説明

塩分含有深層海水飲料

【課題】ミネラル飲料水および海底深層水について、塩分を除去した場合には、その除去作用によって有用なミネラル原となる物質の含有量を低減させ、有効成分の減少により種々の機能が低減する課題がある。
【解決手段】米国ハワイ州沖海洋深層塩水を原液とし、この原液または真水で希釈した希釈液を原料とし、原液を30倍以上50倍以下で希釈した塩分含有深層海水飲料とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塩分含有のミネラル飲料水、特にハワイ近傍の海底深層水を用いた塩分含有深層海水飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、若年層ないし高齢層まで幅広い年齢層の人々において、健康の維持・向上さらには美容推進等のため、各種のミネラル飲料が開発されて拡販され、今後さらに普及する傾向が高まって来ている。このような飲料水において特に着目されている健康飲料水として、ハワイ近海海底部で採取される水がある。
【0003】
ところで従来一般には飲料水に塩分を含有することは人々に好まれず、ハワイ近傍の海底深層水を飲料水に適用する場合においても塩分を種々の方法で除去し、塩辛い味覚を排除して飲み易い状態で供給している。
【0004】
従来この種の技術として、水深200m以上の海洋深層水をセラミックフィルタにより微生物濾過等の処理を施し、電気透析を行った後、陽イオンのみを回収して安定したミネラル水を得る方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0005】
また、海洋深海水から白雲母、正長石等の有害物質を除去し、ナトリウムやカリウム等の含有比率を調整したミネラル水を得る方法等も提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−205070号公報
【特許文献2】特開2004−267899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来では、ミネラル飲料水および海底深層水について塩分の低減または除去等により、比較的飲み易い状態で供給することが一般的であった。しかし、塩分を除去した場合には除去作用によって有用なミネラル原となる物質の含有量が低減し、有効成分の減少により種々の機能が低減する課題がある。例えば塩分を含む海底深層水、特に塩分を5%程度含有する濃縮深層水の場合には、これを飲用することにより血液が浄化する(サラサラとなる)機能が得られることが実証されている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ハワイ近傍の海底深層水を用い、塩分を保持しつつミネラル原となる物質が豊富に含まれた有用性の高い塩分含有深層海水飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するため、米国ハワイ州沖海洋深層塩水を原液とし、この原液または真水で希釈した希釈液を原料とすることを特徴とする塩分含有深層海水飲料を提供する。
【0010】
また、本発明では、前記原液を30倍以上50倍以下で希釈した塩分含有深層海水飲料を提供する。
【0011】
また、本発明では、前記原液を逆浸透膜によるフィルタを用いて加圧透過させたことを特徴とする塩分含有深層海水飲料を提供する。
【0012】
また、本発明では、前記原液を加熱殺菌してボトルに充填したことを特徴とする塩分含有深層海水飲料を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、塩分を保持しつつミネラル原となる物質が豊富に含まれた有用性の高い塩分含有深層海水飲料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の塩分含有深層海水飲料の分析結果を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る塩分含有深層海水飲料の実施形態について、図1を参照して説明する。
【0016】
本実施形態では、米国ハワイ州カイルア・コナ沖にて、水深915mの水域から海水を取水した。この取水した海水、すなわち海洋深層水を原液とし、逆浸透膜(RO)からなるフィルタにて圧力をかけて通水し、濾過した。
これにより、水の分子だけを透過させて純水のみを取り除き、残りの濃縮海洋深層水の原液を加熱殺菌し、ボトルに充填した。
このボトルに充填した水を飲用時に真水にて30倍以上50倍以下に希釈し、飲用する。
【0017】
図1は、この水を分析した分析結果を示す表である。なお、図1に示した分析結果は、「厚生労働省告示、栄養表示基準別表2第3欄、ICP発光分光分析法」に基づいている。
【0018】
この図1に示すように、本実施形態の塩分含有濃縮海洋深層水の分析結果によれば、ナトリウム含有量は13000mg/Lであり、カリウム含有量は530mg/Lであった。
また、マグネシウム含有量は1700mg/Lであり、カルシウム含有量は490mg/Lであった。
また、水素イオン濃度(PH)は、測定時水温20℃のもとで、7.3であった。
【0019】
(日本の濃縮海洋深層水との比較)
日本の濃縮海洋深層水として、大船渡市、久米島、佐渡、室戸の各水域において、濃縮海洋深層水を得た。これらの水域で得た濃縮海洋深層水では、上述の本発明による、塩分を保持しつつミネラル原となる物質が豊富に含まれた有用性の高い塩分含有深層海水飲料を得ることはできなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米国ハワイ州沖海洋深層塩水を原液とし、この原液または真水で希釈した希釈液を原料とすることを特徴とする塩分含有深層海水飲料。
【請求項2】
前記原液を30倍以上50倍以下で希釈した請求項1記載の塩分含有深層海水飲料。
【請求項3】
前記原液を逆浸透膜によるフィルタを用いて加圧透過させた請求項1記載の塩分含有深層海水飲料。
【請求項4】
請求項1−3記載の原液を加熱殺菌してボトルに充填した塩分含有深層海水飲料。

【図1】
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【公開番号】特開2011−160776(P2011−160776A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30407(P2010−30407)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(510034845)株式会社 ファイブ (1)
【Fターム(参考)】