説明

塗装設備

【課題】 塗装ブースから外部へ塗料が飛散するのを防止できるとともに、塗装に際してワークに塵埃が付着するのを防止できる。
【解決手段】
塗装設備は、アウターブース1と、アウターブース1内に配置されワーク塗装を行なうインナーブース7と、アウターブース1に清浄空気を供給する第1空気供給手段10と、インナーブース7に清浄な空気を供給する第2空気供給手段20と、インナーブース7の入口7xと出口7yを横切るように空気を流すことによりインナーブース7の内外の空気流通を遮断する断気手段45と、インナーブース7から空気を吸引する吸気手段60と、吸気手段60により吸引された空気中から塗料または塗料成分を回収する塗料回収手段65とを備えている。アウターブース1内の気圧は大気圧より高く、インナーブース7内の気圧はアウターブース1内の気圧より高く制御されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを塗装するための設備および車両用ホイールの塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、一般的な塗装設備では、塗装ブースの内部空間でワークに塗装を施すようになっている。この塗装ブースには吸気手段が接続され、この吸気手段により吸引された空気中の塗料または塗料成分を塗料回収手段で回収している。これにより、塗装ブース内の塗料が大気中に飛散するのを防止している。
【特許文献1】特開2004−89948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の塗装設備では、塗装ブース内が負圧になっているので大気が塗装ブース内に入り込むことになり、大気中の塵埃がワークに付着して塗装不良が生じることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、塗装設備において、(ア)ワークに塗装を施す内部空間を有する塗装ブースと、(イ)上記塗装ブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記塗装ブースの内部と外部との間の空気流通を遮断する断気手段と、(ウ)上記塗装ブース内の空気を吸引する吸気手段と、(エ)上記吸気手段により吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収する塗料回収手段と、(オ)上記塗装ブースに清浄空気を供給する空気供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0005】
上記構成によれば、吸気手段と塗料回収手段により塗装ブース内に浮遊する塗料を回収し、しかも断気手段により塗装ブース内外の空気流通を遮断しているので、塗料が塗装ブースの外部に飛散するのを防止できる。
【0006】
また、断気手段により塗装ブース内外の空気流通を遮断し、空気供給手段により塗装ブースに清浄な空気を供給するので、大気中の塵埃がワークに付着することなく、塗装を良好に行なうことができる。
【0007】
好ましくは、さらに気圧制御手段を備え、この気圧制御手段は、上記空気供給手段による空気供給量を制御することにより塗装ブース内の気圧を塗装ブース外の気圧より高くする。これによれば、塗装ブース外の空気が塗装ブース内に入り込むのをより一層確実に防止でき、ひいてはワークへの塵埃付着をより一層確実に防止できる。
【0008】
本発明の塗装設備の他の態様では、(ア)アウターブースと、(イ)上記アウターブース内に配置され、ワークに塗装を施すための内部空間を有するインナーブースと、(ウ)上記インナーブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記インナーブースの内部空間とアウターブースの内部空間との間の空気流通を遮断する断気手段と、(エ)上記インナーブースから空気を吸引する吸気手段と、(オ)上記吸気手段により吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収する塗料回収手段と、(カ)上記アウターブースに清浄空気を供給する第1空気供給手段と、(キ)上記インナーブースに清浄な空気を供給する第2空気供給手段と、(ク)上記第1,第2空気供給手段の空気供給量を制御することにより、アウターブース内の気圧を大気圧より高くし、インナーブース内の気圧をアウターブース内の気圧より高くする気圧制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、吸気手段と塗料回収手段によりインナーブースに浮遊する塗料を回収し、しかも断気手段によりインナーブース内外における空気流通を遮断しているので、塗料がインナーブースの外へ飛散するのを防止できる。万一塗料がインナーブースの外へ飛散しても、インナーブースがアウターブースによって囲われているので、アウターブース外へ飛散するのを確実に防止できる。
【0010】
また、断気手段によるインナーブース内外の空気流通を遮断すること、第2空気供給手段によりインナーブースへ清浄空気を供給すること、およびインナーブース内の気圧をインナーブース外の気圧より高くすることより、インナーブース外の空気がインナーブース内に入り込むのを防止でき、ひいては塵埃がワークに付着するのを防止できるので、塗装を良好に行なうことができる。
【0011】
さらに、アウターブース内の気圧が大気圧より高いので外気がアウターブースに入り込まず、アウターブースには清浄な空気が供給されるので、万一インナーブースへ空気が入り込んでも、この空気は清浄でありワークへの塵埃付着を回避できる。
【0012】
好ましくは、上記第1,第2空気供給手段および断気手段が、共通経路に設けられた共通のファンおよびフィルタを備え、共通経路から分岐する分岐経路上にそれぞれ制御バルブを備えている。これによれば、上記ファンとフィルタの共通化により設備コストを低減できる。
【0013】
さらに好ましくは、上記吸気手段が、上記共通のファンの吸い込み口を吸気経路を介して上記インナーブースに接続することにより、構成される。これによれば、塗装設備内で空気を循環して利用でき、環境への負荷をより一層軽減できる。
【0014】
また本発明は、車両用ホイールの塗装方法において、塗装ブース内で車両用ホイールに塗装を施し、上記塗装ブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記塗装ブースの内部と外部との間の空気流通を遮断し、上記塗装ブース内の空気を吸引し、吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収し、上記塗装ブースに清浄空気を供給するとともに、塗装ブース内の気圧を塗装ブース外の気圧より高くすることを特徴とする。
この方法によれば、塗料が塗装ブースの外部に飛散するのを防止できるとともに、大気中の塵埃が車両用ホイールに付着することなく、車両用ホイールの塗装を良好に行なうことができる。
【0015】
さらに本発明は、車両用ホイールの塗装方法において、アウターブースと、このアウターブース内に配置されたインナーブースを用意し、上記インナーブース内で車両用ホイールに塗装を施し、上記インナーブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記インナーブースの内部空間とアウターブースの内部空間との間の空気流通を遮断し、上記インナーブースから空気を吸引するとともに、吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収し、上記アウターブースおよびインナーブースに清浄な空気を供給するとともに、アウターブース内の気圧を大気圧より高くし、インナーブース内の気圧をアウターブース内の気圧より高くすることを特徴とする。
この方法によれば、塗料がインナーブースの外へ飛散するのを防止でき、さらにアウターブース外へ飛散するのを確実に防止できる。また、塵埃がインナーブース内の車両用ホイールに付着するのを防止できるので、車両用ホイールの塗装を良好に行なうことができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明では、塗装設備から大気への塗料の飛散を防止できるとともに、ワークへの塵埃付着を防止して塗装不良の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態をなす粉体塗装用の塗装設備について、図1を参照しながら説明する。塗装設備は、ほぼ密閉された内部空間1aを画成するアウターブース1を備えている。このアウターブース1の内部空間1aは、仕切り2により、主室1xとこの主室1xより狭い副室1yに仕切られている。
【0018】
上記副室1yは、エアーシャワー室3およびドア3a,3bを介して外部に連なっている。また、主室1xと副室1yとは、仕切り2に設けられたドア2aを介して連なっている。これにより、作業者は、外部から副室1yへ、さらに主室1xに入ることができるようになっている。
【0019】
上記アウターブース1の主室1xには、インナーブース7(塗装ブース)と焼付ライン8が収容されている。このインナーブース7の内部空間7aで、ワークに塗装が施されるようになっている。
【0020】
上記アウターブース1には外部と主室1xを連ねるワーク搬入口4aとワーク搬出口4bが形成されている。
【0021】
上記アウターブース1の外には前処理ステージ(図示しない)が配置されており、この前処理ステージにはワーク搬入路5a(インナーブース7にとって入口側の搬送路)が接続されている。このワーク搬入路5aはワーク搬入口4aを通って、上記インナーブース7の入口7xまで延びている。
【0022】
上記インナーブース7の出口7yにはワーク搬送路5bが接続されており、このワーク搬送路5bは焼付ライン8の入口まで延びている。焼付ライン8の出口にはワーク搬出路5cが接続されている。このワーク搬出路5cはワーク搬出口4bを通ってアウターブース1の外部に延びている。
【0023】
塗装設備は、さらに第1,第2,第3の空気供給手段10,20,30および断気手段40,45を備えている。これら手段10,20,30,40,45は共通構成50を備えている。この共通構成50は、共通経路50aに設けられたロータリーフィルタ51,中性能フィルタ52,クーラー53,バグフィルタ54,ファン55,ロータリーフィルタ56,中性能フィルタ57を、上流から下流に向かって順に有している。
【0024】
上記第1空気供給手段10は、上記共通構成50の他に、分岐経路10aと、この分岐経路10aに設けられた制御バルブ11とを有している。分岐通路10aは共通経路50aから分岐し、その下流端がアウターブース1の主室1xに臨んでいる。
【0025】
上記第2空気供給手段20は、上記共通構成50の他に、分岐経路20aと、この分岐経路20aに設けられた制御バルブ21とを有している。分岐通路20aは共通経路50aから分岐し、その下流端がインナーブース7の内部空間7aに臨んでいる。
【0026】
上記第3空気供給手段30は、上記共通構成50の他に、分岐経路30aと、この分岐経路30aに設けられた制御バルブ31とを有している。分岐通路30aは共通経路50aから分岐し、その下流端がアウターブース1の副室1yに臨んでいる。
【0027】
上記断気手段40は、上記共通構成50の他に、共通経路50aから分岐した分岐経路40aと、空気吹き出し部41,42とを有している。空気吹き出し部41,42は、この分岐経路40aから2股に分かれた再分岐経路の下流端に接続されている。
【0028】
上記空気吹き出し部41は、主室1x内においてワーク搬入口4a近傍に配置され、ワーク搬入口4aを横切るように空気を吹き出すものである。
同様に、上記空気吹き出し部42は、主室1x内においてワーク搬出口4b近傍に配置され、ワーク搬出口4bを横切るように空気を吹き出すものである。
【0029】
上記断気手段45は、上記共通構成50の他に、分岐経路45aと、この分岐経路45aの2股の再分岐経路にそれぞれ設けられた制御バルブ46,47と、その下流端にそれぞれ接続された空気吹き出し部48,49とを有している。
【0030】
上記空気吹き出し部48は、上記ワーク搬入路5aにおけるインナーブース7の入口7xに近傍に配置されている。同様に、上記空気吹き出し部49は、ワーク搬送路5bにおけるインナーブース7の出口7y近傍に配置されている。
【0031】
塗装設備はさらに吸気手段60を備えている。この吸気手段60は、上流端が上記インナーブース7に接続された吸気経路60aを有している。この吸気経路60aの下流端は、バグフィルタ54を介してファン55の吸い込み口に接続されている。本実施形態では、上記吸気経路60aとバグフィルタ54とファン55により、吸気手段60が構成されている。
【0032】
上記吸気経路60aの途中にはサイクロン65(塗料回収手段)が設けられている。
【0033】
塗装設備は、さらに制御手段70,共通経路50aに設けられた温度センサ71,大気圧を計測する気圧計72,アウターブース1の主室1xの気圧を計測する気圧計73,アウターブース1の副室1yの気圧を計測する気圧計74,インナーブース7内の気圧を計測する気圧計75を備えている。
【0034】
上記構成をなす塗装設備の作用を説明する。車両用ホイール等のワークに、前処理ステージで脱脂,酸洗工程を施し、表面の洗浄とエッジングを行なう。このように前処理されたワークは、ワーク搬入路5aで運ばれ、アウターブース1に設けられたワーク搬入口4aからアウターブース1の主室1xに搬入され、さらにインナーブース7に搬入され、このインナーブース7内で粉体塗装が実行される。
【0035】
インナーブース7内での粉体塗装が完了したワークは、ワーク搬送路5bで焼付ライン8に運ばれ、この焼付ライン8で塗膜の焼き付けが行なわれる。
焼き付けが完了したワークは、ワーク搬出路5cで運ばれ、アウターブース1に設けられたワーク搬出口4bから外部に搬出される。
【0036】
上記塗装の際、ファン55の駆動により吸い込まれた外気が、フィルタ51,52,54,56,57(空気清浄化手段)で塵埃を除去されて清浄な空気となり、分岐経路10aを経てアウターブース1の主室1xに供給され、分岐経路20aを経てインナーブース7に供給され、分岐経路30aを経てアウターブース1の副室1yに供給され、分岐経路40aを経て空気吹き出し部41,42に供給され、分岐経路45aを経て空気吹き出し部48,49に供給される。
【0037】
上記空気吹き出し部41では、空気がワーク搬入路5aにおいてワーク搬入口4aを横切るようにして吹き出され、上記空気吹き出し部42では、空気がワーク搬出路5cにおいて搬出口4aを横切るようにして吹き出される。これらエアカーテンの作用により、アウターブース1の主室1xと外部との間の空気流通を遮断する。
【0038】
上記空気吹き出し部48では、空気がワーク搬入路5aにおいてインナーブース7の入口7xを横切るようにして吹き出され、空気吹き出し部49では、ワーク搬送路5bにおいてインナーブース7の出口7yを横切るようにして吹き出される。これらエアカーテンの作用により、インナーブース7の内部空間7aとインナーブース7の外、すなわちアウターブース1の主室1xとの間の空気流通を遮断する。
【0039】
また、上記ファン55の駆動により、吸気経路60aを介して、インナーブース7内の空気が吸引され、空気中の粉体塗料がサイクロン65で回収される。
【0040】
上記制御手段70は主として気圧制御手段として機能する。すなわち、気圧計72〜75の検出気圧に基づき、下記式が成立するように制御バルブ11,21,31の開度(空気供給量)を制御する。
Pa<Pb<Pc<Pd
ただし、Paは大気圧,Pbは主室1xの気圧,Pcは副室1yの気圧,Pdはインナーブース7の気圧である。上記気圧Pa,Pbの差、気圧Pb,Pcの差,気圧Pc,Pdの差は、それぞれ1〜5Pa程度に設定されている。
【0041】
また、上記制御手段70では、空気吹き出し部48,49の空気吹き出し流量が、断気のために最適となるように、制御バルブ46,47の開度を制御する。さらに、温度センサ71の検出に基づきクーラー53を制御し、アウターブース1内の気温を最適にする。
【0042】
上記インナーブース7内では塗装の際に、粉体塗料が浮遊するが、上述したように吸気手段60で吸引される空気と一緒にサイクロン65に送られ、ここで回収される。しかも、上記インナーブース7の内部空間7aとアウターブース1の主室1xとの空気流通は断気手段45によって遮断されているので、インナーブース7内の粉体塗料が主室1xへと飛散するのを防止できる。ましてや、インナーブース7がアウターブース1によって囲われているので、粉体塗料が塗装設備外の大気中へ飛散することはない。
【0043】
上記吸気経路60aから吸引された空気は、フィルタ54,56,57を経て清浄にされ、再び分岐経路10a,20a,30a,40a,45aを経て、主室1x,インナーブース7,副室1y,空気吹き出し部41,42,48,49へと供給される。このように、塗装設備内で空気を循環させて再利用するので、塗装設備外への塗料飛散をより一層確実に防止できる。
【0044】
また、断気手段45によりインナーブース7の内部空間7aとアウターブース1の主室1xとの間の空気流通が遮断され、インナーブース7内に第2空気供給手段20から清浄な空気が供給されるので、インナーブース7内に塵埃を含んだ空気が入り込むのを防止でき、この塵埃がワークに付着することによる塗装不良を無くすことができる。
【0045】
しかも、インナーブース7内の気圧Pdが主室1xの気圧Pbより高いので、主室1x内の空気がインナーブース7に入り込むのをより一層確実に防止でき、ひいてはワークへの塵埃付着をより一層確実に防止できる。
【0046】
また、主室1xの気圧Pbが大気圧Paより高いため、外気が主室1xに入り込まず、主室1xには第1空気供給手段10から清浄な空気が供給されるため、主室1x内の空気は清浄に保たれている。したがって、万一主室1xの空気がインナーブース7内へ入り込むことがあっても、ワークへの塵埃付着を回避できる。
【0047】
次に、本発明の第2実施形態をなす溶剤塗装用の設備について図2を参照しながら説明する。ちなみにこの設備は、前処理された車両用ホイール等のワークを溶剤塗装したり、粉体塗装を終えたワークを溶剤塗装するために用いられる。図2において図1の第1実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0048】
第2実施形態の塗装設備では、吸気手段80が空気供給手段10,20,30および断気手段40,45から独立している。この吸気手段80は、上流端がインナーブース7に接続される吸気通路80aと、この吸引通路80aの下流端に接続されたファン81とを備えている。インナーブース7で気化した溶剤等は、吸気手段80で吸気される過程でベンチュリー85(塗料回収手段)に回収される。ファン81は吸引した空気を外気中に排気する。
【0049】
第2実施形態では、共通経路50aにおいて、ロータリーフィルタ51とファン55との間にエアーワッシャー59(空気洗浄化手段)が配置されている。その他の構成および制御手段80での制御は第1実施形態と同様である。
【0050】
上記第1,第2実施形態において、前処理ステージをアウターブース1内に配置してもよい。
【0051】
次に、本発明の第3実施形態をなす塗装設備について図3を参照しながら説明する。アウターブース1内に、前処理ステージ101,粉体塗装ステージ102,焼付ライン103,溶剤塗装ステージ104,焼付ライン105が収容され、ワーク搬送路100a,100b,100c,100dにより順に連なっている。
【0052】
上記粉体塗装ステージ102,溶剤塗装ステージ104はそれぞれ第1,第2実施形態と同様のインナーブース(塗装ブース)を備えている。空気供給手段,断気手段,吸気手段は第1,第2実施形態と同様であるので省略する。
【0053】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用可能である。例えば、塗装ブースないしはインナーブースは、出入口が共通であってもよい。この場合、エア吹き出し部は1つである。
上記実施形態におけるアウターブース1の副室1yは省いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1実施形態を示す粉体塗装設備の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す溶剤塗装設備の概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す塗装設備の概略構成図である。
【符号の説明】
【0055】
1 アウターブース
7 インナーブース(塗装ブース)
7x インナーブースの入口
7y インナーブースの出口
10 第1空気供給手段
55 ファン(共通のファン)
30 第2空気供給手段
45 断気手段
60 吸気手段
70 制御手段(気圧制御手段)
72〜75 気圧計
70 吸気手段
80 吸気手段
81 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(ア)ワークに塗装を施す内部空間を有する塗装ブースと、
(イ)上記塗装ブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記塗装ブースの内部と外部との間の空気流通を遮断する断気手段と、
(ウ)上記塗装ブース内の空気を吸引する吸気手段と、
(エ)上記吸気手段により吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収する塗料回収手段と、
(オ)上記塗装ブースに清浄空気を供給する空気供給手段と、
を備えたことを特徴とする塗装設備。
【請求項2】
さらに気圧制御手段を備え、この気圧制御手段は、上記空気供給手段による空気供給量を制御することにより塗装ブース内の気圧を塗装ブース外の気圧より高くすることを特徴とする請求項1に記載の塗装設備。
【請求項3】
(ア)アウターブースと、
(イ)上記アウターブース内に配置され、ワークに塗装を施すための内部空間を有するインナーブースと、
(ウ)上記インナーブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記インナーブースの内部空間とアウターブースの内部空間との間の空気流通を遮断する断気手段と、
(エ)上記インナーブースから空気を吸引する吸気手段と、
(オ)上記吸気手段により吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収する塗料回収手段と、
(カ)上記アウターブースに清浄空気を供給する第1空気供給手段と、
(キ)上記インナーブースに清浄な空気を供給する第2空気供給手段と、
(ク)上記第1,第2空気供給手段の空気供給量を制御することにより、アウターブース内の気圧を大気圧より高くし、インナーブース内の気圧をアウターブース内の気圧より高くする気圧制御手段と、
を備えたことを特徴とする塗装設備。
【請求項4】
上記第1,第2空気供給手段および断気手段が、共通経路に設けられた共通のファンおよびフィルタを備え、共通経路から分岐する分岐経路上にそれぞれ制御バルブを備えていることを特徴とする請求項3に記載の塗装設備。
【請求項5】
上記吸気手段が、上記共通のファンの吸い込み口を吸気経路を介して上記インナーブースに接続することにより、構成されることを特徴とする請求項4に記載の塗装設備。
【請求項6】
塗装ブース内で車両用ホイールに塗装を施し、
上記塗装ブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記塗装ブースの内部と外部との間の空気流通を遮断し、
上記塗装ブース内の空気を吸引し、吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収し、
上記塗装ブースに清浄空気を供給するとともに、塗装ブース内の気圧を塗装ブース外の気圧より高くすることを特徴とする車両用ホイールの塗装方法。
【請求項7】
アウターブースと、このアウターブース内に配置されたインナーブースを用意し、
上記インナーブース内で車両用ホイールに塗装を施し、
上記インナーブースの出入口を横切るように空気を流すことにより、上記インナーブースの内部空間とアウターブースの内部空間との間の空気流通を遮断し、
上記インナーブースから空気を吸引するとともに、吸引された空気中から、塗料または塗料成分を回収し、
上記アウターブースおよびインナーブースに清浄な空気を供給するとともに、アウターブース内の気圧を大気圧より高くし、インナーブース内の気圧をアウターブース内の気圧より高くすることを特徴とする車両用ホイールの塗装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−203230(P2007−203230A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26548(P2006−26548)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)
【Fターム(参考)】