。
【0041】
図6は、本発明の第2及び第3の実施の形態に係る塗装検査用照射装置30A、30Bを示す図である。図6において、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図である。
【0042】
図6も、表面に塗装が施された被検査物が自動車のボディ10である場合を示している。そして、図6は、ボディ10の側面および上面の塗装外観の良否を目視で検査する例を示している。図5に示すものと同様の機能を有するものには、同一の参照符号を付してある。
【0043】
ボディ10は、台車(図示せず)に載せられており、レール(図示せず)および搬送コンベア(図示せず)によって、図6(A)の矢印Aの方向に移動される。
【0044】
移動するボディ10の脇には、複数の検査者(観察者)20が控えている。後述する本発明の第2の実施形態に係る塗装検査用照射装置30Aは、ボディ10の側面に測定光を照射する。この場合、検査者20は、ボディ10の側面からの反射光に基いてボディ10の塗装外観を目視により検査する。
【0045】
また、後述する本発明の第3の実施形態に係る塗装検査用照射装置30Bは、ボディ10の上面に測定光を照射する。この場合、検査者20は、ボディ10の上面からの反射光に基いてボディ10の塗装外観を目視により検査する。
【0046】
塗装検査用照射装置30A、30Bは、上記測定光として収束光を用いている。
【0047】
詳述すると、塗装検査用照射装置30Aは、ボディ10の側方に配置される。塗装検査用照射装置30Aは、出射光を出射する光源31と、この出射光を反射する第1及び第2のミラー33、34と、第2のミラー34からの反射光を収束光に変換して、収束光をボディ10の側面へ照射させる収束パネル(収束手段)32とを備えている。尚、光源31、収束パネル32、第1及び第2のミラー33、34は、筐体35内に収容されている。
【0048】
これに対して、塗装検査用照射装置30Bは、ボディ10の上方に配置される。塗装検査用照射装置30Bは、出射光を出射する光源31と、この出射光を直進又は反射可能なように可動自在に設けられた可動ミラー36と、下側ミラー37と、上側ミラー38と、前方収束パネル32Aと、後方収束パネル32Bとを備えている。この塗装検査用照射装置30Bでは、収束手段として、前方収束パネル32Aと後方収束パネル32Bとを備えている。
【0049】
可動ミラー36が、図6(B)の実線で示されるように、上方に傾けた状態に置かれているとする。この場合、光源31から出射された出射光は、可動ミラー36で反射されることなく直進し、下側ミラー37で反射され、上側ミラー38で反射された後、前方収束パネル32Aで収束光に収束(変換)される。
【0050】
一方、可動ミラー36が、図6(B)において、鉛直(垂直)方向に延在するように置かれたとする。この場合、光源31から出射された出射光は、可動ミラー36で反射され、下側ミラー37で反射され、上側ミラー38で反射された後、後方収束パネル32Bで収束光に収束(変換)される。
【0051】
塗装検査用照射装置30Aは、測定光として収束光を被検査物(ボディ)10の側面に向けて照射し、塗装検査用照射装置30Bは、測定光として収束光を被検査物(ボディ)10の上面に向けて照射する。上記瑕を中心に収束光が照射された場合、検査者20は、より鮮明に色ムラまたは瑕の像を目視確認することができる。
【0052】
上述した本発明の第1乃至第3の実施形態では、検査者20の目視により、被検査物(ボディ)10の塗装面に色ムラまたは瑕が有るか否かを検査している。しかしながら、後述する本発明の第4の実施形態のように、自動的に、被検査物(ボディ)10の塗装面に色ムラまたは瑕が有るか否かを検査するようにしても良い。
【0053】
図7は本発明の第4の実施の形態に係る塗装検査装置100を示す図である。図7も、表面に塗装が施された被検査物が自動車のボディ10である場合を示している。そして、図7は、ボディ10の塗装外観の良否を自動的に判別する例を示している。
【0054】
塗装検査装置100は、塗装が施された被検査物(ボディ)10に測定光を照射し、被検査物(ボディ)10からの反射光に基いて被検査物(ボディ)10の塗装外観を検査する装置である。
【0055】
塗装検査装置100は、測定光として収束光をボディ(被検査物)10に向けて照射する塗装検査用照射装置(収束光照明ボックス)30Cと、ボディ(被検査物)10からの反射光を撮像して、受光画像を得る撮像装置40と、受光画像に基いてボディ(被検査物)10の塗装外観が良好であるか否かを判断する判断装置50とを備えている。
【0056】
塗装検査用照射装置(収束光照明ボックス)30Cの構成は図7には図示していなが、塗装検査用照射装置(収束光照明ボックス)30Cは、前述した塗装検査用照射装置30Aと同様に、出射光を出射する光源と、出射光を収束光に変換して、収束光を測定光としてボディ(被検査物)10へ照射させる収束手段とを備えている。撮像装置40は、例えば、CCDカメラで構成される。
【0057】
塗装検査装置100は、ボディ10の移動方向の正面輪郭にほぼ適合したアーチ状軌道60を更に備えている。塗装検査用照射装置(収束光照明ボックス)30Cと撮像装置40は、図7の矢印Bで示されるように、アーチ状軌道60に沿って移動可能に設けられている。撮像装置40で撮像された受光画像は、通信ケーブル70を介して、判断装置50へ送信される。
【0058】
判断装置50は、例えば、コンピュータで構成される。周知のように、コンピュータは、データを入力する入力装置と、データを処理する中央処理装置(CPU)と、データを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)と、CPUで処理すべきプログラムを格納するリードオンリメモリ(ROM)と、データを出力する出力装置とを備えている。
【0059】
図7の判断装置50には、ROMに格納されたプログラムの処理内容が図示されている。
【0060】
すなわち、判断装置50は、受光画像を処理して画像処理結果を出力する画像処理ステップ51と、画像処理結果を数値化して、数値化データを出力する数値化ステップ52と、数値化データと管理値とを比較して、ボディ10の塗装面に色ムラまたは瑕が有るか否かを判定する判定ステップ53とを有する。判定ステップ53は、色ムラまたは瑕が無い場合(Yes)、検査OKを出力装置へ出力し、色ムラまたは瑕が有る場合(No)、検査NGを出力装置へ出力する。
【0061】
以上説明したように、塗装検査装置100は、測定光として収束光をボディ(被検査物)10に向けて照射し、被検査物(ボディ)10からの反射光に基いて被検査物(ボディ)10の塗装外観を検査する。
【0062】
以上、本発明について好ましい実施の形態について説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の趣旨(主題)を逸脱しない範囲内で種々の変形・変更が可能なのは勿論である。例えば、上述した実施の形態では、被検査物として自動車のボディを例に挙げて説明したが、これに限定されないのは勿論である。例えば、被検査物は、バイクや、飛行機、電車、ピアノ、家具などであって良い。塗装は、メッキや漆塗りであっても良い。また、本発明は、金属のみがき跡の検査や、宝石、光学部品(レンズ、ミラーなど)の欠陥の検査にも応用可能である。更に、本発明は、カラー鋼板の製造工程内の検査にも応用可能である。また、本発明は、フィルム類の外観検査にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】平滑な塗装面に収束光を照射したときの、塗装面からの反射の状態を示す図である。
【図2】粗さをもった塗装面に収束光を照射したときの、塗装面からの反射の状態を示す図である。
【図3】一部に平滑部のある塗装面に収束光を照射したときの、塗装面からの反射の状態を示す図である。
【図4】一部粗さをもった面を含む平滑な塗装面に収束光を照射したとき、塗装面からの反射の状態を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る塗装検査用照射装置を示す図である。
【図6】本発明の第2及び第3の実施の形態に係る塗装検査用照射装置を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る塗装検査装置を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 被検査物(自動車のボディ)
20 検査者(観察者)
30、30A、30B 塗装検査用照射装置
30C 塗装検査用照射装置(収束光照明ボックス)
31 光源
32 収束手段(収束パネル、フレネルレンズ)
32A 前方収束パネル(収束手段)
32B 後方収束パネル(収束手段)
33 第1のミラー
34 第2のミラー
35 筐体
36 可動ミラー
37 下側ミラー
38 上側ミラー
40 撮像装置(CCDカメラ)
50 判断装置
60 アーチ状軌道
70 通信ケーブル
100 塗装検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に塗装が施された被検査物の塗装外観を検査するために、前記被検査物に測定光を照射する塗装検査用照射方法において、
前記測定光として収束光を用いることを特徴とする塗装検査用照射方法。
【請求項2】
光源から出射光を出射するステップと、
前記出射光を収束手段により前記収束光に変換して、前記収束光を前記被検査物へ照射するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の塗装検査用照射方法。
【請求項3】
表面に塗装が施された被検査物の塗装外観を検査するために、前記被検査物に測定光を照射する塗装検査用照射装置において、
前記測定光として収束光を用いることを特徴とする塗装検査用照射装置。
【請求項4】
出射光を出射する光源と、
前記出射光を前記収束光に変換して、前記収束光を前記被検査物へ照射させる収束手段と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の塗装検査用照射装置。
【請求項5】
表面に塗装が施された被検査物に測定光を照射し、該被検査物からの反射光に基いて前記被検査物の塗装外観を検査する塗装検査装置において、
前記測定光として収束光を前記被検査物に照射する塗装検査用照射装置と、
前記被検査物からの反射光を撮像して、受光画像を得る撮像手段と、
前記受光画像に基いて前記被検査物の塗装外観が良好であるか否かを判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする塗装検査装置。
【請求項6】
前記塗装検査用照射装置は、
出射光を出射する光源と、
前記出射光を前記収束光に変換して、前記収束光を前記被検査物へ照射させる収束手段と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の塗装検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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