説明

塗装機用洗浄機構、塗装機の洗浄方法

【課題】回転霧化頭の後面を洗浄することができ、塗装機の構造の複雑化や塗装機の大型化を防止できる塗装機用洗浄機構を提供すること。
【解決手段】塗装機用洗浄機構は、塗装機4を洗浄するためのものであり、洗浄液回収容器2及びノズル25を備えている。洗浄液回収容器2は塗装機4とは別体に設けられている。ノズル25は、洗浄液回収容器2によって支持されており、塗装機4が備える回転霧化頭30の後面31aに対して洗浄液を噴射する。これにより、回転霧化頭30の後面31aが洗浄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装機を洗浄するための塗装機用洗浄機構、及び、塗装機の洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車ボディなどの被塗装物の塗装には、塗装ロボットが主に使用されている。この塗装ロボットは、被塗装物を塗装する際に屈伸・回転するアームと、アームの先端部に装備される塗装機とを備えている。塗装機はベル型の回転霧化頭などを備えている。なお、塗装ロボットは、被塗装物を塗装する動作の他に、色替の際に生じる余剰塗料を廃塗料回収容器(例えば、特許文献1参照)内に吹き捨てるという動作も行うようになっている。
【0003】
また、色替を行う場合、次の被塗装物への塗装が開始されるまでの間に、回転霧化頭などに付着した塗料を除去しておく必要もある。仮に、塗料を除去しておかなければ、付着した塗料が被塗装物に垂れるなどして塗装品質が低下するおそれがある。塗料を除去する方法としては、廃塗料回収容器内に設けられたノズルから回転霧化頭の前面(内面)に洗浄液を噴射して回転霧化頭を洗浄することなどが提案されている。
【特許文献1】特開2000−189849号公報(図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、塗料は塗装時に霧化されるため、回転霧化頭の前面に加えて後面にも付着する可能性がある。よって、被塗装物の塗装品質の低下をより確実に防止するためには、回転霧化頭の前面に加えて後面も洗浄したいという要求がある。そこで、回転霧化頭の後面を洗浄する機構がいろいろ検討されている。
【0005】
例えば、前記ノズルを塗装機と一体に設け、後方から回転霧化頭の後面に洗浄液を噴射して回転霧化頭を洗浄することが考えられる。しかし、塗装機にノズルを設けることで塗装機の構造が複雑化し、塗装機が大型化してしまう。ゆえに、塗装ロボットで塗装機を移動させる際に大きな動力が必要となる。また、ノズルから被塗装物に洗浄液が垂れることにより、被塗装物の塗装品質が低下する可能性もある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転霧化頭の後面を洗浄することができ、塗装機の構造の複雑化や塗装機の大型化を防止できる塗装機用洗浄機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、前端に行くに従って外径が大きくなるテーパ面を有するベル型の回転霧化頭が塗装機本体に設けられた塗装機を洗浄するための塗装機用洗浄機構であって、前記塗装機とは別体に設けられたノズル支持体と、前記ノズル支持体によって支持され、前記回転霧化頭の後面に対して洗浄液を噴射するノズルとを備えたことを特徴とする塗装機用洗浄機構をその要旨とする。
【0008】
従って、請求項1に記載の発明によると、ノズルが回転霧化頭の後面に対して洗浄液を噴射することにより、回転霧化頭の後面を洗浄することができる。また、ノズルを支持するノズル支持体が塗装機とは別体に設けられるため、塗装機の構造の複雑化や塗装機の大型化を防止できる。
【0009】
ここで、洗浄液としては、塗料が水性塗料である場合、例えば、水や溶剤を含んだ水が用いられる。また、塗料が溶剤型塗料である場合、例えば、酢酸アミル、酢酸ブチル、酢酸エチル、トルエンなどの複数種類の溶剤からなるシンナーが用いられる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ノズル支持体は、上端に開口部を有する容器本体と、前記開口部を覆う上蓋とからなり、前記ノズルから噴射した洗浄液を回収する洗浄液回収容器であり、前記上蓋は、前記回転霧化頭を前記容器本体内に挿入可能な挿入孔を有し、前記ノズルは、先端を前記回転霧化頭の後面に向けた状態で、斜め下向きに配置されていることをその要旨とする。
【0011】
従って、請求項2に記載の発明によると、ノズルから噴射した洗浄液が洗浄液回収容器内に回収されるため、洗浄液回収容器の周囲への洗浄液の付着を防止することができる。
【0012】
なお、ノズルは、斜め下向きに配置されるが、具体的には、ノズルは、上蓋の上面に対して20°以上40°以下の角度をなすように配置されることが好ましい。このようにすれば、ノズルから噴射した洗浄液が回転霧化頭の後面に付着しやすくなるため、回転霧化頭の周囲への洗浄液の飛散を防止することができる。仮に、ノズルが上蓋の上面に対して40°よりも大きいと、回転霧化頭に対して噴射された洗浄液が上側(回転霧化頭の後端側)に飛散しやすくなる。一方、ノズルが上蓋の上面に対して20°よりも小さいと、回転霧化頭に対して噴射された洗浄液が回転霧化頭の外周側に飛散しやすくなる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記挿入孔の開口端縁近傍において前記ノズルと向かい合うように、前記挿入孔の周囲への洗浄液の飛散を防止する飛散防止壁を配置したことをその要旨とする。
【0014】
従って、請求項3に記載の発明によると、ノズルから噴射した洗浄液のうち回転霧化頭の後面に付着しなかった洗浄液は、ノズルと向かい合うように配置された飛散防止壁によって止められる。よって、挿入孔の周囲への洗浄液の飛散を確実に防止できる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、前端に行くに従って外径が大きくなるテーパ面を有するベル型の回転霧化頭が塗装機本体に設けられた塗装機を洗浄する方法であって、前記回転霧化頭を回転させた状態で、前記塗装機とは別体に設けたノズル支持体によって支持されるノズルから、前記回転霧化頭の後面における回転軸からずれた位置に向けて前記回転霧化頭の回転方向と順方向に洗浄液を噴射することを特徴とする塗装機の洗浄方法をその要旨とする。
【0016】
従って、請求項4に記載の発明によると、回転霧化頭の周囲への洗浄液の飛散をより確実に防止することができる。即ち、ノズルは、回転霧化頭の回転方向と順方向に洗浄液を噴射する。その結果、回転方向と逆方向に洗浄液を噴射する場合に比べて洗浄液の噴射速度と回転霧化頭の回転速度との速度差が小さくなるため、洗浄液が回転霧化頭に巻き付くような形で付着しやすくなる。また、ノズルは、回転霧化頭の後面における回転軸からずれた位置に向けて洗浄液を噴射するため、洗浄液は回転霧化頭の後面に対して斜めに接触する。よって、洗浄液が後面に対して垂直に接触する場合に比べて、洗浄液が回転霧化頭の後面に付着しやすくなる。
【発明の効果】
【0017】
以上詳述したように、請求項1〜4に記載の発明によると、回転霧化頭の後面を洗浄することができる。特に、請求項2に記載の発明によると、回転霧化頭の周囲への洗浄液の飛散を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態の塗装機用洗浄機構を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1に示されるように、塗装機用洗浄機構1は、塗装ロボット3に取り付けられた塗装機4を洗浄するためのものである。塗装ロボット3は、自動車ボディなどの被塗装物(図示略)に対して塗装作業を行う際に用いられる多関節ロボットである。塗装ロボット3は、被塗装物を塗装する際に屈伸・回転するアーム13と、アーム13の先端に取り付けられた塗装機4とを備えている。塗装機4は、アーム13の屈伸・回転により、高さ及び塗料噴射方向が変更されるようになっている。なお、アーム13は、複数の関節を動かすための図示しないモータを複数個備えており、それらのモータはコントローラ9からの制御信号に基づいて駆動制御されるようになっている。
【0020】
図1〜図3に示されるように、塗装機4は、略円筒状の塗装機本体32と、ベル型の回転霧化頭30とを備えている。塗装機本体32は、塗料が充填される塗料容器(図示略)と、塗料容器内の塗料を回転霧化頭30に供給する塗料供給機構(図示略)とを備えている。回転霧化頭30は、塗装機本体32に取り付けられており、塗装機本体32内に設けられた霧化頭回転用モータによって回転するようになっている。そして、回転霧化頭30が回転すると、塗料供給機構によって供給されてきた塗料は、遠心力によって外周側に飛散して霧化されるようになっている。なお、塗料供給機構及び霧化頭回転用モータは、コントローラ9からの制御信号に基づいて駆動制御されるようになっている。また、回転霧化頭30の後部33は略円筒状をなしており、回転霧化頭30の前部31は、前端に行くに従って外径が大きくなる後面(テーパ面)31aを有している。なお、後面31aは、回転霧化頭30の径方向に対して約45°傾斜している。
【0021】
図1〜図3に示されるように、塗装機用洗浄機構1は、洗浄液回収容器2(ノズル支持体)を備えている。洗浄液回収容器2は、前記塗装ロボット3の近傍において、塗装機4とは別体に設けられている。洗浄液回収容器2は、ノズル25から噴射した水などの洗浄液を回収する機能と、色替時に塗装機4から吹き捨てられた塗料を回収する機能とを有している。なお、本実施形態では、洗浄液回収容器2がステンレス製であるため、洗浄液に起因した錆びの発生を防止することができる。
【0022】
洗浄液回収容器2は、略円筒状をなす容器本体23と、略円板状をなす上蓋24とを備えている。容器本体23は、開口部23aを上端に有するとともに、容器本体23内の廃液を排出する廃液排出口(図示略)を下端に有している。一方、上蓋24は、容器本体23の外径と略同じ直径に設定され、開口部23aを覆うように容器本体23に取り付けられている。上蓋24の中央部には、回転霧化頭30を容器本体23内に挿入可能な挿入孔22が設けられている。挿入孔22は円形状をなしており、その内径は、挿入した回転霧化頭30との間に10mm以上50mm以下の隙間が生じる程度の大きさに設定されている。
【0023】
図1〜図3に示されるように、上蓋24の上面24a側には、洗浄液を噴射させるためのノズル25が取付金具25aなどを介して固定されている。ノズル25は、洗浄液回収容器2の外側において挿入孔22の開口端縁近傍に配置されている。図1に示されるように、ノズル25は、洗浄液を供給する洗浄液供給路21の終端に設けられている。また、洗浄液供給路21上には、洗浄液が充填される洗浄液容器29と、洗浄液容器29内の洗浄液をノズル25に圧送するポンプ28とが設けられている。ポンプ28は、前記コントローラ9からの制御信号に基づいて駆動することにより、洗浄液をノズル25から噴射させるようになっている。
【0024】
また、ノズル25は、同一方向に延びる2本の洗浄液噴射管26を備えている。各洗浄液噴射管26は、先端を前記回転霧化頭30の後面31aに向けた状態で、斜め下向きに配置されている。具体的には、各洗浄液噴射管26は、上蓋24の上面24aに対して約30°(本実施形態では28.5°)の角度θ1(図2参照)をなすように配置されている。また、各洗浄液噴射管26は、回転霧化頭30の回転軸C(図3参照)からずれた位置に向けて洗浄液を噴射するようになっている。さらに、各洗浄液噴射管26は、前記前部31と前記後部33との接続部分に向けて洗浄液を噴射するようになっている。
【0025】
図1〜図3に示されるように、上蓋24の上面24a側には、挿入孔22の周囲への洗浄液の飛散を防止する飛散防止壁27が設置されている。飛散防止壁27は、上方から見て略く字状をなす金属板であり、挿入孔22の開口端縁の一部に沿って設けられている。また、飛散防止壁27は、挿入孔22の開口端縁近傍においてノズル25と向かい合うように配置されている。さらに、飛散防止壁27は、回転霧化頭30を挿入孔22に挿入させる際の塗装機4の移動経路A1(図3参照)を避けて配置されている。また、飛散防止壁27は、各洗浄液噴射管26の先端の位置よりも高くなっている。
【0026】
次に、塗装機用洗浄機構1の作用を説明する。
【0027】
まず、塗装機4による被塗装物の塗装が終了し、次の被塗装物を塗装するにあたって色替をする必要が生じた場合、コントローラ9は、アーム13を駆動して塗装機4を移動経路A1に沿って水平方向に移動させる。そして、塗装機4が挿入孔22の上方位置に到達すると、コントローラ9は、アーム13を駆動して塗装機4を下降させることにより、回転霧化頭30を挿入孔22を介して洗浄液回収容器2内に挿入させる。このとき、回転霧化頭30は、前部31全体が洗浄液回収容器2内(または挿入孔22内)に位置するように挿入される。その後、コントローラ9が塗装機4を駆動して塗料を噴射させることにより、塗装機4内の塗料を洗浄液回収容器2内に吹き捨てる。
【0028】
次に、コントローラ9は、霧化頭回転用モータを駆動して回転霧化頭30を15000rpmで回転させる。この状態において、コントローラ9は、ポンプ28を駆動してノズル25に洗浄液を供給し、各洗浄液噴射管26から回転霧化頭30の後面31aに向けて洗浄液を噴射させる。具体的には、回転霧化頭30の後面31aにおける回転軸Cからずれた位置に向けて、回転霧化頭30の回転方向C1(図3参照)と順方向に洗浄液を噴射する。なお、洗浄液は、回転霧化頭30の後面31aに吹き付けられるのではなく、回転霧化頭30の後面31aにちょうど到達する程度の勢いで噴射される。このため、噴射された洗浄液は、回転霧化頭30の後面31aで跳ね返りにくくなり、後面31aに巻き付くように付着する。そして、後面31aに付着した洗浄液は、遠心力によって徐々に回転霧化頭30の前端側に流れていく。その結果、後面31aに残留する塗料が洗浄液によって除去される。なお、洗浄液の噴射は所定時間(本実施形態では1s弱)の間行われる。
【0029】
洗浄液の噴射を終了した後、コントローラ9は霧化頭回転用モータの駆動を停止させるが、回転霧化頭30は慣性力によって一定時間回転し続ける。これにより、回転霧化頭30に付着している洗浄液や塗料が遠心力によって外周側に飛散し、回転霧化頭30が乾燥する。よって、次の被塗装物を塗装する際に、回転霧化頭30から被塗装物に洗浄液や塗料が落下して被塗装物の塗装品質が低下することを防止できる。
【0030】
洗浄作業が終了すると、塗装機本体32内の塗料容器に次色塗料を充填して色替を行う。その後、コントローラ9は、アーム13を駆動して塗装機4を上昇させることにより、回転霧化頭30を洗浄液回収容器2の外部に移動させる。さらに、コントローラ9は、アーム13を駆動して塗装機4を塗装作業開始位置に移動させる。続いて、コントローラ9は、塗装機4を駆動させて次の被塗装物の塗装を開始させる。
【0031】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0032】
(1)本実施形態の塗装機用洗浄機構1によれば、ノズル25から噴射される洗浄液によって回転霧化頭30の後面31aを洗浄できる。
【0033】
また、ノズル25は、塗装機4とは別体に設けられるため、塗装機4にノズル25を設けることに起因した塗装機4の構造の複雑化や、塗装機4の大型化を防止できる。ゆえに、塗装ロボット3で塗装機4を移動させる際に大きな動力が不要となる。また、ノズル25から被塗装物に洗浄液が垂れることによる被塗装物の塗装品質の低下を防止できる。
【0034】
(2)本実施形態の洗浄液回収容器2は、ノズル25を支持するノズル支持体としての機能を兼ねているため、洗浄液回収容器2とノズル支持体を別個に設けなくても済む。よって、塗装機用洗浄機構1を構成する部品点数の増加を防止できる。
【0035】
(3)本実施形態のノズル25は上蓋24に固定されている。よって、上蓋24が容器本体23に対して位置ずれした状態で取り付けられたとしても、挿入孔22とノズル25との位置関係が変わることはない。即ち、挿入孔22を介して容器本体23内に挿入された回転霧化頭30とノズル25との位置関係のずれを防止できる。従って、上蓋24の取付状態にかかわらず、洗浄液を確実に回転霧化頭30の後面31aに付着させることができる。
【0036】
(4)本実施形態の飛散防止壁27は、挿入孔22の開口端縁近傍に配置されている。このため、飛散防止壁27に接触した洗浄液は、飛散防止壁27をつたって流れ落ち、挿入孔22を介して洗浄液回収容器2内に落下しやすくなる。ゆえに、洗浄液回収容器2による洗浄液の回収効率が向上する。
【0037】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0038】
・上記実施形態において、ノズル25の各洗浄液噴射管26の角度を調整する角度調整機構を取付金具25aなどに設けてもよい。このようにすれば、洗浄液噴射管26から噴射された洗浄液が回転霧化頭30の後面31aに上手く付着しない場合であっても、洗浄液が後面31aに付着するように各洗浄液噴射管26の角度を調整することができる。
【0039】
・上記実施形態では、飛散防止壁27は、挿入孔22の開口端縁の一部に沿って設けられていた。しかし、飛散防止壁27は、挿入孔22の開口端縁全体に亘って設けられていてもよい。このようにすれば、挿入孔22の周囲への洗浄液の飛散をより確実に防止できる。
【0040】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0041】
(1)請求項2において、前記ノズルは、前記上蓋の上面に対して20°以上40°以下の角度をなすように配置されていること。
【0042】
(2)請求項2において、前記ノズルは、前記洗浄液回収容器の外側に配置されていること。このようにすれば、塗料によるノズルの汚れを防止できる。
【0043】
(3)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記ノズルは、同一方向に延びる複数本の洗浄液噴射管を備えていること。このようにすれば、回転霧化頭の後面のより広い範囲に洗浄液を噴射することができる。よって、回転霧化頭の洗浄をより効率良く行うことができるとともに、洗い残し部分の発生を確実に防止できる。
【0044】
(4)請求項2において、前記ノズルは前記上蓋に固定されていること。
【0045】
(5)請求項3において、前記飛散防止壁は、前記挿入孔の開口端縁の一部に沿って設けられること。
【0046】
(6)請求項3において、前記塗装機は、塗装ロボットによって前記回転霧化頭が前記挿入孔内に案内されるようになっており、前記飛散防止壁は、前記回転霧化頭を前記挿入孔に挿入させる際の前記塗装機の移動経路を避けて配置されていること。
【0047】
(7)請求項4において、前記ノズルからの洗浄液の噴射を終了した後、前記回転霧化頭を一定時間回転させて乾燥させること。
【0048】
(8)前端に行くに従って外径が大きくなるテーパ面を有するベル型の回転霧化頭が塗装機本体に設けられた塗装機を洗浄するための塗装機用洗浄機構を有する洗浄液回収容器であって、前記塗装機とは別体に設けられ、前記回転霧化頭の後面に対して洗浄液を噴射するノズルを備えたことを特徴とする塗装機用洗浄機構付き洗浄液回収容器。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態における塗装機用洗浄機構を示す概略図。
【図2】回転霧化頭、洗浄液回収容器及びノズルなどを示す概略断面図。
【図3】回転霧化頭、洗浄液回収容器及びノズルなどを示す概略平面図。
【符号の説明】
【0050】
1…塗装機用洗浄機構
2…ノズル支持体としての洗浄液回収容器
4…塗装機
22…挿入孔
23…容器本体
23a…開口部
24…上蓋
25…ノズル
27…飛散防止壁
30…回転霧化頭
31a…後面(テーパ面)
32…塗装機本体
C…回転軸
C1…回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端に行くに従って外径が大きくなるテーパ面を有するベル型の回転霧化頭が塗装機本体に設けられた塗装機を洗浄するための塗装機用洗浄機構であって、
前記塗装機とは別体に設けられたノズル支持体と、
前記ノズル支持体によって支持され、前記回転霧化頭の後面に対して洗浄液を噴射するノズルと
を備えたことを特徴とする塗装機用洗浄機構。
【請求項2】
前記ノズル支持体は、上端に開口部を有する容器本体と、前記開口部を覆う上蓋とからなり、前記ノズルから噴射した洗浄液を回収する洗浄液回収容器であり、
前記上蓋は、前記回転霧化頭を前記容器本体内に挿入可能な挿入孔を有し、
前記ノズルは、先端を前記回転霧化頭の後面に向けた状態で、斜め下向きに配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の塗装機用洗浄機構。
【請求項3】
前記挿入孔の開口端縁近傍において前記ノズルと向かい合うように、前記挿入孔の周囲への洗浄液の飛散を防止する飛散防止壁を配置したことを特徴とする請求項2に記載の塗装機用洗浄機構。
【請求項4】
前端に行くに従って外径が大きくなるテーパ面を有するベル型の回転霧化頭が塗装機本体に設けられた塗装機を洗浄する方法であって、
前記回転霧化頭を回転させた状態で、
前記塗装機とは別体に設けたノズル支持体によって支持されるノズルから、前記回転霧化頭の後面における回転軸からずれた位置に向けて前記回転霧化頭の回転方向と順方向に洗浄液を噴射する
ことを特徴とする塗装機の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−334575(P2006−334575A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166264(P2005−166264)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000110343)トリニティ工業株式会社 (147)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】