説明

増加された淡色化力を有する穏やかな漂白剤

SiO2 化合物が、特に 4.5〜9.0 の pH 範囲において、ケラチン含有繊維用の漂白剤の淡色化力を増加させることを発見した。従って、本発明は、ケラチン含有繊維用の漂白剤に関し、該漂白剤は、(a)少なくとも 1 種のペルオキソ化合物、及び/又はアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸水素塩、並びにアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のカルバミドからなる群から選ばれる少なくとも 1 種のアルカリ化剤、(b)過酸化水素、及び(c)任意に水和された SiO2 化合物を含む。4.5〜9.0 の範囲の pH で優れた淡色化力を示す本発明の漂白剤は、特に、ケラチン含有繊維に穏やかに作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方では、ペルオキソ化合物、及び/又は炭酸塩、炭酸水素塩又はカルバミドを含むアルカリ化剤、過酸化水素並びに任意に水和された SiO2 化合物を含有し、4.5〜9.0 の pH を有するケラチン含有繊維用漂白剤に関し、他方では、ケラチン含有繊維用漂白剤の淡色化力を増加するための任意に水和された SiO2 化合物の使用、並びに本発明の漂白剤を用いたケラチン含有繊維淡色化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、人毛は、ヘア化粧品を用いた多様な方法で処理される。これらは、例えば、シャンプーでの洗髪、リンス及びトリートメントでの手入れ及び再生、並びに着色料、毛髪染料、ウェービング剤及びスタイリング剤を用いた毛髪の漂白、着色(染色)及び成形を含む。これに関して、頭髪の色を変える又はニュアンスを付けるための製剤は、重要な役割を果たす。
【0003】
対応する耐久性を有する永久的な強度の着色のために、いわゆる酸化染料が使用される。このような染料は、通常、酸化染料前駆物質、いわゆる顕色成分及びカプラー成分を含む。顕色成分は、酸化剤の影響下、互いに又は 1 種以上のカプラー成分と共に、事実上の染料を形成する。酸化染料は、優れた、長期間の染色結果を特徴とする。
【0004】
加えて、淡色化処理、いわゆる漂白処理がしばしば用いられる。漂白処理の原理は、当業者に知られており、関連する研究論文、例えば、K. Schrader 著、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika、第 2 版、1989 年、Dr. Alfred Huethig 出版、ハイデルベルク、又は W. Umbach 著、Kosmetik、第 2 版、1995 年、Georg Thieme 出版、シュトゥットガルト、ニューヨークに要約される。
【0005】
人毛、特に頭髪を淡色化又は漂白するために、固体状酸化剤を含む固体又はペースト様の製剤を、通常、使用直前に、希釈した過酸化水素溶液と混合する。その後、この混合物を毛髪に適用し、一定の接触時間後、再び濯ぎ落とす。
【0006】
上記した適用混合物を、「漂白剤」として以下に記載する。特に記載のない限り、記載した量の全ては、これらの適用混合物のみに関する。
【0007】
従来のケラチン含有繊維用の即用漂白剤のほとんどは、淡色化力を増加するために、過酸化水素に加えてぺルオキソ二硫酸塩化合物を含み、繊維への適用時には 9 より大きい pH を有する。淡色化力は、この塩基性 pH において最適である。しかしながら、この条件下では、第一にケラチン含有繊維の損傷が、第二に対象への適用時における肌の炎症が生ずる。pH を低下させると、毛髪の損傷及び肌の炎症が減少されるが、淡色化力の減少を必然的に伴う。
【0008】
特開平 4-279514 号公報は、5〜8 の pH で、ケラチン含有繊維及び肌に穏やかに作用する、毛髪漂白剤に関する。該漂白剤は、過酸化水素、過硫酸塩及び炭酸水素塩を含む。しかしながら、該漂白剤の淡色化力は、高機能性漂白剤の要求を満足しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、対象のケラチン含有繊維及び肌に対する増加された適合性を有する、より効果的な漂白剤を提供するために、特に 4.5〜9.0 の pH 範囲における、ケラチン含有繊維用漂白剤の淡色化力を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
意外にも、ケラチン含有繊維用漂白剤の淡色化力は、特に 4.5〜9.0 の pH 範囲で、任意に水和された SiO2 化合物を添加することによって増加され得ることが見出された。
【0011】
従って、本発明は、第一に、特に 4.5〜9.0 の pH 範囲で、ケラチン含有繊維用漂白剤の淡色化力を向上するための、任意に水和された SiO2 化合物の使用を提供する。
【0012】
本発明において、ケラチン含有繊維は、毛皮、羊毛、羽毛、及び特に人毛として理解される。
【0013】
任意に水和された SiO2 化合物に関して、本発明は、基本的に制限しない。珪酸、そのオリゴマー及びポリマー、並びにその塩が好ましい。好適な塩は、アルカリ金属塩、特に、カリウム塩及びナトリウム塩である。ナトリウム塩が極めて特に好ましい。
【0014】
任意に水和された SiO2 化合物は、様々な状態で存在し得る。本発明では、シリカゲルとして、又は特にかつ好適には水ガラスとして、SiO2 化合物を使用することが好ましい。これらの SiO2 化合物は時々、水溶液として存在し得る。
【0015】
本発明では、式 (SiO2)n(Na2O)m(K2O)p[式中、n は正の有理数であり、m 及び p は、相互に独立に、正の有理数又は 0 であり、ただし、変数 m 又は p の少なくとも 1 つは 0 ではなく、n と m 及び p の和との比は、1:4 と 4:1 の間である。]の珪酸塩から生成された水ガラスが極めて特に好ましい。
【0016】
該実験式によって示された化合物に加えて、水ガラスは、更なる添加剤、例えばリン酸塩又はマグネシウム塩を少量含み得る。
【0017】
本発明に特に好ましい水ガラスは固体であり、とりわけ、Henkel 社製の Ferrosil(登録商標)119、Natronwasserglas 40/42、Portil(登録商標)A、Portil(登録商標)AW 及び Portil(登録商標)W、並びに Akzo 社製の Britesil(登録商標)C20 である。
【0018】
本発明は、第二に、少なくとも 1 種のペルオキソ化合物、過酸化水素、及び少なくとも 1 種の任意に水和された SiO2 化合物を含み、4.5〜9.0 の pH を有する、ケラチン含有繊維を淡色化するための製剤を提供する。
【0019】
好ましくは、本発明の製剤は、4.5〜8.5 の pH、特に好ましくは 5.0〜8.0 の pH を有する。
【0020】
本発明の漂白剤は、第一重要成分として過酸化水素を含む。本発明では、過酸化水素は、溶液として、又は過酸化水素の無機化合物又は有機化合物への固体付加化合物、例えば、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸マグネシウム、ナトリウムペルカルバミド、ポリビニルピロリドン・nH2O2(n は、0 より大きい正の有理数である。)、過酸化尿素及び過酸化メラミンとして使用される。
【0021】
少量の任意に水和された SiO2 化合物でさえ、淡色化力を増加するが、本発明では、本発明の製剤全体に基づいて各々、0.05〜15 重量%、好ましくは 0.15〜10 重量%、より好ましくは 0.2〜5 重量%の量で任意に水和された SiO2 化合物を使用することが好ましい。ここで、各々の場合の量的データは、製剤における SiO2 化合物(含水量を除く)の含有量を表す。
【0022】
過酸化水素の漂白効果は、いわゆる「効能促進剤」によって、追加的に増強され得る。これらは、通常、過酸化水素の他成分への付加物を意味しない、ペルオキソ化合物である。本発明の製剤中に存在するペルオキソ化合物の選択は、基本的に制限されない。一般的なペルオキソ化合物は、当業者に知られており、例えば、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、ペルオキシ二硫酸カリウム、ペルオキシ二硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキシ二リン酸カリウム、及び過酸化マグネシウム及び過酸化バリウムのような過酸化物である。組み合わせて使用することもできる、これらのペルオキソ化合物のうち、無機化合物が本発明では好ましい。ペルオキシ二硫酸塩、特にペルオキシ二硫酸アンモニウムが特に好ましい。
【0023】
本発明において、ペルオキソ化合物は、漂白剤中に、好ましくは 1〜40 重量%、特に 2〜30 重量%の量で存在する。
【0024】
本発明の漂白剤は、好ましくは、繊維への使用直前に、少なくとも 2 種の成分を組み合わせることによって調製される。この目的のため、少なくとも 1 種のペルオキソ化合物を含む一成分 A を、成分 B としての過酸化水素溶液と混合し、4.5〜9.0 の pH を有する混合物を得る。任意に水和された SiO2 化合物は、成分 A 及び B の少なくとも 1 つの要素である。しかしながら、それらは成分 A に好ましくは存在する。固体として、成分 A を調製することも好ましい。
【0025】
しかしながら、同様に、成分 A は、成分 A1 及び成分 A2 を混合することによって調製され得る。これに関して、成分 A1 は、好ましくは W/O 又は O/W エマルションの状態であり、成分 A2 は、少なくとも 1 種のペルオキソ化合物を含む固体の状態である。
【0026】
成分 B 中の過酸化水素溶液の濃度は、第一に法規定によって、第二に所望の効果によって決定される。一般に、6〜12 %の濃度の水溶液が使用される。成分 A と成分 B との量比は、ここでは通常 1:1〜1:2 であり、特に所望の漂白効果が過度に著しくない場合は、過剰の成分 B が選択される。
【0027】
更なる態様では、本発明の漂白剤は、アルカリ化剤を含む。本発明では、当業者に既知の漂白剤用の一般的なアルカリ化剤、例えば、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、ヒドロキシ炭酸塩及びカルバミド、並びにアルカリ金属リン酸塩を使用し得る。アルカリ化剤は、好ましくは、成分 A に存在する。
【0028】
好ましい態様では、本発明の漂白剤は、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルバミドから選ばれる、少なくとも 1 種のアルカリ化剤を含む。この態様では、漂白剤の pH は、好ましくは 7.5〜9.0、より好ましくは 7.9〜8.5 である。
【0029】
本発明は、第三に、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルバミドから選ばれる少なくとも 1 種のアルカリ化剤、少なくとも 1 種の任意に水和された SiO2 化合物、及び過酸化水素を含み、7.5〜9.0、特に 7.9〜8.5 の範囲の pH を有する、ケラチン含有繊維、特に人毛を淡色化するための製剤に関する。本発明の製剤は、ペルオキソ化合物不存在下でさえ、選択されたアルカリ化剤の存在下で、繊維の良好な漂白をもたらす。漂白の優良性は、任意に水和された SiO2 化合物の漂白効能促進作用によってもたらされる。しかしながら、漂白効果の更なる増加のために、これらの製剤は、少なくとも 1 種のペルオキソ化合物を、特に上記した量的範囲で追加的に含み得る。好ましく使用され得るペルオキソ化合物には、本発明の第二の主題で示したものを適用する。好ましく使用され得る任意に水和された SiO2 化合物に関して、ここでは、本発明の第一の主題で示した詳細を明白に参照することができる。
【0030】
本発明の漂白剤は、好ましくは、繊維への適用直前に、少なくとも 2 種類の成分を混合することによって調製される。この目的のために、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルバミドから選ばれる少なくとも 1 種のアルカリ化剤を含む成分 A を、成分 B としての過酸化水素溶液と混合する。得られた混合物は、7.5〜9.0 の pH を有する。任意に水和された SiO2 化合物は、成分 A 及び B の少なくとも 1 つの要素である。しかしながら、任意に水和された SiO2 化合物は、好ましくは成分 A に存在する。固体として、成分 A を調製することが好ましい。
【0031】
しかしながら、同様に、成分 A は、成分 A1 及び成分 A2 を混合することによって調製され得る。ここで、成分 A1 は、好ましくは W/O 又は O/W エマルションの状態であり、成分 A2 は、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルバミドから選ばれる少なくとも 1 種のアルカリ化剤を含む固体の状態である。
【0032】
成分 B 中の過酸化水素溶液の濃度は、第一に法規定によって、第二に所望の効果によって決定される。一般に、6〜12 %の濃度の水溶液が使用される。成分 A と成分 B との量比は、ここでは通常 1:1〜1:2 であり、特に所望の漂白効果が過度に著しくない場合は、過剰の成分 B が選択される。
【0033】
下記データの全ては、本発明の第二及び第三の主題における、本発明の製剤に等しく引用される。
【0034】
本発明の漂白剤は、アルカリ化剤を、好ましくは 1〜25 重量%、特に 1.5〜15 重量%の量で含む。
【0035】
追加的な漂白剤効能促進剤として、本発明の製剤は、好ましくは、酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸及び o-フタル酸から選ばれる少なくとも 1 種の化合物を含み得る。
【0036】
更なる態様では、本発明の漂白剤は、構造改善活性成分を追加的に含む。毛髪構造を改善する、このような活性成分は、ビタミン及びその誘導体又は前駆物質である。本発明では、パンテノール及びその生理学的適合性誘導体が特に好ましい。このような誘導体は、特に、パンテノールのエステル及びエーテル、及びカチオン的に誘導されたパンテノールである。各々の典型は、例えば、三酢酸パンテノール、パンテノールモノエチルエーテル及びそのモノアセテート、並びに WO 92/13829 A1 で開示されるカチオン性パンテノール誘導体である。本発明において好ましいパンテノール誘導体は、その前駆物質パントラクトンである。パンテノールは、この群の中で好ましい。構造改善ビタミンの更なる例は、ピリドキシン(ビタミン B6)である。
【0037】
加えて、ポリビニルピロリドン(PVP)も、その繊維構造改善特性のために知られており、本発明において好ましい。
【0038】
本発明において特に効果的な更なる構造改善化合物は、アルデヒドである。特に好ましい例は、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド分解化合物、例えば、メトキシメチルエステル、ジメチロール(チオ)尿素誘導体、オキサゾリジン誘導体、N-ヒドロキシメチルマレイミド、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体、ヒダントイン誘導体、ピリジニウム置換ジメチルエーテル、イミダゾリジニルウレア誘導体、イソチアゾリノン、2-ブロモ-2-ニトロプロパンジオール及び 5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサンである。また、特に好ましいアルデヒドは、アセトアルデヒド、グリオキサール、グリセリンアルデヒド及びグルタルジアルデヒドである。
【0039】
構造改善活性成分の更に適当な群は、植物抽出物である。
通常、これらの抽出物は、その植物全体を抽出することによって調製される。しかしながら、特有の場合は、その植物の花及び/又は葉からのみ、抽出物を製造することも好ましい。
【0040】
本発明で使用され得る植物抽出物に関しては、Leitfadens zur Inhaltsstoffdeklaration kosmetischer Mittel、Industrieverband Koerperpflege- und Waschmittel e.V.(IKW)出版、フランクフルト、第 3 版、第 44 頁から始まる表に列挙された抽出物を特に参照できる。
【0041】
本発明において、オークの樹皮、イラクサ、金楼梅、ホップ、カモミール、ゴボウ、トクサ、サンザシ、リンデンの花、アーモンド、アロエ、モミの葉、焼き栗、ビャクダン、ビャクシン、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キーウィ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、セージ、ローズマリー、シラカンバ、ゼニアオイ、タネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、タイム、メリッサ、ハリモクシュク、フキタンポポ、ウスベニタチアオイ、メリステム、緑茶、ヤクヨウニンジン及びショウガの根の抽出物が好ましい。
【0042】
オークの樹皮、イラクサ、金楼梅、ホップ、カモミール、ゴボウ、トクサ、リンデンの花、アーモンド、アロエ、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キーウィ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、セージ、ローズマリー、シラカンバ、タネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、ハリモクシュク、メリステム、緑茶、ヤクヨウニンジン及びショウガの根からの抽出物が特に好ましい。
【0043】
本発明の組成物に極めて特に好ましいのは、アーモンド、アロエ、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キーウィ、メロン及び緑茶の抽出物である。
【0044】
明記した植物抽出物を製造するために使用され得る抽出用溶剤は、水、アルコール、及びその混合物である。アルコールのなかでは、例えばエタノール及びイソプロパノールのような低級アルコール、特に、エチレングリコール及びプロピレングリコールのような多価アルコールを、単独の抽出用溶剤として、又は水との混合物として使用することが好ましい。1:10〜10:1 の比での水/プロピレングリコールに基づく植物抽出物が特に適していることが、判明している。
【0045】
本発明では、植物抽出物は、純粋な状態又は希釈状態のいずれでも使用され得る。希釈状態で使用する場合、それらは通常、約 2〜80 重量%の活性成分、及び溶媒として抽出の際に使用される抽出用溶剤又は抽出用溶剤混合物を含む。
【0046】
また、2 種類以上、特に 2 種類の異なった植物抽出物の混合物を、本発明の製剤に使用することが好ましい。
【0047】
本発明では、構造改善活性成分として、ハチミツ抽出物が同様に好ましい。ハチミツ抽出物は、植物抽出物と類似した方法で得られ、通常、1〜10 重量%、特に 3〜5 重量%の活性成分を含む。水/プロピレングリコール混合物がまた、ここで好ましい抽出用溶剤であり得る。
【0048】
更なる構造改善活性成分は、タンパク質加水分解物、特に、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質、アーモンドタンパク質及び小麦タンパク質の加水分解物、並びにそれらと脂肪酸との縮合生成物、そして四級化タンパク質加水分解物である。400〜800 の範囲のモル質量を有する、かなり分解されたケラチン加水分解物が特に好ましい。加えて、例えば、Gluadin(登録商標)WQ(INCI 名:ラウジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質)及び Crotein(登録商標)Q(INCI 名:ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン)の商品名で市販されているような四級化タンパク質加水分解物が、本発明では特に好ましい。
【0049】
四級化タンパク質加水分解物に加えて、第四級ポリマーもまた、本発明において好ましい構造改善化合物である。Mirapol(登録商標)A15(INCI 名:ポリクオタニウム-2)、Onamer(登録商標)M(INCI 名:ポリクオタニウム-1)及び Merquat(登録商標)100(INCI 名:ポリクオタニウム-6)の商品名で市販されているポリマーが特に好ましい。
【0050】
更なる繊維構造改善活性成分は、単糖類、二糖類及びオリゴ糖類、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、果糖、スクロース及びラクトースである。加えて、本発明では、これらのペントース、ヘキソース及びヘプトースの誘導体、例えば、対応するアルドン酸及びウロン酸(糖酸)、糖アルコール、糖アミン、例えば N-グルコサミン、グリコシド、並びに C4〜C30 脂肪アルコールでエーテル化されたペントース、ヘキソース及びヘプトースを使用することもできる。本発明では、糖酸は、遊離状態、塩の状態、好ましくは、カルシウム塩、マグネシウム塩及び亜鉛塩の状態、及びエステル又はラクトンの状態で使用され得る。好ましい糖酸は、グルコン酸、グルコノ-γ-ラクトン、ラクトビオン酸、グルクロン酸及びそのモノラクトン又はジラクトン、パンガミン酸、糖酸、マンノ糖酸及びそのモノラクトン又はジラクトン、並びに粘液酸及びそのモノラクトン又はジラクトンである。好ましい糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール及びズルシトールである。好ましいグリコシドは、メチルグルコシドである。グルコース、N-グルコサミン及びグルコン酸が、この群の中では特に好ましい。
【0051】
本発明の目的のために、ある種のアミン酸も、毛髪構造を改善する活性成分として使用され得る。例は、DE-195 22 569 に記載されているアミノ酸セリン、スレオニン及びチロシンであり、これを参照してここに組み込む。加えて、例えばセリンリン酸のようなセリン誘導体も、本発明では好ましい。更なる構造改善アミノ酸は、リジンである。セリンは、繊維構造を改善する特に好ましい活性成分である。
【0052】
ある種の酸、特にα-ヒドロキシカルボン酸及びその塩は、構造改善のために同様に使用され得る。本発明において好ましい構造改善する酸は、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸及びマレイン酸である。乳酸が特に好ましい。加えて、特定のホスホン酸及びその塩は、ケラチン含有繊維の構造を改善する。本発明において好ましいホスホン酸は、n-オクチルホスホン酸及び n-デシルホスホン酸である。
【0053】
更に、脂溶性のエステルアルコール又はエステルポリオールは、その構造改善作用について知られている。それらの 5 重量%が 80 ℃でセチルアルコールに溶けて透明な溶液が得られた場合、脂溶性としてみなされる。
【0054】
本発明において適当なエステルアルコール又はエステルポリオールは、エポキシ環の開環、及びビシナルジヒドロキシエチル基又はビシナルヒドロキシアルコキシエチル基の形成を伴う、エポキシ脂肪酸エステルと水又は 1〜10 個の炭素原子を含む一価又は多価アルコールとの反応によって得られる。ここでのエポキシ脂肪酸エステルは、工業銘柄の脂肪酸エステルと少量の飽和脂肪酸とのエポキシド化生成物でもあり得る。しかしながら、エポキシド酸素含有量は、少なくとも 3 重量%、好ましくは 5〜10 重量%であるべきである。
【0055】
ここでのエポキシ脂肪酸エステルは、エポキシド化された一価アルコールの脂肪酸エステル、即ち、例えば、エポキシド化されたオレイン酸メチルエステル、リノレン酸メチルエステル、リシノール酸メチルエステル、又はエポキシド化された多価アルコールの脂肪酸エステル、例えば、グリセロールモノオレエート又はプロピレングリコールモノオレエート、又はエポキシド化された脂肪酸トリグリセリド、例えば、オレイン酸トリグリセリド、又は不飽和油、例えば、オリーブ油、大豆油、ヒマワリ油、亜麻仁油、菜種油のいずれかである。
【0056】
工業的視点から特に重要なものは、まず、不飽和植物脂肪酸の不飽和脂肪酸メチルエステルエポキシドである。従って、エステルポリオールとして、エポキシド化植物油脂肪酸メチルエステルと、2〜6 個の炭素原子及び 2〜6 個のヒドロキシル基を含むポリオールとの反応生成物が特に好ましい。ここでのポリオールは、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール又はジグリセロールであり得る。
【0057】
本発明の漂白剤のために、エステルポリオールとして特に適当なものは、350〜450 のヒドロキシル価を有する、エポキシド化植物脂肪酸メチルエステルとトリメチルプロパンとの反応生成物である。大豆油脂肪酸メチルエステルエポキシドとトリメチロールプロパンベースのこのような生成物は、Sovermol(登録商標)760 の商品名で入手可能である。
【0058】
加えて、ビタミン B3 が、構造改善活性成分として使用され得る。この名称は、しばしば、化合物のニコチン酸及びニコチンアミド(ナイアシンアミド)を包含する。本発明では、ニコチンアミドが好ましい。
【0059】
本発明の目的のために、構造改善活性成分として、ビタミン H を使用することもできる。ビタミン H は、化合物の (3aS, 4S, 6aR)-2-オキソヘキサヒドロチエノール[3,4-d]イミダゾール-4-吉草酸を意味するが、とかくするうちに、慣用名ビオチンが受け入れられてきている。
【0060】
本発明において特に好ましい構造改善活性成分は、パンテノール、生理学的適合性パンテノール誘導体、単糖類、二糖類及びオリゴ糖類、セリン、グリセリン酸、ナイアシンアミド、ビタミン B6、ポリビニルピロリドン、グルコン酸、ビオチン、及び脂溶性のエステルアルコール又はエステルポリオールから選ばれる。
【0061】
本発明の製剤は、構造改善活性成分を、好ましくは 0.1〜5 重量%、特に好ましくは 0.2〜2 重量%の量で含む。
【0062】
本発明の好ましい態様では、製剤は更にマグネシウム化合物を含む。本発明の製剤は、Mg2+ カチオンを添加することによって、その構造保持特性に関して更に最適化され得る。好ましいマグネシウム化合物は、無機及び有機の Mg2+ 塩、例えば、ハロゲン化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩及びクエン酸塩である。
【0063】
本発明の製剤は、このような製剤用で知られる活性成分、添加剤及び助剤の全てを更に含み得る。多くの場合、漂白剤は、少なくとも 1 種の界面活性剤を含み、基本的に、アニオン性又は双性イオン性、両性、非イオン性及びカチオン性界面活性剤のいずれかが適当である。しかしながら、多くの場合、アニオン性、双性イオン性又は非イオン性界面活性剤から界面活性剤を選択することが有利であることが証明されている。
【0064】
本発明の製剤に適当なアニオン性界面活性剤は、人体への使用に適したアニオン性界面活性物質の全てである。これらは、水可溶化アニオン基、例えば、カルボン酸基、硫酸基、スルホン酸基又はリン酸基、及び約 10〜22 個の炭素原子を含む親油性アルキル基を特徴とする。加えて、グリコール又はポリグリコールエーテル基、エステル、エーテル、アミド基、及びヒドロキシル基も、分子中に存在し得る。適当なアニオン性界面活性剤の例は、ナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、アルカノール基中に 2 又は 3 個の炭素原子を含むモノ-、ジ-及びトリアルカノールアンモニウム塩の状態の各化合物であり、その例を次に挙げる:
【0065】
・10〜22 個の炭素原子を含む直鎖脂肪酸(石鹸)、
・式:R-O-(CH2-CH2O)x-CH2-COOH[式中、R は 10〜22 個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、x = 0 又は 1〜16 である。]で示されるエーテルカルボン酸、
・アシル基に 10〜18 個の炭素原子を含むアシルサルコシド、
・アシル基に 10〜18 個の炭素原子を含むアシルタウリド、
・アシル基に 10〜18 個の炭素原子を含むアシルイセチオネート、
・アルキル基に 8〜18 個の炭素原子を含むスルホコハク酸モノ-及びジアルキルエステル、及びアルキル基に 8〜18 個の炭素原子と 1〜6 個のオキシエチル基とを含むスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
・12〜18 個の炭素原子を含む直鎖アルカンスルホネート、
・12〜18 個の炭素原子を含む直鎖α-オレフィンスルホネート、
・12〜18 個の炭素原子を含む脂肪酸由来のα-スルホ脂肪酸メチルエステル、
・式:R-O(CH2-CH2O)x-OSO3H[式中、R は好ましくは 10〜18 個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、x = 0 又は 1〜12 である。]で示されるアルキルスルフェート及びアルキルポリグリコールエーテルスルフェート、
・DE-A-37 25 030 による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物、
・DE-A-37 23 354 による硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレン-及び/又はヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル、
・DE-A-39 26 344 による 12〜24 個の炭素原子及び 1〜6 個の二重結合を含む不飽和脂肪酸のスルホネート、
・8〜22 個の炭素原子を含む脂肪アルコールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド約 2〜15 分子が付加した生成物の形態のアルコールと酒石酸及びクエン酸とのエステル。
【0066】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェート及びエーテルカルボン酸(アルキル基中に 10〜18 個の炭素原子を含み、分子中のグリコールエーテル基数が 12 までのもの)、並びにとりわけ、飽和及び特に不飽和の C8〜C22 カルボン酸(例えばオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びパルミチン酸)の塩である。
【0067】
双性イオン性界面活性剤は、少なくとも 1 個の第四級アンモニウム基及び少なくとも 1 個の -COO- 又は -SO3- 基を分子中に有する界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、及び 2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリンであって、アルキル又はアシル基の炭素数が 8〜18 個のもの、並びにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI 名 Cocamidopropyl Betaine として知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0068】
両性界面活性剤は、C8〜C18 アルキル又はアシル基に加えて、少なくとも 1 個の遊離アミノ基及び少なくとも 1 個の -COOH 又は -SO3H 基を分子中に有し、分子内塩を形成し得る界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸(いずれもアルキル基の炭素数が約 8〜18 個のもの)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネート、及び C12〜C18 アシルサルコシンである。
【0069】
非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、又はポリオール/ポリグリコールエーテル基組み合わせを、親水性基として有する。そのような化合物の例を、次に挙げる:
・8〜22 個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコール、12〜22 個の炭素原子を含む脂肪酸、及びアルキル基中に 8〜15 個の炭素原子を含むアルキルフェノールの、エチレンオキシド 2〜30 mol 及び/又はプロピレンオキシド 0〜5 mol 付加物、
・グリセロールのエチレンオキシド 1〜30 mol 付加物の、C12〜C22 脂肪酸モノエステル及びジエステル、
・C8〜C22 アルキルモノ-及びオリゴグリコシド並びにそれらのエトキシル化類似体、
・ヒマシ油及び水素化ヒマシ油のエチレンオキシド 5〜60 mol 付加物、
・ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、
・脂肪酸アルカノールアミドのエチレンオキシド付加物。
【0070】
本発明の漂白剤に使用され得るカチオン性界面活性剤の例は、とりわけ、第四級アンモニウム化合物である。好ましい第四級アンモニウム化合物は、次のようなハロゲン化アンモニウムである:アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリド。本発明において使用され得る他のカチオン性界面活性剤は、四級化タンパク質加水分解物である。
【0071】
また、次に例示するカチオン性シリコーン油も、本発明に従って使用するのに適当である:市販品である Q2-7224(Dow Corning 社製;安定化したトリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning 929 エマルション(アモジメチコンとしても知られるヒドロキシアミノ修飾シリコーンを含有)、SM-2059(General Electric 社製)、SLM-55067(Wacker 社製)、並びに Abil(登録商標)-Quat 3270 及び 3272(Th. Goldschmidt 社製;ジ第四級ポリジメチルシロキサン、クオタニウム-80)。
【0072】
アルキルアミドアミン、特に脂肪酸アミドアミン、例えば Tego Amid(登録商標)S 18 の商品名で入手可能なステアリルアミドプロピルジメチルアミンは、良好なコンディショニング効果だけでなく、優れた易生分解性を特徴とする。非常に優れた易生分解性のものは、第四級エステル化合物、いわゆる「エステルクォート」であり、例えば、Stepantex(登録商標)の商品名で市販されているメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェート、及び Dehyquart(登録商標)の商品名で市販されている製品、例えば Dehyquart(登録商標)AU-46 である。
【0073】
カチオン性界面活性剤として使用され得る第四級糖誘導体の一例は、市販品である Glucquat(登録商標)100(INCI 名:Lauryl Methyl Gluceth-10 Hydroxypropyl Dimonium Chloride)である。
【0074】
界面活性剤として使用するアルキル基を有する物質は、単一の物質であってよい。しかしながら、通常、そのような物質は天然の植物性又は動物性原料から製造するので、原料に応じてアルキル鎖長の異なる物質の混合物として得られる。
【0075】
使用され得る脂肪アルコールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、又はそのような付加物の誘導体である界面活性剤は、「正規」同族体分布を有する生成物、及び狭い同族体分布を有する生成物のいずれかである。これに関して、「正規」同族体分布は、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属アルコラートを使用して、脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応によって得られる同族体混合物を意味すると理解される。一方、狭い同族体分布は、例えばヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物又はアルコラートを触媒として使用した場合に得られる。同族体分布の狭い生成物を使用することが有利であり得る。
【0076】
加えて、本発明の漂白剤は、好ましくは、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、アルキルアミドアミン、パラフィン油、植物油及び合成油によって形成される群から選ばれるコンディショニング活性成分も含み得る。
【0077】
コンディショニング活性成分として、カチオン性ポリマーが好ましい。これらは一般に、第四級窒素原子を、例えばアンモニウム基の状態で含むポリマーである。
【0078】
好ましいカチオン性ポリマーの例を、次に挙げる。
・Celquat(登録商標)及び Polymer JR(登録商標)の商品名で市販されている四級化セルロース誘導体。化合物 Celquat(登録商標)H 100、Celquat(登録商標)L 200 及び Polymer JR(登録商標)400 が好ましい四級化セルロース誘導体である。
・重合体ジメチルジアリルアンモニウム塩並びに、それとアクリル酸とのコポリマー、並びにそれとアクリル酸及びメタクリル酸のエステル及びアミドとのコポリマー。Merquat(登録商標)100(ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド))、Merquat(登録商標)550(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド-アクリルアミド-コポリマー)及び Merquat(登録商標)280(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド-アクリル酸コポリマー)の名称で市販されている製品が、このようなカチオン性ポリマーの例である。
・ビニルピロリドンとジアルキルアミノアクリレート及び-メタクリレートの四級化誘導体とのコポリマー、例えば硫酸ジエチルで四級化されたビニルピロリドン-ジメチルアミノメタクリレート-コポリマー。このような化合物は、Gafquat(登録商標)734 及び Gafquat(登録商標)755 の商品名で市販されている。
・例えば Luviquat(登録商標)の名称で市販されているような、ビニルピロリドン-メトイミダゾリニウムクロリドコポリマー。
・四級化ポリビニルアルコール。
・ポリマー主鎖に第四級窒素原子を含む、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18 及びポリクオタニウム-27 の名称で知られるポリマー。
【0079】
最初の 4 つの群のカチオン性ポリマーがより好ましく、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-10 及びポリクオタニウム-22 が特に好ましい。
【0080】
また、コンディショニング活性成分として適しているのは、シリコーン油、特に、ジアルキル-及びアルキルアリールシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサン、並びにそれらのアルコキシル化及び四級化類似体である。このようなシリコーンの例は、Dow Corning によって DC 190、DC 200、DC 344、DC 345 及び DC 1401 の商品名で市販されている製品、並びに市販品である Q2-7224(Dow Corning 社製;安定化トリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning(登録商標)929 エマルション(ヒドロキシルアミノ変性シリコーンを含有し、アモジメチコンとしても知られる)、SM-2059(General Electric 社製)、SLM-55067(Wacker 社製)、Abil(登録商標)-Quat 3270 及び 3272(Th. Goldschmidt 社製;ジ第四級ポリジメチルシロキサン、クオタニウム-80)である。
【0081】
コンディショニング活性成分として、パラフィン油、合成オリゴマーアルケン、及び植物油、例えばホホバ油、ヒマワリ油、オレンジ油、アーモンド油、小麦麦芽油、杏仁油、並びに酢酸トコフェロールを同様に使用できる。
【0082】
同様に、適当なヘアコンディショニング化合物は、リン脂質、例えば大豆レシチン、卵レシチン及びケファリンである。
【0083】
更なる活性成分、助剤及び添加剤の例を次に挙げる。
・非イオン性ポリマー、例えばビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、及びビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、並びにポリシロキサン、
・双性イオン性及び両性ポリマー、例えばアクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、及びオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/t-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、
・アニオン性ポリマー、例えばポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、及びアクリル酸/エチルアクリレート/N-t-ブチルアクリルアミドターポリマー、
・増粘剤、例えば寒天、グアーガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビアガム、インドガム、イナゴマメ粉、アマニガム、デキストラン、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロース)、デンプンフラクション及び誘導体(例えばアミロース、アミロペクチン及びデキストリン)、クレー(例えばベントナイト)、又は純合成ヒドロコロイド(例えばポリビニルアルコール)、
【0084】
・構造剤、例えばマレイン酸、及び乳酸、
・タンパク質加水分解物、とりわけエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質及び小麦タンパク質加水分解物、それらと脂肪酸との縮合生成物、並びに四級化タンパク質加水分解物、
・香油、
・シクロデキストリン、
・溶媒及び可溶化剤、例えばエタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ジメチルイソソルビド及びジエチレングリコール、
・四級化アミン、例えばメチル-1-アルキルアミドエチル-2-アルキルイミダゾリニウムメトスルフェート、
・消泡剤、例えばシリコーン、
・製剤を着色するための染料、
・フケ防止活性成分、例えばピロクトン・オラミン、ジンク・オマジン及びクリンバゾール、
・光保護剤、特に誘導化ベンゾフェノン、桂皮酸誘導体及びトリアジン、
・pH を調整するための物質、例えば通例の酸、特に食品の酸及び塩基、
・活性成分、例えばアラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、並びにビサボロール、
【0085】
・コレステロール、
・コンシステンシー因子、例えば糖エステル、ポリオールエステル又はポリオールアルキルエーテル、
・脂肪及び蝋、例えば鯨蝋、蜜蝋、モンタン蝋及びパラフィン、
・脂肪酸アルカノールアミド、
・錯化剤、例えば EDTA、NTA、β-アラニンジ酢酸及びホスホン酸、
・膨潤及び浸透物質、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、ハイドロゲンカーボネート、グアニジン類、尿素類、第一、第二及び第三ホスフェート、
・乳濁剤、例えばラテックス、スチレン/PVP コポリマー及びスチレン/アクリルアミドコポリマー、
・真珠光沢剤、例えばエチレングリコールモノ-及びジステアレート、並びに PEG-3 ジステアレート、
・顔料、
・過酸化水素及び他の酸化剤のための安定化剤、
・プロペラント、例えばプロパン/ブタン混合物、N2O 、ジメチルエーテル、CO2 及び空気、
・抗酸化剤。
【0086】
使用される更なる任意の成分及びそれらの量については、当業者に既知の関連する手引き、例えば、Kh. Schrader 著、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika、第 2 版、Huethig Buch 出版、ハイデルベルク、1989 年を特に参照できる。
【0087】
本発明は、第四に、ケラチン含有繊維を淡色化する方法を提供する。本発明の方法では、繊維を上記した製剤の 1 つで処理する。
【0088】
下記実施例は、本発明の対象を、限定することなく説明するために供給する。
【実施例1】
【0089】
漂白剤の調製
成分 A として、下記の表 1 におけるクリームベース A 及び B を調製した。
【表1】

【0090】
毛髪に適用する前に、12.5 g のペルオキソ二硫酸アンモニウムをクリームベース A に混合するか、又は 12.5 g のペルオキソ二硫酸アンモニウム及び 5.0 g のナトリウム水ガラス 40/42 を、50 g のクリームベース B に混合した。2 種類の得られた混合物を 50 g の成分 B と各々混合して、表 2 に示したような漂白剤 I 又は II を各々得た。最後に、50 重量%のクエン酸水溶液を用いて pH を 6.1 に調整した。
【0091】
【表2】

【0092】
【表3】

【実施例2】
【0093】
適用及び比色定量分析
淡色化の程度を、標準毛髪試料(Alkinco 6634)を用いて、繊維の比色定量分析によって測定した。実施例 1 で調製した漂白剤を用いて、毛髪試料を 32 ℃で 15 分間処理し、その後、水で濯いだ。最後に毛髪を乾燥し、Datacolor 社製 Texflash DC 3881 機器を用いて比色分析し、CIE-Lab 値を決定した。
【0094】
淡色化された毛髪試料の明るさの違いは、下記の色差式における、ΔL としての個々の CIE-Lab 値、及び色差ΔE としての毛髪の全体的な色の変化から生ずる(DIN 6174、German standards、Benth Verlag GmbH、ベルリン、1975 年参照)。未処理である開始時の毛髪の値は、参考 Lab 値として扱う。
ΔE = [(ΔL)2 + (Δa)2 + (Δb)2]1/2 (色差式)
【0095】
表 3 に、測定した CIE-Lab 値をまとめる。ΔE 値が大きい程、開始時の毛髪と比較して、色の変化が大きい。L 値又はΔL 値が大きい程、淡色化力が高い。
【表4】

【0096】
実施例の結果は、漂白剤の淡色化力が、任意に水和された SiO2 化合物として、ナトリウム水ガラス 40/42 を添加することによって、1.87 倍増加したことを証明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン含有繊維、特に人毛用の漂白剤の淡色化力を増加するための、任意に水和された SiO2 化合物の使用。
【請求項2】
任意に水和された SiO2 化合物がシリカゲルであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
任意に水和された SiO2 化合物が、式 (SiO2)n(Na2O)m(K2O)p[式中、n は正の有理数であり、m 及び p は、相互に独立に、正の有理数又は 0 であり、ただし、変数 m 又は p の少なくとも 1 つは 0 ではなく、n と m 及び p の和との比は、1:4 と 4:1 の間である。]の珪酸塩であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
任意に水和された SiO2 化合物が、式 (SiO2)n(Na2O)m(K2O)p[式中、n、m 及び p は、請求項3で定義したとおりである。]の珪酸塩の水溶液であることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
少なくとも 1 種の任意に水和された SiO2 化合物を追加的に含み、4.5〜9.0 の pH を有することを特徴とする、少なくとも 1 種のペルオキソ化合物及び過酸化水素を含む、ケラチン含有繊維、特に人毛を淡色化するための製剤。
【請求項6】
4.5〜7.0 の pH を有することを特徴とする請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
少なくとも 1 種の任意に水和された SiO2 化合物を含み、7.5〜9.0 の pH を有することを特徴とする、過酸化水素、並びにアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルバミドから選ばれる少なくとも 1 種のアルカリ化剤を含む、ケラチン含有繊維、特に人毛を淡色化するための製剤。
【請求項8】
少なくとも 1 種のペルオキソ化合物を追加的に含むことを特徴とする、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
任意に水和された SiO2 化合物が、式 (SiO2)n(Na2O)m(K2O)p[式中、n は正の有理数であり、m 及び p は、相互に独立に、正の有理数又は 0 であり、ただし、変数 m 又は p の少なくとも 1 つは 0 ではなく、n と m 及び p の和との比は、1:4 と 4:1 の間である。]の珪酸塩であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の製剤。
【請求項10】
任意に水和された SiO2 化合物が、式 (SiO2)n(Na2O)m(K2O)p[式中、n、m 及び p は、請求項8で定義したとおりである。]の珪酸塩の水溶液であることを特徴とする、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
任意に水和された SiO2 化合物がシリカゲルであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の製剤。
【請求項12】
任意に水和された SiO2 化合物を 0.05〜15 重量%の量で含むことを特徴とする、請求項5〜11のいずれかに記載の製剤。
【請求項13】
少なくとも 1 種のアルカリ化剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項5、6、9〜12のいずれかに記載の製剤。
【請求項14】
パンテノール、生理学的適合性パンテノール誘導体、単糖類、二糖類及びオリゴ糖類、セリン、グリセリン酸、ナイアシンアミド、ビタミン B6、ポリビニルピロリドン、グルコン酸、ビオチン、及び脂溶性のエステルアルコール又はエステルポリオールから選ばれる、構造改善活性成分が追加的に存在することを特徴とする、請求項5〜13のいずれかに記載の製剤。
【請求項15】
構造改善活性成分を 0.1〜5 重量%の量で含むことを特徴とする、請求項14に記載の製剤。
【請求項16】
マグネシウム化合物を更に含むことを特徴とする、請求項5〜15のいずれかに記載の製剤。
【請求項17】
ペルオキソ化合物が、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、ペルオキシ二硫酸カリウム、ペルオキシ二硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキシ二リン酸カリウム、過酸化マグネシウム及び過酸化バリウムから選ばれることを特徴とする、請求項5、6、8〜16のいずれかに記載の製剤。
【請求項18】
酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸及び o-フタル酸から選ばれる少なくとも 1 種の酸が追加的に存在することを特徴とする、請求項5〜17のいずれかに記載の製剤。
【請求項19】
請求項5〜18のいずれかに記載の製剤で処理することを特徴とする、ケラチン含有繊維を淡色化する方法。
【請求項20】
請求項5〜18のいずれかに記載の製剤を、繊維に適用される直前に、少なくとも 1 種のペルオキソ化合物を含む成分 A 及び/又は過酸化水素を含む成分 B から混合する(ただし、成分 A 及び B の少なくとも 1 つは、任意に水和された SiO2 化合物を含み、得られた混合物の pH は 4.5〜9.0 である。)ことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
成分 A 及び B の少なくとも 1 つが、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルバミドから選ばれるアルカリ化剤を含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
得られた混合物の pH が 7.5〜9.0 であることを特徴とする、請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
成分 A 及び B の少なくとも 1 つが、パンテノール、生理学的適合性パンテノール誘導体、単糖類、二糖類及びオリゴ糖類、セリン、グリセリン酸、ナイアシンアミド、ビタミン B6、ポリビニルピロリドン、グルコン酸、ビオチン、及び脂溶性のエステルアルコール又はエステルポリオールから選ばれる、少なくとも 1 種の構造改善活性成分を含むことを特徴とする、請求項19〜22のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2007−503410(P2007−503410A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524291(P2006−524291)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009208
【国際公開番号】WO2005/020945
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【Fターム(参考)】