説明

塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法及びその電解再生装置

【課題】塩化第二鉄溶液による銅エッチングの劣化液の、無隔膜電解液槽内における電解再生方法及びその電解再生装置を提供する。
【解決手段】塩化第二鉄溶液による銅エッチング反応では、銅は塩化第二鉄に溶解されて塩化第二銅に変化し、塩化第二鉄自身は塩化第一鉄に還元されてエッチング能力が劣化する。この劣化液を無隔膜電解液槽に入れて、エッチング反応と逆方向の反応が起生せしめる。このとき上記劣化液中の塩化第二銅は分解されて元の金属銅に戻り、このとき生じる塩素イオンは劣化液中の塩化第一鉄を酸化して、元の塩化第二鉄に戻す働きをする電解再生反応を行い、塩化第一鉄の酸化に要する塩素源を自己供給するもので、隔膜電解法の場合のように塩酸または食塩など反応に要する塩素源の全量を外部から供給する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板製作における塩化第二鉄による銅エッチング工程で発生する劣化液を再生する電解再生方法及びその電解再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、塩化第二鉄による銅エッチング劣化液は、劣化液に直接塩素ガス吹き込む「塩素ガス吹き込み法」によって再生されている。上記塩素は液体塩素の形で貯蔵されるが、毒・劇物取締法、高圧ガス取締法などの対象になっている有毒で危険な物質であるため、現状は、精密作業である上記銅エッチング現場で塩素を使用して再生することはなく、現場から離れた場所にある塩素使用設備を有する工場に輸送して再生している。
【0003】
上記劣化液を銅エッチング現場で、銅エッチングの劣化液を安全に再生できれば、エッチング機械における銅エッチングの入替えと再生工場との往復輸送の手間を省くことができるのみならず、再生電解液槽とエッチング機械とを連結して運転することにより、時間の経過に従って、銅エッチング液の銅エッチング能力が低下するのを防止し、銅エッチング速度を終始一定に保持することができる。
【0004】
そこで、強腐食性の銅エッチングの劣化液を運搬する作業をなくして、危険物質である塩素ガスを使用しないで銅エッチング劣化液を再生する方法として、塩素酸ナトリウム法、オゾン法のような化学薬品を使用する方法、また特許第2689076号、特開2000−178768号などに示されているようなイオン交換膜を隔膜として使用する隔膜電解法が提案されている。
【特許文献1】特許第2689076号特許公報
【特許文献2】特開2000−178768号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記化学薬品による劣化液再生方法の場合、塩素酸ナトリウムは有機物と接触して火災を起こす恐れがある点で、又オゾン法はオゾン濃度20%以上で爆発する恐れがある点で、取扱い上の危険性が避けられない恐れがある。
また、隔膜電解液槽を使用する方法は、陽極と陰極とを陰イオン交換膜製の隔膜で仕切り、塩素イオン(Cl-)のみを陰極側から陽極側へ隔膜透過させて、陽極表面における酸化反応を利用するため、陰極側には反応に必要な塩素イオン全量分相当の塩酸ないし塩素化合物を外部から供給する必要がある。
【0006】
更に、隔膜電解液槽では、隔膜によるIR(電圧)ドロップが避けられないため、その分消費電力が増大する不都合がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、上記銅エッチング劣化液を銅エッチング現場で再生して、再生工場との間の上記液往復輸送をなくすことにあり、そのために銅エッチング機械内で生じる劣化液の一部を電解再生槽に送って、ここで再生された銅エッチング溶液を銅エッチング機械に送り戻すという液循環をすれば、上記の銅エッチング反応と再生反応とが併行して同時進行することになり、銅エッチング溶液の劣化を阻止して銅エッチング能力の低下を防止することができるので、結果として上記銅エッチング機械における処理速度を一定に保持することができる塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法及びその電解再生装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、請求項1記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法は、塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法において、上記銅エッチング劣化液内に固定陽極と回転するドラム型の回転陰極とが間隔を存して極間距離をもって設置され、上記の固定陽極と回転陰極を上記銅エッチング劣化液内に形成され上記両極間を仕切る隔膜のない無隔膜電解液槽に、上記塩化第二鉄が上記銅エッチングにより塩化第一鉄に変化して上記銅エッチング能力が劣化した上記銅エッチング劣化液を電解液として張り込み、上記回転陰極の一部が上記電解液中に浸漬した状態で回転させながら、上記両電極間に電圧を印加通電することによって、上記銅エッチング劣化液中の劣化した上記塩化第一鉄を酸化し元の上記塩化第二鉄に戻して上記銅エッチング劣化液を銅エッチング溶液に再生する機能を有する上記固定陽極と、同時に還元反応で上記電解液中の溶解塩化第二銅を分解し、固形金属銅を析出させ、上記析出させた固形金属銅を上記電解液面上に移動して剥離除去し、上記回転陰極の回転とともに再び上記電解液中に没して上記銅を析出付着させるというサイクル操作を反復しながら、上記電解液中の脱銅を行う機能を持つ上記回転陰極とを備えた上記無隔膜電解液槽を、電解液温度15〜35℃、液中遊離塩酸量を0.3〜3.0%に保持し、陰極電流密度を10〜25A/dm2の範囲に調整して運転することを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法は、請求項1記載の方法において、陰極用電導ケーブルを中空構造の陰極回転軸内に設置して、上記陰極用電導ケーブルの一端を上記回転陰極と結線し、他端を上記中空構造の回転軸に設けた摺動コネクターの回転側端子に結線し、上記陰極用電導ケーブルは上記回転陰極とともに回転するので、上記回転陰極面全体は回転中も通電されていて、上記回転陰極面の電解液中部分において上記析出銅の形成が行われ、上記回転陰極が回転して上記電解液面から出た部分では、電解作用は行われないが通電されているので、上記析出銅は上記電解液を同伴してくる上記電解液によって再溶解されることなく上記回転陰極表面に付着した上記析出銅をスクレーパで機械的に剥離除去することを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法は、請求項1又は2記載の方法において、上記塩化第二鉄による銅エッチングでは、上記銅は塩化第二鉄に溶解されて塩化第二銅に変化し、上記塩化第二鉄自身は上記塩化第一鉄に還元されて上記銅エッチング能力が劣化して、上記劣化液化するが、上記銅エッチング劣化液を無隔膜電解液槽に入れて外部から電気エネルギーを与えることにより、上記銅エッチング反応を逆方向に戻す反応を起生させ、上記銅エッチング劣化液中の上記塩化第二銅を分解して元の金属銅に戻し、そのときの分解反応で生じる塩素イオンを塩素源として自己供給して上記塩化第一鉄を酸化して元の上記塩化第二鉄に戻すことを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法において、上記無隔膜電解液層の再生電解液槽と上記エッチング機械の劣化液槽との間を上記電解液が循環するように経路を形成し上記の銅エッチング劣化液と再生電解液を少量づつ常時入れ替えることにより、上記銅エッチング液の劣化と上記銅エッチング劣化液の再生が同時進行し、上記銅エッチング速度を常時安定させることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生装置は、塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生装置において、上記銅エッチング劣化液内に固定される固定陽極と上記固定陽極と間隔を存して極間距離をもって設置されるドラム型の回転陰極と、上記の固定陽極と回転陰極を上記銅エッチング劣化液内に配設される上記両極間を仕切る隔膜のない無隔膜電解液槽と、上記固定陽極に上記塩化第二鉄が上記銅エッチングにより塩化第一鉄に変化して上記銅エッチング能力が劣化した上記銅劣化液を上記無隔膜電解液槽に電解液として張り込まれた電解液とを備え、上記回転陰極の一部が上記電解液中に浸漬した状態で回転させながら、上記両電極間に電圧を印加通電することによって、上記銅エッチング劣化液中の劣化した上記塩化第一鉄を酸化し元の上記塩化第二鉄に戻して上記銅エッチング劣化液を銅エッチング溶液に再生する機能を有する上記固定陽極と、同時に還元反応で液中の溶解した上記塩化第二銅を分解し、固形金属銅を析出させ、上記析出させた固形金属銅を上記電解液面上に移動して剥離除去し、上記回転陰極の回転とともに再び上記電解液中に没して上記銅を析出付着させるというサイクル操作を反復しながら、上記電解液中の脱銅を行う機能を持つ上記回転陰極とを有する上記無隔膜電解液槽を、電解液温度15〜35℃、液中遊離塩酸量を0.3〜3.0%に保持し、陰極電流密度を10〜25A/dm2の範囲に調整して運転することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法によれば塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法において、上記銅エッチング劣化液内に固定陽極と回転するドラム型の回転陰極とが間隔を存して極間距離をもって設置され、上記の固定陽極と回転陰極を上記銅エッチング劣化液内に形成され上記両極間を仕切る隔膜のない無隔膜電解液槽に、上記塩化第二鉄が上記銅エッチングにより塩化第一鉄に変化して上記銅エッチング能力が劣化した上記銅エッチング劣化液を電解液として張り込み、上記回転陰極の一部が上記電解液中に浸漬した状態で回転させながら、上記両電極間に電圧を印加通電することによって、上記銅エッチング劣化液中の劣化した上記塩化第一鉄を酸化し元の上記塩化第二鉄に戻して上記銅エッチング劣化液を銅エッチング溶液に再生する機能を有する上記固定陽極と、同時に還元反応で上記電解液中の溶解塩化第二銅を分解し、固形金属銅を析出させ、上記析出させた固形金属銅を上記電解液面上に移動して剥離除去し、上記回転陰極の回転とともに再び上記電解液中に没して上記銅を析出付着させるというサイクル操作を反復しながら、上記電解液中の脱銅を行う機能を持つ上記回転陰極とを備えた上記無隔膜電解液槽を、電解液温度15〜35℃、液中遊離塩酸量を0.3〜3.0%に保持し、陰極電流密度を10〜25A/dm2の範囲に調整して運転するので、上記電解電解液に溶解された溶解銅を回転陰極面上に析出させると、上記銅から分離された塩素イオンが上記銅エッチングで生じた塩化第一鉄と結合して、これを塩化第二鉄に容易に簡単に電解再生をすることができる。
【0013】
請求項2記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法によれば、請求項1記載の方法において、陰極用電導ケーブルを中空構造の陰極回転軸内に設置して、上記陰極用電導ケーブルの一端を上記回転陰極と結線し、他端を上記中空構造の回転軸に設けた摺動コネクターの回転側端子に結線し、上記陰極用電導ケーブルは上記回転陰極とともに回転するので、上記回転陰極面全体は回転中も通電されていて、上記回転陰極面の電解液中部分において上記析出銅の形成が行われ、上記回転陰極が回転して上記電解液面から出た部分では、電解作用は行われないが通電されているので、上記析出銅は上記電解液を同伴してくる上記電解液によって再溶解されることなく上記回転陰極表面に付着した上記析出銅をスクレーパで機械的に剥離除去することができ、上記のように上記回転陰極面全体は回転中も通電されていて、上記回転陰極面の電解液中部分において上記析出銅の形成が行われ、上記回転陰極が回転して液面から出た部分では、電解作用は行われないが通電されているので、上記析出銅は同伴してくる上記電解液によって再溶解されることなく、上記析出銅剥離回収することができる。
【0014】
請求項3記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法によれば、請求項1又は2記載の方法において、上記塩化第二鉄による銅エッチングでは、上記銅は塩化第二鉄に溶解されて塩化第二銅に変化し、上記塩化第二鉄自身は上記塩化第一鉄に還元されて上記銅エッチング能力が劣化して、上記劣化液化するが、上記銅エッチング劣化液を無隔膜電解液槽に入れて外部から電気エネルギーを与えることにより、上記銅エッチング反応を逆方向に戻す反応を起生させ、上記銅エッチング劣化液中の上記塩化第二銅を分解して元の金属銅に戻し、そのときの分解反応で生じる塩素イオンを塩素源として自己供給して上記塩化第一鉄を酸化して元の上記塩化第二鉄に戻すので、上記逆方向に戻す反応により上記劣化液中の上記塩化第二銅を分解して元の金属銅に戻し、その分解で生じた塩素イオンを塩素源として自己供給して塩化第一鉄をを酸化して塩化第二鉄に再生するため、新たな塩素源が不要であり安全である。
【0015】
請求項4記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法において、上記無隔膜電解液層の再生電解液槽と上記エッチング機械の劣化液槽との間を上記電解液が循環するように経路を形成し上記の銅エッチング劣化液と再生電解液を少量づつ常時入れ替えることにより、上記銅エッチング液の劣化と上記銅エッチング劣化液の再生が同時進行し、上記銅エッチング速度を常時安定させることができる。
【0016】
請求項5記載の本発明の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生装置によれば、塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生装置において、上記銅エッチング劣化液内に固定される固定陽極と上記固定陽極と間隔を存して極間距離をもって設置されるドラム型の回転陰極と、上記の固定陽極と回転陰極を上記銅エッチング劣化液内に配設される上記両極間を仕切る隔膜のない無隔膜電解液槽と、上記固定陽極に上記塩化第二鉄が上記銅エッチングにより塩化第一鉄に変化して上記銅エッチング能力が劣化した上記銅劣化液を上記無隔膜電解液槽に電解液として張り込まれた電解液とを備え、上記回転陰極の一部が上記電解液中に浸漬した状態で回転させながら、上記両電極間に電圧を印加通電することによって、上記銅エッチング劣化液中の劣化した上記塩化第一鉄を酸化し元の上記塩化第二鉄に戻して上記銅エッチング劣化液を銅エッチング溶液に再生する機能を有する上記固定陽極と、同時に還元反応で液中の溶解した上記塩化第二銅を分解し、固形金属銅を析出させ、上記析出させた固形金属銅を上記電解液面上に移動して剥離除去し、上記回転陰極の回転とともに再び上記電解液中に没して上記銅を析出付着させるというサイクル操作を反復しながら、上記電解液中の脱銅を行う機能を持つ上記回転陰極とを有する上記無隔膜電解液槽を、電解液温度15〜35℃、液中遊離塩酸量を0.3〜3.0%に保持し、陰極電流密度を10〜25A/dm2の範囲に調整して運転するので、上記電解液に溶解された溶解銅を上記回転陰極面上に析出させると上記塩化第一銅から分解された塩素イオンが上記銅エッチングで生じた塩化第一鉄と結合してこれを塩化第二鉄に簡単に電解再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面に基いて説明する。
図1は本発明の銅エッチング劣化液を再生する無隔膜電解液槽の概略平面図、図2は図1における2A−2A線に沿う断面の主要部を示すものであり、無隔膜電解液槽内で液中の溶解銅が回転陰極表面上に析出し、電解液面上で剥離される状態を示す概略説明図、図3は図1の概略側面を示し、銅エッチングしながら劣化液の再生を同時進行する無隔膜電解液槽とエッチング機械とを同時運転する概略説明図、図4は図3における無隔膜電解液槽とエッチング機械とを同時運転方法を示すプロセス・フローシートが示す構成の立体斜視の概略説明図、図5は図2、図4に示す本発明の上記無隔膜電解液槽の電解液のレベルを調整する調整手段である。
【0018】
図1に示したように、上部開放の角型槽である無隔膜電解液槽1には、相対する2壁面上部に軸受架台6が設置され、その上の支持軸4Aの軸受7がドラム型の回転陰極3の回転電導軸4を支持している。無隔膜電解液槽1の液入口座16は配管で、無隔膜電解液液面高さを常時一定に保持するように、上記電解液出口座13は溢流方式になっている。
固定陽極2は、図2,図3に示したように、無隔膜電解液槽1の底面1aにボルトB,ナットNにより支持部材2Sを介してボルトB,ナットNにより締結され、ドラム型の回転陰極3と回転電導軸4とは一体構造でともに回転するが、無隔膜電解液槽1の液出口座13は、図1,図2,図4に示したように溢流方式で回転電導軸4より下側にあり、ドラム型の回転陰極3は、その一部が電解液中に没し、残部は液面から上方に出ている状態になる。
【0019】
回転電導軸4は、中空軸4aで中に陰極側電導ケーブル12Bを収納していて、一体構造であるドラム型の回転陰極3とともに回転しながら、回転陰極面3と電導ケーブル12Bとが導通する。
直流電源の+側端子と結線された固定陽極2側の電導ケーブル12Aは、図1,図2に示したように、無隔膜電解液槽1中に垂直に設置された固定陽極2側の電導ブス17の一端17aで結線されている。その他端17bは無隔膜電解液槽1の底面にある固定陽極2とボルトB・ナットNで締結されている。
【0020】
直流電源の−側端子と結線された陰極側電導ケーブル12Bは、図1に示したように回転電導軸4にある摺動コネクター11の固定端子側に接続され、摺動コネクター11を通じて中空構造の回転電導軸4の中空軸4aの中空部分に設置された上記電導ケーブル12Bに接続する。電導ケーブル12Bの他端は、ドラム型の回転陰極3の内側にある、接続端子部3CにボルトB,ナットNで締結されているので、直流電源の一側端子と回転するドラム型の回転陰極3とは電気的に導通する。
【0021】
上記銅エッチング劣化液を無隔膜電解液槽1に入れて、固定陽極2と回転陰極3に電圧を印加して通電すると、液中の塩化第一鉄は固定陽極2の表面で酸化されて塩化第二鉄になって銅エッチング能力が再生する。一方、回転陰極3表面では、銅エッチングにより金属銅が溶解してできた塩化第二銅が還元されて、金属銅を析出して、上記電解液中の回転陰極3表面に付着する。回転陰極3の回転に伴い、回転陰極3に付着した析出銅は上記電解液面を離れて空気に接するが、この部分は通電しているが上記電解反応の及ばない場なので、図2,図3に示したようにスクレーパ9で剥離される。固定陽極2と回転陰極3の上記サイクル動作を反復しながら、劣化液再生を進行させる。
【0022】
上記銅エッチング劣化液の再生用の無隔膜電解液槽1には、図1,図2,図4に示したように無隔膜電解液槽1の付属設備とし無隔膜電解液槽1の外部にある循環ポンプ14があり、これで無隔膜電解液槽1内の電解液の一部を抜き出し再び無隔膜電解液槽1に戻す循環配管RPが設置されていて、無隔膜電解液槽1内の電極表面に常に新鮮な再生された電解液を供給し、図3,図4に示したこの循環配管RPの循環ポンプ14の吐出側の液槽戻り配管に液温指示調整計TIC、遊離塩酸量指示調整計AIC、エッチング機械E行き配管に液比重指示調整計DICが組み込まれ、電解液性状を上記請求項1記載の電解液条件に合致するよう自動的に調整保持した上で、無隔膜電解液槽1に張り込んだ上記劣化液全量を1回分として再生する回分再生の場合が示されている。現行のエッチング機械は回分運転であるから、再生も1回分として供給した上記劣化液ごとに行う。
【0023】
図4に示したように、上記自動的に調整保持することは、液温指示調整計TICの検出端で検出した液温度は、電気信号に変換されて操作盤30aに送られ、ここから電気信号で水調整弁40aに弁開度を指示し手所要量の冷却水を供給して液温を自動調整している。又、遊離塩酸量指示調整計AICの検出端で検出した塩酸濃度は、電気信号に変換されて操作盤30bに送られ、ここから電気信号で塩酸調整弁40bに弁開度を指示して手所要量の塩酸を供給して塩酸濃度を自動調整している。
【0024】
これに対して、図3及び請求項5記載の銅エッチングしながら同時に劣化液の再生をするのが連続再生である。
銅エッチング機械Eの運転では、銅エッチング液は少しづつ劣化されて行くが、図3に示したようにこの劣化液の少量を電解再生装置100に入れると、劣化した部分は直ちに再生されるので、これを銅エッチング機械Eに戻せば、銅エッチング液の劣化は進まない。上記銅エッチング機械Eと本発明の無隔膜電解液槽1との間を、図3に示したように2本の配管P1,P2で結び、少量の液が銅エッチング機械Eから無隔膜電解液槽1へ流れ、同じ量の上記再生液がエッチング機械Eに戻せば、上記のエッチングと再生が併行して同時進行するので、連続再生となる。
【0025】
無隔膜電解液槽1は、銅エッチング液に耐蝕性があり、電気を通電しない塩化ビニール樹脂などの材料で作られ、固定陽極2は電解液に対する耐蝕性があって、導電性の良いカーボンなどで作られる。ドラム型の回転陰極3の電極面はチタン単体を除く良電導性金属を使用する。チタン陰極は表面が不活性化して、通電できなくなる特性があり、陰極材料として不向きである。金属は通電中は全く腐食されないことは、電気化学的に周知の事実であるから、運転を終えた後には、微量の防食電流陰極を通電してドラムを防護する。
【0026】
又、回転陰極3は、連続的に反復運動を繰り返すが、その一部が上部析出銅剥離のため上記電解液面より上に出ている状態であることが必要である。また、固定陽極2は、回転陰極3と同心の円弧面にして極間距離を略一定に保持する形状に変更して、電流抵抗を減少することができる。
本発明の上記銅エッチング劣化液の電解再生法及びその電解再生装置では、無隔膜電解液槽を使用するので電解液に陽極液と陰極液とをの区分はなくて、直接上記銅エッチング劣化液を電解液とするもので、反応機構も隔膜電解槽とは異なり、上記電解液に上記銅エッチング反応と逆方向の反応を生起させて、これを元の銅エッチング液に戻す方法であり、再生そのものであるが、その上記銅エッチング反応は下記の通りである。
エッチング反応に関与する第二銅イオン(Cu2+)と第一および第二鉄イオン(Fe2+,Fe3+)の標準電極電位(V v.s. SHE)E0は次の通りである。
【0027】
【化1】

【0028】
電子(e-)の流れは電位の低い方(不安定側)から高い方(安定側)に移動するので、第二鉄が金属銅を溶解して第一鉄に還元され、金属銅は第二銅イオンになるというエッチング反応は自然な方向の反応であることが明白である。つまり、外部からエネルギーが与えられない限り、この反応方向は変らない。
本発明は、銅エッチング反応終了液の上記銅エッチング劣化液に外部から必要な電圧を与えることによって、電子(e-)を上記と逆方向(上記矢印の向きを逆)に移動させ、上記銅エッチングと逆方向の反応を惹起させて、温度と遊離塩酸量酸度とを一定に保持し、陰極電流密度を10〜25A/dm2の範囲に調整し制御することにより、上記銅エッチング劣化液を再生させるものである。
【0029】
上記で説明のように、本発明の上記銅エッチング劣化液の電解再生反応は、銅エッチング反応終了した後の上記銅エッチング劣化液に対して、今度は上記銅エッチング反応と逆向きに反応を進行させるものであるから、固定陽極2の酸化に必要な塩素源は、新たに外部から供給するものではなく、上記銅エッチング反応により生成された上記銅エッチング劣化液中の塩化第二銅を塩素源とするもので、塩素自己供給方式の電解反応であり、下記の再生電解反応式もそれを裏付けている。上記電解液から回転陰極3上に析出した金属銅を剥離除去すれば、塩化第三鉄が残り再生液そのものであることを示している。
【0030】
【化2】

【0031】
回転陰極3では、電解の場は回転陰極3が上記電解液中に浸漬している部分であり、ここで金属銅は上記陰極表面に析出付着し、回転陰極3の回転とともに液面から空中に出てくるが、回転陰極3が通電状態であるため、析出銅は再溶解することはない。その上、上記回転陰極面の空気接触部分は電解の場を離れているので、付着銅をスクレーパで機械的に剥離して回収することができる。析出銅剥離後の回転陰極3の表面は、回転して再び電解液中に没して析出銅を付着させるというサイクル運転を繰り返す。
【0032】
上記電解液中には上記銅エッチングにより生成された塩化第二銅(CuCl2)のほか、少量であるが塩化第一銅(CuCl)があるとしても、この物質は化学的に不安定であり、塩酸の存在下では安定な錯塩([CuCl2-)を形成する。しかし、錯塩は電解作用により各元素に分解されてしまうので再生の妨げにはならない。つまり、遊離塩酸の存在は塩化第一銅を安定化する効果がある。
【0033】
遊離塩酸は、それ自体は上記銅をエッチングしないが、上記塩化第二鉄の銅エッチングを促進する性質があるので、JISで規定されるように上記エッチング液は本来的に遊離塩酸を含むものである。しかし、上記銅エッチング中に次第に揮発消失してしまう。したがって、上記再生液中に遊離塩酸が存在することは、むしろ必要なことである。
上記遊離塩酸存在のもう一つの効果は、水酸化第二鉄(Fe(OH)3)の生成を阻止することである。上記再生電解中に液中の塩酸量が0.3%以下(液のpH>2、25℃)になると、液中の上記塩化第二鉄(FeCl3)の一部が加水分解して固形の水酸化第二鉄を生成し始める。この物質は電気分解されないで再生後不純物として残留する。
【0034】
上記のように、上記電解液中の遊離塩酸は本発明の電解槽運転上欠かせない存在であるが、塩酸は液温35℃を越えると急に揮発し易くなる性質がある。塩酸の揮発消失を防止する目的で電解液温度を35℃以下に保持する必要がある。上記電解作用における電力の損失分は熱エネルギーとなり、上記電解液温上昇を招くので、冷却器により液温度を保持調整する。逆に過度の冷却により液温が15℃以下になると、液の導電性が低下する。
【0035】
上記回転陰極面に析出する銅の状態は、電流密度によって異なる。陰極材料は鉄、カーボン、ステンレス銅、銅が適用できる。鉄やステンレス銅の場合には、表面が銅メッキされた状態になる。陰極電流密度が低い場合には、析出銅は微細になり、陰極上に強く付着する。電流密度が高いと粗い粒状な銅がゆるく付着し、剥離が容易になる。運転に適した陰極電流密度のレベルは10〜25A/dm2である。
【0036】
上記銅エッチング液は、塩化第二鉄濃度を液比重により間接測定しているので、再生液も液比重の管理は重要である。エッチングと再生の工程の中で、水が加わることはなく、むしろ蒸発して常に水は不足勝ちになるので、再生液出口には、加水方式の自動比重調整計を設置する。比重値はユーザーの管理数値になる。
上記銅エッチング機械と上記再生電解液槽を配管で連結して、相互に上記電解液を循環させれば、上記銅エッチングで劣化した分、直ちに再生されるので、上記銅エッチング液の劣化が進まない状態が実現することは、自明の理であるが、この状態で運転すれば、銅エッチング速度が一定に保持できることになり、安定した上記銅エッチング状態を提供することにもなる。
【0037】
上記電解液中の溶解銅が皆無になるまで除去する必要はないので、若干の銅を残して反応を終了させる。
【実施例】
【0038】
濃度43%の上記塩化第二鉄水溶液を用いて、プリント基板をエッチングした銅濃度60g/リットルのエッチング廃液を、液温35〜40℃で図1と同じ構造の電解槽を使用して再生した。廃液2リットルを電解槽液槽に張り込み、液は循環ポンプ14で液槽から出て、また液槽に戻るようにして、常時液が電極表面を洗い新鮮な液が電極に接触できるようにした。
【0039】
実施例の再生電解液槽仕様および使用劣化液性状を次に記載する。
電解装置
液槽:165mm×280mm・高さ100mmの硬質塩化ビニール製
陽極:220mm×100mm・厚さ5mmの硬質グラファイトカーボン製
陰極:直径114.3mm×幅200mmのドラム型ステンレス(SUS316L)製
回転数 毎分1〜5回転(可変)
電極間最小距離:5mm
整流器:一次側 200V 2相 交流
二次側 0〜100A 直流
定電圧/定電流 切替型
循環ポンプ:毎分400ml
熱交換器:直径200mm×高さ500mmの円筒型 冷却水温度23℃
内径4mmのプラスチック管コイル巻き長さ3メートル 外側水冷却式
塩酸濃度計:1個
液温度計:1個
エッチングラインから採取した銅エッチング劣化液を使用したが、液1リットルあたり60グラムの銅が溶解していた。これを電解液として電解槽に張り込んで、ドラムの液浸漬率が30%になるようにした。冷却器で液温を23℃に保持し、塩酸濃度を約0.5%に調整しなら電解液槽を運転して、再生率約95%で運転を終了した。
【0040】
このとき、電解液槽の運転結果は次のようであった。
電圧:3.5V
電流:30A
電流密度:14.3A/dm2
塩素発生はなく、析出銅の剥離も容易であった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、前記平板状の固定陽極と回転ドラム型の回転陰極とを備なえた無隔膜電解液槽を用い、銅エッチング劣化液を電解液として、これに塩酸を添加して塩酸濃度を0.3〜4%に保ち、冷却器で液温を30℃以下に保ちながら、電流密度20A/dm2で、電解液槽を運転したので、析出銅を容易に剥離でき、上記電解液は塩化第二鉄を主成分とする上記銅エッチング液に再生することが可能となる。
【0042】
したがって、エッチング機械と上記電解液槽を配管で接続して、双方の装置の間で液を循環させれば、上記銅エッチングしながら再生を継続できるので、上記電解液の上記銅エッチング能力を低下させることなく、これを一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の銅エッチング劣化液を再生する無隔膜電解液槽の概略平面図である。
【図2】図1における2A−2A線に沿う断面を示すものであり、無隔膜電解液槽内で電解液中の溶解銅が回転陰極表面上に析出し、電解液面上で剥離される状態を示す概略説明である。
【図3】図1の概略側面を示し、上記銅エッチングしながら上記銅エッチング劣化液の再生を同時進行する無隔膜電解液槽とエッチング機械とを同時運転する概略説明図である。
【図4】図3における無隔膜電解液槽と上記エッチング機械とを同時運転方法を示すプロセス・フローシートが示す構成の立体斜視の概略説明図である。
【図5】図2、図4に示す本発明の上記無隔膜電解液槽の電解液のレベルを調整する調整手段である。
【符号の説明】
【0044】
1 無隔膜電解液槽
2 固定陽極
3 ドラム型の回転陰極
4 回転電導軸
4a 中空軸
5 減速電動機
6 軸受架台
7 軸受
8 スクレーパ固定バー
9 スクレーパ
10 スクレーパ押さえ
11 摺動コネクター
12A 陽極側固定電導ケーブル
12B 陰極側回転電導ケーブル
13 溢流方式の循環液液槽出口
14 循環ポンプ
16 廃液入口(回分・連続運転共用)
17 陽極電導ブス
19 析出銅計器
TIC 液温度指示調節計
AIC 遊離塩酸量指示調節計
DIC 液比重指示調節計c
P1 主循環配管
P2 主循環配管(再生液出口・連続運転用)
RP 循環配管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法において、上記銅エッチング劣化液内に固定陽極と回転するドラム型の回転陰極とが間隔を存して極間距離をもって設置され、上記の固定陽極と回転陰極を上記銅エッチング劣化液内に形成され上記両極間を仕切る隔膜のない無隔膜電解液槽に、上記塩化第二鉄が上記銅エッチングにより塩化第一鉄に変化して上記銅エッチング能力が劣化した上記銅エッチング劣化液を電解液として張り込み、上記回転陰極の一部が上記電解液中に浸漬した状態で回転させながら、上記両電極間に電圧を印加通電することによって、上記銅エッチング劣化液中の劣化した上記塩化第一鉄を酸化し元の上記塩化第二鉄に戻して上記銅エッチング劣化液を銅エッチング溶液に再生する機能を有する上記固定陽極と、同時に還元反応で上記電解液中の溶解塩化第二銅を分解し、固形金属銅を析出させ、上記析出させた固形金属銅を上記電解液面上に移動して剥離除去し、上記回転陰極の回転とともに再び上記電解液中に没して上記銅を析出付着させるというサイクル操作を反復しながら、上記電解液中の脱銅を行う機能を持つ上記回転陰極とを備えた上記無隔膜電解液槽を、電解液温度15〜35℃、液中遊離塩酸量を0.3〜3.0%に保持し、陰極電流密度を10〜25A/dm2の範囲に調整して運転することを特徴とする、塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法。
【請求項2】
陰極用電導ケーブルを中空構造の陰極回転軸内に設置して、上記陰極用電導ケーブルの一端を上記回転陰極と結線し、他端を上記中空構造の回転軸に設けた摺動コネクターの回転側端子に結線し、上記陰極用電導ケーブルは上記回転陰極とともに回転するので、上記回転陰極面全体は回転中も通電されていて、上記回転陰極面の電解液中部分において上記析出銅の形成が行われ、上記回転陰極が回転して上記電解液面から出た部分では、電解作用は行われないが通電されているので、上記析出銅は上記電解液を同伴してくる上記電解液によって再溶解されることなく上記回転陰極表面に付着した上記析出銅をスクレーパで機械的に剥離除去することを特徴とする、請求項1記載の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法。
【請求項3】
上記塩化第二鉄による銅エッチングでは、上記銅は塩化第二鉄に溶解されて塩化第二銅に変化し、上記塩化第二鉄自身は上記塩化第一鉄に還元されて上記銅エッチング能力が劣化して、上記劣化液化するが、上記銅エッチング劣化液を無隔膜電解液槽に入れて外部から電気エネルギーを与えることにより、上記銅エッチング反応を逆方向に戻す反応を起生させ、上記銅エッチング劣化液中の上記塩化第二銅を分解して元の金属銅に戻し、そのときの分解反応で生じる塩素イオンを塩素源として自己供給して上記塩化第一鉄を酸化して元の上記塩化第二鉄に戻すことを特徴とする、請求項1又は2記載の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法。
【請求項4】
上記無隔膜電解液層の再生電解液槽と上記エッチング機械の劣化液槽との間を上記電解液が循環するように経路を形成し上記の銅エッチング劣化液と再生電解液を少量づつ常時入れ替えることにより、上記銅エッチング液の劣化と上記銅エッチング劣化液の再生が同時進行し、上記銅エッチング速度を常時安定させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生方法。
【請求項5】
塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生装置において、上記銅エッチング劣化液内に固定される固定陽極と上記固定陽極と間隔を存して極間距離をもって設置されるドラム型の回転陰極と、上記の固定陽極と回転陰極を上記銅エッチング劣化液内に配設される上記両極間を仕切る隔膜のない無隔膜電解液槽と、上記固定陽極に上記塩化第二鉄が上記銅エッチングにより塩化第一鉄に変化して上記銅エッチング能力が劣化した上記銅劣化液を上記無隔膜電解液槽に電解液として張り込まれた電解液とを備え、上記回転陰極の一部が上記電解液中に浸漬した状態で回転させながら、上記両電極間に電圧を印加通電することによって、上記銅エッチング劣化液中の劣化した上記塩化第一鉄を酸化し元の上記塩化第二鉄に戻して上記銅エッチング劣化液を銅エッチング溶液に再生する機能を有する上記固定陽極と、同時に還元反応で液中の溶解した上記塩化第二銅を分解し、固形金属銅を析出させ、上記析出させた固形金属銅を上記電解液面上に移動して剥離除去し、上記回転陰極の回転とともに再び上記電解液中に没して上記銅を析出付着させるというサイクル操作を反復しながら、上記電解液中の脱銅を行う機能を持つ上記回転陰極とを有する上記無隔膜電解液槽を、電解液温度15〜35℃、液中遊離塩酸量を0.3〜3.0%に保持し、陰極電流密度を10〜25A/dm2の範囲に調整して運転することを特徴とする、塩化第二鉄による銅エッチング劣化液の電解再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−219708(P2006−219708A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33026(P2005−33026)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(592119144)大東化工機株式会社 (1)
【出願人】(305000644)
【Fターム(参考)】