説明

塩水噴霧装置

【課題】塩の析出によるノズルの詰まりを防止する。
【解決手段】制御装置(9)は、コンプレッサ(5)停止し、空気弁(4)をオフして、塩水の噴霧を休止する。そして、洗浄弁(8)をオンして水道水(11)を塩水ノズル(1)および空気ノズル(3)に噴き掛ける。
【効果】ノズル(1,3)の先端部に塩が析出するのを防止できるか又は析出した塩を洗い流すことが出来るので、塩の析出によるノズル(1,3)の詰まりを防止することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩水噴霧装置に関し、さらに詳しくは、塩の析出によるノズルの詰まりを防止できる塩水噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塩水を吐出する塩水ノズルと、前記塩水ノズルの近傍に空気を噴出して前記塩水ノズルから吐出された塩水を霧状にして飛ばす空気ノズルとを備えた塩水噴霧装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特公昭31−6232号公報
【特許文献2】特開2004−20419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
塩水噴霧装置は、塗装板金のような試料に対して、塩水噴霧−熱風乾燥−湿潤のサイクルを繰り返し、耐食性を試験するのに用いられる。
しかし、上記従来の塩水噴霧装置では、塩水噴霧を休止している間、特に熱風乾燥時に、ノズルの先端部に塩が析出し、ノズルを詰まらせることがある問題点があった。
そこで、本発明の目的は、塩の析出によるノズルの詰まりを防止できる塩水噴霧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、本発明は、塩水を吐出する塩水ノズルと、前記塩水ノズルの近傍に空気を噴出して前記塩水ノズルから吐出された塩水を霧状にして飛ばす空気ノズルと、前記塩水ノズルに向けて洗浄水を吹き掛ける洗浄水ノズルとを具備したことを特徴とする塩水噴霧装置を提供する。
上記第1の観点による塩水噴霧装置では、塩水の噴霧を休止している間に、洗浄水ノズルから塩水ノズルに向けて洗浄水を吹き掛けることにより、ノズルの先端部に塩が析出するのを防止できるか又は析出した塩を洗い流すことが出来る。よって、塩の析出によるノズルの詰まりを防止できる。
【0005】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による塩水噴霧装置において、前記塩水ノズルおよび前記空気ノズルを覆うと共に前記空気ノズルの空気噴出方向のみに開口を有するフードを具備し、前記洗浄水ノズルは前記開口を通して前記塩水ノズルに向けて洗浄水を吹き掛けることを特徴とする塩水噴霧装置を提供する。
上記第2の観点による塩水噴霧装置では、不要な方向への塩水霧の飛散をフードにより防止できる。また、フードの開口を通して洗浄水をノズルに吹き掛けるので、フード付の塩水噴霧器でも、塩の析出によるノズルの詰まりを防止できる。さらに、不要な方向への洗浄水の飛散をフードにより防止できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の塩水噴霧装置によれば、洗浄水ノズルから塩水ノズルに向けて洗浄水を吹き掛けることにより、ノズルの先端部に塩が析出するのを防止できるか又は析出した塩を洗い流すことが出来る。よって、塩の析出によるノズルの詰まりを防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0008】
図1は、実施例1に係る塩水噴霧装置100を示す構成図である。
この塩水噴霧装置100は、塩水を吐出する塩水ノズル1と、塩水ノズル1に塩水を供給する塩水タンク2と、塩水ノズル1の近傍に空気を噴出し負圧により塩水ノズル1から塩水を吐出させ霧状にして飛ばす空気ノズル3と、空気ノズル3への空気の供給をオン/オフする空気弁4と、空気源であるコンプレッサ5と、塩水ノズル1および空気ノズル3を覆うと共に空気ノズル3の空気噴出方向のみに開口6aを有するフード6と、フード6の開口6aを通して塩水ノズル1に向けて水道水を噴き掛ける洗浄ノズル7と、洗浄ノズル7への水道水の供給をオン/オフする洗浄弁8と、空気弁4とコンプレッサ5と洗浄弁8の動作を制御する制御装置9とを具備している。
【0009】
図1に示すように、腐食試験を行う時、制御装置9は、洗浄弁8をオフし、コンプレッサ5を作動させ、空気弁4をオンして、開口6aを通し塩水霧10を壁Sに向けて噴霧し、塩水霧10の雰囲気を作る。
【0010】
図2に示すように、休止している時、制御装置9は、コンプレッサ5を停止し、空気弁4をオフし、洗浄弁8をオンして、開口6aを通し水道水11をノズル1,3に噴き掛ける。
【0011】
実施例1の塩水噴霧装置100によれば、次の効果が得られる。
(1)洗浄ノズル7からノズル1,3に向けて水道水11を噴き掛けることにより、ノズル1,3の先端部に塩が析出するのを防止できるか又は析出した塩を洗い流すことが出来る。よって、塩の析出によるノズル1,3の詰まりを防止できる。
(2)フード6により、不要な方向への塩水霧10の飛散および水道水11の飛散を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明の塩水噴霧装置は、例えば塗装した板金の腐食性を試験するのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1に係る塩水噴霧装置(腐食試験時)を示す構成説明図である。
【図2】実施例1に係る塩水噴霧装置(ノズル洗浄時)を示す構成説明図である。
【符号の説明】
【0014】
1 塩水ノズル
3 空気ノズル
7 洗浄ノズル
9 制御装置
100 塩水噴霧装置
S 壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩水を吐出する塩水ノズルと、前記塩水ノズルの近傍に空気を噴出して前記塩水ノズルから吐出された塩水を霧状にして飛ばす空気ノズルと、前記塩水ノズルに向けて洗浄水を吹き掛ける洗浄ノズルとを具備したことを特徴とする塩水噴霧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塩水噴霧装置において、前記塩水ノズルおよび前記空気ノズルを覆うと共に前記空気ノズルの空気噴出方向のみに開口を有するフードを具備し、前記洗浄ノズルは前記開口を通して前記塩水ノズルに向けて洗浄水を吹き掛けることを特徴とする塩水噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−76051(P2008−76051A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251976(P2006−251976)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(593213205)板橋理化工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】